JP3731602B2 - 熱現像銀塩写真感光材料及び銀画像形成方法 - Google Patents

熱現像銀塩写真感光材料及び銀画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は銀画像形成用熱現像銀塩写真感光材料(以下、熱現像銀塩写真感光材料とも言う)及びその画像形成方法に関し、詳しくは、感度低下せずに熱カブリ、銀色調、画像保存の解決された熱現像銀塩写真感光材料及びその画像形成方法に関する。
最終画像を生成するために、液体現像剤を使用しない、いわゆるドライ感光材料は調液フリーによる作業性や廃液レスによる環境保護からも望まれている。このような画像形成材料は、非感光性の還元性銀源、照射された場合に銀を生成する感光性材料、および銀源のための還元剤を基本的に含有する。一般に、感光性材料は非感光性銀源に対して触媒的に近接する必要がある。触媒的な近接とは、写真ハロゲン化銀の照射または露光により銀スペック(specks)または核が生成した場合にこれらの核が還元剤による銀源の還元を触媒可能であるようにこれらの2種の材料が密接な物理的な関連を有することをいう。銀は銀イオンの還元のための触媒であり、銀を生成する感光性ハロゲン化銀触媒前駆体は多くの異なる様式で銀源と触媒的に近接して設けられている。
熱現像銀塩写真感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤は、保存中にかぶりが発生する等の問題点が多い。室温(周囲条件)で一年間のように材料の保存期間が伸びるにつれて、かぶりのレベルは徐々に上昇する。保存期間中のかぶりの制御をさらに困難にしているのは、熱現像銀塩写真感光材料中に現像剤(還元剤)が含有されているという事実であり、これは他のハロゲン化銀写真感光材料とは異なる。したがって、熱現像銀塩写真感光材料においては保存寿命の延長に対する要求は非常に重要である。新たに調製された熱現像銀塩写真感光材料のかぶりのレベルは初期かぶりと称される。初期かぶりを最低限とすること、および保存期間におけるかぶりのレベルを安定化することに向けて多大な努力がなされてきた。米国特許第3,589,903号では水銀塩がかぶり防止剤として記載されている。米国特許第4,152,160号では安息香酸およびフタル酸のような有機カルボン酸が、同第4,784,939号ではベンゾイル安息香酸化合物が、同第4,569,906号ではインダンもしくはテトラリンカルボン酸が、同第4,820,617号ではジカルボン酸が、そして同第4,626,500号では複素芳香族カルボン酸がかぶり低減のために記載されている。ハロゲン化化合物も強いかぶり防止剤として示されており、米国特許第4,546,075号、同第4,756,999号、同第4,452,885号、同第3,874,946号および同第3,955,982号に記載されている。ハロゲン分子または複素環を有するハロゲン分子も有用なかぶり防止剤であり、これらは米国特許第5,028,523号に記載されている。しかしながら、個々のこれらの化合物またはこれらの化合物の組合せでも、熱現像銀塩写真感光材料の保存期間における、かぶり安定性は未だ不十分であり、更なる改良が望まれている。
また、熱現像銀塩写真感光材料から得られる銀画像は、液体現像によるハロゲン化銀写真感光材料から得られる銀画像に比べ、黒色性が低く、また得られる画像の保存性も劣っていた。
本発明は、上記問題点に対し、感度低下せずに熱カブリ、銀色調、画像保存の解決された熱現像銀塩写真感光材料及びその画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下により達成された。
(請求項1)少なくとも感光性ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤を含む熱現像性感光材料において、下記一般式(1)で表される化合物を添加し含有させたことを特徴とする銀画像形成用熱現像銀塩写真感光材料。
一般式(1)
PUG−L−COOAg
式中、PUGは含窒素複素環化合物残基を表し、Lは2価の脂肪族基又は芳香族基を表す。
(請求項2)少なくとも感光性ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤を含む熱現像性感光材料を用いて銀画像を得る銀画像の形成方法において、該熱現像性感光材料が下記一般式(1)で表される化合物を添加し含有させたことを特徴とする熱現像銀塩写真感光材料の銀画像形成方法。
