JP3730939B2 - 土留め用かご枠 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所要高さに積み重ねて擁壁や堰堤に構築する土留め用かご枠の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
土留め用かご枠は、ひし形金網や溶接金網等で形成された箱形の容器であり、内部に栗石や土砂等を中詰材として充填して、土や石が崩壊する虞れのある法面もしくは傾斜面に設置し、必要個数を階段状あるいは垂直に積み重ねることにより所要高さの擁壁や堰堤等に構築するものである。
【0003】
しかし、このような金網製のかご枠で構築される擁壁や堰堤等は、何れも景観面では人工構造物の感を免れず、自然景観を著しく損なうものであった。このため、従来よりこの種のかご枠を使用する場合には、かご枠に自然と調和する色彩塗装を施したり、あるいは植生シートや植生土嚢等を使用して、かご枠の見付け前面部に草や低木を生育させることにより、自然との景観調和が図られている。
【0004】
また、木材が自然と調和しやすい素材であることを利用して、図6に示すように、土留め用かご枠1の外部露出面である前面部分に木製の化粧材19を取り付けることも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、土留め用かご枠に色彩塗装を施したり、植生シート等を使用して草や低木を生育するという景観対策は、冬季になって植生が枯れたり低木が落葉すると、かご枠を構成する金網等の金属部材が露出して周囲の景観を壊し、施された色彩塗装も周囲の景観と調和しなくなる。また、季節にかかわらず、擁壁等を設置した場所が、植生の繁茂に必要な水分を得られなかったり、植生の繁茂に適さない場合では、植生が十分に繁茂せず、自然景観との調和を図ることができなかった。
【0006】
一方、土留め用かご枠1の前面部に木製の化粧材19を取り付ける対策は、上記のような欠点がなく自然景観との調和を図る上で有効である。しかし、従来の木製の化粧材19は、かご枠前面の金属露出部を木材に偽装して自然に調和させるだけの機能しかなく、土圧を支持する強度部材としての機能を与えられていなかった。すなわち、木材は腐食し易く長期間の使用に耐えないからであり、また、木材を強度部材として用いるために、かご枠と一体化させた構造では、腐食した木材のみの取り換えができず、かご枠の全面的な取り換え工事が必要となるからである。このため、元来は、かご枠の土留め壁部材として十分機能し得る高い強度を備えている木材の特性が、十分に生かされていなかったのである。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、自然景観との調和を図る上で有効な木材をかご枠前面の土留め壁部材に使用して、木材の持つ化粧材としての機能と、強度部材としての機能とを共に有効活用するとともに、木材が腐食したときには、腐食した部分だけを簡単に取り換えることができる構造の土留め用かご枠の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の土留め用かご枠は、少なくとも底面と前面と後面を備え、左右両側に端面を取り付け可能な網容器の内部に中詰材を充填する土留め用かご枠であって、その外部に露出する前面を、底面側より垂直に延びる左右一対のフランジ付き支柱と、両端の切り込みを、それぞれ上記一対の支柱のフランジに係合させて当該支柱間に水平に取り付けられ、積み重ねられる複数個の丸太材とで形成することを特徴とする。
【0009】
この場合、一対のフランジ付き支柱間には、補強用の梁材を架設するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の別のバリエーシヨンとしては、少なくとも底面と前面と後面とを備え、左右両側に端面を取り付け可能な網容器の内部に中詰材を充填する土留め用かご枠であって、その外部に露出する前面を、底面側より垂直に延びる左右一対の支柱と、該一対の支柱の上端部間および下端部間に水平に架設される上下のフランジ付き梁材と、両端の切り込みを、それぞれ上記上下の梁材のフランジに係合させて当該上下の梁材間に垂直に取り付けられ、並列設置される複数個の丸太材とで形成するものがある。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る土留め用かご枠の好ましい実施の形態を示している。同図に示すように、図示例の土留め用かご枠1は、分割された前半部1’と後半部1’’とを組み合わせることにより、底面Aと前面Bと後面Cとを備える網容器に形成されている。
