JP3732770B2 - 火災熱感知器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の温度検出素子とその熱伝導構造によって火災時の温度上昇の度合いを判断して火災を検出する差動式熱感知を行う火災熱感知器に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の火災による温度の上昇度合いを判断して発報する差動式火災熱感知器としては、熱電対式熱感知器、2素子のサーミスタを用いた熱感知器がある。また、急激な温度変化を検知するセンサとして、微細加工を応用した感温センサがある。これらは何れも2点の温度差により急激な温度上昇を検出するもので、2点の内1点の熱応答を速く、他の1点の熱応答を遅くして温度差を生じさせている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の熱差動式火災熱感知器は次のような問題がある。
【0004】
図28は熱電対式熱感知器の構造例を示す(特公昭44−24057)。図28において、感熱素子である半導体熱電対101は金属製の感熱カバー102の内側に温接点103と接して感知器の中央部に設置されている。その温接点103と冷接点104は感知器取り付け面105に対して互いに垂直方向の位置関係になっている。温接点103と冷接点104が熱気流の方向に対して垂直方向の位置関係にあるため、感度が気流の方向によって変化しない特徴がある。
【0005】
一方、感熱カバー102は金属で作られる。金属は一般に熱拡散率が大きいため、伝熱による熱エネルギーの逃げが大きく、温接点103の温度上昇が小さい。温接点103の温度上昇が小さいため、温接点103と冷接点104の温度差も小さくなり、小さい出力しか得ることができない点に問題があった。
【0006】
図29は、感熱素子として2素子のサーミスタを用いた熱感知器の構造例を示す(特開平1−297795)。このタイプの熱感知器では、一方のサーミスタ203aが気流中に露出しているため、2素子のサーミスタ203a,204aから得られる温度差信号の大きさは十分であった。しかし、2素子のサーミスタ203a,204aが水平方向に非対称の位置関係になるため、感度(温度差の大きさ)が気流方向に大きく依存するという問題がある。
【0007】
図30は、急激な温度変化を検知する目的の微細加工を応用した感温センサの構造例を示す(特公平7−43284)。図30において、この感温センサは、基板301の表面側の薄い部分Aと厚い部分A'にそれぞれ感知部S,S’を設け、裏面側にヒートシンク310を設けている。
【0008】
ここで、基板301の厚さは400〜600μm以下、絶縁層301aの厚さは10μm以下との例示があり、μmオーダーの大きさであるため、センサの小型化が可能である。
【0009】
しかし、小型化できる一方、感知部S,S’となる2点の距離が近いため、生じる温度差が小さいという問題点がある。これに対し2点の距離を離して大きな温度差が得られるようにすると、感度(温度差の大きさ)が気流の方向に依存し、さらにセンサが大型化してコスト高になる問題が生じる。
【0010】
本発明は、構造が簡単で火災感知器として必要にして十分なサイズに小型化でき、特に感度が気流方向に依存しない差動式熱感知を行う火災熱感知器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。
【0012】
本発明の火災熱感知器は、火災時に発生する熱気流から熱を受ける位置に熱的な絶縁性を確保して配置された複数の集熱器と、複数の集熱器の内、少なくとも1つの集熱器に蓄熱器と温度検出素子を設けて熱気流から熱を受けた際に緩やかに上昇する温度を測定して出力する1つの低温検出部と、残りの集熱器に温度検出素子を設けて熱気流から熱を受けた際に急速に上昇する温度を測定して出力する2つの高温検出部と、低温検出部と高温検出部の出力に基づいて差動式熱感知を行う熱感知回路とを備える。
【0013】
さらに、低温検出部の集熱器を略中心とする略円形の周上にあって、且つその略円形の概ね中心を通る中心線上に2つの高温検出部の集熱器が相互に配置されることを特徴とする。
【0014】
このように本発明は、2つの高温検出部を1つの低温検出部を挟んで対称となる位置に設けることによって、熱気流の向きに拘わらず、差動式熱感知の感度を一定とすることができる。
【0015】
即ち、2つの高温検出部の検出温度をTh1,Th2、1つの低温検出部の検出温度をTcとすると、温度差ΔT1、ΔT2が
ΔT1=Th1−Tc
ΔT2=Th2−Tc
で得られる。
【0016】
そこで本願発明者等は、熱気流の方向を変えながら温度差ΔT1、ΔT2を測定して鋭意検討したところ、温度差ΔT1、ΔT2のそれぞれは気流の方向によって常に等しい値になるとは限らないが、温度差を加算した(ΔT1+ΔT2)は、気流の方向が変化しても常に一定の値となり、気流の方向に依存しないという画期的な現象を見い出すに至った。
【0017】
本発明は、このような発明者が見出した新規で有用な現象に基づいて気流の方向性に依存しない差動式熱感知を行う火災熱感知器を実現したものである。
【0018】
ここで熱感知回路は、2つの高温検出部の各出力と1つの低温検出部の出力との各差分から、各差分の加算値または平均値を求めて差動式熱感知を行う。即ち気流の方向に依存しない温度差加算値(ΔT1+ΔT2)あるいは温度差平均値(ΔT1+ΔT2)/2を求め、この値が規定の閾値を超えたときに火災と判断する。
【0019】
本発明の火災熱感知器における1つの低温検出部および2つの高温検出部の温度検出素子として、一対のトランジスタを樹脂モールドした2つの複合トランジスタを有し、1つの低温検出部の集熱器には2つの複合トランジスタの一方のトランジスタが着設されたリードフレーム端子を接続し、2つの高温検出部の集熱器に2つの複合トランジスタの他方のトランジスタが着設されたリードフレーム端子をそれぞれ接続する。
【0020】
そして熱感知回路は、低温検出部に接続したトランジスタと高温検出部に接続したトランジスタを含むブリッジ回路を構成して高温検出部と低温検出部との温度差に応じた出力を得る。
【0021】
このように高温検出部と低温検出部の各温度検出素子に、2つの複合トランジスタに樹脂モールドされている合計4つのトランジスタを使用して、各トランジスタが着設されたリードフレーム端子をそれぞれの集熱器に直接接続することで、樹脂モールドを通って高温検出部から低温検出部に向う熱の流れが形成され、差動式熱感知を行う感知器に必要とされる温度の緩やかな直線上昇に対し温度差出力を飽和させるという理想的特性が実現できる。なお、温度検出素子としては、複合トランジスタのトランジスタとせずに、単体のトランジスタでも良い。
【0022】
熱感知回路は、低温検出部側にコレクタ接続した2つのトランジスタのダーリントン接続と、高温検出部側にコレクタ接続した2つのトランジスタのダーリントン接続を含むブリッジ回路を構成して高温検出部と低温検出部との温度差に応じた出力を得ることを特徴とする。
