JP3732818B2 - 配信サーバ及び複合機並びに配信サーバシステム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オペレーションに必要なメニューをネットワーク経由で受け取って利用する複合機及び当該複合機へメニューを配信する配信サーバ並びに配信サーバシステムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、この種の複合機では、スキャナデータをネットワーク経由で端末（ＰＣ）へ配信するために、配信先のアドレス帳を取得することが行われていた。配信サーバではスキャナデータを配信する際に使用するアドレス帳を作成しており、そのアドレス帳の中で端末や文書管理サーバを定義していた。複合機において、パネルに表示したアドレス帳の取得ボタンを押下してアドレス帳を取得し、アドレス帳を選択してスキャナデータの配信先のアドレスを取得する。そして、原稿の読み取り処理を行い、配信サーバを経由して選択されたアドレスを持つ配信先へスキャナデータを送信していた。
【０００３】
一方、メニューの登録に関しては、ユーザーが目的とするメニューを利用したときに、そのメニューに到達するまでの操作数が最小となるメニュー画面を作成し、ユーザーが使用する装置自身に格納しておく装置がある（例えば特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】
特開平９−５４６６８号公報（段落００１８、図１）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来技術の構成では、スキャナデータの配信先を示すアドレス帳又はＦＡＸ受信データの転送先を示すアドレス帳としてメニュー表示しているため、複合機の全ての機能を定型化したメニューとして使用できない問題がある。
【０００６】
また、個人ごとの定型業務を複合機のメニューに表示できないため、複合機を複数ユーザーで共有しているメニューの中から、必要なメニューを探さなければならいという問題がある。
【０００７】
また、ＦＡＸなどの機能が実装されていない複合機ではＦＡＸ送信できないが、ＦＡＸ機能を実装した他の複合機に送信依頼するためには複雑な設定が必要になる問題があった。
【０００８】
また、ユーザが使用する装置自体にメニュー情報を保存したのでは、保存用メモリが必要になるといった問題があった。
【０００９】
本発明は、上述の課題に鑑みて為されたもので、個人ごとの定型業務をどの複合機でもメニューに表示して実行することができる複合機及び配信サーバ並びに配信サーバシステムを提供することを目的とする。
【００１０】
また本発明は、複合機に実装されていない機能を配信サーバ経由でネットワーク上の別の複合機にメニューを介して簡単に依頼でき、そのシステム設定も容易で使い勝手の良い複合機及び配信サーバ並びに配信サーバシステムを提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の目的を達成するため、ネットワーク上の複合機のメニュー表示能力とジョブ能力に応じて複合機に表示するメニュー情報を定義して、ユーザーごとに複合機のパネル表示メニューを設定、表示することを可能にしたものである。
【００１２】
これにより、個人ごとの定型業務をどの複合機でもメニューに表示して実行することができる。
【００１３】
また本発明は、複合機に実装された機能で不充分なジョブを実行するために、配信サーバを経由してネットワーク上の別の複合機の機能との組み合わせで所望のジョブを実現することを可能にしたものである。
【００１４】
これにより、ネットワーク上の複合機が持っている機能をすべての複合機で共有することができる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
本発明の第１の態様にかかる配信サーバは、メニュー名称と当該メニュー名称に係わるジョブを実行するための情報とからなるメニュー情報を、複合機ごとに各複合機の表示能力情報及びジョブ能力情報に基づいて作成するメニュー作成手段と、作成されたメニュー情報を保存するデータ保持手段と、ネットワークを介して複合機と通信する通信手段と、前記複合機から要求されたメニュー情報を前記データ保持手段から取り出してネットワーク経由で要求元の複合機へ配信する配信手段と、を備える構成とした。
【００１６】
この構成により、配信サーバ上で作成したメニュー情報をネットワーク上の複合機からメニュー情報として取得でき、複合機の全ての機能を定型化したメニューとして使用でき、任意のメニューを選択することで定型業務のジョブを実行することができる。
【００１７】
本発明の第２の態様は、第１の態様の配信サーバにおいて、前記メニュー作成手段は、複合機の表示能力情報の範囲内でユーザーが定めたメニュー名称と表示されたジョブ能力情報からユーザーが選択した機能とに基づいて個人のメニュー情報を作成するものとした。
【００１８】
これにより、配信サーバ上でユーザーごとにメニュー情報を作成するため、ネットワーク上の異なる複合機からユーザーごとのメニュ−情報を取得でき、個々のユーザーの業務に適した複合機のメニュー表示を実現することができる。
【００１９】
本発明の第３の態様は、第２の態様の配信サーバにおいて、前記データ保持手段は、個人のメニュー情報をユーザーＩＤと関連付けて保存し、前記配信手段は、複合機からユーザーＩＤを使用してメニュー情報を要求してきたら、当該ユーザーＩＤに関連付けられたメニュー情報を前記データ保持手段から取り出すものとした。
【００２０】
これにより、ユーザーは複合機からユーザーＩＤを使用して個人のメニュー情報を取得でき、そのメニュー情報から個人の定型業務を実行することができる。
【００２１】
本発明の第４の態様は、第１から第３の態様の配信サーバにおいて、既存のプロトコルを使用してネットワーク上にある複合機を検索し、検索した各複合機から表示能力情報及びジョブ能力情報を自動的に取得するものである。
【００２２】
これにより、配信サーバ上でメニュー情報を作成する場合にネットワーク上の複合機を自動的に検索でき、またメニュー情報を作成するために必要なメニュー表示能力、ジョブ能力、IPアドレスなどの複合機の情報を配信サーバ上に設定することなく、自動的に取得することができる。
【００２３】
本発明の第５の態様は、第１から第４の態様の配信サーバにおいて、前記データ保持手段は、他システムとのデータ交換を容易にする汎用的なデータフォーマットにてメニュー情報を管理するものである。
【００２４】
これにより、配信サーバ上で作成したメニュー情報を汎用的なデータフォーマットにて蓄積するため、ネットワーク上の他のシステムとの間で汎用フォーマットでメニュー情報を交換でき、他のシステムとの間でメニュー情報を共有できるので、メニュー情報のデータ交換が容易に実現できる。
【００２５】
本発明の第６の態様は、第１から第５の態様の配信サーバにおいて、複合機Ａの機能と他の複合機Ｂの機能とを組合せて１つのジョブを実行する場合、当該ジョブの内容を表すメニュー名称と複合機Ａで使用する機能と当該機能の詳細情報とからなるメニュー情報と、前記ジョブを引き継ぐ複合機Ｂを特定する情報と複合機Ｂで使用する機能と当該機能の詳細情報とからなる配信情報と、を前記データ保持手段に保持し、複合機Ａから前記配信情報に対するリンク情報とジョブ実行結果とを受信したら、リンク情報にてリンクされた配信情報からジョブ引継ぎ先の複合機Ｂを特定し、前記配信情報に登録された複合機Ｂで使用する機能と当該機能の詳細情報を複合機Ａの機能実行結果と共に複合機Ｂに対して送信するものである。
【００２６】
これにより、例えば複合機ＡがＦＡＸ機能を搭載しておらず、複合機ＢがＦＡＸ機能を搭載している場合に、配信サーバ上で複合機Ａのメニュー情報を作成する時に「03-1234-5678へＦＡＸ送信を実行」に関するメニュー情報は、複合機Ａは送信原稿の読み取りと配信サーバへ画像データを送信し、配信サーバは複合機Ｂに対して、03-1234-5678へＦＡＸ送信の配信処理を実行する内容であり、ある機能を搭載していない複合機からも配信サーバを経由して、搭載していない機能を実現することができる。
【００２７】
本発明の第７の態様は、第６の態様の配信サーバにおいて、前記配信情報は、ジョブ引継ぎ先の複合機Ｂが実行した機能の結果を当該複合機Ｂが通知すべき結果返送宛先となる結果返送先が登録されており、前記結果返送宛先を前記複合機Ｂへ送信するものとした。
【００２８】
これにより、複合機Ａから送信原稿を読み取り、配信サーバが複合機ＢへＦＡＸ送信の配信処理をした時に、複合機ＢがＦＡＸ送信を実行した結果の通知先は、配信サーバ上で結果返送先として定義することが可能で、ユーザーが送信結果を知りたい場所としてネットワーク上の複合機や配信サーバや端末を自由に設定することができる。
【００２９】
本発明の第８の態様は、第１から第７のいずれかの態様の配信サーバにおいて、複合機が前記メニュー情報から実行した機能をログ情報として保存するものである。
【００３０】
これにより、配信サーバが実行するログ情報を蓄積でき、ネットワーク上の他のシステムとの間でログ情報を交換でき、他のシステムとの間でログ情報を共有することができる。
【００３１】
本発明の第９の態様は、ネットワークを介して配信サーバと通信する通信手段と、当該機の表示能力情報及びジョブ能力情報に基づいて作成されているメニュー情報を前記配信サーバからネットワーク経由で取得するメニュー取得手段と、取得したメニュー情報の中からユーザーが選択したジョブを実行する実行手段と、を具備する複合機である。
【００３２】