【0012】
すなわち、上記かご枠1の後半部1’’は、L字曲げした2本の鉄筋2b,2bを所定間隔で平行に配置し、その垂直部間および水平部間に溶接金網3,3を張設して、それぞれかご枠1後面Cおよびかご枠1底面Aの後半部A’’に形成したものである。両鉄筋2b,2bの垂直部先端間には、同じく鉄筋で形成した梁材4が架設してあり、両鉄筋2b,2bの水平部先端には、後述するかご枠1前半部1’側のフック11,11と係合するリング5,5が設けてある。
【0013】
かご枠1の前半部1’は、L字曲げした2本の鉄筋2a,2aを所定間隔で平行に配置し、その水平部間に溶接金網3を張設して、かご枠1底面Aの前半部A’に形成している。そして、両鉄筋2a,2aの垂直部(破線で示す)には、山形鋼にて形成されたフランジ付き支柱6,6が、互いのフランジ6’,6’先端を正対させて垂直に取り付けてある。この左右の支柱6,6間には、土留め壁部材である複数本の丸太材7…が、いずれも図2に示すように、丸太材7の両端に設けた切り込み8,8を、それぞれ左右の支柱6,6のフランジ6’、6’に係合させて水平に取り付けられ、想像線で示すように必要段数に積み重ねられる。これらの丸太材7…と左右一対のフランジ付き支柱6,6とで、かご枠1の前面Bが形成されている。
【0014】
また、左右の支柱6,6間上部には、支柱の剛性を高め、かつ丸太材7…の抜け落ちを防止するための桁材9が着脱可能に架設してある。図示例の梁材9は、両端部9’,9’を下方へ垂直曲げした鉄筋で形成してあり、その両端部を、左右の支柱6,6上部に設けたリング10,10に嵌入して架設するようにしてある。さらに、L字曲げ鉄筋2a,2aの水平部先端には、いずれも前記かご枠後半部1’’のリング5,5と嵌合させるフック11,11が形成してある。
【0015】
上記構成よりなる土留め用かご枠1を使用して擁壁等を構築するには、まず、分割された当該かご枠1の前半部1’を現場に必要個数並べて設置する。そして、各かご枠1前半部1’の左右の支柱6,6間に複数本の丸太材7…を取り付ける。このとき、複数本の丸太材7…は、支柱6,6の上方より両端の切り込み8,8をフランジ6’,6’に係合させて順次落とし込むことにより、支柱6,6間に積み重なって水平に取り付けられる。これにより、土留め壁としての機能を備えた天然丸太材製のかご枠前面Bが形成される。最後に梁材9を左右の支柱6,6間に架設して丸太材7…の抜け落ちを防止しておく。なお、丸太材7…は、図3に示すように、積み重ねる本数分(図示例では4本)を予めボルト12とナット13で連結してパネル化しておいてもよい。
【0016】
前半部1’の設置が完了すると、各かご枠1の後半部1’’を運び込み、そのリング5,5を前半部1’のフック11,11に嵌合させて、前半部1’と連結し、一体的なかご枠1に組み合わせる。組み合わせた各かご枠1の要所に補強材である斜材や梁材を配設するとともに、左右両端に並ぶかご枠1の外側に位置する側面に、それぞれ端面を取り付けて網容器を形成する。次いで、この網容器の内部に割り栗石あるいは土砂等の中詰材を充填する。中詰材の充填が完了すると、各かご枠の上に2段目のかご枠1を前記同様の手順で設置し、以後、同様の手順を繰り返して必要段数の擁壁等を構築する。
【0017】
図4は、本発明の他の実施の形態を示している。この例では、上記同様に分割された前半部1’と後半部1’’とを組み合わせて少なくとも底面Aと前面Bと後面Cとを備える土留め用かご枠1において、その外部に露出する前面Bが、底面A側より垂直に延びる左右一対の支柱14,14と、該一対の支柱の上端部間および下端部間に水平に架設される上下のフランジ15’付き梁材151 ,152と、両端の切り込み8,8を、それぞれ上記上下の梁材151 ,152 のフランジ15’に係合させて当該上下の梁材151 ,152 間に垂直に取り付けられ、想像線で示すように並列設置される複数個の丸太材7…とで形成してある。
【0018】
すなわち、支柱14,14は、かご枠1前半部1’を構成する左右一対のL字曲げ鉄筋2a,2aの垂直部で形成してあり、その先端は螺子部16に形成してある。また、山形鋼で形成された上下の梁材151 ,152 は、下側の梁材152 がフランジ15’を上向きにして支柱14,14間に水平に固着してあり、上側の梁材151 が、フランジ15’を下向きにし、ウエブ15’’両端の貫通孔17,17を、それぞれ両支柱14,14先端の前記螺子部16に挿通してナット18で固定する着脱式になっている。したがって、上側の梁材151 を取り外すことにより、丸太材7…を容易に取り換えることができる。なお、丸太材7…は、図5に示すように、並列させる本数分(図示例では5本)を予めボルト12とナット13で連結してパネル化しておいてもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明の土留め用かご枠は、この種のかご枠の外部に露出する前面を、天然木の丸太材で形成したから、四季を通じて自然景観と良く調和し、しかも土留め壁としての本来の強度特性を十分に発揮することができる。
