JP3734411B2 - ファンモータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの外周囲にファン部を一体的に備えたファンモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のファンモータとしては、冷蔵庫に用いられるファンモータが知られており、斯かるファンモータは、その送風作用により冷気を庫内に循環供給するとともに庫内冷気の撹拌用に供している。
図8は、その冷蔵庫1に採用した一例を示すもので、該図面は要部の概略構成を示す断面図である。まず、冷蔵庫1の構成につき大略的に述べると、これは冷蔵庫本体2内に形成された冷蔵室3と、この冷蔵室3の前面開口を開閉する扉4と、前記冷蔵室3内への冷気の供給撹拌を行うために設けたファンモータとしてのファン部5bを有するモータ5と、このモータ5の風上側に配設され図示しない冷凍サイクルを構成するうちの蒸発器6等を具備した構成にある。
【0003】
今少し具体的に述べると、前記モータ5の設置部位を境に風下側が前記冷蔵室3であり、これと間仕切りされ前記蒸発器6を有する風上側との間においてはモータ5のファン部5bの回転により空気(冷気)が図中矢印S方向に流れて循環する構成にある。従って、空気が蒸発器6を通過する際、熱交換作用により空気中の熱が奪われて冷却され、庫内たる冷蔵室3内に冷気として供給される。
【0004】
また、前記モータ5としては、近年、長寿命および低消費電力、更には薄型化による省スペース等の観点から外転形(アウターロータ形)のDCブラシレスモータを多用しており、そのアウターロータ5aの外周囲に上記したファン部5bを一体的に設けてファンモータとして構成している。この場合、斯かるファンモータを回転駆動させるため該モータ5の図示しないコイルへの通電を所定のタイミングで切替える駆動回路を構成する駆動手段7が必要となり、この駆動手段7はコイル通電のスイッチングデバイスとしてトランジスタやFETなどの発熱性の素子を含む電子部品を搭載している。
【0005】
そして、このような電子部品を備えた駆動手段7は、モータ5のコネクタ8から導出された複数本のリード線9を介して本体2内下方の機械室10内に位置して設けられている。尚、この機械室10内にはそのほか図示しないが冷凍サイクル中の冷媒圧送用の圧縮機および凝縮器(いずれも図示せず)等を備えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記構成によれば駆動手段7を機械室10に設けているので、一端がモータ5のコイルに接続された複数本のリード線9を、本体2下部の機械室10にまで延出しなければならず、該リード線9は長くなり材料費が嵩むとともに、結線を含む組立作業性も悪くコストも高騰化するなどの問題を有していた。
【0007】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ファン部を有するモータの駆動手段を、モータケーシングを構成するスポークを利用して取付けるようにして、部品点数の増加を抑え作業性も良好でコスト的にも有利なファンモータを提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のファンモータは、外周囲にファン部を備えたモータと、該モータを複数のスポークを介して支持するモータケーシングと、前記モータを回転駆動する駆動手段とを有し、前記駆動手段は、前記スポーク内に断熱層を介して設けたことを特徴とする(請求項1の発明)。
斯かる構成によれば、モータのコイルへの通電制御を行う駆動手段は、モータケーシングのスポークを利用して設けているので、長いリード線を配線したりすることなくコンパクトに装備できて、取扱い性も良好で組立作業も効率良く行える。しかも、断熱層を介しているので駆動手段が発熱性の電子部品を有していても、外部への熱伝達を抑えることができ、従って、冷蔵庫のファンモータとして採用した場合には、空気(冷気)に対する無用な温度上昇を回避できるなど、種々の実用的効果を有する。
【0010】
また、請求項1記載のものにおいて、一端がモータのコイルと電気的に接続されたリードを有し、その他端をスポーク部位に延出して、該リード上に駆動手段を設けたことを特徴とする(請求項の発明)。