このように構成された複合機によれば、配信サーバ上で作成したメニュー情報をネットワーク上の複合機からメニュー情報として取得でき、複合機の全ての機能を定型化したメニューとして使用でき、任意のメニューを選択することで定型業務のジョブを実行することができる。
【００３３】
本発明の第１０の態様は、第９の態様の複合機において、前記メニュー取得手段は、ユーザーから入力されたユーザーＩＤを使用して個人のメニュー情報を前記配信サーバから取得するものとした。
【００３４】
これにより、ユーザーは複合機からユーザーＩＤを使用して個人のメニュー情報を取得でき、そのメニュー情報から個人の定型業務を実行することができる。
【００３５】
本発明の第１１の態様は、第９又は第１０の態様の複合機において、前記配信サーバが既存のプロトコルを使用して能力情報を要求してきたら、当該機の表示能力情報及びジョブ能力情報を返信するものとした。
【００３６】
これにより、配信サーバ上でメニュー情報を作成する場合に、メニュー情報を作成するために必要なメニュー表示能力、ジョブ能力、IPアドレスなどの複合機の情報を配信サーバ上に設定することなく、自動的に取得することができる。
【００３７】
本発明の第１２の態様は、第９から第１１のいずれかの態様の複合機において、複合機Ａの機能と他の複合機Ｂの機能とを組合せて１つのジョブを実行する場合、配信サーバから複合機Ａの機能実行結果と、当該機でジョブを引き継ぐための情報とを受信し、当該受信情報に基づいて複合機Ａから引き継いだジョブを実行するものとした。
【００３８】
これにより、例えば複合機ＡがＦＡＸ機能を搭載しておらず、複合機ＢがＦＡＸ機能を搭載している場合に、配信サーバ上で複合機Ａのメニュー情報を作成する時に「03-1234-5678へＦＡＸ送信を実行」に関するメニュー情報は、複合機Ａは送信原稿の読み取りと配信サーバへ画像データを送信し、配信サーバは複合機Ｂに対して、03-1234-5678へＦＡＸ送信の配信処理を実行する内容であり、ある機能を搭載していない複合機からも配信サーバを経由して、搭載していない機能を実現することができる。
【００３９】
本発明の第１３の態様は、第１２の態様の複合機において、前記配信情報に実行した機能の結果を通知すべき宛先となる結果返送先が登録されている場合は、当該結果返送先へ実行結果を送信するものとした。
【００４０】
これにより、複合機Ａから送信原稿を読み取り、配信サーバが複合機ＢへＦＡＸ送信の配信処理をした時に、複合機ＢがＦＡＸ送信を実行した結果の通知先は、ネットワーク上の複合機や配信サーバや端末等の宛先に送信される。
【００４１】
本発明の第１４の態様は、メニュー情報を配信する配信サーバと、当該配信サーバにネットワーク経由で接続されメニュー情報の配信を受ける複合機とからなる配信サーバシステムであり、前記配信サーバは、メニュー名称と当該メニュー名称に係わるジョブを実行するための情報とからなるメニュー情報を、複合機ごとに各複合機の表示能力情報及びジョブ能力情報に基づいて作成するメニュー作成手段と、作成されたメニュー情報を保存するデータ保持手段と、ネットワークを介して複合機と通信する通信手段と、前記複合機から要求されたメニュー情報を前記データ保持手段から取り出してネットワーク経由で要求元の複合機へ配信する配信手段と、を備える。また、前記複合機は、ネットワークを介して配信サーバと通信する通信手段と、前記メニュー情報を前記配信サーバからネットワーク経由で取得するメニュー取得手段と、取得したメニュー情報の中からユーザーが選択したジョブを実行する実行手段と、を備える。
【００４２】
以下、本発明の複合機及び配信サーバからなる配信サーバシステムの実施の形態について図面を参照して説明する。
【００４３】
（実施の形態１）
図１は、本実施の形態に係る配信サーバシステムのシステム構成図であり、複合機に関する機能ブロックを詳細に示している。図１において、複合機１００は、ＣＰＵ１０１に対して内部バス１０２を介してＦＡＸ制御部１０３、スキャナ制御部１０４、プリンタ制御部１０５、パネル制御部１０６、ネットワークインタフェース制御部１０７が接続されている。ＦＡＸ制御部１０３はモデム１０８を介して画像メモリ１１３から画像データの受け渡しを行いながら、ファクシミリの送受信を行う。スキャナ制御部１０４はスキャナ１０９を制御して原稿の読み取り処理を行い、画像メモリ１１３に画像データを蓄積する。プリンタ制御部１０５は画像メモリ１１３に蓄積された画像データをプリンタ１１０で印刷するように制御を行う。パネル制御部１０６はメモリ１１４に蓄積されたメニュー情報を読み込んで、パネル１１１に表示処理を行う。ネットワークインタフェース制御部１０７はネットワークコントローラ１１２を制御して、ネットワーク１１５上の配信サーバ２００、クライアント３００とデータの受け渡しを行う。
【００４４】
なお、ネットワーク１１５には上記複合機１００と同様に構成された複数の複合機が接続されているものとする。また、配信サーバ２００、クライアント３００はコンピュータで構成することができる。ネットワーク１１５として、ＬＡＮの例を示しているがＷＡＮ化したネットワークであっても良い。
【００４５】
図２は、配信サーバ２００の機能ブロック図である。図２において、配信サーバＧＵＩ処理部２０１は、複合機１００で実行するジョブのメニュー情報の作成、複合機１００のメニュー表示能力情報とジョブ能力情報の表示、ログ情報の表示など、配信サーバ２００のＧＵＩ処理を実行する。また、配信サーバＧＵＩ処理部２０１は、配信サーバインタフェース処理部２０２を介して、メニュー情報処理部２０３、ジョブ能力処理部２０４、ログ情報処理部２０５、ネットワークインタフェース制御部２０６と連結されている。
【００４６】
メニュー情報処理部２０３は、配信サーバＧＵＩ処理部２０１の画面上で作成されたメニュー情報をハードディスク２０７に対してデータの書き込み又は読み取りを行う。ジョブ能力処理部２０４は、ネットワーク１１５上の複合機１００で処理可能なジョブ（コピー、プリンタ、スキャナ、ＦＡＸ送受信など）の能力情報をハードディスク２０７に対してデータ書き込み又は読み取りを行う。ログ情報処理部２０５は、配信サーバ２００上で実行した機能をログ情報としてハードディスク２０７に対してデータ書き込み又は読み取りを行う。また、ハードディスク２０７上には、メニュー情報、ジョブ能力情報、ログ情報が蓄積されているが、他のシステムとのデータ交換を行うためにＸＭＬ、ＣＳＶファイル等のような汎用的なデータフォーマットで管理する。ネットワークインタフェース制御部２０６は、ネットワークコントローラ２０８を介してネットワーク１１５上の複合機１００、クライアント３００、他の配信サーバ、他システムとの間でデータの送受信を行う。
【００４７】
次に以上のように構成された配信サーバシステムにおける具体的な動作内容について説明する。
【００４８】
図３は、配信サーバ２００上でメニュー情報を作成するためのフローチャートである。まず、ユーザーが配信サーバ２００上の配信サーバＧＵＩ処理部２０１を介してあらかじめ複合機のメニューに表示可能な能力を設定する（ＳＴ３０１）。配信サーバＧＵＩ処理部２０１を介して入力されたメニュー表示能力情報はハードディスク２０７に蓄積する（ＳＴ３０２）。
【００４９】
図４は複合機のメニュー表示能力情報の構成例を示している。同図に示すように、メニュー表示能力情報は、複合機ごとに登録され、複合機を識別するデバイスＩＤ、メニューの最大表示項目数、メニュー項目の最大名称文字数、キャラクタセットを、ユーザーが登録できるように構成している。なお、メニュー表示能力情報であれば、その他の表示能力を登録するようにしても良い。
【００５０】
このようにして、配信サーバ２００のハードディスク２０７に各複合機のメニュー表示能力に関する情報が保存される。全ての複合機についてメニュー表示能力情報の登録が完了したら（ＳＴ３０３）、ジョブ能力情報の登録へ移行する。
【００５１】
次に、ユーザーは配信サーバＧＵＩ処理部２０１を介してあらかじめ複合機が処理可能なジョブに関するジョブ能力を設定する（ＳＴ３０４）。配信サーバＧＵＩ処理部２０１を介して入力された各複合機のジョブ能力情報はハードディスク２０７に蓄積する（ＳＴ３０５）。
【００５２】
図５は複合機のジョブ能力情報の構成例を示している。同図に示すように、ジョブ能力情報は、複合機ごとに登録され、コピー、プリンタ、スキャナなどの処理可能な各ジョブのジョブＩＤと、各ジョブに関する詳細情報（例えば、コピーのイメージタイプ、用紙サイズ等）を示すジョブパラメータとが登録される。
【００５３】
このようにして、配信サーバ２００のハードディスク２０７に各複合機のジョブ能力情報が保存される。全ての複合機についてジョブ能力情報の登録が完了したら（ＳＴ３０６）、メニュー情報の登録へ移行する。
【００５４】
次に個人のメニュー情報を作成する。配信サーバＧＵＩ処理部２０１はハードディスク２０７に蓄積されている複合機ごとにメニュー表示能力情報とジョブ能力情報とを読み出して、ディスプレィに表示する（ＳＴ３０７）。
【００５５】
個人のメニュー情報を作成しようとするユーザーから当該個人のユーザーＩＤとパスワードの入力を受け付ける（ＳＴ３０８）。続いて、ユーザーが表示されているメニュー表示能力情報とジョブ能力情報とを参照して本複合機上で実行したいメニュー（メニュー名称）を決めて、当該メニューに対するジョブＩＤ，使用するジョブパラメータを配信サーバＧＵＩ処理部２０１を介して選択する。複数のメニューを登録することも可能である。
【００５６】