【0020】
また、丸太材を簡単に着脱できる構造であるから、丸太材が腐食した場合には、腐食した丸太材のみを取り換えることができ、かご枠全体の取り換え工事が不要である。したがって、丸太材に腐食し易い間伐材を使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る土留め用かご枠を説明する斜視図である。
【図2】支柱のフランジと丸太材の切り込みの係合を示す平面図である。
【図3】パネル化した水平組み丸太材の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る他の土留め用かご枠を説明する斜視図である。
【図5】パネル化した垂直組み丸太材の一例を示す斜視図である。
【図6】かご枠の表面に化粧板を取り付けた従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 土留め用かご枠
1’ かご枠の前半部
1’’ かご枠の後半部
6 支柱
6’フランジ
7 丸太材
8 切り込み
14 支柱
151 上側の梁材
152 下側の梁材
15’ フランジ
A かご枠の底面
B かご枠の前面
C かご枠の後面
【発明の属する技術分野】
この発明は、所要高さに積み重ねて擁壁や堰堤に構築する土留め用かご枠の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
土留め用かご枠は、ひし形金網や溶接金網等で形成された箱形の容器であり、内部に栗石や土砂等を中詰材として充填して、土や石が崩壊する虞れのある法面もしくは傾斜面に設置し、必要個数を階段状あるいは垂直に積み重ねることにより所要高さの擁壁や堰堤等に構築するものである。
【0003】
しかし、このような金網製のかご枠で構築される擁壁や堰堤等は、何れも景観面では人工構造物の感を免れず、自然景観を著しく損なうものであった。このため、従来よりこの種のかご枠を使用する場合には、かご枠に自然と調和する色彩塗装を施したり、あるいは植生シートや植生土嚢等を使用して、かご枠の見付け前面部に草や低木を生育させることにより、自然との景観調和が図られている。
【0004】
また、木材が自然と調和しやすい素材であることを利用して、図6に示すように、土留め用かご枠1の外部露出面である前面部分に木製の化粧材19を取り付けることも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、土留め用かご枠に色彩塗装を施したり、植生シート等を使用して草や低木を生育するという景観対策は、冬季になって植生が枯れたり低木が落葉すると、かご枠を構成する金網等の金属部材が露出して周囲の景観を壊し、施された色彩塗装も周囲の景観と調和しなくなる。また、季節にかかわらず、擁壁等を設置した場所が、植生の繁茂に必要な水分を得られなかったり、植生の繁茂に適さない場合では、植生が十分に繁茂せず、自然景観との調和を図ることができなかった。
【0006】
一方、土留め用かご枠1の前面部に木製の化粧材19を取り付ける対策は、上記のような欠点がなく自然景観との調和を図る上で有効である。しかし、従来の木製の化粧材19は、かご枠前面の金属露出部を木材に偽装して自然に調和させるだけの機能しかなく、土圧を支持する強度部材としての機能を与えられていなかった。すなわち、木材は腐食し易く長期間の使用に耐えないからであり、また、木材を強度部材として用いるために、かご枠と一体化させた構造では、腐食した木材のみの取り換えができず、かご枠の全面的な取り換え工事が必要となるからである。このため、元来は、かご枠の土留め壁部材として十分機能し得る高い強度を備えている木材の特性が、十分に生かされていなかったのである。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、自然景観との調和を図る上で有効な木材をかご枠前面の土留め壁部材に使用して、木材の持つ化粧材としての機能と、強度部材としての機能とを共に有効活用するとともに、木材が腐食したときには、腐食した部分だけを簡単に取り換えることができる構造の土留め用かご枠の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の土留め用かご枠は、少なくとも底面と前面と後面を備え、左右両側に端面を取り付け可能な網容器の内部に中詰材を充填する土留め用かご枠であって、その外部に露出する前面を、底面側より垂直に延びる左右一対のフランジ付き支柱と、両端の切り込みを、それぞれ上記一対の支柱のフランジに係合させて当該支柱間に水平に取り付けられ、積み重ねられる複数個の丸太材とで形成することを特徴とする。