斯かる構成によれば、リードを利用して駆動手段を設けたので、構成の簡素化とともに部品点数が低減でき組立作業も好率良く実行できる。
【0011】
また、請求項1記載のものにおいて、モータのコイルと駆動手段とを電気的に接続されたリードを有し、該リードはモータケーシングに一体に埋設したことを特徴とする(請求項の発明)。
斯かる構成によれば、リードをモータケーシングと一体的に設けたので、同じくモータケーシングのスポークに配置する駆動手段との接続が、より確実に誤差なく作業でき、組立作業性を一層向上できる。
【0012】
そして、請求項2または3記載のものにおいて、コイルと接続されたリードは、該コイルと接続した基端部を径方向に延ばした後、軸方向に折曲し、その折曲端部を駆動手段と電気的に接続したことを特徴とする(請求項の発明)。
斯かる構成によれば、コイルと駆動手段とそれぞれ接続されるリードをコンパクトに配置でき、延いてはファンモータとして一層薄型化に寄与できる利点を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1〜図4は、本発明を冷蔵庫に採用した第1実施例を示したもので、そのうち図1〜図3はファンモータの全体構成を示し、図1は図2のA−O−A線に沿って切断して示す断面図で、図2は全体の背面図、図3は背面側から見た全体の斜視図で、図4は冷蔵庫の概略構成を示した断面図である。以下、これら図1〜図4を参照して説明する。
【0014】
まず、図4に基づき冷蔵庫11の概略構成につき述べると、大略的には冷蔵庫本体12内に形成された冷蔵室13と、この冷蔵室13の前面開口を開閉する扉14と、前記冷蔵室13内への冷気の供給撹拌を行うために設けたファンモータを構成するファン部26を有するモータ15と、このモータ15の風上側に配設した蒸発器16等を具備した構成にある。今少し具体的に述べると、上記蒸発器16および本体12内下部の機械室17に配備される圧縮機や凝縮器(いずれも図示せず)は周知の如く冷凍サイクルを構成するものである。
【0015】
従って、前記モータ15の駆動に基づき、ファン部26による空気流は風下側の前記冷蔵室13に向って流れ、流入した空気は、これと間仕切りされ前記蒸発器16を有する風上側に戻り、再び冷蔵室13に向って流れ、所謂空気は同図中矢印S方向に循環する。この場合、空気は蒸発器16を通過する際、蒸発器16との間に行われる熱交換作用により熱が奪われて冷却され、庫内たる冷蔵室13内に新たな冷気として供給され撹拌される。
【0016】
また、前記モータ15としては、外転形(アウターロータ形)のDCブラシレスモータを採用しているが、その詳細構成については後述する。そして、斯かるモータ15を回転駆動させるため該モータ15への通電を所定のタイミングで切替える駆動回路を構成する駆動手段17を備えており、該駆動手段17はモータ15を支持するモータケーシング18に配備しているが、その詳細についても後述する。
【0017】
しかして、図1〜図3を参照してモータ15および駆動手段17の具体構成につき述べると、モータ15は、前記したようにアウターロータ形のDCブラシレスモータを採用してなり、概述すると前記モータケーシング18の背面後部(後述する円筒状部18e)に後部軸受組立19が取付けられるとともに、この後部軸受組立19の内方に設けられ3巻線方式によりコイル20を巻装してなるステータ21と、このステータ21を挟んで後部軸受組立19と対向して設けられた前部軸受組立22と、これら前記両軸受組立19,22に回転自在に支持されるモータ軸23を中心部に備えたカップ状のロータ24(アウターロータ)を有し、このロータ24には前記ステータ21の外周囲に僅かのギャップを介して径方向に対向配置されたマグネット25を具備するとともに、このマグネット25の外周囲にロータ24と一体的に設けられた前記ファン部26とを備えた構成としており、斯かる構成を以って、ファンモータを構成している。
【0018】
そして、上記モータケーシング18は、具体的には、例えばPBT(ポリブタジエンテレフタレート)等の合成樹脂からなり、中心部の背面後部(図1の右側の面)が開放した円筒状部18eを有するとともに、その外周部には、特に図2,図3に明示するように放射方向に延びる4本の前記スポーク18a〜18dがほぼ等間隔で一体に設けられ、更にその外周部に円筒状のベルマウス18fが一体に設けられている。そして、このベルマウス18fの外周部には外方に延びた角形のフランジ部18gを形成していて、このフランジ部18gのコーナー部を介して前記冷蔵室13の間仕切り部分に取付固定している。
