JP3730590B2 - トラクタの作業機昇降装置 - Google Patents
トラクタの作業機昇降装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3730590B2 JP3730590B2 JP2002109159A JP2002109159A JP3730590B2 JP 3730590 B2 JP3730590 B2 JP 3730590B2 JP 2002109159 A JP2002109159 A JP 2002109159A JP 2002109159 A JP2002109159 A JP 2002109159A JP 3730590 B2 JP3730590 B2 JP 3730590B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- case
- pin
- hydraulic
- cylinder
- tractor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Agricultural Machines (AREA)
- Lifting Devices For Agricultural Implements (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタの機体後部に配設される作業機昇降装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トラクタ等の作業車両においては、機体の後部に作業機装着装置を介して作業機を装着し、該作業機装着装置には油圧シリンダ等の油圧アクチュエータを作動させることにより作業機を昇降させる作業機昇降装置が備えられる。該油圧アクチュエータはミッションケース上等に戴置された油圧シリンダケースに内装した油圧シリンダからなり、該油圧シリンダのピストンロッドには作業機昇降用のリフトアームを介して左右のロアリンクに連動連結して、油圧シリンダを伸縮作動させることにより、作業機を昇降するように構成していた。
【0003】
また、上述の作業機昇降装置においては、一本の油圧シリンダで作業機を昇降させるように構成されているため、広幅の作業機や大重量の作業機を装着する場合には、作業機を昇降回動するには力や剛性が不足する。
【0004】
そこで、二本の外装式油圧シリンダを機体後部に配設し、リフトアーム、リフトロッドまたは水平制御用の油圧シリンダを介して左右のロアリンクと連動連結して作業機を昇降回動させる技術が提案されている。例えば、特開平8−112006号公報の技術の如くである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平8−112006号公報の作業機昇降装置においては、作業機をトラクタ後方に連結するための三点支持装置(三点リンク式作業機装着装置)と外装シリンダとの干渉を避けるために、外装シリンダの下端部の支持点が、三点支持装置を構成するロアリンクのトラクタ側支点の上方に配置される。
【0006】
しかしこのような配置とすると、外装シリンダを枢着する二点(リフトアーム中途部とミッションケース側面)間の距離が小さくなり、大容量、大ストロークの外装式シリンダを装着する上で制約となる。また、大容量、大ストロークの外装式シリンダを装着するためにミッションケース側面側の外装式シリンダ枢着点を下方に移動し、ロアリンクのトラクタ側支点をミッションケース後方に移動させる方法もある。
【0007】
しかしそのような配置とすると、トラクタと作業機との間隔が大きくなるため、作業機を連結した場合におけるトラクタの前後重量バランスの観点から見て好ましくない。
また、上記の場合いずれもロアリンクや外装シリンダの下端部を支持するためのブラケットやピンをそれぞれミッションケース等に配設しなければならず、部品点数・組立工数が多くなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
ミッションケース4の側方に外装式シリンダ2が配置され、該外装式シリンダ2により作動する作業機昇降装置1が備えられるトラクタ100において、前記外装式シリンダ2の支持点と、作業機を連結するロアリンク13の支点とが、同一のピン8により回動可能に支持され 前記ピン8がミッションケース4と、チェックチェーン12のチェックチェーンブラケット11とに支持され、前記チェックチェーンブラケット11のピン支持位置よりもミッションケース4に近い位置に、前記外装式シリンダ2の支持点が配置され、チェックチェーンブラケット11のピン支持位置よりもミッションケース4から遠い位置に、ロアリンク13の支点が配置されたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1はトラクタの左側面図、図2は本発明の作業機昇降装置の第一実施例を示す左側面図、図3は本発明の作業機昇降装置の第一実施例を示す後面図、図4は本発明の作業機昇降装置の第一実施例を示す平面図、図5はチェックチェーンブラケットの斜視図、図6は本発明の作業機昇降装置の第二実施例を示す左側面図である。
