JP3734127B2 - 圧電振動子及び圧電発振器とこれに用いる圧電振動素子の製造方法 - Google Patents

圧電振動子及び圧電発振器とこれに用いる圧電振動素子の製造方法

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JP3734127B2 JP25903998A JP25903998A JP3734127B2 JP 3734127 B2 JP3734127 B2 JP 3734127B2 JP 25903998 A JP25903998 A JP 25903998A JP 25903998 A JP25903998 A JP 25903998A JP 3734127 B2 JP3734127 B2 JP 3734127B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電材料を利用して構成する圧電振動素子ならびにその製造方法の改良と圧電振動素子を用いた圧電振動子及び圧電発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水晶等の薄板片でなる圧電材料の表面に形成した励振電極を介して駆動電流を印加することにより、所定の周波数を得る圧電振動子は、例えば図16に示すように構成されている。
【0003】
圧電振動子1は、図16に示すように、例えば水晶等の圧電材料でなる薄板に複数の励振電極4,5を形成した圧電振動素子2にプラグ3を接続し、封止部材6で封止して構成されている。ここで、励振電極5は図16において圧電振動素子2の裏側に設けられている。
【0004】
このような圧電振動子1を製造する際に、上記圧電振動素子2を形成するためには、図17に示すような手法が採用されている。
【0005】
先ず、水晶の原石を切断して所定の処理を経て、固有振動数をもつ水晶振動片7を得る。この水晶振動片7の表面に所定の励振電極を形成するために、マスクを用いた蒸着工程を行う。図17は蒸着工程におけるマスク構成を示す分解斜視図である。
【0006】
水晶振動片7を図17に示すような上側と下側との分離した金属マスクに収容する。すなわち、水晶振動片7を顕微鏡下で下側マスク9に収容し、その上に、顕微鏡を用いて位置合わせをしながら、上側マスク8を配置する。この状態にて、例えばクロム層と金層等でなる金属膜を蒸着により成膜して、励振電極を形成する。
【0007】
図18は、図17のP−P線方向の概略部分断面図である。図示されているように、マスク8及び9の内側には、所定の成膜を行うための気体金属を導く複雑な隙間でなる進入経路が形成されており、気体金属は矢印に示すようにマスク内を通って露出された水晶片の表面に金属膜を成膜することになる。これにより、図19に示すような電極部4,5を有する圧電振動素子2が形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような圧電振動子1が搭載されるコンピュータや携帯電話装置等の電子機器は、高性能化及び小型化が進んでおり、このため、圧電振動子1もできるだけ小型に形成する必要がある。
【0009】
このため、水晶振動片7も小さなものが使用されることから、上述のような顕微鏡によるマスクの位置合わせだけでは不十分となり、水晶振動片7の主電極4,5の外形に対する相対的位置ずれが大きく生じることがある。この場合、外形形状が小さいので、僅かな位置ずれでもスプリアス等の不具合が発生する。
【0010】
また、上述のような下側金属マスク9に、このようなきわめて小さい水晶振動片7をセットする場合に、取扱いが困難で、場合によっては欠けが生じてしまうことがある。
【0011】
さらに、マスクにゴミ等が付着していると、水晶振動片7を汚染することになり、これらを原因として、製品の性能の低下をきたす場合がある。
【0012】
特に、水晶振動片7が小さくなると、図19に示すように、水晶振動片7の側面に側面電極5a,4aを精度良く形成することは困難となり、これらを分離する部分2aが小さくなって、ショートしやすいという問題が生じる。
