JP3731627B2 - 自走式煙霧機及び噴霧方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、野菜等のハウス栽培の防除装置及び防除方法として用いて好適な、自走式煙霧機及び噴霧方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ハウス栽培の野菜の防除作業を行う場合、密閉された空間内での作業となるため、人体に対する薬害の心配が多い。そこで、ハウス内での無人防除作業に適した装置として、常温煙霧機が提案されている。該煙霧機は、殺菌剤等の薬液を5乃至20μm程度の超微粒子状(いわゆる煙霧状)にして噴霧せしめる装置であり、従来、密閉状のハウス内の所定位置に定置して使用されている。そして、いわゆる煙霧状となって前記煙霧機から供給される薬液は、前記ハウス内を浮遊してその中に充満するので、ハウス内の防除を安全かつ確実に行うことができるとされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記煙霧機を定置して行う従来の噴霧防除方法では、ハウス内に薬液を均一に行き渡らせることが実際にはなかなか難しく、特に、ハウスの規模が大きくなると、薬液がハウスの隅々にまで行き渡らない場合もある。
【0004】
そこで、一棟のハウス内に複数の煙霧機を配置することも考えられるが、その場合には、設備費が嵩んでしまう。
【0005】
また、ハウスの長手方向に沿って多数の噴霧口を設けたダクトを用いることも提案されているが、該ダクト内に付着する薬液残量が多く、不経済である等の問題がある。
【0006】
本発明は、こうした事情に鑑みてなされたもので、均一な無人噴霧を可能にする経済的な自走式煙霧機及び噴霧方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る自走式噴霧機は、二流体式ノズルを備え、圧縮空気による噴霧液の攪拌、加圧が行われる煙霧機と、該煙霧機を搭載して自動走行する自走台車と、を備えたものである。
【0008】
本発明によれば、前記自走台車を自動走行させながら前記煙霧機を作動せしめることにより、例えばハウス内に、薬液等の噴霧液を、いわゆる煙霧状にして、均一に行き渡らせることができる。また、前記煙霧機も自走台車も、従来公知の適宜のものを採用することができるので、経済的である。さらに、前記煙霧機は、単位時間当りの噴霧料がごく少量であるので、噴霧液の携行量が少なくて足り、この点でも、自走しながらの無人噴霧に最適である。
【0009】
請求項1に記載の本発明に係る自走式煙霧機は、噴霧液を貯留するタンクと、該タンク内の前記噴霧液を噴霧する噴霧ノズルと、該噴霧ノズルに噴霧用圧縮空気を供給するためのエア供給ホースを巻き解き及び巻き取りするホースリールとを、自動走行する自走台車に搭載するとともに、前記ホースリールを介して圧縮空気が供給される中間エアホースに空気圧調整器が設けられ、該空気圧調整器からの圧縮空気が前記噴霧ノズル及び前記タンク内の前記噴霧液中へ供給され、前記タンク内の前記噴霧液が加圧されて噴霧液管及び噴霧液ホースを介して前記噴霧ノズルへ送出され、さらに前記自走台車の車輪と前記ホースリールとをそれらの間に一方向クラッチとトルクリミッタ装置を介装して駆動上互いに連結し、前記ホースリールが前記エア供給ホースを巻き取るときにのみ前記ホースリール側へ駆動力が伝達され、前記自走台車の走行速度と前記ホースリールによる前記エア供給ホースの巻き取り速度とを同期せしめるようにしたものである。
【0010】