【0010】
図7は本発明の実施の一形態である油圧バルブケースの左側面一部断面図、図8は本発明の実施の一形態である油圧バルブケースの平面図、図9は従来の油圧バルブケースの平面図、図10はフロコンスイングバルブの配管経路を示す平面図、図11はフロコンスイングバルブの配管経路を示す後面一部断面図である。
【0011】
まず、本発明の作業機昇降装置の第一実施例である作業機昇降装置1を備えたトラクタ100について、図1から図4を用いて説明する。
図1に示すように、トラクタ100のエンジンフレーム101にフロントアクスルケースを介して前輪102・102が支承され、該エンジンフレーム101の後部にクラッチハウジングを介してリアミッションケース4が配置され、該リアミッションケース4の両側にリアアクスルケース10を介して後輪103・103が支承されている。リアミッションケース4の後部にトップリンク50、ロアリンク13等からなる三点支持装置(三点リンク式作業機装着装置)を介して作業機120を装着できるようにしている。また、リアミッションケース4の前下部に前輪駆動出力軸が前方に突出されて、ユニバーサルジョイント、伝動軸等を介して前輪102・102を駆動できるようにしている。
【0012】
また、前記エンジンフレーム101にはエンジン105が載置され、該エンジン105はボンネット104によって覆われている。該ボンネット104の後部にはダッシュボード111が配設され、該ダッシュボード11上に操作パネル118や操向ハンドル119が配置され、その後方に座席115が配置され、これらダッシュボード111や座席115等の運転部はキャビン112によって覆われる構成としている。該キャビン112はキャビンフレームとして前支柱113をエンジンフレーム101より支持ステーを介して立設し、後支柱114をリアミッションケース4より立設して、上部には梁を横設して、天井はルーフ116により覆い、前面はフロントガラス、側面はドア117・117、後面はリヤガラスよって覆っている。
【0013】
図2から図4に示すように、作業機昇降装置1は、左右一対の外装式シリンダ2L・2R(外装式シリンダ2Rは図示せず)、油圧バルブケース3、およびこれらを連結する油圧配管などからなる。
トラクタ100後部のリアミッションケース4上面には、油圧バルブケース3がボルト締め等の方法で固設されている。油圧バルブケース3の上面はバルブ配置スペース3aであり、後部はリフトアーム枢着部3bとなっている。上面をバルブ配置スペース3aとすることで従来のようにシリンダケースとするよりも低く構成することができ、キャビン仕様では座席を低く配置して居住空間を大きくすることができる。そして、該リフトアーム枢着部3bには、左右一対のリフトアーム5L・5R(リフトアーム5Rは図示せず)の一端が回動自在に枢着される。油圧バルブケース3の詳細については後述する。
外装式シリンダ2L・2Rは略同じ構成であるので、以後は外装式シリンダ2Lについて説明する。同様に、第一実施例についてはトラクタ100左側について説明を行い、トラクタ100右側の説明は略同じものとして省略する。
外装式シリンダ2Lはシリンダケース2a、ケース側枢着部2b、シリンダロッド2c、ロッド側枢着部2dなどからなる。シリンダケース2aの側面には油圧配管6の一端が接続される。該油圧配管6の他端側は前記油圧バルブユニット3上面に固設される昇降用の油圧バルブに接続され、油圧バルブの切り替えにより外装式シリンダ2Lは伸縮可能に構成される。
前記外装式シリンダ2L・2Rの間の左右略中央にリアミッションケース4と油圧バルブユニット3後面にトップリンクブラケット40が固設され、トップリンク50(図1に図示)の前端を装着可能とし、側面視で該トップリンクブラケット40と外装式シリンダ2L・2Rが重複するように配置して、該トップリンクブラケット40の後端よりも前方に外装式シリンダ2L・2Rが位置するように配置して、前後方向の長さが短くなるように配置している。該トップリンクブラケット40の下方のリアミッションケース4後面より後方にPTO軸41が突出されている。
【0014】
次に、本発明の要部である、外装式シリンダのトラクタへの固定方法について説明する。
図3に示すように、リアミッションケース4の側面下部にはピン固定ブラケット7が設けられ、該ピン固定ブラケット7よりピン8がトラクタ100の側方に向けて突設される。外装式シリンダ2Lのケース側枢着部2bは該ピン8に遊嵌される。一方、外装式シリンダ2Lのロッド側枢着部2dは、ピン9により、前記リフトアーム5Lの中途部に回動自在に枢着される。
このように構成することにより、外装式シリンダ2Lが昇降用の油圧バルブの作動により伸長すると、リフトアーム5Lが上方に回動し、リフトアーム5Lの先端と、三点支持装置のロアリンク13中途部に連結されたリフトロッド16(図1に図示)によりロアリンク13は上方に回動して、作業機が上方に持ち上げられる。
