JP3733220B2 - 内燃機関の磁石回転子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の点火装置用磁石発電機などに設けられて、点火タイミングパルスを生成するのに利用される内燃機関の磁石回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関の磁石回転子は、例えば、磁石を保持した磁極とバランスウェイトとを一体に有するロータコアをダイス型内にセットした上で、このダイス型内にアルミの注湯を行って、クランクシャフトを連結するためのハブをアルミダイカスト品とするように形成されている。
【0003】
そして、このようなアルミダイカストの成型によって、前記ハブのテーパ状の軸孔部の成型が容易になり、そのテーパ状の軸孔部の、ロータコアの積層厚に対する長さや、テーパ状の軸孔部のロータコアにおける軸方向位置が、任意かつ容易に設定可能とされている。
【0004】
また、前記ハブがアルミダイカスト品であるため、冷却ファンを取り付けるために外周にインロー部を切削加工などによって形成したり、あるいはリコイル用のラチェット爪などの各種部品を取り付けるためのねじ孔を、直接穿設することができ、これらの重量物の冷却ファンや大きな負荷応力を受けるラチェット爪などの支持も十分に強固に行える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の内燃機関の磁石回転子にあっては、磁極とバランスウェイトとを一体に有するロータコアにアルミダイカスト品としてのハブを取り付けるため、一部の部品、例えばロータコアあるいはハブの構成やロータコアとハブの取り付けに不具合が生じた場合に、ロータコア全体が不良品とされて、そのロータコア全体の交換が要求され、結果的に製造コストの上昇を招くほか、磁極とバランスウェイトとを一体に有するロータコアでは、磁極に対応する周辺コイルとの位置関係や冷却用フィンの形状などについて設計の自由度が制約されるなどの課題があった。
【0006】
この発明は前記のような課題を解決するものであり、独立した各一の磁極、磁石、バランスウエイトを非磁性部材からなる金属ハブに組み付けるインサート組立体とすることで、モールディング工程前の部品交換の容易化を図りながら、周辺部品との位置関係等について設計の自由度を確保できるとともに、組み付けおよび加工の容易化並びに製造コストの安価化をはかることができる内燃機関の磁石回転子を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記のような目的を達成するため、本発明に係る内燃機関の磁石回転子は、中心部に軸孔部を有する非磁性部材からなる略H字状の金属ハブの一端には、楔止め機能を有する磁極嵌合部が形成され、該磁極嵌合部には対向する面側に設けられた凹状の切欠部からなる磁石嵌合部に磁石を嵌合した対称形状の磁極が細密に嵌合され、前記金属ハブの他端には、楔止め孔を有するバランスウエイト嵌合部が形成され、該バランスウエイト嵌合部には前記楔止め孔に嵌合可能なサイズ、形状の楔片及び扇状片を有するバランスウエイトが組み付けられてインサート組立体とされ、該インサート組立体が非磁性部材によりモールディングされてなるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図について説明する。図1はこの発明の内燃機関の磁石回転子を示す分解斜視図であり、同図において、1は磁石回転子のベースとなるアルミハブなどの非磁性部材の金属ハブで、これが全体としてアルミダイカスト成型により略H字状に形成されている。
【0011】
この金属ハブ1は中心部にテーパ状の軸孔部2が形成されており、この軸孔部2は、発電機の回転軸としての、例えば内燃機関のクランクシャフトが挿入固定可能なサイズ,形状をなしている。なお、この軸孔部2は金属ハブ1の片面より筒状に突出する部位に形成され、その軸孔部2の内周面には、クランクシャフトに対する回転方向の位置ずれを規制するキーまたはキー溝3が形成されている。
【0012】
また、前記金属ハブ1上の軸孔部2を挟む一対の対応位置に、各種部品取付用のねじ孔4が形成され、これらのねじ孔4は、図2,図3および図4に示すように、金属ハブ1の他の下面側に突出する突起部5内にも連続して貫通するように設けられている。
【0013】
