JP3733772B2 - 場所打ち鋼管コンクリート杭とsrc柱との接合構造及びその接合方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋篭とこれに連結された鋼管とを坑内に挿入し、この坑内にコンクリートを充填して造成した場所打ち鋼管コンクリート杭と、鉄骨鉄筋コンクリート柱との接合構造及びその接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地震時におけるせん断抵抗性や曲げ抵抗性が鉄筋コンクリート杭より優れた場所打ち鋼管コンクリート杭において、鉄筋篭とこれに連結した鋼管とを坑内に挿入して場所打ちコンクリートを打設し、その上に上部構造物である鉄骨鉄筋コンクリート柱(以下、SRC柱という)を配設し、両者をフーチングにより一体的に接合して耐震性を高めた基礎構造物とする工法が最近注目されている。
【0003】
図16は従来の場所打ち鋼管コンクリート柱と、SRC柱との接合構造の一例を示す模式図である。図において、52は地中に掘削した坑(穴)、54は鉄筋を結束してなる鉄筋篭、55は鋼管で、その下部は複数の接続金具56を介して溶接により鉄筋篭54に接続されて一体化されている。57は鋼管55の上部に設けられ、後述のフーチングを接合するための複数の鉄筋である。
【0004】
このようにして一体化された鉄筋篭54と鋼管55は坑52内に挿入され、トレミー管などによりコンクリート58を投入して造成された場所打ちコンクリート杭53と、内外にコンクリート58,59が充填された鋼管55からなる場所打ち鋼管コンクリート杭51とが接合される。
【0005】
61は鉄骨柱62、その外周にセットされた鉄筋63及びこれらに打設されたコンクリート64からなるSRC柱で、フーチング60により場所打ち鋼管コンクリート杭51に接合される。なお、65はRC等からなる基礎梁である。
【0006】
このようなSRC柱61は、先ず、施工機械等により鉄骨柱62を吊下げて鋼管55の上方に配置し、その外周に鉄筋63を配筋する。そして、鋼管55の上部と鉄筋63を含む鉄骨柱62の下部との間にコンクリートを打設してフーチング60を造成し、鋼管55と鉄骨柱62を接合する。ついで、鉄筋63を含む鉄骨柱62にコンクリートを打設すれば、場所打ち鋼管コンクリート杭51とSRC柱61との接合が完了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来技術においては、場所打ち鋼管コンクリート杭51とSRC柱とはフーチング60を介して接合されているため、場所打ち鋼管コンクリート杭51とSRC柱61間の応力の伝達機構が明確ではなかった。
【0008】
また、上記のような従来の場所打ち鋼管コンクリート杭51においては、場所打ちコンクリート杭53から鋼管55の上端部までコンクリート58を充填した際、鋼管55の上部及びその近傍には、泥水あるいはコンクリート58と泥水が混り合ったスライムなど、コンクリートにとって好ましくない不純物が含まれた品質の悪いコンクリート(以下、不良コンクリートという)が存在する。
【0009】
そのため、コンクリート58の固化後に、鋼管55の上部の深さ1m程度のコンクリートを除去していた。この作業を一般に杭頭処理と呼んでいる。このような杭頭処理は非常に大きな労力と時間が必要とするばかりでなく、コンクリートを除去する際に鋼管55を損傷したり、鋼管55の内面に付着した不良コンクリートの除去が不完全なために、鉄骨柱62等を配置したのちフーチングを構成するために打設するコンクリートと鋼管55との付着性が悪いなどの問題があった。
【0010】
さらに、鉄筋篭54と鋼管55を接合金具56を介して溶接により接続し、また、フーチング60と接合するための鉄筋57を鋼管55の上部に溶接により接合しているが、このような溶接作業は工事現場で行うために、工事現場に溶接装置を搬入しなければならず、また溶接に多くの労力と時間を要していた。
このように、従来の場所打ち鋼管コンクリート杭51とSRC柱61との接合構造においては、両者間の応力の伝達機構が明確ではなく、また、施工にあたっては多くの労力と時間を要し、このためコストの上昇と工期の長期化は避けられなかった。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、杭頭処理及びフーチングを省略し、SRC柱を構成する鉄筋柱の下部を場所打ち鋼管コンクリート杭の鋼管内に直接挿入して両者を接合することにより、両者間の応力の伝達機構を明確にし、また、場所打ち鋼管コンクリート杭の杭頭部を強化すると共に、鉄筋篭と鋼管との連結を簡略化することにより、労力と費用の低減及び工期の短縮をはかることのできる信頼性の高い場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合構造及びその接合方法を得ることを目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合構造は、鉄筋篭と該鉄筋篭に連結された鋼管とを坑内に挿入し該坑内にコンクリートを充填して造成した場所打ち鋼管コンクリート杭と、SRC柱との接合において、前記鋼管に、少なくとも杭頭部近傍の内壁にPCaコンクリートが設けられたPCaコンクリート鋼管を用い、該PCaコンクリート鋼管内に前記SRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入してコンクリートを充填したものである。
【0013】
(2)上記(1)のPCaコンクリート鋼管の先端部に、鉄筋篭と連結する複数の連結部材を設けた。
(3)上記(1)又は(2)のPCaコンクリート鋼管の杭頭部に、SRC柱の鉄筋と連結する複数の連結部材を設けた。
(4)上記(1),(2)又は(3)のPCaコンクリート鋼管の先端部に、先端開口部を開閉する開閉手段を設けた。
【0014】
(5)また、本発明に係る場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合方法は、鉄筋篭と該鉄筋篭に連結されたPCaコンクリート鋼管を坑内に挿入し、該坑内に前記PCaコンクリート鋼管の先端部近傍までコンクリートを充填する工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にSRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入し、該鉄骨柱に鉄筋をセットして該鉄筋と前記PCaコンクリート鋼管とを連結する工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にコンクリートを充填する工程とを備えたものである。
【0015】
さらに、本発明に係る場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合方法は、鉄筋篭と、少なくとも杭頭部近傍の内壁にPCaコンクリートが設けられたPCaコンクリート鋼管に設けた下部連結部材とを固縛等により連結して坑内に挿入する工程と、前記PCaコンクリート鋼管の杭頭部から前記鉄筋篭内にトレミー管を挿入し、該トレミー管を徐々に引上げながら坑内にコンクリートを投入する工程と、前記坑内に投入されたコンクリートのレベルが前記PCaコンクリート鋼管の先端部近傍に達したときはコンクリートの投入を中止して前記トレミー管を引上げると共に、前記PCaコンクリート鋼管の先端開口部を閉じる工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にSRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入して該鉄骨柱に鉄筋をセットし、該鉄筋と前記PCaコンクリート鋼管に設けた上部連結部材とを固縛等により連結する工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にコンクリートを充填する工程とを備えたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接続構造の説明図である。図において、3は地中に造成された場所打ちコンクリート杭で、4は縦筋4aと帯筋4bとからなる鉄筋篭、1は場所打ちコンクリート杭3の上部に一体的に接合された場所打ち鋼管コンクリート杭で、5は鉄筋篭4と一体化されたプレキャストコンクリート鋼管(以下、PCaコンクリート鋼管という)である。31は鉄骨柱31の先端部がPCaコンクリート鋼管5内に挿入され、場所打ち鋼管コンクリート杭1と一体に接合されたSRC柱である。