【0013】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、圧電振動片の製造が容易で、小型化しても性能が低下することがない圧電振動素子の製造方法と、このような製造方法による圧電振動素子を用いた圧電振動子と圧電発振器を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明によれば、圧電材料でなるウエハを形成し、このウエハからフォトリソグラフィにより同時に複数の圧電振動片を形成し、各圧電振動片に対してフォトリソグラフィにより、該圧電振動片の表面と裏面にそれぞれ主電極と、各主電極と隣接した側面に、各々の主電極とのみ接続された各側面電極とを形成する圧電振動素子の製造方法であって、前記ウエハからフォトリソグラフィにより同時に複数の圧電振動片を形成する際に、各圧電振動片に関して、この圧電振動片とウエハとをつなぐ連結部を、少なくとも該連結部の表面及び裏面には電極が形成されないようにして、互いに隣接する前記各側面電極どうしの間に一つ以上形成し、前記複数の電極形成後に前記連結部を折り取ることによりウエハから圧電振動素子を切除するとともに、前記連結部が折り取られることによる折取り残部によって前記複数の前記各側面電極を互いに電気的に分離することを特徴とする圧電振動素子の製造方法により、達成される。
【0015】
請求項1の構成によれば、圧電材料のウエハからフォトリソグラフィにより、圧電振動片を複数同時に形成し、しかも電極形成工程もフォトリソグラフィにより行うことから、きわめて小さな圧電振動片をつくる場合にも、同時に複数の振動片が精密に製造できる。また、圧電振動片の表面に形成される電極も、その形成の際に、従来のような顕微鏡を用いた面倒な位置合わせを行わなくて済むし、蒸着等の場合に比べて、精密に電極を形成することができる。さらに、この際に、圧電振動片とウエハとをつなぐ連結部を前記複数の各側面電極の間に一つ以上形成しているから、各側面電極間は確実に電気的に分離される。
【0016】
尚、以下の説明において、「圧電振動片」とは例えば水晶等の圧電材料を圧電効果によって振動させるために、電極等を形成する途中のものを指し、「圧電振動素子」とは、圧電振動片がこの電極形成工程をおえて素子として完成したものを指すこととする。
【0019】
請求項の発明は、請求項1の構成において、前記圧電振動片に形成される複数の電極部のうち主電極部に対応した圧電材料の厚みを薄く形成する工程を含むものである。
【0020】
請求項2の構成によれば、圧電振動片の主電極部に対応した箇所が薄く構成されるので、基本波で高い周波数の圧電振動片を形成できる。
【0021】
請求項3の発明は、請求項1又は2の構成において、前記圧電振動片とウエハとをつなぐ連結部の一部の厚みを薄く形成することにより、分離部を形成するようにしている。
【0022】
請求項の構成によれば、この分離部は構造的に弱い部分となるから、この部分にて容易に折り取ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、本実施形態の圧電振動素子を形成するための最初の工程を示している。
【0028】
図において、ウエハ10は、圧電材料として例えば水晶原石を所定の板厚に切り出して研磨することにより構成した水晶ウエハである。
【0029】
この水晶ウエハ10には、図示されているように圧電振動片12がフォトリソグラフィの手法により、縦横に並ぶように多数同時に形成される。
【0030】
図2は、上記水晶ウエハ10に多数形成された圧電振動素子11が、水晶ウエハ10から分離されていない状態における、ひとつの圧電振動素子11を示しており、図3は、水晶ウエハ10から分離されたひとつの圧電振動素子11を示している。
【0031】
先ず、図3を参照して、第1の実施形態にかかる圧電振動素子の構成を説明する。圧電振動素子11は、後述するようにして圧電材料,例えば水晶ウエハ10からフォトリソグラフィにより、図示されているように、長方形の板状に形成した振動片12の表面に励振電極13を形成し、裏面側には他の励振電極14を形成したものである。これらの複数の励振電極13,14は、それぞれ側面電極13a,14aを備えており、これら側面電極13a,14aは、後述するように、ウエハ10から切除分離されるときにできる折取り残部15aにより、電気的に確実に分離されている。尚、15b,15cも別の折取り残部である。
【0032】
次に、圧電振動素子11の製造方法の実施形態を図4及び図5を参照して説明する。
【0033】
図4は、図1のウエハを加工して、個々の圧電振動片を形成する外形加工までの工程を示しており、図4の(a)は、図2のA−A線断面図、図4の(b)は、図2のB−B線断面図、図4の(c)は、図2のC−C線断面図である。