さらに、前記金属ハブ1の軸孔部2を挟む、前記ねじ孔4の設置位置とは異なる他の一対の対応位置、すなわち、前記非磁性部材からなる略H字状の金属ハブ1の一端には磁極嵌合部6が、他端にはバランスウエイト嵌合部7をそれぞれ有する。
【0014】
これらのうち、磁極嵌合部6は楔止め機能を有する一対の略L字状のL字状孔6a,6bを対称配置したものからなり、一方、バランスウェイト嵌合部7は1つの楔止め孔7aを有するものからなる。
【0015】
8a,8bは磁極嵌合部6の各L字状孔6a,6bに組み付けられる一対の対称形状の磁極である。これらの磁極8a,8bは各L字状孔6a,6bに略密に嵌合可能なサイズ,形状のL字状部8a−1,8b−1と、これらにそれぞれ連続するとともに、外側面が金属ハブ1の外周より僅か突出するシュー形の磁極片部8a−2,8b−2とからなる。
【0016】
そして、これらの磁極8a,8bの互いに対向する面側には、それぞれ磁石嵌合部としての凹状の切欠部8a−3,8b−3が設けられ、これらの各切欠部8a−3,8b−3間に磁石9を嵌合可能にしている。
【0017】
また、10は前記バランスウェイト嵌合部7に組み付けられるバランスウェイトであり、このバランスウェイト10はそのバランスウェイト嵌合部7の楔止め孔7aに嵌合可能なサイズ,形状の楔片10aと、これに連続して円周方向に拡った扇状片10bとからなる。
【0018】
次にかかる内燃機関の磁石回転子の組み立て手順を説明する。まず、図1に示すような金属ハブ1をアルミダイカスト成型により形成し、得られた金属ハブ1の磁極嵌合部6に各磁極8a,8bを組み付ける。すなわち、磁極嵌合部6のL字状孔6a,6bに、各磁極8a,8bのL字状部8a−1,8b−1を嵌め込む。
【0019】
また、これらのL字状部8a−1,8b−1のL字状孔6a,6bに対する嵌め込み操作の前後に亘って、切欠部8a−3,8b−3間に磁石9を鋏み込む。このようにすることで、図2に点線で示すように、磁石9および磁極8a,8bが金属ハブ1から容易に脱抜することなく、しかも各対向部が密接するように保持される。
【0020】
さらに、バランスウェイト10を、これの楔片10aが楔止め孔7aに嵌まり込むように、金属ハブ1に組み付ける。こうすることにより、バランスウェイト10は図2に点線で示すごとく、金属ハブ1に一体化される。
【0021】
続いて、このように磁極8a,8b,磁石9およびバランスウェイト10を一体に装着したインサート組立体としての金属ハブ1を、ダイス型内にセットした上で、このダイス型内にアルミの注湯を行う。この後、離型することで、磁石回転子が成形されることとなる。
【0022】
このアルミの注湯によるダイカスト成型では、前記金属ハブ1の一対の側面と、2つの磁極8a,8bのうち、金属ハブ1外に突出する部位の側面と、バランスウェイト10の両側面とがアルミで被われたアルミモールド部12とされ、これらのアルミモールド部12の外形がダイス型により全体として円板状に成型される。
【0023】
この場合において、金属ハブ1の突起部5が設けられる側とは反対側の面に、図5に示すように、前記ダイス成形による複数枚の弧状の冷却フィン11が突設される。
【0024】
なお、前記実施の形態では、前記のインサート組立体を非磁性のアルミによってモールディングする場合について説明したが、非磁性部材としての合成樹脂によってモールディングしてもよく、この場合には、磁石回転子全体の軽量化とローコスト化を実現できる。
【0025】
また、この磁石回転子は、これの中心部となる非磁性部材からなる略H字状の金属ハブに対して、これの両端部に磁極8、磁石9およびバランスウエイト10などの重量物が配置されることで、十分な回転慣性が得られ、安定した回転性能が得られる。
【0026】
さらに、軸孔2はアルミダイガストによって形成できるため、実績のある鋳出しテーパの技術が流用でき、また、テーパ部の軸方向位置も自由に決められるほか、キーまたはキー溝3も鋳出しにより高精度に形成できる。そして、磁極8a,8bやバランスウェイト10のクランクシャフト軸方向位置を自由に決めることができるため、コイル位置や冷却用羽根などの形状,サイズについて設計の自由度が増す。
【0027】
また、金属ハブ(アルミハブ)1にはファンなどの各種部品取付用のインロー部や、リコイルスタータ用のラチェット爪などを確実に取り付けるためのねじ孔4を任意に設けることができる。
