JP3734957B2 - 分離トランスを備えたモジュール組立方法及びその仮組付治具並びに分離トランスの仮組み付け体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気エネルギーや電気信号を非接触で伝達できる分離トランスを備えたモジュール組立方法及びその仮組付治具に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
従来、例えば、エアバッグの内蔵された車両のステアリング装置において、ハンドルのインフレータに起爆用電力を伝達するに当たって、ハンドルとステアリングシャフトとの間にステアリングコネクタを介在させて電力の伝達を行っていた。このステアリングコネクタは、ステータ側ケースとロテータ側ケースとを組み合わせて形成される空間内にフラットケーブルを巻回して収納したもので、ハンドルを左右に回転させるに応じて、巻回されたフラットケーブルが、ハンドルとステアリングシャフトとの電気的な接続を維持しつつ、しまり方向に巻かれたり、ゆるみ方向に緩んだりする構造を有している。しかし、このような構造を有するステアリングコネクタを使用すると、ハンドル操舵時等に生じるケース同士の摺動音や車両の振動時にフラットケーブルとケースとがぶつかり生じる打音等の音が生じ、車両室内の騒音の原因となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような不都合を解決するために、電力や電気信号を非接触で伝達できる回転トランスをハンドルとステアリングシャフトとの間に組み込む構造が考えられる。かかる回転トランスは、ステータ側コアと、ロテータ側コアと、これらのコア間に介在され、各コアを互いに相対回転させるための、例えば、回転ベアリング等の回転機構等を備えている。しかし、このような回転トランスを使用してもステータ側コアとロテータ側コアとの相対的な回転に伴う摺動騒音は依然として発生する。
【0004】
一方、かかる摺動騒音を低下させるために上述の回転トランスの構成要素をケースハウジング内に収容する方法も考えられる。しかし、この方法では、回転トランスに関する装置全体の大きさが大きくなり、組み付け後にステアリングモジュール付近において大きな空間を占めてしまい適当でない。又、装置の構造も複雑になり、コスト低減に反する。
【0005】
従って、回転トランスのステータ側コアとロテータ側コアとが、完全に非接触の状態で対向配置されるように回転トランスを備えたモジュールを組み立てることが望まれる。一方、ステータ側コアとロテータ側コア間で電力や電気信号を効率良く伝達するために、各コアのギャップが常に所定範囲になるように組み立てる必要がある。更には、ロテータ側コアの回転中、各コアの回転中心のずれが常に所定範囲内にあることも必要である。
【0006】
しかし、ステータ側コアとロテータ側コアとを非接触状態を保ちながらこのように厳しい許容範囲内で対向配置させてモジュールを組み付けることは非常に難しい。特に、このような組み付け作業を、車両のメインアセンブリラインのような作業時間の限定された組立ラインで行うことは困難である。
【0007】
本発明の目的は、分離トランスの1次側コアと2次側コアとを互いに所定の配置関係に保持しながら分離トランスを備えたモジュールを組み立てることのできる、分離トランスを備えたモジュール組立方法及びその仮組付治具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る分離トランスを備えたモジュール組立方法は、分離トランスの1次側コアおよび2次側コアの周縁部において前記1次側コアおよび2次側コアの互いに対向するコア面、前記1次側コアの外面、および前記2次側コアの外面にそれぞれ係合する係合部を備えた治具を用いて前記1次側コアと2次側コアとを互いに所定の配置関係に保持しながら仮組み付けし、これらの1次側コアと2次側コアとの仮組み付け状態を保持したまま、前記分離トランスを1次側ユニットと2次側ユニットとの間に介装させて分離トランスを備えたモジュールを組み立て、その後、前記治具を取り外すことを特徴としている。
【0009】
トランスコア間にベアリング等の回転機構やスペーサ等が介在しない分離トランスを、単純な組み立て作業で所定の配置関係を保持したまま1次側ユニットと2次側ユニットとの間に介装させることができる。