【0019】
また、上記円筒状部18eに嵌合取着された前記後部軸受組立19は、亜鉛メッキ鋼板からなり前記モータ軸23を挿通する筒状のブラケット27と、その内方後部に装着された焼結メタルからなる軸受28と、潤滑油が充填された含油フェルト29等を具備してなり、その後面開口部は、適宜の蓋部材30により塞がれている。尚、この蓋部材30の内面中心部において、前記モータ軸23の先端を受ける構成としている。
斯くして、後部軸受組立19は、前記モータケーシング18内に、背面後部側から密に嵌め込まれ、そのブラケット27がステータ21の中心穴に圧入され取付固定される。
【0020】
また、前記ステータ21は、ステータコア21aに前記巻線20が巻装された状態で、これを端子台31とともに合成樹脂(PBT)のモールド材32によりモールド成形されている。そして、このモールド材32の後端部を前記モータケーシング18に係合し、且つステータコア21aの中心穴に前記ブラケット27が圧入嵌合することにより、後部軸受組立19とステータ21とが、モータケーシング18を両側から挟み付けるようにして強固に固定される構成となり、延いてはモータ15がモータケーシング18の円筒状部18eおよびスポーク18a〜18dを介して支持される。
【0021】
このように、ステータ21がモールド成形される際、図1に示すように3巻線によるコイル20の3本の接続端は3本の接続ピン33(1本のみ図示)に予め接続され、且つ接続ピン33の軸方向に導出された先端部が前記した端子台31に埋設されたリード34と電気的に接続され、このリード34の先端は前記スポーク18a部位に導出されている。
【0022】
具体的には、このリード34は、基端部が前記接続ピン33と接続されて径方向外方に延び、スポーク18a部位に達したら軸方向後方に向けて折曲されたL字状に形成されていて、このスポーク18aに位置するリード34先端は、モータ15の前記駆動手段17に接続されている。しかるに、このスポーク18aは他の単純形状のスポーク18b〜18dと異なり、特に図3から明らかなようにやや幅広で背面側を開放する溝状部35を形成していて、この内方に駆動手段17が収納配置される。
【0023】
この駆動手段17は、前記したように上記構成のモータ15を回転駆動させるためコイル20への通電を所定のタイミングで切替える駆動回路を構成するもので、回路基板36と、コイル20に通電するスイッチングデバイスとしてのトランジスタやFETなどの発熱性素子を含む電子部品37a,37bを該回路基板36の両面に搭載した構成としており、特に本実施例では、上記した発熱性の高い素子を電子部品37a側に配置し、即ちスポーク18aの溝状部35と回路基板36とで囲う空間38内に配置するとともに、これと反対側の開放側をエポキシ樹脂のポッティング材39にて充填し駆動手段17を封止する。
【0024】
従って、スポーク18a内に封鎖された空間38は、これに配された電子部品37aからの熱が直接外部へ伝達するのを抑え、所謂断熱作用をなす断熱層を形成する。また、上記駆動手段17をポッティングする際、回路基板36の外端部に搭載され、図示しない電源に接続されるコネクタ40も同時に埋設するようにしている。
【0025】
一方、前記した前部軸受組立22は、先に詳述した後部軸受組立19とほぼ対称的に同等の構成を有しており、従って、筒状のブラケット41、焼結メタルからなる軸受42、含油フェルト43および蓋部材44等を備えた構成にある。ただし、この前部軸受組立22では、モータ軸23は完全に貫通して挿通せられて前記ロータ24に連結固定されている。そして、上記と同様に この前部軸受組立22のブラケット41はステータコア21aの中心穴に圧入嵌合され、該ステータ21に固定されるようになっている。
【0026】