この場合、前記噴霧ノズルには、例えば、前記自走台車外の圧縮空気供給源から、前記エア供給ホースを通して、噴霧用圧縮空気が供給される。また、前記圧縮空気供給源からの圧縮空気の一部が、前記タンク内の噴霧液中に供給されて噴霧液の攪拌が行われるとともに供給された圧縮空気によって前記噴霧液が加圧され、前記噴霧ノズル送出されて噴霧される。そして、前記一方向クラッチの作用で前記ホースリールを遊転させて、前記エア供給ホースを巻き解きながら前記自走台車を前進走行させ、また、前記一方向クラッチの作用で前記自走台車の走行駆動力を前記ホースリールに伝達せしめて、前記エア供給ホースを自動的に巻き取りながら、前記自走台車を後進走行させる。前記ホースリールが前記エア供給ホースを巻き取るときには、前記トルクリミッタ装置の作用により、前記自走台車の走行速度と前記ホースリールによる前記エア供給ホースの巻き取り速度とが自動的に同期せしめられるので、該ホースにはたるみが生じない。
【0011】
前記本発明によれば、前記自走台車に前記圧縮空気供給源を搭載する必要がないので、前記自走台車全体としての重量が一層小さくてすみ、例えば、柔らかい圃場内でも自動走行性が良好である。
【0012】
さらに、一般に、自走式の散布装置において、散布液供給ホースを巻き取るホースリールを備えたものは、例えば、実公平1−11333号により公知であるが、本発明の構成要素は、エア供給ホース用のホースリールであり、この場合、ホースの搬送対象が気体であることから、散布液供給用のホースリールに比べて、ホースの巻き解き及び巻き取り時に前記ホースリールに掛る負荷が小さくてすむ。よって、前記自走台車の走行安定性が損なわれることがないほか、前記ホースリールを巻き取り動作せしめるための動力が小さくて足りるとともに、該ホースリールの耐久性も良好となる、等の効果がある。
【0014】
ところで、前記ホースリールで前記エア供給用ホースを巻き解き及び巻き取りしながら前記自走台車を安定走行せしめるためには、前記ホースリールの重心をできるだけ低く配置することが望ましい。一方、前記ホースリールをあまりに低く配置し過ぎると、該ホースリールによる最大巻径を小さくせざるを得ないので、前記エア供給用ホースの搭載全長を十分に長くすることができず、自走噴霧面積が小さくなってしまう。こうした相反する要請を同時に満足せしめる発明が、請求項2に記載のものである。
【0015】
すなわち、請求項2に記載の本発明に係る自走式煙霧機は、請求項1に記載のものにおいて、前記ホースリールの回動軸線が前記自走台車の前記車輪の回動軸線と同一の地上高となるように前記ホースリールを配置したものである。このようにすれば、該ホースリールの重心の地上高を極小に、かつ、該ホースリールの巻径を極大にすることができるので、走行安定性が良好となるとともに、自走噴霧面積も極大にせしめることができる。
【0017】
請求項3に記載の本発明に係る噴霧方法は、噴霧液を貯留するタンクと、該タンク内の噴霧液を噴霧する噴霧ノズルと、エア供給ホースを巻き取るホースリールとを、自動走行する自走台車に搭載し、前記ホースリールを介して圧縮空気が供給される中間エアホースに空気圧調整器を設けて該空気圧調整器から圧縮空気を前記噴霧ノズルへ及び前記タンク内の前記噴霧液中へ供給して該噴霧液を攪拌するとともに前記タンク内の前記噴霧液を加圧して前記噴霧ノズルへ送出しながら、前記自走台車を自動走行させるとともに、該自走台車の走行速度に応じて前記ホースリールにより前記エア供給ホースを巻き解き及び巻き取りながら前記噴霧液の噴霧を行うようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な一実施の形態を説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る自走式煙霧機の全体斜視図、図2は、前記自走式煙霧機の要部横断平面図、図3は、前記自走式煙霧機の噴霧配管系を示す説明図である。
【0020】