【0010】
又、本発明の請求項2に係る仮組付治具は、分離トランスの1次側コアと2次側コアとを互いに所定の配置関係に保持しながら仮組み付けするためのものであって、前記1次側コアと2次側コアとを各コアの対向面に垂直な第1の方向に位置決めする第1の位置決め部と、前記1次側コアと2次側コアとを各コアの対向面に平行な第2の方向に位置決めする第2の位置決め部とを備えることを特徴としている。
【0011】
分離トランスのトランスコア間のギャップを略一定に保ったまま、分離トランスを仮組み付けすることができ、この仮組み付け状態を保持したまま分離トランスを1次側ユニットと2次側ユニットとの間に介装させてモジュールを組み立てることができる。従って、モジュール組み立て時にコア間のギャップ調整作業を行う必要がなく、組み立て作業性が格段に向上する。又、電力伝送効率や信号伝送効率に優れた分離トランスをユニット間に介装したモジュールを組み立てることができる。
【0012】
ちなみに仮組立治具が請求項3に記載するような構造を有する場合には、分離トランスの1次側コアと2次側コアとの仮組み付けを簡単に、しかもこれらの1次側コアと2次側コアと所定の配置関係に精度良く位置決めして仮組み付けを行うことができる。
【0013】
特に分離トランスが回転トランスの場合、トランスコア間の同心度を略一定に保ったまま、回転トランスを仮組み付けすることができ、この仮組み付け状態を保持したまま回転トランスを1次側ユニットと2次側ユニットとの間に介装させてモジュールを組み立てることができる。従って、モジュール組み立て時にコア間のギャップ調整や同心度調整の作業を行う必要がなく、組み立て作業性が格段に向上する。
【0014】
又、回転トランスのステータ側コアとロテータ側コアとが、互いに略同心且つ略一定のギャップを保持したまま非接触で相対回転できるようにモジュールを組み立てることができるので、ステータ側コアとロテータ側コアとが相対回転しても、電力や電気信号を常に効率良く伝送することができる。
更には上述した仮組付治具を用いて、予め1次側コアと2次側コアとを仮組み付けした状態の分離トランスの仮組み付け体をモジュールの組み付けに提供するようにすれば、分離トランスを備えたモジュールの組み立てを容易に行うことが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る分離トランスを備えたモジュール組立方法及びその仮組付治具について説明する。
【0016】
本発明の一実施形態に係る組み立て方法によって組み立てられたステアリングモジュール1は、図1に示すように、回転トランス10を構成するステータ側コア(1次側コア)12及びロテータ側コア(2次側コア)13と、ステータ側コア12が取り付けられたシャフトユニット(1次側ユニット)20と、ロテータ側コア13が取り付けられたハンドルユニット(2次側ユニット:図示せず)等とから構成されている。
【0017】
シャフトユニット20は、ステアリングシャフト21、ステアリングコラム22、ベアリング23等から構成されている。ステアリングシャフト21は、ステアリングコラム22に挿通され、ステアリングシャフト21の端部がステアリングコラム22の端面から一定の長さだけ突出した状態でベアリング23によってステアリングコラム22に支承されている。尚、ステアリングシャフト21は、正確な外径寸法を保って作られており、その中心軸線を基準軸線とすることができる。ベアリング23は、ステアリングシャフト21の長手方向所定位置に嵌合されている。ロテータ側コア13をシャフト長手方向所定位置に位置決めするためのスペーサ25がステアリングシャフト21の端部から差し込まれ、スペーサ25の一端がベアリング23のインナーレース23aに当接している。
【0018】