ユーザーが配信サーバＧＵＩ処理部２０１を介して入力したメニュー名称、ジョブＩＤ，ジョブパラメータからなるメニュー情報を作成し（ＳＴ３０９）、個々のメニュー名称ごとにメニューＩＤを付与してハードディスク２０７に保存する（ＳＴ３１０）。すなわち、個人が登録したメニュー情報は個人のユーザＩＤで管理され、ユーザＩＤの下にその個人が登録した複数のメニューＩＤが登録される形式を採る。本例では配信サーバＧＵＩ処理部２０１がメニュー作成手段として機能する。
【００５７】
図６にメニュー情報の構成例を示す。同図に示すように、ある複合機についてコピー機能を使用してＡ４サイズの用紙に３００ｄｐｉの解像度で印刷するメニューを登録する場合、ユーザーが「Ａ４コピー３００ｄｐｉ」というメニュー名称を入力し、ジョブＩＤとして「コピー」を入力し、ジョブパラメータとして「モノクロ，Ａ４」を入力する。メニュー名称を登録する場合、複合機のメニュー表示能力に応じて文字数の制限があるので、表示されているメニュー表示能力情報を参照してメニュー名称を決定することになる。また、当該複合機で処理可能なジョブ及びジョブパラメータは表示されているジョブ能力情報を参照して入力又は選択する。
【００５８】
次に、複合機１００が配信サーバ２００からメニュー情報を取得してジョブを実行する場合について、図７のフローチャートを参照して説明する。
【００５９】
ユーザーは、メニュー情報が必要になると複合機１００のパネル１１１上にあるメニュー取得ボタンを押下する。メニュー取得ボタンに押下があると、パネル制御部１０６がボタン押下を検知し（ＳＴ３１３）、ネットワークインタフェース制御部１０７を通じて、ネットワークコントローラ１１２から配信サーバにメニュー情報取得を要求する（ＳＴ３１４）。メニュー情報取得要求時にはユーザーＩＤとパスワードも送信する。
【００６０】
配信サーバ２００は、ネットワークコントローラ２０８を通じてネットワークインタフェース制御部２０６でメニュー情報取得を受信したか監視している（ＳＴ３１１，ＳＴ３１２）。ＳＴ３１２でメニュー情報取得の要求有りと判定した場合は（ＳＴ３１５）、複合機１００からメニュー情報取得要求受信時にユーザーＩＤとパスワードが送信されていれば、ユーザーＩＤとパスワードの認証を行い（ＳＴ３１６）、配信サーバインタフェース処理部２０２を通じて、メニュー情報処理部２０３からハードディスク２０７に蓄積されたメニュー情報のうちユーザーＩＤに対応するメニュー情報を抽出する（ＳＴ３１７）。すなわち、ユーザＩＤの下に管理されている当該個人が先に登録している全てのメニューＩＤを抽出し、それらのメニューＩＤで特定される各メニューのメニュー情報を取り出す。
【００６１】
再び、配信サーバインタフェース処理部２０２を通じて、ネットワークインタフェース制御部２０６から複合機１００へメニュー情報のレスポンスとしてメニュー情報を送信する（ＳＴ３１８）。
【００６２】
複合機１００は、メニュー情報を受信すると（ＳＴ３１９）、パネル制御部１０６によりメニュー情報をパネル１１１に表示する（ＳＴ３２０）。複合機１００のパネル１１１に表示されたメニューがユーザーにより選択された時に（ＳＴ３２１，ＳＴ３２２）、複合機１００はメニュー情報のジョブＩＤで定義されたジョブをジョブパラメータで定義された内容に応じて実行する（ＳＴ３２３）。
【００６３】
このように、本実施の形態に係る配信サーバシステムでは、配信サーバ２００上で作成したメニュー情報をネットワーク１１５上の複合機１００からメニュ−情報として取得でき、異なる複合機においても定型のメニュー情報を選択することで定型業務のジョブを実行することができる。
【００６４】
また、本実施の形態に係る配信サーバシステムによれば、配信サーバ２００のハードディスク２０７に蓄積するメニュー情報を、他システムとのデータ交換を行うためにＸＭＬ、ＣＳＶファイルのような汎用的なデータフォーマットで管理するので、ネットワーク１１５上の他のシステムとの間で汎用フォーマットであるＸＭＬデータでメニュー情報を交換でき、他のシステムとの間でメニュー情報を共有できるので、メニュー情報のデータ交換が容易に実現できる。
【００６５】
また、本実施の形態に係る配信サーバシステムによれば、配信サーバ２００が複合機ごとに異なるメニュー表示能力とジョブ能力情報に基づいてメニュー情報を作成して蓄積し、個人ごとにメニュー情報を作成するためにメニュー情報をユーザーＩＤで管理し、複合機１００のパネル１１１からユーザーＩＤとパスワードを入力してユーザーＩＤに対応したメニュー情報を取得するものとしたので、配信サーバ２００上でユーザーごとにメニュー情報を作成するため、ネットワーク１１５上の異なる複合機からユーザーごとのメニュ−情報を取得でき、個々のユーザーの業務に適した複合機のメニュー表示を実現することができる。
【００６６】
なお、以上の説明では、配信サーバ２００において各複合機のメニュー表示能力情報とジョブ能力情報とをユーザーが入力していたが、配信サーバ２００がネットワーク経由で自動的に収集するように構成してもよい。
【００６７】
図８は、配信サーバシステムにおける配信サーバ上で複合機からメニュー表示能力情報とジョブ能力情報を自動的に取得するフローチャート図である。
【００６８】
配信サーバ２００において、配信サーバＧＵＩ処理部２０１の検索ボタンを押下することにより、ネットワークインタフェース制御部２０６を通じて、ネットワーク１１５上の全複合機に対して能力情報の取得要求がブロードキャストされる（ＳＴ７０１）。例えば、ＭＩＢやＳＯＡＰなどのプロトコルによりネットワーク１１５上の複合機を検索する。
【００６９】
図８に示す複合機はネットワーク１１５上のある複合機１００である。複合機１００は、配信サーバ２００からの能力取得の要求を受信する（ＳＴ７０２）。複合機１００は、自機が能力取得の要求に対して回答できる能力をサポートしてれば（ＳＴ７０３）、能力取得の要求に対する応答を返す（ＳＴ７０４）。
【００７０】
配信サーバ２００は、ＳＴ７０１で能力取得の要求を送信した後、能力取得に対する応答を監視し（ＳＴ７０５）、複合機から応答があれば能力取得の応答を取得する（ＳＴ７０６，７０７）。そして、配信サーバ２００は、応答があった複合機に対してメニュー表示能力情報の取得を要求する（ＳＴ７０８）。
【００７１】
応答を返した複合機は、配信サーバ２００からメニュー表示能力情報の取得要求を受信すると（ＳＴ７０９）、メモリ１１４から自機のメニュー表示能力情報をリードし（ＳＴ７１０）、リードしたメニュー表示能力情報を配信サーバ２００へ送信する（ＳＴ７１１）。
【００７２】
配信サーバ２００では、複合機からメニュー表示能力情報を受信して（ＳＴ７１２）、当該複合機名とメニュー表示能力情報とを対応させてハードディスク２０７へ格納する（ＳＴ７１３）。
【００７３】
次に、配信サーバ２００は、メニュー表示能力情報を取得した複合機に対してジョブ能力情報の取得を要求する（ＳＴ７１４）。
【００７４】
複合機は、配信サーバ２００からジョブ能力情報の取得要求を受信すると（ＳＴ７１５）、メモリ１１４から自機のジョブ能力情報をリードし（ＳＴ７１６）、リードしたジョブ能力情報を配信サーバ２００へ送信する（ＳＴ７１７）。
【００７５】
配信サーバ２００は、複合機からジョブ能力情報を受信すると（ＳＴ７１８）、複合機名とジョブ能力情報とを対応させてハードディスク２０７へ格納する（ＳＴ７１９）。
【００７６】
なお、配信サーバ２００は、ＳＴ７０６において複合機からの応答を監視しているが、応答がないままタイムアウトになったときは（ＳＴ７２０）、処理を終了する。
【００７７】
これにより、ＭＩＢやＳＯＡＰのような汎用的な複数の通信方法でネットワーク１１５上の複合機を検索して、各複合機のメニュー表示能力情報とジョブ能力情報を自動的に取得するので、配信サーバ２００上でメニュー情報を作成する場合にネットワーク１１５上の複合機を自動的に検索でき、またメニュー情報を作成するために必要なメニュー表示能力、ジョブ能力、ＩＰアドレスなどの複合機の情報を配信サーバ２００上に設定することなく、自動的に取得することができる。
【００７８】
（実施の形態２）
次に、本発明の実施の形態２に係る配信サーバシステムについて説明する。なお、配信サーバシステムのシステム構成については、上記実施の形態１と同じであるので図１及び図２の符号をそのまま使用するものとする。
【００７９】
本実施の形態は、複合機Ａ上でメニュー情報が選択された時に、複合機Ａで装備されていない機能に関して複合機Ｂの機能を組み合わせて所望のジョブを実現する用に構成したものである。
【００８０】
図９は、配信サーバ２００上で複合機Ａのメニュー情報を作成する時にあるジョブに関するメニュー情報を複合機Ａと複合機Ｂの組み合わせで実行するフローチャート図である。なお、複合機Ａ，Ｂは、図１に示す複合機１００と同様の機能を備えるものとする。但し、複合機Ａはスキャナ、プリンタ、コピーの機能が搭載されておりＦＡＸ機能が搭載されておらず（図１からＦＡＸ機能を削除した構成）、複合機Ｂはスキャナ、プリンタ、コピー、ＦＡＸ機能が搭載されているものとする。
【００８１】
ここで、配信サーバ２００に保存している複合機Ａに関するある個人のメニュー情報を説明する。図１０は複合機Ａに関するある個人のメニュー情報の構成例を示している。同図に示すように、ある個人のメニューＩＤ１にはメニュー名称として「中村さんＦＡＸ送信」なるジョブが登録されているが、複合機Ａは前述の通りＦＡＸ機能を持たない。
【００８２】
そこで、本実施の形態では、メニュー情報に「配信ＩＤ」の項目（リンク情報）を新たに設けることで、個々のメニューを配信情報にリンクさせることができるようにしている。図１１は「中村さんＦＡＸ送信」のメニューにリンクされた配信情報の構成例を示している。同図に示すように、配信情報は、メニュー情報内の特定メニューにリンクした「配信ＩＤ」、配信先のデバイスの識別情報である「デバイスＩＤ」、配信先の複合機における実行ジョブを示す「ジョブＩＤ」、配信先の複合機における当該ジョブの仕様を示す「ジョブパラメータ」、実行されたジョブの実行結果を通知するべきアドレスを指定した「ＩＰアドレス」の各項目を有する。なお、配信情報の項目は上記項目の組合せに限定されるものではなく、適宜任意の組合せを設定可能である。