【0028】
さらに、前記金属ハブ1を磁気抵抗の大きいアルミハブとすることで、磁石9が発生する磁束を、2つの磁極8a,8bを通る磁路に集中させることができる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、磁極、磁石およびバランスウエイトを、非磁性部材からなる略H字状の金属ハブに組み付けてインサート組立体とし、該インサート組立体を非磁性部材によりモールディングするように構成したので、独立した各一の磁極、磁石、バランスウエイトを前記金属ハブに組み付けることで、モールディング工程前の部品交換の容易化を図りながら、周辺部品との位置関係について設計の自由度を確保しながら、組み付けおよび加工の容易化を図り、かつ製造コストの安価化を図ることができるという効果が獲られる。
【0030】
さらに、前記非磁性部材の金属ハブに、前記磁極およびバランスウエイトを組み付けるための磁極嵌合部およびバランスウエイト嵌合部をそれぞれ設けるように構成したので、前記非磁性部材のハブに対する磁極やバランスウエイトの組み付けをワンタッチで、しかも交換可能に実施でき、磁石回転子の製造作業の容易化、簡単化を実現でき、結果的にこの磁石回転子のコストダウンを図れるという効果が得られる。
【0031】
さらに、前記磁極に、前記磁石を組み付けるための磁石嵌合部を設けるように構成したので、磁極に対する磁石の固定をワンタッチで、しかも必要に応じて交換可能に実施できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による内燃機関の磁石回転子を示す一部の分解斜視図である。
【図2】この発明の実施の一形態による内燃機関の磁石回転子を示す平面図である。
【図3】図2に示す内燃機関の磁石回転子のA−A線断面図である。
【図4】図2に示す内燃機関の磁石回転子のB−B線断面図である。
【図5】図2の示す内燃機関の磁石回転子の底面図である。
【符号の説明】
1 金属ハブ
6 磁極嵌合部
7 バランスウェイト嵌合部
8a,8b 磁極
8a−3,8b−3 切欠部(磁石嵌合部)
9 磁石
10 バランスウェイト
12 アルミモールド部(非磁性部材)
Claims (1)
- 中心部に軸孔部を有する非磁性部材からなる略H字状の金属ハブの一端には、楔止め機能を有する磁極嵌合部が形成され、該磁極嵌合部には対向する面側に設けられた凹状の切欠部からなる磁石嵌合部に磁石を嵌合した対称形状の磁極が細密に嵌合され、前記金属ハブの他端には、楔止め孔を有するバランスウエイト嵌合部が形成され、該バランスウエイト嵌合部には前記楔止め孔に嵌合可能なサイズ、形状の楔片及び拡げられた扇状片を有するバランスウエイトが組み付けられてインサート組立体とされ、該インサート組立体が非磁性部材によりモールディングされてなることを特徴とする内燃機関の磁石回転子。
Priority Applications (1)
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JP26798197A JP3733220B2 (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | 内燃機関の磁石回転子 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP26798197A JP3733220B2 (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | 内燃機関の磁石回転子 |
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JPH1198734A JPH1198734A (ja) | 1999-04-09 |
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-
1997
- 1997-09-12 JP JP26798197A patent/JP3733220B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1198734A (ja) | 1999-04-09 |
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