JP3736066B2 - フォーカス調整機能付きカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フォーカス調整機能付きカメラに係わり、特に被写体(図示せず)と固体撮像素子(以下、CCDと略す)との光軸のブレを防止するフォーカス調整機能付きカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来のフォーカス調整機能付きカメラの概観図、図5は従来のフォーカス調整機能付きカメラのフォーカス調整機構の構成図であり、図5(a)が断面図、図5(b)が図5(a)のC−C矢示図、図5(c)が図5(a)のD−D矢示図である。図において、101がレンズ取付ネジ、102aがリング側ネジである。また、103がCCD、104がパッキン、105がフィルタ、106がフォーカス調整ブロックであり、106aがブロック側ネジ、107がレンズである。
【0003】
また、108がフォーカスリング支持板、109がCCD103を搭載する基板、110がアルミ板、111がコイルバネ、112がコイルバネ111を押さえるプレート、113が後ろ蓋、114がフォーカス調整ブロック106に設けられたブロック支持アーム、114aがブロック支持アーム114に設けられた凹部、115が筐体100に設けられ、凹部114aと嵌合する凸部である。
【0004】
また、116はフォーカス調整ブロック106とアルミ板110とを押さえる第1ネジ、117はフォーカス調整ブロック106、アルミ板110、基板109及びプレート112を押さえる第2ネジである。また、図6はフォーカス調整ブロック106の分解図であり、図において、106bがフィルタ挿入部、106cがCCD挿入部、106dが第1ネジ116と螺合する第1ネジ穴、106eがフィルタ105を押さえるフィルタ揮さえ凸片である。また、図7はCCD103の光軸ズレの説明図であり、150がCCD103とレンズ107との光輔てある。
【0005】
次に、図6に示すフォーカス調整ブロック106の組立動作を説明する。最初に、フィルタ挿入部106bにフィルタ105を挿入すると、フィルタ押さえ凸片106eがフィルタ105を支持する。次に、CCD挿入部106cにパッキン104及びCCD103を挿入する。次に、CCD103の上からアルミ板110をのせ、第1ネジ116を第1ネジ穴106dに螺合させて、フォーカス調整ブロック106にフィルタ105、パッキン104、CCD103及びアルミ板110を固定し、組立動作を完了する。
【0006】
次に、従来のフォーカス調整機能付きカメラにおけるフォーカス調整機構の組立動作を図5について説明する。最初に、第2ネジ117で基板109及びプレート112を取り付ける。次に、凹部114aと凸部115とを嵌合させ、フォーカス調整ブロック106を筐体100に支持させる。次に、フォーカスリング102を回転させてブロック側ネジ106aとリング側ネジ102aとを螺合させる。これにより、ブロック側ネジ106aは、凹部114aと凸部115との嵌合に支持されながら、リング側ネジ102aと螺合するので、フォーカス調整ブロック106が矢示E方向に移動する。次にバネ111をプレート112に取り付け、次に後ろ蓋113を筐体100に取り付けて組立動作を完了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のフォーカス調整機能付きカメラにおけるフォーカス調整機構は以上のように構成されており、以下のような課題があった。
(1)図5の構成では、フォーカス調整ブロック106が、リング側ネジ102aとブロック側ネジ106aとの螺合により支持されるのでガタが発生しやすい。このため、図7に示すようにCCD103が光軸150に対して角度dだけずれる場合が発生し、撮像映像に部分的なピントずれが発生する場合がある。
(2)図6の構成では、CCD103、パッキン104、及びフィルタ105との位置関係は、フォーカス調整ブロック106の加工精度に頼っており、フォーカス調整ブロック106の加工精度が悪いと、例えば凸片106eがCCD1O3の撮像範囲に入ることで、撮像映像に凸片106aが映し出され、被写体をきれいに撮像できない場合がある。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、被写体からの光軸に対してCCDを正確に直角に配置できるフォーカス調整機能付きカメラを提供するものである。