【0017】
PCaコンクリート鋼管5の一例を図2に示す。7は鋼管6の杭頭部近傍の内壁面に設けられたPCaコンクリートで、例えば鉄筋からなる複数(図には2本だけ示してある)の上部連結部材9が埋込まれて上方に突出している。
このPCaコンクリート鋼管5は、例えば、図3(a)に示すように、鋼管6の杭頭部近傍の内周に、上部連結部材9を構成する鉄筋及び帯筋を兼ねた杭頭部補強材9aを配設し、その内側にコンクリートの抜け出しを防止するフランジ29を備えた型枠28をセットする。そして、図3(b)に示すように、鋼管6を上下逆にして鋼管6の内壁と型枠21との間にコンクリートを流し込み、PCaコンクリート7を製造する。なお、PCaコンクリート7の製造方法はこれに限定するものではなく、遠心成型方法その他適宜の方法により製造することができる。
【0018】
再び図2において、10は中心部に開口部10aを有し、鋼管6の先端開口部8に溶接により取付けられた底板で、図4に示すように、開口部10aには、開閉手段である蓋板11がヒンジを介して開閉可能に設けられている。そして、底板10には、例えば鉄筋からなり、底板10を貫通して溶接され、下方に突出した複数(図には2本だけ示してある)の下部連結部材12が設けられている。なお、このようなPCaコンクリート鋼管5は、あらかじめ工場等で製造される。
【0019】
SRC柱31は、主体をなす鉄骨柱32、鉄骨柱32の外周にセットされた鉄筋34、及び鉄筋34を含む鉄骨柱32の周囲に打設されたコンクリート35等からなり、鉄骨柱32の先端部にはその断面より大きいベースプレート33が取付けられている。なお、40は坑2の上部に設置されたケーシングである。
【0020】
次に、図5、図6により、本実施の形態に係る場所打ち鋼管コンクリート杭1と場所打ちコンクリート杭3及びSRC柱31の接合方法の一例について説明する。
(1)鉄筋篭4の縦筋4aとPCaコンクリート鋼管5の下部連結部材12とを、図4(b)に示すように、針金等12aで固縛して両者を一体化し、図5(a)に示すように、地中に掘削した坑2内に挿入する。
鉄筋篭4とPCaコンクリート鋼管5の下部連結部材12との接続にあたっては、定着長を確保し、かつ外れない程度に針金等12aで固縛すればよく、溶接する必要がないのできわめて簡単である。
【0021】
(2)図5(b)に示すように、PCaコンクリート鋼管5の底板10に設けた蓋体11を開放し、PCaコンクリート鋼管5の杭頭部から開口部10aを介して鉄筋篭4内に、その先端部が、例えば、坑2の底部近傍に達するまでトレミー管45を挿入して坑2の底部を清掃し、ついで、坑2内に場所打ちコンクリート41を投入しながら除々に引上げる。
【0022】
(3)図5(c)に示すように、場所打ちコンクリート41が坑2内に充填されて、そのレベルがPCaコンクリート鋼管5の先端部近傍に達したときは、場所打ちコンクリート41の投入を中止してトレミー管45を引抜くと共に、蓋体11により底板10の開口部10aを閉塞する。
これにより、場所打ちコンクリート41はPCaコンクリート鋼管5の下部の坑2内に充填されて場所打ちコンクリート杭3が造成され、スライムなどを含む不良コンクリートの大部分はPCaコンクリート鋼管5の外周に周り込み、PCaコンクリート鋼管5内には侵入しない。
【0023】
(4)図6(a)に示すように、ケーシング40を除去し、施工機械等により鉄骨柱32を吊下げて、その先端部をPCaコンクリート鋼管5内に挿入する。このとき、鉄骨柱32の先端部がPCaコンクリート7の下端部の下方に達するまで挿入することが望ましい。
【0024】
(5)ついで、鉄骨柱32の外周に鉄筋34をセットし、その縦筋の先端部を、PCaコンクリート鋼管5の杭頭部に設けた上部連結部材9に針金等で固縛し、接続する。両者の接続は、定着長を確保し、かつ外れない程度に針金等で固縛すればよく、溶接する必要がないので、きわめて簡単である。この状態で鉄筋34の外周に型枠36をセットする。
【0025】
(6)図6(b)に示すように、PCaコンクリート鋼管5内及び型枠36内に充填コンクリート42を充填する。これにより、SRC柱31は場所打ち鋼管コンクリート杭1に一体に接合される。
(7)図6(c)に示すように、PCaコンクリート鋼管5の外周にコンクリート43を打設して型枠36を取外せば、施工を終了する。なお、鉄骨柱32を設置する段階(図5(c)の状態)で、PCaコンクリート鋼管5の外周にコンクリート43を打設してもよい。
【0026】
上記のように構成した本実施の形態においては、場所打ち鋼管コンクリート杭1を構成する鋼管に、PCaコンクリート鋼管5を用いたので、鋼管内に充填したコンクリートの高強度化をはかることができる。すなわち、工事現場で打設するコンクリートの品質は、外部環境条件によって左右され易いが、PCaコンクリート鋼管5は工場などで製造することができるので、高品質のPCaコンクリートを得ることができる。
【0027】
また、地震が発生したときは、図7に示すように、SRC柱31に水平力Fが加わり、この水平力Fにより、SRC柱31のPCaコンクリート鋼管5内への埋込部には、図示のような応力が発生する。そして、PCaコンクリート鋼管5の杭頭部近傍にはコンクリートを押圧する水平方向の力F1 が生じ、また、ベースプレート33には、コンクリートを持上げようとする力F2 が生じる。
しかしながら、本実施の形態においては、PCaコンクリート鋼管5の杭頭部近傍には高強度のPCaコンクリート7が設けられて強化されているので、これらの力F1,F2に十分対抗することができ、信頼性の高い接合構造を得ることができる。さらに、応力の伝達機構が明確になる。
【0028】
さらに、PCaコンクリート鋼管5内に不良コンクリートが侵入することがないので、杭頭処理を省略することができ、また、SRC柱31を直接場所打ち鋼管コンクリート杭1に接合するようにしたので、フーチングの造成を省略することができる。
【0029】
また、PCaコンクリート鋼管5の両端部にそれぞれ複数の下部連結部材12と上部連結部材9を設け、鉄筋篭4及びSRC柱31の鉄筋34とそれぞれ針金等で固縛して接続するようにしたので、工事現場で行う鉄筋組作業を大幅に簡素化することができ、これらにより労力及び時間を軽減してコストを低減できるばかりでなく、工期を大幅に短縮することができる。
【0030】
[実施の形態2]
図8は本発明の実施の形態2の要部をなすPCaコンクリート鋼管の説明図である。
図8(a)はPCaコンクリート鋼管5を構成する鋼管6の内壁の全長に亘ってPCaコンクリート7を設け、下部連結部材12をPCaのコンクリート7の下部に埋込んだもので、PCaコンクリート鋼管5を全長に亘って強化したものである。
【0031】
また、図8(b)は、図2で説明したPCaコンクリート鋼管5の杭頭部に、中心部に開口部14aを有するコンクリートのずれ止め板14を溶接により取付けたもので、杭頭部をさらに補強して、地震の際にSRC柱31のベースプレート33に作用するコンクリートを持ち上げようとする力F2 により、PCaコンクリート7が上方にずれるのを防止するようにしたものである。
