JP2873970B2 - 汚泥処理濾過装置 - Google Patents

汚泥処理濾過装置

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JP2873970B2
JP2873970B2 JP1336439A JP33643989A JP2873970B2 JP 2873970 B2 JP2873970 B2 JP 2873970B2 JP 1336439 A JP1336439 A JP 1336439A JP 33643989 A JP33643989 A JP 33643989A JP 2873970 B2 JP2873970 B2 JP 2873970B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この考案は、下水道汚泥・し尿処理汚泥・水産加工排
水・屠殺場排水や畜産排水・食品加工排水・有機化学工
場排水等の濾滓粒子を含んだ汚泥の処理濾過装置の改良
に関し、特に各濾体にかかる汚泥による抵抗を小さく
し、濾体の回転効率の向上を意図した汚泥処理濾過装置
に関する。
<従来の技術> 円板を重ね合わせて濾体を構成し、濾体列を組んで汚
泥を濾過処理する汚泥処理濾過装置は従来より知られて
いる。その基本構成は、直径の異なる円板を多数枚重ね
合わせて構成した円筒型の回転濾体を相互に交接させて
複数体配置した円筒型の回転濾体を上下2段に装備した
濾過槽の中に濾滓粒子を含んだ汚泥を導入して、回転す
る濾体の上を移送させつつ濾体を濾過面として作用させ
ることにより、汚泥に含まれる水分を排水して廃液と汚
泥ケーキに分離するものである。汚泥処理濾過装置の基
本的構造については、既に特許第960479号(特公昭53−
34346号)、特開昭52−62774号、特開昭57−211292号等
及び出願人が権利を取得した特許第1090440号(特公昭5
5−50446号)、特許第1090444号(特公昭55−50447号)
等にその内容が詳細に開示されている。
<発明が解決しようとする課題> 従来の方式による汚泥処理濾過装置においては、円板
が薄片のスペーサを介して密に配設されているため、濾
体の回転により脱水しつつ汚泥を移送する際に濾体にか
かる抵抗が極めて大であった。このため濾体を回転させ
る濾体駆動装置がオーバーロードになり易く、該装置の
疲弊、故障の原因になっていた。一方、高馬力の濾体駆
動装置を採用すると電力消費量が大となり、ランニング
コストが高くなるという欠点があった。特に、処理の対
象が油泥である場合に上記欠点が大きかった。
<課題を解決するための手段> 上記課題を解決するための本発明の汚泥処理濾過装置
は、原液注入口と濾液排出口と汚泥ケーキ排出口とを有
する濾過槽の中に、直径の異なる円板をスペーサまたは
隣接濾体を連結する固定濾片を介して複数枚重ね合わせ
て構成した円筒型の濾体を軸方向に平行に複数体配置し
て濾体列を形成し、該濾体列を上下2段に構成するとと
もに、濾体を構成する円板を隣接する濾体の円板と円板
との間の間隙に突入する状態または隣接濾体の円板と接
する状態又は接しないで隣接する状態に配置し、濾体通
水孔を濾体の軸方向に設け、かつ、濾過槽内に導入され
た汚泥を濾体の回転により排出口に移送しつつ汚泥に含
まれている水分を濾液排水口から装置外に排出する汚泥
濾過装置において、前記スペーサを肉厚のものと従来の
薄片のものとから構成し、肉厚のスペーサを隣接する濾
体の肉厚のスペーサとの間に僅かな間隙を置いて配設し
たことを特徴としている。
<作用> 多数の円板と、肉厚のスペーサと薄片のスペーサとか
ら構成される濾体は、従来の処理装置と同様に、上段の
濾体と下段の濾体が円板を交接させながら汚泥ケーキ排
出口方向に回転することにより、原液注入口から導入さ
れた汚泥を排出口に向かって移送する。この移送過程で
