JP3735031B2 - 動力噴霧機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪を備えた走行可能な動力噴霧機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自走式の動力噴霧機としては、従来、例えば、特開平9−229117号公報に示すものが知られている。
この動力噴霧機は、フレームにエンジン、ポンプ、ホースリール、ホースなどが搭載されるとともに、フレームに左右の前輪(車輪)およびキャスターからなる後輪(車輪)が取り付けられており、前輪の駆動力により自走できるようになっている。
【0003】
エンジンから前輪(駆動輪)に動力を伝達するための走行駆動部は、次のように構成されている。すなわち、フレームに固定された前輪ステーに車軸が固着されており、この車軸の両端部に前輪がベアリングを介して回転自在に取り付けられている。この前輪に、プーリとVベルト、および歯車による減速機構を介して、エンジンからの動力が伝達されるようになっている。また、ベルトテンション式のクラッチと、ブレーキバンドによるブレーキが設けられており、エンジンから前輪への動力伝達の「入り」と「切り」、およびブレーキ作動の「入り」と「切り」が行われる。
前記クラッチおよびブレーキを作動させるためのケーブルはそれぞれ、フレームの後端部に取付部材を介して固定されたハンドルまで延びており、ハンドルに設置されたクラッチレバーおよびブレーキレバーに接続されている。
また、キャスターからなる後輪は、フレームの後端部に固着された板状の取付部材に取り付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の動力噴霧機においては、ハンドルとキャスターからなる車輪が別々にフレームに取り付けられているので、取付部材を別々に用意する必要があり、製造コストがかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、ハンドルおよびキャスターからなる左右の車輪を機体フレームに合理的に取り付けることができる動力噴霧機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の動力噴霧機は、進行方向の左右に間隔をおいて配設されたメインフレーム(11,11)とこれら左右のメインフレーム(11,11)を連結する連結部材(12)とを有する機体フレーム(1)と、この機体フレーム(1)に設けられた原動機(2)およびポンプ(3)と、前記機体フレーム(1)を走行させる左右の車輪(6,6)と、キャスターからなる左右の車輪(7,7)と、前記機体フレーム(1)に設けられたハンドル(5)とを備えてなる動力噴霧機において、前記ハンドル(5)は、両腕部(81,81)とこれらの両腕部(81,81)を連結する把持部(82)とを有する略逆U字状に形成され、このハンドル(5)の前記各腕部(81,81)が前記左右のメインフレーム(11,11)にそれぞれ固定され、前記各腕部(81,81)の下端部にキャスターからなる前記左右の車輪(7,7)がそれぞれ取り付けられており、前記ハンドル(5)の前記各腕部(81,81)はそれぞれ、前記左右のメインフレーム(11,11)の左右方向外側に固定されているとともに、前記左右の車輪(6,6)はそれぞれ、前記左右のメインフレーム(11,11)の左右方向外側に配置されている、ことを特徴とする。ここで、キャスターからなる前記車輪は、通常は左右2個設けられるが、これを1個とすることも可能である。
【0007】
請求項1の発明においては、左右のメインフレームに、略逆U字状のハンドルの各腕部をそれぞれ固定し、これらの各腕部の下端部に、キャスターからなる左右の車輪をそれぞれ取り付けたので、ハンドルを車輪の取付部材として兼用することができるため、構成を簡略化することができ、製造コストを低減することができる。
【0013】
また、左右のメインフレームが連結部材により連結されている機体フレームを、ハンドルの両腕部が外側から押さえ込む構造となるので、機体フレームをより強固な構造体とすることができる。
【0015】
さらに、左右の車輪がそれぞれ、左右のメインフレームの左右方向外側に配置されているので、左右の車輪の上に機体フレームを配置している場合に比べて、機体重心を低くすることができ、機体安定性を高めることができる。また、ハンドルの各腕部がそれぞれ、左右のメインフレームの左右方向外側に固定され、これにキャスターからなる左右の車輪が取り付けられ、このキャスターからなる左右の車輪が左右のメインフレームの外側に位置しているとともに、左右の車輪が左右のメインフレームの左右方向外側に配置されていると、これらの左右の車輪のトレッドと、キャスターからなる左右の車輪のトレッドの寸法が近づくため、ブリッジを使用してトラックに機体を載せるようなときに、キャスターからなる車輪がブリッジから脱落するのを防止することができる。
【0018】
請求項2に記載の動力噴霧機は、請求項1に記載の発明において、前記左右の車輪(6,6)は、前記原動機(2)により回転駆動される駆動輪であり、前記ハンドル(5)の前記把持部(82)は、その中央部が、前記機体フレーム(1)の前後方向内側に向かって、または上下方向上側に向かって、または前後方向内側斜め上方に向かって、略「く」の字状に突出しているとともに、前記把持部(82)の左右の部分にそれぞれ、ケーブル(52,66)を操作するレバー(71,72)が設置されていることを特徴とする。
【0019】
請求項2の発明においては、作業者がハンドルの把持部を把持し易く、機体を動かし易い。また、把持部にケーブルを操作するレバーを2個設置する場合に、互いのケーブルの出口がまともにぶつかってしまう不都合を回避することができる。
【0021】
さらに、動力噴霧機が自走するので、人力により走行させる場合に比べて、強度的あるいは操作上等において上記各発明がより重要な意味を持ってくる。
【0022】
なお、上記における括弧内の符号は、図面において対応する要素を便宜的に表記したものであり、したがって本発明は図面上の記載に限定されるものではない。これは、「特許請求の範囲」の欄の記載についても同様である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る動力噴霧機を示す正面図であり、図2は右側面図、図3は左側面図、図4は後面図、図5は平面図、図6は底面図、図7は一部を断面で示す要部の拡大正面図、図8はクラッチおよびブレーキの作動を説明するための図である。
【0024】
この動力噴霧機は、機体フレーム1、エンジン2、ポンプ3、ホースリール4、ハンドル5、前輪である左右の駆動輪(車輪)6,6および後輪であるキャスターからなる左右の車輪7,7を備えている。
機体フレーム1は、動力噴霧機の進行方向の左右に間隔をおいて配置された同形の左右のメインフレーム11,11と、これらのメインフレーム11,11を連結する複数本の連結部材12とにより構成されている。メインフレーム11は、進行方向の前後に直線的に延びる下辺部11aと、この下辺部11aの上方に間隔をおいて平行に延びる上辺部11bと、これらの下辺部11aと上辺部11bの各前端部同士および各後端部同士をそれぞれ連結する連結部11c,11cとをからなる横長の矩形状に形成されている。このメインフレーム11は、パイプを折り曲げて溶接により連結することにより、一体的に形成されている。
【0025】
複数本(本例では2本)の連結部材12は、機体フレーム1の進行方向前側において、左右のメインフレーム11,11の各上辺部11b,11b間に設けられている。すなわち、この連結部材12は、図7において断面図にして示すように、直線状のパイプからなるものであって、連結部材12が左右のメインフレーム11,11の各上辺部11b,11b間に挾まれた状態で、長さの長いボルト13が各上辺部11b,11bの貫通孔および連結部材12内を挿通され、このボルト13とこの先端部に螺合されたナット14とが締め付けられることにより、左右のメインフレーム11,11が連結部材12により連結されている。
【0026】
機体フレーム1の進行方向前側の下部には、セット台8が設置されている。すなわち、図7において断面図にして示すように、セット台8は、四角形の板材の外周部を下方に鉛直に折り曲げて形成されており、このセット台8が左右のメインフレーム11,11間に配置され、ボルト8Aが左右の各メインフレーム11の各下辺部11aの貫通孔を挿通され、セット台8の下方に折り曲げられた部分の内側に溶接により固着されたナット8Bに螺合されて締め付けられることにより、セット台8の左右の側端部が左右の各メインフレーム11の各下辺部11aにそれぞれ固定されている。
【0027】
セット台8上には、エンジン2およびポンプ3がボルトおよびナットにより並列に固定されている。図7および図8に示すように、エンジン2の出力軸には、先端側の大径のプーリ21と、基部側の小径のプーリ22を有するエンジンプーリ23が固定されており、先端側のプーリ21と、ポンプ3のクランク軸に固定されたプーリ31との間に巻回されたベルト32により、エンジン2の回転動力がポンプに伝達されるようになっている。
【0028】
この動力伝達の入りおよび切りを行うために、図8に示すように、テンションクラッチ33が設けられている。このテンションクラッチ33は、レバー34を手動で操作して、引っ張りコイルばね(付勢手段)34a,34bの付勢力(引っ張り力)に抗してテンションアーム35を支点36を中心に回転させて、テンションアーム35の先端部に回転自在に取り付けられたテンションプーリ37でベルト32に押圧することにより(図において一点鎖線で示す位置)、ベルト32を緊張させて動力を伝達するようになっている。テンションクラッチ33は、レバー34の保持を解除すると、引っ張りコイルばね34a,34bの付勢力によりテンションアーム35が支点36を中心に図において時計方向に回転し、これによりテンションプーリ37がベルト32を押圧しなくなり、ベルト32が弛緩して動力伝達が断たれる。なお、テンションクラッチ33を動力により操作するようにすることもできる。
【0029】
また、セット台8には、エンジン2の動力を左右の駆動輪6,6に伝達するための動力伝達機構、クラッチおよびブレーキを備えた走行駆動部Sが設けられている。
すなわち、セット台8の下側には、図7に示すように、板材からなる支持部材41,42がボルトおよびナットにより固定されている。支持部材41は、進行方向右側においてセット台8に固定されており、セット台8の下面に沿って水平に延びセット台8に接触している水平部41aと、セット台8の右側端部から下方に鉛直に長く延びる支持部41bと、セット台8の中央側から下方に鉛直に短く延びる支持部41cとを備えている。支持部材42は、進行方向左側においてセット台8の下面に折曲された上端部を固定され、セット台8の左側端部から下方に鉛直に長く延びる支持部42aを備えている。
【0030】
支持部材41の支持部41bの上部と、支持部41cとの間には、左右方向に延びる中間伝導軸(回転軸)43がベアリング44,44を介して回転自在に支持されている。この中間伝導軸43の中央側端部には、プーリ45が固定され、また中間伝導軸43の他方の端部(メインフレーム11側の端部)には、ピニオンギヤ46が形成されている。
プーリ45と、エンジンプーリ23のプーリ22との間には、ベルト47が巻回されており、このベルト47により、エンジン2の回転動力が中間伝導軸43に伝達されるようになっている。
【0031】
この動力伝達の入りおよび切りを行うために、図8に示すように、テンションクラッチ(クラッチ)51が設けられている。このテンションクラッチ51は、クラッチケーブル52のインナーワイヤ52aを後側(図において左側)に引いて、引っ張りコイルばね(付勢手段)53の付勢力(引っ張り力)に抗してテンションアーム54を支点55を中心に回転させて、テンションアーム54の先端部に回転自在に取り付けられたテンションプーリ56でベルト47に押圧することにより(図において一点鎖線で示す位置)、ベルト47を緊張させて動力を伝達するようになっている。テンションクラッチ51は、クラッチケーブル52のインナーワイヤ52aを引くことを止めると、引っ張りコイルばね34の付勢力によりテンションアーム54が支点55を中心に図において反時計方向に回転し、これによりテンションプーリ56がベルト47を押圧しなくなり、ベルト47が弛緩して動力伝達が断たれる。
【0032】
また、支持部材41の支持部41bの下部と、支持部材42の支持部42aとの間には、中間伝導軸43の下側において該中間伝導軸43と平行に延びる車軸61がベアリング62,62を介して回転自在に支持されている。この車軸61には、中間伝導軸43のピニオンギヤ46と歯合し、かつ車軸61と一体的に回転するギヤ63が設けられている。
車軸61の両端部は、左右のメインフレーム11、11より左右方向外側に突出しており、これらの各端部にはそれぞれ、左右の駆動輪(車輪)6,6がワンウエイクラッチ64,64を介して取り付けられている。左右の駆動輪6,6はそれぞれ、左右のメインフレーム11、11より左右方向外側に位置している。駆動輪6は、ワンウエイクラッチ64によって、車軸61の回転に伴って該車軸61とともに回転して、動力噴霧機を前進させる。一方、テンションクラッチ51を「切り」にして動力伝達を断ち、動力噴霧機を後方側に向かって移動させると、駆動輪6が車軸61に対して自由に回転することができ、動力噴霧機を後進させることができるようになっている。
【0033】
エンジン2の動力は、次のようにして左右の駆動輪6,6に伝達される。すなわち、エンジン2の動力は、プーリ22、Vベルト47およびプーリ45により中間伝動軸43に伝達され、この中間伝動軸からピニオンギヤ46およびギヤ63により車軸61に伝達され、さらにこの車軸61からワンウエイクラッチ64,64により左右の車輪6,6に伝達される。
【0034】
また、動力噴霧機の制動を行うために、各駆動輪6にはそれぞれ、内拡式ブレーキ(ブレーキ)65が設置されている。この内拡式ブレーキ65は、各ワンウエイクラッチ64の外側に固定されたブレーキドラムの内側に、支持部材41の支持部41bの下部および支持部材42の支持部42aにそれぞれ装着されたブレーキシューを圧接することにより、各駆動輪6の回転を強制的に止めるようになっている。内拡式ブレーキ65を作動させる、すなわちブレーキシューをブレーキドラムに圧接させるためには、図8に示すように、ブレーキケーブル66のインナーワイヤ66aを後側(図において左側)に引くことにより行うことができる。
【0035】
上記クラッチケーブル52およびブレーキケーブル66の他端部はそれぞれ、機体フレーム1の後端部に取り付けられたハンドル5に固定されているクラッチレバー71およびブレーキレバー72に接続されている。
ハンドル5は、パイプが折り曲げられて形成されたものであって、機体フレーム1の左右方向外側に配置される両腕部81,81と、これらの両腕部81,81を連結する把持部82とを有する略逆U字状に形成されている。
【0036】
把持部82は、略「く」の字状に形成されており、両腕部81,81の各上端部から中央部に向かうにつれて、漸次機体フレーム1の前方側に向かって突出するとともに、斜め前方にやや高いなっていくようにして、機体フレーム1の後方の斜め上方に配置されている。上記クラッチレバー71およびブレーキレバー72は、クラッチケーブル52およびブレーキケーブル66の各接続端部が交差するようにして、把持部82の中央部に把持部82の左右方向の中心線に対して線対称に設置されている。
【0037】
両腕部81,81はそれぞれ、機体フレーム1の斜め後方上方に位置している上端部から下方前方に斜めに延びて、機体フレーム1の後側の連結部11cと該連結部11cを左右方向内側にして交差する傾斜部81aと、この傾斜部81aの下端から下方に鉛直に延びて、機体フレーム1の下辺部11aの後端部と該下辺部11aを左右方向内側にして交差する鉛直部11bとを備えている。
【0038】
両腕部81,81はそれぞれ、傾斜部81aが機体フレーム1の連結部11cと交差する箇所において、これら傾斜部81aおよび連結部11cの貫通孔にボルトが挿通され、このボルトとナットにより締め付けられることにより、連結部11cに固定されている。また、両腕部81,81はそれぞれ、鉛直部81bが機体フレーム1の下辺部11aと交差する箇所において、これら鉛直部81bおよび下辺部11aの貫通孔にボルトが挿通され、このボルトとナットにより締め付けられることにより、下辺部11aに固定されている。
各鉛直部81bの下端にはそれぞれ、キャスターからなる車輪7が旋回軸心をなす軸状の取り付け部が嵌入されて取り付けられており、これによりキャスターからなる車輪7の旋回軸心が鉛直部81bの軸心に一致している。
【0039】
機体フレーム1の進行方向後側には、ホースリール4が設置されている。すなわち、ホースリール4は、左右のメインフレーム11,11に固定された各支持部材にホースリール4の回転軸の両端部を回転自在に支持されることにより、機体フレーム1に取り付けられている。このホースリール4には、ホース9が巻き取られている。ホース9の基端は、連結ホース91を介してポンプ3の吐出口に接続されており、一方先端には、ノズルが取り付けられる。
【0040】
ホースリール4は、テンションクラッチを備えたプーリとベルトとによる動力伝達機構により、ポンプ3のクランク軸からホースリール4の回転軸に回転動力が伝達されるようになっており、ホースリール4から引き出されたホース9をテンションクラッチレバー92を操作してテンションクラッチを「入り」にすることにより、動力により巻き取ることができるようになっている。
また、ホース9をホースリール4に整然と巻き取るために、ホースリール4の上方に設置されたホースガイド93を、ホースリール4の回転軸と平行に左右方向に往復移動させるトラバース機構(図示せず)が設けられている。ホースガイド93は、ホース9の引き出し方向を選択できるように、水平回転できるようになっている。
【0041】
このように構成された動力噴霧機にあっては、左右のメインフレーム11,11に、略逆U字状のハンドル5の各腕部81,81をそれぞれ固定し、これらの各腕部81,81の下端部に、キャスターからなる左右の車輪7,7をそれぞれ取り付ける。したがって、ハンドル5を車輪7,7の取付部材として兼用することができるため、構成を簡略化することができるので、製造コストの低減を図ることができる。
【0042】
また、ハンドル5の鉛直部81bにキャスターからなる車輪7がその旋回軸心を鉛直部81bの軸心に一致させて取り付けられているので、ハンドル5に作用する曲げ荷重を少なくすることができる。このため、薄肉または小径のパイプを用いることができるので、ハンドル5の軽量化を図ることができる。
さらに、キャスターからなる車輪7,7の軸状の取り付け部が、パイプからなるハンドル5の鉛直部81bに嵌入されて取り付けられているので、取付部分の外観がスマートであって見栄えが良い。
【0043】
また、ハンドル5の各腕部81,81がそれぞれ、左右のメインフレーム11,11の左右方向外側に固定されているので、左右のメインフレーム11,11が連結部材12、12等により連結されている機体フレーム1を、ハンドル5の両腕部81,81が外側から押さえ込む構造となるため、機体フレーム1をより強固な構造体とすることができる。