【0023】
このように低温検出部および高温検出部の各々にコレクタを接続している2つのトランジスタのダーリントン接続により、ベース・エミッタ接合の温度係数を通常の2倍にし、温度差出力を大きくとることができる。
【0024】
また熱感知回路は、低温検出部にコレクタ接続した2つのトランジスタの並列接続と、高温検出部にコレクタ接続した2つのトランジスタの並列接続を含むブリッジ回路を構成することによっても、高温検出部と低温検出部との温度差に応じた出力を得ることができる。この場合も、低温検出部と高温検出部のそれぞれに接続している2つのトランジスタのそれぞれのベース・エミッタ間電圧Vbeの変化を検出することになるので、電源電圧の変動や外来ノイズに対して安定した動作を確保できる。
【0025】
本発明の別の形態にあっては、2つの低温検出部と1つの高温検出部を有し、高温検出部の集熱器を略中心とする略円形の周上にあって、且つその略円形の概ね中心を通る中心線上に2つの低温検出部の集熱器が配置され、熱感知回路は、前記1つの高温検出部の出力と2つの低温検出部の各出力との各差分から、各差分の加算値または平均値を求めて差動式熱感知を行うことを特徴とする。
【0026】
この場合にも、2つの温度差出力の加算又は平均を得ることによって、気流方向に依存しない差動式熱感知を行うことができる。ここで、低温検出部は集熱器に比較的容積の大きい蓄熱器を設ける必要があることから、低温検出部の数は小型化するためには少ない方が望ましい。もしスペース的に余裕があれば、この変形のように、低温検出部の数を高温検出部より多くしても良い。
【0027】
本発明の火災熱感知器の変形として、1つの低温検出部と4つ以上の複数の高温検出部を有し、低温検出部の集熱器を略中心とする略円形の周上にあって、且つその略円形の概ね中心を通る複数の中心線上に複数の高温検出部の集熱器が配置され、熱感知回路は、複数の高温検出部の各出力と1つの低温検出部の出力の各差分から、各差分の加算値または平均値を求めて差動式熱感知を行うようにしても良い。
【0028】
また本発明の火災熱感知器は、逆に1つの高温検出部と4つ以上の複数の低温検出部を有し、高温検出部の集熱器を略中心とする略円形の周上にあって、且つその略円形の概ね中心を通る複数の中心線上に複数の低温検出部の集熱器が配置され、熱感知回路は、1つ高温検出部の出力と複数の低温検出部の各出力との各差分から、各差分の加算値または平均値を求めて差動式熱感知を行うようにしても良い。
【0029】
更に本発明の火災熱感知器しとして、低温検出部と高温検出部を同数ずつ複数有し、複数の低温検出部の集熱器は略円形の周上で、かつその略円形状の概ね中心を通る中心線上に相互に配置され、複数の高温検出部は略円形状の周上、もしくはその同心の別の略円形状の周上で、かつその概ね略円形状の中心を通る中心線上に相互に配置され、熱感知回路は、複数の高温検出部の各出力の平均値と複数の低温検出部の各出力の平均値との差分を求めて差動式熱感知を行うようにしても良い。
【0030】
集熱器は、熱拡散率が10-6[m2/s]よりも小さな材質、例えばポリイミド、ガラスエポキシなどの合成樹脂やガラスからなる検知部固定部材上に設置されることによって熱的な絶縁性を確保する。また集熱器と蓄熱器の材質としては熱拡散率が10-6〜10-3[m2/s]の範囲にある例えば銅、アルミなどの金属を使用する。更に集熱器は回路実装基板の電極パッドを直接用いることもできる。
【0031】
温度検出素子としては、トランジスタ以外に、熱電対、サーミスタ、ダイオードのいずれかを用いる。更に、蓄熱器としては、電気信号回路の一部を形成するコンデンサや発光ダイオードなどの電子部品で構成しても良い。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1(A)は本発明による火災熱感知器の基本構造であり、図1(B)に主要部の平面を示している。
【0033】
図1(A)において、本発明の火災熱感知器10は、固定部材12を外カバー14で支持して天井などの取付面11に設置している。なお図1(A)は上下を逆にして表わしている。
【0034】
固定部材12は熱拡散率の小さな材質で作られた薄いプレートであり、例えば固定部材12の熱拡散率は10-6[m2/s]より小さい材質のものを使用している。具体的に固定部材12としては、例えばポリイミドやガラスエポキシなどの合成樹脂あるいはガラスなどを使用する。
【0035】
火災により発生した熱気流から熱を受ける固定部材12には低温検出部16と、その両側に高温検出部18−1,18−2を配置している。高温検出部18−1,18−2及び低温検出部16には、固定部材12上に集熱器20−1,20−2,20−3がそれぞれ配置されており、この集熱器20−1〜20−3のそれぞれに温度検出素子22−1,22−2,22−3を設けている。
【0036】
集熱器20−1~20−3は熱拡散率が10-6〜10-3[m2/s]の材料物性を有する材質であり、その熱容量は10-5[J/K]オーダー以下である。具体的には、銅やアルミニウムなどの金属を使用することができる。
【0037】
温度検出素子22−1〜22−3としては、本発明の望ましい実施形態にあってはトランジスタを使用しているが、これ以外に熱電対、サーミスタ、ダイオードなどを使用することもできる。
【0038】
低温検出部16に設けている集熱器20−3には、火災による熱気流から熱を受けた際に集熱器20−3の温度を緩やかに上昇させるための蓄熱器23を接して固定している。蓄熱器23は熱拡散率が10-6〜10-3[m2/s]の材料物性を有する材質であり、その熱容量は10-1[J/K]オーダーである。具体的には、集熱器20−1〜20−3と同様に、銅やアルミニウムなどの金属を使用することができる。
【0039】
即ち高温検出部18−1,18−2の集熱器20−1,20−2には低温検出器16のような蓄熱器23は設けられておらず、このため火災による熱気流から熱を受けた際に集熱器20−1,20−2は、速やかにその温度が上昇することになる。
【0040】
低温検出部16と2つの高温検出部18−1,18−2の固定部材12上における配置位置は、図1(B)に示すように、中央の低温検出部16を挟んで対象となる位置に高温検出部18−1,18−2が配置されている。即ち高温検出部18−1、低温検出部16及び高温検出部18−2は、一定間隔を隔てた直線上に並べられた軸対象の配置条件を持っている。
【0041】
この軸対象の配置条件は、別の表現をすると、低温検出部16の集熱器20−3を中心とする略円形の周上にあって、且つその略円形の中心を通る中心線上に2つの高温検出部18−1,18−2の集熱器20−1,20−2が相互に配置されていることになる。
【0042】
このような図1の実施形態における低温検出部16を挟んで軸対象となる位置に2つの高温検出部18−1,18−2を配置した構造によって、火災時に発生する熱気流の方向性の影響を受けることなく差動式熱感知を行うことができる。
【0043】