濾体列が濾過面として機能することにより汚泥に含まれ
る水分のみが分離され、微粒懸濁固形物が濾体列上に溜
まって汚泥ケーキが形成され汚泥ケーキ排出口から排出
される。
このとき、肉厚のスペーサが隣接する濾体の肉厚のス
ペーサと僅かな間隙を置いて対応配設されているため、
従来通りの汚泥処理・移送機能を保持しつつ、各々の濾
体が汚泥から受ける抵抗は小さくなる。
<実施例> 以下、図面に示す実施例に基づいて、本発明に係る汚
泥処理濾過装置を詳細に説明する。
第1図は本発明に係る汚泥処理濾過装置の縦断面図で
あり、第2図は本発明に係る装置の要部である濾体の構
成を示す部分拡大平面図である。
汚泥処理濾過装置10は、原液注入口12と、濾液排出口
14と、汚泥ケーキ排出口16とを有する濾過槽18の中に、
濾体20を上下段に複数個配列した構成である。濾体20
は、中心から一定の距離に濾液通水孔26が穿設された円
板21、21・・・と肉厚のスペーサ23と薄片のスペーサ24
との重ね合わせにより円筒型に構成されている。
円板21は、径の異なる円板21a、21bからなり、薄片の
スペーサ24は径の異なる24a、24bからなる。組み立ては
一枚の円板に対して一枚のスペーサを間に挟むようにし
て一定順序で軸28に嵌入重合される。本実施例において
は、「・・・小径薄片のスペーサ24a、大径の円板21a、
大径薄片のスペーサ24b、小径の円板21b、大径薄片のス
ペーサ24b、小径の円板21b、肉厚のスペーサ23、大径薄
片のスペーサ24b、小径の円板21b、大径薄片のスペーサ
24b、小径の円板21b、小径薄片のスペーサ24a・・・」
の順に連続的に重合されている(第2図参照)。円板21
a、21b及び肉厚のスペーサ23、薄片のスペーサ24a、24b
の肉厚の大きさ、及び組合せ方は必要に応じ適宜選択す
ればよい。例えば、本実施例においては肉厚のスペーサ
の厚みを10mm、薄片のスペーサの厚みを1.2mmとした場
合を示している。また、一つの濾体における肉厚のスペ
ーサの混入度合は、第2図では、肉厚のスペーサの厚み
の合計が濾体長さの略半分を占める程度であるが、これ
に限定されるものではなく、適宜選択可能である。
濾体20は、軸28が濾過槽18の長手方向に対して直角に
なるように列設されており、各濾体の円板が隣接濾体に
交接するように配置されている。肉厚のスペーサは各濾
体の略対応する位置に設けられており、僅かな間隙を有
して隣接する肉厚のスペーサと平行に並んでいる。従っ
て、汚泥ケーキの回収能力、汚泥ケーキの濃縮度、來雑
物の回収率等の汚泥処理効率は、各濾体の全範囲に渡っ
て円板が列設されている従来の汚泥処理装置と比較して
低下することはない。しかも、隣接濾体の全範囲に渡っ
て設けられた円板同士が交接しながら汚泥処理を行う従
来の装置に比較して、濾体が回転する際の汚泥による抵
抗が小さく、濾体駆動装置にかかる負担が少なくて済
む。この利点は、特に油泥を処理する場合に顕著に現れ
る。
なお、濾体の所定位置に、隣接する2つの濾体の両方
の軸に嵌合するようなメガネ状の連結用濾片を設けるこ
とも可能である。連結濾片は、2つの円板を横並びに結
合したメガネ状の形態であり、濾体の円板とスペーサと
の間に介在させて隣接する濾体を連結するもので、軸28
の回転には連動しない非回転濾体である。
各スペーサは従来通り金属製であってもよいが、隣接
濾体の何れの構成部分とも接触しないため摩耗を考慮す
る必要がなく、PSガラス繊維入り等の樹脂製に替えるこ
とも可能である。樹脂製の場合、製造コストが金属製の
ものの5分の1程度に抑えられる。加えて、10mm程度の
厚さがあるのでその巾だけ濾片の数が少なくて済む。ま
た、これにより機械全体の重量が軽減される。
上段濾体列25aと下段濾体列25bの配置は、汚泥ケーキ
排出口16に近づくほど、挟窄するように出口に向かって