また、リアミッションケース4側方より左右に突出されるリアアクスルケース10の下面にはそれぞれチェックチェーンブラケット11が固設される。該チェックチェーンブラケット11のピン支持孔11eにはピン8が貫装され、ちょうどピン固定ブラケット7とチェックチェーンブラケット11とに挟まれる形で外装式シリンダ2Lは回動可能に支持される。
なお、本実施例においては外装式シリンダ2Lのケース側枢着部2bはピン8に、外装式シリンダ2Lのロッド側枢着部2dはリフトアーム5Lの中途部に枢着されるが、外装式シリンダ2Lのロッド側枢着部2dがピン8に、外装式シリンダ2Lのケース側枢着部2bがリフトアーム5Lの中途部に枢着される構成としても同様の効果を奏する。
【0015】
図5に示すように、チェックチェーンブラケット11は主に、基部11a、第一ブラケット11b、第二ブラケット11c、補強部材11dなどからなり、これらが溶接等の方法で組み合わされた構造物である。
板体を水平方向に配置した基部11aの下面から下後方へ延設した第一ブラケット11bおよび補強部材11dが溶接などの方法で固設されるとともに、基部11aには複数の固定用ボルト固定孔11gが穿設され、ボルト等によりリアアクスルケース10の下面に螺設される。但し、固定方法は限定しない。なお、リアアクスルケース10の基部11a取付面と上下反対側の上面には安全フレームまたはキャビンフレームの下基部が固設され、左右のリアアクスルケースを連結して補強して、チェックチェーンブラケット11の取付剛性も高めるようにしている。
前記第一ブラケット11bの後端にはチェックチェーン係止孔11fが穿設され、シャックル等によりチェックチェーン12の前端が係止される。平面視略L字型の第二ブラケット11cの一端は第一ブラケット11bの前後中途部側面に固設され、後端にはピン支持孔11eが穿設され、該ピン支持孔11eと前記チェックチェーン係止孔11fと前記ピン固定ブラケット7のピン孔の中心は同一軸心上に配置され、チェックチェーン12とロアリンク13の回動がスムースに行なえるようにしている。ピン支持孔11eにはピン8が貫装され、該ピン8は前記ピン固定ブラケット7のピン孔にも挿入されて両者により支持されている。補強部材11dは基部11a下面と第二ブラケット11c前面とを連結し、チェックチェーンブラケット11の剛性を高める。
【0016】
ピン支持孔11eに貫装されたピン8の先端はピン支持孔11eよりさらにトラクタ100の外側方へ向けて突出している。そして、この突出した部分に、図3および図4に示す如く、三点支持装置のロアリンク13が回動可能に枢着される。ロアリンク13の中途部には前記チェックチェーン12の後端が係止れ、前記外装式シリンダ2Lがロアリンク13の機体中心側(内側)に、チェックチェーン12がロアリンク13の外側に配置され、該ロアリンク13の後端には作業機120(図1に図示)が接続される。
【0017】
以上の如く、外装式シリンダ2Lをトラクタへ固定することは、次のような利点がある。
前述したように、ケース側枢着部2bと、作業機を連結するロアリンク13の支点である前端部とを、トラクタ100のリアミッションケース4側面において上下に配置した場合、外装シリンダ2Lのストロークおよび容量を大きくすることが困難であるという問題が発生する。またケース側枢着部2bと、作業機を連結するロアリンク13の支点である前端部とを、トラクタ100のリアミッションケース4側面において前後に配置した場合、外装シリンダ2Lのストロークおよび容量を大きくすることは容易になる反面、作業機とトラクタ100の距離が大きくなって前後重量バランスを良好に保つのが困難であるという問題が発生する。
【0018】
第一には、外装シリンダ2Lの支持点であるケース側枢着部2bと、作業機を連結するロアリンク13の支点である前端部とがトラクタ100のリアミッションケース4側面よりトラクタ100側方に突設されたピン8の同軸上に配置されることにより、上述した二つの問題を解消することが可能である。
【0019】
第二には、ケース側枢着部2bと、作業機を連結するロアリンク13の支点である前端部とが、トラクタ100のリアミッションケース4側面よりトラクタ100側方に突設された同一のピン8に枢着される。よって、各々別のピンを用意する必要がなく、部品点数を削減可能である。また、外装シリンダ2Lとロアリンク13の枢着に必要なスペースが小さくでき、省スペース化に寄与する。
【0020】
第三には、前記ピン8がリアミッションケース4側面に配設されたピン固定ブラケット7と、チェックチェーンブラケット11の二箇所で支持され、該支持点に挟まれた部分において、外装シリンダ2Lの支持点であるケース側枢着部2bが支持されることから、ピン8周囲の剛性が高まり、外装シリンダ2Lの作動力をより大きく設定することが可能である。また、チェックチェーンブラケット11の一部をピン8の支持点に利用していることから、部品点数の削減効果もある。
【0021】