斯くして、上記構成とした本実施例の作用につき述べるに、今、図1および図4等に示す駆動手段17を介してステータ21のコイル20に通電されると、ロータ24のマグネット25を回転させる。即ち、アウターロータ形のモータ15が通電駆動され、これによりファン部26も一体に回転される。従って、図4に示すように冷蔵庫11の冷蔵室13に供給される冷気は、同図中矢印S方向に循環送風され、蒸発器16と交差する際に熱が奪われ冷蔵用の冷気として再生される。このように、駆動手段17に基づきファンモータを構成するモータ15が通電駆動され、ファン部26の回転により冷蔵室13に対して冷気の供給並びに撹拌作用が行われ、冷蔵室13たる庫内の図示しない食品等を所要温度にてむらなく冷蔵保存するものである。
【0027】
そして、本実施例のファンモータによれば、次のような効果を有する。
まず、モータ15は、アウターロータ形のDCブラシレスモータとしているので、長寿命で低消費電力の上、ファン部26を含め軸方向に薄型化が図れ、従って設置スペースを最小限にして冷蔵室13(庫内容積)の形成に有効である。そして、コイル20への通電制御を行う駆動手段17は、モータ15を支えるモータケーシング18のスポーク18aを利用して設けているので、従来技術で述べたように長いリード線を用いたり、下方の機械室まで導出した後に結線するなどの煩わしさもなくモータケーシング18に支持されたモータ15と一体的にコンパクトに装備できて、取扱い性も良くて電気的な接続作業も含む組立作業が効率良く行える。
【0028】
しかも、駆動手段17が有するスイッチングデバイスとして、発熱性の高い電子部品37aをスポーク18aの溝状部35内方において回路基板36との間に形成される空間38内に配置しているので、該空間38が断熱層として機能し外部への熱伝達が抑制される。従って、当該電子部品37aからの発熱が冷蔵室13に流入するのを極力防止でき、冷蔵効果の妨げとなることを低減できる。
【0029】
また、モータ15の中心部に位置するステータコア21aに巻装された3巻線のコイル20に対し、これと電気的に接続して外部に導出されたリード34は、その基端部を径方向に延出して後部軸受組立19を回避した後、後方への軸方向に折曲してスポーク18aに配設した駆動手段17と接続してなる段差を有するL字状の構成としているのでコンパクトに配置でき、特に軸方向に対し厚くすることなく、この種ファンモータの一層の薄型化に寄与し得、勿論径方向への延出寸法も最小限にして軸方向に折曲しているので径方向に大型化することもない。しかも、ステータ21のモールド成形時に、該コイル20と接続した上記形状のリード34を有する端子台31とともにモールド成形できるので、簡単確実に組立ができる点でも有利である。
【0030】
(第2の実施の形態)
図5および図6は、本発明の第2実施例を示したもので、図5は図6のB−O−B線に沿って切断して示す断面図で、図6は本実施例のファンモータ全体の背面図である。
以下、上記第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる点を中心に述べる。概述すると、上記第1実施例ではリード34を有する端子台31をステータ21のモールド材32にて同時にモールド成形した後、リード34の先端部を駆動手段17の回路基板36に接続した構成であるのに対し、本実施例ではリード46の先端部を延長して、そのリード46上に直接駆動手段47を搭載した構成としたものである。
【0031】
以下、図5,6を参照して具体的に述べると、まずモータ45の主たる構成部分は上記第1実施例と共通とするアウターロータ形のDCブラシレスモータにある。ところで、本実施例では上記したように異なる点はリード46に関連した構成にあるので、この異なる構成のみにつき詳述すると、ステータコア21aに巻装された3巻線方式によるコイル20を接続ピン33に接続してなる構成は、上記第1実施例と同様である。しかるに、上記接続ピン33と電気的に接続される3個のリード46(図5では1個のみ図示)は、該リード46を有した端子台48とともにステータ21のモールド成形と同時にインサート成形される点については同じであるが、特に本実施例におけるリード46は具体的には、図1に示すようにクランク状に曲成されている点で異なる。
【0032】
即ち、接続ピン33と接続された基端部側のほぼL字状部分を同形状の端子台48に埋設されていて、斯かる端子台48がモータケーシング49のスポーク49a部位に達した以降はリード46のみが径方向外方に向けて延出され、モータケーシング49の外周域まで達している。そして、本実施例におけるスポーク49aは、他のスポーク49b〜49dと異なりやや幅広で風上側に開放する溝状部50を有していて、その内方に上記リード46の延出端を収納するとともに、これらリード46に対応してスイッチングデバイスの電子部品51a,51bを実装し駆動回路を構成する駆動手段47を直接接続している。