【００８３】
上記メニュー情報及び配信情報は予め作成して配信サーバ２００のハードディスク２０７に格納されている。
【００８４】
以上のように構成した配信サーバシステムにおいて、ＦＡＸ機能を搭載していない複合機ＡでＦＡＸ送信に関するメニューを使用して、複合機ＢからＦＡＸ送信する場合の動作を説明する。
【００８５】
ユーザーは上記実施の形態１と同様にして、複合機Ａ上で個人の定型業務が定義されたメニューを配信サーバ２００から取得する。この結果、複合機Ａにおけるパネル１１３にメニュー情報が表示され、表示されているメニュー情報のメニューＩＤ＝１には「中村さんへＦＡＸ送信」が存在する。
【００８６】
複合機Ａにおいて「中村さんへＦＡＸ送信」のメニューが選択されると（ＳＴ８０１）、複合機Ａはメニュー情報の複合機ジョブ−ＩＤ「スキャナ」と複合機ジョブパラメータ「モノクロ、Ａ４、２００ｄｐｉ」に基づいて、複合機Ａで原稿の読み取り処理を実行する（ＳＴ８０２）。複合機Ａで実行した読み取り処理の画像データとメニューＩＤ＝１の「中村さんへＦＡＸ送信」に対応する配信ＩＤの情報「配信ＩＤ＝３」を配信サーバ２００に送信する（ＳＴ８０３）。
【００８７】
配信サーバ２００では、画像データと配信ＩＤを受信し（ＳＴ８０４）、ハードディスク２０７から配信情報をリードする（ＳＴ８０５）。そして、配信ＩＤに基づいて同一配信ＩＤの配信情報を特定する（ＳＴ８０６）。配信サーバ２００は、特定した配信情報から配信先デバイスＩＤから配信先の複合機を認識し、配信先複合機におけるジョブＩＤ、当該ジョブに関するジョブパラメータ、結果返送先のＩＰアドレスを取得し、これら取得した配信情報と受信画像データとを、配信先として認識した複合機Ｂへ送信する（ＳＴ８０７）。具体的には、図１１に示す例では、配信サーバ２００は配信ＩＤ＝３の配信先である複合機Ｂへ配信先複合機ジョブＩＤの「ＦＡＸ送信」、配信先複合機ジョブパラメータの「03-1234-5678、Ａ４、ファイン」、結果返送先ＩＰアドレス「172.12.34.56（複合機Ａ）」のそれぞれの情報と画像データを送信する。
【００８８】
複合機Ｂでは、配信サーバ２００から画像データ、配信先複合機ジョブＩＤ、配信先複合機ジョブパラメータ、結果返送先ＩＰアドレスを受信する（ＳＴ８０８）。複合機Ｂは、受信した画像データ、配信先複合機ジョブＩＤ、配信先複合機ジョブパラメータに基づいて、ＦＡＸ番号03-1234-5678にＡ４サイズ、ファイン解像度でＦＡＸ送信処理を実行する（ＳＴ８０９）。ＦＡＸ送信処理が終了したら（ＳＴ８１０）、複合機ＢではＦＡＸ送信結果を受信した結果返送先ＩＰアドレスに送信する（ＳＴ８１１）。
【００８９】
複合機Ａは、結果返送先となっているので、自分が実行しようとしたＦＡＸ送信の結果を受信して（ＳＴ８１２）、送信結果をパネルに表示する（ＳＴ８１３）。
【００９０】
また、複合機Ｂは、配信サーバ２００へジョブの結果を送信する（ＳＴ８１４）。配信サーバ２００は、ジョブ結果を受信すると（ＳＴ８１５）、そのジョブ結果を実行した機能のログ情報としてハードディスク２０７へ蓄積し、他システムとのデータ交換を行うためにＸＭＬのような汎用的なデータフォーマットで管理する。他のシステムから要求があればログ情報を返信する。
【００９１】
このように本実施の形態によれば、複合機上のメニュー情報が選択された時に複合機Ａがメニュー情報に定義されているジョブを実行する場合、複合機Ａで装備されていない機能に関して、複合機Ａと複合機Ｂの機能の組み合わせにてジョブを実現するものとしたので、ある機能を搭載していない複合機Ａからも配信サーバ２００を経由して、その機能を搭載している他の複合機Ｂで実行することで、搭載していない機能を実現することができる。
【００９２】
また本実施の形態は、複合機Ａと複合機Ｂの機能の組み合わせにて機能を実現する場合に、複合機Ｂで実行した機能の結果を複合機Ａや配信サーバ２００などの結果返送先を指定するようにしたので、複合機Ａから送信原稿を読み取り、配信サーバ２００が複合機ＢへＦＡＸ送信の配信処理をした時に、複合機ＢがＦＡＸ送信を実行した結果の通知先は、配信サーバ２００上で結果返送先として定義することが可能で、ユーザーが送信結果を知りたい場所としてネットワーク上の複合機や配信サーバやＰＣを自由に設定することができる。
【００９３】
また本実施の形態は、実行した機能を配信サーバ２００上にログ情報として蓄積し、他システムとのデータ交換を行うためにＸＭＬのような汎用的なデータフォーマットで管理するので、ネットワーク１１５上の他のシステムとの間で汎用フォーマットであるＸＭＬデータでログ情報を交換でき、他のシステムとの間でログ情報を共有することができる。
【００９４】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、複合機の全ての機能を定型化したメニューにすることにより、使用頻度の高い機能を複合機上で簡単に操作して実行することができる。
【００９５】
また、本発明は、個人ごとの定型業務を配信サーバから取得できることにより、ネットワーク上の別の複合機からも定型業務のメニューを取得することができる。
【００９６】
また、本発明は、複合機に実装されていない機能を配信サーバ経由でネットワーク上の別の複合機に実装されている機能と組み合わせることにより、ネットワーク上の複合機間で機能を共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態１，２に係る配信サーバシステムのシステム構成を示し、複合機の構成を詳しく示したシステム構成図
【図２】本発明の実施の形態１，２に係る配信サーバシステムに含まれる配信サーバの構成を詳しく示したシステム構成図
【図３】本発明の実施の形態１におけるメニュー情報の作成に係わるフロー図
【図４】複合機のメニュー表示能力情報を示す図
【図５】複合機のジョブ能力情報を示す図
【図６】メニュー情報の構成を示す図
【図７】本発明の実施の形態１におけるメニュー情報の取得に係わるフロー図
【図８】本発明の実施の形態１において能力情報を自動取得する場合のフロー図
【図９】本発明の実施の形態２における機能組合せのフロー図
【図１０】本発明の実施の形態２において使用されるメニュー情報を示す図
【図１１】本発明の実施の形態２において使用される配信情報を示す図
【符号の説明】
１００ 複合機
１０１ ＣＰＵ
１０２ 内部バス
１０３ ＦＡＸ制御部
１０４ スキャナ制御部
１０５ プリンタ制御部
１０６ パネル制御部
１０７ ネットワークインタフェース制御部
１０８ モデム
１０９ スキャナ
１１０ プリンタ
１１１ パネル
２００ 配信サーバ
２０１ 配信サーバＧＵＩ処理部
２０２ 配信サーバインタフェース処理部
２０３ メニュー情報処理部
２０４ ジョブ能力処理部
２０５ ログ情報処理部
２０６ ネットワークインタフェース制御部
２０７ ハードディスク
【発明の属する技術分野】
本発明は、オペレーションに必要なメニューをネットワーク経由で受け取って利用する複合機及び当該複合機へメニューを配信する配信サーバ並びに配信サーバシステムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、この種の複合機では、スキャナデータをネットワーク経由で端末（ＰＣ）へ配信するために、配信先のアドレス帳を取得することが行われていた。配信サーバではスキャナデータを配信する際に使用するアドレス帳を作成しており、そのアドレス帳の中で端末や文書管理サーバを定義していた。複合機において、パネルに表示したアドレス帳の取得ボタンを押下してアドレス帳を取得し、アドレス帳を選択してスキャナデータの配信先のアドレスを取得する。そして、原稿の読み取り処理を行い、配信サーバを経由して選択されたアドレスを持つ配信先へスキャナデータを送信していた。
【０００３】
一方、メニューの登録に関しては、ユーザーが目的とするメニューを利用したときに、そのメニューに到達するまでの操作数が最小となるメニュー画面を作成し、ユーザーが使用する装置自身に格納しておく装置がある（例えば特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】
特開平９−５４６６８号公報（段落００１８、図１）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来技術の構成では、スキャナデータの配信先を示すアドレス帳又はＦＡＸ受信データの転送先を示すアドレス帳としてメニュー表示しているため、複合機の全ての機能を定型化したメニューとして使用できない問題がある。
【０００６】
また、個人ごとの定型業務を複合機のメニューに表示できないため、複合機を複数ユーザーで共有しているメニューの中から、必要なメニューを探さなければならいという問題がある。
【０００７】
また、ＦＡＸなどの機能が実装されていない複合機ではＦＡＸ送信できないが、ＦＡＸ機能を実装した他の複合機に送信依頼するためには複雑な設定が必要になる問題があった。
【０００８】
また、ユーザが使用する装置自体にメニュー情報を保存したのでは、保存用メモリが必要になるといった問題があった。
【０００９】
本発明は、上述の課題に鑑みて為されたもので、個人ごとの定型業務をどの複合機でもメニューに表示して実行することができる複合機及び配信サーバ並びに配信サーバシステムを提供することを目的とする。