第四には、チェックチェーンブラケット11がピン8を支持する位置よりもリアミッションケース4に近い位置に外装シリンダ2Lの支持点であるケース側枢着部2bが配置され、チェックチェーンブラケット11がピン8を支持する位置よりもリアミッションケース4から遠い位置に(すなわちピン8の先端付近に)ロアリンク13の支点である前端部が配置されるので、ロアリンク13をトラクタ100から取り外す作業が容易である(具体的にはピン8の先端近傍の側面を貫通する貫通孔8aに係止された抜け止めピン14を外すことにより、ピン8からロアリンク13を容易に取り外すことが可能である)。
【0022】
なお、チェックチェーンブラケット11の形状は本実施例に限定されない。また、チェックチェーンブラケット11の固設位置はリアアクスルケース10下面に限定されず、例えば、リアアクスルケース10後面や、リアミッションケース4側面でも良い。
また、ロアリンク13のピン8からの抜け止め防止手段は抜け止めピン14に限定されず、例えば、ピン8の先端近傍の周面に溝を設け、CリングやEリングを嵌設するなどしても良い。
【0023】
また、本発明の作業機昇降装置の第一実施例である作業機昇降装置1は、左右一対の外装式シリンダ2L・2Rを備えている。このことは、作業機の上昇力を大きくすることが可能となる他に、次のような利点がある。
すなわち、前記油圧バルブユニット3の上面のバルブ配置スペース3aに配設されたリフトアーム上昇用バルブ(図示せず)より下流において、油圧配管経路を二系統に分岐させ、この二系統の油圧配管経路に各々絞りバルブおよびリリーフバルブを配設した上で、前記外装式シリンダ2L・2Rの油圧配管6に各々接続する。このように油圧配管経路を構成することにより、外装式シリンダ2L・2Rの伸張量を別々に制御することが可能である。これは、トラクタ100が圃場に対して傾いていても作業機の姿勢を圃場に対して略水平に保持するための作業機水平保持機構を作業機昇降装置1が兼ねることが可能になることを意味し、作業機水平保持機構を別に設ける必要がない。よって、作業機水平保持機構に係る部品を省略可能である。
また、外装式シリンダ2L・2Rのシリンダケース2a側面において、上端付近と下端付近の二カ所に油圧配管を接続し、該油圧配管に切替バルブを介することにより、作業機の下降時においても、作業機の自重だけで下降させるのではなく、油圧により積極的に下降力を発生させることが可能である。
【0024】
続いて、本発明の作業機昇降装置の第二実施例である作業機昇降装置15を備えたトラクタについて、図6から図11を用いて説明する。
第二実施例である作業機昇降装置15は、リフトアーム5L・5Rおよびリアミッションケース4への外装シリンダ2L・2Rの取り付け方法については第一実施例である作業機昇降装置1と略同じ構成であるが、前記した作業機を水平に保持する機構が異なっている。
すなわち、リフトアーム5Lとロアリンク13とを連結するリフトロッド16Lの中途部に傾倒シリンダ17が設けられる。そして、傾倒シリンダ17の側面上端および下端に接続された二本の油圧配管18a・18bが、油圧バルブケース3上に配設された電磁式フロコンスイングバルブ(フローコントロールスイングバルブ)19に接続される。
フロコンスイングバルブ19を作動させることにより油圧配管18a・18bに送られる作動油の方向が切替えられ、傾倒シリンダ17が伸縮する。結果として左右のロアリンク13の回動角度を変化させることが可能であり、トラクタ100本機の姿勢に関わらず、作業機の姿勢を圃場に対して略水平または所望の傾斜角に保持することが可能である。
また、第二実施例においては、第一実施例のように左右の外装式シリンダ2L・2Rの伸縮量を別々に制御する必要がないので、それに係る油圧装置(リフトアーム上昇用バルブより下流における絞りバルブなど)は省略可能である。さらに、第二実施例においては、作業機の重量が軽い場合などは、外装式シリンダ2L・2Rのうち、どちらか一方を省略し、一本の外装シリンダで作業機を上昇させる構成とすることも可能である。この場合左右のリフトアームは回動軸で連結する。
【0025】
第二実施例においては、外装式シリンダ2L・2Rを伸縮するための油圧リフトバルブ20と、傾倒シリンダ17を伸縮させるためのフロコンスイングバルブ19とが必要である。これらの油圧バルブは油圧バルブケース3の上面に配設される。
図7および図8に示すように、油圧バルブケース3は内部が空洞で、下面が開口した箱形状である。そして、油圧バルブケース3上面には、リアミッションケース4の上面にボルト等で締結するためのボルト孔21・21・・・を有するとともに、後部は上方に突出して、リフトアーム5L・5Rを回動可能に枢着するためのリフトアーム枢着部3bを形成する。
また、図7に示すように、油圧バルブケース3上面には油圧リフトバルブ20およびフロコンスイングバルブ19が取り付けられる。このとき、油圧リフトバルブ20およびフロコンスイングバルブ19は油圧バルブケース3と接触する下面側にも作動油のポートを有する。そのため、油圧バルブケース3上面において、該ポートと一致する場所に油孔(具体的には、本実施例の油圧バルブケース3における油孔22・23・24・25)が穿設されている。これらの油孔は油圧バルブケース3の下面まで貫通しており、油孔24と油孔25とは配管35により接続され、油孔22と油孔23とは配管36により接続される。配管35・36は油圧バルブケース3下面の空洞部分に収納可能に構成される。