【0032】
なお、図示してないが、図8(a)のPCaコンクリート鋼管5の杭頭部にもコンクリートのず止め板14を設けてもよい。また、図8(a)の上下の連結部材9,12、図8(b)の上部連結部材9にも、図3で説明したように、帯筋を兼ねた杭頭部補強部材9aを設ければ、杭頭部(及び鋼管6の下部)をより強化することができる。
【0033】
[実施の形態3]
本実施の形態は、図9〜図15によりPCaコンクリート鋼管5、特に、その底部の構造及び先端開口部の開閉手段の他の例を示すものである。
上述した実施の形態1においては、鋼管6の先端開口部8を中心部に開口部10aを有する平板状の底板10で閉塞し、この開口部10aを開閉する蓋板11を設けた場合を示したが、このように構成すると、スライムなどを含む不良コンクリートの一部が、底板10の下に滞留するおそれがある。
【0034】
そこで、図9(a)に示すように、鋼管6の先端部を逆截頭円錐状(漏斗状)に形成し、その先端開口部8を開閉する蓋板11を設けたものである。
このように構成したことにより、不良コンクリートは、図9(b)に矢印で示すように、鋼管6の下部の傾斜面に沿ってスムーズに上方に移動して鋼管6の外周に回り込むため、底部に滞留するおそれはほとんどない。
【0035】
図10(a)は、鋼管6の先端開口部8に開閉可能に設けた蓋板11と鋼管6との間にばね15を介装し、蓋板11に常時先端開口部8を閉塞する方向の付勢力を与えたものである。なお、図10〜図15には、鋼管6の先端部に設けた下部連結部材12は省略してある。
そして、鋼管6内にトレミー管45を挿入してその先端部が蓋板11に当って押圧すると、蓋板11は図10(b)に示すように、ばね15の付勢力に抗して矢印方向に回動して先端開口部8を開放するので、トレミー管45を容易に挿入することができる。
【0036】
トレミー管45を引上げると、蓋板11はばね15に付勢されて反矢印方向に回動し、先端開口部8を自動的に閉塞する。
本例によれば、簡単な構造で、トレミー管45の挿入、引上げに対応して先端開口部8を自動的に開閉することができる。
【0037】
図11(a)は、鋼管6の先端開口部8に開閉可能に設けた蓋板11に、地上で操作できる紐、鎖等16を取付けておき、紐等16を緩めると先端開口部8が開放され、紐等16を引張ると、図11(b)に示すように、先端開口部8を閉塞するようにしたものである。
本例によれば、きわめて簡単な構造で地上から操作することにより、先端開口部8を開閉することができる。
【0038】
図12は鋼管6の先端開口部8のほぼ2分の1の範囲に半円状の底板10bを取付けて閉塞して開口部8aを形成し、その縁部(先端開口部の中心部)に設けた軸17に、一部がオーバーラップする半円状の蓋板11aを回動可能に取付け、軸17と蓋板11aとの間にばね18を介装して蓋板11aに図12(b)に示すような回転力を与えると共に、図の位置(開口部8aを閉塞する位置)で保持されるようにしたものである。なお、19は底板10bに設けた着脱可能のストッパピンで、地上で操作できる紐、鎖など(図示せず)が取付けられている。
【0039】
上記のように構成した鋼管6は、下部連結部材12に鉄筋篭4を連結する前(又は連結後)に、図12(c)に示すように、蓋板11aをばね18に抗して矢印方向に回動し、ストッパピン19を装着して蓋板11aをその位置に保持する。これにより、底板10bと鋼管6の先端部との間には開口部8aが形成されるので、この開口部8aからトレミー管45を挿入することができる。
トレミー管45を引上げたときは、地上から紐等を引張ってストッパピン19を引抜けば、蓋板11aはばね18に付勢されて回動し、図12(b)の状態に戻って開口部8aを閉塞する。
【0040】
図13(a)は鋼管6の先端開口部8にヒンジを介して開閉可能に蓋板11を取付けたもので、常時は自重により垂下しており、先端開口部8からトレミー管45を容易に挿入することができる。
トレミー管45が徐々に引上げられて場所打ちコンクリートのレベルが上昇すると、図13(b)に示すように、蓋板11はその圧力により先端開口部8を閉塞する方向に回動する。トレミー管45が引き上げられて場所打ちコンクリートのレベルが鋼管6の先端部近傍に達すると、蓋板11は場所打ちコンクリートの圧力により先端開口部8を閉塞する。
本例によれば、きわめて簡単な構造で先端開口部8を開閉することができる。
【0041】
図14(a)は鋼管6の先端開口部8の近傍に、ゴム、合成樹脂等からなり、折曲げ、伸縮可能な蛇腹状の可撓部材21の一端を固定すると共に、他端をトレミー管45の内径とほぼ等しい外径の円筒22に固定して伸縮部20を設け、また、先端開口部8にヒンジにより回動可能に取付けた一対の蓋板11bを設けたものである。
【0042】
このような鋼管6においては、鋼管6内に挿入したトレミー管45の先端部を円筒22に嵌合し、例えば、トレミー管45を若干回動させてフック等(図示せず)により両者を一体に結合する。
そして、トレミー管45を下降させれば、図14(b)に示すように、可撓部材21が伸張するので、この状態でトレミー管45から場所打ちコンクリートを投入する。
【0043】
トレミー管45を徐々に引上げながら場所打ちコンクリートを投入して場所打ちコンクリートのレベルが上昇すると、伸縮部20が鋼管6内に取込まれると共に、蓋板11bが場所打ちコンクリートの圧力により回動し、先端開口部8を閉塞する(図14(a)に破線で示す)。
ついで、トレミー管45を反対方向に僅かに回転させてフック等を外し、トレミー管45を引上げる。なお、蓋板11bには、図10で説明したようにばねを設けてもよく、あるいは、蓋板11bを1枚の板で構成してもよい。
【0044】
図15(a)は、漏斗状の鋼管6の先端開口部8に開口部10aを有する底板10を取付けると共に、この開口部10aに鋼管6内に突出するトレミー管45の内径とほぼ等しい外径の円筒23を取付けて、円筒23の内壁に開閉弁24を設けたものである。
このような鋼管6においては、鋼管6内に挿入したトレミー管45の先端部を円筒23に嵌合する。そして、トレミー管45から坑2内に場所打ちコンクリートを投入すれば、場所打ちコンクリートは坑2内に充填されるが、そのレベルが上昇すると圧力により開閉弁体24が閉塞されるので、トレミー管45を引上げても、不良コンクリートの鋼管6内への侵入を防止することができる。
【0045】
図15(b)は、図15(a)の円筒23の内壁に開閉弁24に代えて漏斗状のオリフィス25を設けて場所打ちコンクリートの逆流を防止すると共に、底板10の開口部10aに、図14で説明したような一対の蓋板11bを設けたもので、トレミー管45を引抜くと同時に蓋板11bが場所打ちコンクリートの圧力により開口部10aを閉塞するようにしたものであり、これにより、不良コンクリートの鋼管6内への侵入を防止したものである。なお、本例においても、蓋板11bと鋼管6との間にばねを介装してもよく、あるいは、蓋板11bを1枚の板で構成してもよい。
【0046】
以上、PCaコンクリート鋼管5の各種の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、トレミー管45を挿脱することができ、かつ、不良コンクリートの鋼管6内への侵入を防止又は抑制しうるものであれば、他の手段を用いてもよい。なお、図9〜図15においては、鋼管6の先端部を漏斗状に形成した場合を示したが、実施の形態1で説明したように、鋼管6の先端開口部8を、中心部に開口部10aを有する平板状の底板10で閉塞した鋼管6にも本実施の形態を実施することができる。
【0047】