【００１０】
また本発明は、複合機に実装されていない機能を配信サーバ経由でネットワーク上の別の複合機にメニューを介して簡単に依頼でき、そのシステム設定も容易で使い勝手の良い複合機及び配信サーバ並びに配信サーバシステムを提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の目的を達成するため、ネットワーク上の複合機のメニュー表示能力とジョブ能力に応じて複合機に表示するメニュー情報を定義して、ユーザーごとに複合機のパネル表示メニューを設定、表示することを可能にしたものである。
【００１２】
これにより、個人ごとの定型業務をどの複合機でもメニューに表示して実行することができる。
【００１３】
また本発明は、複合機に実装された機能で不充分なジョブを実行するために、配信サーバを経由してネットワーク上の別の複合機の機能との組み合わせで所望のジョブを実現することを可能にしたものである。
【００１４】
これにより、ネットワーク上の複合機が持っている機能をすべての複合機で共有することができる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
本発明の第１の態様にかかる配信サーバは、メニュー名称と当該メニュー名称に係わるジョブを実行するための情報とからなるメニュー情報を、複合機ごとに各複合機の表示能力情報及びジョブ能力情報に基づいて作成するメニュー作成手段と、作成されたメニュー情報を保存するデータ保持手段と、ネットワークを介して複合機と通信する通信手段と、前記複合機から要求されたメニュー情報を前記データ保持手段から取り出してネットワーク経由で要求元の複合機へ配信する配信手段と、を備える構成とした。
【００１６】
この構成により、配信サーバ上で作成したメニュー情報をネットワーク上の複合機からメニュー情報として取得でき、複合機の全ての機能を定型化したメニューとして使用でき、任意のメニューを選択することで定型業務のジョブを実行することができる。
【００１７】
本発明の第２の態様は、第１の態様の配信サーバにおいて、前記メニュー作成手段は、複合機の表示能力情報の範囲内でユーザーが定めたメニュー名称と表示されたジョブ能力情報からユーザーが選択した機能とに基づいて個人のメニュー情報を作成するものとした。
【００１８】
これにより、配信サーバ上でユーザーごとにメニュー情報を作成するため、ネットワーク上の異なる複合機からユーザーごとのメニュ−情報を取得でき、個々のユーザーの業務に適した複合機のメニュー表示を実現することができる。
【００１９】
本発明の第３の態様は、第２の態様の配信サーバにおいて、前記データ保持手段は、個人のメニュー情報をユーザーＩＤと関連付けて保存し、前記配信手段は、複合機からユーザーＩＤを使用してメニュー情報を要求してきたら、当該ユーザーＩＤに関連付けられたメニュー情報を前記データ保持手段から取り出すものとした。
【００２０】
これにより、ユーザーは複合機からユーザーＩＤを使用して個人のメニュー情報を取得でき、そのメニュー情報から個人の定型業務を実行することができる。
【００２１】
本発明の第４の態様は、第１から第３の態様の配信サーバにおいて、既存のプロトコルを使用してネットワーク上にある複合機を検索し、検索した各複合機から表示能力情報及びジョブ能力情報を自動的に取得するものである。
【００２２】
これにより、配信サーバ上でメニュー情報を作成する場合にネットワーク上の複合機を自動的に検索でき、またメニュー情報を作成するために必要なメニュー表示能力、ジョブ能力、IPアドレスなどの複合機の情報を配信サーバ上に設定することなく、自動的に取得することができる。
【００２３】
本発明の第５の態様は、第１から第４の態様の配信サーバにおいて、前記データ保持手段は、他システムとのデータ交換を容易にする汎用的なデータフォーマットにてメニュー情報を管理するものである。
【００２４】
これにより、配信サーバ上で作成したメニュー情報を汎用的なデータフォーマットにて蓄積するため、ネットワーク上の他のシステムとの間で汎用フォーマットでメニュー情報を交換でき、他のシステムとの間でメニュー情報を共有できるので、メニュー情報のデータ交換が容易に実現できる。
【００２５】
本発明の第６の態様は、第１から第５の態様の配信サーバにおいて、複合機Ａの機能と他の複合機Ｂの機能とを組合せて１つのジョブを実行する場合、当該ジョブの内容を表すメニュー名称と複合機Ａで使用する機能と当該機能の詳細情報とからなるメニュー情報と、前記ジョブを引き継ぐ複合機Ｂを特定する情報と複合機Ｂで使用する機能と当該機能の詳細情報とからなる配信情報と、を前記データ保持手段に保持し、複合機Ａから前記配信情報に対するリンク情報とジョブ実行結果とを受信したら、リンク情報にてリンクされた配信情報からジョブ引継ぎ先の複合機Ｂを特定し、前記配信情報に登録された複合機Ｂで使用する機能と当該機能の詳細情報を複合機Ａの機能実行結果と共に複合機Ｂに対して送信するものである。
【００２６】
これにより、例えば複合機ＡがＦＡＸ機能を搭載しておらず、複合機ＢがＦＡＸ機能を搭載している場合に、配信サーバ上で複合機Ａのメニュー情報を作成する時に「03-1234-5678へＦＡＸ送信を実行」に関するメニュー情報は、複合機Ａは送信原稿の読み取りと配信サーバへ画像データを送信し、配信サーバは複合機Ｂに対して、03-1234-5678へＦＡＸ送信の配信処理を実行する内容であり、ある機能を搭載していない複合機からも配信サーバを経由して、搭載していない機能を実現することができる。
【００２７】
本発明の第７の態様は、第６の態様の配信サーバにおいて、前記配信情報は、ジョブ引継ぎ先の複合機Ｂが実行した機能の結果を当該複合機Ｂが通知すべき結果返送宛先となる結果返送先が登録されており、前記結果返送宛先を前記複合機Ｂへ送信するものとした。
【００２８】
これにより、複合機Ａから送信原稿を読み取り、配信サーバが複合機ＢへＦＡＸ送信の配信処理をした時に、複合機ＢがＦＡＸ送信を実行した結果の通知先は、配信サーバ上で結果返送先として定義することが可能で、ユーザーが送信結果を知りたい場所としてネットワーク上の複合機や配信サーバや端末を自由に設定することができる。
【００２９】
本発明の第８の態様は、第１から第７のいずれかの態様の配信サーバにおいて、複合機が前記メニュー情報から実行した機能をログ情報として保存するものである。
【００３０】
これにより、配信サーバが実行するログ情報を蓄積でき、ネットワーク上の他のシステムとの間でログ情報を交換でき、他のシステムとの間でログ情報を共有することができる。
【００３１】
本発明の第９の態様は、ネットワークを介して配信サーバと通信する通信手段と、当該機の表示能力情報及びジョブ能力情報に基づいて作成されているメニュー情報を前記配信サーバからネットワーク経由で取得するメニュー取得手段と、取得したメニュー情報の中からユーザーが選択したジョブを実行する実行手段と、を具備する複合機である。
【００３２】
このように構成された複合機によれば、配信サーバ上で作成したメニュー情報をネットワーク上の複合機からメニュー情報として取得でき、複合機の全ての機能を定型化したメニューとして使用でき、任意のメニューを選択することで定型業務のジョブを実行することができる。
【００３３】
本発明の第１０の態様は、第９の態様の複合機において、前記メニュー取得手段は、ユーザーから入力されたユーザーＩＤを使用して個人のメニュー情報を前記配信サーバから取得するものとした。
【００３４】
これにより、ユーザーは複合機からユーザーＩＤを使用して個人のメニュー情報を取得でき、そのメニュー情報から個人の定型業務を実行することができる。
【００３５】
本発明の第１１の態様は、第９又は第１０の態様の複合機において、前記配信サーバが既存のプロトコルを使用して能力情報を要求してきたら、当該機の表示能力情報及びジョブ能力情報を返信するものとした。
【００３６】
これにより、配信サーバ上でメニュー情報を作成する場合に、メニュー情報を作成するために必要なメニュー表示能力、ジョブ能力、IPアドレスなどの複合機の情報を配信サーバ上に設定することなく、自動的に取得することができる。
【００３７】
本発明の第１２の態様は、第９から第１１のいずれかの態様の複合機において、複合機Ａの機能と他の複合機Ｂの機能とを組合せて１つのジョブを実行する場合、配信サーバから複合機Ａの機能実行結果と、当該機でジョブを引き継ぐための情報とを受信し、当該受信情報に基づいて複合機Ａから引き継いだジョブを実行するものとした。
【００３８】
これにより、例えば複合機ＡがＦＡＸ機能を搭載しておらず、複合機ＢがＦＡＸ機能を搭載している場合に、配信サーバ上で複合機Ａのメニュー情報を作成する時に「03-1234-5678へＦＡＸ送信を実行」に関するメニュー情報は、複合機Ａは送信原稿の読み取りと配信サーバへ画像データを送信し、配信サーバは複合機Ｂに対して、03-1234-5678へＦＡＸ送信の配信処理を実行する内容であり、ある機能を搭載していない複合機からも配信サーバを経由して、搭載していない機能を実現することができる。
【００３９】
本発明の第１３の態様は、第１２の態様の複合機において、前記配信情報に実行した機能の結果を通知すべき宛先となる結果返送先が登録されている場合は、当該結果返送先へ実行結果を送信するものとした。
【００４０】
これにより、複合機Ａから送信原稿を読み取り、配信サーバが複合機ＢへＦＡＸ送信の配信処理をした時に、複合機ＢがＦＡＸ送信を実行した結果の通知先は、ネットワーク上の複合機や配信サーバや端末等の宛先に送信される。
【００４１】
