JP3730146B2 - 網終端装置、網終端装置における消費電力削減方法、記録媒体及びプログラム - Google Patents
網終端装置、網終端装置における消費電力削減方法、記録媒体及びプログラム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、網終端装置、網終端装置における消費電力削減方法、記録媒体及びプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ISDNディジタル通信方式における加入者線路信号方式「TTC標準 JT−G961」では、加入者線の直流電流の有無及びその極性により発信要求及び切断要求を行っている。また、前記標準には電力削減を目的として、以下に示す機能を有する網終端装置が定義されている。この網終端装置を以下、網終端装置Lと呼ぶ。
【0003】
図15は、従来技術の網終端装置Lのブロック構成図である。図15において、網終端装置L100はNT機能部101、発信回路102、正極性検出部103、制御部106、反転極性検出部104、切替回路105により構成され、それぞれ以下の機能を有している。
・NT機能部101は前記TTC標準に規定されるパルスを認識し、回路終端装置との通信を行う機能を有する。
・発信回路102は直流終端抵抗器R1、ダイオードD1、発信SWで構成される。なお、発信SWは「発信信号"ON"」で「発信SW"ON"」、「発信信号"OFF"」で「発信SW"OFF"」とする。
・また、正極性検出部103の直流入力抵抗値は高抵抗(ハイ・インピーダンス)とする。また、反転極性検出部104の直流入力抵抗値も高抵抗(ハイ・インピーダンス)とする。
・切替回路105は、直流終端抵抗器RD1、ダイオードD2、切替SWで構成される。切替SWは「切替信号"ON"」で「切替スイッチ"ON"」、「発信信号"OFF"」で「切替スイッチ"OFF"」とする。
【0004】
また、図16は、ISDNディジタル通信方式のシステム構成を示す図である。図16において、システムは局ビル側から下り方向にノードシステム111、回線終端装置113、加入者線路114、網終端装置L100の順に接続される。また、ノードシステム111と回線終端装置113は、V点インターフェース112により接続される。回線終端装置113と網終端装置L100は加入者線路114を介して、前記TTC標準で規定されるU点インターフェース115により接続されている。
【0005】
また、前記ノードシステム111は大きく分けて2種類存在する。ここではこれらをそれぞれ「ノードシステムA」、「ノードシステムB」とする。「ノードシステムB」は「ノードシステムA」の後継機種であり、現在のネットワークには「ノードシステムA」、「ノードシステムB」とも使用されている。以下、本文書中で単にノードシステムと呼ぶ場合は「ノードシステムA」と「ノードシステムB」の両方を指すものとする。なお、「ノードシステムA」と「ノードシステムB」の違いについては、以降の説明の中で示される。
【0006】
次に、網終端装置L100の状態遷移について説明する。
図17は、従来技術の網終端装置L100における状態遷移を示す図であり、図中の四角枠が綱終端装置L100内の各部の状態を表し、四角枠内の左上の数値(1−1〜1−3、及び2−1)は網終端装置L100の遷移状態を表す番号である。網終端装置L100の「状態1−1」は電源投入時のパワーオンリセット後の状態を示しており、「発信信号"OFF"」、「切替信号"OFF"」、「NT機能部"停止"」の他、「正極性検出信号"OFF"」、「反転極性検出信号"OFF"」となる。
【0007】
[着信起動時の動作説明]
以上の如き網終端装置L100の構成の基に、網終端装置L100における「着信起動による(U点レイヤ1起動手順」について説明する。
【0008】
(1)図18は、網終端装置L100の着信起動動作を説明するための図であり、網終端装置L100の着信起動時の、V点信号FE1、FE2、FE3の状態、加入者線路114の極性及び電流値(I2)、網終端装置L100の正極性検出信号、反転極性検出信号、発信信号、切替信号の各状態を示している。また、図17中の状態番号は、図17に示した網終端装置L100の遷移状態を示している。
【0009】
(2)着信起動時は、ノードシステム111より回線終端装置113に対して着信起動要求信号であるV点インタフェース信号FE1が送信される。回線終端装置113はFE1(着信起動要求)を受信すると、加入者線極性を正極性(L1>L2)から反転極性(L1<L2)にする。このとき網終端装置L100の制御部106は「反転極性検出信号"ON"」を認識し、網終端装置L100を「状態1−1」から「状態2−1」に遷移させる(時刻t1)。「状態2−1」にてNT機能部101が起動する。制御部106は「発信信号"OFF"」なので発信起動ではないと判断し、「切替信号"OFF"」を維持する。このとき反転極性検出部104の直流入力抵抗値は高抵抗(ハイ・インピーダンス)なので加入者線L1−L2にはほとんど電流が流れない。
【0010】
(3)また、回線終端装置113はノードシステム111から着信起動要求信号FE1を受信している場合、回線終端装置113は、反転極性(L1<L2)を維持するので、着信起動によるU点レイヤ1起動手順は加入者線L1−L2間に電流が流れないまま進行する。
【0011】
(4)U点レイヤ1起動が完了すると、回線終端装置113はノードシステム111にそれを示すV点インタフェース信号FE3((U点レイヤ1起動完了信号)を送信する(時刻t2)。U点レイヤ1起動後も網終端装置L100の「状態2−1」は維持されているので加入者線L1−L2間に電流は流れない。
【0012】
(5)次に"停止"について説明する。停止時はノードシステム111より停止要求信号であるV点インタフェース信号FE5(図示せず)が回線終端装置113に送信される。回線終端装置113はFE5(停止要求信号)を受信すると、加入者線極性を反転極性(L1<L2)から正極性(L1>L2)にする。このとき網終端装置L100の制御部は「正極性検出信号"ON"」を認識し網終端装置L100を「状態2−1」から「状態1−1」に遷移させ"停止状態"となる(時刻t3)。
【0013】
[発信起動時の動作説明]
次に、「発信起動手順」について説明する。図19は、従来技術の網終端装置LのノードシステムA系での発信起動時の動作を示す図であり、図15に示す網終端装置L100のノードシステムAにおける発信起動動作について説明するための図である。図19において、ノードシステムAの系における、網終端装置L100、発信起動時のV点信号FE1(着信起動要求)、FE2(発信起動要求)、FE3((U点レイヤ1起動完了信号)(起動完了信号)の状態、加入者線路114の極性及び電流値、網終端装置L100の正極性検出信号、反転極性検出信号、発信信号、切替信号の各状態を示す。なお、図19中の状態番号は、図17に示した網終端装置L100の遷移状態を表す。
また、図20は、従来技術の網終端装置LのノードシステムB系での発信起動時の動作を示す図であり、図15に示す網終端装置L100のノードシステムBにおける発信起動動作について説明するための図である。 図20において、ノードシステムBの系における、網終端装置L100、発信起動時のV点信号FE1(着信起動要求信号)、FE2(発信起動要求信号)、FE3((U点レイヤ1起動完了信号)の状態、加入者線路114の極性及び電流値、網終端装置L100の正極性検出信号、反転極性検出信号、発信信号、切替信号の各状態を示す。なお、図20中の状態番号(1−1〜1−5)は図17に示した網終端装置L100の遷移状態を表す。
以下、網終端装置L100の発信起動動作について、図19及び図20を基に説明する。
【0014】
(1)発信起動時、制御部106は「発信信号"ON"」とし、網終端装置L100を「状態1−1」から「状態1−2」に遷移させる(時刻t1)。このとき加入者線L1−L2に抵抗R1を通じて電流I2が流れる。
【0015】
(2)回線終端装置113は電流I2を検出し、加入者線極性を正極性(L1>L2)から反転極性(L1<L2)にする。また回線終端装置113は電流I2を検出すると、ノードシステム111に、V点インタフェース信号FE2(発信起動要求信号)を送信する。
【0016】
(3)加入者線極性が反転極性(L1<L2)となると、網終端装置L100の制御部106は「反転極性検出信号"ON"」を認識し、網終端装置L100を「状態1−2」から「状態1−3」に遷移させる(時刻t2)。このとき加入者線路L1−L2には抵抗RD1を通じて電流I2が流れる。また、「状態1−3」に遷移すると網終端装置L100のNT機能部101が起動する。
【0017】
(4)回線終端装置113は電流I2を検出し、「V点インタフェース信号FE2」のノードシステム111ヘの送信を継続する。回線終端装置113は電流I2が検出されている場合は、反転極性(L1<L2)を維持するので、発信起動によるU点レイヤ1起動手順が進行する。
【0018】
(5)U点レイヤ1起動が完了すると、回線終端装置113はノードシステム111にそれを示す「V点インタフェース信号FE3((U点レイヤ1起動完了信号)」を送信する(時刻t3)。このとき網終端装置L100は「状態1−3」のままなので、加入者線路L1−L2には反転極性電流I2が流れている。
【0019】
