JP3730687B2 - 圧縮着火往復動型ピストン燃焼機関 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮着火往復動型ピストン燃焼機関に関し、より詳細には低速駆動２ストロークディーゼルモータに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
概して、低速駆動ディーゼルモータは１シリンダ当り数千馬力に達する大型ディーゼルモータである。これらモータは、例えば船舶に使用されるとともに、発電機を駆動するためのいわゆる定置機関において使用される。低速駆動モータは５０〜２５０ｒｐｍの回転速度を有する。
【０００３】
従来型のディーゼルモータでは、モータが発生させる力及びトルクにより発生する振動を一定の範囲内に保つことが肝要である。これによりモータ自体の機械的負荷が低減され、モータの寿命が延びる。更に、モータが発生させる振動及びトルクにより発電所が損傷を受ける可能性がある。外乱の実質的な要因の１つに質量均衡、即ちモータの振動及び回転質量から生じる自由な外部及び内部の力及びトルクがある。モータにおいて質量均衡が不十分であると、モータの水平軸及び垂直軸の周囲に許容範囲外の振動が生じ、建造物又は船舶において許容範囲外の振動が生じる。
【０００４】
外乱の実質的な第２の要因に水平方向の力及び水平方向のトルク、即ち水平方向にてクロスヘッドに作用するガス力及び質量力により生じる水平方向（即ち、垂直軸の周囲）の力及びトルクがある。水平方向の力及び水平方向のトルクによりモータがその縦軸の周囲にて振動し、２つの端部、即ち前端及び後端の間においてモータブロックのねじり振動が生じる。
【０００５】
外乱の実質的な第３の要因に、クランクシャフトに作用する調和的な接線方向のガス力及び質量力により生じる、クランクシャフト或いはクランクシャフト及び同クランクシャフトに連結されたシャフトにおけるねじり振動がある。ねじり振動は主にクランクシャフトのスローにおいて誘発され、クランクシャフト及び伝動装置全体に回転振動が生じ、駆動装置及び駆動軸系において許容範囲を越えたねじり振動及び振動ひずみが生じる可能性がある。
【０００６】
外乱の実質的な第４の要因に、クランクシャフトのクランクに作用する調和的な半径方向のガス力及び質量力により生じるクランクシャフトの軸方向の振動及びクランクシャフトに連結された軸における軸方向の振動がある。着火順序によっては、これら軸方向の振動によりクランクシャフトにおいて許容範囲外の軸方向の振動が生じ、建造物又は船舶においてモータが破損するほどに振動する可能性がある。
【０００７】
実際には、最も重要な外乱源と力、振動及びトルクの原因との間に許容妥協点が見出せるようにディーゼルモータを設計しようとする。
コストが要因となり、前記のような外乱を防止するために採られる構成方法は制約を受ける。モータの最適着火順序を選択することがモータの振動作用を改善するための更なる方法になることがわかっている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、モータの最適着火順序を選択してモータの振動作用を改善することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の燃焼機関では、第１〜第１３のシリンダが配列され、第１〜第７のシリンダのうち、特定の２個又は３個からなるシリンダ群を形成し、それらのシリンダ群に属するシリンダを各郡内にて連続的に着火するようにしてモータのクランクシャフトが設計され、シリンダの番号付けがモータのシリンダのラインの２つの端部のうちの一端から開始して連続的に実行される。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一形態を図１及び図２に従って説明する。
本発明に基づく第１〜第１３のシリンダを有する２ストロークディーゼルモータの実体的な必要条件には、例えば質量均衡、即ち同一の型式及び寸法の第１〜第９のシリンダを有する直列型２ストロークディーゼルモータと同レベル以下の外部の質量力及びトルク、同一の型式及び寸法の第１〜第１２のシリンダを有する直列型２ストロークディーゼルモータと同レベル以下の３〜８番目（Ordnung ）の水平方向の力及び水平方向のトルク、第１〜第９のシリンダを有するモータの場合よりも小さく、或いは少なくとも同程度に小さい内部質量トルク、可能であれば振動減衰装置を付加することなくモータを駆動可能にする程度に小さなねじり振動、自由端における１〜約２ｍｍ以下の小さな振幅を有する軸方向の振動があり、これらの結果として、モータの駆動側におけるスラスト軸受上の力が制限される。嗜好又は用途に応じて、シリンダの着火順序の選択はモータの設計者により行われる。
