JP3736605B2 - 液晶光学素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、透過率や反射率の変化を利用して文字や図形の表示を行う表示装置、透過・遮断の制御を行う調光窓・光変調器などに利用される液晶光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
偏光板を使わずに光の透過・散乱を制御できる液晶光学素子として、高分子中にネマチック液晶やコレステリック液晶を分散したものが知られている。これらの素子は偏光板を使わないため、変調後の光量を大きく取ることができ、表示素子や、窓として利用できる。
【0003】
例えば、特開平5−17776号公報においては、アゾ系色素を含む液晶と、それを保持する高分子からなり、電界の有無により光の透過・散乱を制御する調光材料が開示されている。この公報に記載の発明によれば、このような構成を採用することにより、カラーについて、電圧の有無による透過率の変化が大きく、耐候性、耐熱性、耐水性が良好な調光材料を得ることができる。
【0004】
また、特開平8−166605公報においては、図8に示すように、少なくとも一方が透明な電極2、2の着いた2枚の基板間1、1に、コレステリック液晶6と、高分子樹脂7とからなる液晶層10を挟持し、電極間2、2間に電圧を印加しないときにプレーナ組織となり、電極間2、2間に電圧を印加したときにフォーカルコニック組織となる液晶光学素子が開示されている。
【0005】
この液晶光学素子は、反射型液晶表示装置に用いられる場合のものであり、光吸収層5を備える。そして、低電圧駆動、低ヒステリシス特性であり、アクティブマトリックス駆動が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようなネマチック液晶を高分子中に分散したタイプの液晶素子は、メモリ性がないため、表示素子としては、単純マトリックスなどのメモリ性を利用した駆動方式を利用できない。このため、大容量表示には向かないという欠点があった。また、調光窓に利用した場合には、電圧無印加時の状態(例えば光散乱状態)と異なる状態(例えば光透過状態)に保持するためには、常に、素子に電圧を加えていなければならないという欠点があった。
【0007】
一方、コレステリック液晶を高分子中に分散したタイプの液晶光学素子は、高分子の種類や量を調整することによって、プレーナ組織とフォーカルコニック組織にメモリ性を与えることができる。しかし、プレーナ組織とフォーカルコニック組織を使った変調モードでは、プレーナ組織で選択反射が発生してしまうため、選択反射波長を中心に透過光や反射光に色味がついてしまい、白黒表示やくもりガラス状の調光ガラスへの利用には向いていないという欠点があった、
この発明は、以上のような欠点に鑑み、メモリ性を持ち、反射光や透過光について波長依存性のない液晶光学素子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、
透明電極と別の電極との間に、前記透明電極と別の電極間に与えた電界に反応した選択反射の変化を示すと共にメモリ性を有する液晶が封入されたマイクロカプセル粒子の複数個を含んで構成される液晶層を形成した反射型液晶表示素子において、
前記マイクロカプセル粒子のそれぞれには、選択反射波長は同一であるが、左右逆の円偏光を反射する2種類の液晶のいずれかが封入されると共に、
前記液晶層には、前記マイクロカプセル粒子が、前記液晶層の厚さ方向と、その直交方向とに、それぞれ複数個ずつ含まれ、かつ、前記左右逆の円偏光を反射する液晶が封入されたマイクロカプセル粒子が、前記液晶層の厚さ方向と、その直交方向とに、それぞれ1対1の割合で、含まれるようにすると共に、前記マイクロカプセル粒子の複数個の間はバインダが充填されている
ことを特徴とする液晶光学素子を提供する。
【0009】
【作用】