(6)次に停止時の動作について説明する。停止時はノードシステム111より「停止要求信号」であるV点インタフェ−ス信号FE5が回線終端装置113に送信される。回線終端装置113はFE5(停止要求信号)を受信すると、加入者線極性を反転極性(L1<L2)から正極性(L1>L2)にする。このとき網終端装置L100の制御部は「正極性検出信号"ON"」を認識し、網終端装置L100を「状態1−3」から「状態1−1」に遷移させ"停止状態"となる(時刻t4)。
【0020】
なお、発信起動時のノードシステム111の動作はノードシステムA/ノードシステムBによって異なり、図19、図20に示す例の動作の違いは「FE1(着信起動要求信号)」の部分である。図20に示すように、ノードシステムBでは、FE2(発信起動要求信号)及びFE3((U点レイヤ1起動完了信号)を受信すると、回線終端装置113にFE1(着信起動要求)を送信する(時刻t3)。
これはノードシステムBの系では、回線終端装置113は発信起動の場合でも、(U点レイヤ1起動後はFE1(着信起動要求)を受信しているので、電流I2の検出結果が"OFF"となっても、反転極性(L1<L2)を維持するので、レイヤ1起動を維持することができることを意味する。
【0021】
しかし、発信起動時に網終端装置L100はノードシステムA/Bの識別または回線終端装置113でのFE1(着信起動要求)の受信の有無を確認することができないので、レイヤ1起動の確保のため、制御部は「切替信号"ON"」を維持し、直流終端抵抗RD1の接続を保持せざるを得ない。従って、発信起動の場合は、レイヤ1起動後も加入者線L1−L2に反転極性(L1<L2)で電流I2が流れ続ける。
【0022】
従って、網終端装置L100により、加入者線の直流電流が網終端装置L100を動作させる電力として使用されていない場合は、着信起動時は加入者線に電流が流れないようにすることが可能となり電力の削減が可能となる。また、発信起動時は、網終端装置L100は回線終端装置113より定電流給電I2を受けるが、抵抗RD1の抵抗値を大きくすることにより、網終端装置L100での消費電力の削減をある程度は図ることができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
「TTC標準 JT−G961」の方式では前記網終端装置L100を使用すれば、加入者線の直流電流を網終端装置を動作させる電力として使用しない場合は、着信起動の場合は加入者線路114に直流電流が流れないようにするため電力の削減が可能となる。しかし、発信起動の場合は、網終端装置L100は回線終端装置113に加入者線に直流電流を流し続ける必要があるため、着信起動時と同等の電力削減効果を得ることはできなかった。
【0024】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、網終端装置L100にてノードシステムの種別A/Bを識別し、ノードシステムBが接続されていると確認された場合には、発信起動時にその消費電力を削減することが可能な網終端装置、網終端装置における消費電力削減方法、記録媒体及びプログラムを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであり、本発明の網終端装置においては、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置において、網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定の時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手段と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、加入者線路の電圧が正極性(L1>L2)に変化した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手段と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、加入者線路の電圧が反転極性(L1<L2)に維持された場合には、それ以降、切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手段とを具備することを特徴とする。
【0026】
本発明の網終端装置の構成においては、網終端装置において接続されるノードシステムの種別A/Bを識別し、ノードシステムBが接続されていると確認された場合は、発信起動によるレイヤ1起動後、切替回路内の抵抗器を切り離し、着信起動時と同等の消費電力削減効果を得るものである。そのために、網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期が確立した後のある一定時間経過後に、反転極性の電流を流す切替回路内の抵抗器を加入者線路L1−L2から切り離し、抵抗器を切り離し後のある一定時間内に加入者線路の電圧が正極性(L1>L2)であることを検出した場合には、ノードシステムAと判断し、その後の発信動作においては抵抗器を加入者線路L1−L2から切り離す動作は実施しない。また、抵抗器の切り離し後も、加入者線路の電圧について反転極性(L1<L2)が維持された場合には、ノードシステムBと判断し、切替回路内の抵抗器の加入者線路L1−L2からの切り離しを継続する。
これにより、網終端装置において、発信起動時にノードシステムBに接続する場合には、着信起動時と同等の消費電力削減効果を得ることができる。
【0027】
また、本発明の網終端装置においては、加入者線路に印可される正極性の電圧を検出する正極性検出部と、反転極性の電圧を検出する反転極性検出部と、加入者線路に正極性の直流電流を流すための発信回路と、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置において、網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手段と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、前記正極性検出部により正極性(L1>L2)を検出した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手段と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、前記反転極性検出部による反転極性(L1<L2)の検出が継続した場合には、それ以降、前記切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手段とを具備することを特徴とする。これにより、網終端装置において、発信起動時にノードシステムBに接続する場合には、着信起動時と同等の消費電力削減効果を得ることができる。
【0028】
また、本発明の網終端装置においては、加入者線路に印可される正極性の電圧を検出する正極性検出部と、反転極性の電圧を検出する反転極性検出部と、加入者線路に正極性の直流電流を流すための発信回路と、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置において、初期状態でリセットされるタイマ回路及びフラグ回路と、網終端装置の発信起動時に、前記反転極性検出部からの反転極性検出信号"1"を検出して前記タイマ回路の計時をスタートさせる第1の手段と、前記第1の手段における前記タイマ回路の計時終了時に、U点インターフェースの同期確立信号"1"と、フラグ値"0"の条件が成立する場合には、前記切替回路を"OFF"として加入者線路から切り離し、さらに前記タイマーの計時を再スタートし、フラグ値を"1"に設定する第2の手段と、前記第2の手段により再スタートされたタイマ回路の計時終了時に、U点インターフェースの同期確立信号"1"とフラグ値"1"の条件が成立する場合には、切替回路の"OFF"状態を継続し、さらにタイマを停止し、フラグ値を"0"に設定し、該状態で網終端装置が通信を行う第3の手段と、前記第2の手段より再スタートされたタイマ回路の計時開始から終了までの間に、正極性検出信号"1"が検出された場合には、切替回路の"OFF"動作を中断し、タイマを停止させる第4の手段とを具備することを特徴とする。
これにより、網終端装置において、発信起動時にノードシステムBに接続する場合には、着信起動時と同等の消費電力削減効果を得ることができる。
【0029】
また、本発明の網終端装置における消費電力削減方法においては、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置における消費電力削減方法であって、網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定の時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手順と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、加入者線路の電圧が正極性(L1>L2)に変化した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手順と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、加入者線路の電圧が反転極性(L1<L2)に維持された場合には、それ以降、切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手順とを含むことを特徴とする。