ロテータ側コア13は、電気絶縁性を有する絶縁素材と軟質磁性材とを含む混合軟質磁性材等よりなる円板型形状を有し、その一側には、コイル配設面13kが形成され、このコイル配設面13kには、平角巻き線等の巻き線により形成され、電力伝送又は信号伝送を行うコイル13cが配設されている。又、ロテータ側コア13の中央部にはシャフト貫通孔13bが穿設されている。このシャフト貫通孔13bは、ステアリングシャフト21の外径と所定の寸法公差で嵌合する内径を有し、シャフト貫通孔13bの内周面は、ステアリングシャフト21との同心基準面を形成している。ロテータ側コア13のコイル配設面側には、シャフト貫通孔13bより大径の凹部13dが形成され、この凹部13dの上面には、スペーサ25の上端が当接している。シャフト端部に形成されたねじ部(図示せず)には締め付けナット26が螺合され、ロテータ側コア13は、この締め付けナット26とスペーサ25とによって挟持されている。尚、ロテータ側コア13の周縁近傍の所定位置には、後述する仮組付部材30の位置決め係止爪33が係止するための溝部13sが形成されている。
【0019】
ステータ側コア12は、ロテータ側コア13と同質の材質からなり、且つ同径の円板形状を有している。又、その一側には、コイル配設面12kが形成され、このコイル配設面12kには、ロテータ側コア13と同様にコイル12cが配設されている。一方、ステータ側コア12の他側周縁近傍の所定位置には、後述する仮組付部材30の位置決め係止爪32が係止する溝部12sが形成されている。ステータ側コア12の中央部には、スペーサ25より若干大径のスペーサ貫通孔12bが形成されている。尚、コイルは、各コアに2重に配設されていても良い。これによって、電力伝送と信号伝送とを同時に行うことができる。
【0020】
ステータ側コア12は、接着剤Bを介してステアリングコラム22のフランジ部22fに固定されている。尚、接着剤Bには、例えば、2液混合タイプのエポキシ樹脂が使用されている。
【0021】
ステータ側コア12とロテータ側コア13とは、仮組み付け段階で後述する仮組付部材30を使用することで、互いに略同心及び略同一ギャップGを保持したまま取り付けられている。
【0022】
尚、シャフト端部には、図示しないハンドルユニットが取り付けられている。
【0023】
以上のように構成される回転トランス10を備えたステアリングモジュール1は、以下の手順で組み立てられる。
【0024】
まず最初に、回転トランス10の仮組み付けを行う。具体的には、ステータ側コア12とロテータ側コア13とを対向配置させた状態で、例えば4つの仮組付部材30をコア周縁部に等間隔で係合させる。この仮組付部材30は、図2及び図3に示すように、例えば、ポリプロピレン等の弾力性を有する樹脂材からなり、断面角型C字形状を有した部材である。仮組付部材30の両端部に形成された位置決め係止爪32,33は可撓性を有し、その先端部が夫々、両コアの溝部12s,13sに係合することで、各コア12,13の周縁部が仮組付部材30の内壁側面に当接し、その結果、各コア12,13の周縁部が同一面上に位置するように形成されている。上述のように、両コア12,13は同一直径を有しているので、4つの仮組付部材30を略等間隔で両コア12,13に係合させることで、両コア12,13を略同心に対向配置させることができる。
【0025】
又、仮組付部材30の略中央部には、各コア12,13のコイル配設面12k,13k間に挟まれて、各コアのギャップGを一定に保つための突起部34が形成されている。例えば、この突起部34の厚さは、約0.6mmであり、各コア12,13のギャップ許容範囲内に入るようになっている。このような構成を有する同一形状の4つの仮組付部材30をコア周縁部に略等間隔で係合させることで、ステータ側コア12とロテータ側コア13とは互いに略同一のギャップGを維持したまま仮組み付けされた状態になる。
【0026】
以上の手順によって、ステータ側コア12とロテータ側コア13とを略同心且つ略一定のギャップGで仮組み付けすることができる。
【0027】
尚、仮組付部材は、上述のように樹脂でできているので、コア12,13への取り付け取り外しに優れ、繰り返し使用することが可能である。
【0028】
次に、図2に示すように、スペーサ25をシャフト端部から挿入し、スペーサ25の下端部をベアリング23のインナーレース23aに当接させる。次いで、ステアリングコラム22のフランジ部22fに接着剤Bを塗布し、仮組付部材30で仮組み付けされた回転トランス10をシャフト端部から挿入する。ロテータ側コア13の同心基準面は、ステアリングシャフト21と所定の公差で嵌合するので、ロテータ側コア13は、シャフト中心軸線と略同心を保ったままステアリングシャフト21に嵌合する。又、ステータ側コア12とロテータ側コア13とは、仮組付部材30で略同心を保持したまま仮組み付けされているので、結果的にステータ側コア12もシャフト中心軸線と略同心を保ったまま接着剤Bに接触する。更に、ステータ側コア12とロテータ側コア13とは、略等間隔で係合された4つの仮組付部材30でギャップGを一定に保つ。