【発明の効果】
(1)本発明に係る場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合構造は、鉄筋篭と該鉄筋篭に連結された鋼管とを坑内に挿入し該坑内にコンクリートを充填して造成した場所打ち鋼管コンクリート杭と、SRC柱との接合において、前記鋼管に、少なくとも杭頭部近傍の内壁にPCaコンクリートが設けられたPCaコンクリート鋼管を用い、該PCaコンクリート鋼管内に前記SRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入してコンクリートを充填するようにしたので、従来工法のような杭頭処理及びフーチングの造成を省略することができ、これにより労力及びコストを低減できるばかりでなく、工期を短縮することができる。また、フーチングを介して場所打ち鋼管コンクリート杭にSRC柱を接合する場合に比べて、応力伝達機構が明確になる。
さらに、鋼管にPCaコンクリート鋼管を用いたので、耐震性能を大幅に向上することができる。
【0048】
(2)上記(1)のPCaコンクリート鋼管の先端部に、鉄筋篭と連結する複数の連結部材を設け、
(3)あるいは上記(1),(2)のPCaコンクリート鋼管の杭頭部に、SRC柱の鉄筋と連結する複数の連結部材を設けたので、鉄筋篭及びSRC柱と、PCaコンクリート鋼管との連結を大幅に簡略化することができ、これにより労力、コストを低減することができる。
【0049】
(4)また、上記(1)〜(3)のPCaコンクリート鋼管の先端部に、先端開口部を開閉する開閉手段を設けたので、場所打ちコンクリート杭の造成にあたって、PCaコンクリート鋼管内への不良コンクリートの侵入を防止することができる。
【0050】
(5)また、本発明に係る場所打ちコンクリート杭とSRC柱との接合方法は、鉄筋篭と該鉄筋篭に連結されたPCaコンクリート鋼管を坑内に挿入し、該坑内に前記PCaコンクリート鋼管の先端部近傍までコンクリートを充填する工程と、前記PCaコンクリート鋼管内に前記SRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入し、該鉄骨柱に鉄筋をセットして該鉄筋と前記PCaコンクリート鋼管とを連結する工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にコンクリートを充填する工程とを備えたので、上記(1)と同様の効果を得ることができる。
【0051】
(6)さらに、本発明に係る場所打ちコンクリート杭SRC柱との接合方法は、鉄筋篭と、少なくとも杭頭部近傍の内壁にPCaコンクリートが設けられたPCaコンクリート鋼管に設けた下部連結部材とを固縛等により連結して坑内に挿入する工程と、前記PCaコンクリート鋼管の杭頭部から前記鉄筋篭内にトレミー管を挿入し、該トレミー管を徐々に引上げながら坑内にコンクリートを投入する工程と、前記坑内に投入されたコンクリートのレベルが前記PCaコンクリート鋼管の先端部近傍に達したときはコンクリートの投入を中止して前記トレミー管を引上げると共に、前記PCaコンクリート鋼管の先端開口部を閉じる工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にSRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入して該鉄骨柱に鉄筋をセットし、該鉄筋と前記PCaコンクリート鋼管に設けた上部連結部材とを固縛等により連結する工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にコンクリートを充填する工程とを備えたので、上記(1)〜(4)と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の説明図である。
【図2】 図1のPCaコンクリート鋼管の説明図である。
【図3】 図2のPCaコンクリート鋼管の製造方法の一例の説明図である。
【図4】 図2のPCaのコンクリート鋼管の先端部の説明図である。
【図5】 実施の形態1の施工方法の一例の説明図である。
【図6】 実施の形態1の施工方法の一例の説明図である。
【図7】 実施の形態1に係る接合構造の作用説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態2に係るPCaコンクリート鋼管の説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の縦断面図及び作用説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の他の例の縦断面図及び作用説明図である。
【図11】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の他の例の縦断面図及び作用説明図である。
【図12】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の他の例の縦断面図及び作用説明図である。
【図13】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の他の例の縦断面図及び作用説明図である。
【図14】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の他の例の縦断面図及び作用説明図である。
【図15】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の他の例の説明図である。
【図16】 従来の場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合構造の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 場所打ち鋼管コンクリート杭
2 坑
3 場所打ちコンクリート杭
4 鉄筋篭
5 PCaコンクリート鋼管
6 鋼管
7 PCaコンクリート
8 先端開口部
9 上部連結部材
10 底板
10a 開口部
11 蓋板
12 下部連結部材
31 SRC柱
32 鉄骨柱
34 鉄筋
45 トレミー管
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋篭とこれに連結された鋼管とを坑内に挿入し、この坑内にコンクリートを充填して造成した場所打ち鋼管コンクリート杭と、鉄骨鉄筋コンクリート柱との接合構造及びその接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地震時におけるせん断抵抗性や曲げ抵抗性が鉄筋コンクリート杭より優れた場所打ち鋼管コンクリート杭において、鉄筋篭とこれに連結した鋼管とを坑内に挿入して場所打ちコンクリートを打設し、その上に上部構造物である鉄骨鉄筋コンクリート柱(以下、SRC柱という)を配設し、両者をフーチングにより一体的に接合して耐震性を高めた基礎構造物とする工法が最近注目されている。
【0003】
図16は従来の場所打ち鋼管コンクリート柱と、SRC柱との接合構造の一例を示す模式図である。図において、52は地中に掘削した坑(穴)、54は鉄筋を結束してなる鉄筋篭、55は鋼管で、その下部は複数の接続金具56を介して溶接により鉄筋篭54に接続されて一体化されている。57は鋼管55の上部に設けられ、後述のフーチングを接合するための複数の鉄筋である。
【0004】
このようにして一体化された鉄筋篭54と鋼管55は坑52内に挿入され、トレミー管などによりコンクリート58を投入して造成された場所打ちコンクリート杭53と、内外にコンクリート58,59が充填された鋼管55からなる場所打ち鋼管コンクリート杭51とが接合される。
【0005】
