JP3730710B2 - 壁パネル材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造住宅等の建築物用壁パネル材に係り、特にパネルの反りの発生を有効に防止できる壁パネル材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、軸組工法やツーバイフォー工法によって建設される木造住宅の壁面には、断熱パネルとして図1に掲げるような、基材(2)に硬質ポリウレタンフォーム(4)を接合したパネル(1)が提案されている。このような、基材(2)に硬質ポリウレタンフォーム(4)を接着させた壁パネル材を製造する方法、特に硬質ポリウレタンフォーム(4)を基材(2)に接着させる方法としては、大略して糊付け法と注入接着法の二方法存在する。前者は、基材の所望の部分に、あらかじめ所望形状にカットされた硬質ウレタンフォームを糊付けする方法であり、後者は、基材と図2に掲げるような注入用治具とで硬質ポリウレタンフォームを注入する密閉された空間を作り、そこに硬質ポリウレタンを注入し、該ウレタンの発泡硬化過程での自己接着力により、基材等と接着する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記二方法を比較すると、当然ながら接着剤塗布工程、乾燥工程等を必要としない注入接着法が好ましいのであるが、この方法には一つの問題点が有る。注入接着法は、基材面に直接注入し、発泡硬化させるものである。したがって、通常の発泡プラスチックに見られる、養生段階での収縮現象が発生し、それにより壁パネル材に反りが発生するのである。反りが発生すると壁パネル材を施工する際に寸法のずれ、納まり状態の波打ち等が発生し、施工が非常に困難になると共に、極端な場合には施工不能となる。
【0004】
この収縮現象により壁パネル材に反りが発生する理由としてはつぎのように推測される。通常硬質発泡ポリウレタンフォームを注入成形した場合、発泡直後と比較して養生後においては、そのセル内圧の変化、発泡直後の高温状態から定常状態への移行などにより体積収縮が起こる。ここで、従来品のような壁パネル材では硬質ポリウレタンフォーム表面は基材と接着しているが、裏面はむき出し状態となっている。よって、基材が接着されている面については、その収縮現象が基材との接着により規制されるのであるが、裏面については通常どおり収縮が起きる。よって、この収縮状態のバランスくずれにより基材が裏面側に引っ張られ、反りが発生するのである(図3参照)。なお、糊付け法であればこの収縮後の硬質ポリウレタンを使用するためこのような問題は発生しない。
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決し、注入接着法の利点を活かすと共に、反りの発生を有効に防止できる壁パネル材の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、壁パネル材の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、合成樹脂ラミネート紙を基材と硬質ポリウレタンフォームとの間に介在させることにより、前記課題である反りを有効に防止できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明に係る壁パネル材の製造方法は、基材、該基材幅方向中央部に該基材高さ方向に沿って延設する桟木及び硬質ポリウレタンフォームからなり、該硬質ポリウレタンフォームを注入法により基材と桟木とに接合する壁パネル材の製造方法において、合成樹脂ラミネート紙の周囲部分のみを基材に対し接着させた状態で硬質ポリウレタン原液を注入し、硬質ポリウレタンフォームと基材との間に合成樹脂ラミネート紙を介在させることを特徴とする。さらには、合成樹脂ラミネート紙を、硬質ポリウレタンフォームの裏面に接着させることもできる。
【0008】
本発明に使用する基材としては、構造用合板、普通合板、パーティクルボード、ハードボ−ド、ストランドボード等が使用できる。構造材として使用するので有れば、構造用合板、パーティクルボード、ハードボード、ストランドボードが好ましい。その厚みは7〜25mm程度が一般的であり、また大きさは取り付ける場所等により、異なるが一般的には、幅が450〜1200mm、高さが400〜3000mmである。
【0009】
本発明に使用する桟木は、基材の補強を主目的としたものであり、通常天然木材が使用されるが、本発明においては材質は限定されない。なお、一般的な断面の大きさは30〜70mm×30〜70mm程度である。
【0010】
本発明に使用する硬質ポリウレタンフォームは注入用タイプなら特に限定されないが、壁パネルの断熱材用として一般的には、フリー発泡状態の密度として23〜35Kg/m3 のものが使用される。特に芳香族系ポリオールを使用した硬質ポリウレタンフォームが強度及び充填性のうえで好ましい。なお、本発明における、硬質ポリウレタンフォームには注入用として硬質ポリウレタンフォームと同様に使用される硬質イソシアヌレートフォームも含まれる。
【0011】
本発明に使用する合成樹脂ラミネート紙は、紙の片面好ましくは両面に合成樹脂をラミネートしたものである。合成樹脂は、紙が吸水・吸湿し、結果的に壁パネル材に反りが発生するのを防ぐものであり、好ましい樹脂としては、コスト面、防湿性からポリエチレンが掲げられる。
【0012】
本発明の特徴的部分である基材と硬質ポリウレタンフォームとの間に合成樹脂ラミネート紙を介在させる方法としては、基材の注入面側に予め該ラミネート紙を接着剤止めする方法、両面テープで止める方法、ピン止めする方法、該ラミネート紙を基材に巻き込むようにして仮止めする方法等種々有り得るが、製造条件に応じて適した手段を選べば良い。一般的には基材に両面テープを使用して張り付けるのが容易である。なおこの時、基材に該ラミネート紙を全面接着しては反り防止効果が低下する傾向にあるので、両面テープ等で周囲部分を仮止めする程度がよい。また、桟木を釘等で固定する前に合成樹脂ラミネート紙を接着等するのが作業性を考慮すれば好ましいが、桟木を基材に固定した後に基材に合成樹脂ラミネート紙を接着等しても良い。その場合、桟木と硬質ポリウレタンフォームとは直接接着したほうが好ましいので、桟木部分には合成樹脂ラミネート紙は接着等しない方がよい。
【0013】
