JP3734515B2 - 樹脂成形材料の捕集装置 - Google Patents
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- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
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Description
【産業上の利用分野】
【0002】
本発明は、各種の成形機にペレット等の樹脂成形材料を供給するラインに設けられる樹脂成形材料の捕集装置に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
射出成形機をはじめ種々のプラスチック成形機へ樹脂成形材料を供給する際、樹脂成形材料であるペレットに付着した粉塵は、プラスチック成形機の前に設置した捕集装置で除去されるようになっているが、この捕集装置として従来は、図9に示すような装置が開発されていた。
【0004】
この捕集装置Aは、上部開口aと下部開口b及び吸引開口cを形成したホッパー本体dと、外周部にペレットより小径の多数の孔eを穿設した多孔ホッパーfと、上記ホッパー本体dの上部開口aを封じる蓋gとからなり、上記多孔ホッパーfをホッパー本体dに内設すると共に、ホッパー本体dの上部開口aに蓋gを設けた構造であった。そしてペレット供給ラインに設けられる上記の捕集装置Aは、図9に示すように上記ホッパー本体dがプラスチック成形機Bのペレット投入口hに連結される。また、ホッパー本体dの上部開口aにはペレット貯留タンクCからのびるパイプDが連結され、更にホッパー本体dの吸引開口cには、フィルターEを介して空気源FがパイプGで連結されている。
【0005】
上記のようにしてなる空気源Fの吸引作用により、ペレット貯留タンクCからパイプDを介してホッパー本体dに吸引輸送されてきたペレットは、多孔ホッパーfに入り、この多孔ホッパーfにペレットが貯留される。その貯留されている間、ペレットは常に空気源Fより多孔ホッパーfの多数の孔eを介して吸引されている為、これらの孔eより小さい粉塵は吸引・分離され、空気源Fの手前に設置してあるフィルターEにより補集されていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来の捕集装置では、多孔ホッパーf内に貯留される全てのペレットに付着した粉塵を除去すには十分ではなかった。すなわち、従来の捕集装置を構造的に見ると、多孔ホッパーf内に貯留されたペレットは、空気源Fにより多孔ホッパーfの多数の孔eを介して常時吸引されているが、ペレットに付着した粉塵は、吸引開口cの付近や多孔ホッパーfの各孔eの周囲にあるペレットにしか吸引による除去作用が及ばず、多孔ホッパーf内の中央部に貯留されているペレットなどは、殆ど粉塵が除去されないまま成形機に供給されるといった問題があった。
【0007】
本発明は上記のような点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、成形機に供給される樹脂成形材料に付着した粉塵を有効に除去できるようにした樹脂成形材料の捕集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記のような目的を有効に達成するために、次のような構造になっている。すなわち、請求項1において提案された捕集装置は、圧送されて来た樹脂成形材料を受け入れる材料受入口と、ガスを吸引するためのガス吸引口とを形成し、内部に材料放出防止用フィルター板を設けたホッパー部の下方に、樹脂ペレットなどの成形材料を貯留する材料貯留室を設け、更にこの材料貯留室の下方には、樹脂成形機などに通じる材料排出口と、加圧ガスを導入するガス導入口を設けるとともに、ガス導入口より導入した加圧ガスを材料貯留室の下方より吹上げるガス吹上部を設け、このガス吹上部は、中央に円孔を穿孔したOリング状のガス吹上リングを、材料貯留筒体の下端に設けると共に、ガス導入口に通じるノズル先端から吹き出される加圧ガスを、ガス吹上リングを介して材料貯留筒体の底端の外周より内部に導くように構成してなる。
【0009】
