JP3729788B2 - 固形化粧料の表面模様付与方法及び該方法により得られる固形化粧料 - Google Patents

固形化粧料の表面模様付与方法及び該方法により得られる固形化粧料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、口紅、アイシャドウ、ファンデーション等の固形化粧料の表面に、ムラ無く、綺麗に模様を付与できる簡便な方法及び該方法により得られる固形化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
消費者が店頭に多数陳列されている化粧品の中から、好みの化粧品を選ぶ条件として、目新しさ、綺麗さ等の外観は、口紅、アイシャドウ、ファンデーション等のメーキャップ化粧料においては、非常に重要な商品特性である。このため、従来よりメーキャップ化粧料の表面に模様を付与する試みが多数行われている。具体的には、▲1▼固形化粧料表面にレーザー光を照射して模様を描く方法、▲2▼光輝性粉体を溶媒に分散して固形化粧料にスプレー塗布する方法、▲3▼粉体を浮遊させた水面上方から固形化粧料を浸漬した後引き上げることにより表面に粉体を被覆する方法等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記▲1▼の方法では、レーザー光を照射する装置が複雑になり、その照射条件の設定も複雑で簡便な方法では無く、更にレーザー照射により内容物が変質する場合があった。また、前記▲2▼の方法では、光沢の優れた大きい粒子径の光輝性粉体を用いた場合、スプレーノズルに光輝性粉体が詰まる場合があり、更にスプレー塗布される模様は限られたものしか付与できず、良好な光沢の模様を得ることは難しかった。そして、前記▲3▼の方法では、水面上に均一に粉体を浮遊することは難しく、結果として固形化粧料表面に粉体が凝集状態で転写されてしまう場合があった。
【0004】
このため、固形化粧料の表面に、光沢の優れた粒子径の大きい光輝性粉体を用いても、ムラ無く、綺麗に模様を付与できる簡便な方法の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる事情に鑑み、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、水面上に疎水性粉体を均一に浮遊させるためには、水中に界面活性剤を含有させて、その液面に疎水性粉体を分散した揮発性溶媒を展開することが必要であることを見出し、そして、上方から固形化粧料を該揮発性溶媒の液面に浸せき又は接触させることにより、該疎水性粉体を固形化粧料表面に均一に移行できることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち本発明は、界面活性剤を含有する水溶液の液面上に、疎水性粉体を分散した揮発性溶媒を展開し、上方から固形化粧料を該揮発性溶媒の液面に浸せき又は接触させ、該疎水性粉体を固形化粧料表面に移行させることを特徴とする固形化粧料の表面模様付与方法及び該方法により得られる固形化粧料を提供するものである。
【0007】
また、前記疎水性粉体が疎水性光輝性粉体である前記固形化粧料の表面模様付与方法を提供するものである。
【0008】
更に、前記界面活性剤がHLB6以上の非イオン性界面活性剤である前記何れかの固形化粧料の表面模様付与方法を提供するものである。
【0009】
そして、前記揮発性溶媒が揮発性シリコーン系溶媒である前記何れかの固形化粧料の表面模様付与方法を提供するものである。
【0010】
そして更に、界面活性剤を含有する水溶液の液面上に、疎水性粉体を分散した揮発性溶媒を展開し、上方から固形化粧料を該揮発性溶媒の液面に浸せき又は接触させ、該疎水性粉体を固形化粧料表面に移行させることにより得られることを特徴とする固形化粧料を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、固形化粧料の表面に、光沢の優れた粒子径の大きい光輝性粉体でも、ムラ無く転写することにより、綺麗な模様を付与できる簡便な方法に関するものであり、界面活性剤を含有する水溶液の液面上に、疎水性粉体を分散した揮発性溶媒を展開し、上方から固形化粧料を該揮発性溶媒の液面に浸せき又は接触させ、該疎水性粉体を固形化粧料表面に移行させることを特徴とする固形化粧料の表面模様付与方法及び該方法により得られる固形化粧料に関するものである。
【0012】
本発明では、まず水中に界面活性剤を分散又は溶解させ、界面活性剤水溶液を調製する。この際に、界面活性剤の濃度は、界面活性剤の種類にも影響されるが、0.01〜10質量%(以下、単に「%」と略す。)%が好ましく、0.05〜5%がより好ましい。
【0013】
次いで、疎水性粉体を揮発性溶媒中に分散させ、疎水性粉体分散液を調製する。この際に、疎水性粉体の濃度は、特に限定されないが、ムラ無く固形化粧料表面に移行させるためには、5〜40%が好ましい。
【0014】