本実施形態に係る自走式煙霧機は、自動走行する台車1に、例えば、二流体ノズル式の常温煙霧機2を搭載せしめたものであり、ハウス内等での無人防除作業に用いて好適なものである。前記煙霧機2は、殺菌剤等の噴霧液Lをごく微量ずつ噴霧するので、一度に携行する液量が少なくてすむ。このため、前記台車1に掛る重量が小さいので、該台車1に搭載しての走行噴霧作業に特に適している。
【0021】
本実施形態に係る自走式煙霧機の構成および動作をおおまかに説明すると、前記台車1の前部には、図1に示すように、前記煙霧機2を構成するノズル支柱3が立設され、該ノズル支柱3で支持された二流体噴霧ノズル4には、図3に示すように、前記台車1に搭載された薬液タンク5が連通されている。前記台車1には、また、図2に示すように、エア供給ホース6を巻き解き及び巻き取りするホースリール7が搭載されている。図3に示すように、前記台車1外に定置されたエアコンプレッサー8等を含む圧縮空気供給源9から前記エア供給ホース6を通して前記二流体噴霧ノズル4に圧縮空気を供給することにより、前記薬液タンク5内の前記噴霧液Lが前記二流体噴霧ノズル4から、いわゆる煙霧状となって噴霧される。そして、前記台車1は、前記ホースリール7から前記エア供給ホース6を巻き解きながら前進するとともに、該エア供給ホース6を巻き取りながら後進し、かつ、前記噴霧ノズル4から薬液を噴霧しながら、ハウス内の畝間を自動走行するようになっている。
【0022】
まず、前記台車1の構成及び動作について詳細に説明する。図1において、車体カバー10とともに前記台車1を構成する車台11は、その前部に、遊転輪である操向前輪12を有する。該操向前輪12は、前記車台11に搭載された操向制御用原動機としての電動操向サーボモーター13により、操向制御される。
【0023】
また、前記車台11は、図2に示すように、その後部に、左右一対の走行駆動後輪14a,14bを備えている。該左右一対の後輪14a,14bは、前記車台11の後部に搭載された正逆回転自在な左右一対の減速機付電動モーター15a,15bを走行駆動用原動機として、スプロケット16,17と後輪駆動用チェーン18,18とにより、左右それぞれ別々に駆動される。このように、前記左右一対の後輪14a,14bを差動走行自在にせしめて、凹凸のある圃場内での安定走行と円滑な旋回走行とが行われるようにしている。
【0024】
なお、図2中、符号70,70は、前記各後輪駆動用チェーン18,18のテンション調整用スプロケットである。また、図1中、符号71は、前記台車1のハンドル、符号72は、前記左右一対の後輪14a,14bを浮かせた状態で前記台車1を支持するスタンドである。
【0025】
前記操向制御用モーター13と前記左右一対の走行駆動モーター15a,15bは、いずれも、図1に示すように、前記車台11に車体重心位置を低くできるように配慮して搭載されたバッテリー19,19を電源として作動し、同じく前記車台11に搭載された自動制御手段としての制御ボックス20内のマイクロコンピューター等よりなる制御回路によって自動制御される。前記煙霧機2による噴霧に適するように、前記台車1の走行速度は、ごく低速とされている。例えば、最高でも0.5m/秒程度とするのが望ましく、さらに、その範囲内で、例えば、0.083m/秒,0.117m/秒,0.167m秒,0.3m/秒等の複数の速度段階を設けておき、噴霧作業現場の条件に応じて自由に速度を切り換えることができるようにすると好適である。
【0026】
ハウス内における前記台車1の走行パターンは任意であるが、例えば、ハウス内に薬液が均等に行き渡るように、走行経路となる畝間をあらかじめ定めて、所定のパターンで前記台車を自動走行させればよい。一例として、本実施形態では、前記台車1を、あらかじめハウスH内に敷設した誘導ケーブル21に沿って自動走行させるようにしている。この場合、該誘導ケーブル21の敷設パターンにより、例えば、図4または図5に示すように、前記台車1の走行経路を自在に設計することができる。
