JP3735784B2 - 綿製不織布の製造方法、及び高圧液体流処理用油剤 - Google Patents

綿製不織布の製造方法、及び高圧液体流処理用油剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、綿繊維を含有する繊維ウェブに高圧液体流処理を施して綿製不織布を製造する方法に関し、特に高圧液体流処理による綿繊維相互間の三次元的交絡が効率良く行われ、その結果、高引張強度の綿製不織布を製造しうる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、綿繊維を含有する綿製不織布が、おしぼりや手拭き等の素材として用いられるようになってきている。特に、綿繊維を含有する繊維ウェブに高圧液体流処理を施して、所定の引張強度となるように、綿繊維相互間を三次元的に交絡させてなる綿製不織布が多用されている。このような綿製不織布は、所定の引張強度を実現するためには、三次元的交絡の程度を調整すればよく、例えば高引張強度を実現したいときには、三次元的交絡の程度を高めればよいのである。従って、高引張強度を得るために、繊維相互間を接着剤等で接着する必要性は少なく、綿繊維のみ(又は所望により他種繊維と綿繊維のみ)で不織布を構成することが可能であるので、人体と接触するおしぼりや手拭き等の素材とするには好適である。また、綿繊維のうちでも、晒し処理された綿繊維を使用した場合、白度が向上し、おしぼりや手拭き等の素材とするには最適である。
【0003】
ところで、このような綿製不織布は、綿繊維を含有する綿塊をカード機等によって開繊しながら、繊維ウェブを作成し、この繊維ウェブに高圧液体流処理を施して得られるものである。綿繊維には、産地や品種にもよるが、一般的に表面にコットンワックスが付着しており、晒し処理された綿繊維の場合、表面からコットンワックスが除去されている。従って、晒し処理されていない綿繊維の場合はともかく、晒し処理された綿繊維の場合は、カード機等によって梳って開繊する際に、カーディングローラーと綿繊維との摩擦によって静電気が発生し、綿繊維同士が絡み合い(開繊不良によるネップの発生)、或いは綿繊維がカーディングローラーに巻き付き、十分な開繊ができないということがあった。
【0004】
このため、晒し処理のされた綿繊維に、静電気発生防止用油剤(帯電防止用油剤)を付与した後に、カード機等によって開繊し、繊維ウェブを得ることが行われている。なお、晒し処理のされていない綿繊維についても、静電気発生防止用油剤が付与されることも多い。ここで、使用する静電気発生防止用油剤としては、カチオン系油剤,ノニオン系油剤,アニオン系油剤,両性系油剤等が単独で又は混合して用いられている。カチオン系油剤としては、ジメチルステアリルヒドロキシエチルアンモニウムナイトレート,ラウリルトリメチルアンモニウムメトサルフェート等の第四級アンモニウムタイプの油剤や、ジメチルラウリルアンモニウム塩等の第三級アミン塩タイプの油剤等が用いられている。ノニオン系油剤としては、ポリオキシエチレン(10モル付加)ノニルフェノール,ポリオキシエチレン(10モル付加)ラウリン酸エステル、ポリオキシエチレン(10モル付加)ソルビタンラウリン酸エステル,ポリオキシエチレン(10モル付加)ラウリルアミン,ラウリルアミンオキサイド等の油剤が用いられている。アニオン系油剤としては、ポリオキシエチレン(5モル付加)ラウリル硫酸エステルナトリウム塩,ラウリルリン酸エステルカリウム塩,ステアリルスルフォネートナトリウム塩,ドデシルベンゼンスルフォネートナトリウム塩等の油剤が用いられている。両性系油剤としては、ラウリルジメチルベタイン等のカルボキシベタイン型油剤、ヘプタデシルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインやアルキルアラニン等のアミノカルボン酸塩型の油剤等が用いられている。
【0005】
このような静電気発生防止用油剤を綿繊維の表面に付与した後、カード機等によって開繊すると、静電気の発生が少なくなり、この結果カーディングローラーへの綿繊維の巻き付きも少なくなって、開繊性が良好になる。従って、比較的均一な繊維ウェブが得られ、最終的に地合の良好な綿製不織布が得られるのである。なお、ネップの発生については、静電気発生防止用油剤を付与した場合、この油剤を付与しない場合に比べて少なくなるものの、満足のゆく程度にネップ発生を防止し得ないこともある。
【0006】
