JP3736725B2 - 車両盗難防止システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、指紋認識によるドアロック解錠を行うキーレスエントリーシステムを備えるとともに、車両への乗込者を撮像した画像データを通信ネットワークを通じて転送して画面表示による確認を行う車両盗難防止システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯型の送信機を接近させて操作して暗証コードを送信し、ドアキーを使用せずに車両のドアの施錠及び解錠を行う各種のキーレスエントリーシステムが知られている。このキーレスエントリーシステムとして、車両のドアロック解錠を指紋識別によって行う技術が提案されている(例えば、特開昭61−53972号「指紋識別による自動車用ドアのロック解除方法」公報例、特開昭61−64977号「固体識別自動車ドア開閉装置」公報例、特開昭62−101777号「電子キー装置」公報例)。
【0003】
この種の指紋識別によるドアロック解錠では、その指紋識別能力が問題となる。例えば、指紋認識装置が車外のドアなどに設けられるため、その読取光学系の汚れや水などの付着、及び指紋認識を行う人の指の損傷や汚れによって、指紋識別能力の低下が生じる。また、複雑なパターン認識処理を行うため、指紋識別に多大な時間を要し、更に、識別時間を短縮すると誤認識する確率が高くなることが知られている。
【0004】
また、このような車両の盗難対策として、携帯電話機、全地球測位システム(GPS)、セキュリティサービス及び無線選択呼出受信機(ページャ)を組み合わせた通信ネットワーク化による車両盗難対策システムが提案されている(Automotive Engineering International/October 1998 参考)。この車両盗難対策システムは、キーレスエントリーシステムとともに、専用装置が必要であり、コストが嵩み、かつ、誤動作が発生する場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように指紋識別によるドアロック解除システムでは、その指紋識別能力の改善が課題となっており、また、通信ネットワーク化による車両盗難対策システムでは、より確実なシステム構築が課題であり、車内荒らしや車両盗難(適宜、車両盗難のみで説明する)に対するさらなる安全性の向上が望まれている。
【0006】
本発明は、このような従来の技術における課題を解決するものであり、指紋認識によるドアロック解錠ができず、車両キー又はキーレスエントリーシステムによってドアロック解錠を行った場合に、車両への乗込者を一定時間撮影した画像データを通信ネットワークを通じて転送し、この画像データを車両の所有者等が持っている画像表示装置に画面表示して確認できるようになり、車両盗難に対するセキュリティ性能を向上させることが可能な車両盗難防止システムの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明の車両盗難防止システムは、人の指紋を認識する指紋認識手段と、前記指紋認識手段により得られた指紋データと予め登録された指紋データとを照合して一致するか否かを識別する指紋識別手段と、前記指紋識別手段の照合によって指紋データが一致した場合にドアロックの解錠を行い、前記指紋識別手段の照合によって指紋データが一致しなかった場合に、所定時間に亘って前記ドアロックの解錠を検出する解錠状態検出処理を行うドアロック解錠制御手段と、前記ドアロック解錠制御手段が前記解錠状態検出処理において前記ドアロックの解錠を検出した場合に車内を撮影する撮像手段と、前記撮像手段により得られた車内の画像データを通信ネットワークに対して無線伝送する無線通信手段と、前記通信ネットワークを介して伝送された画像データを受け取って表示する画像表示装置と、を備えた構成となっている。
【0008】
また、車両のドアロック解除用の遠隔操作信号を送信する携帯送信機を備え、前記ドアロック解錠制御手段は、前記指紋識別手段の照合によって指紋データが一致しなかった場合に前記携帯送信機からの遠隔操作信号を受信してその遠隔操作信号の暗証コードが正しい場合にドアロックの解錠を行う構成となっている。
【0009】
更に、前記指紋認識手段は、人の指紋を光学的に読み取る光学読取装置を有してなり、該光学読取装置の検知部が車両のドア又はその近傍の車外に配設される構成となっている。
【0010】
