JP3734556B2 - 固液分離装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液体中に含まれている固形物、特に懸濁固形物(SS)を分離すると共に、分離した固分と液分を各別に取り出すための装置に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】
直径を均しくする多数の回転プレートを回転軸に嵌着して各プレート間に細隙溝を保有させると共に各プレートに送液用透孔を配設してなる積層状濾過素子の複数を、隣接するもの同士互いにプレートを相手の細隙溝に嵌入させて交接状態に配設した型式の固液分離装置は公知である。
【0003】
そしてこの型式の固液分離装置では、細隙溝への回転プレートの嵌入を深くすれば送液用透孔が塞がれることになるため、プレート周辺部のみが細隙溝へ嵌入するよう軸間間隔を広く取った濾過素子の配設態様としているが、その結果、プレート同士の重なり部分の面積が小さくなって固液分離作用が不十分となり、送液用透孔からの濾液の誘出作用も微弱であり、また、プレートの届かない細隙溝および送液用透孔に固形物が詰まり易く且つその除去機能も働かないという欠点がある。
【0004】
【発明の目的】
本発明の目的は、固液分離装置に関し、自浄作用によって細隙溝および送液路への固形物の進入が阻止し得られると共に円滑な濾液の誘出作用が行われて、十分な固液分離効果を発揮させることにある。
【0005】
【発明の構成】
本発明に係る固液分離装置においては、大径円形側板と小径円形側板とを回転軸へ交互に嵌着させ且つ大径円形側板よりも小径の間板を上記大小両側板の間に介装させて積層状回転体となし、該積層状回転体に軸方向の送液路が貫通されるよう各側板および間板に同心状の透孔を設け、各間板の板体外周縁の円周中心部を残して両側部から各透孔へ通じる切欠部を開設させ、原液供給口と固分排出口を有する処理槽内において複数の積層状回転体を送液方向へ定間隔に配列させて、相隣接する積層状回転体の一方の積層状回転体における大径円形側板の外周縁が他方の積層状回転体における小径円形側板の外周縁に接近した態様となし、各積層状回転体の送液路と対向する液分取出孔を処理槽の側壁に穿設し、各積層状回転体における各間板の外周にはそれぞれ遊環板を遊合させて、各回転軸の回転時には相隣接する積層状回転体の一方の積層状回転体における遊環板の外周縁が他方の積層状回転体における遊環板の外周縁と離接することにより、相互に干渉し合って偏心状態で停止しまたは大小両側板よりも低速度で偏心回転させられるよう構成した。
【0006】
【実施例】
以下実施例の図面により説明をする。
【0007】
1は複数の大径円形側板2‥‥2と複数の小径円形側板3‥‥3を回転軸4へ交互に嵌着させ且つ小径円形側板3‥‥3よりも若干小径の間板5‥‥5を上記大小両側板2,3の間に介装させてなる積層状回転体であって、各間板5‥‥5の外周にはそれぞれ遊環板6‥‥6が遊合されている。そして上記積層状回転体1には軸方向の送液路7が貫通されるよう、大小両側板2,3および間板5に同心状の透孔8‥‥8をそれぞれ配設するが、各間板5‥‥5の板体外周縁の円周中心部を残して両側部から各透孔8‥‥8へ通じる切欠部9‥‥9を開設させる。つまり、大小両側板2,3および間板5に同心状に配設される前記透孔8‥‥8のうち、間板5に穿設された透孔8‥‥8のみ板体外周縁に切欠部9‥‥9が開口されることになる。
【0008】
間板5の上述の構造を構成させるについては、厚手の板体の板面周辺部を肉薄に削除して図7および図8に示すような形態としてもよく、或いは図9〜12に示すよう中央板体5aの板面を2枚の側板5b,5bで挟持させ、中央板体5aについては透孔8‥‥8に切欠部を設けることなく、両側板5b,5bに穿設された透孔8‥‥8にはそれぞれ切欠部9‥‥9を開設させた形態としてもよい。上記いずれの形態であっても、間板5の板体外周縁の円周中心部が遊環板6の内周縁との接触面となるのである。
【0009】
間板5の外周に遊合される遊環板6は、図13〜16に例示するような形状に形成されている。図13の事例では遊環板6の外径が、大径円形側板2の外径よりも小径で小径円形側板3の外径よりは大径に形成せられ、遊環板6の内径は間板5の外周と十分な間隔を保有するよう間板5の外径よりも大径に形成されている。図14の事例では遊環板6の外径が、大径円形側板2の外径よりも小径で小径円形側板3の外径よりは大径に形成せられ、遊環板6の内径は間板5の外径よりも僅かに大径の端径部A1と、間板5の外周から大きく離隔した長径部A2とによって楕円形に形成されている。図15の事例では遊環板6の内径が、間板5の外径よりも僅かに大径の短径部A1と、間板5の外周から大きく離隔した長径部A2とによって非真円形に形成せられ、遊環板6の外径は大径円形側板2の外径よりも小径で小径で小径円形側板3の外径よりは大径であって上記内径の長径部A2に対向する短径部B1と、内径の短径部A1に対向する長径部B2とによって楕円形に形成されている。図16の事例では遊環板6の内径が、間板5の外径よりも僅かに大径に形成せられ、遊環板6の外径は大径円形側板2の外径よりも小径で小径円形側板3の外径よりは大径であって且つ間板5の外周から大きく離隔した長径部B2と、該長径部B2よりも間板5の外周に接近した短径部B1とによって楕円形に形成されている。
【0010】
10は処理槽であって、その上壁には原液の供給口11が開設され、後端壁には固分排出口12が開設されている。処理槽10内には複数の前記積層状回転体1‥‥1を送液方向へ順次隣接させ、相隣接する積層状回転体1,1の一方の積層状回転体1における大径円形側板2の外周縁が、他方の積層状回転体1における小径円形側板3の外周縁に接近した状態で、例えば固分排出口12を上下から挟むよう二列に配列して各積層状回転体1‥‥1の回転軸4‥‥4を処理槽10の両側壁に支承させるのである。なお、図示はされていないが処理槽10の一方の外側には濾液室が付設されており、各回転軸4‥‥4の支承部の周辺部に穿設された流通孔を介して前記送液路7と濾液室とが導通するようになっている。また、処理槽10の他方の外側には各回転軸4‥‥4の先端部が導出せられ、その導出先端部にはスプロケットホイールがそれぞれ嵌着されている。そして供給口11より供給された原液を固分排出口12の開口方向へ移動させるため、上列の積層状回転体群1‥‥1と下列の積層状回転体群1‥‥1とが互いに反対方向へ回転するように、原動機軸を各スプロケットホイールにチェーン伝動させるのである。
【0011】
【作用】
原動機の回転によって積層状回転体1‥‥1を所定方向へ低速回転させ、原液供給口11から処理槽10内へ原液を供給する。積層状回転体1‥‥1の回転に伴い間板5の切欠部9‥‥9から液分が送液路7‥‥7を通って濾液室内へ移送せられ、原液は固分排出口12の開口方向へ移送されるに従い固液分離作用により濃縮され、次第に脱水されて含水率の低い固分となって排出口12から排出せられ、濾液室内の液分は下底部の液分排出口から外部へ排出される。そして積層状回転体1‥‥1の回転中、相隣接する積層状回転体1,1の遊環板6,6の外周縁周縁同士で当接と離隔を繰り返すことにより、相互に干渉し合って偏心状態で停止しまたは大小両側板2,3よりも低速度で偏心回転するため、上記固液分離過程において積層状回転体1の各板体側面および透孔8へ通じる切欠部9の周辺にはセルフクリーニング機能が働くと共に濾過微粒子の移動強制作用が生じることになる。
【0012】
【発明の効果】
本発明固液分離装置によれば、間板5の外周に遊合された遊環板6が積層状回転体1と偏心状に交接するため、各板体側面に生じるセルフクリーニング効果によって固形物の詰まりを防止し得られ、また、間板5の透孔8には板体周辺部から送液路7へ通じる切欠部9が開口されているので、上記セルフクリーニング効果が該切欠部9の周辺にまで及ぶことと相まって送液路7への濾液の誘導が円滑となり、積層状回転体1による固液分離作業を一層有効に行わせ得るという利点がある。
【発明の効果】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明固液分離装置の縦断側面図である。
【図2】本発明固液分離装置における積層状回転体の側面図である。
【図3】本発明固液分離装置における積層状回転体の横断平面図である。
【図4】本発明固液分離装置における複数の積層状回転体の隣接態様を示した平面図である。
【図5】本発明固液分離装置における積層状回転体を構成する大径円形側板の側面図である。
【図6】本発明固液分離装置における積層状回転体を構成する小径円形側板の側面図である。
【図7】本発明固液分離装置における積層状回転体を構成する間板を一体構造に作成した場合の側面図である。
【図8】本発明固液分離装置における積層状回転体を構成する間板を一体構造に作成した場合の横断平面図である。
【図9】本発明固液分離装置における積層状回転体を構成する間板を接合構造に作成する場合の中央板体の側面図である。
【図10】本発明固液分離装置における積層状回転体を構成する間板を接合構造に作成する場合の側板の側面図である。
【図11】本発明固液分離装置における積層状回転体を構成する間板を接合構造に作成した場合の側面図である。
【図12】本発明固液分離装置における積層状回転体を構成する間板を接合構造に作成した場合の横断平面図である。
【図13】本発明固液分離装置における積層状回転体を構成する間板の外周に遊合される遊環板の形状を例示した側面図であって、内径および外径を真円形に形成した事例である。
【図14】本発明固液分離装置における積層状回転体を構成する間板の外周に遊合される遊環板の形状を例示した側面図であって、内径を楕円形に形成し外径を真円形に形成した事例を示す。
【図15】本発明固液分離装置における積層状回転体を構成する間板の外周に遊合される遊環板の形状を例示した側面図であって、内径および外径を楕円形に形成した事例を示す。
【図16】本発明固液分離装置における積層状回転体を構成する間板の外周に遊合される遊環板の形状を例示した側面図であって、内径を真円形に形成し外径を楕円形に形成した事例を示す。
【符号の説明】
1 積層状回転体
2 大径円形側板
3 小径円形側板
4 回転軸
5 間板
6 遊環板
7 送液路
8 透孔
9 切欠部
10 処理槽
11 原液供給口
12 固分排出口

Claims (1)

  1. 大径円形側板と小径円形側板とを回転軸へ交互に嵌着させ且つ大径円形側板よりも小径の間板を上記大小両側板の間に介装させて積層状回転体となし、該積層状回転体に軸方向の送液路が貫通されるよう各側板および間板に同心状の透孔を設け、各間板の板体外周縁の円周中心部を残して両側部から各透孔へ通じる切欠部を開設させ、原液供給口と固分排出口を有する処理槽内において複数の積層状回転体を送液方向へ定間隔に配列させて、相隣接する積層状回転体の一方の積層状回転体における大径円形側板の外周縁が他方の積層状回転体における小径円形側板の外周縁に接近した態様となし、各積層状回転体の送液路と対向する液分取出孔を処理槽の側壁に穿設し、各積層状回転体における各間板の外周にはそれぞれ遊環板を遊合させて、各回転軸の回転時には相隣接する積層状回転体の一方の積層状回転体における遊環板の外周縁が他方の積層状回転体における遊環板の外周縁と離接することにより、相互に干渉し合って偏心状態で停止しまたは大小両側板よりも低速度で偏心回転させられるよう構成したことを特徴とする固液分離装置。
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JP6021655B2 (ja) * 2013-01-23 2016-11-09 株式会社鶴見製作所 固液分離装置およびその制御方法
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