上記の如く、基材と硬質ポリウレタンフォームとの間に合成樹脂ラミネート紙を介在させる以外は従来と同様の製造方法でよい。概略すれば、まず前記基材を治具にセットする。この治具については、従来の注入法の治具と同じで良く、またセット方法についても上部から治具に蓋をするようにセットすればよいものでありなんら特殊な方法ではない。治具へのセットが完了すれば、治具側面に設けた注入口より硬質ポリウレタン原液を注入し、発泡硬化させ壁パネル材が完成する。なお、治具の内底面に合成樹脂ラミネート紙を敷くことも好ましい。このようにすれば、硬質ポリウレタンフォームの裏面側にも合成樹脂ラミネート紙を一度に接着することができ、後貼りと比べて生産性が向上するからである。この硬質ポリウレタンフォームの表裏面ともに該ラミネート紙を付けた場合、表面のみに比べ、より効果的に反りを防止できる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例を掲げて本発明を説明する。
【0015】
壁パネル材を構成する基材(2)として、ストランドボードの厚み9.5mm、幅905mm、高さ2400mmのものを使用し、桟木(3)として長さ2300mm、断面45mm×45mmのものを使用する。合成樹脂ラミネート紙(5)は、クラフト紙の両面にポリエチレンを15〜20μmの厚みにラミネートしたものを使用する。その大きさは、805mm×2300mmである。
【0016】
まず、基材(2)に対して、合成樹脂ラミネート紙(5)を接着する。基材の中央部に合成樹脂ラミネート紙(5)を置き、その端部を幅40mmの両面テープ(8)で基材(2)に接着する。つづいて、合成樹脂ラミネート紙(5)の上から桟木(3)を置き、反対面側より釘打ちを行い、桟木(3)を固定する(図4参照)。このようにして成る部材を、治具(6)の上に桟木(3)が治具面側(下側)に来るように固定する。治具(6)の側面には注入口(7)が設けられている。
【0017】
治具に基材等をセット後に硬質ポリウレタン原液を注入口(7)より注入する。硬質ポリウレタン原液は、倉敷紡績株式会社製「HR370HP」を使用する。条件としては治具温30℃、原液温度22℃である。なお、発泡圧で基材が治具から外れぬよう、発泡中はプレス盤にいれ、プレスを行う。プレス温度は45℃である。発泡硬化後、プレス盤及び治具から壁パネル材を脱型し、完成する。なお、実施例2として、実施例1と同様の条件であって、治具の内底面に合成樹脂ラミネート紙を、注入前予め敷いておき、硬質ポリウレタンフォーム(4)の表裏面に該ラミネート紙(5)を接着したものを製造した。
ここで、壁パネル材の反りの測定は、平面部分に硬質ポリウレタンフォームが下にくるよう置き、最大高さ(h1)と端部の高さ(h2)を測定し、その差を反りの大きさとする(図6参照)。なお、比較例としては、合成樹脂ラミネート紙を使用しない、単なる基材、桟木及び硬質ポリウレタンフォームから成るものを掲げる。表1に実施例1、2及び比較例の、治具から脱型直後、1日後、3日後及び7日後の反りの大きさを示した。合成樹脂ラミネート紙を硬質ポリウレタンフォームと基材との間に介在させたものは、反りを有効に防止できたものであった。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】
本発明に係る壁パネル材の製造方法によれば、従来の壁パネル材に比較して、反りを有効に防止することができ、従来問題となっていた施工時の不具合を解決するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の壁パネル材を示す斜視図である。
【図2】硬質ポリウレタンを注入する際に使用する治具を示す斜視図である。
【図3】従来の壁パネル材の反りを示す説明図である。
【図4】本実施例に係る、合成樹脂ラミネート紙を基材に接着する状態を示す斜視図である。
【図5】本実施例に係る、基材等を注入用治具にセットした状態を示す平断面図である。
【図6】本実施例に係る、反りの測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 壁パネル材
2 基材
3 桟木
4 硬質ポリウレタンフォーム
5 合成樹脂ラミネート紙
6 治具
7 注入口
8 両面テープ
Claims (1)
- 基材、該基材幅方向中央部に該基材高さ方向に沿って延設する桟木及び硬質ポリウレタンフォームからなり、該硬質ポリウレタンフォームを注入法により基材と桟木とに接合する壁パネル材の製造方法において、合成樹脂ラミネート紙の周囲部分のみを基材に対し接着させた状態で硬質ポリウレタン原液を注入し、硬質ポリウレタンフォームと基材との間に合成樹脂ラミネート紙を介在させることを特徴とする壁パネル材の製造方法。
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JP14830296A JP3730710B2 (ja) | 1996-05-18 | 1996-05-18 | 壁パネル材の製造方法 |
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JP14830296A JP3730710B2 (ja) | 1996-05-18 | 1996-05-18 | 壁パネル材の製造方法 |
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JPH09302794A JPH09302794A (ja) | 1997-11-25 |
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JP14830296A Expired - Fee Related JP3730710B2 (ja) | 1996-05-18 | 1996-05-18 | 壁パネル材の製造方法 |
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JP (1) | JP3730710B2 (ja) |
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1996
- 1996-05-18 JP JP14830296A patent/JP3730710B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09302794A (ja) | 1997-11-25 |
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