【0033】
加えて、リード46の先端部はモータケーシング49の外方を望む位置まで導出され、この先端部を囲繞するようにして電源に接続されるコネクタ52を形成している。そして、駆動手段47は絶縁部材によるモールド材53によりモールドされた後、当該スポーク49aの開放側をカバー部材54にて塞ぎ、空気(冷気)が直接駆動手段に触れない構成としている。
【0034】
このように構成された本実施例によれば、次のような効果を有する。
まず、モータ45は、上記第1実施例と同様にアウターロータ形のDCブラシレスモータとして、および図示しない冷蔵庫に採用するに当って薄型化などによる種々の効果を有するとともに、該モータ45を支えるモータケーシング49のスポーク49aを利用して駆動手段47を設けたことなどによる構成の簡素化とか作業性が良いことなど共通である。
【0035】
しかるに、特に本実施例ではリード46をクランク状に形成して、その延出端部に直接電子部品51a,51bを実装して駆動手段47を構成したもので、構成簡単にしてコンパクト化ができ、更にはリード46の先端部をコネクタ52としても兼用できる構成としているので、よりコンパクトに構成でき部品点数も低減した簡易な構成を提供できる。
尚、上記リード46上に搭載した駆動手段47の形成と、その他端たる基端部側の端子台48の形成とは、いずれから形成しても良く、例えば、リード46に駆動手段47を構成してモールド成形した後、端子台48を形成するようにしても良い。
【0036】
(第3の実施の形態)
図7は、本発明の第3実施例を示した要部を分解した断面図である。
以下、上記第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる点を中心に述べる。概述すると、上記第1実施例ではリード34を有する端子台31をステータ21のモールド材32にて同時にモールド成形した構成であるのに対し、本実施例ではリード56をモータケーシング57の成形時にインサート成形する構成としたもので、これ以外は実質的に共通である。
【0037】
以下、図7を参照して具体的に述べると、モータ55としては、第1実施例と同じくアウターロータ形のDCブラシレスモータを構成するものであって、斯かるモータ55のステータ21を構成するステータコア21aおよび3巻線方式によるコイル20をモールド成形する際、各コイル20端と接続した3本の接続ピン33(1本のみ図示)を軸方向にモールド材32から突出して植設した状態に同時成形する。
【0038】
一方、上記接続ピン33と電気的に接続される各リード56(1個のみ図示)は、モータケーシング57の成形と同時にインサート成形される。即ち、モータケーシング57は、4本のスポーク57a〜57d(2本のみ図示)とともにPBT樹脂により成形され、そしてリード56は、図示するように第1実施例と同様にほぼL字状をなし、接続孔56aを有する基端部を径方向に延出してスポーク57a部位に達した位置で軸方向後方に向けて折曲され、その折曲端部はスポーク57aの溝状部58内に突出状態に成形される。
【0039】
このようにモータケーシング57にインサート成形されたリード56は、斯かるモータケーシング57をステータ21側に組込むことにより、コイル20と接続された接続ピン33の突出端部がリード56の接続孔56aに挿入され、次いで半田付け等にて接続固定される。そして、後部軸受組立19をステータ21の中心に圧送するようにしてモータケーシングの円筒状部58eに宛がうように組立てた後、上記したリード56の先端部に第1実施例と同様に駆動手段17の回路基板36が接続される。従って、この駆動手段17がスポーク57aの内方に配設された後、その溝状部58の開放側を図示しないポッティング材で充填し、併せて電源に接続されるコネクタ40もポッティングして埋設固定する。
【0040】
このように構成された本実施例によれば、次のような効果を有する。
まず、ファンモータを構成するモータ55は、上記第1実施例と同様にアウターロータ形のDCブラシレスモータとして、および図示しない冷蔵庫に採用するに当って薄型化などによる種々の効果を有するとともに、モータ55を支えるモータケーシング57のスポーク57aを利用して駆動手段17を設けたことなどによる構成の簡素化とか作業性が良いことなど共通に有する。