図2は図1に示した本発明による火災熱感知器10における熱伝導路を電気的な等価回路で表現している。集熱器20−1〜20−3、蓄熱器23、更に固定部材12は、熱的な抵抗Rで繋がれている。集熱器23は熱的なコンデンサCとみなすことができ、蓄熱器23と集熱器20−3との間の熱的抵抗Rは小さく、それ以外の熱的抵抗Rは大きい。これによって集熱器20−1,20−3は、火災時に発生する熱気流から熱を受けた際に熱的な絶縁性を確保してそれぞれ配置されていることになる。
【0044】
図3は図1の構造を備えた本発明の火災熱感知器10における差動式熱感知を行う熱感知回路のブロック図である。図3において、低温検出部16は、その温度検出素子22−3によって温度Tcに応じた出力を生ずる。また高温検出部18−1,18−2は、その温度検出素子22−1,22−2により、温度Th1,Th2に応じた検出出力を生ずる。なお、以下の説明では出力信号の代わりに検出温度によって回路を説明する。
【0045】
温度差検出部24−1は、高温検出部18−1の検出温度Th1から低温検出部16の検出温度Tcを減算して温度差ΔT1を出力する。温度差検出部24−2は、高温検出部18−2の検出温度Th2から低温検出部16の検出温度Tcを差し引いて温度差ΔT2を出力する。
【0046】
加算器25は、温度差検出部24−1,24−2の出力した温度差ΔT1,ΔT2を加算して、(ΔT1+ΔT2)を差動式熱感知のための温度差信号として火災判断部28に出力する。火災判断部28には火災を判断するための所定の閾値が設定されており、加算器25からの出力(ΔT1+ΔT2)がこの閾値を超えると火災と判断し、火災信号を出力する。
【0047】
図4は本発明による熱感知回路の他の実施形態であり、図3にあっては2つの温度差ΔT1,ΔT2の加算を行っているが、この実施形態にあっては平均値を演算するようにしたことを特徴とする。
【0048】
即ち、温度差検出部24−1,24−2は図3の実施例と同じであるが、続いて平均演算部26が設けられ、2つの温度差ΔT1とΔT2の平均値(ΔT1+ΔT2)/2を演算し、この温度差の平均値を火災判断部28に入力して、予め定めた火災判断の閾値と比較し、閾値を超えたときに火災信号を出力する。
【0049】
この図3または図4に示す1つの低温検出部16と2つの高温検出部18−1,18−2の検出温度から得られる2つの温度差ΔT1,ΔT2の加算もしくは平均演算を行うことによって、本発明の火災熱感知器にあっては、火災時に発生した熱気流の方向性に依存することなく差動式熱感知を行うことができる。その理由を説明すると次のようになる。
【0050】
図5(A)は図1に示した本発明の火災熱感知器10の固定部材12上に設けた低温検出部16及び2つの高温検出部18−1,18−2の平面図であり、高温検出部18−1、低温検出部16及び高温検出部18−2の並び方向に対し、矢印で示す気流方向27から熱気流を加え、そのときの温度差ΔT1,ΔT2を測定した測定結果を図5(B)に示している。
【0051】
この気流方向27からの熱気流が当った際には、気流方向27の風上の位置となる高温検出部18−1と低温検出部16による温度差ΔT1の方が、気流方向27の風下の位置にあたる高温検出部18−2と低温検出部16の温度差ΔT2より温度上昇の度合いが速くまた大きくなっている。また図5(B)にあっては、2つの温度差ΔT1とΔT2を加算した(ΔT1+ΔT2)の特性を破線で示している。
【0052】
図6(A)は固定部材12上に配列している高温検出部18−1、低温検出部16及び高温検出部18−2の並び方向に対し、矢印で示す図5で示した場合と異なる気流方向27からの熱気流を加えた場合の高温検出部18−1,18−2と低温検出部16の温度差ΔT1と温度差T2の測定結果を図6(B)に示している。
【0053】
この場合、気流方向27の風上の位置となる高温検出部18−1と低温検出部16の温度差ΔT1は、気流方向27に対し図5に比べ更に風下の位置となる高温検出部18−2と低温検出部16の温度差ΔT2との温度差が更に開いている。
【0054】
このように図5及び図6の気流方向27の変化に対し、低温検出部16に対する位置の異なる2つの高温検出部18−1,18−2との温度差ΔT1,ΔT2は、気流方向により温度上昇の度合いが変化しており、気流方向に依存していることがわかる。
【0055】
このような本発明の火災熱感知器に対する気流方向を変えて温度差及び温度差の加算値を測定する処理を繰り返したところ、本願発明者は、低温検出部16を挟んで高温検出部18−1,18−2を180°の軸対象となる位置に配置すると、気流方向の変化に対しそれぞれの温度差ΔT1,ΔT2は変化するが、2つの温度差の加算値(ΔT1+ΔT2)は図5(B)と図6(B)の破線の特性のように一定となり、気流方向に依存しないことを見出すことができた。
【0056】
本発明はこのように2つの温度差の加算値(ΔT1+ΔT2)は気流方向に依存しないという画期的な知見に基づいてなされたもので、図3の熱感知回路のように温度差の加算値(ΔT1+ΔT2)を求めて閾値と比較することで差動式熱感知を行うか、あるいは図4のように2つの温度差の平均値(ΔT1+ΔT2)/2を演算して閾値と比較することにより差動式熱感知を行うものである。
【0057】
図7は図3の温度差の加算値(ΔT1+ΔT2)を用いた場合の差動式熱感知の国内検定規格を評価するための直線上昇試験と階段上昇試験における作動試験及び不作動試験に対する火災熱感知器10の応答特性図である。
【0058】
まず階段上昇試験にあっては、ステップ的に気流温度を+20℃上昇させる試験であり、階段上昇作動試験31のような特性が得られる。この階段上昇作動試験31は30秒以内に作動する条件を満たせばよい。一方、階段上昇試験の不作動試験にあっては、気流温度をステップ的に+10℃上昇させる試験であり、この場合には階段上昇不作動試験30の特性が得られた。不作動試験は+10℃の上昇で1分以上不作動であればよい。
【0059】
次に直線上昇試験における作動試験にあっては、例えば10℃/分の割合で温度上昇を行い、この場合、直線上昇作動試験32に示す特性が得られた。この直線上昇作動試験32にあっては、試験開始から4.5分以内に作動すればよい。また直線上昇の不作動試験にあっては、気流温度を2℃/分で上昇させ、この場合、直線上昇不作動試験34に示す特性が得られた。この直線上昇不作動試験34は試験開始から15分以上不作動であればよい。
【0060】
このため、図7で直線上昇試験と階段上昇試験のそれぞれについての作動試験及び不作動試験の検定規格を満足する閾値の設定範囲35が確保でき、これによって本発明の火災熱感知器は国内検定規格を容易にクリアすることが確認された。
【0061】
図8は図1の構造をとる本発明の火災熱感知器における差動式熱感知を行う熱感知回路の具体的な実施形態を示した回路図である。
【0062】
図8において、熱感知回路は、低温検出回路部40と高温検出回路部42を備える。低温検出回路部40には中央の低温検出部に設けられる温度検出素子22−3として2つのトランジスタQ11,Q21を備えている。また高温検出回路部42は2つの高温検出部のそれぞれに設けられる温度検出素子20−1,20−2として2つのトランジスタQ12,Q22を備えている。