【0026】
一方、図9に示すように、従来の油圧バルブケース26では、中央部26a(図9中で斜線の部分)が肉厚の部材で形成され、中央部26aの側壁より横孔27・28・29・30が穿設される。横孔27と横孔28とは互いに連通し、かつその先端が油圧バルブケース26上面より下方に穿設された油孔24・25とも連通するように設けられる。そして、中央部26aの側壁部分において栓31・32で塞ぐことにより油孔24から油孔25までの油路が形成される。
同様にして、横孔29と横孔30とは互いに連通し、かつその先端が上方より穿設された油孔22・23とも連通するように設けられる。そして、中央部26aの側壁部分において栓33・34で塞ぐことにより油孔22から油孔23までの油路が形成される。
【0027】
従来の油圧バルブケース26では、側壁より横孔27・28・29・30を穿設するため加工工数が多い。また、中央部26aが肉厚部材であるため重量が大きい。
これに対して、本発明の実施の一形態である油圧バルブケース3は、横孔を穿設せず、配管35・36を接続するため、加工が容易であり、加工工数が削減可能である。また、配管の自由度が高く設計上有利であり、油圧バルブケース3の内部は肉厚とする必要がないので、重量を従来の油圧バルブケース26よりも軽くすることが可能である。
【0028】
続いて、第二実施例である作業機昇降装置15におけるフロコンスイングバルブ19と傾倒シリンダ17との油圧配管経路の接続方法について図6、図10および図11を用いて説明する。
フロコンスイングバルブ19は電磁式としているために左右両側にソレノイドが配置され、出力油路も左右両側に配置される。この出力油路にそれぞれ油圧配管18a・18bすると、左右両側から左右一側の傾倒シリンダシリンダ17に接続することになるので、配管経路が一方は長くなり煩雑となってしまう。
そこで、本発明の実施例の一形態である油圧バルブケース3においては、フロコンスイングバルブ19の下面に左右一側の出力油路を形成し、左右他側の出力油路は一側面に配置して油圧配管18aと接続し、下面側に配置した出力油路と一致する部位の本体側の油圧バルブケース3に縦孔37を穿設するとともに、油圧バルブケース3の右側面(他側)より横孔38を穿設して連通し、そして、該横孔38の出口で油圧配管18bを接続することにより、フロコンスイングバルブ19の右側面で接続された油圧配管18aと接続場所を近くした。
このように構成することにより、油圧配管18a・18bを同一長さとして、部品の共通化を図ることが可能となり、単純な油圧配管経路を構成することができ、配管固定も両者一度に行なうことができる。
【0029】
このように、バルブケースの一方の面に前記作業機昇降装置の油圧バルブが配置され、バルブケースの他方の面に該油圧バルブ間の配管経路が設けられるので、加工が容易であり、加工工数が削減可能である。また、配管の自由度が高く設計上有利であり、油圧バルブケース内部は肉厚とする必要がないので、軽量化が可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に示す如く、ミッションケースの側方に外装シリンダが配置され、該外装シリンダにより作動する作業機昇降装置が備えられるトラクタにおいて、前記外装シリンダの支持点と、作業機を連結するロアリンクの支点とが同軸上に配置されるので、大ストローク、大容量の外装シリンダを配設し、かつロアリンクの支持点を極力前方に配設してトラクタの前後重量バランスを良好に保つことが可能である。
【0031】
また、前記外装シリンダの支持点と、ロアリンクの支点とが、同一のピンにより回動可能に支持されるので、外装シリンダを枢着するためのピンと、ロアリンクを枢着するためのピンを各々用意する必要がなく、部品点数を削減可能である。また、外装シリンダとロアリンクの枢着に必要なスペースが小さくでき、省スペース化に寄与する。
【0032】
また、前記ピンがミッションケースと、チェックチェーン12のチェックチェーンブラケットとに支持されるので、両支持構造となってピン周囲の剛性が高まり、外装シリンダの作動力をより大きく設定することが可能である。また、チェックチェーンブラケットの一部をピンの支持点に利用していることから、部品点数の削減効果もある。
【0033】
また、前記チェックチェーンブラケットのピン支持位置よりもミッションケースに近い位置に前記外装シリンダの支持点が配置され、チェックチェーンブラケットのピン支持位置よりもミッションケースから遠い位置にロアリンクの支点が配置されるので、ピンの先端近傍の抜け止め防止手段を外すことにより、ピンからロアリンクを容易に取り外すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トラクタの左側面図。
【図2】 本発明の作業機昇降装置の第一実施例を示す左側面図。
【図3】 本発明の作業機昇降装置の第一実施例を示す後面図。