上記の構成のこの発明によれば、例えば、コレステリック液晶などのメモリ性を有する液晶を封入した複数個のマイクロカプセルにより液晶層を構成したことにより、メモリ性を確保することができると共に、マイクロカプセルには左右逆の円偏光を反射する2種類の液晶のいずれかを封入し、それらのマイクロカプセルが、液晶層の厚さ方向と、その直交方向とに、ほぼ1対1の割合で、それぞれ複数個が含まれるように液晶層を構成したことにより、反射光や透過光について波長依存性のない液晶光学素子を実現することができる。
【0010】
この発明は、後で実施例として具体的に詳述するように、発明者による研究の結果としてなされたものである。すなわち、発明者は、左右逆の円偏光を反射する液晶を封入したマイクロカプセルを、液晶層の厚さ方向と、その直交方向とに、ほぼ1対1の割合で、それぞれ複数個が含まれるようにして液晶層を構成したところ、反射光や透過光について波長依存性がなくなることが確かめられた。この発明は、この研究結果に基づいて、なされたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明による液晶光学素子を、反射型液晶表示装置の場合に適用した実施形態を示すものである。
【0012】
この実施形態の液晶光学素子は、2枚の基板1、1のそれぞれが対向する内面に電極2、2を設置し、基板1、1間に、それぞれ左円偏光の光を反射するカイラルネマチック液晶を含むマイクロカプセル4Lと、右円偏光の光を反射するカイラルネマチック液晶を含むマイクロカプセル4Rと、マイクロカプセル4L,4R間の空隙を埋めるバインダ3からなる液晶層10を設けている。
【0013】
この場合、マイクロカプセル4Lと、マイクロカプセル4Rとは、ほぼ1対1の割合で、液晶層10の厚さ方向と、その直交方向とに、それぞれ複数個ずつが含まれるようにして、液晶層10が形成されている。
【0014】
2枚の基板1,1のうちの下方の基板1の、電極2が形成されていない面には、光吸収層5を設ける。光吸収層5の位置は、ここに特定されるものではなく、観測者側から入射した光のうち、液晶層10を透過したものを吸収できる場所であれば、いずれの場所でも構わない。例えば、下方の電極2と下方の基板1との間に設置しても問題ない。
【0015】
なお、液晶光学素子を透過型として利用する場合には、光吸収層5は設けなくてよい。
【0016】
基板1、1は、透明であればいかなる材料でもよい。基板1、1の材料として好適なものは、7059ガラス、ソーダガラスなどの無機ガラスポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ノルボルネン系ポリマなどの透明な有機ポリマーなどである。
【0017】
電極2、2は透明電極とする。その材料として好適なものは、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫などの透明金属酸化物などである。なお、下方の電極2は、反射型の液晶表示装置に用いる場合には、通常の金属電極で代用することもできる。
【0018】
光吸収層5は、液晶層10を透過した光を吸収するので、黒色の塗料を塗布するなどによって形成する。また、基板1、1として光吸収性を有するものを用いる場合には、下方の基板1に光吸収層5を兼ねさせることもできる。
【0019】
なお、基板1、1は絶対に必要なものではなく、液晶層10の自己保持性が大きい場合には、基板1、1の一方若しくは双方を省略することができる。
【0020】
マイクロカプセル4L,4Rに封入する液晶としては、コレステリック液晶を用いる。このコレステリック液晶としては、ステロイド系コレステロール誘導体、あるいはシッフ塩基系、アゾ系、エステル系、ビフェニル系などのネマチック液晶の一部に光学活性基を導入したカイラルネマチック液晶、またはこれらを、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、エタン系、ビフェニル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、安息香酸エステル系、ピリミジン系、ジオキサン系、トラン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、アルケニル系などの正の誘電率異方性を有するネマチック液晶、またはこれらの混合液晶に、カイラル剤として添加した材料を用いることができる。