【0034】
先ず、(1)の工程では、ウエハ10の両面にスパッタリングや蒸着等の手法により、例えばCr(下層)とAu(上層)とによる二層の耐食膜16を被膜する。次に(2)の工程にて、耐食膜16の上にレジスト17を例えばスピンコートにより塗布する。そして、(3)の工程では、フォトマスクを用いて、図2に示すように、ウエハ10から形成される多数の水晶振動片12を形作る外形を各振動片について同時に露光し、現像する。このとき、特に重要なのは、図2に示す3つの連結部15の形状に対応してフォトマスクを形成することである。ここで、3つの各連結部は、異なる電極の間に配置されるようにする。(4)の工程では、レジスト17が除去された箇所の耐食膜16をとりさることにより、腐食すべき領域を露出させる。次に、(6)の工程において、腐食液として、例えば緩衝フッ酸等をもちいて、露出部分をエッチング加工することにより、図2の斜視図に示すように、ウエハ10と、細い連結部15でつながれた状態の圧電振動片としての水晶振動片12の外形を形成する。
【0035】
図5は、上述の工程に続き圧電振動片の表面に、必要な励振電極を形成する工程を示しており、その(a),(b),(c)の関係は図4と同じである。
【0036】
図において、(7)の工程は、耐食膜16を全て取り去って、水晶を露出した状態を示している。そして、(8)の工程では、各水晶振動片12の表面に導電材料,例えばAuとCrによる耐食膜16をスパッタリングや蒸着等の手法により被膜する。(9)の工程では、上記耐食膜16の上にレジスト17をスプレー等により塗布している。次に(10)の工程では、図2に示す斜線部分に対応した形状に対応したフォトマスクを配置して、露光し、現像する。そして、(11)の工程では感光しなかった箇所の耐食膜16を取り去る。そして、(12)の工程で、レジスト17を取り去ると、耐食膜16が残る。この耐食膜16は、Au(上層)とCr(下層)で構成されているから、そのまま励振電極として残ることになる。次いで(13)の工程にて、連結部15を折取って、図3に示す圧電振動素子11が完成する。したがって、折取り残部15a,15b,15cは、圧電振動片とウエハとを一体に接続していた連結部15を折った残りの部分であるから、その破断面には、電極部は存在しないので、この折取り残部15a,15b,15cを介して隣り合う電極部は必ず電気的に分離されることになる。このように、図3の圧電振動素子11では、その製造工程において、水晶等の圧電材料のウエハ10からフォトリソグラフィにより、圧電振動片12を複数同時に形成し、しかも電極形成工程もフォトリソグラフィにより行うことから、きわめて小さな圧電振動片をつくる場合にも、同時に多数の振動片12が精密に製造できる。また、圧電振動片12の表裏面に形成される電極13,14も、その形成の際に、従来のように、面倒なマスクの位置合わせを行わなくて済むし、金属マスクを用いて蒸着等により電極を形成する場合に比べて、精度よく電極を形成することができる。さらに、この際に、圧電振動片12とウエハとをつなぐ連結部15を、前記複数の電極の互いに隣接する電極の間に一つ以上形成しているから、各電極どうしは、確実に電気的に分離される。このため、電極13,14がどんなに小さくても、互いに短絡されることがないので、その分性能面で安定して動作させることができる。
【0037】
図6ないし図9は、第2の実施形態にかかる圧電振動素子の構成と製造方法を示している。
【0038】
図6は第1の実施形態の図2に対応した図であって、圧電振動素子21がウエハ10と分離される前の状態を示しており、図7は、分離後の状態を示している。
【0039】
尚、これらの図において、第1の実施形態と同一の構成でなる部分は同一の符号を付して重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0040】
先ず、図7を参照すると、圧電振動素子21は、第1の実施形態と同様に、例えば水晶ウエハ10からフォトリソグラフィにより、図示されているように、圧電振動片22の表面に、励振電極23を、裏面に励振電極24を形成したものである。複数の励振電極23,24は、側面電極23a,24aを備えており、これら側面電極23a,24aは、後述するように、ウエハ10から切除分離されるときにできる折取り残部25aにより、電気的に確実に分離されている。尚、25b,25cも別の折取り残部である。
【0041】