【0009】
この場合、一対のフランジ付き支柱間には、補強用の梁材を架設するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の別のバリエーシヨンとしては、少なくとも底面と前面と後面とを備え、左右両側に端面を取り付け可能な網容器の内部に中詰材を充填する土留め用かご枠であって、その外部に露出する前面を、底面側より垂直に延びる左右一対の支柱と、該一対の支柱の上端部間および下端部間に水平に架設される上下のフランジ付き梁材と、両端の切り込みを、それぞれ上記上下の梁材のフランジに係合させて当該上下の梁材間に垂直に取り付けられ、並列設置される複数個の丸太材とで形成するものがある。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る土留め用かご枠の好ましい実施の形態を示している。同図に示すように、図示例の土留め用かご枠1は、分割された前半部1’と後半部1’’とを組み合わせることにより、底面Aと前面Bと後面Cとを備える網容器に形成されている。
【0012】
すなわち、上記かご枠1の後半部1’’は、L字曲げした2本の鉄筋2b,2bを所定間隔で平行に配置し、その垂直部間および水平部間に溶接金網3,3を張設して、それぞれかご枠1後面Cおよびかご枠1底面Aの後半部A’’に形成したものである。両鉄筋2b,2bの垂直部先端間には、同じく鉄筋で形成した梁材4が架設してあり、両鉄筋2b,2bの水平部先端には、後述するかご枠1前半部1’側のフック11,11と係合するリング5,5が設けてある。
【0013】
かご枠1の前半部1’は、L字曲げした2本の鉄筋2a,2aを所定間隔で平行に配置し、その水平部間に溶接金網3を張設して、かご枠1底面Aの前半部A’に形成している。そして、両鉄筋2a,2aの垂直部(破線で示す)には、山形鋼にて形成されたフランジ付き支柱6,6が、互いのフランジ6’,6’先端を正対させて垂直に取り付けてある。この左右の支柱6,6間には、土留め壁部材である複数本の丸太材7…が、いずれも図2に示すように、丸太材7の両端に設けた切り込み8,8を、それぞれ左右の支柱6,6のフランジ6’、6’に係合させて水平に取り付けられ、想像線で示すように必要段数に積み重ねられる。これらの丸太材7…と左右一対のフランジ付き支柱6,6とで、かご枠1の前面Bが形成されている。
【0014】
また、左右の支柱6,6間上部には、支柱の剛性を高め、かつ丸太材7…の抜け落ちを防止するための桁材9が着脱可能に架設してある。図示例の梁材9は、両端部9’,9’を下方へ垂直曲げした鉄筋で形成してあり、その両端部を、左右の支柱6,6上部に設けたリング10,10に嵌入して架設するようにしてある。さらに、L字曲げ鉄筋2a,2aの水平部先端には、いずれも前記かご枠後半部1’’のリング5,5と嵌合させるフック11,11が形成してある。
【0015】
上記構成よりなる土留め用かご枠1を使用して擁壁等を構築するには、まず、分割された当該かご枠1の前半部1’を現場に必要個数並べて設置する。そして、各かご枠1前半部1’の左右の支柱6,6間に複数本の丸太材7…を取り付ける。このとき、複数本の丸太材7…は、支柱6,6の上方より両端の切り込み8,8をフランジ6’,6’に係合させて順次落とし込むことにより、支柱6,6間に積み重なって水平に取り付けられる。これにより、土留め壁としての機能を備えた天然丸太材製のかご枠前面Bが形成される。最後に梁材9を左右の支柱6,6間に架設して丸太材7…の抜け落ちを防止しておく。なお、丸太材7…は、図3に示すように、積み重ねる本数分(図示例では4本)を予めボルト12とナット13で連結してパネル化しておいてもよい。
【0016】
前半部1’の設置が完了すると、各かご枠1の後半部1’’を運び込み、そのリング5,5を前半部1’のフック11,11に嵌合させて、前半部1’と連結し、一体的なかご枠1に組み合わせる。組み合わせた各かご枠1の要所に補強材である斜材や梁材を配設するとともに、左右両端に並ぶかご枠1の外側に位置する側面に、それぞれ端面を取り付けて網容器を形成する。次いで、この網容器の内部に割り栗石あるいは土砂等の中詰材を充填する。中詰材の充填が完了すると、各かご枠の上に2段目のかご枠1を前記同様の手順で設置し、以後、同様の手順を繰り返して必要段数の擁壁等を構築する。