【0027】
図4に示した例では、互いに平行に延びる多数の畝間に、一畝間置きに前記誘導ケーブル21を敷設し、該各誘導ケーブル21を、前記各畝間の始端部をつなぐように延びる枕地22を経由して、例えば、ハウスH1の外に設置した誘導送信機23に接続している。さらに、前記各畝間に一畝間置きに敷設した前記各誘導ケーブル21の終端部21aを、それぞれ戻し用電線24に接続し、該戻し用電線24を前記誘導送信機23に接続している。
【0028】
図4において、前記台車1は、前記枕地22の端部のスタート位置25から出発し、該スタート位置25に最も近い前記誘導ケーブル21に沿って第一噴霧畝間R1を前進走行する。該第一噴霧畝間R1の終端部に到達したら、前記台車1は一旦停止し、前記枕地22へと後進で復帰走行する。次いで、該枕地22で再度走行方向を切り換えて前進し、次の誘導ケーブル21に沿って、第二噴霧畝間R2を前進走行する。このようにして、第三噴霧畝間R3、第四噴霧畝間R4の順に次々と往復走行し、最終噴霧畝間REを復帰走行した後に、前記枕地22を前記スタート位置25まで後進で復帰走行する。
【0029】
また、図5に示した例では、前後方向に延びる一本の枕地26の左右両側に左右方向に延びるように平行に分布する多数の畝間に、前記枕地26の左右両側で互い違いとなるように、かつ、一畝間置きに、前記誘導ケーブル21を敷設し、該誘導ケーブル21を、前記枕地26を経由して、ハウスH2の外に設置した誘導送信機23に接続している。さらに、前記各誘導ケーブル21の終端部21aを、それぞれ戻し用電線24,24に接続し、該戻し用電線24,24を前記誘導送信機23に接続している。
【0030】
図5において、前記台車1は、前記枕地26の端部のスタート位置25から出発し、該スタート位置25に最も近い誘導ケーブル21に沿って、例えば、左側の第一噴霧畝間R1を前進走行する。該第一噴霧畝間R1の終端部に到達したら、前記台車1は一旦停止し、前記枕地26へと後進で復帰走行する。次いで、該枕地26で再度走行方向を切り換えて前進し、次の誘導ケーブル21に沿って、右側の第二噴霧畝間R2を前進走行する。このようにして、左側の第三噴霧畝間R3、右側の第四噴霧畝間R4の順に次々と往復走行し、最終噴霧畝間REを復帰走行した後に、前記枕地26を前記スタート位置25まで後進で復帰走行する。
【0031】
前記誘導ケーブル21に沿う追従走行作用を奏するため、前記台車1には、例えば、前記誘導ケーブル21に流れる電流によって発生する磁界を検出する左右一対の追従センサ(図示せず)を設けている。そして、該左右一対の追従センサの検出信号に基づいて前記制御回路が作用し、これにより、前記台車1が前記誘導ケーブル21に沿って自動走行するようになっている。また、前記台車1の走行方向の切り換えは、例えば、前記台車1に磁気センサ(図示せず)を設け、該磁気センサが前記台車1の走行方向切換ポイントにあらかじめ配設されたセンサープレート27を感知することにより得られる検知信号を、前記制御回路に自動的に入力せしめることにより行うことができる。
【0032】
なお、前記誘導ケーブル21に沿う前記台車1の誘導システムは、例えば、特開平5−189029号公報に詳細に示されている通りであり、本発明の要旨とは関係がないので、その詳細な説明は省略する。
【0033】
その他、前記台車1の自動走行制御は、前記ハウス外から作業者がラジコン操作で行うようにすることもできる。
【0034】
次に、前記煙霧機2の構成および動作について詳細に説明する。該噴霧機2は、殺菌剤等の前記噴霧液Lを5乃至20μm程度の、いわゆる煙霧状にして噴霧する常温煙霧機であり、図3に示すように、前記噴霧液Lを貯溜する前記タンク5と、該タンク5内の前記噴霧液Lを噴霧する、それ自体周知の二流体式の前記噴霧ノズル4と、を備えている。
【0035】