また、第2の目的は、CCDの周囲に障害物が入らないフォーカス調整機能付きカメラを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るフォーカス調整機能付きカメラは、被写体を撮像する固撮像素子と、上記被写体からの光を上記固撮像素子に集光するレンズと、上記固撮像素子を保持する素子ホルダーと、挿通孔を有するとともに、上記素子ホルダーを格納する筐体と、上記レンズを保持する円筒状のレンズホルダーと、上記素子ホルダーに立設されるとともに上記挿通孔から挿通されて上記筐体の外部に突出し、上記レンズホルダーの外周面と嵌合するレンズホルダー嵌合部と、上記レンズホルダー嵌合部の外周面と螺合するフォーカスリングと、上記レンズの光軸方向に上記素子ホルダーを付勢し、上記フォーカスリングを上記筐体に接触させる付勢手段とを備え、上記フォーカスリングの回転により、上記レンズと上記固体撮像素子とのフォーカスを調整するものである。
【0010】
また、次の発明に係るフォーカス調整機能付きカメラは、上記筐体の内部に設けられ、上記素子ホルダーと係合し、当該素子ホルダーを上記レンズの光軸方向に摺動自在に保持する保持手段を有し、上記付勢手段は上記保持手段に挿入して設けられるものである。
【0011】
また、次の発明に係るフォーカス調整機能付きカメラは、上記レンズの光軸に対称な一対の上記保持手段を上記筐体の内部に設け、上記保持手段のそれぞれに上記付勢手段を挿入するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の一実施形態を説明する。図1はこの発明に係わるフォーカス調整機能付きカメラのフォーカス調整機構の構成図であり、図1(a)が断面図、図1(b)が図1(a)のA−A矢示図、図1(c)が図1(a)のB−B矢示図であり、図5と同一符号は同一、又は相当部分を示し説明を省略する。また、図2は筐体200の正面図、図3は後述する素子ホルダー400の組立斜視図である。
【0014】
図において、200が筐体、201がレンズホルダ−、202が挿通孔、203が筐体200に設けられた嵌合凸部、204が嵌合凸部203に挿入されたコイルバネである。また、300はフォーカスリングであり、301が円筒部、301aが円筒部301の内側に設けられたリング側ネジ部である。また、400は素子ホルダーであり、401がレンズホルダー201と嵌合するホルダー嵌合部、401aがホルダー側ネジ部、402が基板、403が基板取付ネジ、404がアーム、404aがアーム404に設けられた挿通孔である。また、500は後ろ蓋である。
【0015】
次に、図1に示すフォーカス調整機構の組立動作を説明する。最初に、CCD103を素子ホルダー400に図3に示すように挿入する。次に、CCD103上にフィルタ105を接着により取り付ける。次に、素子ホルダー400の裏側に基板402を基板取付ネジ403により図1(c)に示すように取り付ける。次に、嵌合凸部203にコイルバネ204を挿入する。次に、挿通孔202にホルダー嵌合部401、挿通孔404aに嵌合凸部203に挿入して、レンズホルダー201とホルダー嵌合部401とを図1(a)に示すように嵌合させる。
【0016】
次に、レンズホルダ−201と嵌合するホルダー嵌合部401に対して、フォーカスリング300を筐体200の前部から接合し、更にフォーカスリング300を回転させることで、ホルダー側ネジ部401aとリング側ネジ部301aとを図1(a)に示すように螺合させる。次に、筐体200に後ろ蓋500を取り付けて組立動作を完了する。これにより、素子ホルダー400はコイルバネ204により常に筐体200の後部方向に付勢されるため、フォーカスリング300は筐体200と常に接合する。これにより、CCD103を搭載する素子ホルダー400の位置は、ホルダー側ネジ部401aとリング側ネジ部301aとの螺合の度合によって調整される。
【0017】
また、この発明によるフォーカス調整機能付きカメラの特徴は、一つにはレンズホルダ−201とホルダー嵌合部401とを嵌合させた点である。これにより、筐体200と素子ホルダー400との間にガタが無くなり、CCD103を光軸151に対して正確に直角に配置できる。このため、図7に示すような光軸ズレが発生しなくなり、撮像映像に部分的なピントずれが発生しなくなる。また、一つにはフィルタ105をCCD103上に接着させた点である。これにより、図6に示すようなフィルタ105を支持する凸片106eが不要となり、CCD103の撮像範囲内に凸片106aのような障害物が介入する恐れが無くなるため、被写体をきれいに撮像できるようになる。
【0018】