61は鉄骨柱62、その外周にセットされた鉄筋63及びこれらに打設されたコンクリート64からなるSRC柱で、フーチング60により場所打ち鋼管コンクリート杭51に接合される。なお、65はRC等からなる基礎梁である。
【0006】
このようなSRC柱61は、先ず、施工機械等により鉄骨柱62を吊下げて鋼管55の上方に配置し、その外周に鉄筋63を配筋する。そして、鋼管55の上部と鉄筋63を含む鉄骨柱62の下部との間にコンクリートを打設してフーチング60を造成し、鋼管55と鉄骨柱62を接合する。ついで、鉄筋63を含む鉄骨柱62にコンクリートを打設すれば、場所打ち鋼管コンクリート杭51とSRC柱61との接合が完了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来技術においては、場所打ち鋼管コンクリート杭51とSRC柱とはフーチング60を介して接合されているため、場所打ち鋼管コンクリート杭51とSRC柱61間の応力の伝達機構が明確ではなかった。
【0008】
また、上記のような従来の場所打ち鋼管コンクリート杭51においては、場所打ちコンクリート杭53から鋼管55の上端部までコンクリート58を充填した際、鋼管55の上部及びその近傍には、泥水あるいはコンクリート58と泥水が混り合ったスライムなど、コンクリートにとって好ましくない不純物が含まれた品質の悪いコンクリート(以下、不良コンクリートという)が存在する。
【0009】
そのため、コンクリート58の固化後に、鋼管55の上部の深さ1m程度のコンクリートを除去していた。この作業を一般に杭頭処理と呼んでいる。このような杭頭処理は非常に大きな労力と時間が必要とするばかりでなく、コンクリートを除去する際に鋼管55を損傷したり、鋼管55の内面に付着した不良コンクリートの除去が不完全なために、鉄骨柱62等を配置したのちフーチングを構成するために打設するコンクリートと鋼管55との付着性が悪いなどの問題があった。
【0010】
さらに、鉄筋篭54と鋼管55を接合金具56を介して溶接により接続し、また、フーチング60と接合するための鉄筋57を鋼管55の上部に溶接により接合しているが、このような溶接作業は工事現場で行うために、工事現場に溶接装置を搬入しなければならず、また溶接に多くの労力と時間を要していた。
このように、従来の場所打ち鋼管コンクリート杭51とSRC柱61との接合構造においては、両者間の応力の伝達機構が明確ではなく、また、施工にあたっては多くの労力と時間を要し、このためコストの上昇と工期の長期化は避けられなかった。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、杭頭処理及びフーチングを省略し、SRC柱を構成する鉄筋柱の下部を場所打ち鋼管コンクリート杭の鋼管内に直接挿入して両者を接合することにより、両者間の応力の伝達機構を明確にし、また、場所打ち鋼管コンクリート杭の杭頭部を強化すると共に、鉄筋篭と鋼管との連結を簡略化することにより、労力と費用の低減及び工期の短縮をはかることのできる信頼性の高い場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合構造及びその接合方法を得ることを目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合構造は、鉄筋篭と該鉄筋篭に連結された鋼管とを坑内に挿入し該坑内にコンクリートを充填して造成した場所打ち鋼管コンクリート杭と、SRC柱との接合において、前記鋼管に、少なくとも杭頭部近傍の内壁にPCaコンクリートが設けられたPCaコンクリート鋼管を用い、該PCaコンクリート鋼管内に前記SRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入してコンクリートを充填したものである。
【0013】
(2)上記(1)のPCaコンクリート鋼管の先端部に、鉄筋篭と連結する複数の連結部材を設けた。
(3)上記(1)又は(2)のPCaコンクリート鋼管の杭頭部に、SRC柱の鉄筋と連結する複数の連結部材を設けた。
(4)上記(1),(2)又は(3)のPCaコンクリート鋼管の先端部に、先端開口部を開閉する開閉手段を設けた。
【0014】
(5)また、本発明に係る場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合方法は、鉄筋篭と該鉄筋篭に連結されたPCaコンクリート鋼管を坑内に挿入し、該坑内に前記PCaコンクリート鋼管の先端部近傍までコンクリートを充填する工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にSRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入し、該鉄骨柱に鉄筋をセットして該鉄筋と前記PCaコンクリート鋼管とを連結する工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にコンクリートを充填する工程とを備えたものである。
【0015】
さらに、本発明に係る場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合方法は、鉄筋篭と、少なくとも杭頭部近傍の内壁にPCaコンクリートが設けられたPCaコンクリート鋼管に設けた下部連結部材とを固縛等により連結して坑内に挿入する工程と、前記PCaコンクリート鋼管の杭頭部から前記鉄筋篭内にトレミー管を挿入し、該トレミー管を徐々に引上げながら坑内にコンクリートを投入する工程と、前記坑内に投入されたコンクリートのレベルが前記PCaコンクリート鋼管の先端部近傍に達したときはコンクリートの投入を中止して前記トレミー管を引上げると共に、前記PCaコンクリート鋼管の先端開口部を閉じる工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にSRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入して該鉄骨柱に鉄筋をセットし、該鉄筋と前記PCaコンクリート鋼管に設けた上部連結部材とを固縛等により連結する工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にコンクリートを充填する工程とを備えたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接続構造の説明図である。図において、3は地中に造成された場所打ちコンクリート杭で、4は縦筋4aと帯筋4bとからなる鉄筋篭、1は場所打ちコンクリート杭3の上部に一体的に接合された場所打ち鋼管コンクリート杭で、5は鉄筋篭4と一体化されたプレキャストコンクリート鋼管(以下、PCaコンクリート鋼管という)である。31は鉄骨柱31の先端部がPCaコンクリート鋼管5内に挿入され、場所打ち鋼管コンクリート杭1と一体に接合されたSRC柱である。
【0017】
PCaコンクリート鋼管5の一例を図2に示す。7は鋼管6の杭頭部近傍の内壁面に設けられたPCaコンクリートで、例えば鉄筋からなる複数(図には2本だけ示してある)の上部連結部材9が埋込まれて上方に突出している。
このPCaコンクリート鋼管5は、例えば、図3(a)に示すように、鋼管6の杭頭部近傍の内周に、上部連結部材9を構成する鉄筋及び帯筋を兼ねた杭頭部補強材9aを配設し、その内側にコンクリートの抜け出しを防止するフランジ29を備えた型枠28をセットする。そして、図3(b)に示すように、鋼管6を上下逆にして鋼管6の内壁と型枠21との間にコンクリートを流し込み、PCaコンクリート7を製造する。なお、PCaコンクリート7の製造方法はこれに限定するものではなく、遠心成型方法その他適宜の方法により製造することができる。