このような本発明の車両盗難防止システムでは、指紋認識によるドアロック解錠を行い、その解錠ができない場合に、車両キー又はキーレスエントリーシステムにおける携帯送信機からの遠隔操作信号の送受信によってドアロック解錠が行われる。この後の車両への乗込者を、例えば、一定時間撮影した画像データを通信ネットワークを通じて転送する。この転送による画像データを画像表示装置(例えば、カラーモニタ付携帯電話機、携帯電話機及びモバイルコンピュータ、又は固定設置のコンピュータ)によって取り込んで格納し、画面表示する。車両の所有者などがこの画像を閲覧することによって乗込者の確認が行われる。この結果、画像データから即時に又はこの後に車両盗難などの発生が容易に確認され、その車両盗難などに対するセキュリティ性能が向上する。
【0011】
また、撮像した画像データとともに、日付データ、車両個別情報、駐車場所データなどを付加することも可能である。これにより、その日付、車両名、駐車場所のデータから車両盗難などの解決が容易になり、更に、多量の車両にする個々の盗難確認などが一つの遠隔地(例えば、移動先、自宅、会社、海外)での画像表示装置(例えば、カラーモニタ付携帯電話機、携帯電話機及びモバイルコンピュータ、又は固定設置のコンピュータ)で可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の車両盗難防止システムの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る車両盗難防止システムの車両における構成を示すブロック図であり、図2は指紋認識装置の要部構成を示す斜視図である。また、図3は本実施形態の車両盗難防止システムの全体構成を説明するための図であり、図4は本実施形態の車両盗難防止システムにおける機能的構成を示すブロック図である。
【0013】
図1において、この実施形態の車両盗難防止システムは、車両1にドアロック又はアンロックのための遠隔操作信号(暗証コードなど)を受信する車両側受信機2と、ドアロック機構の電磁コイルなどを駆動してドアロック又はアンロックの動作を行う駆動機構3と、携帯して車両のドアロックを遠隔操作するための遠隔操作信号を送信する携帯送信機4と、この車両盗難防止システムに関連する制御や車両各部の動作にかかる制御を行うための指紋識別手段及びドアロック解錠制御手段としての車載コンピュータ5と、この車載コンピュータ5と着脱自在に接続され車載コンピュータ5との間でデータやプログラムの送受信を行うモバイルコンピュータ6とを備えている。
【0014】
更に、車両1には、車内の乗車者などの様子を撮影する撮像手段としてのCCDカメラ7と、このCCDカメラ7で撮影した画像データなどの各種データを外部と送受信するための無線通信手段としての携帯電話機8と、全地球測位システム(GPS)を利用し、地図情報及び現在位置情報、携帯電話機8を通じて取り込んだ各種情報などを画面表示するカーナビゲーション装置10と、車両1のドアなどに配置され、車両1に乗り込む際に検知器に載せ置かれた人の指などの指紋データを取り込んで車載コンピュータ5に転送する指紋認識手段としての指紋認識装置11とを備えている。
【0015】
なお、この図1に示す構成では、人の車両への接近を検出して、指紋認識装置11などを起動する接近センサが更に設けられる場合がある。
【0016】
駆動機構3は、運転席ドアユニット、助手席ドアユニット、左右の後部ドアユニットなどの各部のドアユニット12内に設けられている。なお、このドアユニット12には、それぞれアンテナ及び車両側受信機2及びコントロールユニットを含む個別装置を備える場合がある。
【0017】
携帯送信機4は、送信のみを行うものの他に送受信が可能なものでも良く、アラーム機能付き、パッシブ型、アクティブ型などの各種のものが使用可能である。また、図示したような遠隔操作型のものに限らず、キーの把持部などに送信機を一体的に内蔵したものやキーホルダー型のものでも良い。この遠隔操作信号の送受信は、無線電波を用いるものに限らず、赤外線を送受信するものなど、他のいずれの方式を用いたものでも良い。
【0018】
車載コンピュータ5は、車両1内の各部の電子回路、イグニション回路、リレーボックスなどと接続されており、遠隔操作信号の暗証コードの更新や送受信、ドアロック機構の動作などのドアロック又はアンロックにかかる動作制御を行ったり、車両のライトやパワーウインドなどの車両各部の動作制御や空燃比制御などの運行に関する動作制御を行うものである。
【0019】
この車載コンピュータ5において、制御プログラムはEEPROM等のメモリに記憶されている。この制御プログラムにおいて、ドアロック又はアンロックを含む車両盗難防止システムに関する動作やライト、パワーウインド、ホーン、ミラー、エアバックなどの車両の運行に直接影響を与えない部分の動作のプログラムについては、変更可能に構成することもできる。
【0020】