また、請求項2において提案された捕集装置は、請求項1における樹脂材料を貯留させた材料貯留室内には、脈動波を供給して、樹脂材料にランダムに浮遊させる構造となっている。このような捕集装置は、請求項1の態様では、ガス導入口に加圧ガスを導入する際に、加圧ガスを脈動させてもよいし、材料貯留室内に加圧ガスとは別に空気を振動させる脈動波を供給してもよい。
【作用】
【0010】
請求項1において提案された捕集装置によれば、レベルセンサーによって、材料貯留室内の材料が所定レベルを下回ると、材料輸送装置が作動され、成形材料が圧送され、材料受入口より投入される。材料が所定レベルまで貯留されると、レベルセンサーはこれを検知し、材料輸送は停止する。ついで、ガス導入口から加圧エアーが導入され、同時にガス吸引口からエアーが吸引される。この結果、材料貯留室内の成形材料は、下方より吹き上げられた加圧ガスによって、浮遊するので、成形材料に比べて軽い粉塵は上方に吹き上げられ、ガス吸引口からのエアーの流れに乗って排出される。
【0011】
なお、ホッパー部を材料貯留室より断面積を大きくし、そのためホッパー部の底部を下すぼみとなるロート状に形成したものでは、材料貯留室内での加圧ガスの風速を大きくして、充分に浮遊させた成形材料は、材料貯留室からホッパー部に入ると、ホッパー部で自然に失速されるので、材料貯留室からの不用意な飛び出しも防止される。
【0012】
また、材料受入口より成形材料を受け入れる際に、ガス導入口より加圧エアーを導入し、ガス吹上部から加圧ガスを吹き上げれば、成形材料が材料投入口より材料貯留室内に落下する際、加圧ガスの吹上によるブレーキ作用を受けるので、成形材料に衝撃を与えることなく、また成形材料の輸送時に新たな粉塵を発生させることなく材料貯留室内に投入できる。
【実施例】
【0013】
以下、本発明に係る実施例を図に基づいて説明する。図1は本発明に係る第一実施例の捕集装置を示す図であって、この捕集装置1は、圧送されて来た成形材料を受け入れる材料受入口2と、ガスを吸引するためのガス吸引口3とを形成し、内部に材料放出防止用フィルター板4を設けたホッパー部5がこの装置1の上部に設けてある。
【0014】
また、この装置1の中間部、すなわち、前記ホッパー部5の下方には、樹脂ペレットなどの成形材料を貯留する材料貯留室6が設けてある。更にこの装置1の下部、すなわち、前記材料貯留室6の下方には、射出成形機7(図4参照)に通じる材料排出口8と、加圧ガスを導入するガス導入口9が設けてあり、更にこのガス導入口9より導入した加圧ガスを前記材料貯留室6の下方より吹上げるガス吹上部10が設けてある。
【0015】
より具体的に説明すると、前記ホッパー部5の上部中央には,成形材料貯留タンク11(図3参照)から混入器12を介して圧送されて来る成形材料を受け入れる材料受入口2が形成され、材料受入口2に連通する材料導入筒13がホッパー部5の内部中間位まで設けてある。この材料導入筒13の出口14より少し上には、ホッパー部5の内部を水平に仕切るようにして前記した材料放出防止用フィルター4が設けてあり、このフィルター4には、樹脂成形材料よりも十分に小さい孔寸法を有する多数の孔15が形成してある。
【0016】
また、ホッパー部5の側面部には、材料放出防止用フィルター4を設けた位置より上方に前記したガス吸引口3が設けてあり、このガス吸引口3から吸引装置(図示省略)により枝配管16(図3参照)、集中ダクト17を介して粉塵をエアーと共に排出するようにしてある。尚、粉塵は集塵機(図示省略)によって、集中ダクト17を介して複数台設置した捕集装置1から集中的に集塵しても良い。また単独に集塵してもよい。
【0017】
前記のガス吸引口3と対峙するホッパー部5の側面部には、気圧調整用のエアーをホッパー部5内に導くための2次エアー導入口18が設けられている。この2次エアー導入口18にはフィルター20が設けある。19はクランプバンドである。上述のホッパー部5の下方には、前記した材料貯留室6が設けてある。すなわち、この材料貯留室6は、支持枠体21と材料貯留筒体22とからなり、材料貯留筒体22は内部が透視できるように硝子等の透明材によって形成されている。この材料貯留筒体22は支持枠体21で支持され、前記したホッパー部5と連通するように設けてある。