本発明の第１４の態様は、メニュー情報を配信する配信サーバと、当該配信サーバにネットワーク経由で接続されメニュー情報の配信を受ける複合機とからなる配信サーバシステムであり、前記配信サーバは、メニュー名称と当該メニュー名称に係わるジョブを実行するための情報とからなるメニュー情報を、複合機ごとに各複合機の表示能力情報及びジョブ能力情報に基づいて作成するメニュー作成手段と、作成されたメニュー情報を保存するデータ保持手段と、ネットワークを介して複合機と通信する通信手段と、前記複合機から要求されたメニュー情報を前記データ保持手段から取り出してネットワーク経由で要求元の複合機へ配信する配信手段と、を備える。また、前記複合機は、ネットワークを介して配信サーバと通信する通信手段と、前記メニュー情報を前記配信サーバからネットワーク経由で取得するメニュー取得手段と、取得したメニュー情報の中からユーザーが選択したジョブを実行する実行手段と、を備える。
【００４２】
以下、本発明の複合機及び配信サーバからなる配信サーバシステムの実施の形態について図面を参照して説明する。
【００４３】
（実施の形態１）
図１は、本実施の形態に係る配信サーバシステムのシステム構成図であり、複合機に関する機能ブロックを詳細に示している。図１において、複合機１００は、ＣＰＵ１０１に対して内部バス１０２を介してＦＡＸ制御部１０３、スキャナ制御部１０４、プリンタ制御部１０５、パネル制御部１０６、ネットワークインタフェース制御部１０７が接続されている。ＦＡＸ制御部１０３はモデム１０８を介して画像メモリ１１３から画像データの受け渡しを行いながら、ファクシミリの送受信を行う。スキャナ制御部１０４はスキャナ１０９を制御して原稿の読み取り処理を行い、画像メモリ１１３に画像データを蓄積する。プリンタ制御部１０５は画像メモリ１１３に蓄積された画像データをプリンタ１１０で印刷するように制御を行う。パネル制御部１０６はメモリ１１４に蓄積されたメニュー情報を読み込んで、パネル１１１に表示処理を行う。ネットワークインタフェース制御部１０７はネットワークコントローラ１１２を制御して、ネットワーク１１５上の配信サーバ２００、クライアント３００とデータの受け渡しを行う。
【００４４】
なお、ネットワーク１１５には上記複合機１００と同様に構成された複数の複合機が接続されているものとする。また、配信サーバ２００、クライアント３００はコンピュータで構成することができる。ネットワーク１１５として、ＬＡＮの例を示しているがＷＡＮ化したネットワークであっても良い。
【００４５】
図２は、配信サーバ２００の機能ブロック図である。図２において、配信サーバＧＵＩ処理部２０１は、複合機１００で実行するジョブのメニュー情報の作成、複合機１００のメニュー表示能力情報とジョブ能力情報の表示、ログ情報の表示など、配信サーバ２００のＧＵＩ処理を実行する。また、配信サーバＧＵＩ処理部２０１は、配信サーバインタフェース処理部２０２を介して、メニュー情報処理部２０３、ジョブ能力処理部２０４、ログ情報処理部２０５、ネットワークインタフェース制御部２０６と連結されている。
【００４６】
メニュー情報処理部２０３は、配信サーバＧＵＩ処理部２０１の画面上で作成されたメニュー情報をハードディスク２０７に対してデータの書き込み又は読み取りを行う。ジョブ能力処理部２０４は、ネットワーク１１５上の複合機１００で処理可能なジョブ（コピー、プリンタ、スキャナ、ＦＡＸ送受信など）の能力情報をハードディスク２０７に対してデータ書き込み又は読み取りを行う。ログ情報処理部２０５は、配信サーバ２００上で実行した機能をログ情報としてハードディスク２０７に対してデータ書き込み又は読み取りを行う。また、ハードディスク２０７上には、メニュー情報、ジョブ能力情報、ログ情報が蓄積されているが、他のシステムとのデータ交換を行うためにＸＭＬ、ＣＳＶファイル等のような汎用的なデータフォーマットで管理する。ネットワークインタフェース制御部２０６は、ネットワークコントローラ２０８を介してネットワーク１１５上の複合機１００、クライアント３００、他の配信サーバ、他システムとの間でデータの送受信を行う。
【００４７】
次に以上のように構成された配信サーバシステムにおける具体的な動作内容について説明する。
【００４８】
図３は、配信サーバ２００上でメニュー情報を作成するためのフローチャートである。まず、ユーザーが配信サーバ２００上の配信サーバＧＵＩ処理部２０１を介してあらかじめ複合機のメニューに表示可能な能力を設定する（ＳＴ３０１）。配信サーバＧＵＩ処理部２０１を介して入力されたメニュー表示能力情報はハードディスク２０７に蓄積する（ＳＴ３０２）。
【００４９】
図４は複合機のメニュー表示能力情報の構成例を示している。同図に示すように、メニュー表示能力情報は、複合機ごとに登録され、複合機を識別するデバイスＩＤ、メニューの最大表示項目数、メニュー項目の最大名称文字数、キャラクタセットを、ユーザーが登録できるように構成している。なお、メニュー表示能力情報であれば、その他の表示能力を登録するようにしても良い。
【００５０】
このようにして、配信サーバ２００のハードディスク２０７に各複合機のメニュー表示能力に関する情報が保存される。全ての複合機についてメニュー表示能力情報の登録が完了したら（ＳＴ３０３）、ジョブ能力情報の登録へ移行する。
【００５１】
次に、ユーザーは配信サーバＧＵＩ処理部２０１を介してあらかじめ複合機が処理可能なジョブに関するジョブ能力を設定する（ＳＴ３０４）。配信サーバＧＵＩ処理部２０１を介して入力された各複合機のジョブ能力情報はハードディスク２０７に蓄積する（ＳＴ３０５）。
【００５２】
図５は複合機のジョブ能力情報の構成例を示している。同図に示すように、ジョブ能力情報は、複合機ごとに登録され、コピー、プリンタ、スキャナなどの処理可能な各ジョブのジョブＩＤと、各ジョブに関する詳細情報（例えば、コピーのイメージタイプ、用紙サイズ等）を示すジョブパラメータとが登録される。
【００５３】
このようにして、配信サーバ２００のハードディスク２０７に各複合機のジョブ能力情報が保存される。全ての複合機についてジョブ能力情報の登録が完了したら（ＳＴ３０６）、メニュー情報の登録へ移行する。
【００５４】
次に個人のメニュー情報を作成する。配信サーバＧＵＩ処理部２０１はハードディスク２０７に蓄積されている複合機ごとにメニュー表示能力情報とジョブ能力情報とを読み出して、ディスプレィに表示する（ＳＴ３０７）。
【００５５】
個人のメニュー情報を作成しようとするユーザーから当該個人のユーザーＩＤとパスワードの入力を受け付ける（ＳＴ３０８）。続いて、ユーザーが表示されているメニュー表示能力情報とジョブ能力情報とを参照して本複合機上で実行したいメニュー（メニュー名称）を決めて、当該メニューに対するジョブＩＤ，使用するジョブパラメータを配信サーバＧＵＩ処理部２０１を介して選択する。複数のメニューを登録することも可能である。
【００５６】
ユーザーが配信サーバＧＵＩ処理部２０１を介して入力したメニュー名称、ジョブＩＤ，ジョブパラメータからなるメニュー情報を作成し（ＳＴ３０９）、個々のメニュー名称ごとにメニューＩＤを付与してハードディスク２０７に保存する（ＳＴ３１０）。すなわち、個人が登録したメニュー情報は個人のユーザＩＤで管理され、ユーザＩＤの下にその個人が登録した複数のメニューＩＤが登録される形式を採る。本例では配信サーバＧＵＩ処理部２０１がメニュー作成手段として機能する。
【００５７】
図６にメニュー情報の構成例を示す。同図に示すように、ある複合機についてコピー機能を使用してＡ４サイズの用紙に３００ｄｐｉの解像度で印刷するメニューを登録する場合、ユーザーが「Ａ４コピー３００ｄｐｉ」というメニュー名称を入力し、ジョブＩＤとして「コピー」を入力し、ジョブパラメータとして「モノクロ，Ａ４」を入力する。メニュー名称を登録する場合、複合機のメニュー表示能力に応じて文字数の制限があるので、表示されているメニュー表示能力情報を参照してメニュー名称を決定することになる。また、当該複合機で処理可能なジョブ及びジョブパラメータは表示されているジョブ能力情報を参照して入力又は選択する。
【００５８】
次に、複合機１００が配信サーバ２００からメニュー情報を取得してジョブを実行する場合について、図７のフローチャートを参照して説明する。
【００５９】
ユーザーは、メニュー情報が必要になると複合機１００のパネル１１１上にあるメニュー取得ボタンを押下する。メニュー取得ボタンに押下があると、パネル制御部１０６がボタン押下を検知し（ＳＴ３１３）、ネットワークインタフェース制御部１０７を通じて、ネットワークコントローラ１１２から配信サーバにメニュー情報取得を要求する（ＳＴ３１４）。メニュー情報取得要求時にはユーザーＩＤとパスワードも送信する。
【００６０】
配信サーバ２００は、ネットワークコントローラ２０８を通じてネットワークインタフェース制御部２０６でメニュー情報取得を受信したか監視している（ＳＴ３１１，ＳＴ３１２）。ＳＴ３１２でメニュー情報取得の要求有りと判定した場合は（ＳＴ３１５）、複合機１００からメニュー情報取得要求受信時にユーザーＩＤとパスワードが送信されていれば、ユーザーＩＤとパスワードの認証を行い（ＳＴ３１６）、配信サーバインタフェース処理部２０２を通じて、メニュー情報処理部２０３からハードディスク２０７に蓄積されたメニュー情報のうちユーザーＩＤに対応するメニュー情報を抽出する（ＳＴ３１７）。すなわち、ユーザＩＤの下に管理されている当該個人が先に登録している全てのメニューＩＤを抽出し、それらのメニューＩＤで特定される各メニューのメニュー情報を取り出す。
【００６１】
再び、配信サーバインタフェース処理部２０２を通じて、ネットワークインタフェース制御部２０６から複合機１００へメニュー情報のレスポンスとしてメニュー情報を送信する（ＳＴ３１８）。