【0063】
低温検出回路部40のトランジスタQ11,Q21はダーリントン接続され、同様に高温検出回路部42のトランジスタQ12,Q22もダーリントン接続されている。また低温検出回路部40の2つのトランジスタQ11,Q21のベース・エミッタ間電圧は回路的に加算され、同様に高温検出回路部42のトランジスタQ12,Q22のベース・エミッタ間電圧Vbeも回路的に加算されており、これによってベース・エミッタ接合の温度係数を通常の2倍とし、温度差出力を大きくとることができる。
【0064】
低温検出回路部40と高温検出回路部42はオペアンプ44に入力接続される。オペアンプ44から見て低温検出回路部40と高温検出回路部42はブリッジ回路を構成している。このブリッジ回路における4つのインピーダンス要素は
(R1)
(R2)
(Q11,Q21,R3,R5)
(Q12,Q22,R4)
の4つで構成されている。
【0065】
オペアンプ44の出力はコンパレータ46に入力される。コンパレータ46には、火災判断のための基準電圧(閾値電圧)が与えられている。この回路はV1,V2の2電源で動作し、回路電圧10ボルト、中点電圧5ボルトの電源供給を受けている。
【0066】
高温検出回路部42に設けているトランジスタQ12は、抵抗R8,R9の分圧電圧によるバイアスを受けている。また低温検出回路部40に設けているトランジスタQ11も、抵抗R6,R7の分圧電圧によるバイアスを受けている。更に低温検出回路部40の抵抗R5は各トランジスタのばらつきを吸収するための調整抵抗である。
【0067】
次に図8の熱感知回路の動作を説明する。まず火災監視状態にある常温状態、即ち室温状態にあっては、低温検出回路部40の抵抗R1、トランジスタQ11,Q21及び抵抗R3,R5を流れる電流と、高温検出回路部42の抵抗R2、トランジスタQ12,Q22、抵抗R4に流れる電流が平衡しており、このためオペアンプ44の入力には電位差が生じていない。
【0068】
この状態で火災時に発生する熱気流からの熱を受けると、図1の高温検出部18−1,18−2に熱が伝わり、高温検出部18−1,18−2に設けている高温検出回路部42のトランジスタQ12,Q22のベース・エミッタ間電圧Vbeがトランジスタの持っているベース・エミッタ接合の温度係数(Vtc)、例えば−2.3mV/℃で変化する。
【0069】
このためトランジスタQ12,Q22のベース電流が増加し、これに伴って高温検出回路部42に流れる電流が増大してオペアンプ44のマイナス入力端子の電圧が低下する。このためオペアンプ44は、入力間に生じた電位差を差動増幅してコンパレータ46に出力する。
【0070】
即ち、オペアンプ44の出力電圧をVdとすると、温度差が生じたときの出力Vdは中間電圧5ボルトに対して以下に示す電圧値となる。
【0071】
Vd=(低温点温度−高温点温度)×{(R6+R7}/R7}×Vtc
となる。
【0072】
ここで図8の高温検出回路部42にあっては、トランジスタQ12,Q22をダーリントン接続しているため、ベース・エミッタ間接合の温度係数はトランジスタ1つの場合に比べ2倍の値を取ることになる。
【0073】
次に高温検出回路部42に設けているトランジスタのばらつきを吸収するための調整抵抗R5について説明する。図8の実施形態にあっては、1つの基準電圧を利用して且つ感知器の動作点を部品のばらつきも考慮した上で、抵抗R5という1つの調整点で調整できるようにしている。
【0074】
まず低温検出回路部40及び高温検出回路部42を構成する抵抗R1〜R5、トランジスタQ11,Q12,Q21,Q22は、各素子そのもののばらつきを持っているため、調整していない場合にはオペアンプ44の出力が中点電位の5ボルトにはならない。
【0075】
ここで高温検出回路部42の抵抗R2、トランジスタQ12,Q22及び抵抗R4の直列回路に印加されている電圧は合計10ボルトであり、オペアンプ44のマイナス入力端子にはトランジスタQ12のベース電圧よりコレクタ、ベース間電圧Vc分だけ高い電圧がかかることになる。トランジスタQ12のベース電圧は抵抗R8,R9による分圧回路で、中点電圧である5ボルトよりR8/(R8+R9)で按分した値ほど必ず低くなる。
【0076】
この状態で抵抗R5を調整することで、低温検出回路部40の抵抗R1、トランジスタQ11,Q21、抵抗R3,R5に流れる電流を可変できるので、抵抗R5の値を調整することによってオペアンプ44のプラス入力端子に加わる電圧を調整し、各素子のブリッジ回路の平衡状態を保つことができる。
【0077】
図8の実施形態にあっては、オペアンプ44の出力にコンパレータ46が接続されており、コンパレータ46の基準電圧は中点電位5ボルトが与えられており、この中点電位5ボルトとオペアンプ44の出力を比較している。
【0078】
いま抵抗R5を調整することにより例えばオペアンプ44の出力を4ボルトに設定し、オペアンプ44の増幅度を約43倍に設定した場合、高温検出部と低温検出部の温度差に1℃温度差がつくと、前式より
Vd=(−2.3ミリボルト)×(−2)×43=0.2ボルト
となり、温度差1℃につき0.2ボルト、オペアンプ44の出力が変化することになる。
【0079】
このため高温検出部と低温検出部の温度差が5℃以上になるとオペアンプ44の出力が5ボルト以上となるため、コンパレータ46の基準電圧5ボルトを超えることでコンパレータ46の出力が反転し、出力端子50から火災検出信号を外部に出力することができる。
【0080】
図9は図8の熱感知回路に設けた低温検出回路部40及び高温検出回路部42に設けているトランジスタQ11,Q12,Q21,Q22の低温検出部16及び高温検出部18−1,18−2に対する実装状態の説明図である。
【0081】
図9(A)において、中央の低温検出部16と、その両側に配置された高温検出部18−1,18−2との間には、2つのトランジスタを樹脂モールドにより内蔵したパッケージ構造を持つ複合トランジスタ36−1,36−2を実装している。
【0082】
図9(B)は複合トランジスタ36−1を取り出しており、2つのトランジスタQ11,Q12が実装されており、この2つのトランジスタQ11とQ12は図8の低温検出回路部40と高温検出回路部42のそれぞれ一方のトランジスタとして使用される。
【0083】
複合トランジスタ36−1に内蔵されたトランジスタQ11,Q12は、接続端子となるリード38−11〜38−16を持ち、このうちトランジスタQ11のコレクタを接続したリードがコレクタリード38−14であり、またトランジスタQ12のコレクタを接続したリードがコレクタリード38−13となっている。
【0084】
このような複合トランジスタ36−1としては、例えば(株)東芝製のHN1C01Fを使用することができる。この(株)東芝製の複合トランジスタ36−1はコレクタリード38−13,38−14上にトランジスタQ11,Q12を着設しており、コレクタリード38−14,38−13を図9(A)のように低温検出部16及び高温検出部18−1に接続することで、その集熱器に加わる熱を直接、トランジスタQ11,Q12のコレクタに伝えることができる。