これにより、網終端装置において、発信起動時にノードシステムBに接続する場合には、着信起動時と同等の消費電力削減効果を得ることができる。
【0030】
また、本発明の網終端装置における消費電力削減方法においては、加入者線路に印可される正極性の電圧を検出する正極性検出部と、反転極性の電圧を検出する反転極性検出部と、加入者線路に正極性電流を流すための発信回路と、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置における消費電力削減方法であって、終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手順と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、前記正極性検出部により正極性(L1>L2)を検出した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手順と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、前記反転極性検出部による反転極性(L1<L2)の検出が継続した場合には、それ以降、前記切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手順とを含むことを特徴とする。
これにより、網終端装置において、発信起動時にノードシステムBに接続する場合には、着信起動時と同等の消費電力削減効果を得ることができる。
【0031】
また、本発明の網終端装置における消費電力削減方法においては、加入者線路に印可される正極性の電圧を検出する正極性検出部と、反転極性の電圧を検出する反転極性検出部と、加入者線路に正極性の直流電流を流すための発信回路と、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置における消費電力削減方法であって、タイマ回路及びフラグ回路を初期状態でリセットする手順と、網終端装置の発信起動時に、前記反転極性検出部からの反転極性検出信号"1"を検出して前記タイマ回路の計時をスタートさせる第1の手順と、前記第1の手順における前記タイマ回路の計時終了時に、U点インターフェースの同期確立信号"1"と、フラグ値"0"の条件が成立する場合には、前記切替回路を"OFF"として加入者線路から切り離し、さらに前記タイマーの計時を再スタートし、フラグ値を"1"に設定する第2の手順と、前記第2の手順により再スタートされたタイマ回路の計時終了時に、U点インターフェースの同期確立信号"1"とフラグ値"1"の条件が成立する場合には、切替回路の"OFF"状態を継続し、さらにタイマを停止し、フラグ値を"0"に設定し、該状態で網終端装置が通信を行う第3の手順と、前記第2の手順より再スタートされたタイマ回路の計時開始から終了までの間に、正極性検出信号"1"が検出された場合には、切替回路の"OFF"動作を中断し、タイマを停止させる第4の手順とを含むことを特徴とする。
これにより、網終端装置において、発信起動時にノードシステムBに接続する場合には、着信起動時と同等の消費電力削減効果を得ることができる。
【0032】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置内のコンピュータに、網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定の時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手順と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、加入者線路の電圧が正極性(L1>L2)に変化した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手順と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、加入者線路の電圧が反転極性(L1<L2)に維持された場合には、それ以降、切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手順とを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0033】
また、本発明のコンピュータプログラムは、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置内のコンピュータに、網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定の時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手順と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、加入者線路の電圧が正極性(L1>L2)に変化した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手順と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、加入者線路の電圧が反転極性(L1<L2)に維持された場合には、それ以降、切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手順と実行させるためのプログラムである。
【0034】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、加入者線路に印可される正極性の電圧を検出する正極性検出部と、反転極性の電圧を検出する反転極性検出部と、加入者線路に正極性電流を流すための発信回路と、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置内のコンピュータに、網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手順と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、前記正極性検出部により正極性(L1>L2)を検出した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手順と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、前記反転極性検出部による反転極性(L1<L2)の検出が継続した場合には、それ以降、前記切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手順とを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0035】
また、本発明のコンピュータプログラムは、加入者線路に印可される正極性の電圧を検出する正極性検出部と、反転極性の電圧を検出する反転極性検出部と、加入者線路に正極性電流を流すための発信回路と、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置内のコンピュータに、網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手順と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、前記正極性検出部により正極性(L1>L2)を検出した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手順と、前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、前記反転極性検出部による反転極性(L1<L2)の検出が継続した場合には、それ以降、前記切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手順とを実行させるためのプログラムである。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0037】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施におけるISDNディジタル通信方式のシステム構成を示す図であり、システムは局ビル側から下り方向にノードシステム31、回線終端装置33、加入者線路34、網終端装置10の順に接続される。また、ノードシステム31と回線終端装置33は、V点インターフェース32により接続される。回線終端装置33と網終端装置10は加入者線路34を介して、前記TTC標準で規定されるU点インターフェース35により接続されている。
【0038】
なお、前述した如く、ノードシステム31には、「ノードシステムA」と「ノードシステムB」の2種類が存在する。以下、ノードシステムと呼ぶ場合は「ノードシステムA」と「ノードシステムB」の両方を指すものとする。
【0039】
また、図2は、第1の実施の形態における網終端装置のブロック構成を示す図であり、図2に示す網終端装置において、NT機能部11、発信回路12、制御部13、正極性検出部14、反転極性検出部15、切替回路16、フラグ回路17、タイマT1回路18により構成される。
【0040】