一般式(1)
PUG−L−COOAg
式中、PUGは含窒素複素環化合物残基を表し、Lは2価の脂肪族基又は芳香族基を表す。
本発明により、感度低下せずに熱カブリ、銀色調、画像保存の解決された熱現像銀塩写真感光材料及びその画像形成方法を提供することができた。
本発明の感光性ハロゲン化銀は、シングルジェット法若しくはダブルジェット法などの写真技術の分野で公知の任意の方法により、例えばリップマン乳剤、アンモニア法乳剤、チオシアネート又はチオエーテル熟成乳剤などの乳剤として予め調製し、次いで本発明の他の成分と混合して本発明に用いる組成物中に導入することができる。この場合に有機銀塩と感光性ハロゲン化銀の接触を十分に行わせるため、例えば、感光性ハロゲン化銀乳剤を作る時の保護ポリマーとして米国特許第3,706,564号、同第3,706,565号、同第3,713,833号、同第3,748,143号、英国特許第1,362,970号各明細書に記載されたポリビニルアセタール類などのゼラチン以外のポリマーを用いる手段や、英国特許第1,354,186号明細書に記されているように感光性ハロゲン化銀乳剤のゼラチンを酵素分解する手段又は米国特許第4,076,539号明細書に記されているように感光性ハロゲン化銀粒子を界面活性剤の存在下で調製することによって保護ポリマーの使用を省略する手段などの各手段を適用することができる。
本発明に使用される感光性ハロゲン化銀はまた英国特許第1,447,454号明細書に記載されているように、ハロゲン化剤と有機銀塩形成性成分とを共存させた混合液に銀イオン溶液を注入することによって有機銀塩の生成とほぼ同時に生成させることができる。
更に他の方法としては、予め調製された有機銀塩の溶液若しくは分散液又は有機銀塩を含むシート材料に感光性ハロゲン化銀形成成分を作用させて、有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換させることもできる。このようにして形成された感光性ハロゲン化銀は有機銀塩と有効に接触していて好ましい作用を呈する。上記の感光性ハロゲン化銀形成成分とは有機銀塩と反応して感光性ハロゲン化銀を生成しうる化合物であり、どのような化合物がこれに該当し有効であるかは次のごとき簡単な試験で判別されることができる。すなわち、有機銀塩と試験されるべき化合物とを混入し必要ならば加熱した後にX線回折法によりハロゲン化銀に特有の回折ピークがあることを調べるものである。かかる試験によって有効であることが確かめられた感光性ハロゲン化銀形成成分としては、無機ハロゲン化物、オニウムハライド類、ハロゲン化炭化水素類、N−ハロゲン化合物、その他の含ハロゲン化合物があり、その具体例については米国特許第4,009,039号、同第3,457,075号、同第4,003,749号、英国特許第1,498,956号、同第1,498,956号各明細書及び特開昭53−27027号、同53−25420号各公報に詳説されるが以下にその一例を示す。(1)無機ハロゲン化銀:例えばMXnで表されるハロゲン化物(ここでMは、H,NH4及び金属原子を表し、XはCl,Br及びIを表し、nはMがH及びNH4の時は1を、Mが金属原子の時はその原子価を表す。金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、水銀、錫、アンチモン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、セリウムなどがある)。又臭素水などハロゲン分子も有効である。
(2)オニウムハライド類:例えばトリメチルフェニルアンモニウムブロマイド、セチルエチルジメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイドのような、第4級アンモニウムハライド:テトラエチルフォスフォニウムブロマイドのような第4級フォスフォニウムハライド;トリメチルスルホニウムアイオダイドのような第3級スルホニウムハライドなどがある。
(3)ハロゲン化炭化水素類:例えばヨードホルム、ブロモホルム、四臭化炭素、2−ブロム−2−メチルプロパンなどがある。
(4)N−ハロゲン化合物:例えばN−クロロこはく酸イミド、N−ブロムこはく酸イミド、N−ブロムフタルイミド、N−ブロムアセトアミド、N−ヨードこはく酸イミド、N−ブロムフタラゾン、N−ブロムオキサゾリノン、N−クロロフタラゾン、N−ブロモアセトアニリド、N,N−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−ブロモ−N−メチルベンゼンスルホンアミド、1,3−ジブロモ−4,4−ジメチルヒダントイン、N−ブロモウラゾールなどがある。
