JP3024020U - 濾過脱水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】原動機の台数を増やすことなく単一の原動機に
より、脱水効率が高められるよう始部側濾過素子群と終
部側濾過素子群の回転速度比を異ならせ、ローコストで
機能に優れた濾過脱水装置を提供。 【構成】原液供給口２および固分排出口３を有する処理
槽１内に配列された複数の回転円板式濾過素子４‥‥４
のうち、固分排出口３から遠い位置に配置された始部側
濾過素子群４ａを原動機１２により回転させると共に、
同原動機１２から減速機構１３を介して上記始部側濾過
素子群４ａよりも低速度で、固分排出口３から近い位置
に配置された終部側濾過素子群４ｂを回転させるよう構
成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、液体中に含まれている固形物、特に懸濁固形物（ＳＳ）を分離する と共に、分離した固形物を濃縮し脱水するための濾過脱水装置に関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

回転軸に嵌着された多数の回転プレートの各プレート間に細隙溝を有せしめて なる濾過素子の複数が、隣接するもの同士互いにプレートを相手の細隙溝に嵌入 させた交接状態により、原液供給口及び固液排出口を有する処理槽内に順次配列 し、原液供給口から供給された原液を固分排出口に移動させる方向へ各濾過素子 を回転させつつ濾過脱水を行わせる型式の濾過脱水装置は公知である。

【０００３】 そして処理槽内の濾過素子を、原液供給口に近い位置に配置された始部側濾過 素子群と、固分排出口から近い位置に配置された終部側濾過素子群とに区分して 、これらをそれぞれ各別の原動機により駆動させ、終部側濾過素子群を始部側濾 過素子群よりも低速度で回転させることにより、脱水効率が向上することは実験 によって確認されている。 しかしながらこの型式の濾過脱水装置では、内部機構は円板とそのシャフトの みであり、これを駆動させるモータ或いはヂーゼルエンジン等原動機の製品コス ト中に占める比重が極めて高く、従って原動機を２台に増やすことは製造コスト を著しく押し上げる結果となり、価格的な面で実用化が損なわれることになる。

【０００４】

【考案の目的】

本考案の目的は、原動機の台数を増やすことなく単一の原動機により、脱水効 率が高められるよう始部側濾過素子群と終部側濾過素子群の回転速度比を異なら せ、ローコストで機能に優れた濾過脱水装置を提供することにある。

【０００５】

【考案の構成】 本考案に係る濾過脱水装置では、回転軸に嵌着された多数の回転プレートの各 プレート間に細隙溝を有せしめてなる濾過素子の複数が、隣接するもの同士互い にプレートを相手の細隙溝に嵌入させた交接状態により、原液供給口および固分 排出口を有する処理槽内に順次配列し、原液供給口から供給された原液を固分排 出口に移動させる方向へ各濾過素子を回転させつつ濾過脱水を行わせる濾過脱水 装置において、固分排出口から遠い位置に配置された始部側濾過素子群を原動機 により回転させると共に、同原動機から減速機構を介して上記始部側濾過素子群 よりも低速度で、固分排出口から近い位置に配置された終部側濾過素子群を回転 させるよう構成した。

【０００６】

【実施例】

以下実施例の図面により説明をする。

【０００７】 １は処理槽であって、その上壁には原液の供給口２が開設され、後端壁には固 分排出口３が開設されている。４‥‥４は処理槽１内において固分排出口３を上 下から挟むよう二列に配設された多数の濾過素子であって、所要間隔をおいて多 数配設される環状のプレート５‥‥５の中心孔を回転軸６に嵌着し、各プレート ５‥‥５間に細隙溝７‥‥７を保有するよう構成される。そしてこれら多数の濾 過素子４‥‥４が、前後に隣接するもの同士互いにプレート５‥‥５を相手の細 隙溝７‥‥７に嵌入させた交接状態に順次配列せられ、且つ、固分排出口３から 遠い位置に配置された始部側濾過素子群４ａと、固分排出口３から近い位置に配 置された終部側濾過素子群４ｂとに区分される。また、始部側濾過素子群４ａに は、各プレート間細隙溝７‥‥７に流入した原液中の液分を処理槽１の外へ軸方 向に取り出すための濾液取出路８‥‥８を開設する。この濾液取出路８‥‥８は 、例えばプレート５‥‥５の板面に設けられた透孔８ａ‥‥８ａと、処理槽１の 側壁に設けられた貫通孔８ｂ‥‥８ｂを介して後記濾液室９内へ通ずるよう構成 されるものである。終部側濾過素子群４ｂにはこのような濾液取出路は開設され ていない。処理槽１の一方の外側には濾液室９が付設されており、濾液取出路８ ‥‥８より取り出された濾液は濾液室９内に至り、底部の開口を通じて取出管１ ０により排出される。処理槽１の他方の外側には各回転軸６‥‥６の先端部が導 出されて該導出先端部には、それぞれスプロケットホイール１１‥‥１１が嵌着 されている。１２はモータ或いはヂーゼルエンジン等の原動機であって、処理槽 １の外側下方部に設置されている。原動機１２の回転はチェーン伝導により始部 側濾過素子群４ａの各スプロケットホイール１１‥‥１１に伝えられ、また、終 部側濾過素子群４ｂの各スプロケットホイール１１‥‥１１にも減速機構１３を 介して伝達せられ、終部側濾過素子群４ｂは始部側濾過素子群４ａよりも常に低 速度で回転させられることになる。

【０００８】

【作用】

供給口２から処理槽１内へ供給された原液は、始部側濾過素子群４ａにより順 次濃縮され濾過されて、濾液は液取出路８‥‥８から濾液室９を経て取出管１０ により排出されつつ、低速回転している終部側濾過素子群４ｂにより更に濃縮さ れ続け、脱水された極めて含水率の低い固分が固分排出口３から排出されること になる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案によれば、単一の原動機により始部側濾過素子群と終部側濾過素子群の 回転速度を異ならせ、ローコストで脱水効率の高い濾過脱水装置を得ることがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案装置の縦断側面の略図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線における断面図である。

【図３】本考案装置における濾過素子の要部断面拡大図
である。

【図４】本考案装置の外側面の略図である。

【符号の説明】

１ 処理槽 ２ 原液供給口 ３ 固分排出口 ４ 濾過素子 ４ａ 始部側濾過素子群 ４ｂ 終部側濾過素子群 ５ 回転プレート ６ 回転軸 ７ 細隙溝 １２ 原動機 １３ 減速機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転軸に嵌着された多数の回転プレートの
   各プレート間に細隙溝を有せしめてなる濾過素子の複数
   が、隣接するもの同士互いにプレートを相手の細隙溝に
   嵌入させた交接状態により、原液供給口および固分排出
   口を有する処理槽内に順次配列し、原液供給口から供給
   された原液を固分排出口に移動させる方向へ各濾過素子
   を回転させつつ濾過脱水を行わせる濾過脱水装置におい
   て、固分排出口から遠い位置に配置された始部側濾過素
   子群を原動機により回転させると共に、同原動機から減
   速機構を介して上記始部側濾過素子群よりも低速度で、
   固分排出口から近い位置に配置された終部側濾過素子群
   を回転させるよう構成したことを特徴とする濾過脱水装
   置。