【0018】
材料貯留筒体22の側面部には、所定位置に静電容量型のレベルセンサー23が設けてあり、材料貯留筒体22内の材料の有無やレベルを検知できるようにしてある。更に前記の材料貯留室6の下方には、前記したガス導入口9等が設けてある。すなわち、材料貯留筒体22を設けた支持枠体21の下端には、加圧ガスを導入するガス導入口9に連通するガス導入接続口24と、前記した材料貯留筒体22に連通する材料排出口8とを形成した材料排出管体25が設けてあり、材料排出管体25のガス導入接続口24には、ガス導入口9を有する配管26がクランプバンド27を介して接続してある。28はフィルターである。
【0019】
更に材料貯留筒体22の下方で前記材料排出管体25内には、ガス導入口9より導入した加圧ガスを材料貯留筒体22内に吹上げるガス吹上部10が設けてある。このガス吹上部10は、図2に示すように中央に円孔を穿孔したOリング状のガス吹上リング29を、材料貯留筒体22の下端に設けると共に、ガス導入口9に通じるノズル先端30から吹き出される加圧ガスを、ガス吹上リング29を介して材料貯留筒体22の底端の外周より内部に導けるように構成してある。
【0020】
上述のような構成からなる捕集装置1は、図3及び図4に示すように射出成形機7の成形材料投入口31に、材料排出管体25の材料排出口8を連結させて設られる。この実施例の捕集装置1は、レベルセンサー23によって、材料貯留筒体22内の成形材料が所定レベルを下回ると、材料輸送装置が作動され、成形材料貯留タンク11から成形材料が圧送され、材料受入口2より投入され、ホッパー部5を介して材料貯留筒体22内に供給される。成形材料がこの材料貯留筒体22の所定レベルまで貯留されると、レベルセンサー23がこれを検知して、貯留タンク11からの材料輸送を停止させる。
【0021】
ついで、ガス導入口9から加圧ガスがガス吹上部10を介して材料貯留筒体22に導入され、同時にガス吸引口3からエアーが吸引される。この結果、材料貯留筒体22内の成形材料は、下方より吹き上げられた加圧ガスによって浮遊する。このとき、成形材料に比べて軽い粉塵は上方に吹き上げられ、この粉塵は材料放出防止用フィルター板4の各々孔15を介してガス吸引口3からのエアーの流れに乗って排出される。
【0022】
図5は第二実施例の捕集装置1であり、前記第一実施例の捕集装置1と同様に圧送により成形材料を供給し、成形材料に付着した粉塵を吸引除去するものである。第一実施例の捕集装置1とはホッパー部2が相違し、他の構成は第一実施例の捕集装置1と同様であるので、相違箇所について説明し、他の箇所は主要部に符号を付して説明を省略する。
【0023】
このホッパー部5は円筒形状に形成され、ホッパー部5の中には筒状に形成された材料放出防止用フィルター4が設けられ,ガス吸引口3に成形材料が吸引されるのを遮蔽している。ガス吹上部10からの加圧ガスにより材料貯留室6内で成形材料と共に浮遊する粉塵は、この筒状の材料放出防止用フィルター4を介してガス吸引口3から吸引除去される。
【0024】
図6及び図7は本発明の参考例として示す第三実施例の捕集装置1である。尚、前記実施例と共通する部分については同一符号を使用し一部説明を省略する。この捕集装置1は、成形材料を投入する材料受入口2と、ガス吸引口3とを上部に形成し、内部にはガス吸引口3より下方の位置に材料放出防止用フィルター板4を設けると共に、この材料放出防止用フィルター板4と所定間隔を以てフィルター板32を配し、内部を区画形成した材料貯留室6(材料貯留部)を設ける。この材料貯留室6の下方でフィルター板32の外方には、制御弁33を介して大気に通じるエアー取入口34を設けると共に、前記ガス吸引口3に接続された吸引手段である吸引装置35(図7参照)に接続された配管37、配管38に通じる粉塵吸引口36を設けてある。また、前記材料受入口2にも制御弁40が設けられ、材料貯留室6には所定位置にレベルセンサ23が設けられている。
【0025】
この実施例の捕集装置1では、レベルセンサー23によって、材料貯留室6内の成形材料が所定レベルを下回ると、材料受入口2に設けた制御弁40を開け、更にエアー取入口34に設けた制御弁33を閉じる。その後、吸引装置を作動させて、成形材料を成形材料貯留タンク11から吸引輸送し、材料受入口2より投入される。