該噴霧ノズル4は、図1に示すように、前記ノズル支柱3の上端部に、噴霧角度を上下左右に自在に調整できるように取り付けられている。前記噴霧ノズル4を収容するノズルケース30は、前記ノズル支柱3上で、前記台車1の進行方向に向って左右水平方向に延びる軸線X−Xを中心として上下方向に回動自在となっている。そして、噴霧角度固定用ノブ31を緩めて前記ノズル支柱3に対する前記ノズルケース30の角度を調整し、再び前記噴霧角度固定用ノブ31を締めれば、前記噴霧ノズル4を新たな噴霧角度に固定することができる。
【0036】
前記タンク5は、図3に示すように、タンク本体31とキャップ32とから形成されている。該キャップ32には、いずれも耐薬品性の良好な材料からなる噴霧液管33と撹拌用エア供給管34とが貫通していて、前記タンク本体31に対して前記キャップ32を締めると、前記噴霧液管33と前記撹拌用エア供給管34の各下端部33a,34aが前記タンク本体31内の底部付近に位置するようになっている。なお、前記噴霧液管33の前記下端部33aには、適宜のフィルター35が装着されている。
【0037】
前記タンク5の外側に位置している前記噴霧液管33の上端部33bには、噴霧液ホース36の上流側端部36aが接続されていて、前記噴霧液ホース36の下流側端部36bは、前記噴霧ノズル4に接続されている。
【0038】
また、前記タンク5の外側に位置している前記撹拌用エア供給管34の上端部34bには、撹拌用エアホース37の下流側端部37bが接続されている。一方、前記撹拌用エアホース37の上流側端部37aは、前記台車1に搭載された空気圧調整器38の空気出口39に接続されている。
【0039】
前記空気圧調整器38は、図3に平面的に示すように、一つの空気入口40と二つの空気出口39,41とを有するハウジング42と、圧力ゲージ43とを備えている。前記空気入口40には、前記ホースリール7から延びる中間エアホース44を介して前記エア供給ホース6が連通されていて、該エア供給ホース6には、前記台車1外(例えばハウス外)に定置された前記エアコンプレッサー8等を含む前記圧縮空気供給源9から圧縮空気が供給される。
【0040】
前記空気圧調整器38の前記二つの空気出口39,41には、前記撹拌用エアホース37のほかに、噴霧用エアホース45の上流側端部45aが接続されている。そして、前記噴霧用エアホース45の下流側端部45bは、前記噴霧ノズル4に接続されている。
【0041】
図3に示した以上のような流体回路において、前記空気圧調整器38からは、噴霧作業中は常時、前記噴霧ノズル4へと大量に、かつ前記撹拌用エア供給管34へと微量ずつ、圧縮空気が供給される。該撹拌用エア供給管34へと微量づつ供給される圧縮空気(撹拌用エア)は、気泡となって前記タンク5内の前記噴霧液L中を浮上し、該噴霧液Lを撹拌してその成分を均一化せしめるとともに、前記噴霧液Lを加圧して前記噴霧ノズル4へ送出する。
【0042】
一方、前記噴霧ノズル4へと供給される圧縮空気(噴霧用エア)は、前記噴霧ノズル4から噴き出すことにより、前記噴霧液ホース36内を負圧化せしめる。これにより、前記タンク5内の前記噴霧液Lは前記噴霧液管33で吸引され、前記噴霧液ホース36を通って、前記噴霧用エアとともに前記噴霧ノズル4から煙霧状に噴出する。
【0043】
前記エア供給ホース6は、前記ホースリール7によって、前記台車1の走行速度に応じて自動的に巻き解かれ、且つ自動的に巻き取られるようになっている。
【0044】
図2に示すように、前記ホースリール7は、ドラム状のリール本体50と、該リール本体50に固着されて前記台車1の進行方向に向って左右両側へ延びるリール支軸51と、を備えている。前記エア供給ホース6の送気下流側の端部6bは、筒状の前記リール支軸51の内部に挿入されていて、該リール支軸51の左端部に設けた回動継手52に連通している。該回動継手52は、前記中間エアホース44を介して、前記空気圧調整器38の前記空気入口40に連通している。