また、一つには嵌合凸部203にコイルバネ204を挿入した点である。本来、挿通孔404aと嵌合凸部203とは、素子ホルダー400の回転を阻止するため設けたものものであるが、嵌合凸部203にコイルバネ204を挿入することで、コイルバネ204を支持する構成が不要となり、構成が簡単になる。また、図1(c)に示すように対称位置に設けられた嵌合凸部203の各々にコイルバネ204を挿入するため、コイルバネ204による付勢力は均一になり、フォーカスリング300を滑らかに回転させられるようになる。
【0019】
【発明の効果】
この発明によれば、被写体を撮像する固撮像素子と、上記被写体からの光を上記固撮像素子に集光するレンズと、上記固撮像素子を保持する素子ホルダーと、挿通孔を有するとともに、上記素子ホルダーを格納する筐体と、上記レンズを保持する円筒状のレンズホルダーと、上記素子ホルダーに立設されるとともに上記挿通孔から挿通されて上記筐体の外部に突出し、上記レンズホルダーの外周面と嵌合するレンズホルダー嵌合部と、上記レンズホルダー嵌合部の外周面と螺合するフォーカスリングと、上記レンズの光軸方向に上記素子ホルダーを付勢し、上記フォーカスリングを上記筐体に接触させる付勢手段とを備えるので、上記筐体と上記素子ホルダーとの間のガタが無くなり、上記固撮像素子を上記被写体との光軸に対して直角に配置できるため、撮像映像に部分的なピントずれが発生しなくなる効果がある。
【0020】
また、次の発明によれば、上記筐体の内部に設けられ、上記素子ホルダーと係合し、当該素子ホルダーを上記レンズの光軸方向に摺動自在に保持する保持手段を有し、上記付勢手段は上記保持手段に挿入して設けられるので、独自に付勢手段を支持する手段を設ける必要が無く、構成が簡単になる効果がある。
【0021】
また、次の発明によれば、上記レンズの光軸に対称な一対の上記保持手段を上記筐体の内部に設け、上記保持手段のそれぞれに上記付勢手段を挿入するので、素子ホルダーを均一に付勢できるため、フォーカスリングを滑らかに回転させられる効果がある。」
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるフォーカス調整機能付きカメラのフォーカス調整機構の構成図であり、図1(a)が断面図、図1(b)が図1(a)のA−A矢示図、図1(c)が図1(a)のB−B矢示図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるフォーカス調整機能付きカメラの筐体の正面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1で使用する素子ホルダーの組立斜視図である。
【図4】 従来のフォーカス調整機能付きカメラの概観図である。
【図5】 従来のフォーカス調整機能付きカメラのフォーカス調整機構の構成図であり、図5(a)が断面図、図5(b)が図5(a)のC−C矢示図、図5(c)が図5(a)のD−D矢示図である。
【図6】 図5に示すフォーカス調整ブロックの分解斜視図である。
【図7】 CCDの光軸ズレの説明図である。
【符号の説明】
200 筐体、201 レンズホルダー、202 挿通孔、203 嵌合凸部、204 コイルバネ、300 フォーカスリング、301 円筒部、301aリング側ネジ部、400 素子ホルダー、401 ホルダー嵌合部、401aホルダー側ネジ部、404 アーム、404a 挿通孔。

Claims (3)

  1. 被写体を撮像する固撮像素子と、
    上記被写体からの光を上記固撮像素子に集光するレンズと、
    上記固撮像素子を保持する素子ホルダーと、
    挿通孔を有するとともに、上記素子ホルダーを格納する筐体と、
    上記レンズを保持する円筒状のレンズホルダーと、
    上記素子ホルダーに立設されるとともに上記挿通孔から挿通されて上記筐体の外部に突出し、上記レンズホルダーの外周面と嵌合するレンズホルダー嵌合部と、
    上記レンズホルダー嵌合部の外周面と螺合するフォーカスリングと、
    上記レンズの光軸方向に上記素子ホルダーを付勢し、上記フォーカスリングを上記筐体に接触させる付勢手段とを備え、
    上記フォーカスリングの回転により、上記レンズと上記固体撮像素子とのフォーカスを調整することを特徴とするフォーカス調整機能付きカメラ。
  2. 上記筐体の内部に設けられ、上記素子ホルダーと係合し、当該素子ホルダーを上記レンズの光軸方向に摺動自在に保持する保持手段を有し、
    上記付勢手段は上記保持手段に挿入して設けられることを特徴とする請求項第1項記載のフォーカス調整機能付きカメラ。
  3. 上記レンズの光軸に対称な一対の上記保持手段を上記筐体の内部に設け、上記保持手段のそれぞれに上記付勢手段を挿入することを特徴とする請求項第2項記載のフォーカス調整機能付きカメラ。」
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