さらに、ハンドル5の各腕部81,81の傾斜部81a,81aが左右のメインフレーム11,11の後側の各連結部11c,11cに固定され、鉛直部81b,81bが各下辺部11a,11aに固定されているので、ハンドル5がより強固に機体フレーム1に取り付けられる。その結果、キャスターからなる左右の車輪7,7も強固に支持することができる。
【0044】
また、把持部82だけでなく、各腕部81,81の上部の各連結部11c、11cに固定されている個所より上側の部分まで作業者は把持することができるので、握り部が長くて操作し易い。
さらに、ハンドル5の把持部82が機体フレーム1の後側の連結部11cよりも前後方向後側に突出しているので、作業者がハンドル5の把持部82を把持し易く、機体を動かし易い。
【0045】
また、ハンドル5の把持部82の中央部が機体フレーム1の前後方向内側に向かって略「く」の字状に突出しているので、把持部82にクラッチレバー71およびブレーキレバー72を設置しても、これらのレバーから各出口でクラッチケーブルおよびブレークケーブが互いにまともにぶつかってしまうことがなく、出口方向を交差させることができる。
【0046】
また、左右の駆動輪6,6がそれぞれ、左右のメインフレーム11の左右方向外側に配置されているので、左右の車輪の上に機体フレームを配置している場合に比べて、機体重心を低くすることができ、機体安定性を高めることができる。
さらに、キャスターからなる左右の車輪7,7が左右のメインフレーム11,11の外側に位置しているので、左右の駆動輪6,6のトレッドと、キャスターからなる左右の車輪7,7のトレッドの寸法が近づくため、ブリッジを使用してトラックに機体を載せるようなときに、キャスターからなる車輪7,7がブリッジから脱落するのを防止することができる。
【0047】
なお、上記実施の形態では、左右の車輪6,6を駆動輪としたが、これに代えて、単なる車輪としてもよい。この場合、動力噴霧機は自走しないので、作業者の人力により走行させる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ハンドルおよびキャスターからなる左右の車輪を機体フレームに合理的に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る動力噴霧機を示す正面図である。
【図2】同、右側面である。
【図3】同、左側面である。
【図4】同、後面図である。
【図5】同、平面図である。
【図6】同、底面図である。
【図7】同、一部を断面で示す要部の拡大正面図である。
【図8】同、クラッチおよびブレーキの作動を説明するための図である。
【符号の説明】
1 機体フレーム
2 エンジン(原動機)
3 ポンプ
4 ホースリール
5 ハンドル
6 駆動輪(車輪)
7 車輪
8 セット台
9 ホース
11 メインフレーム
11a 下辺部
11b 上辺部
11c 連結部
12 連結部材
81 腕部
81b 鉛直部
82 把持部
S 走行駆動部

Claims (2)

  1. 進行方向の左右に間隔をおいて配設されたメインフレーム(11,11)とこれら左右のメインフレーム(11,11)を連結する連結部材(12)とを有する機体フレーム(1)と、この機体フレーム(1)に設けられた原動機(2)およびポンプ(3)と、前記機体フレーム(1)を走行させる左右の車輪(6,6)と、キャスターからなる左右の車輪(7,7)と、前記機体フレーム(1)に設けられたハンドル(5)とを備えてなる動力噴霧機において、
    前記ハンドル(5)は、両腕部(81,81)とこれらの両腕部(81,81)を連結する把持部(82)とを有する略逆U字状に形成され、このハンドル(5)の前記各腕部(81,81)が前記左右のメインフレーム(11,11)にそれぞれ固定され、前記各腕部(81,81)の下端部にキャスターからなる前記左右の車輪(7,7)がそれぞれ取り付けられており、
    前記ハンドル(5)の前記各腕部(81,81)はそれぞれ、前記左右のメインフレーム(11,11)の左右方向外側に固定されているとともに、
    前記左右の車輪(6,6)はそれぞれ、前記左右のメインフレーム(11,11)の左右方向外側に配置されている、
    ことを特徴とする動力噴霧機。
  2. 前記左右の車輪(6,6)は、前記原動機(2)により回転駆動される駆動輪であり、
    前記ハンドル(5)の前記把持部(82)は、その中央部が、前記機体フレーム(1)の前後方向内側に向かって、または上下方向上側に向かって、または前後方向内側斜め上方に向かって、略「く」の字状に突出しているとともに、前記把持部(82)の左右の部分にそれぞれ、ケーブル(52,66)を操作するレバー(71,72)が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の動力噴霧機。
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