【0018】
再び図2において、10は中心部に開口部10aを有し、鋼管6の先端開口部8に溶接により取付けられた底板で、図4に示すように、開口部10aには、開閉手段である蓋板11がヒンジを介して開閉可能に設けられている。そして、底板10には、例えば鉄筋からなり、底板10を貫通して溶接され、下方に突出した複数(図には2本だけ示してある)の下部連結部材12が設けられている。なお、このようなPCaコンクリート鋼管5は、あらかじめ工場等で製造される。
【0019】
SRC柱31は、主体をなす鉄骨柱32、鉄骨柱32の外周にセットされた鉄筋34、及び鉄筋34を含む鉄骨柱32の周囲に打設されたコンクリート35等からなり、鉄骨柱32の先端部にはその断面より大きいベースプレート33が取付けられている。なお、40は坑2の上部に設置されたケーシングである。
【0020】
次に、図5、図6により、本実施の形態に係る場所打ち鋼管コンクリート杭1と場所打ちコンクリート杭3及びSRC柱31の接合方法の一例について説明する。
(1)鉄筋篭4の縦筋4aとPCaコンクリート鋼管5の下部連結部材12とを、図4(b)に示すように、針金等12aで固縛して両者を一体化し、図5(a)に示すように、地中に掘削した坑2内に挿入する。
鉄筋篭4とPCaコンクリート鋼管5の下部連結部材12との接続にあたっては、定着長を確保し、かつ外れない程度に針金等12aで固縛すればよく、溶接する必要がないのできわめて簡単である。
【0021】
(2)図5(b)に示すように、PCaコンクリート鋼管5の底板10に設けた蓋体11を開放し、PCaコンクリート鋼管5の杭頭部から開口部10aを介して鉄筋篭4内に、その先端部が、例えば、坑2の底部近傍に達するまでトレミー管45を挿入して坑2の底部を清掃し、ついで、坑2内に場所打ちコンクリート41を投入しながら除々に引上げる。
【0022】
(3)図5(c)に示すように、場所打ちコンクリート41が坑2内に充填されて、そのレベルがPCaコンクリート鋼管5の先端部近傍に達したときは、場所打ちコンクリート41の投入を中止してトレミー管45を引抜くと共に、蓋体11により底板10の開口部10aを閉塞する。
これにより、場所打ちコンクリート41はPCaコンクリート鋼管5の下部の坑2内に充填されて場所打ちコンクリート杭3が造成され、スライムなどを含む不良コンクリートの大部分はPCaコンクリート鋼管5の外周に周り込み、PCaコンクリート鋼管5内には侵入しない。
【0023】
(4)図6(a)に示すように、ケーシング40を除去し、施工機械等により鉄骨柱32を吊下げて、その先端部をPCaコンクリート鋼管5内に挿入する。このとき、鉄骨柱32の先端部がPCaコンクリート7の下端部の下方に達するまで挿入することが望ましい。
【0024】
(5)ついで、鉄骨柱32の外周に鉄筋34をセットし、その縦筋の先端部を、PCaコンクリート鋼管5の杭頭部に設けた上部連結部材9に針金等で固縛し、接続する。両者の接続は、定着長を確保し、かつ外れない程度に針金等で固縛すればよく、溶接する必要がないので、きわめて簡単である。この状態で鉄筋34の外周に型枠36をセットする。
【0025】
(6)図6(b)に示すように、PCaコンクリート鋼管5内及び型枠36内に充填コンクリート42を充填する。これにより、SRC柱31は場所打ち鋼管コンクリート杭1に一体に接合される。
(7)図6(c)に示すように、PCaコンクリート鋼管5の外周にコンクリート43を打設して型枠36を取外せば、施工を終了する。なお、鉄骨柱32を設置する段階(図5(c)の状態)で、PCaコンクリート鋼管5の外周にコンクリート43を打設してもよい。
【0026】
上記のように構成した本実施の形態においては、場所打ち鋼管コンクリート杭1を構成する鋼管に、PCaコンクリート鋼管5を用いたので、鋼管内に充填したコンクリートの高強度化をはかることができる。すなわち、工事現場で打設するコンクリートの品質は、外部環境条件によって左右され易いが、PCaコンクリート鋼管5は工場などで製造することができるので、高品質のPCaコンクリートを得ることができる。
【0027】
また、地震が発生したときは、図7に示すように、SRC柱31に水平力Fが加わり、この水平力Fにより、SRC柱31のPCaコンクリート鋼管5内への埋込部には、図示のような応力が発生する。そして、PCaコンクリート鋼管5の杭頭部近傍にはコンクリートを押圧する水平方向の力F1 が生じ、また、ベースプレート33には、コンクリートを持上げようとする力F2 が生じる。
しかしながら、本実施の形態においては、PCaコンクリート鋼管5の杭頭部近傍には高強度のPCaコンクリート7が設けられて強化されているので、これらの力F1,F2に十分対抗することができ、信頼性の高い接合構造を得ることができる。さらに、応力の伝達機構が明確になる。
【0028】
さらに、PCaコンクリート鋼管5内に不良コンクリートが侵入することがないので、杭頭処理を省略することができ、また、SRC柱31を直接場所打ち鋼管コンクリート杭1に接合するようにしたので、フーチングの造成を省略することができる。
【0029】
また、PCaコンクリート鋼管5の両端部にそれぞれ複数の下部連結部材12と上部連結部材9を設け、鉄筋篭4及びSRC柱31の鉄筋34とそれぞれ針金等で固縛して接続するようにしたので、工事現場で行う鉄筋組作業を大幅に簡素化することができ、これらにより労力及び時間を軽減してコストを低減できるばかりでなく、工期を大幅に短縮することができる。
【0030】
[実施の形態2]
図8は本発明の実施の形態2の要部をなすPCaコンクリート鋼管の説明図である。
図8(a)はPCaコンクリート鋼管5を構成する鋼管6の内壁の全長に亘ってPCaコンクリート7を設け、下部連結部材12をPCaのコンクリート7の下部に埋込んだもので、PCaコンクリート鋼管5を全長に亘って強化したものである。
【0031】
また、図8(b)は、図2で説明したPCaコンクリート鋼管5の杭頭部に、中心部に開口部14aを有するコンクリートのずれ止め板14を溶接により取付けたもので、杭頭部をさらに補強して、地震の際にSRC柱31のベースプレート33に作用するコンクリートを持ち上げようとする力F2 により、PCaコンクリート7が上方にずれるのを防止するようにしたものである。
【0032】
なお、図示してないが、図8(a)のPCaコンクリート鋼管5の杭頭部にもコンクリートのず止め板14を設けてもよい。また、図8(a)の上下の連結部材9,12、図8(b)の上部連結部材9にも、図3で説明したように、帯筋を兼ねた杭頭部補強部材9aを設ければ、杭頭部(及び鋼管6の下部)をより強化することができる。
【0033】
[実施の形態3]
本実施の形態は、図9〜図15によりPCaコンクリート鋼管5、特に、その底部の構造及び先端開口部の開閉手段の他の例を示すものである。
上述した実施の形態1においては、鋼管6の先端開口部8を中心部に開口部10aを有する平板状の底板10で閉塞し、この開口部10aを開閉する蓋板11を設けた場合を示したが、このように構成すると、スライムなどを含む不良コンクリートの一部が、底板10の下に滞留するおそれがある。
【0034】
そこで、図9(a)に示すように、鋼管6の先端部を逆截頭円錐状(漏斗状)に形成し、その先端開口部8を開閉する蓋板11を設けたものである。
このように構成したことにより、不良コンクリートは、図9(b)に矢印で示すように、鋼管6の下部の傾斜面に沿ってスムーズに上方に移動して鋼管6の外周に回り込むため、底部に滞留するおそれはほとんどない。
【0035】
図10(a)は、鋼管6の先端開口部8に開閉可能に設けた蓋板11と鋼管6との間にばね15を介装し、蓋板11に常時先端開口部8を閉塞する方向の付勢力を与えたものである。なお、図10〜図15には、鋼管6の先端部に設けた下部連結部材12は省略してある。