【0021】
液晶分子が螺旋構造を持つコレステリック液晶は、入射光を右円偏光と左円偏光に分け、螺旋の捩じれ方向に一致する円偏光成分をブラッグ反射し、残りの光を透過させる選択反射現象を起こす。反射光の中心波長λ、および反射波長幅Δλは、螺旋ピッチをp、平均屈折率をn、複屈折率をΔnとすると、それぞれλ=n・p、Δλ=Δn・pで表され、コレステリック液晶層による反射光は螺旋ピッチに依存した鮮やかな色を呈する。
【0022】
正の誘電異方性を有するコレステリック液晶は、螺旋軸がセル表面に垂直になり、入射光に対して上記の選択反射現象を起こすプレーナー組織、螺旋軸がほぼセル表面に平行になり、入射光を少し前方散乱させながら透過させるフォーカルコニック組織、および螺旋構造がほどけて液晶ダイレクタが電界方向を向き、入射光をほぼ完全に透過させるホメオトロピック組織、の3つの状態を示す。
【0023】
上記の3つの組織のうち、プレーナー組織とフォーカルコニック組織は、無電圧で双安定に存在することができる。したがって、コレステリック液晶の配向状態は、液晶層に印加される電圧に対して一義的に決まらず、プレーナー組織が初期状態の場合には、印加電圧の増加に伴って、プレーナー組織、フォーカルコニック組織、ホメオトロピック組織の順に変化し、フォーカルコニック組織が初期状態の場合には、印加電圧の増加に伴って、フォーカルコニック組織、ホメオトロピック組織の順に変化する。
【0024】
一方、液晶層に印加した電圧を急激にゼロにした場合には、プレーナー組織とフォーカルコニック組織はそのままの状態を維持し、メモリ性を有する。ホメオトロピック組織はプレーナー組織に変化する。
【0025】
したがって、パルス信号を印加した直後のコレステリック液晶層は、図2に示すような電気光学応答を示し、印加されたパルス信号の電圧が、Vfh,90以上のときには、ホメオトロピック組織からプレーナー組織に変化した選択反射状態となり、Vpf,10とVfh,10の間のときには、フォーカルコニック組織による透過状態となり、Vpf,90以下のときには、パルス信号印加前の状態を継続した状態、すなわちプレーナー組織による選択反射状態またはフォーカルコニック組織による透過状態となる。
【0026】
ただし、図2中、縦軸は正規化反射率であり、最大反射率を100、最小反射率を0として、正規化している。また、反射率の変化には遷移領域が存在するため、正規化反射率が90以上の場合を選択反射状態、正規化反射率が10以下の場合を透過状態と定義し、プレーナー組織とフォーカルコニック組織のしきい値電圧を、遷移領域の前後に対して、それぞれVpf,90、Vpf,10とし、フォーカルコニック組織とホメオトロピック組織のしきい値電圧を、遷移領域の前後に対して、それぞれVfh,10、Vfh,90とする。
【0027】
この実施の形態の場合には、マイクロカプセル4L,4Rに封入する液晶としてはカイラルネマチック液晶を単独で、またはカイラルネマチック液晶を含む混合物若しくはカイラルネマチック液晶と他の材料との複合材料を用いる。カイラルネマチック液晶としては、単独でカイラルネマチック相を示す化合物、またはネマチック液晶にカイラル剤が混合されることによってカイラルネマチック相を示すものを用いる。
【0028】
単独でカイラルネマチック相をしめす化合物とは、不斉中心をもつ液晶化合物である。典型的なものとしてはコレステリルナノエートなどの天然物誘導体などである。ネマチック液晶としては、ビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、ピリミジン系などの液晶化合物を単独で、または混合物として用いる。
【0029】
カイラル剤としては、単独でカイラルネマチック相を示す化合物、または単独ではカイラルネマチック相を示さないが、ネマチック液晶と混合されることによってカイラルネマチック相を示す光学活性有機化合物を用いる。光学活性なカイラル剤としては、光学活性エステル誘導体、光学活性シアノビフェニル誘導体、光学活性ビスフェノール誘導体などのネマチック液晶類似化合物を用いることができる。