【００１１】
本発明に基づく第１〜第１３のシリンダを有する２ストロークディーゼルモータでは、クランクシャフトのスローが３６０°にわたって均一に配分されるものと想定して、理論上４７９，００１，６００個の着火順序があり得る。全ての対称性を無視したとしても、４７，１７４，４００個の着火順序があり得る。更に、スローが均一ではない時、スローには異なる角度配置が無限に存在する。
【００１２】
一般的に、着火順序においてシリンダに番号付けする際、シリンダの順序は常時逆回転方向にて番号付けされ、即ち時計回りに回転するモータでは、シリンダの番号付けは反時計回りに行われ、これとは逆に、反時計回りに回転するモータでは、シリンダは時計回りに番号付けされる。
【００１３】
図１（ａ）〜（ｈ）及び図２（ａ）〜（ｈ）は本発明に基づく特に効果的な着火順序のクランクの概略図である。図１（ａ）〜（ｈ）は第１〜第１３のシリンダを有する２ストロークディーゼルモータに関し、シリンダが連続的に番号付けされ、第１のシリンダは駆動側、即ちフライホイールの端部に配置されている。
【００１４】
図２（ａ）〜（ｈ）は第１〜第１３のシリンダを有する２ストロークディーゼルモータに関し、シリンダが連続的に番号付けされ、第１のシリンダは駆動側、即ちフライホイールから離間した端部に配置されている。
【００１５】
自然着火ピストン・シリンダ燃焼機関には第１〜第１３のシリンダが配列されている。シリンダの番号付けがモータのシリンダのラインの一端から開始して連続的に行われる時、第１〜第７のシリンダの着火順序は連続的に、或いは２つ又は３つのシリンダ群にて同時に生じる。
【００１６】
シリンダの着火順序を賢明に選択することにより、構造を複雑にすることなく、モータ駆動を実質的に向上させる要因となるための複数の可能性が提供される。例えば、モータの用途に応じて、モータの実質的な外乱要因間に最適条件を見出すことが可能であり、特定の外乱要因の補正程度を高め、或いは低くする。
【００１７】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、モータの最適着火順序を選択してモータの振動作用を改善できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 （ａ）〜（ｈ）第１のシリンダがフライホイールの端部に配置された着火順序を示す概略図。
【図２】 （ａ）〜（ｈ）第１のシリンダがフライホイールから離間した端部に配置された着火順序を示す概略図。
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮着火往復動型ピストン燃焼機関に関し、より詳細には低速駆動２ストロークディーゼルモータに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
概して、低速駆動ディーゼルモータは１シリンダ当り数千馬力に達する大型ディーゼルモータである。これらモータは、例えば船舶に使用されるとともに、発電機を駆動するためのいわゆる定置機関において使用される。低速駆動モータは５０〜２５０ｒｐｍの回転速度を有する。
【０００３】
従来型のディーゼルモータでは、モータが発生させる力及びトルクにより発生する振動を一定の範囲内に保つことが肝要である。これによりモータ自体の機械的負荷が低減され、モータの寿命が延びる。更に、モータが発生させる振動及びトルクにより発電所が損傷を受ける可能性がある。外乱の実質的な要因の１つに質量均衡、即ちモータの振動及び回転質量から生じる自由な外部及び内部の力及びトルクがある。モータにおいて質量均衡が不十分であると、モータの水平軸及び垂直軸の周囲に許容範囲外の振動が生じ、建造物又は船舶において許容範囲外の振動が生じる。
【０００４】
外乱の実質的な第２の要因に水平方向の力及び水平方向のトルク、即ち水平方向にてクロスヘッドに作用するガス力及び質量力により生じる水平方向（即ち、垂直軸の周囲）の力及びトルクがある。水平方向の力及び水平方向のトルクによりモータがその縦軸の周囲にて振動し、２つの端部、即ち前端及び後端の間においてモータブロックのねじり振動が生じる。
【０００５】
外乱の実質的な第３の要因に、クランクシャフトに作用する調和的な接線方向のガス力及び質量力により生じる、クランクシャフト或いはクランクシャフト及び同クランクシャフトに連結されたシャフトにおけるねじり振動がある。ねじり振動は主にクランクシャフトのスローにおいて誘発され、クランクシャフト及び伝動装置全体に回転振動が生じ、駆動装置及び駆動軸系において許容範囲を越えたねじり振動及び振動ひずみが生じる可能性がある。