一方、静電気発生防止用油剤が付与された綿繊維を含有する繊維ウェブに、高圧液体流処理を施した場合、綿繊維相互間の三次元的交絡についても、満足のいかない場合が多かった。勿論、静電気発生防止用油剤を付与していない綿繊維を含有する繊維ウェブに、高圧液体流処理を施した場合に比べれば、綿繊維相互間の三次元的交絡はより高度になっているが、それでもなお不十分であった。従って、得られる綿製不織布に高引張強度を与えるのが困難で、手荒く扱うと破断する恐れがあり、おしぼりや手拭きの素材として望ましくない場合もあった。また、三次元的交絡が不十分であると、得られる綿製不織布の地合も不均一になりやすく、おしぼりや手拭き等の素材として用いた場合、外観上望ましくないということもあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このため、本発明者等は、高圧液体流処理による綿繊維の三次元的交絡を促進させるには、綿繊維がどのような性状を持っていることが望ましいかを考察した。前記したとおり、静電気発生防止用油剤が付与されていない綿繊維の場合に比べて、この油剤が付与された綿繊維の場合の方が、三次元的交絡がより高度になっていることからも、綿繊維の表面状態が重要であることが分かる。即ち、静電気発生防止用油剤は、前述したような各種の界面活性剤が用いられていることからも、綿繊維の表面状態は、滑りやすい方が(即ち、摩擦係数が小さくなっている方が)好ましいのではないかと推定しうる。また、高圧液体流としては一般的に水流を用いていることから、本来吸水性である綿繊維表面に界面活性剤を付与して、吸水性を低下させておき、吸水による綿繊維の重量増加を抑えて、綿繊維が動きやすいようにした方が好ましいのではないかと推定しうる。以上の結果、高圧液体流処理によって三次元的交絡を促進させるためには、綿繊維表面の摩擦係数を小さくすると共に綿繊維の吸水力を抑えて、高圧液体流のエネルギーによって、綿繊維相互間及び綿繊維自体が動きやすいようにすれば良いとの結論に到った。
【0008】
本発明者等は、このような知見に基づき、静電気発生防止用油剤よりも綿繊維表面の摩擦係数を小さくすると共に綿繊維の吸水性を低下させると考えられる油剤を種々調整し、これを綿繊維表面に付与して高圧液体流処理を施し、三次元的交絡の程度を実験によって観察した。本発明は、このような知見と実験の積み重ねによってなされたものであり、ある特定の油剤を綿繊維表面に付与すれば、高圧液体流処理による三次元的交絡が顕著に促進することが判明し、本発明に到ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、炭素数8〜40のアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はその塩と、JIS K−2283法,25℃の測定条件下で動粘度が10〜500センチストークスのシリコーン化合物とを含有する油剤が、表面に付与されてなる綿繊維を含有する繊維ウェブに、高圧液体流処理を施して、綿繊維相互間を三次元的に交絡させることを特徴とする綿製不織布の製造方法に関するものである。
【0010】
本発明で用いる油剤の一成分である炭素数8〜40のアルキル若しくはアルケニルリン酸エステルは、アルキル(炭素数8〜40)アルコール若しくはアルケニル(炭素数8〜40)アルコールと、リン酸とがエステル結合によって結合してなるものであり、例えば、炭素数8〜40の脂肪族飽和若しくは不飽和アルコールと、五酸化リン又はオキシ塩化リンとから生成されるものである。また、このアルキル(炭素数8〜40)若しくはアルケニル(炭素数8〜40)リン酸エステルは、塩であってもよく、例えば、アルカリ金属,アルカリ土類金属、アミン又はアルキルアミノ化合物等によって塩形成されていてもよい。アミンとしてはヒドラジン,アンモニア,アニリン,ピリジン,尿素,ピベラジン,グリシン,ピロリドン等が用いられ、アルキルアミノ化合物としてはジメチルアミン,ジフェニルアミン,ジエタノールアミン,ポリエトキシレートラウリルアミン,トリイソプロパノールアミン等が用いられる。
【0011】
アルキル若しくはアルケニルリン酸エステルの炭化水素基(アルキル基又はアルケニル基)の炭素数は8〜40である。炭化水素基の炭素数が8未満になると、界面活性が低下し、綿繊維表面への均一付着性が十分でなくなり、またアルキル若しくはアルケニルリン酸エステルの臭気が強くなって作業環境が悪化するので、好ましくない。炭化水素基の炭素数が40を超えると、水に溶解しにくくなり、油剤を水溶液の形態で綿繊維表面に付与しにくくなるので、好ましくない。更に、高価になるので不経済でもある。本発明において好ましいアルキル基としては、ラウリル基,ミリスチル基,パルミチル基,ステアリル基,炭素数30のアルキル基が挙げられ、本発明において好ましいアルケニル基としては、オレイル基が挙げられる。