【図4】 本発明の作業機昇降装置の第一実施例を示す平面図。
【図5】 チェックチェーンブラケットの斜視図。
【図6】 本発明の作業機昇降装置の第二実施例を示す左側面図。
【図7】 本発明の実施の一形態である油圧バルブケースの左側面一部断面図。
【図8】 本発明の実施の一形態である油圧バルブケースの平面図。
【図9】 従来の油圧バルブケースの平面図。
【図10】 フロコンスイングバルブの配管経路を示す平面図。
【図11】 フロコンスイングバルブの配管経路を示す後面一部断面図。
【符号の説明】
1 作業機昇降装置
2L・2R 外装式シリンダ
2a シリンダケース
2b ケース側枢着部
2c シリンダロッド
2d ロッド側枢着部
3 油圧バルブケース
4 リアミッションケース
7 ピン固定ブラケット
8 ピン
12 チェックチェーン
11 チェックチェーンブラケット
13 ロアリンク
19 フロコンスイングバルブ
20 油圧リフトバルブ
35・36 配管
Claims (1)
- ミッションケース4の側方に外装式シリンダ2が配置され、該外装式シリンダ2により作動する作業機昇降装置1が備えられるトラクタ100において、
前記外装式シリンダ2の支持点と、作業機を連結するロアリンク13の支点とが、同一のピン8により回動可能に支持され 前記ピン8がミッションケース4と、チェックチェーン12のチェックチェーンブラケット11とに支持され、
前記チェックチェーンブラケット11のピン支持位置よりもミッションケース4に近い位置に、前記外装式シリンダ2の支持点が配置され、チェックチェーンブラケット11のピン支持位置よりもミッションケース4から遠い位置に、ロアリンク13の支点が配置されたことを特徴とするトラクタの作業機昇降装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002109159A JP3730590B2 (ja) | 2002-04-11 | 2002-04-11 | トラクタの作業機昇降装置 |
US10/793,229 US6991042B2 (en) | 2002-04-11 | 2003-04-04 | Working machine lifting device of tractor |
PCT/JP2003/004375 WO2003084308A1 (fr) | 2002-04-11 | 2003-04-04 | Dispositif de levage de machine de travail pour tracteur |
CNB038013657A CN1303863C (zh) | 2002-04-11 | 2003-04-04 | 拖拉机的作业机械升降装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002109159A JP3730590B2 (ja) | 2002-04-11 | 2002-04-11 | トラクタの作業機昇降装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003304709A JP2003304709A (ja) | 2003-10-28 |
JP3730590B2 true JP3730590B2 (ja) | 2006-01-05 |
Family
ID=29392699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002109159A Expired - Fee Related JP3730590B2 (ja) | 2002-04-11 | 2002-04-11 | トラクタの作業機昇降装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3730590B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016214189A (ja) * | 2015-05-25 | 2016-12-22 | ヤンマー株式会社 | 作業車両 |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4652748B2 (ja) * | 2004-08-31 | 2011-03-16 | ヤンマー株式会社 | トラクタ |
JP4571424B2 (ja) * | 2004-03-26 | 2010-10-27 | ヤンマー株式会社 | トラクタ |
CN100512619C (zh) * | 2004-03-26 | 2009-07-15 | 洋马株式会社 | 拖拉机 |
KR200457859Y1 (ko) * | 2009-09-08 | 2012-01-05 | 대동공업주식회사 | 농업용 작업차량의 보조승강 유압실린더 지지구조 |
CN102114875B (zh) * | 2011-01-27 | 2013-06-19 | 长沙桑铼特农业机械设备有限公司 | 盘式山地拖拉机 |