【0085】
一方、エミッタリード上にトランジスタが着設されているよう複合トランジスタを用いる場合には、エミッタリード端子を低温検出部16及び高温検出部18−1、18−2に接続すれば良い。要は、トランジスタが着設されているリード端子を高温検出部又は低温実検出部に直接接続すれば良い。なお、本願の説明では、トランジスタがコレクタリード端子に着設されている場合について動作説明を行う。
【0086】
図9(A)の低温検出部16と高温検出部18−2の間に実装している複合トランジスタ36−2も、複合トランジスタ36−1と同じ構造を持つ。
【0087】
このような2つの複合トランジスタ36−1,36−2を使用することで、図8の低温検出回路部40と高温検出回路部42にあっては、複合トランジスタ36−1のトランジスタQ11を低温側、Q12を高温側に設け、また複合トランジスタ36−2のトランジスタQ21を低温側に設け、トランジスタQ22を高温側に設けている。
【0088】
トランジスタQ11,Q12は、それぞれ低温側と高温側となる位置に配置されているが、樹脂モールドにより1つのパッケージ回路として収められている。このため高温側の温度が上昇すると、集熱器は熱的に絶縁されているが複合トランジスタ36−1の樹脂モールドを通る熱の流れが生じ、高温側のトランジスタQ12の温度上昇に追従して低温側のトランジスタQ11の温度上昇が行われ、複合トランジスタ36−1による熱の流れで高温側と低温側の温度上昇率を略同じにする作用が得られる。
【0089】
この点は図9(A)の低温検出部16と高温検出部18−2の間にトランジスタQ21,Q22のコレクタを接続している複合トランジスタ36−2についても同様である。
【0090】
このような2つのトランジスタを内蔵した複合トランジスタ36−1,36−2による熱の流れによる高温側と低温側の温度上昇率を概ね同じにすることにより、図7における直線上昇不作動試験において、時間の経過に対しその特性が一定値に飽和する特性を得ることができる。
【0091】
すなわち、直線上昇不作動試験において高温側と低温側の温度上昇率が異なると、特に高温側の上昇率に対し低温側の上昇率が低い場合に直線上昇不作動試験の特性が時間の経過に伴って増加し、不作動試験の検定条件を満足できなくなるが、本発明にあっては複合トランジスタによる高温側から低温側への熱の流れによる温度上昇率の均一化により直線不作動試験の特性を飽和させるという理想的な性能を実現することができる。
【0092】
図10は図8の熱感知回路に使用しているトランジスタQ11,Q12,Q21,Q22の実装形態の他の実施形態であり、この実施形態にあっては単独のトランジスタを使用している。
【0093】
図10(A)は単独のトランジスタを使用した実装状態であり、中央の低温検出部16にはトランジスタ52−3,52−4の2つがそのコレクタCのリードを接続している。また高温検出部18−1にはトランジスタ52−1のコレクタリードCを接続し、高温検出部18−2にはトランジスタ52−2のコレクタリードCを接続している。
【0094】
図10(B)は図10(A)のトランジスタ52−1を取り出しており、コレクタベース、エミッタに対応してコレクタリードC、ベースリードB、エミッタリードEが引き出されている。
【0095】
このように単一のトランジスタ52−1〜52−4を使用した場合にも、図8の熱感知回路の低温検出回路部40で低温検出部16にコレクタリードCを接続している2つのトランジスタ52−3,52−4に対応するトランジスタQ11,Q21をダーリントン接続し、また高温検出部18−1,18−2にコレクタリードCを接続しているトランジスタ52−1,52−2をトランジスタQ12,Q22としてダーリントン接続することになる。
【0096】
図11は本発明の熱感知回路の他の実施形態であり、低温検出回路部40、高温検出回路部42及びオペアンプ44までの部分を図1に示した固定部材12側に実装し、図8におけるコンパレータ46以降の回路については感知器ベースなどに別途設けるようにした場合の実施形態である。
【0097】
このような図11の熱感知回路部を、図1(B)のような低温検出部16、高温検出部18−1,18−2を設けた固定部材12と一体に実装することで、それ自体によって小型の火災熱感知器を構成し、更には、増幅器までを近傍に設けているので、外来ノイズに対する信頼性を向上することができる。
【0098】
図12は図11と同様、コンパレータ46以降の回路を分離した小型の火災熱感知器における熱感知回路の他の実施形態である。この実施形態にあっては、低温検出回路部40に設けている2つのトランジスタQ11,Q21はダーリントン接続ではなく並列接続としている。
【0099】
同様に、高温検出回路部42に設けている2つのトランジスタQ12,Q22もダーリントン接続ではなく並列接続としている。この並列接続の場合には、差動熱感知のための低温検出回路部40及び高温検出回路部42におけるベース・エミッタ接合の温度係数は、トランジスタ1つ当りの温度係数、例えば−2.3mV/℃の値を取ることになる。このような並列接続による回路構成では、電源電圧の変動や外来ノイズに対する影響を受けにくく、安定した回路動作を実現できる。
【0100】
なお図12のトランジスタQ11,Q12は複合トランジスタ36−1に内蔵されており、またトランジスタQ21,Q22は複合トランジスタ36−2に内蔵されており、図9に示した実装構造をとるものであるが、それぞれ個別のトランジスタとして図10に示す実装構造をとるようにしてもよい。
【0101】
また、図12のトランジスタQ11,Q21及びトランジスタQ21,Q22のそれぞれの並列接続を、図8に示したオペアンプ44の出力段の回路を含むダーリントン接続の部分に置き換えるようにしてもよいことはもちろんである。
【0102】
図13は図1の実施形態における温度検出素子として熱電対を使用した場合の実施形態である。この実施形態にあっては、高温検出部18−1,18−2の集熱器20−1,20−2に熱電対54−1,54−2を接続し、また中央の低温検出部16の集熱器20−3に2つの熱電対54−3,54−4を設置している。もちろん、熱電対以外にダイオードやサーミスタを用いてもよい。
【0103】
図14は図1の低温検出部16の両側に2つの高温検出部18−1,18−2を設けた構造における固定部材12の他の実施形態である。この実施形態にあっては固定部材12は十分な厚みを持った部材であるが、高温検出部18−1,18−2の集熱器20−1,20−2と熱的な絶縁性を確保するため、突起等の構造体56により集熱器20−1,20−2と固定部材12の接触面積を減らした形状で支持している。
【0104】
また低温検出部16の集熱器20−3に接続した蓄熱器23については、集熱器20−3の面を高温検出部18−1,18−2の集熱器20−1,20−2の位置と概ね合わせるため、収納部58を内側に形成し、この中に突起等の構造体56により熱的な絶縁をもって配置している。