【0012】
油剤中の他の一成分として用いるシリコーン化合物は、線状のものであって、一般的に疎水性であり、その動粘度が、JIS K−2283法,25℃の測定条件下で、10〜500センチストークスのものである。動粘度が10センチストークス未満であると、常温において揮発しやすく、使用上引火の危険があり、好ましくない。また、500センチストークスを超えると、綿繊維表面への被覆作用が低下するので、好ましくない。更に、常温の水に対する溶解性も低下し、油剤を水溶液の形態で取扱にくくなるため、好ましくない。本発明で使用するシリコーン化合物の具体例としては、ジメチルシリコーン,フェニル変性シリコーン,長鎖アルキル変性シリコーン,カルボキシ変性シリコーン,アミノ変性シリコーン,末端アルコール変性シリコーン,メルカプト変性シリコーン等が挙げられる。
【0013】
本発明で使用する油剤は、上記したアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はその塩と、シリコーン化合物とを含有するものであるが、その他に、従来より使用されている各種の界面活性剤(例えば、上記した静電気発生防止用油剤として用いられている界面活性剤)を含有していてもよい。また、この油剤を綿繊維表面に付与する場合、一般的に水溶液又は水分散液として使用するのが好ましい。油剤は、水系で希釈して使用した方が、綿繊維表面に均一に付与することが可能だからである。また、油剤を水溶液又は水分散液とした場合、その濃度は、1〜1.5重量%程度が好ましい。
【0014】
油剤中に含有されているアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はその塩と、シリコーン化合物との重量割合は、前者が80〜95重量%であり、後者が5〜20重量%であるのが好ましい。勿論、この重量割合は、油剤中における固形分全体を100重量%としたときのものである。アルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はその塩の重量割合が80重量%未満になると、綿繊維表面に対する吸水性抑制作用が変動し易くなり、安定した三次元的交絡を付与しにくくなる傾向が生じる。また、アルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はその塩の重量割合が95重量%を超えると、綿繊維に対する吸水性抑制作用が低下し、十分な三次元的交絡を付与しにくくなる傾向が生じる。シリコーン化合物の重量割合が5重量%未満であると、シリコーン化合物を綿繊維の表面全体に付与することが困難になる傾向が生じる。また、シリコーン化合物の重量割合が20重量%を超えると、綿繊維表面の摩擦抵抗の低下が抑制される傾向を生じる。
【0015】
次に、この油剤を付与する綿繊維について説明する。本発明においては、綿繊維として晒し処理された綿繊維を使用するのが好ましい。晒し処理された綿繊維とは、天然の綿繊維又は反毛を、漂白剤等によって漂白処理した綿繊維のことである。従って、晒し処理された綿繊維は、その白度が向上し、この綿繊維を含有する不織布は、白度が良好でおしぼりや手拭き等の素材として好適に使用しうるものである。ここで、反毛とは、綿製糸条や綿製編織物を反毛機にかけて解繊してなる綿繊維のことである。反毛機としては、ラッグ・マシン,ノット・ブレーカー,ガーネット・マシン,廻切機を用いることができる。これらの反毛機は、綿製糸条や綿製編織物を構成している綿繊維の太さ,繊維間の撚りの程度,糸条や編織物の形態によって、任意に選択することができ、また同一若しくは異種の反毛機を数台直列に連結して使用することもできる。反毛機による解繊率は、30〜95%の範囲が好ましい。解繊率が30%未満であると、綿繊維相互間に撚り等が残っており、高圧液体流により個々の綿繊維相互間(反毛相互間)を三次元的に交絡処理しにくくなるので、好ましくない。また、95%を超えると、十分な表面摩耗強度が得られず、綿繊維自体が強度低下を来すため、好ましくない。なお、反毛の解繊率は、次に示す式により求められる。解繊率(%)=(反毛重量−糸状物重量)×100/反毛重量。
【0016】