また、図3は、第1の実施の形態におけるタイマT1回路の内部構成例を示す図であり、タイマT1回路18の内部回路構成例を示す。
・タイマT1回路18のスタート条件(セット条件)は、
「(フラグ値="0")×(切替信号"ON")×
×(反転極性検出信号"OFF"→"ON"立ち上がりエッジ検 出)」
または、
「フラグ値の"0"→"1"立ち上がりエッジ検出」
である。
・タイマT1回路18のストップ条件(リセット条件)は、
「パワーオンリセット」
または、
「(フラグ値="1")×(正極性検出信号"ON")」
または、
【0041】
「(フラグ値="0")×
(計時カウンタ満了(300ms程度)立ち上がりエッジ検出)」である。
・タイマT1は「タイマ内計時カウンタ満了立ち上がりエッジ検出パルス」を
「タイマT1停止」の信号として出力する(50ms程度)。
【0042】
また、図4は、第1の実施の形態におけるフラグ回路の内部構成例を示す図であり、網終端装置10内のフラグ回路17の内部構成例を示している。
・フラグ回路17のフラグ値セット条件("0"→"1"条件)は、
「(切替信号"OFF")×(DFS="1")×(タイマT1"停止")」
である。
・フラグ回路17のフラグ値リセット条件("1"→"0"の条件)は、
「パワーオンリセット」
または、
「(DFS="1")×(タイマT1"停止")」
または、
「(正極性検出信号"OFF")×(反転極性検出信号"OFF")」
である。
【0043】
なお、図3中の立ち上がりエッジ検出部は微分回路であり「論理"0"→"1"」のステート変化を「"0"→"1"(50ms程度)→"0"」のパルス的な論理に変換する。
【0044】
また、図2において、
・NT機能部11は、TTC標準に規定されるパルスを認識し、回線終端装置33との通信を行う機能を有する。NT機能部11は下り方向(回線終端装置33→網終端装置20方向)の同期状態を示す「同期状態信号DFS="1"」を出力する。
・また、NT機能部11は、「同期状態信号DFS」により制御部13及びフラグ回路17に接続される。
・発信回路12は直流終端抵抗器R1、ダイオードD1、発信SWで構成される。発信SWは「発信信号"ON"で"ON"」、「発信信号"OFF"で"OFF"とする。
・また、正極性検出部14の直流入力抵抗値を高抵抗(ハイ・インピーダンス)とし、反転極性検出部15の直流入力抵抗値を高抵抗(ハイ・インピーダンス)とする。
・切替回路16は直流終端抵抗器RD1、ダイオードD2、切替SWにより構成される。切替SWは「切替信号"ON"で"ON"」、「切替信号"OFF"で"OFF"」とする。
・タイマT1回路18は制御部13、フラグ回路17、正極性検出部14及び反転極性検出部15に接続される。
・フラグ回路17は制御部13、タイマT1回路18、正極性検出部14及び反転極性検出部15に接続される。
【0045】
また、図5は、第1の実施の形態における網終端装置の状態遷移を示す図である。図5中の四角枠が網終端装置10内各部の遷移状態を表し、四角枠左上の数値(1−1〜1−5、2−1)は網終端装置の遷移状態を表す番号である。なお、図5中「フラグ値=*」はフラグ値が遷移前の値を保持することを表す。例えば「状態1−4」から「状態1−2」に遷移した場合、「状態1−2」でのフラグ値は"1"である。なお、網終端装置Lの「状態1−1」はパワーオンリセット直後の状態であり、「発信信号"OFF"」、「切替信号"OFF"」、「NT機能部"停止"」の他、「正極性検出信号"OFF"」、「反転極性検出信号"OFF"」、「タイマT1"停止"」、「フラグ値"0"」となる。
【0046】
[ノードシステムBによる発信起動]
以上のシステム構成の基で、本例の動作ついて説明するが、着信起動については従来技術の網終端装置Lと同様なので説明を省略し、本発明のノードシステムBによる発信起動の動作について説明する。
【0047】
(1)図6は、第1の実施の形態における網終端装置のノードシステムB系での発信起動時の動作を示す図であり、V点信号FE1(着信起動要求)、FE2(発信起動要求)、FE3(U点レイヤ1起動完了信号)の状態、加入者線路34の極性及び電流値、網終端装置10の正極性検出信号、反転極性検出信号、発信信号、切替信号、同期状態信号DFSの各状態を示している。なお、図6中の状態遷移番号(1−1〜1−5、及び2−1)は、図5に示した網終端装置10の遷移状態を表す。なお、「状態1−3」に至るまでの過程は従来技術の網終端装置Lの場合と同じであるため省略する。
【0048】
(2)「状態1−3」に遷移するとタイマT1回路18はセット条件「(フラグ値="0")×(切替信号"ON")×(反転極性検出信号"OFF"→"ON"立ち上がりエッジ検出パルス)」が成立するのでスタートする(時刻t2)。
【0049】
(3)NT機能部11は下り方向(回線終端装置33→網終端装置10)の同期が確立すると制御部13とフラグ回路17に「同期状態信号DFS="1"」を送信する(時刻t3)。
【0050】
(4)網終端装置10内のNT機能部11にて、「同期状態信号DFS="1"」が成立後、約100ms程度で上り方向(網終端装置10→回線終端装置33方向)の同期が入りU点のレイヤ1起動が完了する。
【0051】
(5)回線終端装置33は、U点レイヤ1起動が完了すると、「U点レイヤ1起動完了」を示す「V点インタフェース信号FE3(U点レイヤ1起動完了信号)」をノードシステムBに送信する(時刻t4)。また、このとき加入者線路L1−L2には抵抗RD1を通じて電流が流れているので、回線終端装置33はそれを示す「V点インタフェース信号FE2(発信起動要求信号)」のノードシステムBへの送信を維持している。
【0052】
(6)ノードシステムBは、「FE3(U点レイヤ1起動完了信号)」と「FE2(発信起動要求信号)」を受信すると、回線終端装置33に「FE1(着信起動要求信号)」を送信する。
【0053】
(7)また、網終端装置10内のタイマT1回路18はタイマ内の計時カウンタ満了時、「タイマT1停止信号」を制御部13及びフラグ回路17に送信する。このときタイマT1回路18のリセット条件「(フラグ値="0")×計時カウンタ満了立ち上がりエッジ検出パルス」が成立するので、タイマT1回路18は停止する。
【0054】
(8)制御部13は「(フラグ値="0")×(同期状態信号DFS="1")×(タイマT1"停止")」が成立するので「切替信号"OFF"」とし、網終端装置10を「状態1−3」から「状態1−4」に遷移させる(時刻t5)。網終端装置が「状態1−3」に遷移してからU点レイヤ1の起動が完了するまでの時間は約200msであるので(時刻t2〜t4)、網終端装置が「状態1−4」に遷移する以前に回線終端装置33はFE1(着信起動要求)を受信している。
【0055】
(9)網終端装置10が、「状態1−4」へ遷移すると、フラグ回路17は「(切替信号"OFF")×(同期状態信号DFS="1")×(タイマT1"停止")」が成立するのでフラグ値を"1"とする。
【0056】
(10)タイマT1回路18は「フラグ値の"0"→"1"立ち上がりエッジ検出パルス」を検出しタイマT1回路18を再スタートさせる。このとき、抵抗器RD1は「切替信号"OFF"」により加入者線路34から切り離されているので加入者線路34に電流は流れない。しかし回線終端装置33は「FE1(着信起動要求信号)」を受信しているので電流I2が検出できなくても、反転極性(L1<L2)を維持する。従ってU点レイヤ1の起動は維持され、タイマT1回路18の計時カウンタ満了時に「同期状態信号DFS="1"」は維持される。
【0057】
(11)従ってタイマT1回路18の計時カウンタ満了時、「タイマT1"停止"信号」を制御部13及びフラグ回路17に送信すると、制御部13は「(同期状態信号DFS="1")×(タイマT1"停止")」を認識し、網終端装置を「状態1−4」から「状態1−5」に遷移させる(時刻t6)。このときフラグ回路17は「(同期状態信号DFS="1")×(タイマT1"停止")」により「フラグ値="0"」とする。このときタイマT1回路リセット条件「(フラグ値="0")×計時カウンタ満了立ち上がりエッジ検出パルス」が成立するので、タイマT1回路18は"停止"する。
【0058】
(12)最終的に網終端装置10は「状態1−5」にて回線終端装置33と通信を行う。「状態1−5」では「切替信号"OFF"」であるので、加入者線路L1−L2には電流は流れない。従って最終的にノードシステムBでの発信起動にて着信起動時と同等の電力削減効果が得られることになる。
【0059】
(13)次に"停止"について説明する。停止時はノードシステム31より停止要求信号である「V点インタフェース信号FE5(停止要求信号)」が回線終端装置33に送信される(図示せず)。回線終端装置33は「FE5(停止要求信号)」を受信すると、加入者線極性を反転極性(L1<L2)から正極性(L1>L2)する。このとき網終端装置の制御部13は「正極性検出信号"ON"」を認識し網終端装置10を「状態1−5」から「状態1−1」に遷移させ"停止状態"となる。
【0060】
[ノードシステムAによる発信起動]
次に、第1の実施の形態の網終端装置におけるノードシステムAでの発信起動の動作について説明する。
【0061】