【0029】
続いて、締め付けナット26をステアリングシャフト21のねじ部(図示せず)に螺合させることで、ロテータ側コア13をスペーサ25に密着させる。これによって、ベアリング23のインナーレース23aからシャフト長手方向所定位置に回転トランス10を配設することができる。
【0030】
上述の状態のまま接着剤Bが硬化するまで放置し、その後、全ての仮組付部材30を取り外す。これによって、ステータ側コア12は、ロテータ側コア13と略同心且つ略同一のギャップを保持したままステアリングコラム22のフランジ部22fに固定される。ステータ側コア12を、接着剤Bを介してステアリングコラム22に固定することで、ステータ側コア12をステアリングコラム22のフランジ部22fに直接当接させなくて済むので、フランジ部22fの製作精度を厳密に要求しなくても済む。
【0031】
続いて、ハンドルユニット(図示せず)をシャフト端部に固定すると共に、必要な配線作業を行う。以上の手順で回転トランス10を備えたステアリングモジュール1の組み立てを終了する。
【0032】
かかるステアリングモジュール1のハンドルを操舵してステアリングシャフト21を回転させると、図1に示すように、ステアリングシャフト21の回転と共にロテータ側コア13、スペーサ25、及びベアリング23のインナーレース23aが回転する。一方、ステータ側コア12は、ステアリングコラム22に固定されているので、ロテータ側コア13は、ステータ側コア12に対向配置された状態で回転する。しかし、上述の通り、ロテータ側コア13とステータ側コア12とは、ステアリングシャフト21の中心軸線と略同軸に取り付けられているので、ロテータ側コア13の回転中、両コア12,13の中心軸線が偏心することはない。同様に、ロテータ側コア13はステータ側コア12と一定のギャップGを保ったまま取り付けられ、且つ締め付けナット26によってスペーサ25の上端面に密着固定されているので、ロテータ側コア13が回転しても、両コア間のギャップGは変化しない。
【0033】
又、シャフトユニット20は非常に頑丈に作られているので、車両走行中の振動等によってもシャフトユニット20に組み付けられた各コア間の相対的な位置関係のずれは最小限に抑えられる。
【0034】
上述の実施形態に係る分離トランスを備えたモジュール組立方法を用いると、ステアリングモジュール1に組み込まれる回転トランス10のコア間の平均ギャップ距離の許容範囲(例えば、1mm以下)、コア間の最小ギャップ距離の許容範囲(例えば、0.2mm以上)を上述の単純な組み立て作業によって満たすことができる。又、各コア回転中心の偏心距離の許容範囲(例えば、0.6mm以内)を満たすこともできる。従って、ハンドルの操舵によって回転トランス10の電力伝送効率や信号伝送効率が変化することはない。
【0035】
尚、上述の実施形態では、ステータ側コア12は、接着剤Bを介してステアリングコラム22のフランジ部22fに取り付けられたが、これとは異なり、図4に示すように、複数個のスナップ係止部材40によってステアリングコラム22に取り付けられるようにしても良い。より詳細に説明すると、ステアリングコラム22の端部外周面には、コア間ギャップの1/3程度のピッチを有する凹凸部が連続して形成された略円筒形状の係止部材40cが嵌着されている。一方、ステータ側コア12にも係止部材40sが固定されている。この係止部材40sはコアに固定されるリング部材と、リング部材から垂直下方に延在し、コラム側係止部材40cとスナップ係止するためにコア間ギャップの1/3程度のピッチを有する凹凸部が連続して形成された6つの係止爪とから構成されている。尚、図4において、これらの係止部材40c,40sのピッチは、実際のピッチより拡大して図示している。
【0036】