(5)その他の含有ハロゲン化合物:例えば塩化トリフェニルメチル、臭化トリフェニルメチル、2−ブロム酢酸、2−ブロムエタノール、二塩化ベンゾフェノンなどがある。
これらの感光性ハロゲン化銀形成成分は有機銀塩に対し化学量論的には小量が用いられる。通常その範囲は有機銀塩1モルに対し約0.001モル乃至約0.7モル、好ましくは約0.03モル乃至約0.5モルに設定される。感光性ハロゲン化銀形成成分は上記の範囲の中、2個以上併用されてもよい。感光性ハロゲン化銀形成成分を用いて有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換させる工程の反応温度、反応時間、反応圧力等の諸条件は広い範囲の中から、作製の目的に合わせて適宜選択し設定することができるが、通常その反応温度は約−20℃乃至約70℃、その反応時間は約0.1秒乃至約72時間、その反応圧力は大気圧に設定されるのが好ましい。また、この反応は後述する結合剤として使用されるポリマーの存在下に行われることが好ましい。この際のポリマーの使用量は有機銀塩1質量部当たり約0.01乃至100質量部、好ましくは約0.1乃至約10質量部である。
上記した各種の方法によって調製される感光性ハロゲン化銀は、例えば含硫黄化合物、金化合物、白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、スズ化合物、クロム化合物又はこれらの組み合わせによって化学増感することができる。この化学増感の手順については、例えば米国特許第4,036,650号、英国特許第1,518,850号各明細書、特開昭51−22430号、同51−78319号、同51−81124号各公報に記載されている。また感光性ハロゲン化銀形成成分により有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する態様においては米国特許第3,980,482号明細書に記されているような低分子量のアミド化合物を共存させておくことによって増感を達成することができる。
本発明の有機銀塩としては、
(1)イミノ基を有する有機化合物の銀塩の例としては、サッカリン類の銀塩、ベンゾトリアゾール類の銀塩、フタラジノン類の銀塩、ベンゾオキサジオン類の銀塩、イミダゾール類の銀塩、テトラアザインデン類の銀塩、ペンタアザインデン類の銀塩など、
(2)メルカプト基又はチオン基を有する有機化合物の銀塩の例としては、2−メルカプトベンゾオキサゾール類の銀塩、メルカプトオキサジアゾール類の銀塩、2−メルカプトベンゾチアゾール類の銀塩、2−メルカプトベンゾイミダゾール類の銀塩、2−メルカプトベンゾイミダゾール類の銀塩、3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−トリアゾール類の銀塩など、
(3)カルボキシル基を有する有機化合物の銀塩の例としては、脂肪族カルボン酸類の銀塩、芳香族カルボン酸類の銀塩(例えば安息香酸銀、フタル酸銀、フェニル酢酸銀、4′−n−オクタデシルオキシジフェニル−4−カルボン酸の銀塩など)などが挙げられる。
これらの有機銀塩の更に詳しい具体例及びここに記した以外の有機銀塩の例については、例えば米国特許第3,457,075号、同第3,549,379号、同第3,785,830号、同第3,933,507号、同第4,009,039号及び英国特許第1,230,642号各明細書又は特開昭50−93139号、同50−99719号、同52−141222号及び同53−36224号各公報の記載によって公知であり、本発明においても、これらの公知の有機銀塩の中から適宜選択して使用することができる。例えば、光触媒としてハロゲン化銀又は銀色素感光性コンプレックスを使用する場合には、上記の公知の有機銀塩の中から光に比較的安定なものを選択して用いる。その好ましい例としては炭素数10乃至40、特に18乃至33の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が挙げられ、具体的にはラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、アラキジン酸銀、ベヘン酸銀、リグノセリン酸銀、ペンタコサン酸銀、セロチン酸銀、ヘプタコサン酸銀、モンタン酸銀、メリシン酸銀、ラクセル酸銀などを例示することができる。