さらに、図6及び図7に示すように、圧電振動片22は、後述するような製造工程によって、その中央,すなわち、主電極23を形成した領域付近22aの材料厚みを薄く形成しており、さらにその周囲を囲むように材料厚みを厚くした周縁部22bを備えている。
【0042】
このため、圧電振動素子21(圧電振動片22)では、第1の実施形態における作用効果に加えて、さらに、その中央部22aを薄くしたことにより、より高周波発振が可能となっている。また、周縁部22bの材料厚みが中央部22aより厚くされていることにより、必要な剛性を備えるようにされている。
【0043】
具体的には、基本波で高い周波数の圧電振動片を得ようとすると、振動片の厚みが薄くなり、極端に薄くすると取扱いができなくなる。しかしながら、この圧電振動片22では、中央部22aを薄くして、高い基本波に対応させつつ、周縁部22bの材料厚みを厚くすることにより、取扱いを容易にする剛性を備えるようにしたものである。
【0044】
また、この圧電振動片22とウエハ10とをつなぐ各連結部25,25,25は、その一部の厚みを薄くすることにより形成された薄肉部26,26,26を備えている。これにより、ウエハ10から圧電振動素子21を折取るさいに、この薄肉部26,26,26に応力が集中して折取りが容易となるようにされている。尚、この薄肉部26,26,26は、図示されているような薄肉段部ではなくても、周囲の材料より肉厚を薄くすればどのような形態でもよい。
【0045】
第2の実施形態による圧電振動素子21は以上のように構成されており、次に図8及び図9を参照してその製造方法の一例を説明する。
【0046】
図8の工程(1)から工程(5)までは、第1の実施形態の製造方法である図4の工程(5)までと同様である。
【0047】
この実施形態では、工程(6)において、さらにフォトレジストを塗布し、工程(7)において、圧電振動片22の薄肉に形成すべき箇所(薄型部)を露光するように、これに対応したフォトマスクを配置して露光する。この薄肉に形成すべき箇所は、図6の中央部22aと連結部25,25,25の薄肉部26,26,26に対応する部分である。そして感光した部分のレジストを剥離する。次に工程(8)では、先の工程(4)で耐食膜を剥離して露出させた圧電材料,この場合、水晶部分をエッチングにより取り去ると、圧電振動片22の外形ができあがる。この状態ではまだ薄肉部はできていない。
【0048】
次いで図9の工程(9)にて、上記工程(7)にて感光した部分の耐食膜16を除去し、工程(10)にて、レジスト17を剥離する。そして、工程(11)にて、上記中央部22aと連結部25,25,25の薄肉部26,26,26に対応する部分をエッチングする。この際、圧電振動片22の周縁部の厚みは、強度を確保するためには0.1mm以上が望ましい。中央部22aは、市場から要求されている基本波での40MHz以上を満足する0.04mm以下が望ましい。好ましくは、100MHz以上を満足する0.016mm以下が望ましい。
【0049】
次に、工程(12)では、耐食膜16を除去すると、圧電振動片22の形状が完成する。次に、これに励振電極を形成する。このため、工程(13)では、先ず耐食膜16を被膜する。次に工程(14)にてフォトレジストをスプレー等により塗布する。次いで、工程(15)にて、励振電極の形状にそったフォトマスクを配置して、露光する。そして、工程(16)では、感光した箇所の耐食膜16を剥離すると、この耐食膜16にて、励振電極が形成される。つまり、この耐食膜16は、Au(上層)とCr(下層)で構成されているから、そのまま励振電極として残ることになる。
【0050】
次いで、工程(17)では、レジスト17を除去し、図6に示した状態となり、この状態では、圧電振動素子21はまだウエハ10と連結部25,25,25にて接続されている。最後に、工程(18)にて、連結部25,25,25の各薄肉部26,26,26を折取り、圧電振動素子21をウエハ10から切除して、個々の圧電振動素子21を得ることができる。
【0051】
このように、上述の製造方法によれば、量産性や製品精度等の点において、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮するとともに、各薄肉部22a及び26,26,26を水晶等の圧電材料のウエハ10からフォトリソグラフィにより製造できるので、第1の実施形態より、上述した点においてさらに優れた圧電振動素子21を容易に製造することができる。
【0052】