モバイルコンピュータ6は、ノート型小型パーソナルコンピュータなどを用い、折り畳んだ状態で車両前部のコンソールボックス部分に挿入し、RS−232C等のインターフェースによってコネクタを介して車載コンピュータ5と直接接続したり、インターフェースケーブルにより接続する。
【0021】
携帯電話機8は、車載コンピュータ5と接続され、PDC,PHS,CDMA( cdmaOne(商標),IS−95など),IMT−2000(W−CDMAなど)等の移動体通信システムを利用して外部との間でデータのやり取りを行うものである。携帯電話機8は車両に固定設置される自動車電話機などでも良い。この携帯電話機8は、移動体通信システムのセル基地局9と無線接続され、RCR(ARIB)−STD−27,28,T53などのエアインターフェース規格によってデータ送受信を行う。なお、PHSにおいてTCP/IPを用いるPIAFS規格などの適用も可能である。
【0022】
図2に示す指紋認識装置11は、車両1のドア(車外)又はその近傍などに検知部が露呈するように配置されている。この指紋認識装置11は、車両1に乗り込む際に指紋データを予め登録している指紋データと照合してドアロック解錠を行うために、乗込者の指を載せ置く透明台11aと、載せ置いた指を検出してその検出信号を出力する機械式又は光学式などによるスイッチ11bと、光電変換によって読み取った指紋データを車載コンピュータ5へ送出するCCD等の撮像素子11cとを有して検知部が構成される。なお、撮像素子11cの駆動回路や受光面上に配置される多数の集光レンズ、及び、撮像素子11cと透明台11aとの間に配置される対物レンズ等は、その図示を省略した。
【0023】
図3及び図4に示すように、車両1の携帯電話機8と無線通信を行うセル基地局9が、移動体通信ネットワーク21に収容されている。この移動体通信ネットワーク21,22は、多数のセル基地局(図示せず)を収容するとともに、通信ネットワーク30と接続されている。この通信ネットワーク30は、インターネット等の広域通信ネットワーク20、移動体通信ネットワーク21,22及び地域通信ネットワーク23等が接続されて構成されている。地域通信ネットワーク23は、TCP/IP通信等を行うネットワーク接続サービスを行う通信ネットワークサービスプロバイダが設けられている。
【0024】
更に、図3及び図4に示すように移動体通信ネットワーク21には、例えば、車両1の所有者又は管理者(以下、車両管理者という)が使用して車両1への乗込者の画像データを取り込む画像表示装置としての携帯電話機31及びパーソナルコンピュータや携帯情報端末(PDA)などのカラー画面表示を行うモバイルコンピュータ32が無線接続される。また、移動体通信ネットワーク22に収容されるセル基地局29には、画像表示装置としてのカラーモニタ付携帯電話機33と、セル基地局29からの選択呼び出しを受信する無線選択呼出受信機(ページャ)34が無線接続される。また、地域通信ネットワーク23には、車両1から転送された画像データを取り込んで格納し、画面表示する画像表示装置としてのデスクトップ型などの固定設置されるコンピュータ36が接続される。
【0025】
なお、前記した通信ネットワーク30における広域通信ネットワーク20及び地域通信ネットワーク23は、PSTNやISDN、専用線網などで構築され、移動体通信ネットワーク21は、PDC通信ネットワークやPHS通信ネットワークなどで構築される。なお、通信ネットワーク30には、企業などに構築される閉鎖通信ネットワーク(イントラネット、構内PHSシステム等)も含まれる。
【0026】
次に、この実施形態の動作について説明する。
図5は実施形態の動作の処理手順を示すフローチャートである。
まず、指紋認識装置11が動作してドアロック解錠動作を行う。車両1に人が近づいた場合、図示しない接近センサの検出によって指紋認識装置11が起動する。ドアロック解錠のために透明台11aに対して乗込者の指が載せ置かれる。この指を載せ置いた状態をスイッチ11bが機械的又は光学的に検出し、この検出信号を車載コンピュータ5に送出する。この検出信号を取り込んだ車載コンピュータ5が撮像素子11cを駆動し、透明台11a上の乗込者の指の指紋を光学的に読み取り、この光電変換した指紋データを車載コンピュータ5が取り込む(図5中のステップS1)。そして、予め登録している指紋データとの照合を行う(ステップS2)。
【0027】
この取り込んだ指紋データの照合において、登録している正規使用者の指紋データと一致していることを認識した場合、車載コンピュータ5は駆動機構3を制御してそのドアロック解錠を行う(ステップS3,S4)。なお、指紋認識装置11が、運転席側ドア、助手席側ドア、左右の後部ドアごとに設けられている場合、各部のドアユニットにおいてドアロック解錠動作が行われる。
【0028】