かかる有機銀塩の合成は、例えば米国特許第3,457,075号、同第3,458,544号、同第3,700,458号、同第3,839,049号、同第3,960,908号、英国特許第1,173,426号各明細書又は特開昭49−52626号、同51−122011号、同52−14122号各公報に記載された公知の種々の方法によって達成される。特に、有機銀塩形成時に米国特許第3,700,458号明細書又は特開昭53−32015号公報に記載されたポリマー類や、米国特許第3,887,597号明細書又は特開昭49−13224号公報に記載された含金属化合物を存在させておくと、有機銀塩の粒子形態、粒子サイズ及び/又は写真性を改良できるので好ましい。これらの共存成分の使用量の好ましい範囲は、生成される有機銀塩1モルに対して、ポリマー類の場合約0.1g乃至1000g特に約1g乃至約500g、含金属化合物の場合約10-6モル乃至10-1モルである。
上記のごとくして調製される有機銀塩の中でも、長径が約0.01ミクロン乃至10ミクロン、特に約0.1ミクロン乃至約5ミクロンの粒子サイズを有するものが好ましく使用される。
本発明において有機銀塩は、支持体1m2当たり銀量に換算して約0.1g乃至約4g、好ましくは約0.2g乃至約2.5gの範囲で用いられる。これは、適度な画像濃度を与えるに必要十分な量の範囲であって、この範囲より少なく用いると画素濃度が不足になるし、またこの範囲より多く用いても画像濃度は増加せず、かえってコスト高になる。
本発明の熱現像銀塩写真感光材料に用いられる還元剤としては、一般に知られているものが挙げられ、例えば、モノフェノール類、2個以上のフェノール基を有するポリフェノール類、モノナフトール類、ビスナフトール類、2個以上の水酸基を有するポリヒドロキシベンゼン類、2個以上の水酸基を有するポリヒドロキシナフタレン類、アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン−5−オン類、ピラゾリン類、フェニレンジアミン類、ヒドロキシルアミン類、ハイドロキノンモノエーテル類、ヒドロオキサミン酸類、ヒドラジド類、アミドオキシム類、N−ヒドロキシ尿素類などがあり、更に詳しくは例えば米国特許第3,615,533号、同第3,679,426号、同第3,672,904号、同第3,751,252号、同第3,782,949号、同第3,801,321号、同第3,794,488号、同第3,893,863号、同第3,887,376号、同第3,770,448号、同第3,819,382号、同第3,773,512号、同第3,839,048号、同第3,887,378号、同第4,009,039号、同第4,021,240号、英国特許第1,486,148号もしくはベルギー特許第786,086号各明細書及び特開昭50−36143号、同50−36110号、同50−116023号、同50−99719号、同50−140113号、同51−51933号、同51−23721号、同52−84727号若しくは特公昭51−35851号各公報に具体的に例示された還元剤があり、本発明はこのような公知の還元剤の中から適宜選択することができる。選択方法としては、実際に熱現像写真感光材料を作ってみてその写真性を評価することにより使用した還元剤の優劣を調べる方法が最も簡便であると考えられる。
上記した還元剤の中で、有機銀塩としては脂肪族カルボン酸銀を使用する場合に好ましい還元剤としては、2個以上のフェノール基がアルキレン基又はイオウによって連結されたポリフェノール類、特に該フェノール基のヒドロキシ置換位置に隣なる置換位置の少なくともひとつにアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基など)又はアシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基など)が置換したフェノール基の2個以上がアルキレン基又はイオウによって連結されたポリフェノール類、例えば1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)メタン、2,6−メチレンビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル−4−メチルフェノール、6,6′−ペンジリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