【0017】
図4は、本発明の他の実施の形態を示している。この例では、上記同様に分割された前半部1’と後半部1’’とを組み合わせて少なくとも底面Aと前面Bと後面Cとを備える土留め用かご枠1において、その外部に露出する前面Bが、底面A側より垂直に延びる左右一対の支柱14,14と、該一対の支柱の上端部間および下端部間に水平に架設される上下のフランジ15’付き梁材151 ,152と、両端の切り込み8,8を、それぞれ上記上下の梁材151 ,152 のフランジ15’に係合させて当該上下の梁材151 ,152 間に垂直に取り付けられ、想像線で示すように並列設置される複数個の丸太材7…とで形成してある。
【0018】
すなわち、支柱14,14は、かご枠1前半部1’を構成する左右一対のL字曲げ鉄筋2a,2aの垂直部で形成してあり、その先端は螺子部16に形成してある。また、山形鋼で形成された上下の梁材151 ,152 は、下側の梁材152 がフランジ15’を上向きにして支柱14,14間に水平に固着してあり、上側の梁材151 が、フランジ15’を下向きにし、ウエブ15’’両端の貫通孔17,17を、それぞれ両支柱14,14先端の前記螺子部16に挿通してナット18で固定する着脱式になっている。したがって、上側の梁材151 を取り外すことにより、丸太材7…を容易に取り換えることができる。なお、丸太材7…は、図5に示すように、並列させる本数分(図示例では5本)を予めボルト12とナット13で連結してパネル化しておいてもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明の土留め用かご枠は、この種のかご枠の外部に露出する前面を、天然木の丸太材で形成したから、四季を通じて自然景観と良く調和し、しかも土留め壁としての本来の強度特性を十分に発揮することができる。
【0020】
また、丸太材を簡単に着脱できる構造であるから、丸太材が腐食した場合には、腐食した丸太材のみを取り換えることができ、かご枠全体の取り換え工事が不要である。したがって、丸太材に腐食し易い間伐材を使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る土留め用かご枠を説明する斜視図である。
【図2】支柱のフランジと丸太材の切り込みの係合を示す平面図である。
【図3】パネル化した水平組み丸太材の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る他の土留め用かご枠を説明する斜視図である。
【図5】パネル化した垂直組み丸太材の一例を示す斜視図である。
【図6】かご枠の表面に化粧板を取り付けた従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 土留め用かご枠
1’ かご枠の前半部
1’’ かご枠の後半部
6 支柱
6’フランジ
7 丸太材
8 切り込み
14 支柱
151 上側の梁材
152 下側の梁材
15’ フランジ
A かご枠の底面
B かご枠の前面
C かご枠の後面
Claims (3)
- 少なくとも底面と前面と後面を備え、左右両側に端面を取り付け可能な網容器の内部に中詰材を充填する土留め用かご枠であって、その外部に露出する前面を、底面側より垂直に延びる左右一対のフランジ付き支柱と、両端の切込みを、それぞれ上記一対の支柱のフランジに係合させて当該支柱間に水平に取り付けられ、積み重ねられる複数個の丸太材とで形成することを特徴とする土留め用かご枠。
- 一対のフランジ付き支柱間には、補強用の梁材を架設することを特徴とする請求項1に記載の土留め用かご枠。
- 少なくとも底面と前面と後面とを備え、左右両側に端面を取り付け可能な網容器の内部に中詰材を充填する土留め用かご枠であって、その外部に露出する前面を、底面側より垂直に延びる左右一対の支柱と、該一対の支柱の上端部間および下端部間に水平に架設される上下のフランジ付き梁材と、両端の切込みを、それぞれ上記上下の梁材のフランジに係合させて当該上下の梁材間に垂直に取り付けられ、並列設置される複数個の丸太材とで形成することを特徴とする土留め用かご枠。
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Publication Number | Publication Date |
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