上述の通り、ステータ側コア12とロテータ側コア13とを仮組付部材30によって仮組み付けし、スペーサ25をステアリングシャフト21に嵌合し、仮組み付けした回転トランス10をステアリングシャフト21に嵌め込み、ナット26をステアリングシャフト21に螺合させる。この組み付け作業によって、ロテータ側コア13がステータ側コア12と略同一のギャップを維持するように、ステータ側コア12の係止部材40sは夫々、ステアリングコラム22の係止部材40cの係止爪と最適な位置でスナップ係合する。その後、4つの仮組付部材30を取り外すことで、ロテータ側コア13がステータ側コア12に対して相対的に回転できるようになる。
【0037】
上述のような係止部材40c,40sを使用することによって、ステアリングコラム22の端面にフランジ部22fを形成する必要はなくなり、フランジ部22fに接着剤Bを塗布する工程も不要となる。又、ステアリングコラム22の端面が精度良く製作されていなくても、回転トランス10の組み付けに支障をきたすことはない。
【0038】
尚、図2に示した実施形態と異なり、接着剤Bをステアリングコラム22のフランジ部22fに塗布せずに、仮組み付けした回転トランス10をステアリングシャフト21に嵌め込み、ステータ側コア12とフランジ部22fとの隙間に略等間隔で夫々適当な厚さを有するスペーサを介装してステータ側コア12とフランジ部22fとをねじ等で固定しても良い。この方法によっても、両コア12,13のギャップを略一定に保ったままステータ側コア12をステアリングコラム22に固定することができる。
【0039】
又、仮組付部材30は上述の実施形態のように4つに限定されず、係止部材40sに形成された係止爪も6つに限定されないことは言うまでもない。
【0040】
更に又、ステータ側コアとロテータ側コアの直径が異なる場合は、両コアの同心度を確保するように、仮組付部材もこれに合わせて形成することも可能である。
【0041】
尚、上述の実施形態は仮組付部材30を用いて回転トランス10の同心度と同一ギャップGを保持しながら仮組み付けし、回転トランス10の仮組み付け状態を保持したままステアリングモジュールを組み付ける方法について説明したが、これとは異なり、本発明に係る分離トランスを備えたモジュール組立方法を、ドアユニットと車体ユニットとを組み付ける際に、ユニット間に分離トランスを介在させながら組み立てるのに使用しても良い。又、本発明に係る分離トランスを備えたモジュール組立方法を、トランクリッドを車体に組み付ける際、トランクリッドと車体との間に分離トランスを介装させながら組み立てるのに使用しても良い。更に又、インストルメント・パネルを車体に取り付ける際にも、両者間に分離トランス介装させながら組み付けるのに使用することもできる。これによって、分離トランスの1次側コアと2次側コアとを所定の配置関係を維持したままユニット間に介装させることができ、単純な組み付け作業で分離トランスを備えたモジュールを組み立てることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る分離トランスを備えたモジュール組立方法は、分離トランスの1次側コアおよび2次側コアの周縁部において前記1次側コアおよび2次側コアの互いに対向するコア面、前記1次側コアの外面、および前記2次側コアの外面にそれぞれ係合する係合部を備えた治具を用いて前記1次側コアと2次側コアとを互いに所定の配置関係に保持しながら仮組み付けし、1次側コアと2次側コアとが、前記仮組み付け状態を保持したまま、前記分離トランスを1次側ユニットと2次側ユニットとの間に介装させて分離トランスを備えたモジュールを組み立て、その後、前記治具を取り外すことを特徴としている。
【0043】
トランスコア間にベアリング等の回転機構やスペーサ等が介在しない分離トランスを、単純な組み立て作業で所定の配置関係を保持したまま1次側ユニットと2次側ユニットとの間に介装させることができる。
【0044】
又、本発明の請求項2に係る仮組付治具は、分離トランスの1次側コアと2次側コアとを互いに所定の配置関係に保持しながら仮組み付けするためのものであって、前記1次側コアと2次側コアとを各コアの対向面に垂直な第1の方向に位置決めする第1の位置決め部と、前記1次側コアと2次側コアとを各コアの対向面に平行な第2の方向に位置決めする第2の位置決め部とを備えることを特徴としている。
【0045】
分離トランスのトランスコア間のギャップを略一定に保ったまま、分離トランスを仮組み付けすることができ、この仮組み付け状態を保持したまま分離トランスを1次側ユニットと2次側ユニットとの間に介装させてモジュールを組み立てることができる。従って、モジュール組み立て時にコア間のギャップ調整作業を行う必要がなく、組み立て作業性が格段に向上する。又、電力伝送効率や信号伝送効率に優れた分離トランスをユニット間に介装したモジュールを組み立てることができる。
【0047】
分離トランスが回転トランスの場合、トランスコア間の同心度及びギャップを略一定に保ったまま、回転トランスを仮組み付けすることができ、この仮組み付け状態を保持したまま回転トランスを1次側ユニットと2次側ユニットとの間に介装させてモジュールを組み立てることができる。従って、モジュール組み立て時にコア間のギャップ調整や同心度調整の作業を行う必要がなく、組み立て作業性が格段に向上する。
【0048】
又、回転トランスのステータ側コアとロテータ側コアとが、互いに略同心且つ略一定のギャップを保持したまま非接触で相対回転できるようにモジュールを組み立てることができるので、ステータ側コアとロテータ側コアとが相対回転しても、電力や電気信号を常に効率良く伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る、分離トランスを備えたモジュール組立方法によって組み立てられたステアリングモジュール1の一部断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る、分離トランスを備えたモジュール組立方法によるステアリングモジュール1の組み立て状態を示す一部断面図である。
【図3】図3は、図2の左半部を部分的に拡大して示す図である。
【図4】図4は、スナップ係止部材40を利用した、ステアリングモジュール1の組み立て状態を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1 ステアリングモジュール
10 回転トランス
12 ステータ側コア
13 ロテータ側コア
20 シャフトユニット
21 ステアリングシャフト
22 ステアリングコラム
23 ベアリング
25 スペーサ
26 締め付けナット
30 仮組付部材
32,33 位置決め係止爪
34 突起部
40 スナップ係止部材
Claims (4)
- 分離トランスの1次側コアおよび2次側コアの周縁部において前記1次側コアおよび2次側コアの互いに対向するコア面、前記1次側コアの外面、および前記2次側コアの外面にそれぞれ係合する係合部を備えた治具を用いて前記1次側コアと2次側コアとを互いに所定の位置関係に保持して仮組み付けし、この1次側コアと2次側コアとの仮組み付け状態を保持したまま、前記分離トランスを1次側ユニットと2次側ユニットとの間に介装させて分離トランスを備えたモジュールを組み立てた後、前記治具を取り外すことを特徴とする分離トランスを備えたモジュール組立方法。
- 分離トランスの1次側コアと2次側コアとを互いに所定の配置関係に保持しながら仮組み付けするための仮組付治具であって、前記1次側コアと2次側コアとを各コアの対向面に垂直な第1の方向に位置決めする第1の位置決め部と、前記1次側コアと2次側コアとを各コアの対向面に平行な第2の方向に位置決めする第2の位置決め部とを備えることを特徴とする仮組付治具。
- 前記分離トランスの1次側コアの所定箇所および2次側コアの所定箇所にはそれぞれ仮組み付け用の溝が設けられており、前記仮組付治具は、前記各仮組み付け用の溝にそれぞれ係合する前記第2の位置決め部としての係止爪、および前記1次側コアおよび2次側コアの互いに対向する面間に介挿される前記第1の位置決め部としての突起を備えている請求項2に記載の仮組付治具。
- 分離トランスを構成する1次側コアおよび2次側コアと、これらの1次側コアおよび2次側コアの周縁部において前記1次側コアおよび2次側コアの互いに対向するコア面、前記1次側コアの外面、および前記2次側コアの外面にそれぞれ係合する係合部を備えた複数の仮組付治具とを具備し、これらの仮組付治具を前記1次側コアおよび2次側コアに係合させて両コアを互いに所定の位置関係に保持した状態に仮組み付けされてモジュールの組み付けに供されることを特徴とする分離トランスの仮組み付け体。
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