、6,6′−ペンジリデン−ビス−(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、6,6′−ペンジリデン−ビス(2,4−ジメチルフェノール)、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン,1,1,5,5−テトラキス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2,4−エチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロパンなどの米国特許第3,589,903号、同第4,021,249号若しくは英国特許第1,486,148号各明細書及び特開昭51−51933号、同50−36110号、同50−116023号、同52−84727号若しくは特公昭51−35727号公報に記載されたポリフェノール化合物);米国特許第3,672,904号明細書に記載されたビス−β−ナフトール類(例えば2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジブロモ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジニトロ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタン、4,4′−ジメトキシ−1,1′−ジヒドロキシ−2,2′−ビナフチルなど);米国特許第3,801,321号明細書に記されているようなスルホンアミドフェノール又はスルホンアミドナフトール類(例えば4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、4−ベンゼンスルホンアミドナフトールなど)を挙げることができる。
本発明に使用される還元剤の量は、有機銀塩や還元剤の種類、その他の添加剤によって種々変動するが、一般的には有機銀塩1モル当たり約0.05モル〜約10モル、好ましくは約0.1〜約3モルが適当である。またこの量の範囲内において、上述した還元剤は、2種以上併用されてもよく、熱現像銀塩写真感光材料中に内蔵される。
本発明の一般式(1)で表される化合物において、PUGは写真有用基を表すが、含窒素複素環化合物残基が好ましい。Lは2価の脂肪族基又は芳香族基を表し、脂肪族基の炭素数は8以上が好ましい。本発明の一般式(1)で表される化合物を、下記に例示する。
Figure 0003731602
Figure 0003731602
本発明の一般式(1)で表される化合物の合成例を、述べる。
化合物例b−1の合成
市販のセバシン酸10gをトルエン200mlに溶解し、酸と等モルのMeOHと触媒として10mgのパラトルエンスルホン酸を添加し1hr加熱還流した。常法により中和蒸留し、モノエステル体を単離した。収量6.5g。次に得られたモノエステル体6.5gをTHF100mlに溶解し、LiAlH4の6gを加え還元を行った。反応液を氷水に注ぎ、過剰のLiAlH4を分解してから、酢酸エチルで目的物とTHFを抽出し、脱水芒硝で乾燥してから、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムにて精製単離した。(展開溶媒酢酸エチル:ヘキサン=1:1)収量4g。
得られたω−メルカプトデカン酸メチルエステル4gをトルエン100mlに溶解し、1.5倍モルのスルフリルクロライドを氷冷しながら滴下した。滴下後8時間40℃で撹拌して、反応を完結させ、過剰のスルフリルクロライドとトルエンを減圧留去してから、トルエン:水=1:1溶液50mlに40℃で溶解し、ホモゲナイザーで4000rpmに撹拌しつつ、等モルの下記化合物a−27の1%アルカリ水溶液を滴下して、チオエーテル化合物にした。トルエン中に含まれる化合物は、乾燥してから、シリカゲルカラムにて精製単離した。(展開溶媒酢酸エチル:ヘキサン=1:1)収量3g。
得られた化合物を、水:メタノール=1:1溶液50mlに溶解し、0.1Nの硫酸5mlを加え1時間加熱して加水分解し、上記同様にシリカゲルカラムにて精製単離し酸を2g得た。次に得られた化合物2gをトルエン:水=1:1溶液50mlに40℃で溶解し、ホモゲナイザーで4000rpmに撹拌し等モルのアンモニア性硝酸銀溶液を滴下し銀塩化した。デカンテーションにて分離、50mlMeOHにて3回洗浄後、遠心分離5000rpm30分して脱水し、目的の化合物1.5gを得た。
