JP3731790B2 - ポリエステル繊維 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速紡糸に供した場合、熱寸法安定性が高く、さらに濃染性に優れ、かつ工程安定性に優れたポリエステル繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルは、多くの優れた特性を有するため、繊維、フィルム等幅広い分野に使用されている。なかでもポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステルは繊維分野において大量に利用されている。ポリエステル繊維は通常溶融紡糸、延伸、熱セットすることにより使用に供されているが、製糸技術の進歩により溶融紡糸時の引取速度は2000m/分以上、更には2500〜6000m/分に上昇させることが可能となり、特に引取速度を2500〜4000m/分にして得た高配向未延伸糸は、通常そのまま延伸仮撚捲縮加工に供されており、製糸技術の主流となっている。
この延伸仮撚捲縮加工用の供給糸として特開平3−19914号公報には、重合体中に3官能、4官能化合物を添加してなるポリエステル延伸仮撚捲縮加工用供給糸について記載されているが、3官能、4官能化合物の添加量によって限界の紡糸引取速度が存在し、限られた品質のものとなっている。さらに、特開昭59−78233号公報では多官能化合物を共重合したポリエステルを高速紡糸に供した場合に、結晶化が促進され低収縮率の糸条が得られることが提案されている。しかしながら、かかる方法では、低収縮率の糸条を得るための引取速度3000m/分を越える領域では工程安定化が得られず実際の生産性はないものであった。
一方、濃染性に優れたポリエステル繊維としては、イソフタル酸などを共重合したポリエステルが知られているが、かかる繊維は、高収縮繊維となるため用途が限られていた。
【0003】
【発明が解決するための課題】
本発明は、上記問題点を解消すべく、目標とする高伸度低収縮の品質を確保し、さらに工程安定化にも優れ、かつ濃染化が得られるポリエステル繊維を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を主成分とし、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分とするエチレンテレフタレート系ポリエステルを主体骨格とするポリエステルであって、該ポリエステルには、エステル形成性官能基を3個以上5個以下有する多官能化合物に由来する構造単位が全ジカルボン酸成分のモル数に対して0.005モル%以上、0.5モル%以下の割合で存在し、かつ、モノカルボン酸、モノアルコールおよびそれらのエステル形成性誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単官能化合物に由来する構造単位が全ジカルボン酸成分のモル数に対して0.005モル%以上、5モル%以下の割合で存在するポリエステルからなることを特徴とするポリエステル繊維である。なお、以後、かかるポリエステルを共重合ポリエステルと称することもある。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の繊維を構成するポリエステルは、エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルであって、該ポリエステルにはエステル形成性官能基を3個以上5個以下有する多官能化合物に由来する構造単位が全ジカルボン酸成分のモル数に対して0.005モル%以上、0.5モル%以下の割合で存在していることが重要であり、より好ましくは0.01モル%以上、0.3モル%以下である。
多官能化合物に由来する構造単位の割合が0.005モル%未満では目標とする高伸度、低収縮の品質が得られない。また、0.5モル%を超えると分子架橋が進行しずきて溶融紡糸による繊維形成が困難になる。
なお、多官能化合物に由来する構造単位とは、ポリエステル中に架橋点として導入された多官能化合物の骨格の構造を意味するものである。
【0006】
さらに、ポリエステルに多官能化合物が特定量架橋共重合されているだけでは工程安定性、濃染性の点から不十分であり、本発明においては、架橋構造に加えて、モノカルボン酸、モノアルコールおよびそれらのエステル形成性誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単官能化合物に由来する構造単位が存在することが重要である。
【0007】
単官能化合物に由来する構造単位の割合は、全ジカルボン酸成分のモル数に対して0.005モル%以上、5.0モル%以下であることが必要であり、より好ましくは0.01モル%以上、1.0モル%以下である。単官能化合物単位の割合が0.005モル%未満の場合、高速紡糸における工程安定性が得られず濃染化の効果は少ない。一方、5.0モル%を超える場合、ポリエステルを製造する際の重合速度が遅くなり生産性が低下する。
【0008】
本発明においては、多官能化合物に由来する構造単位と単官能化合物に由来する構造単位の両者を上記のように特定量共存させたエチレンテレフタレート系ポリエステルを使用して、引取速度2500m/分以上、より好ましくは3000m/分以上で巻き取る高速紡糸法による場合、破断伸度及び沸水収縮率が下記式(1)及び(2)の関係を満たす繊維を安定して紡糸することが可能であり、濃染性に優れたポリエステル繊維が得られる。