図10及び図11は、圧電振動素子の第3の実施形態を示している。
【0053】
これらの図において、圧電振動素子31は、第1及び第2の実施形態と同様に、図10に示すように一枚のウエハ10から、フォトリソグラフィにより、同時に多数形成することができる。そして、図11に示すように、2つの連結部35,35を折取ることにより完成する。
【0054】
図11において、圧電振動素子31は、例えば水晶等の圧電材料でなる圧電振動片32の表面に、励振電極33を裏面に励振電極34を形成したものである。この圧電振動素子31が第1の実施形態と異なるのは、主電極となる電極33を圧電振動片32の上面のほぼ全面に形成した点である。この主電極33は、圧電振動片32のひとつの側面にも側面電極33aとして連続して形成されている。これに対して、他方の電極34は、圧電振動片32の裏面と上記側面電極33aとは異なる側面に形成されている。そして、この主電極33ならびに側面電極33aと、他方の主電極34ならびに側面電極34aとは、図10に示されているように、製造工程において、連結部35にて電気的に分離されている。この連結部35を折り取った図11の状態においては、折取り残部35aが、主電極33と他の主電極34とを電気的に分離するようになっている。
【0055】
したがって、この圧電振動素子31は、第1の実施形態にて説明した圧電振動素子11と相違する箇所は、主電極33が圧電振動片32の上面のほぼ全面に形成されている点と、連結部35を2つ備えていて、3つではない点である。
【0056】
このため、第3の実施形態の圧電振動素子31は、第1の実施形態の圧電振動素子11とほぼ同様の製造工程によって製造することができる。また、圧電振動素子31は、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮するとともに、これに加えて、主電極33を広くとることができることから、その分効率良く圧電振動片32を駆動することができる。しかも、圧電振動片32がきわめて小型に構成される場合は電極間の短絡が一般的には課題となるが、本実施形態では、特に確実な電気的分離を必要とする側面の電極どうしを折取り残部35aが確実に区分し、電気的に分離することができるので、電極どうしの短絡が生じる心配がなく、小型の圧電振動素子31をきわめて安定的に製造することができる。
【0057】
図12は、上述の各実施形態による圧電振動素子11,21,31を利用した圧電振動子の構成例を示している。
【0058】
図において、圧電振動子41は、圧電振動素子11,21,31(いずれかひとつ)に対して、外部リードを備えたプラグ3を電気的に接続して取付け、圧電振動素子11,21,31を封止部材6により封止して構成されている。
【0059】
これにより、圧電振動子41では、これに使用する圧電振動素子を上述の各実施形態により提供されるものを使用することによって、全体を小型に精度よく、多量に歩留り良く形成することができる。
【0060】
図13は、上述の各実施形態による圧電振動素子11,21,31を利用した圧電発振器の構成例を示している。
【0061】
図において、圧電発振器51は、先ず、セラミック製の基板52上に所定の導電パターン(図示せず)を形成して、そのダイパターン上に集積回路53がダイボンディングされ、かつ各端子がワイヤボンディングされることにより、実装されている。この基板52上または図示しない支持台を介して、上述した圧電振動素子11,21,31(いずれかひとつ)が、導電性接着剤55により固定されている。さらに、この圧電振動素子11,21,31(いずれかひとつ)は、シールリング56を介して、キャップ54により封止されている。
【0062】
このような構成の圧電発振器51では、これに使用する圧電振動素子を上述の各実施形態により提供されるものを使用することによって、全体を小型に精度よく、多量に歩留り良く形成することができる。
【0063】
図14は、図12にて説明した圧電振動子を変形したもので、第3の実施形態にかかる圧電振動素子31の内部構造を示す概略斜視図である。
【0064】
この圧電振動子61に取り付けられる圧電振動素子31は、図10及び図11にて説明したものと共通していて、同一の符号を付した箇所は同じ構成であるから重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0065】