セバシン酸の代わりにドデカン二酸、テトラデカン二酸等を用いて同様に化1、2のLを変えることができる。
化合物例b−9の合成
ω−ヒドロキシデカン酸メチルエステル10gをトルエン100mlに溶解し等モルの下記化合物a−27を加え触媒として1g重クロム酸カリウムにてジスルフィド化し、化合物例b−1と同様に、メチルエステルを硫酸で加水分解し、アンモニア性硝酸銀で銀塩とした。収量5gであった。
Figure 0003731602
本発明の熱現像銀塩写真感光材料は、上述した、一般式(1)で表される化合物を、以下の方法で添加することが好ましい。
(1)ハロゲン化銀が含まれる感光層とは別層に化合物を添加する方法。これは製造中や保存中に転写拡散しないように別バインダーにより塗設したり中間層を設ける
(2)同一層に化合物が有る場合は熱軟化性樹脂で該化合物をコートする
(3)有機銀塩結晶中に担持させ熱現像時に放出される
(4)別材料から転写させる場合は熱現像時に該感光材料と接触させて拡散転写させる
(5)Co,Niなどの錯体配位子に銀と錯体を形成されるものを配位させ熱現像で放出させる。
本発明において、上述した各成分と共に色調性、色調付与剤若しくは賦活剤トーナーと称せられる添加剤(以下色調剤と呼ぶ)が使用されることが望ましい。色調剤は有機銀塩と還元剤の酸化還元銀(像)生成反応の過程に関与して、生ずる画像を濃色特に黒色にする機能を有する。色調剤としては、既にきわめて多種の化合物が公知であるが、このほとんどのものはイミノ基、メルカプト基又はチオン基を有する化合物である。この中から使用する有機銀塩及び還元剤の種類にあわせて適当な色調剤を選択するのであるが、本発明において好ましい色調効果を与えるものとしては、フタラジノン類(例えばフタラジノン、2−アセチルフタラジノン、2−カルバモイルフタラジノンなど)、2−ピラゾリン−5−オン類(例えば3−メチル−2−ピラゾリン−5−オンなど)若しくはキナゾリノン類(例えばキナゾリノン、4−メチルキナゾリノンなど)ピリミジン類(例えば6−メチル−2,4−ジヒドロキシピリミジン類など)若しくは1,2,5−トリアジン類(例えば3−メチル−4,6−ジヒドロキシ−1,2,5−トリアジンなど)、フタラジンジオン類(例えばフタラジンジオンなど)、環状イミド類(例えばサクシンイミド類、フタルイミド類又はウラゾール類、ベンゾオキサジンジオン類、ベンゾチアジンジオン類、ナフタルイミド類)などのイミノ基を有する複素環式化合物が挙げられる。これらの色調剤は2種以上併用してもよく、例えば特開昭53−1020号及び同53−55115号各公報に記載されているようにフタラジノンと組合わせてベンゾオキサジンジオン類、ベンゾチアジンジオン類若しくはフタルイミド類を併用することにより高温高湿下での貯蔵に由来する色調効果の劣化を防止することができる。
また米国特許第3,847,612号及び同第3,994,732号各明細書に記載されているようにフタル酸、ナフトエ酸若しくはフタルアミド酸とイミダゾール類若しくはフタラジン類を併用して色調剤として用いることもできる。
色調剤を用いる場合、その使用量は有機銀塩1モル当たり約0.0001モル乃至約2モル、特に約0.0005モル乃至約1モルの範囲が好適である。
本発明に用いられる各成分はバインダーとしての少なくとも一種のコロイド中に分散させられる。好適なバインダーには疎水性の高分子材料を挙げることができるが、場合によっては親水性の高分子材料を併用又は単独で使用することもできる。バインダーとして用いられる高分子材料は塗布又は流延したときに透明若しくは半透明でかつ無色、白色若しくは淡色の層又は層を与えるものが好ましい。例えば、ゼラチンの如き蛋白質、セルロース誘導体、デキストランの如きポリサッカライド又はアラビアゴムなどの天然高分子材料や、合成高分子材料などがあるが、その中でもポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチルセルロース、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、セルロースアセテートブチレート、ゼラチン又はポリビニルアルコールが特に好ましく用いられる。必要によってこれらの高分子材料を2種以上併用してもよい。かかる高分子材料の使用量は、その中に分散せしめた成分を担持せしめるに十分な量即ちバインダーとして有効な量の範囲で用いられる。その範囲は当業者によって適宜決定できるものであるが、一例として少なくとも有機銀塩を分散担持せしめる場合は、有機銀塩に対し質量比で約10対1乃至1対10、特に約4対1乃至1対4の範囲で用いられる。