幅狭に配置されている。これにより、原液注入口12から
導入された汚泥等の未分離脱水物2が上下段濾体列間を
汚泥ケーキ排出口16方向に移送されると、上下段濾体列
25a、25bによって加圧されるとともに、上下段濾体列25
a、25bが濾過面として作用することによって、円板21
a、21bの濾液通水孔26から濾液が滲み出し、微粒懸濁固
形物が濾体上に溜まって汚泥ケーキ6が形成される。な
お、上段濾体列25aと下段濾体列25bの位置関係について
は、出願人自身が特許出願した特願昭57−211,292号
「濾過装置」の中で開示した様に、汚泥ケーキ排出口16
を濾液面4より上方に設けるとともに、上段濾体列25a
と下段濾体列25bとを汚泥ケーキ排出口16に向けて徐々
に上昇するように配置してもよい。
<発明の効果> 本発明に係る汚泥処理濾過装置は、上記のように各濾
体の所定部分に肉厚のスペーサが嵌入され、隣接濾体に
嵌入された肉厚のスペーサと僅かな間隙を有して平行に
並んでいる。従って、濾体の全範囲に渡って円板が設け
られ、隣接濾体の円板同士が交接しながら汚泥処理を行
う従来の装置に比較して、濾体が回転する際の汚泥によ
る抵抗が小さく、濾体駆動装置にかかる負担が小さいた
め操業安定性が向上する。この利点は、特に油泥を処理
する場合に顕著に現れる。しかも、各濾体に肉厚のスペ
ーサを混入しても、汚泥ケーキの回収能力、汚泥ケーキ
の濃縮度、夾雑物の回収率等の汚泥処理効率は従前と比
較して低下することはない。また、肉厚のスペーサを混
入するため、軸28に嵌入させる円板の枚数が従来に比べ
て約半分に減少することとなり、組み立て工程が簡素化
され、機械全体の重量を軽減できる。加えて合成樹脂濾
片に置き替える事も可能となり、従来のような部品管理
の煩雑さは解消される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る汚泥処理濾過装置の縦断面図であ
り、第2図は本発明に係る装置の要部である濾体の構成
を示す部分拡大平面図である。 2:被分離脱水物,4:濾液面 6:汚泥ケーキ、10:汚泥処理濾過装置 12:原液注入口、14:濾液排出口 16:汚泥ケーキ排出口 18:濾過槽、20:濾体 21a:大径円板、21b:小径円板 23:肉厚スペーサ 24a:小径薄片スペーサ 24b:大径薄片スペーサ 26:濾液通水口、28:軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 33/00 C02F 11/02 B30B 9/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原液注入口と濾液排出口と汚泥ケーキ排出
    口とを有する濾過槽の中に、直径の異なる円板をスペー
    サを介して複数枚重ね合わせて構成した円筒型の濾体を
    軸方向に平行に複数体配置して濾体列を形成し、該濾体
    列を上下2段に構成するとともに、濾体を構成する円板
    を隣接する濾体の円板と円板との間の間隙に突入する状
    態に配置し、濾体通水孔を濾体の軸方向に設け、かつ、
    濾過槽内に導入された汚泥を濾体の回転により排出口に
    移送しつつ汚泥に含まれている水分を濾液排水口から装
    置外に排出する汚泥濾過装置において、前記スペーサを
    肉厚のものと薄片のものとから構成し、肉厚のスペーサ
    を隣接する濾体の肉厚のスペーサとの間に僅かな間隙を
    置いて配設したことを特徴とする汚泥処理濾過装置。
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JP4525005B2 (ja) * 2003-06-20 2010-08-18 株式会社Ihi 脱水槽
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