圧電振動子61のプラグ63は、内側にて平行に配置された2本のインナーリード64と65を備えている。このインナーリード64と65の間隔は、圧電振動素子31の幅方向の大きさより僅かに大きく形成されている。
【0066】
これにより、各インナーリード64と65は、圧電振動素子31の各側面電極33aと34aに対して、外側から接触するように取付けられるようになっている。
【0067】
したがって、この圧電振動子61では、圧電振動素子31の各側面電極33aと34aを利用してプラグ63との接続を行うようにしたので、圧電振動片32の上面の全面に主電極33を、下面の全面に主電極34を広く形成することができる。このため、効率良く圧電振動片32を駆動することができるものである。尚、図14の構成に図12の封止部材6を装着すれば、圧電振動子61を完成することができる。
【0068】
図15は、図13にて説明した圧電発振器を変形したもので、第3の実施形態にかかる圧電振動素子31を利用した圧電発振器の内部構造を示す概略斜視図である。
【0069】
この圧電発振器75に取り付けられる圧電振動素子31は、図10及び図11にて説明したものと共通していて、この実施形態の圧電発振器の図13と同一の符号を付した箇所は同じ構成であるから重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0070】
図15の構成では、圧電振動素子31の支持構造が図13の場合と異なっている。すなわち、セラミック製の基板52内の内部空間には、その各側縁部には、段部52a,52aが形成されている。各段部52a,52aには図示しない導電パターンにより電極部が形成されており、これら電極部上には、導電性の接続部材71,71が配置されるようになっている。これらの接続部材71,71としては、例えば導電性接着剤や半田等が用いられる。
【0071】
そして、この接続部材71,71は、上記電極部と、圧電振動素子31の側面電極33a,34aに接触して固化されており、さらに、圧電振動素子31全体を上記段部52a,52aより高い位置に保持している。つまり、圧電振動素子31は、接続部材71,71により、両側面にて浮いた状態で支持されている。また、圧電振動素子31の下方に設けた内部空間には、図示しない集積回路が実装されている。
【0072】
この状態で、基板52の上部開口を平板な蓋体もしくはキャップにて封止するようになっている。
【0073】
以上の構成によれば、本実施形態は、図13の圧電発振器と同じ作用効果を発揮するとともに、さらに、これに加えて、圧電振動素子31が持ち支持構造ではなく、その中央付近を両側面から支持されて駆動されるようになっているので、安定した支持構造となる。このため、部材間の熱膨張率の差や接続部材71の応力変化に起因する周波数変化等を生じにくく安定した性能を得ることができる。また、圧電振動素子31のほぼ中央付近を支持する構造であるから、衝撃が加わった場合にも、圧電振動素子31の端部付近の変移量は、持ち支持構造と比べると小さくなり、破壊される可能性も低くなる。
【0074】
尚、図15における圧電振動素子31の持ち支持構造は、上述の圧電発振器だけでなく、薄型の圧電振動子にもほぼそのまま適用することができる。この場合には、段部52a,52aは不要であり、基板52の内側上面に隅部に上記接続部材71,71を配置すればよい。また、集積回路も必要ないので、その分基板52内の内部空間が少なくて済み、薄型となる。
【0075】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1の発明によれば、きわめて小さな圧電振動素子をつくる場合にも、同時に多数が精密に製造でき、しかもきわめて小さな材料に形成する複数の電極を確実に電気的に分離させることができる優れた圧電振動素子を提供することができる。
【0076】
請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加えて、圧電振動片の側面に電極を形成する場合にも、この電極が微細な形状であっても、精密に形成できる。
【0077】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の効果に加えて、圧電振動片の主電極部に対応した箇所が薄く構成されるので、高い領域の周波数を安定して発振させることができる。