ここで、指紋認識装置11は、車外に設けられるため、その読取光学系(透明台11a,撮像素子11cの受光面等)の汚れ、水などの付着があったり、指紋認識を行う人の指の損傷や汚れによって指紋識別能力が低下することがある。この場合、車載コンピュータ5において予め登録している指紋データとの照合が正しく行えずに不一致となり、ドアロック解錠ができないことがある(ステップS3:No)。このとき、例えば、車載コンピュータ5の制御により警報音を報知するようにすると、そのドアロック解錠不可が容易に判明する。
【0029】
このように指紋認識によるドアロック解錠ができない場合、ステップS5以降の手順に進み、車両キーでドアロック解錠を行ったり、又は、キーレスエントリーシステムの暗証ゴードの送受信によってドアロック解錠を行うことになる。このとき、車載コンピュータ5はドアロック解錠状態を検出する。
【0030】
キーレスエントリーシステムで解錠を行う場合、携帯送信機4を操作して暗証コードを含む遠隔操作信号を車両側受信機2に対して送信する。なお、携帯送信機4及び車両側受信機2をそれぞれ送受信機能を有する構成とし、応答信号などをやり取りして暗証コードの伝送を行うようにしても良い。車両側受信機2で遠隔操作信号が受信されると、車載コンピュータ5は、受信した遠隔操作信号の暗証コードと予め登録されている暗証コードとを照合することによって認証を行う。
【0031】
ここで、暗証コードが正しく認証された場合は、駆動機構3に対して解錠信号を送出し、ドアロック機構の電磁コイルなどを駆動してドアをアンロック状態にする。なお、暗証コードによるドアロック解錠動作としては、車両側受信機2において暗証コードの認証を行い、認証信号を車載コンピュータ5に出力してドアロックの解錠を行ったり、車両側受信機2から駆動機構3に解錠信号を出力してドアロックを解錠するようにしても良い。
【0032】
ドアロック解錠状態の検出動作においては、まず、車載コンピュータ5に予め設定しているタイムカウントを行うため、車載コンピュータ5の第1タイマをオンした後(ステップS5)、ドア開錠検出をオンとしてドアロック解錠状態の検出を開始する(ステップS6)。なお、このタイマ設定は、例えば、車載コンピュータ5におけるCPUの制御の割り付け、すなわち、他の制御動作を制限しないように設けるものである。或いは、ドア開錠検出を一定期間(タイムアウト時間)とすることによって指紋認識エラー後のドアロック解錠とその他の場合のドアロック解錠とを区別できるように設けるものである。なお、常時ドアロック解錠状態を検出するようにしても良い。
【0033】
その後、第1タイマのカウント時間をチェックし(第1タイマチェック、ステップS7)、更に、第1タイマがカウントアップしてタイムアウトしたか否か判断する(ステップS8)。ここでタイムアウトの場合は、車載コンピュータ5がドア開錠検出をオフに制御する(ステップS9)。
【0034】
ステップS8においてタイムアウトしていないときは、ドアロックが解錠されてドア開錠となったか否かを判断し(ステップS10)、ドアロックが解錠されない場合はステップS7の第1タイマチェックに戻る。ステップS10においてタイムアウトまでの時間内にドアロックの解錠を検出すると、車載コンピュータ5がドア開錠検出をオフに制御する(ステップS11)。そして、車載コンピュータ5は、第2タイマをオンにし(ステップS12)、CCDカメラ7を起動して車内の様子を撮影し、その画像データの転送を開始する(撮像転送オン、ステップS13)。この第2タイマは、車載コンピュータ5がCCDカメラ7に一定時間起動信号を送出して、車内(特に運転席周辺)を撮影する時間を設定するものである。これにより、車両1のドアロック解錠を行って車内に入った乗込者(正規の使用者又は盗難の場合は無断侵入者)の画像データを得る。
【0035】
車載コンピュータ5は、必要に応じて撮像信号のA/D変換、JPEG方式やMPEG方式などによる圧縮処理などを行い、通信ネットワーク30への伝送可能な画像データを生成する。また、車載コンピュータ5において、内蔵しているカレンダ回路から日時データを取り込んで、画像データに付加する。この後に、車載コンピュータ5は、起動信号を携帯電話機8に送出して、例えば、携帯電話機31の電話番号への発呼が行われ、セル基地局9に対して選択信号などが発信される。この選択信号によって携帯電話機8と携帯電話機31とに対する移動体通信ネットワーク21,22との間の回線接続が行われる。この回線接続後に通信プロトコルを実行して、車載コンピュータ5に保持されている画像データ(日時データを含む)が移動体通信ネットワーク21を介して転送される。
【0036】