【0105】
図15は固定部材の他の実施形態であり、図14の構造について、高温検出部18−1,18−2を設けると共に、傾斜面とし、側方からの熱気流を受け易くしたことを特徴とする。
【0106】
図16は固定部材12の他の実施形態であり、この実施形態は中央に1つの高温検出部18を設け、その両側に低温検出部16−1,16−2を設けたことを特徴とする。この場合の固定部材12の構造は、高温検出部18については傾斜面62により突出させ、その両側に蓄熱器23−1,23−2を収納部56−1,56−2に収納した状態で配置している。
【0107】
このように低温検出部16−1,16−2を固定部材12の端部に設ける場合、熱気流から受ける熱エネルギーは低温検出部16−1,16−2により初め吸引され、中心に位置する高温検出部18の温度上昇が充分得られないため、高温検出部18を斜面62より突出させることが望ましい。
【0108】
なお低温検出部16−1,16−2及び高温検出部18は集熱器20−1,20−2,20−3を有し、それぞれに温度検出素子22−1,22−2,22−3を設けている。
【0109】
図17は固定部材の他の実施形態であり、固定部材として発泡ウレタンのような発泡性樹脂部材12−1を用いたことを特徴とする。固定部材として機能する発泡性樹脂部材12−1は十分に小さい熱拡散率であり、この場合には高温検出部18−1,18−2及び低温検出部16のそれぞれを、発泡性樹脂部材12−1内に集熱器20−1〜20−3のそれぞれの正面を露出させた状態で埋め込み固定している。
【0110】
図18は固定部材の他の実施形態であり、この場合には固定部材としてプリント基板12−2を使用したことを特徴とする。このようにプリント基板12−2を使用した場合には、高温検出部18−1,18−2及び低温検出部16以外に、熱感知回路を構成する他の回路部品64を同時に実装することができる。
【0111】
図19は本発明の火災熱感知器の他の実施形態であり、この実施形態にあっては1つの高温検出部と2つの低温検出部を設けたことを特徴とする。
【0112】
図19(A)において、固定部材12上には中央の高温検出部18を挟んで、その両側の軸対象となる位置に低温検出部16−1,16−2を配置している。この場合の固定部材12側に対する各検出部の構造は例えば図16のような構造をとり、低温検出部16−1,16−2には蓄熱器23−1,23−2が接続されている。
【0113】
この場合の差動式熱感知のための熱感知回路は図19(B)のようになる。即ち、温度差検出部24−1で高温検出部18の検出温度Thと低温検出部16−1の温度Tc1との温度差ΔT1を検出し、また温度差検出部24−2で高温検出部18の検出温度Thと低温検出部16−2の低温検出部Tc2の温度差ΔT2を検出し、平均演算部26で温度差の平均値を演算している。もちろん、平均演算部26の代わりに加算器を設け、2つの温度差の加算値を演算してもよい。
【0114】
このように高温検出部18の両側に軸対象に低温検出部16−1,16−2を設けた場合にも、それぞれの温度差ΔT1,ΔT2の加算または平均をとることで、気流の方向に依存しない差動式熱感知を行うことができる。
【0115】
図20は本発明の火災熱感知器の他の実施形態であり、この実施形態にあっては1つの低温検出部に対し4つの高温検出部を設けるようにしたことを特徴とする。
【0116】
図20(A)は固定部材12の平面図であり、中央の低温検出部16に対し、これを挟んで軸対象となる直交する2方向の位置に高温検出部18−1,18−3と高温検出部18−2,18−4を配置している。
【0117】
この場合の熱感知回路は図20(B)のようになり、温度差検出部24−1〜24−4で4つの高温検出部18−1〜18−4の検出温度Th1〜Th4と1つの低温検出部16の検出温度Tcとのそれぞれの温度差ΔT1〜ΔT4を求め、平均値演算回路26で平均値を算出している。
【0118】
なお図20にあっては、低温検出部16を挟んで軸対象となる直交する2方向の位置に合計4つの高温検出部18−1〜18−4を配置しているが、高温検出部は直交しない配置としても良いし、又、高温検出部の数は更に6つ、8つというように増やしてもよい。
【0119】
また図20の実施形態とは逆に、中央に1つの高温検出部を設け、その周囲に軸対象に4つまたはそれ以上の低温検出部を配置してもよい。但し、低温検出部は比較的サイズの大きな蓄熱器を設けることから、実際に実現できる低温検出部の数は制約を受けることになる。
【0120】
図21は本発明の火災熱感知器の他の実施形態であり、この実施形態にあっては低温検出部と高温検出部を2以上同数ずつ設けるようにしたことを特徴とする。
【0121】
図21(A)において、固定部材12上には、低温検出部16−1,16−2と高温検出部18−1,18−2が同じ円の周囲上に向かい合うように配置されている。即ち2つの低温検出部16−1,16−2は、円の周上で且つ円の中心を通る中心線上に相互に配置される。また2つの高温検出部18−1,18−2も円の周上で中心を通る中心線上に相互に配置される。この場合、各検出部が位置する周の円は、同じ円でもよいし半径の異なる同心円であってもよい。
【0122】
この場合の熱感知回路は図21(B)のようになる。即ち2つの低温検出部16−1,16−2の平均値を平均値演算部26−1で求め、また2つの高温検出部18−1,18−2の平均値を平均値演算部26−2で求め、そして温度差検出部24で高温側の平均値Thと低温側の平均値Tcとの温度差ΔTを検出して出力する。もちろん、平均値の代わりに加算値を求めても良い。
【0123】
図22は本発明の火災熱感知器の他の実施形態であり、この実施形態にあっては1つの低温検出部に対し複数の高温検出部を略軸対象に設けたことを特徴とする。
【0124】
図22(A)の固定部材12上には中央の低温検出部16に対し2つの高温検出部18−1,18−2が反対側の高温検出部18−3に対して配置されているが、完全な軸対象ではなく略近似的な軸対象となっている。このように完全な軸対象でなくとも略軸対象であれば、気流の方向に対する依存性を十分に低減できる。
【0125】
この場合の熱感知回路は図22(B)のようになり、2つの高温検出部18−1,18−2の平均値を平均値演算部26−1で求め、そして温度差検出部24−1,24−2で、それぞれ平均値演算部26−1で求められた平均値と低温検出部16との温度差、及び高温検出部18−3と低温検出部16の温度差を検出して、続いて平均値演算部26−2で平均値を求めている。
【0126】
もちろん、平均値演算部26−2の代わりに加算器で温度差の加算値を求めてもよい。図22の変形実施形態として、逆に中央に高温検出部を設け、これを挟んで略軸対象となる位置に3つの低温検出部を配置してもよい。
【0127】
図23は火災熱感知器の他の例であり、図23(A)のように3つの低温検出部16−1〜16−3を直線上に配置し、中心の低温検出部16−2を略中心とする略円周上に6つの高温検出部18−1〜18−6を配置している。
【0128】
この場合の熱感知回路は図23(B)のようになり、平均値演算部26−1で3つの低温検出部16−1〜16−3の検出温度から平均値を求め、平均値演算部26−2で6つの高温検出部18−1〜18−6の検出温度の平均値を求め、温度差検出部24で温度差ΔTを求めている。
【0129】
この図23の実施形態にあっても、低温検出部と高温検出部を逆にした配置としてもよい。
【0130】
図24は本発明の火災熱感知器の他の実施形態であり、低温検出部における集熱器と蓄熱器を一体化したことを特徴とする。この実施形態は、固定部材12の低温検出部16に対し軸対象となる位置に2つの高温検出部18−1,18−2を設けており、低温検出部16の集熱器と蓄熱器が一体化された集熱蓄熱器68として構成されている。これにより、部品点数を低減し、構造を簡単にすることができる。
【0131】
図25は本発明の火災熱感知器の他の実施形態であり、低温検出部の蓄熱器として複合構造のものを用いたことを特徴とする。即ち、高温検出部18−1,18−2の間の低温検出部16の蓄熱器23として、この実施形態にあっては金属70とセラミック72の複合部材を使用している。
【0132】
もちろん、蓄熱器23を構成する複合部材は金属とセラミックに限定されず、又、複合材料そのものを利用することも可能である。すなわち、蓄熱器として熱拡散率の値が10-6〜10-3[m2/S]となるように適宜材質調整を行うことにより、低温検出部の温度上昇の速さを調整できるため、差動式熱感知器としての動作安定性(非火災報の低減など)を向上させることが可能である。
【0133】
図26は低温検出部の蓄熱器にアルミ電解コンデンサを使用した実施形態である。即ち、固定部材12上に形成された低温検出部16の集熱器20−3に対し、蓄熱器として機能するに十分な熱拡散特性と容量を持った例えばアルミ電解コンデンサ74を接続している。
【0134】
図27は低温検出部の蓄熱器にLEDを使用した実施形態である。低温検出部16の集熱器20−3に対しLED76を接続している。このLED76は単に蓄熱器として機能するのみならず、火災検出時に発光駆動される発報表示灯として使用してもよい。
【0135】
LED76は固定部材12の裏面側に配置されているが、固定部材12は十分に薄いことから、火災検出時にLED76を点灯すると、その光が固定部材12を通して外部に十分に出され、外部から火災感知器の発報動作をLED76の点灯または点滅で知ることができる。
【0136】
なお上記の実施形態にあっては、火災熱感知器単独として使用する場合を例にとっているが、例えば既存の光電式煙感知器に本発明の火災熱感知器を設けて複合型火災感知器として使用することもできる。また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【0137】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、軸対象となる少なくとも2つの位置の温度差を検出して加算又は平均をとることで、熱気流の向きに関わらず感度を一定にすることができ、気流の方向に依存しない信頼性の高い差動式熱感知による火災検出ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による火災熱感知器の基本的な実施形態の説明図
【図2】図1の熱伝導路を電気的な等価回路で表した説明図
【図3】温度差加算を求める本発明の熱感知器回路のブロック図
【図4】温度差平均を求める本発明の熱感知器回路のブロック図
【図5】気流方向に対する温度差の測定説明図
【図6 】別の気流方向に対する温度差の測定説明図
【図7】本発明の火災熱感知器における作動試験及び不作動試験の特性図
【図8】本発明の熱感知回路の具体的実施形態の回路図
【図9】1対のトランジスタがパッケージングされた複合トランジスタを使用した温度検出素子の実装説明図
【図10】単体トランジスタを使用した温度検出素子の実装説明図
【図11】トランジスタをダーリントン接続した小型感知器用の熱感知回路の回路図
【図12】トランジスタを並列接続した小型感知器用の熱感知回路の回路図
【図13】温度検出素子に熱電対を使用した実施形態の説明図
【図14】固定部材に低温検出部を収納配置した実施形態の説明図
【図15】固定部材の配置面を傾斜させた実施形態の説明図
【図16】高温検出部を挟んで2つの低温検出部を固定部材に収納配置した実施形態の説明図
【図17】固定部材に発泡樹脂部材を使用した実施形態の説明図
【図18】固定部材のプリント基板を使用した実施形態の説明図
【図19】高温検出部で挟んで低温検出部を軸対称に配置した実施形態の説明図
【図20】低温検出部を中心に4つの高温検出部を周上に配置した実施形態の説明図
【図21】低温検出部と高温検出部を2つずつ配置した実施形態の説明図
【図22】低温検出部で挟んで高温検出部を略軸対称に配置した実施形態の説明図
【図23】低温温検出部と高温検出部を3つ以上配置した例の説明図
【図24】集熱器と蓄熱器を一体化した実施形態の説明図
【図25】複合材質の蓄熱器を用いた実施形態の説明図
【図26】蓄熱器にアルミ電解コンデンサを使用した実施形態の説明図
【図27】蓄熱器にLEDを使用した実施形態の説明図
【図28】従来の熱電対式熱感知器の説明図
【図29】2素子のサーミスタを用いた従来例の説明図
【図30】微細加工を応用した従来の熱感知器の説明図
【符号の説明】
10:火災熱感知器
11:取付面
12:固定部材
14:外カバー
16、16−1〜16−3:低温検出部
18,18−1,18−2:高温検出部
20−1〜20−3:集熱器
22−1〜22−3:温度検出素子
23,23−1,23−2:蓄熱器
24,24−1〜24−4:温度差検出部
25:加算器
26,26−1,26−2:平均演算部:
27:気流方向
36−1,36−2:複合トランジスタ
38−13,38−14:コレクタリード
40:低温検出回路部
42:高温検出回路部
44,48:オペアンプ
46:コンパレータ
50:出力端子
Claims (15)
- 火災時に発生する熱気流から熱を受ける位置に熱的な絶縁性を確保して配置された複数の集熱器と、
前記複数の集熱器の一部に蓄熱器と温度検出素子を設けて前記熱気流から熱を受けた際に緩やかに上昇する温度を測定して出力する1つの低温検出部と、
前記複数の集熱器の残りに温度検出素子を設けて前記熱気流から熱を受けた際に急速に上昇する温度を測定して出力する2つの高温検出部と、
前記低温検出部と高温検出部の出力に基づいて差動式熱感知を行う熱感知回路と、
を備え、前記低温検出部の集熱器を略中心とする略円形の周上にあって、且つその略円形の概ね中心を通る中心線上に前記2つの高温検出部の集熱器が相互に配置されることを特徴とする火災熱感知器。 - 請求項1記載の火災熱感知器に於いて、
前記1つの低温検出部および2つの高温検出部の温度検出素子として、一対のトランジスタを樹脂モールドした2つの複合トランジスタを有し、前記1つの低温検出部の集熱器には前記2つの複合トランジスタの各々一方のトランジスタが着設されたリードフレーム端子を接続し、前記2つの高温検出部の集熱器に前記2つの複合トランジスタの他方のトランジスタが着設されたリードフレーム端子をそれぞれ接続し、