3≦y≦−0.0076x2+2.333x−107.53 (1)
60≦x≦140 (2)
y:沸水収縮率%
x:破断伸度%
【0009】
多官能化合物に由来する構造単位は、ポリエステル製造においてエステル形成性官能基を3個以上5個以下有する多官能化合物を添加反応させるすることでポリエステルに導入することができ、かかる多官能化合物の好ましい例としては、トリメシン酸、トリメリット酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等の芳香族ポリアルコール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、1,3,5−シクロヘキサントリオール等の脂肪族または脂環式のポリアルコール;4−ヒドロキシイソフタル酸、3−ヒトロキシイソフタル酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、プロトカテク酸、没食子酸、2,4−ジヒドロキシフェニル酢酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸;酒石酸、リンゴ酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸;それらのエステル形成性誘導体などから誘導される多官能化合物を挙げることができる。本発明においては、上記した多官能化合物の1種のみを有していても、2種以上を有していてもよい。
【0010】
上記したうちでも、本発明におけるポリエステルは、多官能化合物としてトリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールから誘導される多官能化合物のうちの1種または2種以上を有しているのが、共重合ポリエステルの製造の容易性および製造コストの点から好ましく、ゲル化を抑制する観点から、トリメリット酸、トリメシン酸がより好ましい。
【0011】
さらに、本発明におけるポリエステルは、上記した多官能化合物と共に、モノカルボン酸、モノアルコールおよびそれらのエステル形成性誘導体の少なくとも1種の単官能化合物に由来する構造単位を有していることが重要である。
本発明における共重合ポリエステルでは、かかる単官能化合物は、末端封止化合物として機能し、共重合ポリエステルにおける分子鎖末端基および/または分岐鎖末端基の封止を行い、共重合ポリエステルにおける過度の架橋およびゲルの発生を防止することによって、工程安定化が可能となる。
【0012】
単官能化合物は、モノカルボン酸、モノアルコールおよびそれらのエステル形成性誘導体の少なくとも1種であればいずれでもよいが、好ましい例としては、安息香酸、o−メトキシ安息香酸、m−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、o−メチル安息香酸、m−メチル安息香酸、p−メチル安息香酸、2,3−ジメチル安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、2,5−ジメチル安息香酸、2,6−ジメチル安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、3,5−ジメチル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸、2,4,6−トリメトキシ安息香酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、2−ビフェニルカルボン酸、1−ナフタレン酢酸、2−ナフタレン酢酸等の芳香族モノカルボン酸;n−オクタン酸、n−ノナン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の脂肪族モノカルボン酸;前記のモノカルボン酸のエステル形成性誘導体;ベンジルアルコール、2,5−ジメチルベンジルアルコール、2−フェネチルアルコール、フェノール、1−ナフトール、2−ナフトール等の芳香族モノアルコール;ペンタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリテトラメチレングリコールモノアルキルエーテル、オレイルアルコール、シクロドデカノール等の脂肪族または脂環式のモノアルコールなどの単官能化合物を挙げることができる。また、単官能化合物は1種のみを用いても2種以上を用いてもよい。
【0013】
そのうちでも、本発明においては、単官能化合物として、安息香酸、2,4,6−トリメトキシ安息香酸、2−ナフトエ酸、ステアリン酸およびステアリルアルコールから選ばれる単官能化合物の1種または2種以上の化合物を使用することが、共重合ポリエステルの製造の容易性および製造コストの点から好ましい。
【0014】
さらに、本発明においては、特に多官能化合物としてトリメリット酸またはトリメシン酸を用い、単官能化合物として安息香酸または2,4,6−トリメトキシ安息香酸を用いることが共重合ポリエステルの製造の容易性および製造コストの点から好ましい。
【0015】