【0041】
しかるに、特に本実施例ではリード56をモータケーシング57の成形時に一体化して設けたので、簡単確実に製作できるとともに、斯かるモータケーシング57のスポーク57aに装着される駆動手段17との位置決めが正確に得られて、リード56との接続作業も容易にできて組立精度の向上も期待できるなど、効率良く組立てることができる。
【0042】
また、コイル20と電気的に接続して外部に導出されたL字状に曲成したリード56は、モータケーシング57と一体化されているが、軸方向に後部軸受組立19を移動したり特殊構造に変更する必要もなく、或はモータケーシング57にしても特別に大型化することなくインサート成形ができ、以って本実施例においても第1実施例と同様に、特に軸方向に対し厚くすることなく、この種ファンモータの薄型化に一層寄与できる。
尚、本発明は、上記し且つ図面に示した上記実施例に限定されるものではなく、例えば上記各実施例を適宜組合わせて実施することも可能であるなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて設計的に種々変更して実施できるものである。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上の説明から明らかなように、外周囲にファン部を備えたモータを有し、このモータを回転駆動するための駆動手段を、該モータを支持するモータケーシングのスポーク内に断熱層を介して配設したものである。
これにより、モータのコイルへの通電制御を行う駆動手段は、モータケーシングのスポークを利用して設けているので、長いリード線を用いたりすることなくコンパクトに装備できて、取扱い性も良好で組立作業が効率良く行えるとともに、断熱層を介して設けているので駆動手段が発熱性の電子部品を有していても、外部への熱伝達を抑えることができ、従って、冷蔵庫のファンモータとして採用した場合には、空気(冷気)に対する無用な温度上昇を回避できるなど、実用的効果を有するファンモータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示し、図2のA−O−A線に沿って切断して示す断面図
【図2】全体の背面図
【図3】背面側から見た全体の斜視図
【図4】冷蔵庫の概略構成を示す断面図
【図5】本発明の第2実施例を示し、図6のB−O−B線に沿って切断して示す断面図
【図6】図2相当図
【図7】本発明の第3実施例を示す要部を分解した断面図
【図8】従来例を示す図4相当図
【符号の説明】
11は冷蔵庫、13は冷蔵室、15,45,55はモータ、16は蒸発器、17,47は駆動手段、18,49,57はモータケーシング、18a,49a,57aはスポーク、19は後部軸受組立、20はコイル、21はステータ、23はモータ軸、24はロータ(アウターロータ)、26はファン部、31,48は端子台、33は接続ピン、34,46,56はリード、36は回路基板、37a,37b,51a,51bは電子部品、38は空間(断熱層)、および40,52はコネクタを示す。

Claims (4)

  1. 外周囲にファン部を備えたモータと、該モータを複数のスポークを介して支持するモータケーシングと、前記モータを回転駆動する駆動手段とを有し、
    前記駆動手段は、前記スポーク内に断熱層を介して設けたことを特徴とするファンモータ。
  2. 一端がモータのコイルと電気的に接続されたリードを有し、その他端をスポーク部位に延出して、該リード上に駆動手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のファンモータ。
  3. モータのコイルと駆動手段とを電気的に接続されたリードを有し、該リードはモータケーシングに一体に埋設したことを特徴とする請求項1記載のファンモータ。
  4. コイルと接続されたリードは、該コイルと接続した基端部を径方向に延ばした後、軸方向に折曲し、その折曲端部を駆動手段と電気的に接続したことを特徴とする請求項または記載のファンモータ。
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