図7は、第1の実施の形態おける網終端装置のノードシステムA系での発信起動時の動作を示す図であり、V点信号FE1(着信起動要求信号)、FE2(発信起動要求信号)、FE3(U点レイヤ1起動完了信号)の状態、加入者線路34の極性及び電流値、網終端装置の正極性検出信号、反転極性検出信号、発信信号、切替信号、同期状態信号DFSの各状態を示している。なお、図7中の状態遷移番号(1−1〜1−5、2−1)は図5に示した網終端装置10の遷移状態を表す。
【0062】
(1)「状態1−3」に至るまでの過程は、従来技術の網終端装置Lの場合と同様であるので省略する。
【0063】
(2)「状態1−3」に遷移すると、タイマT1回路18はセット条件が成立するのでスタートする(時刻t2)。「状態1−3」にてレイヤ1起動手順が進行する。
【0064】
(3)NT機能部11は下り方向(回線終端装置33→網終端装置10)の同期が確立すると、フラグ回路17に「同期状態信号DFS="1"」を送信する(時刻t3)。
【0065】
(4)網終端装置10内のNT機能部11にて、「同期状態信号DFS="1"」成立後、約100ms程度で上り方向(網終端装置10→回線終端装置33方向)の同期が入りU点のレイヤ1起動が完了する。
【0066】
(5)回線終端装置33は、U点レイヤ1起動が完了すると、U点レイヤ1起動完了を示すV点インタフェース信号FE3(U点レイヤ1起動完了信号)をノードシステムAに送信する。また、このとき加入者線路L1−L2には抵抗器RD1を通じて電流が流れているので、回線終端装置33はそれを示す「V点インタフェース信号FE2(発信起動要求信号)」のノードシステムAへの送信を維持している。
【0067】
(6)ノードシステムAは、「FE3(U点レイヤ1起動完了信号)」と「FE2(発信起動要求信号)」を受信しても、回線終端装置33に「FE1(着信起動要求信号)」を送信しない。
【0068】
(7)網終端装置10内のタイマT1回路18内の計時カウンタ満了時、「タイマT1停止信号」を制御部13及びフラグ回路17に送信する。制御部13は「(フラグ値="0")×(同期状態信号DFS="1")」が成立すると「切替信号"OFF"」とし、網終端装置を「状態1−3」から「状態1−4」に遷移させる(時刻t4)。
【0069】
(8)網終端装置は「状態1−4」へ遷移すると、フラグ回路17は「(切替信号"OFF")×(同期状態信号DFS="1")×(タイマT1"停止")」が成立するのでフラグ値を"1"とする。タイマT1回路18は「フラグ値の"0"→"1"立ち上がりエッジ検出パルス」を検出しタイマを再スタートさせる。このとき、「RD1は切替信号"OFF"」により加入者線路34から切り離されているので加入者線路34に電流は流れない。
【0070】
(9)回線終端装置33は、「FE1(着信起動要求信号)」を受信していないので電流I2が検出できないことを認識すると、加入者線極性を反転極性(L1<L2)から正極性(L1>L2)にする。網終端装置10内の制御部13は「正極性検出信号"ON"」を認識すると「切替信号"ON"」とし、網終端装置を「状態1−4」から「状態1−2」に遷移させる(時刻t5)。「状態1−2」に遷移すると、制御部13は「切替信号"ON"」とし、NT機能部11を"停止"する。従って、レイヤ1起動手順はリセットされる。このとき加入者線L1−L2に抵抗器R1を通じて電流I2が流れる。
【0071】
(10)回線終端装置33は電流I2を検出し、加入者線極性を正極性(L1>L2)から反転極性(L1<L2)にする。また、回線終端装置33は電流I2を検出するとノードシステム31に「V点インタフェース信号FE2」を送信する。
【0072】
(11)加入者線極性が反転極性(L1<L2)となると、網終端装置10の制御部13は「反転極性検出信号"ON"」を認識し、網終端装置10を「状態1−2」から「状態1−3」に遷移させる(時刻t6)。このとき加入者線路L1−L2には抵抗RD1を通じて電流I2が流れる。このとき「フラグ値="1"」であるのでタイマT1回路18はスタートしない。「状態1−3」に遷移すると網終端装置10内のNT機能部11が起動する。
【0073】
(12)回線終端装置33は電流I2を検出し、「V点インタフェース信号FE2」のノードシステム31ヘの送信を継続する。回線終端装置33は電流I2が検出されている場合は、反転極性(L1<L2)を維持するので、発信起動によるU点レイヤ1起動手順が改めて進行する。
【0074】
(13)これ以降の動作は、従来技術の網終端装置Lと同様である。もはやフラグ値は「パワーオンリセット」または「(正極性検出信号"OFF")×(反転極性検出信号"OFF")」以外ではリセットされない。パワーオンリセットはユーザーによる電源の"OFF"/"ON"、(正極性検出信号"OFF")×(反転極性検出信号"OFF")はユーザーによる網終端装置への加入者線入力の抜き差し、局側でのノードシステム31の変更(例A→B)等、通常通信時には起こりえないケースである。
【0075】
従って、通常通信では、ノードシステムAの系において、本例の網終端装置は、従来の網終端装置L100と同様の動作を行う。
【0076】
[第2の実施の形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態におけるISDNディジタル通信方式のシステム構成を示す図であり、システムは局ビル側から下り方向にノードシステム41、回線終端装置43、加入者線路44、網終端装置20の順に接続される。また、ノードシステム41と回線終端装置43は、V点インターフェース42により接続される。回線終端装置43と網終端装置20は加入者線路44を介して、TTC標準で規定されるU点インターフェース45により接続されている。
【0077】
なお、前述した如く、ノードシステム41には、「ノードシステムA」と「ノードシステムB」の2種類が存在する。以下、ノードシステムと呼ぶ場合は「ノードシステムA」と「ノードシステムB」の両方を指すものとする。
【0078】
また、図9は、第2の実施の形態における網終端装置のブロック構成を示す図であり、網終端装置20は、NT機能部21、発信回路22、制御部23、正極性検出部24、反転極性検出部25、切替回路26、フラグ回路27、タイマT1回路28により構成される。図9に示す網終端装置の構成は、図2に示す第1の実施の形態の網終端装置の構成とほぼ同じであるが、相違点はNT機能部21から上下方向(回線終端装置43→網終端装置20方向、及び網終端装置20→回線終端装置43方向)の同期状態を示す信号OFSが出力されていることである。第1の実施の形態では、下り方向(回線終端装置→網終端装置方向)の同期状態を示す信号DFSが出力されている。
【0079】
また、図10は、第2の実施の形態におけるタイマT1回路28の内部構成例を示す図であり、
・タイマT1回路28のスタート条件(セット条件)は、
「(フラグ値="0")×(切替信号"ON")×
×(反転極性検出信号"OFF"→"ON"立ち上がりエッジ検出パルス)」
または、
「フラグ値の"0"→"1"立ち上がりエッジ検出パルス」である。
・タイマT1回路28のストップ条件(リセット条件)は、
「パワーオンリセット」
または、
「(フラグ値="1")×(正極性検出信号"ON")」
または、
「(フラグ値="0")×計時カウンタ満了(300ms程度)立ち上がりエッジ検出」である。
・また、タイマT1回路28は「計時カウンタ満了(300ms程度)立ち上がりエッジ検出パルス」を論理「タイマT1回路"停止"」として出力する。
【0080】
また、図11は、第2の実施の形態におけるフラグ回路の内部構成例を示す図であり、
・フラグ回路27のフラグ値セット条件("0"→"1"条件)は、
「(切替信号"OFF")×(同期状態信号OFS="1")×(タイマT1回路"停止")」である。
【0081】
・フラグ回路27のフラグ値リセット条件("1"→"0"条件)は、
「パワーオンリセット」
または、
「(同期状態信号OFS="1")×(タイマT1回路"停止")」
または、
「(正極性検出信号"OFF")×(反転極性検出信号"OFF")」
である。
【0082】
なお、図10中の立ち上がりエッジ検出部は微分回路であり「論理"0"→"1"」のステート変化を「"0"→"1"(50ms程度)→"0"」のパルス的な論理に変換する。
【0083】
また、図9に示すブロック回路において、
・NT機能部21は、TTC標準に規定されるパルスを認識し、回線終端装置43との通信を行う機能を有する。NT機能部21は上下方向(「回線終端装置43→網終端装置20方向」及び「網終端装置20→回線終端装置43」)の同期状態を示す「信号同期状態信号OFS="1"」を出力する。「同期状態信号OFS="1"」は「U点のレイヤ1起動が完了した」ことを意味する。また、NT機能部21は制御部23及びフラグ回路27に接続される。
・発信回路22は直流終端抵抗器R1、ダイオードD1、発信SWで構成される。
・発信SWは「発信信号"ON"で"ON"」、「発信信号"OFF"で"OFF"」となる。
・また、正極性検出部24の直流入力抵抗値は、高抵抗(ハイ・インピーダンス)とし、反転極性検出部25の直流入力抵抗値も高抵抗(ハイ・インピーダンス)となる。
・切替回路26は直流終端抵抗器RD1、ダイオードD2、切替SWにより構成される。切替SWは「切替信号"ON"で"ON"」、「切替信号"OFF"で"OFF"」とする。
・タイマT1回路28は、制御部23、フラグ回路27、正極性検出部24及び反転極性検出部25に接続される。
・フラグ回路27は、制御部23、クイマT1回路28、正極性検出部24及び反転極性検出部25に接続される。
【0084】