本発明のポリエステル繊維は、その物性を損なわない程度の少量(通常全ジカルボン酸成分に対して3モル%以下)であれば、上記した化合物以外の共重合成分を含むことができる。該共重合成分としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルホン酸、スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸;マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;デカリンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフェノールSエチレンオキシド付加物等の芳香族ジオール;トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール;さらにはグリコール酸、ヒドロキシアクリル酸、ヒドロキシプロピオン酸、アシアチン酸、キノバ酸、ヒドロキシ安息香酸、マンデル酸、マトロラクチン酸等のヒドロキシカルボン酸;ε−カプロラクトン等の脂肪族ラクトンなどを挙げることができる。
【0016】
本発明の共重合ポリエステルの製造に当たっては、(全ジオール成分):(全ジカルボン酸成分)のモル比が1.1:1〜1.5:1になるようにし、(多官能化合物):(全ジカルボン酸)のモル比が0.0001:1〜0.01:1になるようにし、且つ(単官能化合物):(多官能化合物)のモル比が1:1〜10:1になるようにして反応成分を混合し、エステル化反応またはエステル交換反応を行うのが好ましい。
【0017】
上記のエステル化反応またはエステル交換反応は、通常、常圧下または絶対圧で約3kg/cm2以下の加圧下に、230〜300℃の温度で、生成する水またはアルコールを留去しながら行うとよい。そして、それに続いて、必要に応じて重合触媒、着色防止剤などの添加物を添加した後、5mmHg以下の減圧下に、200〜300℃の温度で、所望の粘度のポリエステルプレポリマーが得られるまで溶融重合を行ってポリエステルプレポリマーを生成させる。その場合に、ポリエステルプレポリマーの取り扱い性などの点から、ポリエステルプレポリマーの極限粘度は0.40〜0.75dl/gの範囲内であるのが好ましい。
【0018】
上記した溶融重合反応において重合触媒を使用する場合は、ポリエステルの製造に通常用いられているものを使用することができ、例えば、酸化アンチモン等のアンチモン化合物;酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物;テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のチタン化合物;ジ−n−ブチル錫ジウラレート、ジ−n−ブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート等の錫化合物などを挙げることができ、これらの触媒化合物は単独で使用しても2種以上を組合せて使用してもよい。重合触媒の使用量は、ジカルボン酸成分の重量に基づいて0.002〜0.8重量%の範囲内であるのが好ましい。
【0019】
また、着色防止剤を使用する場合は、例えば、亜リン酸、リン酸、トリメチルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリメチルフォスフェート、トリデシルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート等のリン化合物を用いることができ、これらのリン化合物は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。上記したリン化合物からなる着色防止剤の使用量は、ジカルボン酸成分の重量に基づいて0.001〜0.5重量%の範囲内であるのが好ましい。
【0020】
また、共重合ポリエステルの熱分解による着色を抑制するために、酢酸コバルト等のコバルト化合物をジカルボン酸成分の重量に基づいて0.001〜0.5重量%添加するのが好ましく、0.05〜0.3重量%添加するのがより好ましい。
【0021】
さらに、上記したように、共重合ポリエステル中にジエチレングリコール単位が多く含まれると共重合ポリエステルのガラス転移温度が低下し、それに伴って耐熱性の低下や着色などが起こり、それから得られるポリエステル繊維の耐熱性、強度、色調などが不良なものとなるが、上記したエステル化反応、エステル交換反応および/または溶融重合反応を、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド;トリエタノールアミン、トリエチルアミン等の有機アミンなどからなるジエチレングリコールの副生抑制剤の存在下に行うと、共重合ポリエステル中におけるジエチレングリコール単位の割合を低減させることができるので好ましい。
【0022】
また必要に応じて、本発明における共重合ポリエステルには、各種の添加剤、例えば染料や顔料などの着色剤、紫外線吸収剤などの安定剤、帯電防止剤、難燃剤、親水剤などを配合してもよい。
【0023】