その後、第2タイマのカウント時間をチェックし(第2タイマチェック、ステップS14)、更に、第2タイマがカウントアップしてタイムアウトしたか否か判断する(ステップS15)。ここで、タイムアウトするまでステップS14,S15を繰り返し、撮影及び画像データ転送を継続する。ステップS15においてタイムアウトした場合は、車載コンピュータ5が撮像転送をオフに制御し、車内の様子の撮影及びその画像データの転送を停止する(ステップS16)。これにより、所定時間、車内の撮影が行われ、乗込者を撮像した画像データの転送が行われる。
【0037】
車両1から転送された画像データは、移動体通信ネットワーク21,22を経由して車両管理者側の携帯電話機31を介してモバイルコンピュータ32に転送される。そして、モバイルコンピュータ32は画像データを取り込んで格納し、カラーモニタに画像表示する。この画像を見ることにより、車両1への乗込者に対する画像確認が車両管理者によって行われる。
【0038】
また、カラーモニタ付携帯電話機33に画像データを転送する場合も、前記と同様にして、電話番号への発呼が行われ、画像データが移動体通信ネットワーク21,22を通じてカラーモニタ付携帯電話機33に転送される。そして、カラーモニタ33aに車内の様子が画像表示され、車両1への乗込者に対する画像確認が行われる。このとき内蔵メモリの記憶容量が大きい場合には、その画像データをダウンロードして保存することもできる。この場合、カラーモニタ付携帯電話機33の表示画面面積が狭いものの、そのカラー画像によって、容易に乗込者の確認が可能になる。
【0039】
また、車載コンピュータ5が、取り込んでいる画像データをコンピュータ36に転送する場合は、まず、車載コンピュータ5は、予め登録されているコンピュータ36のアドレス又はサーバマシンのアドレスに携帯電話機8を通じて発信する。これにより、携帯電話機8とコンピュータ36との間が通信プロトコルによってリンク確立され、この後、車載コンピュータ5から画像データがコンピュータ36に転送される。そして、コンピュータ36は、この画像データを取り込んでハードディスク装置などに格納し、即時に又はこの後に画像表示装置に画面表示することにより、乗込者の確認が車両管理者によって行われる。
【0040】
なお、無線選択呼出受信機34の電話番号に前記と同様にして発呼し、車両1のドアロックが解除された旨を表す文字等の情報を伝送して車両管理者に通知することも可能である。この場合、この文字情報を確認した後に、車両管理者が、カラーモニタ付携帯電話機33、携帯電話機31及びモバイルコンピュータ32、又はコンピュータ36を用いて通信ネットワーク30にアクセスして画像データを取り込む。
【0041】
この場合、例えば、車両1のモバイルコンピュータ6が車載コンピュータ5から転送される画像データを取り込み、この後に、カラーモニタ付LCD携帯電話機33、携帯電話機31及びモバイルコンピュータ32、又はコンピュータ36からのアクセスに応じて画像データを転送する。なお、これらのモバイルコンピュータ6、カラーモニタ付携帯電話機33、携帯電話機31及びモバイルコンピュータ32、コンピュータ36には、通信プロトコル(TCP/IP等)及び制御プログラムを実装しておく必要がある。
【0042】
なお、前述した動作では、正規の使用者が車両1に乗り込んだ場合も、画像データが転送される。この場合には、乗込者の画像として転送先のカラーモニタ付携帯電話機33、携帯電話機31及びモバイルコンピュータ32、又はコンピュータ36に車両1への正規の使用者が画面表示されることになる。この場合、車両管理者が、その表示画像から正規の使用者であることを認識して、通信接続を切断して画像データの受信をキャンセルする操作を行う。或いは、予め正規の使用者が乗り込むことがわかっている場合は画像データの受信を行わないように設定することも可能である。また、車内に乗り込んでからCCDカメラ7の動作を車載コンピュータ5の制御で停止するように、例えば、モバイルコンピュータ6から暗号コードを入力して、その転送停止を行うこともできる。
【0043】
このように、本実施形態の車両盗難防止システムでは、指紋認識によるドアロック解錠を行い、その解錠ができない場合に、車両キー又はキーレスエントリーシステムによってドアロック解錠が行われる。この後の車両への乗込者を一定時間撮影した画像データを通信ネットワークを通じて転送する。この転送した画像データをカラーモニタ付LCD携帯電話機33、携帯電話機31及びモバイルコンピュータ32、又はコンピュータ36により取り込んで格納し、モニタに画像表示を行う。所有者等の車両管理者はこの表示画像を閲覧することによって乗込者の確認を行う。この結果、画像データから即時に又はこの後に車両盗難などの発生が容易に確認され、その車両盗難などに対するセキュリティ性能が向上する。