また、図12は、第2の実施の形態における網終端装置の状態遷移を示す図であり、図12中の四角枠が網終端装置20内の各部の遷移状態を表し、四角枠左上の数値(1−1〜1−5、及び2−1)は網終端装置20の遷移状態を表す番号である。なお、図12中の「フラグ値=*」はフラグ値が遷移前の値を保持することを表す。例えば「状態1−4」から「状態1−2」に遷移した場合、「状態1−2」でのフラグ値は"1"である。
【0085】
また、網終端装置20の「状態1−1」はパワーオンリセット直後の状態であり、「発信信号"OFF"」、「切替信号"OFF"」、「NT機能部"停止"」の他、「正極性検出信号"OFF"」、「反転極性検出信号"OFF"」、「タイマT1回路"停止"」、「フラグ値"0"」となる。
【0086】
[ノードシステムBによる発信起動]
以上説明した網終端装置20の構成の基で、発信起動の動作について説明する。なお、着信起動については従来の網終端装置Lと同様なので説明を省略する。最初に、ノードシステムBでの発信起動について説明する。
【0087】
(1)図13は、第2の実施の形態における網終端装置のノードシステムB系での発信起動時の動作を示す図であり、V点信号FE1(着信起動要求信号)、FE2(発信起動要求信号)、FE3(U点レイヤ1起動完了信号)の状態、加入者線路44の極性及び電流値、網終端装置20の正極性検出信号、反転極性検出信号、発信信号、切替信号、同期状態信号OFSの各状態を示している。なお、図13中の状態遷移番号(1−1〜1−5、及び2−1)は、図12に示した網終端装置20の状態を表す。なお、「状態1−3」に至るまでの過程は、従来技術の網終端装置L(図15)と同様であるので省略する。
【0088】
(2)「状態1−3」に遷移すると、タイマT1回路28では、セット条件「(フラグ値="0")×(切替信号"ON")×(反転極性検出信号"OFF"→"ON"立ち上がりエッジ検出パルス)」が成立するので計時をスタートする(時刻t2)。
【0089】
(3)NT機能部21は、上下方向(「回線終端装置43→網終端装置20方向」及び「網終端装置20→回線終端装置43」)の同期が確立すると制御部13とフラグ回路17に「同期状態信号OFS="1"」を送信する(時刻t3)。
【0090】
(4)回線終端装置43は、U点レイヤ1起動が完了すると、U点レイヤ1起動完了を示す「V点インタフェース信号FE3(U点レイヤ1起動完了信号)」をノードシステムBに送信する(時刻t4)。また、このとき加入者線路L1−L2には抵抗RD1を通じて電流が流れているので、回線終端装置43はそれを示す「V点インタフェース信号FE2(発信起動要求信号)」のノードシステムBへの送信を維持している。
【0091】
(5)ノードシステムBは、「FE3(U点レイヤ1起動完了信号)」と「FE2(発信起動要求信号)」を受信すると、回線終端装置43に「FE1(着信起動要求)」を送信する(時刻t4)。
【0092】
(6)網終端装置20内のタイマT1回路28が計時カウンタ満了時、「タイマT1回路"停止信号"」を制御部23及びフラグ回路27に送信する。このときタイマT1回路はリセット条件「(フラグ値="0")×計時カウンタ満了立ち上がりエッジ検出パルス」が成立するので"停止"する。
【0093】
(7)制御部23は「(フラグ値="0")×(OFS="1")×(タイマT1回路"停止")」が成立するので「切替信号"OFF"」とし網終端装置20を「状態1−3」から「状態1−4」に遷移させる(時刻t4)。
【0094】
(8)網終端装置20が「状態1−3」に遷移してから「同期状態信号OFS="1"」となるまでの時間は約200msであるので、網終端装置20が「状態1−4」に遷移する以前に、回線終端装置43はFE1(着信起動要求)を受信している。
【0095】
(9)網終端装置20は「状態1−4」へ遷移すると、フラグ回路27は「(切替信号"OFF")×(OFS="1")×(タイマT1回路"停止")」が成立するので、フラグ値を"1"とする。タイマT1回路28は「フラグ値の"0"→"1"立ち上がりエッジ検出パルス」を検出しタイマを再スタートさせる。このとき、抵抗器RD1は切替信号"OFF"により加入者線路44から切り離されているので、加入者線路44に電流は流れない。しかし回線終端装置43はFE1(着信起動要求)を受信しているので電流I2が検出できなくても、反転極性(L1<L2)を維持する。従ってU点レイヤ1の起動は維持され、タイマT1回路28の計時カウンタ満了時に「同期状態信号OFS="1"」は維持される。
【0096】
(10)従ってタイマT1回路28が計時カウンタ満了時、「タイマT1回路"停止信号"」を制御部13及びフラグ回路27に送信すると 制御部13は「(同期状態信号OFS="1")×(タイマT1回路"停止")」を認識し、網終端装置を「状態1−4」から「状態1−5」に遷移させる(時刻t5)。このときフラグ回路17は「(OFS="1")×(タイマT1回路28"停止")」により「フラグ値="0"」とする。このときタイマT1回路28はリセット条件「(フラグ値="0")×(計時カウンタ満了立ち上がりエッジ検出パルス)」が成立するので停止する。
【0097】
(11)最終的に網終端装置は、「状態1−5」にて回線終端装置43と通信を行う。「状態1−5」では「切替信号"OFF"」であるので加入者線路L1−L2には電流は流れない。従つて、最終的にノードシステムBでの発信起動にて着信起動時と同等の電力削減効果が得られることになる。
【0098】
(12)次に"通信停止"について説明する。通信の停止時はノードシステム41より停止要求信号である「V点インタフェース信号FE5(停止要求信号)」が回線終端装置43に送信される(図示せず)。回線終端装置43は「FE5(停止要求信号)」を受信すると、加入者線極性を反転極性(L1<L2)から正極性(L1>L2)にする。このとき網終端装置20の制御部13は「正極性検出信号"ON"」を認識し、網終端装置20を「状態1−5」から「状態1−1」に遷移させ"停止"状態となる(時刻t6)。
【0099】
[ノードシステムAによる発信起動]
次に、本例の網終端装置20におけるノードシステムAでの発信起動の動作について説明する。
【0100】
図14は、第2の実施の形態における網終端装置のノードシステムA系での発信起動時の動作を示す図であり、V点信号FE1(着信起動要求)、FE2(発信起動要求信号)、FE3(U点レイヤ1起動完了信号)の状態、加入者線路44の極性及び電流値、網終端装置20の正極性検出信号、反転極性検出信号、発信信号、切替信号、同期状態信号OFSの各状態を示している。なお、図14中の状態遷移番号(1−1〜1−5、2−1)は、図12に示した網終端装置の遷移状態を表す。
【0101】
(1)「状態1−3」に至るまでの過程は、従来技術の網終端装置Lと同様であるので省略する。
【0102】
(2)「状態1−3」に遷移すると、タイマT1回路28はセット条件「(フラグ値="0")×(切替信号"ON")×(反転極性検出信号"OFF"→"ON"立ち上がりエッジ検出パルス)」が成立するのでスタートする(時刻t2)。また、「状態1−3」にてレイヤ1起動手順が進行する。
【0103】
(3)NT機能部21は、上下方向(「回線終端装置43→網終端装置20」及び「網終端装置20→回線終端装置43」)の同期が確立すると制御部23とフラグ回路27に「同期状態信号OFS="1"」を送信する(時刻t3)。
【0104】
(4)回線終端装置43は、U点レイヤ1起動が完了すると、U点レイヤ1起動完了を示す「V点インタフェース信号FE3(U点レイヤ1起動完了信号)」をノードシステムAに送信する。また、このとき加入者線路L1−L2には切替回路26内の抵抗器RD1を通じて電流が流れているので、回線終端装置43はそれを示す「V点インタフェース信号FE2(発信起動要求信号)」のノードシステムAへの送信を維持している。
【0105】
(5)また、ノードシステムAは、「FE3(U点レイヤ1起動完了信号)」と「FE2(発信起動要求信号)」を受信しても回線終端装置43に「FE1(着信起動要求信号)」を送信しない。
【0106】
(6)網終端装置20内のタイマT1回路28は計時カウンタ満了時、「タイマT1回路"停止信号"」を制御部23及びフラグ回路27に送信する。制御部23は「(フラグ値="0")×(同期状態信号OFS="1")」が成立すると「切替信号"OFF"」とし網終端装置を「状態1−3」から「状態1−4」に遷移させる(時刻t4)。
【0107】
(7)網終端装置20は「状態1−4」へ遷移すると、フラグ回路27は「(切替信号"OFF")×(OFS="1")×(タイマT1回路"停止")」が成立するので、フラグ値を"1"とする。タイマT1回路28は「フラグ値の"0"→"1"立ち上がりエッジ検出パルス」を検出し、タイマT1回路28を再スタートさせる。このとき、抵抗器RD1は「切替信号"OFF"」により加入者線路44から切り離されているので加入者線路44に電流は流れない。
【0108】
(8)回線終端装置43は「FE1(着信起動要求)」を受信していないので電流I2が検出できないことを認識すると、加入者線極性を反転極性(L1<L2)から正極性(L1>L2)にする。
【0109】
(9)網終端装置内制御部23は「正極性検出信号"ON"」を認識すると、「切替信号"ON"」とし、網終端装置20を「状態1−4」から「状態1−2」に遷移させる(時刻t5)。「状態1−2」に遷移すると、制御部は「切替信号"ON"」とし、NT機能部21を"停止"する。従って、レイヤ1起動手順はリセットされる。このとき加入者線L1−L2に発信回路22内の抵抗器R1を通じて電流I2が流れる。