【0045】
ここでは、前記リール支軸51の回動軸線Y−Yと前記左右一対の後輪14,14の回動軸線Y−Yとが互いに一致するようにして、前記ホースリール7を配置している。これは、前記ホースリール7の重心をできるだけ低くして、前記台車1の走行安定性を良くするとともに、前記ホースリール7への前記エア供給ホース6の最大巻径をできるだけ大きくして、前記台車1が前記圧縮空気供給源9からできるだけ遠くまで走行できるようにし、かつ、前記自走式煙霧機全体の前後長さをできるだけ短くして、小回りの旋回を可能ならしめるためである。具体的には、前記リール支軸51を前記車台11に回動自在に取着し、前記リール支軸51上に、前記左右一対の後輪14a,14bをそれぞれ回動自在に取着している。
【0046】
前記ホースリール7は、前記台車1の前進時には、前記エア供給ホース6の張力により遊転して、前記台車1の進行に応じて前記エア供給ホース6を繰り出し、一方、前記台車1の後進時には、前記左右一対の走行駆動モーター15a,15bのいずれか一方により駆動されて、前記台車1の進行に応じて前記エア供給ホース6を自動的に巻き取るようになっている。
【0047】
すなわち、図2に示すように、前記車台11には、リール駆動軸53が回動自在に取着されていて、該リール駆動軸53には、前記左側の後輪14aの駆動系に介装されたアイドルスプロケット54が回動自在に取着されるとともに、前記右側の後輪14bを駆動するための中間スプロケット55が、例えば、スプライン嵌合により、前記リール駆動軸53と常に一体的に回動するように固定されている。また、前記リール駆動軸53には、一方向クラッチ56を介して、二重一体構造のリール駆動用スプロケット57が取着され、該リール駆動用スプロケット57とチェーン58と前記リール支軸51に固着された従動スプロケット59とにより、前記台車1が後進駆動されるときにのみ、前記右側の走行駆動モーター15bの駆動力が、前記ホースリール7に伝達される。
【0048】
また、前記リール駆動軸53と前記ホースリール7との間に、適当な形式のトルクリミッタ装置60を介装することにより、後進時の前記台車1の走行速度と前記ホースリール7による前記エア供給ホース6の巻き取り速度とを同期せしめ、前記エア供給ホース6を確実に緩みなく巻き取ることができるようにしている。
【0049】
さらに、前記リール本体50の巻き幅に沿って前記エア供給ホース6を整列せしめるため、ホース整列巻き取り機構61を設けている。該ホース整列巻き取り機構61は、前記ホースリール7の後方に前記リール支軸51と平行に架設された回動自在なトラバース軸62を備えている。該トラバース軸62上には、左右方向に延びる固定ガイドバー63に左右摺動自在に係合して前記トラバース軸62の回動に伴って左右方向に往復駆動される移動ブロック64が設けられている。該移動ブロック64には、それぞれ鼓状の左右一対のガイドローラ65,65が取り付けられていて、該左右一対のガイドローラ65,65は、前記エア供給ホース6を繰り出し方向および回収方向に円滑に案内し得るように、該エア供給ホース6を左右方向から挾持している。
【0050】
前記トラバース軸62は、スプロケット66とチェーン67とを介して二重一体構造の前記リール駆動用スプロケット57と駆動上連結されていて、前記トルクリミッタ装置60の作用で前記台車1の走行速度と同期せしめられる前記エア供給ホース6の巻き取り速度に応じて、前記移動ブロック64を左右方向に往復駆動せしめる。このため、前記リール本体50が前記エア供給ホース6を巻き取るとき、該エア供給ホース6は、前記リール本体50の周面上に間隔を開けることなく整列せしめられる。
【0051】