【０００６】
外乱の実質的な第４の要因に、クランクシャフトのクランクに作用する調和的な半径方向のガス力及び質量力により生じるクランクシャフトの軸方向の振動及びクランクシャフトに連結された軸における軸方向の振動がある。着火順序によっては、これら軸方向の振動によりクランクシャフトにおいて許容範囲外の軸方向の振動が生じ、建造物又は船舶においてモータが破損するほどに振動する可能性がある。
【０００７】
実際には、最も重要な外乱源と力、振動及びトルクの原因との間に許容妥協点が見出せるようにディーゼルモータを設計しようとする。
コストが要因となり、前記のような外乱を防止するために採られる構成方法は制約を受ける。モータの最適着火順序を選択することがモータの振動作用を改善するための更なる方法になることがわかっている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、モータの最適着火順序を選択してモータの振動作用を改善することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の燃焼機関では、第１〜第１３のシリンダが配列され、第１〜第７のシリンダのうち、特定の２個又は３個からなるシリンダ群を形成し、それらのシリンダ群に属するシリンダを各郡内にて連続的に着火するようにしてモータのクランクシャフトが設計され、シリンダの番号付けがモータのシリンダのラインの２つの端部のうちの一端から開始して連続的に実行される。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一形態を図１及び図２に従って説明する。
本発明に基づく第１〜第１３のシリンダを有する２ストロークディーゼルモータの実体的な必要条件には、例えば質量均衡、即ち同一の型式及び寸法の第１〜第９のシリンダを有する直列型２ストロークディーゼルモータと同レベル以下の外部の質量力及びトルク、同一の型式及び寸法の第１〜第１２のシリンダを有する直列型２ストロークディーゼルモータと同レベル以下の３〜８番目（Ordnung ）の水平方向の力及び水平方向のトルク、第１〜第９のシリンダを有するモータの場合よりも小さく、或いは少なくとも同程度に小さい内部質量トルク、可能であれば振動減衰装置を付加することなくモータを駆動可能にする程度に小さなねじり振動、自由端における１〜約２ｍｍ以下の小さな振幅を有する軸方向の振動があり、これらの結果として、モータの駆動側におけるスラスト軸受上の力が制限される。嗜好又は用途に応じて、シリンダの着火順序の選択はモータの設計者により行われる。
【００１１】
本発明に基づく第１〜第１３のシリンダを有する２ストロークディーゼルモータでは、クランクシャフトのスローが３６０°にわたって均一に配分されるものと想定して、理論上４７９，００１，６００個の着火順序があり得る。全ての対称性を無視したとしても、４７，１７４，４００個の着火順序があり得る。更に、スローが均一ではない時、スローには異なる角度配置が無限に存在する。
【００１２】
一般的に、着火順序においてシリンダに番号付けする際、シリンダの順序は常時逆回転方向にて番号付けされ、即ち時計回りに回転するモータでは、シリンダの番号付けは反時計回りに行われ、これとは逆に、反時計回りに回転するモータでは、シリンダは時計回りに番号付けされる。
【００１３】
図１（ａ）〜（ｈ）及び図２（ａ）〜（ｈ）は本発明に基づく特に効果的な着火順序のクランクの概略図である。図１（ａ）〜（ｈ）は第１〜第１３のシリンダを有する２ストロークディーゼルモータに関し、シリンダが連続的に番号付けされ、第１のシリンダは駆動側、即ちフライホイールの端部に配置されている。
【００１４】
図２（ａ）〜（ｈ）は第１〜第１３のシリンダを有する２ストロークディーゼルモータに関し、シリンダが連続的に番号付けされ、第１のシリンダは駆動側、即ちフライホイールから離間した端部に配置されている。
【００１５】
自然着火ピストン・シリンダ燃焼機関には第１〜第１３のシリンダが配列されている。シリンダの番号付けがモータのシリンダのラインの一端から開始して連続的に行われる時、第１〜第７のシリンダの着火順序は連続的に、或いは２つ又は３つのシリンダ群にて同時に生じる。
【００１６】
シリンダの着火順序を賢明に選択することにより、構造を複雑にすることなく、モータ駆動を実質的に向上させる要因となるための複数の可能性が提供される。例えば、モータの用途に応じて、モータの実質的な外乱要因間に最適条件を見出すことが可能であり、特定の外乱要因の補正程度を高め、或いは低くする。
