JP3736263B2 - 自動倉庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パレットやバケットを荷受部に残したまま荷を荷受部から搬出する第1の作業方式と、パレットやバケットと共に荷を荷受部から搬出する第2の作業方式とのいずれかを選択して出庫が行なえる自動倉庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自動倉庫としては例えば特開平5−24604号公報に示されるように、パレットと共に荷を収納する棚と、入出庫される荷をパレットと共に棚の外部で受ける荷受台と、上記棚と荷受台との間で荷をパレットと共に出し入れするスタッカクレーンとが設けられているものがある。このような自動倉庫に対して荷を入出庫する際の作業方式としては、オープン作業方式とクローズ作業方式との2種類がある。
【0003】
上記オープン作業方式とは、入出庫作業時においてパレットは荷と共に自動倉庫に対して搬入・搬出されるものである。例えば、図24の(a)に示すように、オープン作業方式にて荷90を出庫する場合には、スタッカクレーン91を用いて、荷90をパレット93と共に棚94の収納空間92から手前側へ取り出し、スタッカクレーン91を走行させて荷90をパレット93と共に荷受台95まで搬送し、荷受台95にて移載作業を行って荷90をパレット93と共に荷受台95上に載置する。その後、フォークリフト96等を用いて荷90をパレット93と共に荷受台95から持ち上げ、上記フォークリフト96を走行させて荷90をパレット93と共に搬出する。
【0004】
また、上記クローズ作業方式とは、入出庫作業時においてパレット93が自動倉庫から搬入・搬出されることなく、荷90が入出庫されるものである。例えば、図24の(b)に示すように、クローズ作業方式で荷90を出庫する場合には、スタッカクレーン91を用いて、荷90をパレット93と共に棚94の収納空間92から手前側へ取り出し、スタッカクレーン91を走行させて荷90をパレット93と共に荷受台95まで搬送し、荷受台95にて移載作業を行って荷90をパレット93と共に荷受台95上に載置する。その後、フォークリフト96等を用いて、パレット93を荷受台95に残したまま、荷90を持ち上げ、上記フォークリフト96を走行させて荷90を搬出する。また、上記荷受台95に残されたパレット93はスタッカクレーン91によって元の収納空間92に収納される。
【0005】
しかしながら上記の従来形式では、フォークリフト96等の運転者(作業者)がオープン作業方式とクローズ作業方式とのどちらの作業方式で出庫すべきなのかを正確に把握していない場合がある。したがって、オープン作業方式で出庫すべきところを、フォークリフト96の運転者がパレット93を荷受台95に残したままで荷90を持ち上げて搬出してしまったり、また、クローズ作業方式で出庫すべきところを、フォークリフト96の運転者が荷90と一緒にパレット93も荷受台95から持ち上げて搬出してしまうといった誤作業の発生が問題となった。
【0006】
本発明は、第1の作業方式(クローズ作業方式)を行なうべきところを誤って第2の作業方式(オープン作業方式)を実行したり、あるいは、第2の作業方式(オープン作業方式)を行なうべきところを誤って第1の作業方式(クローズ作業方式)を実行してしまうといった誤作業の発生を防止し得る自動倉庫を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本第1発明は、パレットと共に荷を収納する棚と、棚から出庫される荷をパレットと共に受ける荷受部と、上記棚と荷受部との間で荷をパレットと共に出し入れする出し入れ装置とが設けられ、
上記パレットを荷受部に残したまま荷を荷受部から搬出する第1の作業方式と、上記パレットと共に荷を荷受部から搬出する第2の作業方式とのいずれかを選択して出庫が行なえる自動倉庫であって、
上記荷受部に、第1の作業方式では、パレットの取出し側においてこのパレットへの目視を遮り、かつ、第2の作業方式では、パレットの取出し側においてこのパレットを露出させて目視可能とする作業判別手段が設けられているものである。
【0008】
これによると、第1の作業方式で荷を出庫する場合、出し入れ装置を使用して、荷をパレットと共に棚から荷受部まで取り出す。そして、作業判別手段により、パレットの取出し側において、このパレットへの作業者の目視が遮られるため、上記パレットはパレットの取出し側に位置する作業者から隠される。この状態で、作業者は、パレットを荷受部に残し、荷を荷受部から搬出する。
【0009】
この際、作業者が、誤って、パレットごと荷を荷受部から搬出しようとしても、上記のように、作業判別手段によって、パレットがパレットの取出し側に位置する作業者から隠されているため、第2の作業方式を実行してしまうといった誤作業の発生を防止することができる。
【0010】
また、第2の作業方式で荷を出庫する場合、出し入れ装置を使用して、荷をパレットと共に棚から荷受部まで取り出す。そして、作業判別手段により、パレットの取出し側においてこのパレットが露出し、これにより、パレットの取出し側に位置する作業者が上記パレットを目視し得る。この状態で、作業者は、パレットごと荷を荷受部から搬出する。
【0011】
このように、作業者が荷受部のパレットを目視することができるため、誤って上記パレットを荷受部に残して荷を荷受部から搬出してしまう(すなわち第1の作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0012】
また、本第2発明は、荷とパレットとの間に、移載手段によって移載可能な補助パレットが介在し、
上記補助パレットに、上記移載手段が作用する作用部が形成されており、
第1の作業方式を選択した場合、パレットを荷受部に残したまま、荷と上記補助パレットとを共に荷受部から搬出し、
第2の作業方式を選択した場合、荷とパレットと上記補助パレットとを共に荷受部から搬出するものである。
【0013】
これによると、第1の作業方式で荷を出庫する場合、出し入れ装置を使用して、荷を補助パレットとパレットと共に棚から荷受部まで取り出す。そして、作業判別手段により、パレットの取出し側において、このパレットへの作業者の目視が遮られるため、上記パレットはパレットの取出し側に位置する作業者から隠され、補助パレットと荷とが作業者に対して露出する。この状態で、作業者は、パレットを荷受部に残し、荷を補助パレットごと荷受部から搬出する。
【0014】
上記搬出の際、上記補助パレットは、移載手段が作用部に作用することにより、荷を支持した状態で荷受部から移載される。
また、本第3発明は、作業判別手段は、荷受部に設けられた作業判別部材と、荷を支持する昇降自在な昇降装置とで構成され、
第1の作業方式の際、下降した昇降装置によって荷と共に支持されたパレットが作業判別部材の背後に隠れ、
第2の作業方式の際、上昇した昇降装置によって荷と共に支持されたパレットが作業判別部材の背後から上方へ露出するものである。
【0015】
これによると、第1の作業方式で荷を出庫する場合、出し入れ装置を使用して、荷をパレットと共に棚から荷受部まで取り出して昇降装置で支持する。この際、昇降装置は下降しているため、上記パレットが作業判別部材の背後に隠される。これにより、パレットの取出し側に位置する作業者は上記パレットを目視できず、誤ってパレットごと荷を荷受部から搬出してしまう(すなわち第2の作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0016】
また、第2の作業方式で荷を出庫する場合、出し入れ装置を使用して、荷をパレットと共に棚から荷受部まで取り出して昇降装置で支持する。この際、昇降装置は上昇しているため、上記パレットが作業判別部材の背後から上方へ露出する。これにより、パレットの取出し側に位置する作業者は上記パレットを目視することができるため、誤って上記パレットを荷受部に残して荷を荷受部から搬出してしまう(すなわち第1の作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0017】
また、本第4発明は、作業判別手段として、荷受部に作業判別部材が昇降自在に設けられ、
第1の作業方式の際、作業判別部材を上昇させて、荷受部に荷と共に支持されたパレットを上記作業判別部材の背後に隠し、
第2の作業方式の際、作業判別部材を下降させて、荷受部に荷と共に支持されたパレットを上記作業判別部材の背後から上方へ露出させるものである。
【0018】
これによると、第1の作業方式で荷を出庫する場合、作業判別部材を上昇させておき、出し入れ装置を使用して、荷をパレットと共に棚から荷受部まで取り出す。この際、荷受部に荷と共に支持されたパレットは上記作業判別部材の背後に隠れるため、パレットの取出し側に位置する作業者は上記パレットを目視できず、誤ってパレットごと荷を荷受部から搬出してしまう(すなわち第2の作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0019】
また、第2の作業方式で荷を出庫する場合、作業判別部材を下降させておき、出し入れ装置を使用して、荷をパレットと共に棚から荷受部まで取り出す。この際、荷受部に荷と共に支持されたパレットは上記作業判別部材の背後から上方へ露出するため、パレットの取出し側に位置する作業者は上記パレットを目視することができ、これにより、誤って上記パレットを荷受部に残して荷を荷受部から搬出してしまう(すなわち第1の作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0020】
また、本第5発明は、荷受部に、荷を搬入出する搬入出位置と、荷移送体とが設けられ、
上記荷移送体は出し入れ装置と上記搬入出位置との間で荷を移送し、
上記搬入出位置に作業判別手段が設けられているものである。
【0021】
これによると、荷を出庫する場合、出し入れ装置を使用して、荷をパレットと共に棚から荷移送体上へ取り出す。その後、荷はパレットと共に荷移送体によって搬入出位置まで移送される。そして、搬入出位置において、第1または第2の作業方式で荷の搬出が行われ、この際、作業判別手段によって、誤作業の発生が防止される。
【0022】
また、本第6発明は、荷支持部材で支持された荷を収納する棚と、棚から出庫される荷を荷支持部材と共に受ける荷受部と、上記棚と荷受部との間で荷を荷支持部材と共に出し入れする出し入れ装置とが設けられ、
上記荷支持部材を荷受部に残したまま荷を荷受部から搬出する第1の作業方式と、上記荷支持部材と共に荷を荷受部から搬出する第2の作業方式とのいずれかを選択して出庫が行なえる自動倉庫であって、
上記第1の作業方式の際、荷支持部材に係合して荷支持部材を荷受部に固定し、かつ、第2の作業方式の際、荷支持部材から離脱して荷支持部材と荷受部との固定を解除する係合部材が設けられているものである。
【0023】
これによると、第1の作業方式で荷を出庫する場合、出し入れ装置を使用して、荷を荷支持部材と共に棚から荷受部まで取り出す。そして、係合部材が上記荷支持部材に係合して荷支持部材を荷受部に固定する。この状態で、作業者は、荷支持部材を荷受部に残し、荷を荷受部から搬出する。
【0024】
この際、作業者が、誤って、荷支持部材ごと荷を荷受部から搬出しようとしても、上記のように荷支持部材が係合部材によって荷受部に固定されているため、第2の作業方式を実行してしまうといった誤作業の発生を防止することができる。
【0025】
また、第2の作業方式で荷を出庫する場合、出し入れ装置を使用して、荷を荷支持部材と共に棚から荷受部まで取り出す。そして、係合部材が上記荷支持部材から離脱して荷支持部材と荷受部との固定を解除する。これにより、作業者は荷支持部材ごと荷を荷受部から搬出することができる。
【0026】
また、本第7発明は、係合部材は出し入れ装置側に設けられているものである。
これによると、係合部材を出し入れ装置側に設けたため、荷受部を小型化し得る。
【0027】
また、本第8発明は、係合部材は荷受部側に設けられているものである。
これによると、係合部材を荷受部側に設けたため、出し入れ装置を小型化し得る。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図5,図6に示すように、1は自動倉庫であり、パレット7,8と共に荷2を収納する複数の棚3と、各棚3の手前側端部に隣接した荷受部29に設置された荷受台4と、上記棚3と荷受台4との間で荷2をパレット7,8と共に出し入れするスタッカクレーン5(出し入れ装置の一例)とが備えられている。
【0029】
上記棚3には複数の収納部10が形成され、荷2は運搬用パレット7(補助パレットに対応)上に載置され、さらに運搬用パレット7が倉庫用パレット8(請求項1に記載のパレットに対応)上に載置された状態で、収納部10に出し入れされる。上記運搬用パレット7と倉庫用パレット8とはそれぞれフォークリフト11(移載手段の一例)によって移載可能であり、図3に示すように、上記運搬用パレット7にはフォーク挿入口12(作用部の一例)が形成されており、さらに、倉庫用パレット8の下端部にはフォーク挿入部13が形成されている。上記フォーク挿入口12にフォークリフト11のフォーク11aを挿入することによって、運搬用パレット7を昇降させることができ、また、上記フォーク挿入部13にフォーク11aを挿入することによって、倉庫用パレット8を昇降させることができる。
【0030】
図5に示すように、上記スタッカクレーン5は、走行レール15上を棚3に沿って走行可能な走行体16と、走行体16に立設されたフレーム17と、このフレーム17に支持案内されて昇降する荷台18と、荷2をパレット7,8と共に荷台18と収納部10との間で受け渡しするフォーク装置19とで構成されている。
【0031】
図3〜図5に示すように、上記荷受台4は、床20に立設された前後左右4本の縦フレーム21a〜21dと、これら縦フレーム21a〜21dの下部間に設けられた下部板材22とによって構成されている。
【0032】
尚、上記自動倉庫1から荷2を出庫する場合、クローズ作業方式(第1の作業方式に相当)とオープン作業方式(第2の作業方式に相当)との2通りの方式がある。すなわち、クローズ作業方式は、上記倉庫用パレット8を荷受台4に残したまま、荷2と運搬用パレット7とを共に荷受台4からフォークリフト11で手前側Aへ搬出するものである。また、オープン作業方式は、倉庫用パレット8を荷受台4に残さず、荷2と運搬用パレット7と倉庫用パレット8とを共に荷受台4からフォークリフト11で手前側Aへ搬出するものである。
【0033】
また、上記荷受台4には、クローズ作業方式の際、手前側A(すなわち倉庫用パレット8の取出し側)においてこの倉庫用パレット8への目視を遮り、かつ、オープン作業方式の際、手前側Aにおいてこの倉庫用パレット8を露出させて目視可能とする作業判別手段25が設けられている。
【0034】
図1〜図4に示すように、上記作業判別手段25は、作業判別板26(作業判別部材の一例)と、両パレット7,8と共に荷2を支持して昇降させる昇降装置27とで構成されている。上記作業判別板26は手前側Aに位置する左右一対の縦フレーム21a,21b間に取付け固定されている。また、上記昇降装置27は、下部板材22に設置されており、昇降台27aと、この昇降台27aを昇降させるリンク機構27bと、このリンク機構27bを駆動させる駆動装置27cとで構成されている。尚、上記リンク機構27bは2本のリンクを中央にてX状に交叉させた構成を有している。また、上記昇降装置27は作業判別板26の背後に位置している。
【0035】
また、自動倉庫1にはスタッカクレーン5を制御する制御器30が設けられ、この制御器30は、クローズ作業方式とオープン作業方式とに応じて、上記昇降装置27の駆動装置27cを制御する。すなわち、制御器30は、クローズ作業方式が指定された場合、図1に示すように、駆動装置27cを駆動させて昇降台27aを下位レベルLまで下降させ、オープン作業方式が指定された場合、図2に示すように、駆動装置27cを駆動させて昇降台27aを上位レベルHまで上昇させる。尚、上記上位レベルHにおいて、昇降台27aの上面が作業判別板26の上端辺と同一高さになるように設定されている。また、図1に示すように、下位レベルLにおいて、昇降台27aの上面は、作業判別板26の上端辺から倉庫用パレット8の高さh分だけ下降した位置になるように設定されている。
【0036】
以下、上記構成における作用を説明する。
図1に示すように、クローズ作業方式で荷2を出庫する場合、制御器30が駆動装置27cを駆動させて昇降台27aを下位レベルLまで下降させる。この状態で、スタッカクレーン5の走行体16の走行と荷台18の昇降とフォーク装置19による受け渡し動作によって、荷2が両パレット7,8と共に収納部10から荷受台4まで取り出され、昇降装置27の昇降台27a上に支持される。この際、上記のように昇降台27aが下位レベルLまで下降しているため、倉庫用パレット8が作業判別板26の背後に隠れる。
【0037】
この状態で、作業者はフォークリフト11のフォーク11aを手前側A(すなわち倉庫用パレット8の取出し側)から運搬用パレット7のフォーク挿入口12へ挿入し、倉庫用パレット8を昇降台27a上に残したまま、フォークリフト11で荷2と運搬用パレット7とを共に倉庫用パレット8から持ち上げて他の場所(倉庫外等)へ搬出する。
【0038】
この際、作業者が、誤って、倉庫用パレット8をもフォークリフト11で搬出しようとしても、上記のように、倉庫用パレット8が手前側Aにいる作業者に対して作業判別板26の背後に隠れているため、フォークリフト11を操作する作業者は手前側Aから上記倉庫用パレット8を目視することができない。このため、作業者は、クローズ作業方式を認識して作業することができ、誤って倉庫用パレット8ごと荷2と運搬用パレット7とを荷受台4から搬出してしまう(すなわちオープン作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0039】
尚、昇降台27a上に残された空の倉庫用パレット8は、その後、スタッカクレーン5によって元の収納部10へ戻される。
また、図2に示すように、オープン作業方式で荷2を出庫する場合、制御器30が駆動装置27cを駆動させて昇降台27aを上位レベルHまで上昇させる。この状態で、スタッカクレーン5の走行体16の走行と荷台18の昇降とフォーク装置19による受け渡し動作によって、荷2が両パレット7,8と共に収納部10から荷受台4まで取り出され、昇降装置27の昇降台27a上に支持される。この際、上記のように昇降台27aが上位レベルHまで上昇しているため、倉庫用パレット8が作業判別板26の背後から上方へ露出する。
【0040】
これにより、フォークリフト11を操作する作業者は手前側Aから上記倉庫用パレット8を目視することができる。この状態で、フォークリフト11のフォーク11aを手前側Aから倉庫用パレット8のフォーク挿入部13へ挿入し、フォークリフト11で荷2と両パレット7,8とを共に昇降台27aから持ち上げて他の場所(倉庫外等)へ搬出する。
【0041】
上記のように、作業者は手前側Aから上記倉庫用パレット8を目視することができるため、オープン作業方式を認識して作業することができ、誤って、上記倉庫用パレット8を昇降台27aに残したままで荷2と運搬用パレット7とを荷受台4からフォークリフト11で搬出してしまう(すなわちクローズ作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0042】
上記第1の実施の形態における作業判別手段25と異なった構成の作業判別手段を第2の実施の形態として、図7〜図10に基づいて説明する。