【００６２】
複合機１００は、メニュー情報を受信すると（ＳＴ３１９）、パネル制御部１０６によりメニュー情報をパネル１１１に表示する（ＳＴ３２０）。複合機１００のパネル１１１に表示されたメニューがユーザーにより選択された時に（ＳＴ３２１，ＳＴ３２２）、複合機１００はメニュー情報のジョブＩＤで定義されたジョブをジョブパラメータで定義された内容に応じて実行する（ＳＴ３２３）。
【００６３】
このように、本実施の形態に係る配信サーバシステムでは、配信サーバ２００上で作成したメニュー情報をネットワーク１１５上の複合機１００からメニュ−情報として取得でき、異なる複合機においても定型のメニュー情報を選択することで定型業務のジョブを実行することができる。
【００６４】
また、本実施の形態に係る配信サーバシステムによれば、配信サーバ２００のハードディスク２０７に蓄積するメニュー情報を、他システムとのデータ交換を行うためにＸＭＬ、ＣＳＶファイルのような汎用的なデータフォーマットで管理するので、ネットワーク１１５上の他のシステムとの間で汎用フォーマットであるＸＭＬデータでメニュー情報を交換でき、他のシステムとの間でメニュー情報を共有できるので、メニュー情報のデータ交換が容易に実現できる。
【００６５】
また、本実施の形態に係る配信サーバシステムによれば、配信サーバ２００が複合機ごとに異なるメニュー表示能力とジョブ能力情報に基づいてメニュー情報を作成して蓄積し、個人ごとにメニュー情報を作成するためにメニュー情報をユーザーＩＤで管理し、複合機１００のパネル１１１からユーザーＩＤとパスワードを入力してユーザーＩＤに対応したメニュー情報を取得するものとしたので、配信サーバ２００上でユーザーごとにメニュー情報を作成するため、ネットワーク１１５上の異なる複合機からユーザーごとのメニュ−情報を取得でき、個々のユーザーの業務に適した複合機のメニュー表示を実現することができる。
【００６６】
なお、以上の説明では、配信サーバ２００において各複合機のメニュー表示能力情報とジョブ能力情報とをユーザーが入力していたが、配信サーバ２００がネットワーク経由で自動的に収集するように構成してもよい。
【００６７】
図８は、配信サーバシステムにおける配信サーバ上で複合機からメニュー表示能力情報とジョブ能力情報を自動的に取得するフローチャート図である。
【００６８】
配信サーバ２００において、配信サーバＧＵＩ処理部２０１の検索ボタンを押下することにより、ネットワークインタフェース制御部２０６を通じて、ネットワーク１１５上の全複合機に対して能力情報の取得要求がブロードキャストされる（ＳＴ７０１）。例えば、ＭＩＢやＳＯＡＰなどのプロトコルによりネットワーク１１５上の複合機を検索する。
【００６９】
図８に示す複合機はネットワーク１１５上のある複合機１００である。複合機１００は、配信サーバ２００からの能力取得の要求を受信する（ＳＴ７０２）。複合機１００は、自機が能力取得の要求に対して回答できる能力をサポートしてれば（ＳＴ７０３）、能力取得の要求に対する応答を返す（ＳＴ７０４）。
【００７０】
配信サーバ２００は、ＳＴ７０１で能力取得の要求を送信した後、能力取得に対する応答を監視し（ＳＴ７０５）、複合機から応答があれば能力取得の応答を取得する（ＳＴ７０６，７０７）。そして、配信サーバ２００は、応答があった複合機に対してメニュー表示能力情報の取得を要求する（ＳＴ７０８）。
【００７１】
応答を返した複合機は、配信サーバ２００からメニュー表示能力情報の取得要求を受信すると（ＳＴ７０９）、メモリ１１４から自機のメニュー表示能力情報をリードし（ＳＴ７１０）、リードしたメニュー表示能力情報を配信サーバ２００へ送信する（ＳＴ７１１）。
【００７２】
配信サーバ２００では、複合機からメニュー表示能力情報を受信して（ＳＴ７１２）、当該複合機名とメニュー表示能力情報とを対応させてハードディスク２０７へ格納する（ＳＴ７１３）。
【００７３】
次に、配信サーバ２００は、メニュー表示能力情報を取得した複合機に対してジョブ能力情報の取得を要求する（ＳＴ７１４）。
【００７４】
複合機は、配信サーバ２００からジョブ能力情報の取得要求を受信すると（ＳＴ７１５）、メモリ１１４から自機のジョブ能力情報をリードし（ＳＴ７１６）、リードしたジョブ能力情報を配信サーバ２００へ送信する（ＳＴ７１７）。
【００７５】
配信サーバ２００は、複合機からジョブ能力情報を受信すると（ＳＴ７１８）、複合機名とジョブ能力情報とを対応させてハードディスク２０７へ格納する（ＳＴ７１９）。
【００７６】
なお、配信サーバ２００は、ＳＴ７０６において複合機からの応答を監視しているが、応答がないままタイムアウトになったときは（ＳＴ７２０）、処理を終了する。
【００７７】
これにより、ＭＩＢやＳＯＡＰのような汎用的な複数の通信方法でネットワーク１１５上の複合機を検索して、各複合機のメニュー表示能力情報とジョブ能力情報を自動的に取得するので、配信サーバ２００上でメニュー情報を作成する場合にネットワーク１１５上の複合機を自動的に検索でき、またメニュー情報を作成するために必要なメニュー表示能力、ジョブ能力、ＩＰアドレスなどの複合機の情報を配信サーバ２００上に設定することなく、自動的に取得することができる。
【００７８】
（実施の形態２）
次に、本発明の実施の形態２に係る配信サーバシステムについて説明する。なお、配信サーバシステムのシステム構成については、上記実施の形態１と同じであるので図１及び図２の符号をそのまま使用するものとする。
【００７９】
本実施の形態は、複合機Ａ上でメニュー情報が選択された時に、複合機Ａで装備されていない機能に関して複合機Ｂの機能を組み合わせて所望のジョブを実現する用に構成したものである。
【００８０】
図９は、配信サーバ２００上で複合機Ａのメニュー情報を作成する時にあるジョブに関するメニュー情報を複合機Ａと複合機Ｂの組み合わせで実行するフローチャート図である。なお、複合機Ａ，Ｂは、図１に示す複合機１００と同様の機能を備えるものとする。但し、複合機Ａはスキャナ、プリンタ、コピーの機能が搭載されておりＦＡＸ機能が搭載されておらず（図１からＦＡＸ機能を削除した構成）、複合機Ｂはスキャナ、プリンタ、コピー、ＦＡＸ機能が搭載されているものとする。
【００８１】
ここで、配信サーバ２００に保存している複合機Ａに関するある個人のメニュー情報を説明する。図１０は複合機Ａに関するある個人のメニュー情報の構成例を示している。同図に示すように、ある個人のメニューＩＤ１にはメニュー名称として「中村さんＦＡＸ送信」なるジョブが登録されているが、複合機Ａは前述の通りＦＡＸ機能を持たない。
【００８２】
そこで、本実施の形態では、メニュー情報に「配信ＩＤ」の項目（リンク情報）を新たに設けることで、個々のメニューを配信情報にリンクさせることができるようにしている。図１１は「中村さんＦＡＸ送信」のメニューにリンクされた配信情報の構成例を示している。同図に示すように、配信情報は、メニュー情報内の特定メニューにリンクした「配信ＩＤ」、配信先のデバイスの識別情報である「デバイスＩＤ」、配信先の複合機における実行ジョブを示す「ジョブＩＤ」、配信先の複合機における当該ジョブの仕様を示す「ジョブパラメータ」、実行されたジョブの実行結果を通知するべきアドレスを指定した「ＩＰアドレス」の各項目を有する。なお、配信情報の項目は上記項目の組合せに限定されるものではなく、適宜任意の組合せを設定可能である。
【００８３】
上記メニュー情報及び配信情報は予め作成して配信サーバ２００のハードディスク２０７に格納されている。
【００８４】
以上のように構成した配信サーバシステムにおいて、ＦＡＸ機能を搭載していない複合機ＡでＦＡＸ送信に関するメニューを使用して、複合機ＢからＦＡＸ送信する場合の動作を説明する。
【００８５】
ユーザーは上記実施の形態１と同様にして、複合機Ａ上で個人の定型業務が定義されたメニューを配信サーバ２００から取得する。この結果、複合機Ａにおけるパネル１１３にメニュー情報が表示され、表示されているメニュー情報のメニューＩＤ＝１には「中村さんへＦＡＸ送信」が存在する。
【００８６】
複合機Ａにおいて「中村さんへＦＡＸ送信」のメニューが選択されると（ＳＴ８０１）、複合機Ａはメニュー情報の複合機ジョブ−ＩＤ「スキャナ」と複合機ジョブパラメータ「モノクロ、Ａ４、２００ｄｐｉ」に基づいて、複合機Ａで原稿の読み取り処理を実行する（ＳＴ８０２）。複合機Ａで実行した読み取り処理の画像データとメニューＩＤ＝１の「中村さんへＦＡＸ送信」に対応する配信ＩＤの情報「配信ＩＤ＝３」を配信サーバ２００に送信する（ＳＴ８０３）。
【００８７】
配信サーバ２００では、画像データと配信ＩＤを受信し（ＳＴ８０４）、ハードディスク２０７から配信情報をリードする（ＳＴ８０５）。そして、配信ＩＤに基づいて同一配信ＩＤの配信情報を特定する（ＳＴ８０６）。配信サーバ２００は、特定した配信情報から配信先デバイスＩＤから配信先の複合機を認識し、配信先複合機におけるジョブＩＤ、当該ジョブに関するジョブパラメータ、結果返送先のＩＰアドレスを取得し、これら取得した配信情報と受信画像データとを、配信先として認識した複合機Ｂへ送信する（ＳＴ８０７）。具体的には、図１１に示す例では、配信サーバ２００は配信ＩＤ＝３の配信先である複合機Ｂへ配信先複合機ジョブＩＤの「ＦＡＸ送信」、配信先複合機ジョブパラメータの「03-1234-5678、Ａ４、ファイン」、結果返送先ＩＰアドレス「172.12.34.56（複合機Ａ）」のそれぞれの情報と画像データを送信する。
【００８８】