本発明のポリエステル繊維の製造方法は、通常のポリエステル繊維の製造技術を利用できるが、本発明の特定のポリエステルを使用することで、高速紡糸時の工程安定性が非常に優れたものとなる。高速紡糸法としては、例えば、第1引取りローラでの引取速度を2500m/分以上とした紡糸延伸法や、2500m/分以上の引取速度で延伸することなく巻き取る方法や、非接触型の加熱帯で延伸し4500m/分以上で巻き取る紡糸延伸法など各種の高速紡糸法を利用することができるが、本発明においては、上記の共重合ポリエステルを溶融紡糸装置へ供給し、紡糸ノズルより溶融押出しし、引取速度2500m/分以上、より好ましくは3000m/分以上で巻き取る高速紡糸法による場合、得られるポリエステル繊維が、下記式(1)及び(2)を満たすような低収縮高伸度繊維となるので好ましい。
3≦y≦−0.0076x2+2.333x−107.53 (1)
60≦x≦140 (2)
y:沸水収縮率% x:破断伸度%
より好ましくは、60≦x≦80の場合、上記式(1)であり、80≦x≦140の場合は、3≦y≦30であることが望まれる。
なお上記の共重合ポリエステルは、高速紡糸の工程安定化という点でメリットを発揮するものであるが、通常の2500m/分以下の紡糸方法でも繊維化できることは言うまでもない。
【0024】
本発明のポリエステル繊維は、高速紡糸性に優れ、また仮撚加工性にも優れている。さらにピリング性も良好である。また低収縮であるにもかかわらず濃染性に優れるという特徴を有するものである。
【0025】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、実施例中の測定は次のようにして測定した値である。
【0026】
破断伸度:JIS L1013に準拠して測定した。
【0027】
沸水収縮率:初荷重1mg/デニール下で試料に50cm間隔の印をつけ、次いで試料を98℃の熱水中に5mg/デニールの荷重下30分間放置し、その後取り出して1mg/デニール荷重下で印の間隔L′cmを測定し次式により算出した。
沸水収縮率(%)=〔(50−L′)/50〕×100
【0028】
工程性:100kg紡糸した際の毛羽・断糸の発生状況で評価した。
○:毛羽・断糸の発生なく良好の場合
△:断糸はなく、毛羽の発生が僅かに認められた場合
×:断糸が発生した場合
【0029】
濃染性:筒編状の染色物を分光光度計C−2000S型カラーアナライザーによって測定した分光光度計反射率をJIS Z8722に準じて測定された三刺激値(X,Y,Z)および色度座標(X,Y)よりL*値を以下の関係式により算出した。
該値が小さい程、濃色性が良好である。
L*=116(Y/100)1/3−16
【0030】
実施例1
テレフタル酸165.8重量部、エチレングリコール74.4重量部、無水トリメリット酸0.204重量部、安息香酸0.366重量部からなるスラリーを調整し、これに0.096重量部の一次平均粒径0.4μmの酸化チタン、0.067重量部の三酸化アンチモン、0.01重量部の亜リン酸及び0.03重量部のテトラエチルアンモニウムヒドロキシドを加えた。このスラリーを加圧下(絶対圧2.5kg/cm2)に250℃の温度に加熱して、エステル化率が95%になるまでエステル化反応を行って低重合体を製造した。続いて1mmHgの減圧下に270℃の温度で前記の低重合体を溶融重合させて極限粘度0.65dl/gの共重合ポリエステルを得た。
【0031】
このポリエステルを0.20mmφ×36holeのノズルを用いて紡糸温度290℃、吐出量1.04g/分・holeで紡出し、温度25℃、湿度60%の冷却風(0.5m/secの速度)を紡出糸条に吹き付け、糸条を70℃以下にした後、カラス口オイリング(ギアポンプ方式)で油剤を付与し2個の引取ローラーを介して4500m/minの引取速度で巻取り、75d/24fのポリエステル繊維を得た。
その時の紡糸性、得られた繊維の繊維物性を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
実施例2
吐出量を0.81g/分・holeとし、引取速度を3500m/分とすること以外は実施例1と同条件で繊維化を行った(表1)。
【0034】
比較例1〜6
多官能化合物と単官能化合物の添加量を表1に示す条件で添加した以外は実施例1と同条件で繊維化を行った。
Claims (2)
- ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を主成分とし、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分とするエチレンテレフタレート系ポリエステルを主体骨格とするポリエステルであって、該ポリエステルには、エステル形成性官能基を3個以上5個以下有する多官能化合物に由来する構造単位が全ジカルボン酸成分のモル数に対して0.005モル%以上、0.5モル%以下の割合で存在し、かつ、モノカルボン酸、モノアルコールおよびそれらのエステル形成性誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単官能化合物に由来する構造単位が全ジカルボン酸成分のモル数に対して0.005モル%以上、5モル%以下の割合で存在するポリエステルからなることを特徴とするポリエステル繊維。
- 繊維の破断伸度と沸水収縮率の関係が、下記式(1)及び(2)式を満足する請求項1記載のポリエステル繊維。
3≦y≦−0.0076x2+2.333x−107.53 ・・・(1)
60≦x≦140 ・・・(2)
y:沸水収縮率(%)
x:破断伸度(%)
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