【0078】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3の効果に加えて、前記圧電振動片とウエハとをつなぐ連結部の一部の厚みを薄く形成することにより、この分離部は構造的に弱い部分となるから、この部分にて容易に折取ることができ、これにより、多数形成した圧電振動素子をウエハから容易に分離することができる。
【0079】
る。
【0080】
また、請求項5の発明によれば、この圧電振動子は、電極間の短絡を生じることがなく、安定した性能を発揮することができる。
【0081】
さらにまた、請求項6の発明においても、この圧電発振器は、電極間の短絡を生じることがなく、安定した性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による圧電振動素子の製造工程において、ウエハに多数の圧電振動片を形成した状態を示す概略斜視図である。
【図2】 図1の実施形態におけるウエハとひとつの圧電振動片の状態を示す概略斜視図である。
【図3】 第1の実施形態の圧電振動素子の構成を示す概略斜視図である。
【図4】 第1の実施形態の圧電振動素子の製造工程の一部を示す工程図である。
【図5】 第1の実施形態の圧電振動素子の製造工程の一部を示す工程図である。
【図6】 第2の実施形態におけるウエハとひとつの圧電振動片の状態を示す概略斜視図である。
【図7】 第2の実施形態の圧電振動素子の構成を示す概略斜視図である。
【図8】 第2の実施形態の圧電振動素子の製造工程の一部を示す工程図である。
【図9】 第2の実施形態の圧電振動素子の製造工程の一部を示す工程図である。
【図10】 第3の実施形態におけるウエハとひとつの圧電振動片の状態を示す概略斜視図である。
【図11】 第3の実施形態の圧電振動素子の構成を示す概略斜視図である。
【図12】 本発明の圧電振動素子を用いた圧電振動子の実施形態を示す概略分解斜視図である。
【図13】 本発明の圧電振動素子を用いた圧電発振器の実施形態を示す概略断面図である。
【図14】 本発明の圧電振動素子を用いた圧電振動子の他の実施形態を示す概略斜視図である。
【図15】 本発明の圧電振動素子を用いた圧電発振器の別の構成の一部を示す概略断面図である。
【図16】 従来の圧電振動子の構造を示す図である。
【図17】 図16の圧電振動子の圧電振動素子の製造工程に使用される金属マスクの説明図である。
【図18】 図16の圧電振動素子の製造工程における金属マスクを用いた蒸着工程の概略説明図である。
【図19】 図17の蒸着法により電極を形成した圧電振動素子の概略構成図である。
【符号の説明】
10 (水晶)ウエハ
11,21,31 圧電振動素子
12,22,32 圧電振動片
13,23,33 励振電極
14,24,34 励振電極
15,25,35 連結部
16 耐食膜
17 フォトレジスト
41 圧電振動子
51 圧電発振器

Claims (3)

  1. 圧電材料でなるウエハを形成し、
    このウエハからフォトリソグラフィにより同時に複数の圧電振動片を形成し、
    各圧電振動片に対してフォトリソグラフィにより、該圧電振動片の表面と裏面にそれぞれ主電極と、各主電極と隣接した側面に、各々の主電極とのみ接続された各側面電極とを形成する圧電振動素子の製造方法であって、
    前記ウエハからフォトリソグラフィにより同時に複数の圧電振動片を形成する際に、各圧電振動片に関して、この圧電振動片とウエハとをつなぐ連結部を、少なくとも該連結部の表面及び裏面には電極が形成されないようにして、互いに隣接する前記各側面電極どうしの間に一つ以上形成し、
    前記複数の電極形成後に前記連結部を折り取ることによりウエハから圧電振動素子を切除するとともに、前記連結部が折り取られることによる折取り残部によって前記複数の前記各側面電極を互いに電気的に分離することを特徴とする圧電振動素子の製造方法。
  2. 前記圧電振動片に形成される複数の電極部のうち主電極部に対応した圧電材料の厚みを薄く形成する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の圧電振動素子の製造方法。
  3. 前記圧電振動片とウエハとをつなぐ連結部の一部の厚みを薄く形成することにより、分離部を形成することを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の圧電振動素子の製造方法。
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