そして、鋼管6内にトレミー管45を挿入してその先端部が蓋板11に当って押圧すると、蓋板11は図10(b)に示すように、ばね15の付勢力に抗して矢印方向に回動して先端開口部8を開放するので、トレミー管45を容易に挿入することができる。
【0036】
トレミー管45を引上げると、蓋板11はばね15に付勢されて反矢印方向に回動し、先端開口部8を自動的に閉塞する。
本例によれば、簡単な構造で、トレミー管45の挿入、引上げに対応して先端開口部8を自動的に開閉することができる。
【0037】
図11(a)は、鋼管6の先端開口部8に開閉可能に設けた蓋板11に、地上で操作できる紐、鎖等16を取付けておき、紐等16を緩めると先端開口部8が開放され、紐等16を引張ると、図11(b)に示すように、先端開口部8を閉塞するようにしたものである。
本例によれば、きわめて簡単な構造で地上から操作することにより、先端開口部8を開閉することができる。
【0038】
図12は鋼管6の先端開口部8のほぼ2分の1の範囲に半円状の底板10bを取付けて閉塞して開口部8aを形成し、その縁部(先端開口部の中心部)に設けた軸17に、一部がオーバーラップする半円状の蓋板11aを回動可能に取付け、軸17と蓋板11aとの間にばね18を介装して蓋板11aに図12(b)に示すような回転力を与えると共に、図の位置(開口部8aを閉塞する位置)で保持されるようにしたものである。なお、19は底板10bに設けた着脱可能のストッパピンで、地上で操作できる紐、鎖など(図示せず)が取付けられている。
【0039】
上記のように構成した鋼管6は、下部連結部材12に鉄筋篭4を連結する前(又は連結後)に、図12(c)に示すように、蓋板11aをばね18に抗して矢印方向に回動し、ストッパピン19を装着して蓋板11aをその位置に保持する。これにより、底板10bと鋼管6の先端部との間には開口部8aが形成されるので、この開口部8aからトレミー管45を挿入することができる。
トレミー管45を引上げたときは、地上から紐等を引張ってストッパピン19を引抜けば、蓋板11aはばね18に付勢されて回動し、図12(b)の状態に戻って開口部8aを閉塞する。
【0040】
図13(a)は鋼管6の先端開口部8にヒンジを介して開閉可能に蓋板11を取付けたもので、常時は自重により垂下しており、先端開口部8からトレミー管45を容易に挿入することができる。
トレミー管45が徐々に引上げられて場所打ちコンクリートのレベルが上昇すると、図13(b)に示すように、蓋板11はその圧力により先端開口部8を閉塞する方向に回動する。トレミー管45が引き上げられて場所打ちコンクリートのレベルが鋼管6の先端部近傍に達すると、蓋板11は場所打ちコンクリートの圧力により先端開口部8を閉塞する。
本例によれば、きわめて簡単な構造で先端開口部8を開閉することができる。
【0041】
図14(a)は鋼管6の先端開口部8の近傍に、ゴム、合成樹脂等からなり、折曲げ、伸縮可能な蛇腹状の可撓部材21の一端を固定すると共に、他端をトレミー管45の内径とほぼ等しい外径の円筒22に固定して伸縮部20を設け、また、先端開口部8にヒンジにより回動可能に取付けた一対の蓋板11bを設けたものである。
【0042】
このような鋼管6においては、鋼管6内に挿入したトレミー管45の先端部を円筒22に嵌合し、例えば、トレミー管45を若干回動させてフック等(図示せず)により両者を一体に結合する。
そして、トレミー管45を下降させれば、図14(b)に示すように、可撓部材21が伸張するので、この状態でトレミー管45から場所打ちコンクリートを投入する。
【0043】
トレミー管45を徐々に引上げながら場所打ちコンクリートを投入して場所打ちコンクリートのレベルが上昇すると、伸縮部20が鋼管6内に取込まれると共に、蓋板11bが場所打ちコンクリートの圧力により回動し、先端開口部8を閉塞する(図14(a)に破線で示す)。
ついで、トレミー管45を反対方向に僅かに回転させてフック等を外し、トレミー管45を引上げる。なお、蓋板11bには、図10で説明したようにばねを設けてもよく、あるいは、蓋板11bを1枚の板で構成してもよい。
【0044】
図15(a)は、漏斗状の鋼管6の先端開口部8に開口部10aを有する底板10を取付けると共に、この開口部10aに鋼管6内に突出するトレミー管45の内径とほぼ等しい外径の円筒23を取付けて、円筒23の内壁に開閉弁24を設けたものである。
このような鋼管6においては、鋼管6内に挿入したトレミー管45の先端部を円筒23に嵌合する。そして、トレミー管45から坑2内に場所打ちコンクリートを投入すれば、場所打ちコンクリートは坑2内に充填されるが、そのレベルが上昇すると圧力により開閉弁体24が閉塞されるので、トレミー管45を引上げても、不良コンクリートの鋼管6内への侵入を防止することができる。
【0045】
図15(b)は、図15(a)の円筒23の内壁に開閉弁24に代えて漏斗状のオリフィス25を設けて場所打ちコンクリートの逆流を防止すると共に、底板10の開口部10aに、図14で説明したような一対の蓋板11bを設けたもので、トレミー管45を引抜くと同時に蓋板11bが場所打ちコンクリートの圧力により開口部10aを閉塞するようにしたものであり、これにより、不良コンクリートの鋼管6内への侵入を防止したものである。なお、本例においても、蓋板11bと鋼管6との間にばねを介装してもよく、あるいは、蓋板11bを1枚の板で構成してもよい。
【0046】
以上、PCaコンクリート鋼管5の各種の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、トレミー管45を挿脱することができ、かつ、不良コンクリートの鋼管6内への侵入を防止又は抑制しうるものであれば、他の手段を用いてもよい。なお、図9〜図15においては、鋼管6の先端部を漏斗状に形成した場合を示したが、実施の形態1で説明したように、鋼管6の先端開口部8を、中心部に開口部10aを有する平板状の底板10で閉塞した鋼管6にも本実施の形態を実施することができる。
【0047】
【発明の効果】
(1)本発明に係る場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合構造は、鉄筋篭と該鉄筋篭に連結された鋼管とを坑内に挿入し該坑内にコンクリートを充填して造成した場所打ち鋼管コンクリート杭と、SRC柱との接合において、前記鋼管に、少なくとも杭頭部近傍の内壁にPCaコンクリートが設けられたPCaコンクリート鋼管を用い、該PCaコンクリート鋼管内に前記SRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入してコンクリートを充填するようにしたので、従来工法のような杭頭処理及びフーチングの造成を省略することができ、これにより労力及びコストを低減できるばかりでなく、工期を短縮することができる。また、フーチングを介して場所打ち鋼管コンクリート杭にSRC柱を接合する場合に比べて、応力伝達機構が明確になる。
さらに、鋼管にPCaコンクリート鋼管を用いたので、耐震性能を大幅に向上することができる。
【0048】
(2)上記(1)のPCaコンクリート鋼管の先端部に、鉄筋篭と連結する複数の連結部材を設け、
(3)あるいは上記(1),(2)のPCaコンクリート鋼管の杭頭部に、SRC柱の鉄筋と連結する複数の連結部材を設けたので、鉄筋篭及びSRC柱と、PCaコンクリート鋼管との連結を大幅に簡略化することができ、これにより労力、コストを低減することができる。
【0049】
(4)また、上記(1)〜(3)のPCaコンクリート鋼管の先端部に、先端開口部を開閉する開閉手段を設けたので、場所打ちコンクリート杭の造成にあたって、PCaコンクリート鋼管内への不良コンクリートの侵入を防止することができる。