本発明においては、綿繊維として晒し処理された綿繊維だけでなく、天然の綿繊維を使用することができる。一般的に、天然の綿繊維は、その表面にコットンワックスが付着しているため、晒し処理されてコットンワックスが除去された綿繊維に比べて、表面の摩擦係数が低く、高圧液体流処理による三次元的交絡は、ある程度良好である。しかしながら、本発明における油剤を付与すれば、更に高圧液体流処理による三次元的交絡は促進される。このことからも明らかなように、本発明における油剤付与による、三次元的交絡の促進という効果は、晒し処理された綿繊維を使用した方が顕著である。
【0017】
以上の如き綿繊維を集積させて繊維ウェブを得る。繊維ウェブを作成するには、綿繊維等をカード機に供給し、カード機から排出されるフリースを適宜積層すればよい。カード機としては、フリース中の繊維がほぼ一方向に配列するパラレルカード機,フリース中の繊維が無配向となるランダムカード機,前二者の中間程度の配向となるセミランダムカード機,従来綿繊維の開繊に最も一般的に使用されているフラットカード機等を使用することができる。カード機から排出されたフリースを、そのまま多数枚重ねて、一方向に綿繊維が配列した繊維ウェブ又は綿繊維が無配向となっている繊維ウェブとしてもよい。また、一方向に綿繊維が配列したフリースを、各フリースの綿繊維が直交する状態で多数枚重ねて、縦・横均一な繊維ウェブとしてもよい。本発明においては、縦・横の引張強度が同等である方が好ましいので、繊維ウェブとしても、綿繊維が無配向となっている繊維ウェブ又は各フリース間の綿繊維が直交している繊維ウェブを採用するのが、好ましい。
【0018】
繊維ウェブは、綿繊維のみで構成されていてもよいし、綿繊維と他種繊維とで構成されていてもよい。後者の場合には、少なくとも綿繊維が55重量%含有されているのが好ましい。綿繊維が55重量%未満になると、綿繊維に対して有効に作用する、本発明における油剤の効果(即ち、綿繊維相互間の三次元的交絡を促進するという効果)が低下する傾向が生じる。また、綿繊維が55重量%未満であると、得られた綿製不織布中における綿繊維の割合も55重量%未満となって、おしぼりや手拭き等の素材として使用するには、吸水性や吸湿性が不十分となる恐れがある。繊維ウェブ中に含有される他種繊維としては、従来公知の天然繊維,再生繊維,合成繊維等が用いられる。特に、羊毛や絹等の天然繊維,レーヨン繊維等の再生繊維、ポリエステル系繊維,ポリアミド系繊維,ポリオレフィン系繊維,ポリアクリル系繊維,ポリビニルアルコール系繊維等の合成繊維を、単独で又は混合して用いるのが好ましい。なお、合成繊維としては、一般に使用されている非複合型繊維であってもよいし、異種重合体の組み合わせよりなる芯−鞘型複合繊維やサイドバイサイド型複合繊維を使用してもよい。また、この他種繊維としては、綿繊維と同様に、短繊維であるのが好ましい。これは、綿繊維と他種繊維とが均一に混合しやすくなるからである。
【0019】
繊維ウェブの重量(目付)は、10〜150g/m2程度であるのが好ましい。目付が10g/m2未満であると、繊維密度が小さくなって、高圧液体流処理によるエネルギーを綿繊維に与える効率が悪くなり、三次元的交絡が不十分になる傾向が生じる。一方、目付が150g/m2を超える場合も、単位面積当りの繊維量が多すぎて、全ての繊維に高圧液体流処理によるエネルギーを与えにくくなり、三次元的交絡が不十分になる傾向が生じる。
【0020】
この繊維ウェブに、上述した油剤を付与する。油剤の付与方法としては、繊維ウェブに、水溶液形態又は水系分散液形態の油剤をスプレー法等によって噴霧するのが一般的である。また、水溶液形態等の油剤中に、繊維ウェブを浸漬して、油剤を付与することもできる。この結果、繊維ウェブを構成している綿繊維表面に、油剤が付与されるのである。また、本発明においては、繊維ウェブを形成する前の綿繊維に油剤を付与してもよい。例えば、カード機等による開繊工程の前の綿繊維の塊に、水溶液形態等の油剤を噴霧することによって、綿繊維に油剤を付与してもよい。
【0021】
綿繊維に対する油剤の付与量は、0.05〜1.5o.w.f.であるのが好ましい。ここで、油剤は固形分による付与量であることは、言うまでもない。また、o.w.f.とは、繊維重量を基準とする油剤の重量である。油剤の付与量が0.05o.w.f.未満であると、綿繊維表面に均一に油剤が付与されにくくなって、高圧液体流処理による綿繊維相互間の三次元的交絡の程度が不均一になる傾向が生じる。また、油剤の付与量が1.5o.w.f.を超えると、綿繊維表面にベトツキが発生する恐れがあり、また高圧液体流処理による衝撃によって、綿繊維表面に気泡が生じる恐れがある。
【0022】
以上のようにして油剤が付与された繊維ウェブに、高圧液体流処理が施される。高圧液体流処理は、繊維ウェブに高圧液体流を衝突させるという処理手段である。この手段によって、高圧液体流のエネルギーが、繊維ウェブ中の綿繊維に与えられ、このエネルギーによって綿繊維は運動させられ、その結果、綿繊維相互間に三次元的交絡が発現してくるのである。高圧液体流は、例えば、孔径が0.05〜2.0mm程度、特に0.1〜0.4mmの噴射孔から、噴射圧力5〜150kg/cm2・G程度で、水若しくは温水等の液体を噴出させれば、容易に得ることができる。高圧液体流処理は、一般的に、この噴射孔が0.3〜10mm間隔で一列或いは複数列に多数配列した装置を、繊維ウェブの進行方向と噴射孔の列とが直交するように配置し、進行する繊維ウェブ上に、高圧液体流を衝突させることによって行われる。噴射孔と繊維ウェブ間との距離は、1〜15cm程度が好ましい。この距離が1cm未満であると、繊維ウェブに高圧液体流が衝突したときのエネルギーが大きすぎて、得られる不織布の地合が乱れる恐れがある。また、15cmを超えると、繊維ウェブに高圧液体流が衝突したときのエネルギーが小さくなって、綿繊維に十分な運動エネルギーを与えることができず、三次元的交絡が不十分になる傾向が生じる。
【0023】
本発明においては、高圧液体流処理を二段階若しくはそれ以上に別けて施すのが好ましい。即ち、繊維ウェブ中の綿繊維がフリーの状態での処理である、第一段階の高圧液体流処理においては、高圧液体流の噴射圧力を低くして、綿繊維に与える運動量を少なくし、繊維ウェブの地合が乱れるのを防止しながら、綿繊維相互間にある程度の予備的な三次元的交絡を与える。この第一段階における噴射圧力としては、5〜30kg/cm2・G程度であるのが好ましい。噴射圧力が5kg/cm2・G未満であると、綿繊維相互間に三次元的交絡が殆ど生じない恐れがある。また、噴射圧力が30kg/cm2・Gを超えると、繊維ウェブの地合が乱れる恐れがある。このような第一段階の高圧液体流処理によって、綿繊維に交絡が与えられ、ある程度、綿繊維が拘束された状態で、第二段階の高圧液体流処理を施す。この際の噴射圧力は、第一段階の噴射圧力よりも高くして、綿繊維に大きな運動量を与え、綿繊維相互間の三次元的交絡を更に進行させるのである。第二段階における噴射圧力は、40〜150kg/cm2・G程度が好ましい。噴射圧力が40kg/cm2・Gであると、綿繊維相互間の三次元的交絡の進行が不十分になる傾向が生じる。また、噴射圧力が150kg/cm2・Gを超えると、綿繊維相互間の三次元的交絡が強固になりすぎて、得られる不織布の柔軟性や嵩高性が低下する傾向が生じる。また、第一段階の処理で、ある程度綿繊維が拘束されているにも拘らず、得られる綿性不織布の地合が乱れる恐れもある。以上のような方法によると、得られる不織布の地合の乱れが少なくなり、且つ引張強度が高くなるという利点がある。
【0024】
繊維ウェブに高圧液体流処理を施す際、繊維ウェブは支持体に担持されている。即ち、高圧液体流処理が施される側とは、反対面に支持体が置かれている。この支持体は、繊維ウェブに施された高圧液体流を良好に通過させるものであれば、どのようなものでも使用でき、例えばメッシュスクリーンや有孔板等が採用される。一般的には、金網等のメッシュスクリーンが採用され、また孔の大きさは、20〜100メッシュ程度であるのが好ましい。
【0025】
繊維ウェブに高圧液体流処理を施した後、繊維ウェブには液体流として使用した水や温水等の液体が含浸された状態になっている。従って、この液体を従来公知の方法で除去して、綿製不織布が得られるのである。ここで、液体を除去する方法としては、まず、マングルロール等の絞り装置を用いて、過剰の液体を機械的に除去し、引き続き連続熱風乾燥機等の乾燥装置を用いて、残余の液体を除去する方法等が用いられる。以上のようにして得られた綿製不織布は、綿繊維相互間の三次元的交絡が十分になされており、おしぼりや手拭き等の素材として使用するのに十分な引張強度を持つものである。
【0026】
【実施例】
比較例1
晒し処理した綿繊維(平均繊維長18.5mm、平均繊度1.8デニール)を、大和機工社製開繊機(型式OP−400)により解繊処理を施した。次いで、解繊処理された綿繊維を、ランダムカード機に供給し、排出されたフリースを積層して、目付100g/m2の繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを、金属製ネット(金属線の密度:100本/25mm)よりなる支持体上に載置し、噴射圧力15kg/cm2・Gで第一段階の高圧水流処理を施し、綿繊維相互間を予備的に三次元交絡させた。引き続き、噴射圧力100kg/cm2・Gで第二段階の高圧水流処理を施し、乾燥して綿製不織布を得た。
【0027】
比較例2
比較例1で得られた繊維ウェブに、セチルリン酸エステルカリウム塩5重量部とポリオキシエチレン(10モル付加)ラウリルエーテル5重量部と水900重量部とを混合した水溶液30g(繊維ウェブの単位平方メートル当りの付与量である。以下同じ。)を噴霧法によって付与し、比較例1と同一の条件で二段階の高圧水流処理を施して、綿製不織布を得た。
【0028】
実施例1
比較例1で得られた繊維ウェブに、下記組成の油剤10重量部と水900重量部とを混合した水溶液油剤30gを噴霧法によって付与し、比較例1と同一の条件で二段階の高圧水流処理を施して、綿製不織布を得た。

[油剤組成]
セチルリン酸エステルカリウム塩 90重量部
ジメチルシリコーン(動粘度15センチストークス) 9重量部
ポリオキシエチレン(5モル付加)カスターオイル 0.8重量部
ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ塩 0.2重量部
【0029】
実施例2
比較例1で得られた繊維ウェブに、下記組成物1重量部と、ステアリルリン酸エステルのポリオキシエチレン(10モル付加)オクチルアミン塩9重量部と、水900重量部とを混合した水溶液油剤30gを噴霧法によって付与し、比較例1と同一の条件で二段階の高圧水流処理を施して、綿製不織布を得た。

[組成物成分]
ジメチルシリコーン(動粘度30センチストークス) 90重量部
ポリオキシエチレン(5モル付加)カスターオイル 5重量部
ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ塩 2重量部
ポリオキシエチレン(5モル付加)セチルエーテル 3重量部
【0030】
実施例3
比較例1で得られた繊維ウェブに、実施例2で使用した組成物1重量部と、ステアリルリン酸エステルナトリウム塩9重量部と、水900重量部とを混合した水溶液油剤30gを噴霧法によって付与し、比較例1と同一の条件で二段階の高圧水流処理を施して、綿製不織布を得た。
【0031】
実施例4
比較例1で得られた繊維ウェブに、実施例2で使用した組成物1重量部と、オクチルリン酸エステルナトリウム塩9重量部と、水900重量部とを混合した水溶液油剤30gを噴霧法によって付与し、比較例1と同一の条件で二段階の高圧水流処理を施して、綿製不織布を得た。
【0032】
実施例5
比較例1で得られた繊維ウェブに、実施例2で使用した組成物4重量部と、オクチルリン酸エステルナトリウム塩3重量部と、ポリオキシエチレン(2モル付加)ステアリルサルフェートナトリウム塩3重量部と、水900重量部とを混合した水溶液油剤30gを噴霧法によって付与し、比較例1と同一の条件で二段階の高圧水流処理を施して、綿製不織布を得た。
【0033】
比較例1及び2、実施例1〜5に係る方法によって得られた綿製不織布の引張強度及び引張伸度を測定したところ、表1に示すとおりであった。
【表1】
Figure 0003735784
【0034】
表1における綿製不織布の引張強度(kg/5cm)は、以下のようにして測定したものである。即ち、東洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4−1−100を用い、JIS−L−1096に記載のストリップ法にしたがい、試料幅5cm,試料長10cmの試料片を10個準備し、引張速度10cm/分の条件で最大引張強度を個々に測定し、その平均値を綿製不織布の引張強度とした。なお、試料長の方向が綿製不織布の縦方向(機械方向)である場合を機械方向引張強度とし、試料長の方向が綿製不織布の幅方向である場合を幅方向引張強度とした。また、綿製不織布の引張伸度(%/5cm)は、上記方法で測定した最大引張強度時の伸度を個々に測定し、その平均値を綿製不織布の引張伸度とした。なお、機械方向引張伸度及び幅方向引張伸度の意味は、上記の場合と同様である。