本発明の各成分を含む組成物は、使用したバインダーが自己支持性を有する膜を与えるものである場合には公知の流延法に従って各成分を担持する膜として成形されてよいが、通常好ましくは、広範な材料から選択された各種の支持体上に一層又は2層以上に分割されて塗布された熱現像感光材料として完成する。この支持体の素材としては各種高分子材料、ガラス、ウール布、コットン布、紙、金属(例えばアルミニウム)などが挙げられるが、情報記録材料としての取扱上可撓性のあるシート又はコールに加工できるものが好適である。従って、本発明における支持体としては、プラスチックフイルム(例えばセルロースアセテートフイルム、ポリエステルフイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリアミドフイルム、ポリイミドフイルム、トリアセテートフイルム又はポリカーボネートフイルム)又は紙(一般の紙の他に、例えば写真用原紙、コート紙若しくはアート紙のような印刷用原紙、バライタ紙、レジン(コーティッド)紙、ベルギー特許第784,615号明細書に記されているようなポリサッカライドなどでサイジングされた紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント紙、ポリビニルアルコールをサイジングした紙)が特に好ましい。
次に本発明を実施例に基づき説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されない。
実施例1
感光材料1の作製
ハロゲン化銀/銀ベヘネート完全石鹸を米国特許第3839049号記載方法により作成した。上記のベヘン酸銀50gにメチルエチルケトン200gとトルエン100g、ポリビニルブチラール(PVB)25g、イソプロパノール200mlを加えホモジナイザー3000rpm、30分撹拌し分散液を作成した。30mlの臭化カルシウム(5%MeOH液)と10gのポリビニルピロリドンを添加し1hr撹拌した。さらに増感色素Aを0.025%メタノール液2mlフタラジノン0.5%メタノール液10ml還元剤として2,2’−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)の10%アセトン溶液10mlを添加した塗布液を塩化ビニル酢酸ビニルコポリマーからなる下引きした180μPET支持体に銀量が1g/m2になるように塗布乾燥し感光材料1を得た。
Figure 0003731602
感光材料4の作製
表1に示す本発明の化合物を、0.8g/m2ずつ、上記感光材料1の塗布液に加え後感光材料1と同様に塗布乾燥して感光材料4を得た。
得られた、感光材料1、4は、センシトメトリー露光し熱ローラにて120℃10秒熱現像した。濃度2.5になる光量の相対値で感度とし、その時の未露光部のカブリを測定した。また、その時の濃度1.5の黒化銀の色調を目視評価した。さらに10000ルクスのXe光5時間照射しカブリの上昇を測定し画像安定性の評価とし結果を表1に示す。
Figure 0003731602
表1から、本発明の感光材料を用いた試料は、感度低下せずに熱カブリ、銀色調、画像保存も安定であった。

Claims (2)

  1. 少なくとも感光性ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤を含む熱現像性感光材料において、下記一般式(1)で表される化合物を添加し含有させたことを特徴とする銀画像形成用熱現像銀塩写真感光材料。
    一般式(1)
    PUG−L−COOAg
    式中、PUGは含窒素複素環化合物残基を表し、Lは2価の脂肪族基又は芳香族基を表す。
  2. 少なくとも感光性ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤を含む熱現像性感光材料を用いて銀画像を得る銀画像の形成方法において、該熱現像性感光材料が下記一般式(1)で表される化合物を添加し含有させたことを特徴とする熱現像銀塩写真感光材料の銀画像形成方法。
    一般式(1)
    PUG−L−COOAg
    式中、PUGは含窒素複素環化合物残基を表し、Lは2価の脂肪族基又は芳香族基を表す。
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