【0050】
(5)また、本発明に係る場所打ちコンクリート杭とSRC柱との接合方法は、鉄筋篭と該鉄筋篭に連結されたPCaコンクリート鋼管を坑内に挿入し、該坑内に前記PCaコンクリート鋼管の先端部近傍までコンクリートを充填する工程と、前記PCaコンクリート鋼管内に前記SRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入し、該鉄骨柱に鉄筋をセットして該鉄筋と前記PCaコンクリート鋼管とを連結する工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にコンクリートを充填する工程とを備えたので、上記(1)と同様の効果を得ることができる。
【0051】
(6)さらに、本発明に係る場所打ちコンクリート杭SRC柱との接合方法は、鉄筋篭と、少なくとも杭頭部近傍の内壁にPCaコンクリートが設けられたPCaコンクリート鋼管に設けた下部連結部材とを固縛等により連結して坑内に挿入する工程と、前記PCaコンクリート鋼管の杭頭部から前記鉄筋篭内にトレミー管を挿入し、該トレミー管を徐々に引上げながら坑内にコンクリートを投入する工程と、前記坑内に投入されたコンクリートのレベルが前記PCaコンクリート鋼管の先端部近傍に達したときはコンクリートの投入を中止して前記トレミー管を引上げると共に、前記PCaコンクリート鋼管の先端開口部を閉じる工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にSRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入して該鉄骨柱に鉄筋をセットし、該鉄筋と前記PCaコンクリート鋼管に設けた上部連結部材とを固縛等により連結する工程と、前記PCaコンクリート鋼管内にコンクリートを充填する工程とを備えたので、上記(1)〜(4)と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の説明図である。
【図2】 図1のPCaコンクリート鋼管の説明図である。
【図3】 図2のPCaコンクリート鋼管の製造方法の一例の説明図である。
【図4】 図2のPCaのコンクリート鋼管の先端部の説明図である。
【図5】 実施の形態1の施工方法の一例の説明図である。
【図6】 実施の形態1の施工方法の一例の説明図である。
【図7】 実施の形態1に係る接合構造の作用説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態2に係るPCaコンクリート鋼管の説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の縦断面図及び作用説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の他の例の縦断面図及び作用説明図である。
【図11】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の他の例の縦断面図及び作用説明図である。
【図12】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の他の例の縦断面図及び作用説明図である。
【図13】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の他の例の縦断面図及び作用説明図である。
【図14】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の他の例の縦断面図及び作用説明図である。
【図15】 本発明の実施の形態3のPCaコンクリート鋼管の他の例の説明図である。
【図16】 従来の場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合構造の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 場所打ち鋼管コンクリート杭
2 坑
3 場所打ちコンクリート杭
4 鉄筋篭
5 PCaコンクリート鋼管
6 鋼管
7 PCaコンクリート
8 先端開口部
9 上部連結部材
10 底板
10a 開口部
11 蓋板
12 下部連結部材
31 SRC柱
32 鉄骨柱
34 鉄筋
45 トレミー管
Claims (6)
- 鉄筋篭と該鉄筋篭に連結された鋼管とを坑内に挿入し該坑内にコンクリートを充填して造成した場所打ち鋼管コンクリート杭と、SRC柱との接合において、
前記鋼管に、少なくとも杭頭部近傍の内壁にPCaコンクリートが設けられたPCaコンクリート鋼管を用い、該PCaコンクリート鋼管内に前記SRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入してコンクリートを充填することを特徴とする場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合構造。 - PCaコンクリート鋼管の先端部に、鉄筋篭と連結する複数の連結部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合構造。
- PCaコンクリート鋼管の杭頭部に、SRC柱の鉄筋と連結する複数の連結部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合構造。
- PCaコンクリート鋼管の先端部に、先端開口部を開閉する開閉手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合構造。
- 鉄筋篭と該鉄筋篭に連結された鋼管とを坑内に挿入し該坑内にコンクリートを充填して造成した場所打ち鋼管コンクリート杭と、SRC柱とを接合する方法において、
前記鉄筋篭と該鉄筋篭に連結されたPCaコンクリート鋼管を坑内に挿入し、該坑内に前記PCaコンクリート鋼管の先端部近傍までコンクリートを充填する工程と、
前記PCaコンクリート鋼管内に前記SRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入し、該鉄骨柱に鉄筋をセットして該鉄筋と前記PCaコンクリート鋼管とを連結する工程と、
前記PCaコンクリート鋼管内にコンクリートを充填する工程とを備えたことを特徴とする場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合方法。 - 鉄筋篭と該鉄筋篭に連結された鋼管とを坑内に挿入し該坑内にコンクリートを充填して造成する場所打ち鋼管コンクリート杭と、SRC柱とを接合する方法において、
前記鉄筋篭と、少なくとも杭頭部近傍の内壁にPCaコンクリートが設けられたPCaコンクリート鋼管に設けた下部連結部材とを固縛等により連結して坑内に挿入する工程と、
前記PCaコンクリート鋼管の杭頭部から前記鉄筋篭内にトレミー管を挿入し、該トレミー管を徐々に引上げながら坑内にコンクリートを投入する工程と、
前記坑内に投入されたコンクリートのレベルが前記PCaコンクリート鋼管の先端部近傍に達したときはコンクリートの投入を中止して前記トレミー管を引上げると共に、前記PCaコンクリート鋼管の先端開口部を閉じる工程と、
前記PCaコンクリート鋼管内にSRC柱を構成する鉄骨柱の下部を挿入して該鉄骨柱に鉄筋をセットし、該鉄筋と前記PCaコンクリート鋼管に設けた上部連結部材とを固縛等により連結する工程と、
前記PCaコンクリート鋼管内にコンクリートを充填する工程とを備えたことを特徴とする場所打ち鋼管コンクリート杭とSRC柱との接合方法。
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