KR102496020B1 (ko) * | 2015-08-03 | 2023-02-06 | 주식회사 대동 | 트랙터의 작업기 승강장치 |
KR102023391B1 (ko) * | 2019-02-19 | 2019-09-20 | 충남대학교산학협력단 | 트랙터 리프트 장치 |
-
2002
- 2002-04-11 JP JP2002109159A patent/JP3730590B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016214189A (ja) * | 2015-05-25 | 2016-12-22 | ヤンマー株式会社 | 作業車両 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003304709A (ja) | 2003-10-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2643116C (en) | Leveling apparatus for excavator and forestry machine equipment | |
KR100952534B1 (ko) | 휠식 작업기 | |
KR100666585B1 (ko) | 건설기계 | |
US20100003117A1 (en) | Skid Steer Loader | |
JP3730590B2 (ja) | トラクタの作業機昇降装置 | |
KR20030078697A (ko) | 휠식 작업기 | |
US6048161A (en) | Vehicle having a lifting boom, which can be used as an agricultural machine | |
WO2003084308A1 (fr) | Dispositif de levage de machine de travail pour tracteur | |
KR20050043971A (ko) | 자주식 작업 기계 | |
JP4256219B2 (ja) | 建設機械 | |
JP4502861B2 (ja) | 複合作業用のフレーム構造 | |
US6168368B1 (en) | Frame assembly for a construction machine | |
JP4199173B2 (ja) | 旋回式建設機械 | |
KR100320575B1 (ko) | 굴삭기계 | |
JP3708832B2 (ja) | 旋回作業機の安全装置 | |
JP2017214033A (ja) | 作業機械 | |
JP2002061229A (ja) | 旋回式建設機械 | |
JP4188799B2 (ja) | 建設機械 | |
JP4843459B2 (ja) | 作業機の運転室昇降装置 | |
JPH11513087A (ja) | 関節式建設機械用フレームアセンブリ | |
CN216787251U (zh) | 滑移装载机的工作装置和滑移装载机 | |
EP3981733A1 (en) | Vehicle with an aerial work platform | |
JP2019138005A (ja) | 作業車両 | |
JP2539481Y2 (ja) | 作業車の操作レバーロック構造 | |
JP4266765B2 (ja) | 旋回作業機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040831 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050531 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050712 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051006 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081014 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091014 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091014 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101014 Year of fee payment: 5 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101014 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101014 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111014 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |