JP3735564B2 - 蝶番 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、シャフトを抜脱することが可能な蝶番に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シャフト挿通用スリーブを有する複数枚の羽根と、そのスリーブに通されたシャフトとからなる蝶番は周知である。また、スリーブに対してシャフトを繰り返し挿入・抜脱できる蝶番もよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、シャフトの挿入・抜脱を繰り返すことができる蝶番において、その繰り返しが容易となるように改良を施すことを課題にしている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題解決のために、この発明が対象とするのは、シャフト挿通用スリーブを有する複数枚の羽根と、前記複数枚の羽根のスリーブに抜脱可能に挿入されたシャフトとからなる蝶番である。
【0005】
かかる蝶番において、この発明が特徴とするところは、次のとおりである。
【0006】
前記シャフトは、前記スリーブから延出する両端部に前記スリーブからの抜け止め手段を有する。前記両端部のうちの少なくとも一端部における前記抜け止め手段は、前記一端部において前記シャフト周りに延びる溝と、前記シャフトの径方向外方から前記溝に離脱可能に嵌合している環状部を備えた金属線からなるばね部材とからなる。前記環状部は、その内径が前記溝におけるシャフトの径とほぼ同じであるかそれよりも小さく、弾性変形して前記シャフトの径よりも大きくなり得るように形成されている。前記ばね部材はさらに、前記環状部を弾性変形させるために前記環状部の内径よりも大きく離間する一対の端部を有する操作部と、前記環状部から前記シャフトの周面を越えて前記周面の外にまで延び8の字を画くように曲げることによって形成された折曲部とを有している。
【0008】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、この発明に係る蝶番の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0009】
図1に斜視図で示された蝶番1は、仮想線の固定枠2に取り付けられる上部羽根3と、仮想線の扉4に取り付けられる下部羽根6と、これらの羽根3,6に形成されたシャフト挿通用スリーブ7,8に通されたシャフト9とを有する。シャフト9は、下部羽根6のスリーブ8から下方へ延びてシャフト9の下端部を形成する延出部11と、延出部11の反対端にあって上部羽根3のスリーブ7の外に位置し、シャフト9の上端部を形成する頭部12と、延出部11と頭部12との間に位置してスリーブ7,8に納まる中間部13とを有する。延出部11には、シャフト9の周り方向へ延びる溝であって、好ましくはシャフト9を一周する溝16が形成されており、その溝16にはストッパー用ばね部材17がシャフト9の径方向外方から嵌合している。シャフト9は、頭部12の径がスリーブ7の径よりも大きく作られている。また、ばね部材17は金属線を曲げることによって形成されており、シャフト9の周面から外へ張り出している操作部18と折曲部19とを有し、これら両部18,19がスリーブ8の外側に位置している。こうした頭部12とばね部材17とを有するシャフト9は、これらのスリーブ7,8から抜けることがない。
【0010】
図2は、シャフト9の部分斜視図である。ばね部材17は、操作部18と、折曲部19と、これら両部18と19との間に位置する環状部21とを有する。かかるばね部材17では、折曲部19と環状部21とで8の字を画くように金属線が曲げられ、その金属線の両端部は環状部21の内径よりも大きな間隔Wを有し指先によって動かすことができる操作部18となるように適宜の角度に曲げられる。環状部21の内径は溝16におけるシャフト9の径とほぼ同じかそれよりも小さく、溝16の内側において環状部21がシャフト9に側方から接している。操作部18を2本の指で強く摘まんで操作部18どうしの間隔Wを小さくすると、金属線が弾性変形して環状部21の内径がシャフト9の径よりも大きくなるので、ばね部材17をシャフト9から外すことができる。ばね部材17が外れたシャフト9は、スリーブ7,8から抜くことができる。ただし、溝16に嵌合しているばね部材17では、操作部18と折曲部19とが環状部21からシャフト9の径方向へ延びてシャフト9の周面10の外へ張り出すことによって、これら操作部18と折曲部19とを含むばね部材17の全長Pがスリーブ8の内径よりも大きくなり、シャフト9がスリーブ7,8から抜けることを防いでいる。かようにして、この蝶番1では、溝16とばね部材17とがシャフト9の一端部において抜け止め手段として機能している。
【0011】
図3は、ばね部材17の斜視図であって、並列した操作部18を仮想線の如く互いに接近させると環状部21が弾性変形してその内径が大きくなることを示している。図4〜9は、ばね部材17の詳細を同一尺度で示すもので、図4は正面図、図5は背面図、図6は左側面図、図7は右側面図、図8は平面図、図9は底面図である。
【0012】
この発明は、シャフト9の一端部に頭部12を有し、もう一端部にばね部材17を有する図示例の蝶番1に代えて、シャフト9の両端部にばね部材17を有する蝶番で実施することもできる。また、シャフト9の溝16を浅く作り、環状部21の外周部分が溝16の外へスリーブ8の内径を越えるところにまで張り出すようにすることで、環状部21をシャフト9の抜けを防ぐストッパーにすることもできる。シャフト9を一周する一条の溝16は、シャフト9の径を挟んで周面10の互いに反対側に位置する二条の平行な溝に代えることもできる。
【0013】
【発明の効果】
この発明に係る蝶番は、スリーブから延出するシャフトの少なくとも一端部に形成された溝に対して弾性変形して嵌合・離脱するばね部材を有し、これらの溝とばね部材とがシャフトの抜け止め手段として作用するから、シャフトをスリーブに対して挿入したり抜脱したりすることの繰り返しが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】蝶番の斜視図。
【図2】シャフトの部分斜視図。
【図3】ばね部材の斜視図。
【図4】ばね部材の正面図。
【図5】ばね部材の背面図。
【図6】ばね部材の左側面図。
【図7】ばね部材の右側面図。
【図8】ばね部材の平面図。
【図9】ばね部材の底面図。
【符号の説明】
1 蝶番
3 羽根
6 羽根
7 スリーブ
8 スリーブ
9 シャフト
11 端部
16 溝
17 ばね部材
18 操作部
19 折曲部
21 環状部
Claims (1)
- シャフト挿通用スリーブを有する複数枚の羽根と、前記複数枚の羽根のスリーブに抜脱可能に挿入されたシャフトとからなる蝶番において、
前記シャフトは前記スリーブから延出する両端部に前記スリーブからの抜け止め手段を有し、前記両端部のうちの少なくとも一端部における前記抜け止め手段が前記一端部において前記シャフト周りに延びる溝と、前記シャフトの径方向外方から前記溝に離脱可能に嵌合している環状部を備えた金属線からなるばね部材とからなり、前記環状部はその内径が前記溝におけるシャフトの径とほぼ同じかそれよりも小さく、弾性変形して前記シャフトの径よりも大きくなり得るように形成されており、前記ばね部材はさらに、前記環状部を弾性変形させるために前記環状部の内径よりも大きく離間する一対の端部を有する操作部と、前記環状部から前記シャフトの周面を越えて前記周面の外にまで延び8の字を画くように曲げることによって形成された折曲部とを有していることを特徴とする前記蝶番。
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JP2001366687A JP3735564B2 (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | 蝶番 |
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JP2001366687A JP3735564B2 (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | 蝶番 |
Publications (2)
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- 2001-11-30 JP JP2001366687A patent/JP3735564B2/ja not_active Expired - Fee Related
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