複合機Ｂでは、配信サーバ２００から画像データ、配信先複合機ジョブＩＤ、配信先複合機ジョブパラメータ、結果返送先ＩＰアドレスを受信する（ＳＴ８０８）。複合機Ｂは、受信した画像データ、配信先複合機ジョブＩＤ、配信先複合機ジョブパラメータに基づいて、ＦＡＸ番号03-1234-5678にＡ４サイズ、ファイン解像度でＦＡＸ送信処理を実行する（ＳＴ８０９）。ＦＡＸ送信処理が終了したら（ＳＴ８１０）、複合機ＢではＦＡＸ送信結果を受信した結果返送先ＩＰアドレスに送信する（ＳＴ８１１）。
【００８９】
複合機Ａは、結果返送先となっているので、自分が実行しようとしたＦＡＸ送信の結果を受信して（ＳＴ８１２）、送信結果をパネルに表示する（ＳＴ８１３）。
【００９０】
また、複合機Ｂは、配信サーバ２００へジョブの結果を送信する（ＳＴ８１４）。配信サーバ２００は、ジョブ結果を受信すると（ＳＴ８１５）、そのジョブ結果を実行した機能のログ情報としてハードディスク２０７へ蓄積し、他システムとのデータ交換を行うためにＸＭＬのような汎用的なデータフォーマットで管理する。他のシステムから要求があればログ情報を返信する。
【００９１】
このように本実施の形態によれば、複合機上のメニュー情報が選択された時に複合機Ａがメニュー情報に定義されているジョブを実行する場合、複合機Ａで装備されていない機能に関して、複合機Ａと複合機Ｂの機能の組み合わせにてジョブを実現するものとしたので、ある機能を搭載していない複合機Ａからも配信サーバ２００を経由して、その機能を搭載している他の複合機Ｂで実行することで、搭載していない機能を実現することができる。
【００９２】
また本実施の形態は、複合機Ａと複合機Ｂの機能の組み合わせにて機能を実現する場合に、複合機Ｂで実行した機能の結果を複合機Ａや配信サーバ２００などの結果返送先を指定するようにしたので、複合機Ａから送信原稿を読み取り、配信サーバ２００が複合機ＢへＦＡＸ送信の配信処理をした時に、複合機ＢがＦＡＸ送信を実行した結果の通知先は、配信サーバ２００上で結果返送先として定義することが可能で、ユーザーが送信結果を知りたい場所としてネットワーク上の複合機や配信サーバやＰＣを自由に設定することができる。
【００９３】
また本実施の形態は、実行した機能を配信サーバ２００上にログ情報として蓄積し、他システムとのデータ交換を行うためにＸＭＬのような汎用的なデータフォーマットで管理するので、ネットワーク１１５上の他のシステムとの間で汎用フォーマットであるＸＭＬデータでログ情報を交換でき、他のシステムとの間でログ情報を共有することができる。
【００９４】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、複合機の全ての機能を定型化したメニューにすることにより、使用頻度の高い機能を複合機上で簡単に操作して実行することができる。
【００９５】
また、本発明は、個人ごとの定型業務を配信サーバから取得できることにより、ネットワーク上の別の複合機からも定型業務のメニューを取得することができる。
【００９６】
また、本発明は、複合機に実装されていない機能を配信サーバ経由でネットワーク上の別の複合機に実装されている機能と組み合わせることにより、ネットワーク上の複合機間で機能を共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態１，２に係る配信サーバシステムのシステム構成を示し、複合機の構成を詳しく示したシステム構成図
【図２】本発明の実施の形態１，２に係る配信サーバシステムに含まれる配信サーバの構成を詳しく示したシステム構成図
【図３】本発明の実施の形態１におけるメニュー情報の作成に係わるフロー図
【図４】複合機のメニュー表示能力情報を示す図
【図５】複合機のジョブ能力情報を示す図
【図６】メニュー情報の構成を示す図
【図７】本発明の実施の形態１におけるメニュー情報の取得に係わるフロー図
【図８】本発明の実施の形態１において能力情報を自動取得する場合のフロー図
【図９】本発明の実施の形態２における機能組合せのフロー図
【図１０】本発明の実施の形態２において使用されるメニュー情報を示す図
【図１１】本発明の実施の形態２において使用される配信情報を示す図
【符号の説明】
１００ 複合機
１０１ ＣＰＵ
１０２ 内部バス
１０３ ＦＡＸ制御部
１０４ スキャナ制御部
１０５ プリンタ制御部
１０６ パネル制御部
１０７ ネットワークインタフェース制御部
１０８ モデム
１０９ スキャナ
１１０ プリンタ
１１１ パネル
２００ 配信サーバ
２０１ 配信サーバＧＵＩ処理部
２０２ 配信サーバインタフェース処理部
２０３ メニュー情報処理部
２０４ ジョブ能力処理部
２０５ ログ情報処理部
２０６ ネットワークインタフェース制御部
２０７ ハードディスク
Claims (14)
- ネットワークを介して複合機と通信する通信手段と、この通信手段により取得した前記複合機ごとの表示能力情報及びジョブ能力情報に基づいてジョブを実行するための情報と前記ジョブに付与されたメニュー名称とからなるメニュー情報を作成するメニュー作成手段と、作成されたメニュー情報を保存するデータ保持手段と、前記複合機から要求されたメニュー情報を前記データ保持手段から取り出してネットワーク経由で要求元の複合機へ配信する配信手段と、を具備する配信サーバ。
- 前記メニュー作成手段は、複合機の表示能力情報の範囲内でユーザーが定めたメニュー名称と複合機のジョブ能力情報からユーザーが選択した機能とに基づいて個人のメニュー情報を作成することを特徴とする請求項１記載の配信サーバ。
- 前記データ保持手段は、個人のメニュー情報をユーザーＩＤと関連付けて保存し、前記配信手段は、複合機からユーザーＩＤを使用してメニュー情報を要求してきたら、当該ユーザーＩＤに関連付けられたメニュー情報を前記データ保持手段から取り出すことを特徴とする請求項２記載の配信サーバ。
- 既存のプロトコルを使用してネットワーク上にある複合機を検索し、検索した各複合機から表示能力情報及びジョブ能力情報を自動的に取得することを特徴とする請求項１から請求項３のいずれかに記載の配信サーバ。
- 前記データ保持手段は、他システムとのデータ交換を容易にする汎用的なデータフォーマットにてメニュー情報を管理することを特徴とする請求項１から請求項４のいずれかに記載の配信サーバ。
- 複合機Ａの機能と他の複合機Ｂの機能とを組合せて１つのジョブを実行する場合、当該ジョブの内容を表すメニュー名称と複合機Ａで使用する機能と当該機能の詳細情報とからなるメニュー情報と、前記ジョブを引き継ぐ複合機Ｂを特定する情報と複合機Ｂで使用する機能と当該機能の詳細情報とからなる配信情報と、を前記データ保持手段に保持し、複合機Ａから前記配信情報に対するリンク情報とジョブ実行結果とを受信したら、リンク情報にてリンクされた配信情報からジョブ引継ぎ先の複合機Ｂを特定し、前記配信情報に登録された複合機Ｂで使用する機能と当該機能の詳細情報を複合機Ａの機能実行結果と共に複合機Ｂに対して送信することを特徴とする請求項１から請求項５のいずれかに記載の配信サーバ。
- 前記配信情報には、ジョブ引継ぎ先の複合機Ｂが実行した機能の結果を当該複合機Ｂが通知すべき結果返送宛先が含まれており、前記結果返送宛先を前記複合機Ｂへ送信することを特徴とする請求項６記載の配信サーバ。
- 複合機が前記メニュー情報から実行した機能をログ情報として保存することを特徴とする請求項１から請求項７のいずれかに記載の配信サーバ。
- ネットワークを介して配信サーバと通信する通信手段と、当該複合機の表示能力情報及びジョブ能力情報に基づいて作成されているメニュー情報を前記配信サーバからネットワーク経由で取得するメニュー取得手段と、取得したメニュー情報の中からユーザーが選択したジョブを実行する実行手段と、を具備する複合機。
- 前記メニュー取得手段は、ユーザーから入力されたユーザーＩＤを使用して個人のメニュー情報を前記配信サーバから取得することを特徴とする請求項９記載の複合機。
- 前記配信サーバが既存のプロトコルを使用して能力情報を要求してきたら、当該複合機の表示能力情報及びジョブ能力情報を返信することを特徴とする請求項９又は請求項１０に記載の複合機。
- 複合機Ａの機能と他の複合機Ｂの機能とを組合せて１つのジョブを実行する場合、配信サーバから複合機Ａの機能実行結果と、当該機でジョブを引き継ぐための情報とを受信し、当該受信情報に基づいて複合機Ａから引き継いだジョブを実行することを特徴とする請求項９から請求項１１のいずれかに記載の複合機。
- 前記受信情報に実行した機能の結果を通知すべき結果返送先が含まれている場合は、当該結果返送先へ実行結果を送信することを特徴とする請求項１２記載の複合機。
- メニュー情報を配信する配信サーバと、当該配信サーバにネットワーク経由で接続されメニュー情報の配信を受ける複合機とからなる配信サーバシステムであり、
前記配信サーバは、ネットワークを介して複合機と通信する通信手段と、この通信手段により取得した前記複合機ごとの表示能力情報及びジョブ能力情報に基づいてジョブを実行するための情報と前記ジョブに付与されたメニュー名称とからなるメニュー情報を作成するメニュー作成手段と、作成されたメニュー情報を保存するデータ保持手段と、前記複合機から要求されたメニュー情報を前記データ保持手段から取り出してネットワーク経由で要求元の複合機へ配信する配信手段と、を備え、
前記複合機は、ネットワークを介して配信サーバと通信する通信手段と、当該複合機の表示能力情報及びジョブ能力情報に基づいて作成されているメニュー情報を前記配信サーバからネットワーク経由で取得するメニュー取得手段と、取得したメニュー情報の中からユーザーが選択したジョブを実行する実行手段と、を備える配信サーバシステム。
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