【0030】
マイクロカプセル4L,4Rを作成する方法としては、相分離法、液中乾燥法、融解分散冷却法、スプレードライング法、パンーコーティング法、気中懸濁被覆法、粉床法などの各種界面沈積法や、界面重合法、insitu重合法、液中硬化被覆法などの界面反応法などを用いることができる。
【0031】
マイクロカプセルの材料としては、より典型的なものとして、ゼラチン−アラビアゴム系、ポリビニルアルコール基剤系、ポリアミド基剤系、尿素ホルムアルデヒド基剤系などを用いることができる。
【0032】
次に、この発明による液晶光学素子を反射型液晶表示装置に適用した場合の実施例と、その比較例とについて、その反射光の波長依存性と共に、以下に説明する。
【0033】
[実施例]
正の誘電率異方性を有するネマチック液晶E48(メルク社製)78部に、カイラル剤CNL−611L(旭電化製)22部を加熱溶解後、室温に戻して、ブルーグリーンの色光を選択反射する、ねじれの向きが左である第1のカイラルネマチック液晶を得た。同様にして、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶E48(メルク社製)78部に、カイラル剤CNL−611R(旭電化製)22部を加熱溶解後、室温に戻して、ブルーグリーンの色光を選択反射する、ねじれの向きが右である第2のカイラルネマチック液晶を得た。
【0034】
この第1のブルーグリーンカイラルネマチック液晶10部に、キシレンジイソシアネート3モルと、トリメチロールプロパン1モルとの付加物(武田薬品工業製D−110N)3部と、酢酸エチル100部とを加えて、均一溶液とし、油相となる液を調整した。
【0035】
一方、ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバール217EE)10部を、熱したイオン交換水1000部に加えて攪拌後、放置冷却することによって、水相となる液を調整した。
【0036】
次に、スライダックで30V交流を与えた家庭用ミキサーによって、前記油相を前記水相中に1分間乳化分散して、水相中に油相液滴が分散した水中油エマルジョンを調整した。この水中油エマルジョンを60℃のウォーターバスで加熱しながら2時間攪拌し、界面重合を完了させて、液晶マイクロカプセルを形成した。得られた液晶マイクロカプセルの平均粒径は、レーザー粒度分布計によって約12μmと見積もられた。
【0037】
マイクロカプセル分散液を網目38μmのステンレスメッシュを通して濾過後、一昼夜放置し、乳白色の上澄みを取り除くことにより、マイクロカプセルからなる固形成分約40重量%のスラリーを得た。
【0038】
スラリーに対し、マイクロカプセルからなる固形成分の重量に対して2/3となる量のポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール10重量%の溶液を加えることにより、第1の塗布液を調整した。
【0039】
第2のブルーグリーンカイラルネマチック液晶についても上記と同様に処理して、液晶マイクロカプセルを形成し、第2の塗布液を調整した。
【0040】
そして、第1の塗布液と第2の塗布液とを1対1に混合して、混合塗布液を調整した。
【0041】
そして、125μm厚のITO付きPETフィルム(東レ社製ハイビーム)のITO面上に、上記混合塗布液を#44のワイヤーバーで4回塗布することにより、図1に示したような液晶層10を形成した。
【0042】
おのおのの塗布の際にワイヤーバーの位置は精密に位置決めを行い、塗布のために形成される凹凸の位置が一致するようにした。得られた液晶層10の表面はワイヤーバーのワイヤーピッチに対応した多数の平行した溝が形成されていた。溝の凸部分の膜厚は約36μm、凹部分の膜厚は約22μmであった。この塗膜を室温で半日乾燥させた後90℃のオーブンで一昼夜乾燥させた。
【0043】
もう一枚の125μm厚ITO付きPETフィルム(東レ社製ハイビーム)のITO面上に、完全水性型ドライラミネート接着剤であるディックドライWS−321A/LD−55(大日本インキ化学工業社製)を塗布乾燥させて、4μm厚の接着層とした。この接着層と前記液晶層を密着させ、70℃においてラミネートを行った後、一方のPETフィルムの基板表面にブラックポリイミドBKR−105(日本化薬社製製)を塗布し、モノクロ表示の液晶セルを得た。
【0044】
得られた液晶セルの駆動特性は、高電圧側のフォーカルコニックからプレーナに向かう閾値特性は反射率4%で230V、反射率12%で320Vであった。図3に、この液晶セルの反射特性を示す。図中の実線はプレーナ組織の反射率の波長変化、点線はフォーカルコニック組織の反射率の波長変化である。
【0045】
この図3から判るように、プレーナ組織の場合も、また、フォーカルコニック組織の場合も、反射率が波長に対するピークを持たないことが示されている。したがって、色味のない、白黒表示が行える液晶光学素子が実現できた。
【0046】
[比較例1]
この比較例1においては、実施例と同じ混合塗布液を125μm厚ITO付きPETフィルム(東レ社製ハイビーム)のITO面上に、#44のワイヤーバーで1回塗布することにより、液晶層を形成した。この塗膜を室温で半日乾燥させた後90℃のオーブンで一昼夜乾燥させた。
【0047】
もう一枚の125μm厚ITO付きPETフィルム(東レ社製ハイビーム)のITO面上に完全水性型ドライラミネート接着剤であるディックドライWS−321A/LD−55(大日本インキ化学工業社製)を塗布乾燥させて4μm厚の接着層とした。この接着層と前記液晶層を密着させ70℃においてラミネートを行った後、一方のPETフィルムの基板表面にブラックポリイミドBKR−105(日本化薬社製)を塗布し、液晶光学素子を得た。
【0048】
こうして得られた液晶光学素子の構成は、図4に示すようなものとなる。この得られた液晶光学素子は、約200Vの交流印加と電圧除去によりプレーナ組織が、約150Vの交流印加と電圧除去によりフォーカルコニック組織が形成可能であった。
【0049】
図5にそれらの反射特性を示す。図5中の実線はプレーナ組織の反射率の波長変化、点線はフォーカルコニック組織の反射率の波長変化である。フォーカルコニック組織の反射率が波長に対するピークを持たないのに対し、プレーナ組織のものは550nmの波長に反射率のピークが見られた。プレーナ組織とフォーカルコニック組織のコントラストは約2対1であった。これらの状態は2ヶ月以上室温で保存したのちも保持された。
【0050】
[比較例2]
この比較例2においては、実施例1の第1のブルーグリーンカイラルネマチック液晶を内包するマイクロカプセルの第1の塗布液と、第2のブルーグリーンカイラルネマチック液晶を内包するマイクロカプセルの第2の塗布液を混合しないで用いた。
【0051】
125μm厚ITO付きPETフィルム(東レ社製ハイビーム)のITO面上に、まず、第1の塗布液を、#44のワイヤーバーで1〜2回塗布して乾燥させることにより、第1の液晶層を形成した。乾燥は室温で30分間行った。つぎに第2の塗布液を、#44のワイヤーバーで1〜2回塗布して乾燥させることにより、第2の液晶層を形成した。この積層塗膜を室温で半日乾燥させた後90℃のオーブンで一昼夜乾燥させた。
【0052】
もう一枚の125μm厚ITO付きPETフィルム(東レ社製ハイビーム)のITO面上に完全水性型ドライラミネート接着剤であるディックドライWS−321A/LD−55(大日本インキ化学工業社製)を塗布乾燥させて4μm厚の接着層とした。この接着層と前記液晶層を密着させ70℃においてラミネートを行った後、一方のPETフィルムの基板表面にブラックポリイミドBKR−105(日本化薬社製製)を塗布し、液晶光学素子を得た。
【0053】
こうして得られた液晶光学素子の構成は、図6に示すようなものとなる。この得られた液晶光学素子は、約500Vの交流印加と電圧除去によりプレーナ組織が、約300Vの交流印加と電圧除去によりフォーカルコニック組織が形成可能であった。
【0054】