【0110】
(10)回線終端装置43は電流I2を検出し、加入者線極性を正極性(L1>L2)から反転極性(L1<L2)にする。また、回線終端装置43は電流I2を検出すると、ノードシステム41に「V点インタフェース信号FE2(発信起動要求信号)」を送信する。
【0111】
(11)加入者線極性が反転極性(L1<L2)となると網終端装置20内の制御部23は「反転極性検出信号"ON"」を認識し、網終端装置20を「状態1−2」から「状態1−3」に遷移させる(時刻t6)。このとき加入者線路L1−L2には切替回路26内の抵抗器RD1を通じて電流I2が流れる。また、このとき「フラグ値="1"」であるのでタイマT1回路28はスタートしない。
【0112】
(12)「状態1−3」に遷移すると網終端装置20のNT機能部21が起動する。回線終端装置43は電流I2を検出し「V点インタフェース信号FE2」のノードシステム41ヘの送信を継続する。回線終端装置43は電流I2が検出されている場合は、反転極性(L1<L2)を維持するので、発信起動によるU点レイヤ1起動手順が改めて進行する。
【0113】
(13)これ以降の動作は従来技術の網終端装置Lと同様である。もはやフラグ値はパワーオンリセットまたは「(正極性検出信号"OFF")×(反転極性検出信号"OFF")」以外ではリセットされない。パワーオンリセットはユーザーによる電源の"OFF"/"ON"、(正極性検出信号"OFF")×(反転極性検出信号"OFF")はユーザーによる網終端装置への加入者線入力の抜き差し、局側でのノードシステム41の変更(例A→B)等、通常通信時には起こりえないケースである。
【0114】
(14)従って、通常通信では、本発明の網終端装置は、ノードシステムAの系における従来技術の網終端装置Lと同様の動作を行う。なお、通信停止時は従来技術の網終端装置Lと同様の動作を行うので説明を省略する。
【0115】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0116】
また、図2及び図9に示した網終端装置内のフラグ回路、タイマ回路、NT機能部、及び制御部などの各処理部は専用のハードウエアにより実現されるものであってもよく、また処理部をメモリおよびCPU(中央処理装置)等の情報処理装置により構成し、この処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行することにより本発明の網終端装置の機能を実現する処理を行ってもよい。
【0117】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハ−ドディスク等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0118】
【発明の効果】
本発明の網終端装置、網終端装置における消費電力削減方法、記録媒体及びプログラムにおいては、網終端装置からの発信起動時に、U点インターフェースの同期確立後ある一定時間を経過したときに、反転極性の直流電流を流す抵抗器を加入者線路L1−L2から切り離し、切り離し後、ある一定時間内に正極性を(L1>L2)を検出した場合は、抵抗器を切り離す動作を中止し、一方 切り離し後も反転極性(L1<L2)が維持された場合は、ノードシステムBと判断し、それ以降、反転極性の直流電流を流す抵抗器を加入者線路L1−L2から切り離すようにしたので、これにより、網終端装置において、発信起動時にノードシステムBに接続する場合には、着信起動時と同等の消費電力削減効果を得ることができる。
【0119】
また、本発明の網終端装置、網終端装置における消費電力削減方法、記録媒体及びプログラムにおいては、網終端装置の発信起動時に、加入者線路の反転極性検出部からの反転極性検出信号を検出しタイマ回路をスタートさせる。また、タイマ回路の計時終了時に、「"タイマ停止信号"、U点インターフェースの同期確立信号"1"、フラグ値"0"」を条件として、「切替信号を"OFF"、フラグ値""1"」とし、さらにタイマ回路を再スタートさせる。そしてタイマ回路の再スタート後の計時終了時に、「"タイマ停止信号"、U点インターフェースの同期確立信号"1"、フラグ値"1"」の条件の基に、「タイマ回路の"停止"、フラグ値""0"、切替回路"OFF"」の設定を行い、この状態で網終端装置が通信を行うようにしたので、これにより、網終端装置において、発信起動時にノードシステムBに接続する場合には、着信起動時と同等の消費電力削減効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態におけるISDNディジタル通信方式のシステム構成を示す図である。
【図2】 第1の実施形態における網終端装置のブロック構成を示す図である。
【図3】 第1の実施形態におけるタイマT1回路の内部構成例を示す図である。
【図4】 第1の実施形態におけるフラグ回路の内部構成例を示す図である。
【図5】 第1の実施形態における網終端装置の状態遷移を示す図である。
【図6】 第1の実施形態における網終端装置のノードシステムB系での発信起動時の動作を示す図である。
【図7】 第1の実施形態における網終端装置のノードシステムA系での発信起動時の動作を示す図である。
【図8】 本発明の第2の実施形態におけるISDNディジタル通信方式のシステム構成を示す図である。
【図9】 第2の実施形態における網終端装置のブロック構成を示す図である。
【図10】 第2の実施形態におけるタイマT1回路の内部構成例を示す図である。
【図11】 第2の実施形態におけるフラグ回路の内部構成例を示す図である。
【図12】 第2の実施形態における網終端装置の状態遷移を示す図である。
【図13】 第2の実施形態における網終端装置のノードシステムB系での発信起動時の動作を示す図である。
【図14】 第2の実施形態における網終端装置のノードシステムA系での発信起動時の動作を示す図である。
【図15】 従来技術の網終端装置Lのブロック構成図である。
【図16】 ISDNディジタル通信方式のシステム構成を示す図である。
【図17】 従来技術の網終端装置Lにおける状態遷移を示す図である。
【図18】 従来技術の網終端装置Lの着信起動時の動作を示す図である。
【図19】 従来技術の網終端装置LのノードシステムA系での発信起動時の動作を示す図である。
【図20】 従来技術の網終端装置LのノードシステムB系での発信起動時の動作を示す図である。
【符号の説明】
10、20 網終端装置
11、21 NT機能部
12、22 発信回路
13、23 制御部
14、24 正極性検出部
15、25 反転極性検出部
16、26 切替回路
17、27 フラグ回路
18、28 タイマT1回路
31、41 ノードシステム
32、42 V点インターフェース
33、43 回線終端装置
34、44 加入者線路
35、45 U点インターフェース
Claims (10)
- 加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置において、
網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定の時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手段と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、加入者線路の電圧が正極性(L1>L2)に変化した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手段と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、加入者線路の電圧が反転極性(L1<L2)に維持された場合には、それ以降、切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手段と
を具備することを特徴とする網終端装置。 - 加入者線路に印可される正極性の電圧を検出する正極性検出部と、反転極性の電圧を検出する反転極性検出部と、加入者線路に正極性の直流電流を流すための発信回路と、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置において、
網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手段と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、前記正極性検出部により正極性(L1>L2)を検出した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手段と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、前記反転極性検出部による反転極性(L1<L2)の検出が継続した場合には、それ以降、前記切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手段と
を具備することを特徴とする網終端装置。 - 加入者線路に印可される正極性の電圧を検出する正極性検出部と、反転極性の電圧を検出する反転極性検出部と、加入者線路に正極性の直流電流を流すための発信回路と、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置において、