【0044】
このような画像データ及び日時データの転送は、TCP/IP通信等を行う通信ネットワーク、すなわち、インターネット、イントラネット、エキストラネットなどで行うため、比較的低い通信料金(例えば、公衆回線の市内課金)で可能になる。また、指紋認識が正常に行えないときのみ、画像データを転送するようにしているため、通信料金が嵩むことがない。
【0045】
なお、車両1側から画像データ及び日時データに他の情報を付加して転送することもできる。すなわち、画像データ及び日時データに個別の車両情報(車両番号やナンバプレート番号、車両名など)及び駐車場所データを付加しても良い。これらの情報は、カーナビゲーション装置10、携帯電話機8やモバイルコンピュータ6から入力して付加する。これによって、多量の車両に対する個々の盗難対策が、車両から離れた遠隔地(海外を含む)など、任意の一つ又は複数箇所(カラーモニタ付携帯電話機33、携帯電話機31及びモバイルコンピュータ32、コンピュータ36の設置場所又は移動先)で可能になる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の車両盗難防止システムによれば、指紋認識によるドアロック解錠ができず、車両キー又はキーレスエントリーシステムによってドアロック解錠を行った場合に、車両への乗込者を一定時間撮影した画像データを通信ネットワークを通じて転送し、この画像データを車両の所有者等が持っている画像表示装置に画面表示して確認できるようになり、この結果、車両盗難に対するセキュリティ性能を向上させることが可能になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両盗難防止システムの車両における構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態にあって指紋認識装置の要部構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る車両盗難防止システムの全体構成を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る車両盗難防止システムにおける機能的構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態の動作の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両
2 車両側受信機
3 駆動機構
4 携帯送信機
5 車載コンピュータ
6 モバイルコンピュータ
7 CCDカメラ
8,31 携帯電話機
11 指紋認識装置
11a 透明台
11b スイッチ
11c 撮像素子
20 広域通信ネットワーク
21,22 移動体通信ネットワーク
23 地域通信ネットワーク
30 通信ネットワーク
32 モバイルコンピュータ
33 カラーモニタ付携帯電話機
36 コンピュータ
Claims (3)
- 人の指紋を認識する指紋認識手段と、
前記指紋認識手段により得られた指紋データと予め登録された指紋データとを照合して一致するか否かを識別する指紋識別手段と、
前記指紋識別手段の照合によって指紋データが一致した場合にドアロックの解錠を行い、前記指紋識別手段の照合によって指紋データが一致しなかった場合に、所定時間に亘って前記ドアロックの解錠を検出する解錠状態検出処理を行うドアロック解錠制御手段と、
前記ドアロック解錠制御手段が前記解錠状態検出処理において前記ドアロックの解錠を検出した場合に車内を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段により得られた車内の画像データを通信ネットワークに対して無線伝送する無線通信手段と、
前記通信ネットワークを介して伝送された画像データを受け取って表示する画像表示装置と、
を備えたことを特徴とする車両盗難防止システム。 - 車両のドアロック解除用の遠隔操作信号を送信する携帯送信機を備え、前記ドアロック解錠制御手段は、前記指紋識別手段の照合によって指紋データが一致しなかった場合に前記携帯送信機からの遠隔操作信号を受信してその遠隔操作信号の暗証コードが正しい場合にドアロックの解錠を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両盗難防止システム。
- 前記指紋認識手段は、人の指紋を光学的に読み取る光学読取装置を有してなり、該光学読取装置の検知部が車両のドア又はその近傍の車外に配設されることを特徴とする請求項1に記載の車両盗難防止システム。
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