作業判別手段40として、荷受台4に作業判別板41(作業判別部材の一例)が昇降自在に取付けられている。すなわち、作業判別板41の両側部には、上下方向に長い長孔状のボルト孔42が形成されており、これら両ボルト孔42にそれぞれボルト43を挿入し、これら両ボルト43を荷受台4の両縦フレーム21a,21bに形成されたねじ孔44(図10参照)へ締め込むことにより、上記作業判別板41が両縦フレーム21a,21b間に取付けられている。これにより、両ボルト43を緩めた場合、上記作業判別板41は両ボルト孔42の上下長さの範囲で昇降自在となる。
【0043】
また、図10に示すように、荷受台4の各縦フレーム21a〜21dの上部には、倉庫用パレット8を支持する支持部材45が設けられている。そして、図7に示すように、上記作業判別板41を上位レベルHまで上昇させた状態でボルト43により取付け固定した場合、この作業判別板41の上端辺は、上記支持部材45の上面から倉庫用パレット8の高さh分だけ上昇した位置になるように設定されている。尚、この際、両ボルト43はそれぞれボルト孔42の下端部に位置する。
【0044】
また、図8に示すように、上記作業判別板41を下位レベルLまで下降させた状態でボルト43により取付け固定した場合、この作業判別板41の上端辺は、上記支持部材45の上面よりも下降した位置になるように設定されている。尚、この際、両ボルト43はそれぞれボルト孔42の上端部に位置する。
【0045】
以下に、上記構成における作用を説明する。
図7に示すように、クローズ作業方式で荷2を出庫する場合、作業者が両ボルト43を緩めて作業判別板41を上位レベルHまで引き上げ、この状態で両両ボルト43を締め込んで上記作業判別板41を上位レベルHに固定させる。この状態で、スタッカクレーン5の走行体16の走行と荷台18の昇降とフォーク装置19による受け渡し動作によって、荷2が両パレット7,8と共に収納部10から荷受台4まで取り出され、支持部材45上に支持される。この際、上記のように作業判別板41が上位レベルHまで上昇しているため、倉庫用パレット8が作業判別板41の背後に隠れる。
【0046】
この状態で、作業者はフォークリフト11のフォーク11aを手前側A(すなわち倉庫用パレット8の取出し側)から運搬用パレット7のフォーク挿入口12へ挿入し、倉庫用パレット8を支持部材45上に残したまま、フォークリフト11で荷2と運搬用パレット7とを共に倉庫用パレット8から持ち上げて他の場所(倉庫外等)へ搬出する。
【0047】
この際、作業者が、誤って、倉庫用パレット8をもフォークリフト11で搬出しようとしても、上記のように、倉庫用パレット8が手前側Aにいる作業者に対して作業判別板41の背後に隠れているため、フォークリフト11を操作する作業者は手前側Aから上記倉庫用パレット8を目視することができない。このため、誤って倉庫用パレット8ごと荷2と運搬用パレット7とを荷受台4から搬出してしまう(すなわちオープン作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0048】
尚、支持部材45上に残された空の倉庫用パレット8は、その後、スタッカクレーン5によって元の収納部10へ戻される。
また、図8に示すように、オープン作業方式で荷2を出庫する場合、作業者が両ボルト43を緩めて作業判別板41を下位レベルLまで下げ、この状態で両ボルト43を締め込んで上記作業判別板41を下位レベルLに固定させる。この状態で、スタッカクレーン5の走行体16の走行と荷台18の昇降とフォーク装置19による受け渡し動作によって、荷2が両パレット7,8と共に収納部10から荷受台4まで取り出され、支持部材45上に支持される。この際、上記のように作業判別板41が下位レベルLまで下降しているため、倉庫用パレット8が作業判別板41の背後から上方へ露出する。
【0049】
これにより、フォークリフト11を操作する作業者は手前側Aから上記倉庫用パレット8を目視することができる。この状態で、フォークリフト11のフォーク11aを手前側Aから倉庫用パレット8のフォーク挿入部13へ挿入し、フォークリフト11で荷2と両パレット7,8とを共に支持部材45から持ち上げて他の場所(倉庫外等)へ搬出する。
【0050】
上記のように、作業者は手前側Aから上記倉庫用パレット8を目視することができるため、誤って、上記倉庫用パレット8を支持部材45に残したままで荷2と運搬用パレット7とを荷受台4からフォークリフト11で搬出してしまう(すなわちクローズ作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0051】
上記第2の実施の形態では、作業者が手動で作業判別板41を上位レベルHと下位レベルLとに切り換えているが、作業判別板41を駆動装置で昇降させて、自動的に切り換えてもよい。
【0052】
次に、本発明の第3の実施の形態を図11〜図15に基づいて説明する。
図11,図12に示すように、荷受部29には、荷2を搬入出する搬入出位置Pと、この搬入出位置Pとスタッカクレーン5との間で両パレット7,8と共に荷2を移送するコンベヤ50(荷移送体の一例)とが設置されている。このコンベヤ50は、床20に立設した左右一対のコンベヤフレーム51と、これら両コンベヤフレーム51に設けられた無端状の搬送チェン52とを有している。左右両搬送チェン52はそれぞれ、両コンベヤフレーム51の前後両端部に設けられたスプロケット53,54間に巻回されており、複数の支持ローラ56によって支持されている。また、いずれかのスプロケット54が駆動装置によって回転駆動することによって、両搬送チェン52が共に回動し、これにより、両搬送チェン52上に載置された荷2がパレット7,8と共に移送される。
【0053】
図11に示すように、両搬送チェン52間の一端側(棚3に近い側)には、パレット7,8を介して荷2を昇降させるリフト装置55が設けられている。このリフト装置55は昇降台55aを有しており、この昇降台55aは、両搬送チェン52が倉庫用パレット8を支持する支持レベルMよりも上方に位置する上位レベルUと支持レベルMよりも下方に位置する下位レベルDとの間を昇降可能に構成されている。また、上記搬入出位置Pは両搬送チェン52の他端側(棚3に遠い側)に設定されており、この搬入出位置Pには上記第1の実施の形態と同じ作業判別手段25が設けられている。
【0054】
すなわち、上記作業判別手段25は作業判別板26と昇降装置27とで構成されている。図11,図14に示すように、上記作業判別板26は両コンベヤフレーム51の他端間に取付け固定されている。また、図13に示すように、上記昇降装置27は、昇降台27aとリンク機構27bと駆動装置27cとで構成されており、両搬送チェン52の他端部間(すなわち搬入出位置P)に設置されている。
【0055】
尚、上記作業判別板26の上端辺は上記支持レベルMよりも倉庫用パレット8の高さh分だけ上方に位置している。また、図14に示すように、クローズ作業方式が指定された場合、昇降台27aが下位レベルLまで下降する。この下位レベルLにおいて、昇降台27aの上面は上記支持レベルMよりも下方になるように設定されている。また、図15に示すように、オープン作業方式が指定された場合、昇降台27aが上位レベルHまで上昇する。この上位レベルHにおいて、昇降台27aの上面は作業判別板26の上端辺と同一高さになるように設定されている。
【0056】
以下に、上記構成における作用を説明する。
クローズ作業方式で荷2を出庫する場合、図14に示すように、制御器30が駆動装置27cを駆動させて昇降台27aを下位レベルLまで下降させる。この状態で、スタッカクレーン5の走行体16の走行と荷台18の昇降とフォーク装置19による受け渡し動作によって、荷2が両パレット7,8と共に収納部10からコンベヤ50の一端側へ取り出され、図11の仮想線で示すように、リフト装置55の上位レベルUまで上昇した昇降台55a上に支持される。その後、図11の実線で示すように、上記昇降台55aが上位レベルUから下位レベルDへ下降するため、荷2と運搬用パレット7と共に倉庫用パレット8が両搬送チェン52上に下ろされて支持される。
【0057】
そして、両搬送チェン52が回動して、荷2が両パレット7,8と共にコンベヤ50の一端側から他端側である搬入出位置Pへ移送される。この際、すでに図14に示すように、昇降台27aが下位レベルLまで下降しているため、上記搬入出位置Pにおいて、両搬送チェン52上に支持された倉庫用パレット8は作業判別板26の背後に隠れる。
【0058】
この状態で、図11,図12に示すように、作業者はフォークリフト11のフォーク11aを手前側A(すなわち倉庫用パレット8の取出し側)から運搬用パレット7のフォーク挿入口12へ挿入し、倉庫用パレット8を昇降台27a上に残したまま、フォークリフト11で荷2と運搬用パレット7とを共に倉庫用パレット8から持ち上げて他の場所(倉庫外等)へ搬出する。
【0059】
この際、作業者が、誤って、倉庫用パレット8をもフォークリフト11で搬出しようとしても、図14に示すように、倉庫用パレット8が手前側Aにいる作業者に対して作業判別板26の背後に隠れているため、フォークリフト11を操作する作業者は手前側Aから上記倉庫用パレット8を目視することができない。このため、誤って倉庫用パレット8ごと荷2と運搬用パレット7とをコンベヤ50から搬出してしまう(すなわちオープン作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0060】
尚、コンベヤ50の他端側の搬入出位置Pに残された空の倉庫用パレット8は、両搬送チェン52が逆方向へ回動することによって、搬入出位置Pからコンベヤ50の一端側へ戻され、そして、図11の仮想線で示すように、リフト装置55の昇降台55aが上位レベルUまで上昇して上記空の倉庫用パレット8が持ち上げられ、スタッカクレーン5によって元の収納部10へ戻される。
【0061】
また、オープン作業方式で荷2を出庫する場合、先ず、図13に示すように、制御器30が駆動装置27cを駆動させて昇降台27aを下位レベルLまで下降させておく。そして、上記クローズ作業方式と同様な手順で、スタッカクレーン5とコンベヤ50とを用いて荷2を両パレット7,8と共に搬入出位置Pまで移送する。その直後、図15に示すように、制御器30が駆動装置27cを駆動させて昇降台27aを下位レベルLから上位レベルHまで上昇させる。
【0062】
これにより、倉庫用パレット8は荷2と運搬用パレット7と共に、上記昇降台27aによって、両搬送チェン52の上方へ持ち上げられる。これにより、倉庫用パレット8が作業判別板26の背後から上方へ露出し、フォークリフト11を操作する作業者は手前側Aから上記倉庫用パレット8を目視することができる。この状態で、フォークリフト11のフォーク11aを手前側Aから倉庫用パレット8のフォーク挿入部13へ挿入し、フォークリフト11で荷2と両パレット7,8とを共に昇降台27aから持ち上げて他の場所(倉庫外等)へ搬出する。
【0063】
上記のように、作業者は手前側Aから上記倉庫用パレット8を目視することができるため、誤って、上記倉庫用パレット8を昇降台27aに残したままで荷2と運搬用パレット7とをコンベヤ50からフォークリフト11で搬出してしまう(すなわちクローズ作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0064】
上記第3の実施の形態ではコンベヤ50の搬入出位置Pに上記第1の実施の形態と同じ作業判別手段25を設けているが、上記第2の実施の形態と同じ作業判別手段40を設けてもよい。
【0065】
上記各実施の形態では、荷2と倉庫用パレット8との間に運搬用パレット7を介在させているが、運搬用パレット7を無くしてもよい。
上記各実施の形態では、スタッカクレーン5の荷台18に設けられたフォーク装置19を用いて、パレット7,8で支持された荷2を出し入れする形式の自動倉庫1を示したが、以下に、第4の実施の形態として、図16〜図22に示すように、上記スタッカクレーン5(出し入れ装置の一例)の荷台18に設けられた移載装置61を用いて、バケット62に収納された複数の荷63(機械部品等,図22参照)を出し入れする形式の自動倉庫1について説明する。
【0066】
すなわち、図16〜図19に示すように、上記バケット62は、荷支持部材の一例であり、上面が開放された四角箱形状に形成され、棚3の各収納部10に収納可能に構成されている。上記バケット62の手前側面には、被係合部として、下向きの鉤形状のフック64が設けられている。尚、各棚3の手前側端部に隣接した荷受部29には、バケット62を受ける荷受台65が設置されている。
【0067】
また、上記移載装置61は以下のように構成されている。
すなわち、上記荷台18上には、収納部10に対する接近離間方向(以下、移載方向Xと示す)へ移動自在な可動フレーム67と、この可動フレーム67を移動させる第1駆動装置68とが設けられている。この第1駆動装置68としてはモータが用いられており、可動フレーム67に設けられたラック69に歯合するピニオン70を上記第1駆動装置68が回転させることによって、可動フレーム67が移動するように構成されている。
【0068】
上記可動フレーム67には、移載方向Xの両端部にそれぞれ回転軸71,72が設けられ、これら回転軸71,72の両端部にはそれぞれスプロケット73a,73bが設けられている。これら一対のスプロケット73a,73b間にはチェン74が巻回されている。また、上記可動フレーム67には、回転軸71,72を回転させて両チェン74を回動させる第2駆動装置75が設けられている。この第2駆動装置75としてはモータが用いられており、上記両回転軸71,72と第2駆動装置75とに設けられた駆動用スプロケット76,77間に駆動用チェン78が巻回されている。
【0069】
また、上記両チェン74間には、上記バケット62のフック64に係脱自在な係合部材79が架設されている。さらに、上記可動フレーム67には複数の支持ローラ80を有する支持枠81が設けられており、バケット62は両チェン74間において支持ローラ80で支持される。
【0070】
また、制御器30は、クローズ作業方式(第1の作業方式)とオープン作業方式(第2の作業方式)とに応じて、上記第1および第2駆動装置68,75を制御する。尚、クローズ作業方式は、出庫の場合、バケット62を荷受台65に残したまま、作業者がバケット62から荷63をピッキングして取り出すものである。また、オープン作業方式は、出庫の場合、バケット62を荷受台65に残さず、作業者が荷63をバケット62と共に荷受台65から持ち出すものである。
【0071】
以下、上記構成における作用を説明する。
バケット62から荷63をピッキングする場合、クローズ作業方式を選択する。これにより、スタッカクレーン5の走行体16の走行と荷台18の昇降とによって、図16の実線および図17に示すように、移載装置61が収納部10の手前側まで移動する。そして、図16の仮想線で示すように、第1駆動装置68によって可動フレーム67が移載方向Xの一方へ移動し、可動フレーム67の一端が収納部10に接近する。
【0072】
その後、図22に示すように、第2駆動装置75によって両チェン74が一方向Sへ回動し、実線で示すように係合部材79が曲線経路部を移動してバケット62のフック64に係合する。この状態で、上記係合部材79が曲線経路部から直線経路部を移動することにより、図22の仮想線で示すように、バケット62が収納部10から両チェン74間に引き込まれ支持ローラ80上に支持される。その後、図16の実線で示すように、第1駆動装置68によって可動フレーム67が移載方向Xの他方へ移動し、可動フレーム67の一端が収納部10から遠ざかる。これにより、バケット62が収納部10から荷台18上に取り出される。尚、この際、係合部材79はフック64に係合したままの状態である。
【0073】
その後、上記荷台18の昇降および走行体16の走行により、図21に示すように、移載装置61が荷受台65の隣りまで移動する。そして、図20に示すように、第1駆動装置68によって可動フレーム67が移載方向Xの一方へ移動し、可動フレーム67の一端が荷受台65に接近する。
【0074】
そして、図21に示すように、第2駆動装置75によって両チェン74が他方向Tへ回動し、フック64に係合している係合部材79が上位の直線経路部を移動するため、実線に示すようにバケット62が支持ローラ80上から荷受台65上へ押し出される。この時、制御器30は、係合部材79が上位の直線経路部から曲線経路部へ移行する第1停止位置Qまで移動した時点で、第2駆動装置75を停止させる。これにより、図20の実線で示すように、上記係合部材79が第1停止位置Qに停止する。
【0075】
この第1停止位置Qにおいては、係合部材79がフック64に係合した状態で、バケット62が荷受台65上に支持されている。作業者は荷受台65上のバケット62内の荷63をピッキングするのであるが、この際、作業者が、誤って、荷63をバケット62ごと荷受台65から手前側Aへ持ち出そうとしても、係合部材79がフック64に係合しているため、バケット62が荷受台65上に固定され、バケット62を荷受台65から手前側Aへ持ち出すことはできない。これにより、クローズ作業方式を行なうべきところを、誤ってオープン作業方式を実行してしまうといった誤作業の発生を防止することができる。
【0076】
尚、図20の実線で示すように、係合部材79がフック64に係合して、バケット62が荷受台65上に固定されるといった状態は、バケット62を荷受台65から完全に取り出せないように固定するという状態を意味するとともに、バケット62を荷受台65から取り出し難い状態にして、バケット62を荷受台65から取り出してはいけないことを作業者に認識させる(気付かせる)ものであってもよい。
【0077】
また、荷63をバケット62ごと持ち出す場合、オープン作業方式を選択する。これにより、上記クローズ作業方式と同様な手順によって、バケット62が収納部10から荷台18上に取り出される。その後、図21に示すように、移載装置61が荷受台65の隣りまで移動し、第1駆動装置68によって可動フレーム67が移載方向Xの一方へ移動し、可動フレーム67の一端が荷受台65に接近する。
【0078】
そして、第2駆動装置75によって両チェン74が他方向Tへ回動し、フック64に係合している係合部材79が上位の直線経路部を移動するため、バケット62が支持ローラ80上から荷受台65上へ押し出される。この時、制御器30は、係合部材79が第1停止位置Qを通過して曲線経路部から下位の直線経路部へ移行する第2停止位置Rまで移動した時点で、第2駆動装置75を停止させる。これにより、図20の仮想線で示すように、上記係合部材79は、フック64から離脱して、第2停止位置Rに停止する。
【0079】
この第2停止位置Rにおいては、係合部材79がフック64から離脱した状態で、バケット62が荷受台65上に支持されている。これにより、バケット62の荷受台65に対する固定が解除され、作業者は荷63をバケット62ごと容易に荷受台65から持ち出すことができる。これにより、オープン作業方式を行なうべきところを、誤ってクローズ作業方式を実行してしまうといった誤作業の発生を防止することができる。
【0080】
上記第4の実施の形態では、バケット62を出し入れするために移載装置61に設けられた係合部材79を利用して、バケット62を荷受台65に対して固定したり固定解除しているため、部品点数を削減することができる。
【0081】
上記第4の実施の形態では、オープン作業方式の場合、図19に示すように、荷受台65上に載置されたバケット62を自動倉庫1の正面から見て左右いずれか片方Aへ持ち出すようにしているが、自動倉庫1の手前側(A方向と直交する方向)へ持ち出すようにしてもよい。
【0082】
また、上記移載装置61の係合部材79とは別に、荷受台65に、バケット62を固定および固定解除する係合部材を設けてもよい。すなわち、第5の実施の形態として、図23に示すように、荷受台65に、荷支持面87に対して上下方向へ出退自在な係合板85(係合部材の一例)と、この係合板85を昇降させる駆動装置とが設けられている。尚、上記駆動装置としてはシリンダ装置86が用いられており、制御器30はクローズ作業方式とオープン作業方式とに応じて上記駆動装置86を制御する。
【0083】
これによると、バケット62から荷63をピッキングする場合、クローズ作業方式を選択する。これにより、スタッカクレーン5の走行体16の走行と荷台18の昇降と移載装置61による移載とによって、バケット62が収納部10から取り出され荷受台65上へ支持される。
【0084】
その後、図23の実線で示すように、制御器30がシリンダ装置86のピストンロッド86aを突出させることにより、係合板85が上昇してバケット62のフック64に下方から係合する。作業者は荷受台65上のバケット62内の荷63をピッキングするのであるが、この際、作業者が、誤って、荷63をバケット62ごと荷受台65から手前側Aへ持ち出そうとしても、係合板85がフック64に係合しているため、バケット62が荷受台65上に固定され、バケット62を荷受台65から手前側Aへ持ち出すことはできない。これにより、クローズ作業方式を行なうべきところを、誤ってオープン作業方式を実行してしまうといった誤作業の発生を防止することができる。
【0085】
尚、図23の実線で示すように、係合板85がフック64に係合して、バケット62が荷受台65上に固定されるといった状態は、バケット62を荷受台65から完全に取り出せないように固定するという状態を意味するとともに、バケット62を荷受台65から取り出し難い状態にして、バケット62を荷受台65から取り出してはいけないことを作業者に認識させる(気付かせる)ものであってもよい。
【0086】
また、荷63をバケット62ごと持ち出す場合、オープン作業方式を選択する。これにより、図23の仮想線で示すように、制御器30がシリンダ装置86のピストンロッド86aを退入させることによって、係合板85が下降して荷支持面87の下方へ退避する。そして、スタッカクレーン5の走行体16の走行と荷台18の昇降と移載装置61による移載とによって、バケット62が収納部10から取り出され荷受台65上へ支持される。
【0087】
この際、上記係合板85は、荷支持面87の下方へ退避しているため、バケット62のフック64から離間している。これにより、バケット62の荷受台65に対する固定が解除され、作業者は荷63をバケット62ごと容易に荷受台65から持ち出すことができる。これにより、オープン作業方式を行なうべきところを、誤ってクローズ作業方式を実行してしまうといった誤作業の発生を防止することができる。
【0088】
上記第4および第5の実施の形態では、荷63を収納するバケット62を荷受台65に固定しているが、同様な方法で、荷を載置したパレットを荷受台65に固定してもよい。
【0089】
【発明の効果】
以上のように、本第1発明によると、第1の作業方式で荷を出庫する場合、作業者が誤ってパレットごと荷を荷受部から搬出しようとしても、作業判別手段によって、パレットがパレットの取出し側に位置する作業者から隠されているため、第1の作業方式を実行すべきところを、第2の作業方式を実行してしまうといった誤作業の発生を防止することができる。
【0090】
また、第2の作業方式で荷を出庫する場合、作業者が荷受部のパレットを目視することができるため、第2の作業方式を実行すべきところを、誤って上記パレットを荷受部に残して荷を荷受部から搬出してしまう(すなわち第1の作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0091】
また、本第2発明によると、第1の作業方式で荷を出庫する場合、作業判別手段により、パレットがパレットの取出し側に位置する作業者から隠され、補助パレットと荷とが作業者に対して露出する。この状態で、作業者は、パレットを荷受部に残し、荷を補助パレットごと荷受部から搬出する。この際、上記補助パレットは、移載手段が作用部に作用することにより、荷を支持した状態で荷受部から移載される。
【0092】
また、本第3発明によると、第1の作業方式で荷を出庫する場合、昇降装置が下降することで、パレットが作業判別部材の背後に隠される。これにより、パレットの取出し側に位置する作業者は上記パレットを目視できず、第1の作業方式を実行すべきところを、誤ってパレットごと荷を荷受部から搬出してしまう(すなわち第2の作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0093】
また、第2の作業方式で荷を出庫する場合、昇降装置が上昇することで、パレットが作業判別部材の背後から上方へ露出する。これにより、パレットの取出し側に位置する作業者は上記パレットを目視することができるため、第2の作業方式を実行すべきところを、誤って上記パレットを荷受部に残して荷を荷受部から搬出してしまう(すなわち第1の作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0094】
また、本第4発明によると、第1の作業方式で荷を出庫する場合、作業判別部材を上昇させておくことで、荷受部に荷と共に支持されたパレットは上記作業判別部材の背後に隠れるため、パレットの取出し側に位置する作業者は上記パレットを目視できず、第1の作業方式を実行すべきところを、誤ってパレットごと荷を荷受部から搬出してしまう(すなわち第2の作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0095】
また、第2の作業方式で荷を出庫する場合、作業判別部材を下降させておくことで、荷受部に荷と共に支持されたパレットは上記作業判別部材の背後から上方へ露出するため、パレットの取出し側に位置する作業者は上記パレットを目視することができ、これにより、第2の作業方式を実行すべきところを、誤って上記パレットを荷受部に残して荷を荷受部から搬出してしまう(すなわち第1の作業方式を実行してしまう)といった誤作業の発生を防止することができる。
【0096】
また、本第5発明によると、荷を出庫する場合、出し入れ装置を使用して、荷をパレットと共に棚から荷移送体上へ取り出す。その後、荷はパレットと共に荷移送体によって搬入出位置まで移送される。そして、搬入出位置において、第1または第2の作業方式で荷の搬出が行われ、この際、作業判別手段によって、誤作業の発生が防止される。
【0097】
また、本第6発明によると、第1の作業方式で荷を出庫する場合、係合部材が荷支持部材に係合して荷支持部材を荷受部に固定する。この際、作業者が誤って荷支持部材ごと荷を荷受部から搬出しようとしても、上記のように荷支持部材が係合部材によって荷受部に固定されているため、第1の作業方式を実行すべきところを、第2の作業方式を実行してしまうといった誤作業の発生を防止することができる。
【0098】
また、第2の作業方式で荷を出庫する場合、係合部材が荷支持部材から離脱して荷支持部材と荷受部との固定を解除する。これにより、作業者は荷支持部材ごと荷を荷受部から搬出することができるため、第2の作業方式を実行すべきところを、第1の作業方式を実行してしまうといった誤作業の発生を防止することができる。
【0099】
また、本第7発明によると、係合部材を出し入れ装置側に設けたため、荷受部を小型化し得る。
また、本第8発明によると、係合部材を荷受部側に設けたため、出し入れ装置を小型化し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における自動倉庫の作業判別手段の正面図であり、クローズ作業方式の場合を示す。
【図2】同、自動倉庫の作業判別手段の正面図であり、オープン作業方式の場合を示す。
【図3】同、自動倉庫の作業判別手段の昇降装置の正面図である。
【図4】同、自動倉庫の作業判別手段の側面図である。
【図5】同、自動倉庫の斜視図である。
【図6】同、自動倉庫の平面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における自動倉庫の作業判別手段の正面図であり、クローズ作業方式の場合を示す。
【図8】同、自動倉庫の作業判別手段の正面図であり、オープン作業方式の場合を示す。
【図9】同、自動倉庫の作業判別板の拡大正面図である。
【図10】同、自動倉庫の荷受台の正面図であり、作業判別板を取り外した状態を示す。
【図11】本発明の第3の実施の形態における自動倉庫の作業判別手段の側面図である。
【図12】同、自動倉庫の平面図である。
【図13】図11におけるW−W矢視図である。
【図14】同、自動倉庫の作業判別手段の正面図であり、クローズ作業方式の場合を示す。
【図15】同、自動倉庫の作業判別手段の正面図であり、オープン作業方式の場合を示す。
【図16】同、本発明の第4の実施の形態における自動倉庫の移載装置の斜視図である。
【図17】同、自動倉庫の移載装置の側面図である。
【図18】同、自動倉庫の移載装置の正面図である。
【図19】同、自動倉庫の概略側面図である。
【図20】同、自動倉庫の移載装置に設けられた係合部材の側面図である。
【図21】同、自動倉庫の移載装置を用いてバケットを荷受台上へ移載する際の手順を示す側面図である。
【図22】同、自動倉庫の移載装置を用いてバケットを棚から引き出す際の手順を示す側面図である。
【図23】同、本発明の第5の実施の形態における自動倉庫の荷受台に設けられた係合板の側面図である。
【図24】従来の自動倉庫の荷受台周辺の平面図であり、(a)はオープン作業方式を示し、(b)はクローズ作業方式を示している。
【符号の説明】
1 自動倉庫
2 荷
3 棚
5 スタッカクレーン(出し入れ装置)
7 運搬用パレット(補助パレット)
8 倉庫用パレット(パレット)
11 フォークリフト(移載手段)
12 フォーク挿入口(作用部)
25 作業判別手段
26 作業判別板(作業判別部材)
27 昇降装置
29 荷受部
40 作業判別手段
41 作業判別板(作業判別部材)
50 コンベヤ(荷移送体)
62 バケット
63 荷
79 係合部材
85 係合板(係合部材)
A 手前側(パレット取出し側)
P 搬入出位置
Claims (8)
- パレットと共に荷を収納する棚と、棚から出庫される荷をパレットと共に受ける荷受部と、上記棚と荷受部との間で荷をパレットと共に出し入れする出し入れ装置とが設けられ、
上記パレットを荷受部に残したまま荷を荷受部から搬出する第1の作業方式と、上記パレットと共に荷を荷受部から搬出する第2の作業方式とのいずれかを選択して出庫が行なえる自動倉庫であって、
上記荷受部に、第1の作業方式では、パレットの取出し側においてこのパレットへの目視を遮り、かつ、第2の作業方式では、パレットの取出し側においてこのパレットを露出させて目視可能とする作業判別手段が設けられていることを特徴とする自動倉庫。 - 荷とパレットとの間に、移載手段によって移載可能な補助パレットが介在し、
上記補助パレットに、上記移載手段が作用する作用部が形成されており、
第1の作業方式を選択した場合、パレットを荷受部に残したまま、荷と上記補助パレットとを共に荷受部から搬出し、
第2の作業方式を選択した場合、荷とパレットと上記補助パレットとを共に荷受部から搬出することを特徴とする請求項1記載の自動倉庫。 - 作業判別手段は、荷受部に設けられた作業判別部材と、荷を支持する昇降自在な昇降装置とで構成され、
第1の作業方式の際、下降した昇降装置によって荷と共に支持されたパレットが作業判別部材の背後に隠れ、
第2の作業方式の際、上昇した昇降装置によって荷と共に支持されたパレットが作業判別部材の背後から上方へ露出することを特徴とする請求項1または請求項2記載の自動倉庫。 - 作業判別手段として、荷受部に作業判別部材が昇降自在に設けられ、
第1の作業方式の際、作業判別部材を上昇させて、荷受部に荷と共に支持されたパレットを上記作業判別部材の背後に隠し、
第2の作業方式の際、作業判別部材を下降させて、荷受部に荷と共に支持されたパレットを上記作業判別部材の背後から上方へ露出させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の自動倉庫。 - 荷受部に、荷を搬入出する搬入出位置と、荷移送体とが設けられ、
上記荷移送体は出し入れ装置と上記搬入出位置との間で荷を移送し、
上記搬入出位置に作業判別手段が設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の自動倉庫。 - 荷支持部材で支持された荷を収納する棚と、棚から出庫される荷を荷支持部材と共に受ける荷受部と、上記棚と荷受部との間で荷を荷支持部材と共に出し入れする出し入れ装置とが設けられ、
上記荷支持部材を荷受部に残したまま荷を荷受部から搬出する第1の作業方式と、上記荷支持部材と共に荷を荷受部から搬出する第2の作業方式とのいずれかを選択して出庫が行なえる自動倉庫であって、
上記第1の作業方式の際、荷支持部材に係合して荷支持部材を荷受部に固定し、かつ、第2の作業方式の際、荷支持部材から離脱して荷支持部材と荷受部との固定を解除する係合部材が設けられていることを特徴とする自動倉庫。 - 係合部材は出し入れ装置側に設けられていることを特徴とする請求項6記載の自動倉庫。
- 係合部材は荷受部側に設けられていることを特徴とする請求項6記載の自動倉庫。
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