【0026】
成形材料が材料貯留室6内の所定レベルまで貯留されると、レベルセンサー23はこれを検知し、吸引装置35の作動を停止させる。ついで、材料受入口2に設けた制御弁40を閉じ、エアー取入口34に設けた制御弁33を開けて吸引装置35を作動させる。材料貯留室6に貯留されている成形材料は、フィルター板32の下方から吸引力を受けて、成形材料に混入している粒子の小さき粉塵のみがフィルター板32を濾過して吸引装置によって吸引排出され、フィルター41によって捕集される。
【0027】
以上に説明する捕集装置では、材料貯留室内に貯留させた成形材料は加圧ガスを整流として吹上げて浮遊させる場合について示したが、加圧ガスの吹上げの際に、脈動波を重畳させて、樹脂材料をランダムに浮遊させてもよく、この場合、樹脂材料と粉塵との分離が効果的に行える。より具体的には、請求項1の態様では、ガス導入口に加圧ガスを導入する際に、加圧ガスを脈動させてもよいし、材料貯留室内に加圧ガスとは別に空気を振動させる脈動波を供給してもよい。更に、請求項2の態様では、吸引手段によって吸引ガスを脈動させてもよいし、材料貯留室内に加圧ガスとは別に空気を振動させる脈動波を供給してもよい。
【発明の効果】
【0028】
以上、上述の説明でも明らかなように請求項1において提案された本発明の捕集装置では、圧送により成形材料が材料貯留室内に投入され、この滞留通路内に一時貯留された成形材料は、下方からの加圧ガスによって適当に浮遊し、全ての成形材料に付着した粉塵が分離され、この分離した粉塵は材料放出防止用フィルターを介してガス吸引口から吸引除去される。したがって、効率良く全ての成形材料に付着した粉塵を除去でき、除粉塵された成形材料を成形機に供給することができ、成形品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る第一実施例の一部断面正面図である。
【図2】本発明に係るガス吹上部の拡大断面説明図である。
【図3】本発明に係る第一実施例の捕集装置を設けた系統図である。
【図4】本発明に係る第一実施例の捕集装置を射出成形機に設けた説明図である。
【図5】本発明に係る第二実施例の一部断面正面図である。
【図6】本発明の参考例として示す第三実施例の簡略説明図である。
【図7】本発明の参考例として示す第三実施例の捕集装置を設けた系統図である。
【図8】従来の捕集装置の簡略断面図である。
【図9】従来の捕集装置を設けた系統図である。
【符号の説明】
1 捕集装置
2 材料受入口
3 ガス吸引口
4 材料放出防止用フィルター板
5 ホッパー部
6 材料貯留室
7 樹脂成形機(射出成形機)
8 材料排出口
9 ガス導入口
10 ガス吹上部
32 フィルター板
33 制御弁
34 エアー取入口
Claims (2)
- 圧送されて来た樹脂成形材料を受け入れる材料受入口と、ガスを吸引するためのガス吸引口とを形成し、内部に材料放出防止用フィルター板を設けたホッパー部の下方に、樹脂ペレットなどの樹脂成形材料を貯留する材料貯留室を設け、更にこの材料貯留室の下方には、樹脂成形機などに通じる材料排出口と、加圧ガスを導入するガス導入口を設けるとともに、ガス導入口より導入した加圧ガスを材料貯留室の下方より吹上げるガス吹上部を設けた構造とし、このガス吹上部は、中央に円孔を穿孔したOリング状のガス吹上リングを、材料貯留筒体の下端に設けると共に、ガス導入口に通じるノズル先端から吹き出される加圧ガスを、ガス吹上リングを介して材料貯留筒体の底端の外周より内部に導くように構成してなる、樹脂成形材料の捕集装置。
- 材料貯留室内には脈動波を供給するようにした請求項1に記載された樹脂成形材料の捕集装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23007094A JP3734515B2 (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | 樹脂成形材料の捕集装置 |
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