【００１７】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、モータの最適着火順序を選択してモータの振動作用を改善できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 （ａ）〜（ｈ）第１のシリンダがフライホイールの端部に配置された着火順序を示す概略図。
【図２】 （ａ）〜（ｈ）第１のシリンダがフライホイールから離間した端部に配置された着火順序を示す概略図。
Claims (4)
- 圧縮着火２ストローク往復動型ピストン燃焼機関、詳細には低速駆動２ストロークディーゼルモータにおいて、
第１〜第１３のシリンダが配列され、第１〜第７のシリンダのうち、特定の２個又は３個からなる複数のシリンダ群を形成し、それらの群に属するシリンダを各群内にて連続的に着火するようにしてモータのクランクシャフトが設計され、シリンダの番号付けがモータのシリンダのラインの２つの端部のうちの一端から開始して連続的に行われる圧縮着火２ストローク往復動型ピストン燃焼機関。 - 前記シリンダが駆動側から開始して連続的に番号付けされる時、反時計回り方向における駆動側から開始する第１〜第１３のシリンダの着火順序を、
第１／第８／第１３／第７／第２／第５／第１２／第９／第４／第３／第１０／第１１／第６のシリンダの順、
第１／第７／第１２／第９／第２／第５／第１０／第１１／第４／第３／第８／第１３／第６のシリンダの順、
第１／第７／第１３／第８／第２／第５／第１１／第１０／第４／第３／第９／第１２／第６のシリンダの順、
第１／第８／第１１／第９／第２／第４／第１２／第１０／第３／第５／第７／第１３／第６のシリンダの順、
第１／第８／第１２／第７／第３／第４／第１３／第９／第２／第５／第１０／第１１／第６のシリンダの順、
第１／第９／第１２／第７／第２／第６／第１０／第１１／第３／第４／第８／第１３／第５のシリンダの順、
第１／第７／第１２／第８／第３／第４／第１１／第１０／第５／第２／第９／第１３／第６のシリンダの順、
第１／第７／第１２／第８／第３／第５／第１０／第１１／第４／第２／第９／第１３／第６のシリンダの順のいずれか１つとし、
前記シリンダが駆動側から離間して位置する端部から連続的に番号付けされる時、反時計回り方向における駆動側からの第１〜第１３のシリンダの着火順序を、
第１／第７／第１２／第９／第２／第５／第１０／第１１／第４／第３／第８／第１３／第６のシリンダの順、
第１／第８／第１３／第７／第２／第５／第１２／第９／第４／第３／第１０／第１１／第６のシリンダの順、
第１／第６／第１２／第９／第３／第４／第１０／第１１／第５／第２／第８／第１３／第７のシリンダの順、
第１／第８／第１３／第６／第３／第５／第１２／第１０／第２／第４／第１１／第９／第７のシリンダの順、
第１／第５／第１２／第９／第４／第３／第８／第１３／第６／第２／第７／第１１／第１０のシリンダの順、
第１／第９／第１３／第５／第２／第７／第１２／第８／第４／第３／第１１／第１０／第６のシリンダの順、
第１／第８／第１３／第７／第２／第６／第１１／第１０／第３／第４／第９／第１２／第５のシリンダの順、
第１／第８／第１３／第７／第２／第６／第１１／第９／第４／第３／第１０／第１２／第５のシリンダの順のいずれか１つとする請求項１に記載の圧縮着火２ストローク往復動型ピストン燃焼機関。 - 前記シリンダを順次着火するためのクランクシャフトのスローの回転角度上の差違が少なくとも約３６０°／１３に達する請求項１及び請求項２のいずれか１項に記載の圧縮着火２ストローク往復動型ピストン燃焼機関。
- 前記シリンダを順次着火するためのクランクシャフトのスローの回転角度上の差違を０°〜２×３６０°／１３の範囲内とする請求項１及び請求項２のいずれか１項に記載の圧縮着火２ストローク往復動型ピストン燃焼機関。
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Family Applications (1)
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| JP22060595A Expired - Fee Related JP3730687B2 (ja) | 1994-11-21 | 1995-08-29 | 圧縮着火往復動型ピストン燃焼機関 |
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