なお、前記ホースリール7はエアホース用のホースリールであり、ホースの搬送対象が気体であることから、液体ホース用のホースリールに比べて、ホースの巻き解き及び巻き取り時に前記ホースリール7に掛る負荷が小さくてすむ。よって、前記自走台車1の走行安定性が損なわれることがないほか、前記ホースリール7を巻き取り動作せしめるための動力が小さくて足りるとともに、該ホースリール7の耐久性も良好となる。
【0052】
また、前記構成の自走式煙霧機において、前記エア供給ホース6を高圧薬液用ホースとし、前記ノズル支柱3を無気噴霧ノズルを上下方向に沿って左右に複数配設したものとすることにより、そのまま、一般的な無人走行式動力噴霧機として利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る自走式煙霧機の全体斜視図である。
【図2】図1に示した自走式煙霧機の要部横断平面図である。
【図3】図1に示した自走式煙霧機の噴霧配管系の説明図である。
【図4】自走式煙霧機の噴霧走行パターンの一例を示す平面図である。
【図5】自走式煙霧機の噴霧走行パターンの他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 自走台車
2 煙霧機
4 噴霧ノズル
5 タンク
6 エア供給ホース
7 ホースリール
14a,14b 後輪(車輪)
56 一方向クラッチ
60 トルクリミッタ装置
Y−Y 回動軸線
L 噴霧液
Claims (3)
- 噴霧液(L)を貯留するタンク(5)と、該タンク(5)内の前記噴霧液(L)を噴霧する噴霧ノズル(4)と、該噴霧ノズル(4)に噴霧用圧縮空気を供給するためのエア供給ホース(6)を巻き解き及び巻き取りするホースリール(7)とを、自動走行する自走台車(1)に搭載するとともに、前記ホースリール(7)を介して圧縮空気が供給される中間エアホース(44)に空気圧調整器(38)が設けられ、該空気圧調整器(38)からの圧縮空気が前記噴霧ノズル(4)及び前記タンク(5)内の前記噴霧液(L)中へ供給され、前記タンク(5)内の前記噴霧液(L)が加圧されて噴霧液管(33)及び噴霧液ホース(36)を介して前記噴霧ノズル(4)へ送出され、さらに前記自走台車(1)の車輪(14a)、(14b)と前記ホースリール(7)とをそれらの間に一方向クラッチ(56)とトルクリミッタ装置(60)とを介装して駆動上互いに連結し、前記ホースリール(7)が前記エア供給ホース(6)を巻き取るときにのみ前記ホースリール(7)側へ駆動力が伝達され、前記自走台車(1)の走行速度と前記ホースリール(7)による前記エア供給ホース(6)の巻き取り速度とを同期せしめるようにしてなる、自走式煙霧装置。
- 前記ホースリール7の回動軸線(Y−Y)が前記自走台車(1)の前記車輪(14a)、(14b)の回動軸線(Y−Y)と同一の地上高となるように前記ホースリール(7)を配置してなる、請求項1に記載の自走式煙霧装置。
- 噴霧液(L)を貯留するタンク(5)と、該タンク(5)内の前記噴霧液(L)を噴霧する噴霧ノズル(4)と、エア供給ホース(6)を巻き取るホースリール(7)とを、自動走行する自走台車(1)に搭載し、前記ホースリール(7)を介して圧縮空気が供給される中間エアホース(44)に空気圧調整器(38)を設けて該空気圧調整器(38)からの圧縮空気を前記噴霧ノズル(4)へ及び前記タンク(5)内の前記噴霧液(L)中へ供給して該噴霧液を攪拌するとともに前記タンク(5)内の前記噴霧液(L)を加圧して前記噴霧ノズル(4)へ送出しながら、前記自走台車(1)を自動走行させるとともに、該自走台車(1)の走行速度に応じて前記ホースリール(7)により前記エア供給ホース(6)を巻き解き及び巻き取りながら前記噴霧液(L)の噴霧を行う、噴霧方法。
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