図7にそれらの反射特性を示す。図7中の実線はプレーナ組織の反射率の波長変化、点線はフォーカルコニック組織の反射率の波長変化である。フォーカルコニック組織の反射率が波長に対するピークを持たないのに対し、プレーナ組織のものは520nmの波長に反射率のピークが見られた。ピーク付近の反射の全体に対する寄与は大きくプレーナ組織は、比較例1よりも鮮やかな緑色の外観を示した。プレーナ組織とフォーカルコニック組織のコントラストは約2.5対1であった。これらの状態は2ヶ月以上室温で保存したのちも保持された。
【0055】
以上の実施例および2つの比較例から、左右の円偏光を反射するコレステリック液晶を含んだマイクロカプセルに封入した液晶において、選択反射が消失したように見える現象については、以下のようなことが判明した。
【0056】
比較例1の図4の場合のように、左右の円偏光を反射するコレステリック液晶を混合して単層にならべて液晶光学素子を形成したときには選択反射が現れる。また、比較例2の図6の場合のように、左右の円偏光を反射するコレステリック液晶を別別に積層して液晶光学素子を形成したときには選択反射が現れる。
【0057】
これらの選択反射は、同じ膜厚に左右どちらか一方の円偏光を反射するコレステリック液晶を積層して液晶光学素子を形成したものとほぼ同等である。
【0058】
これに対して、実施例のように、左右の円偏光を反射するコレステリック液晶を混合して積層し、液晶光学素子を形成したときには選択反射が消失し、波長によらない反射が現れる。
【0059】
このような現象は、左右の円偏光を反射するコレステリック液晶を混合することにより、一方の円偏光を反射するコレステリック液晶が他方の円偏光を反射するコレステリック液晶の選択反射を妨げ、マイクロカプセル表面や液晶そのものから由来する光散乱が反射光の中で支配的になるためと推察される。
【0060】
以上の実施の形態は、反射型液晶表示装置に適用する液晶光学素子の場合についてであったが、透過型液晶表示装置に適用する液晶光学素子の場合にも、ほぼ同様に、この発明は適用可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、簡単な構成でメモリ性を持ち、反射光や透過光について波長依存性のない液晶光学素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における液晶光学素子の実施形態の構成例を示す図である。
【図2】コレステリック液晶の印加電圧−反射率特性を示す図である。
【図3】この発明における液晶光学素子の実施例の反射特性図である。
【図4】この発明における液晶光学素子の比較例1の構成を示す図である。
【図5】比較例1が示す反射特性図である。
【図6】この発明における液晶光学素子の比較例2の構成を示す図である。
【図7】比較例2が示す反射特性図である。
【図8】従来の技術による液晶光学素子を示す図である。
【符号の説明】
1,1 基板
2,2 電極
3 バインダ
4L 左円偏光を反射する液晶が封入されたマイクロカプセル
4R 右円偏光を反射する液晶が封入されたマイクロカプセル
5 光吸収層
6 コレステリック液晶
7 高分子樹脂
10 液晶層

Claims (1)

  1. 透明電極と別の電極との間に、前記透明電極と別の電極間に与えた電界に反応した選択反射の変化を示すと共にメモリ性を有する液晶が封入されたマイクロカプセル粒子の複数個を含んで構成される液晶層を形成した反射型液晶表示素子において、
    前記マイクロカプセル粒子のそれぞれには、選択反射波長は同一であるが、左右逆の円偏光を反射する2種類の液晶のいずれかが封入されると共に、
    前記液晶層には、前記マイクロカプセル粒子が、前記液晶層の厚さ方向と、その直交方向とに、それぞれ複数個ずつ含まれ、かつ、前記左右逆の円偏光を反射する液晶が封入されたマイクロカプセル粒子が、前記液晶層の厚さ方向と、その直交方向とに、それぞれ1対1の割合で、含まれるようにすると共に、前記マイクロカプセル粒子の複数個の間はバインダが充填されている
    ことを特徴とする液晶光学素子。
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