前記熱感知回路は、前記低温検出部に接続したトランジスタと前記高温検出部に接続したトランジスタを含むブリッジ回路を構成して前記高温検出部と低温検出部との温度差に応じた差分出力を得ることを特徴とする火災熱感知器。 - 請求項1記載の火災熱感知器に於いて、
前記1つの低温検出部の温度検出素子として2つのトランジスタを有すると共に前記2つの高温検出部の温度検出素子として2つのトランジスタを有し、前記1つの低温検出部の集熱器とトランジスタが着設されたリードフレーム端子とが接するように2つのトランジスタを接続し、前記2つの高温検出部の集熱器とトランジスタが着設されたリードフレーム端子とが接するように残り2つのトランジスタを各々接続し、
前記熱感知回路は、前記低温検出部に接続したトランジスタと前記高温検出部に接続したトランジスタを含むブリッジ回路を構成して前記高温検出部と低温検出部との温度差に応じた差分出力を得ることを特徴とする火災熱感知器。 - 請求項2又は3記載の火災熱感知器に於いて、前記熱感知回路は、前記低温検出部側にコレクタ接続した2つのトランジスタのダーリントン接続と、前記高温検出部側にコレクタ接続した2つのトランジスタのダーリントン接続を含むブリッジ回路を構成して前記高温検出部と低温検出部との温度差に応じた差分出力を得ることを特徴とする火災熱感知器。
- 請求項2又は3記載の火災熱感知器に於いて、前記熱感知回路は、前記低温検出部にコレクタ接続した2つのトランジスタの並列接続と、前記高温検出部にコレクタ接続した2つのトランジスタの並列接続を含むブリッジ回路を構成して前記高温検出部と低温検出部との温度差に応じた差分出力を得ることを特徴とする火災熱感知器。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の火災熱感知器に於いて、前記熱感知回路は、前記2つの高温検出部の各出力と1つの低温検出部との温度差に応じた差分出力から、各差分出力の加算値または平均値を求めて差動式熱感知を行うことを特徴とする火災熱感知器。
- 火災時に発生する熱気流から熱を受ける位置に熱的な絶縁性を確保して配置された少なくとも複数の集熱器と、
前記複数の集熱器の一部に蓄熱器と温度検出素子を設けて前記熱気流から熱を受けた際に緩やかに上昇する温度を測定して出力する2つの低温検出部と、
前記複数の集熱器の残りに温度検出素子を設けて前記熱気流から熱を受けた際に急速に上昇する温度を測定して出力する1つの高温検出部と、
前記低温検出部と高温検出部の出力に基づいて差動式熱感知を行う熱感知回路と、
を備え、前記高温検出部の集熱器を略中心とする略円形の周上にあって、且つその略円形の概ね中心を通る中心線上に前記2つの低温検出部の集熱器が配置され、前記熱感知回路は、前記1つの高温検出部の出力と2つの低温検出部の各出力の各差分から加算値または平均値を求めて差動式熱感知を行うことを特徴とする火災熱感知器。 - 火災時に発生する熱気流から熱を受ける位置に熱的な絶縁性を確保して配置された複数の集熱器と、
前記複数の集熱器の一部に蓄熱器と温度検出素子を設けて前記熱気流から熱を受けた際に緩やかに上昇する温度を測定して出力する1つの低温検出部と、
前記複数の集熱器の残りに温度検出素子を設けて前記熱気流から熱を受けた際に急速に上昇する温度を測定して出力する4つ以上の複数の高温検出部と、
前記低温検出部と高温検出部の出力に基づいて差動式熱感知を行う熱感知回路と、
を備え、前記低温検出部の集熱器を略中心とする略円形の周上にあって、且つその略円形の概ね中心を通る複数の中心線上に複数の高温検出部の集熱器が相互に配置され、前記熱感知回路は、前記複数の高温検出部の出力と1つの低温検出部の各出力の各差分から加算値または平均値を求めて差動式熱感知を行うことを特徴とする火災熱感知器。 - 火災時に発生する熱気流から熱を受ける位置に熱的な絶縁性を確保して配置された複数の集熱器と、
前記複数の集熱器の一部に蓄熱器と温度検出素子を設けて前記熱気流から熱を受けた際に緩やかに上昇する温度を測定して出力する4つ以上の複数の低温検出部と、
前記複数の集熱器の残りに温度検出素子を設けて前記熱気流から熱を受けた際に急速に上昇する温度を測定して出力する1つの高温検出部と、
前記低温検出部と高温検出部の出力に基づいて差動式熱感知を行う熱感知回路と、を備え、前記高温検出部の集熱器を略中心とする略円形の周上にあって、且つその略円形の概ね中心を通る複数の中心線上に複数の低温検出部の集熱器が配置され、前記熱感知回路は、前記1つ高温検出部の出力と複数の低温検出部の各出力との各差分から加算値または平均値を求めて差動式熱感知を行うことを特徴とする火災熱感知器。 - 火災時に発生する熱気流から熱を受ける位置に熱的な絶縁性を確保して配置された複数の集熱器と、
前記複数の集熱器の一部に蓄熱器と温度検出素子を設けて前記熱気流から熱を受けた際に緩やかに上昇する温度を測定して出力する低温検出部と、
前記複数の集熱器の残りに温度検出素子を設けて前記熱気流から熱を受けた際に急速に上昇する温度を測定して出力する高温検出部と、
前記低温検出部と高温検出部の出力に基づいて差動式熱感知を行う熱感知回路と、
を備え、前記低温検出部と高温検出部を同数ずつ複数有し、前記複数の低温検出部の集熱器は略円形の周上で、かつその略円形状の概ね中心を通る中心線上に相互に配置され、前記複数の高温検出部は前記略円形状の周上、もしくはその同心の別の略円形状の周上で、かつその概ね略円形状の中心を通る中心線上に相互に配置され、前記熱感知回路は、前記複数の高温検出部の各出力の平均値と複数の低温検出部の各出力の平均値との差分を求めて差動式熱感知を行うことを特徴とする火災熱感知器。 - 請求項1乃至10のいずれかに記載の火災熱感知器に於いて、前記集熱器は、熱拡散率が10 −6 [m 2 /s]よりも小さな材質からなる検出部固定部材上に設置されることに よって熱的な絶縁性を確保することを特徴とする火災熱感知器。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載の火災熱感知器に於いて、前記集熱器と前記蓄熱器の材質の熱拡散率が10 −6 〜10 −3 [m 2 /s]の範囲にあることを特徴とする火災熱感知器。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載の火災熱感知器に於いて、前記集熱器は回路実装基板の電極パッドを用いたことを特徴とする火災熱感知器。
- 請求項1乃至2又は請求項7乃至13のいずれかに記載の火災熱感知器に於いて、前記温度検出素子として、熱電対、サーミスタ、ダイオードのいずれかを用いたことを特徴とする火災熱感知器。
- 請求項1乃至14のいずれかに記載の火災熱感知器に於いて、前記蓄熱器は、電気信号回路の一部を形成する電子部品であることを特徴とする火災熱感知器。
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