初期状態でリセットされるタイマ回路及びフラグ回路と、
網終端装置の発信起動時に、前記反転極性検出部からの反転極性検出信号"1"を検出して前記タイマ回路の計時をスタートさせる第1の手段と、
前記第1の手段における前記タイマ回路の計時終了時に、U点インターフェースの同期確立信号"1"と、フラグ値"0"の条件が成立する場合には、前記切替回路を"OFF"として加入者線路から切り離し、さらに前記タイマーの計時を再スタートし、フラグ値を"1"に設定する第2の手段と、
前記第2の手段により再スタートされたタイマ回路の計時終了時に、U点インターフェースの同期確立信号"1"とフラグ値"1"の条件が成立する場合には、切替回路の"OFF"状態を継続し、さらにタイマを停止し、フラグ値を"0"に設定し、該状態で網終端装置が通信を行う第3の手段と、
前記第2の手段より再スタートされたタイマ回路の計時開始から終了までの間に、正極性検出信号"1"が検出された場合には、切替回路の"OFF"動作を中断し、タイマを停止させる第4の手段と
を具備することを特徴とする網終端装置。 - 加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置における消費電力削減方法であって、
網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定の時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手順と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、加入者線路の電圧が正極性(L1>L2)に変化した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手順と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、加入者線路の電圧が反転極性(L1<L2)に維持された場合には、それ以降、切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手順と
を含むことを特徴とする網終端装置における消費電力削減方法。 - 加入者線路に印可される正極性の電圧を検出する正極性検出部と、反転極性の電圧を検出する反転極性検出部と、加入者線路に正極性電流を流すための発信回路と、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置における消費電力削減方法であって、
網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手順と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、前記正極性検出部により正極性(L1>L2)を検出した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手順と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、前記反転極性検出部による反転極性(L1<L2)の検出が継続した場合には、それ以降、前記切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手順と
を含むことを特徴とする網終端装置における消費電力削減方法。 - 加入者線路に印可される正極性の電圧を検出する正極性検出部と、反転極性の電圧を検出する反転極性検出部と、加入者線路に正極性の直流電流を流すための発信回路と、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置における消費電力削減方法であって、
タイマ回路及びフラグ回路を初期状態でリセットする手順と、
網終端装置の発信起動時に、前記反転極性検出部からの反転極性検出信号"1"を検出して前記タイマ回路の計時をスタートさせる第1の手順と、
前記第1の手順における前記タイマ回路の計時終了時に、U点インターフェースの同期確立信号"1"と、フラグ値"0"の条件が成立する場合には、前記切替回路を"OFF"として加入者線路から切り離し、さらに前記タイマーの計時を再スタートし、フラグ値を"1"に設定する第2の手順と、
前記第2の手順により再スタートされたタイマ回路の計時終了時に、U点インターフェースの同期確立信号"1"とフラグ値"1"の条件が成立する場合には、切替回路の"OFF"状態を継続し、さらにタイマを停止し、フラグ値を"0"に設定し、該状態で網終端装置が通信を行う第3の手順と、
前記第2の手順より再スタートされたタイマ回路の計時開始から終了までの間に、正極性検出信号"1"が検出された場合には、切替回路の"OFF"動作を中断し、タイマを停止させる第4の手順と
を含むことを特徴とする網終端装置における消費電力削減方法。 - 加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置内のコンピュータに、
網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定の時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手順と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、加入者線路の電圧が正極性(L1>L2)に変化した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手順と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、加入者線路の電圧が反転極性(L1<L2)に維持された場合には、それ以降、切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手順と
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置内のコンピュータに、
網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定の時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手順と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、加入者線路の電圧が正極性(L1>L2)に変化した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手順と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、加入者線路の電圧が反転極性(L1<L2)に維持された場合には、それ以降、切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手順と
を実行させるためのプログラム。 - 加入者線路に印可される正極性の電圧を検出する正極性検出部と、反転極性の電圧を検出する反転極性検出部と、加入者線路に正極性電流を流すための発信回路と、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置内のコンピュータに、
網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手順と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、前記正極性検出部により正極性(L1>L2)を検出した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手順と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、前記反転極性検出部による反転極性(L1<L2)の検出が継続した場合には、それ以降、前記切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手順と
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 加入者線路に印可される正極性の電圧を検出する正極性検出部と、反転極性の電圧を検出する反転極性検出部と、加入者線路に正極性電流を流すための発信回路と、加入者線路に反転極性の直流電流を流すための切替回路を有する網終端装置内のコンピュータに、
網終端装置の発信起動時に、U点インターフェースの同期確立から所定時間の経過後に、前記切替回路を加入者線路L1−L2から切り離す手順と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間内に、前記正極性検出部により正極性(L1>L2)を検出した場合には、前記切替回路を加入者線路から切り離す動作を中止する手順と、
前記切替回路の切り離し後から所定の時間に渡り、前記反転極性検出部による反転極性(L1<L2)の検出が継続した場合には、それ以降、前記切替回路の加入者線路L1−L2からの切り離し動作を継続する手順と
を実行させるためのプログラム。
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