【0035】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜5に係る方法で得られた綿製不織布は、引張強度及び引張伸度共に、比較例1及び2に係る方法で得られた綿製不織布に比べて、大幅に向上していることが分かる。即ち、同一の高圧液体流処理を施しながら、実施例1〜5に係る油剤を付与した繊維ウェブの場合には、綿繊維相互間の三次元的交絡が促進され、その結果、引張強度及び引張伸度共に、大幅に向上するのである。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係る綿製不織布の製造方法は、高圧液体流処理を施す前に、特定の油剤を綿繊維表面に付与しておくものであるため、高圧液体流処理による綿繊維相互間の三次元的交絡が促進され、得られる綿製不織布の引張強度が向上するという効果を奏するものである。また、このことからも明らかなように、高圧液体流処理が効率良く施されるものであるため、高圧液体流の噴射圧力を小さくしても、高引張強度を持つ綿製不織布が得られるので、高圧液体流処理の際のエネルギーを低くすることができ、綿製不織布を得る際に省エネルギーを実現することができるという効果も奏する。
【0037】
なお、本発明で使用する油剤を綿繊維表面に付与すると、綿繊維相互間の摩擦係数が低下するので、カード機による綿繊維の開繊工程の前に、綿繊維表面にこの油剤を付与しておくと、開繊効率も向上し、得られる繊維ウェブにネップ等が発生する恐れを低下させることもできる。従って、地合が良好で、目付の変動率の少ない綿製不織布が得られるという効果も奏する。

Claims (9)

  1. 炭素数8〜40のアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はその塩と、JIS K−2283法,25℃の測定条件下で動粘度が10〜500センチストークスのシリコーン化合物とを含有する油剤が、表面に付与されてなる綿繊維を含有する繊維ウェブに、高圧液体流処理を施して、綿繊維相互間を三次元的に交絡させることを特徴とする綿製不織布の製造方法。
  2. 炭素数8〜40のアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はその塩と、JIS K−2283法,25℃の測定条件下で動粘度が10〜500センチストークスのシリコーン化合物とを含有する油剤が、表面に付与されてなる綿繊維を含有する繊維ウェブに、第一段階の高圧液体流処理を施した後、該第一段階の高圧液体流処理よりも高い噴射圧力で第二段階の高圧液体流処理を施すことを特徴とする綿製不織布の製造方法。
  3. 油剤中における炭素数8〜40のアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はその塩の含量が80〜95重量%であり、シリコーン化合物の含量が5〜20重量%である(但し、各含量割合は、油剤中の固形分全体を100重量%としたものである。)請求項1又は2記載の綿製不織布の製造方法。
  4. 綿繊維が晒し処理されたものである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の綿製不織布の製造方法。
  5. 繊維ウェブ中における綿繊維の含有量が55重量%以上である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の綿製不織布の製造方法。
  6. 綿繊維の重量に対して、油剤が0.05〜1.5重量%付与されている請求項1乃至5のいずれか一項に記載の綿製不織布の製造方法。
  7. 第一段階の高圧液体流処理における液体流の噴射圧力が5〜30kg/cm2・Gであり、第二段階の高圧液体流処理における液体流の噴射圧力が40〜150kg/cm2・Gである請求項2乃至6のいずれか一項に記載の綿製不織布の製造方法。
  8. 綿繊維を高圧液体流によって三次元的に交絡させるために、綿繊維表面に付与する油剤であって、該油剤は、炭素数8〜40のアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はその塩と、JIS K−2283法,25℃の測定条件下で動粘度が10〜500センチストークスのシリコーン化合物とを含有することを特徴とする高圧液体流処理用油剤。
  9. 油剤中における炭素数8〜40のアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はその塩の含量が80〜95重量%であり、シリコーン化合物の含量が5〜20重量%である(但し、各含量割合は、油剤中の固形分全体を100重量%としたものである。)請求項8記載の高圧液体流処理用油剤。
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