そして、表面の広い容器に前記界面活性剤水溶液を入れ、その上から疎水性粉体分散液を添加し、静置して展開させる。この際に、固形化粧料への移行性の観点より、疎水性粉体分散液層の厚さが10〜1000μmになる程度に展開させことが好ましい。
【0015】
次に、前記疎水性分散液の展開液面に、固形化粧料を浸せき又は接触させることにより、展開される疎水性粉体の分散状態が、そのまま固形化粧料表面に移行される。この際に、異なる二種以上の疎水性粉体分散液を完全に混合する前に、固形化粧料を浸せき又は接触させることにより、固形化粧料表面に任意の模様を移行することができる。また、異なる二種以上の疎水性粉体分散液をマーブル状等の模様を展開液面上で描いた後に、固形化粧料を浸せき又は接触させることにより、固形化粧料表面にマーブル状等の模様を移行することができる。
【0016】
前記模様を移行させた固形化粧料は、該揮発性溶媒を乾燥等により除去することが好ましい。この際の乾燥条件は、該溶媒が揮発する条件であれば特に限定されないが、加熱し減圧除去する方法、温風を吹き付ける方法等が挙げられる。
【0017】
本発明に用いられる疎水性粉体とは、水と混合した場合に水に濡れずに、水面に浮遊する粉体である。このような粉体は、粉体自身が疎水性を有している粉体、及び水に濡れてしまう粉体を通常公知の疎水化剤により疎水化処理した粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。尚、これら粉体の粒子径は、0.01〜1000μmが好ましい。
【0018】
粉体自身が疎水性を有している粉体は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダーが挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。尚、これら疎水性粉体も、必要に応じてシリコーン化合物、ケイ素化合物、フッ素化合物、金属石鹸、油剤等の通常公知の疎水化剤により疎水化処理して用いても良い。
【0019】
疎水化処理する粉体は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化鉄、コンジョウ、群青、無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カオリン、合成セリサイト、セリサイト、スメクタイト、ベントナイト、タルク、石膏、炭化珪素、硫酸バリウム等の無機粉体類、ナイロン、ポリメチルメタクリレート等の有機粉体類、雲母、合成金雲母、合成雲母、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆合成雲母、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄処理雲母、酸化鉄・酸化チタン被覆雲母、有機色素・酸化チタン被覆処理雲母、窒化硼素、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムパウダー、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、酸化チタン被覆ガラス末等の光輝性粉体類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0020】
前記粉体を処理する疎水化剤としては、シリコーン化合物、ケイ素化合物、フッ素化合物、金属石鹸、油剤等の通常公知の疎水化剤が挙げられる。具体的には、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、トリメチルシロキシシリケート、パーフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサン等のシリコーン化合物、トリメチルメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、パーフルオロアルキルシラン等のケイ素化合物、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルリン酸塩等のフッ素化合物、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛等の金属石鹸、ロジン酸ペンタエスリトール、キャンデリラワックス、ミツロウ、ワセリン、ポリブテン等の油剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。尚、粉体に対するこれら疎水化剤の処理率は、処理された粉体が水に濡れなくなるために必要な量であり、0.1〜10%が好ましい。
【0021】
本発明において、疎水性粉体として、光輝性粉体を選択すると、より外観が綺麗で、ムラの無い模様を固形化粧料表面に付与できるため、好ましい。このような、光輝性粉体としては、雲母、合成金雲母、合成雲母、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆合成雲母、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄処理雲母、酸化鉄・酸化チタン被覆雲母、有機色素・酸化チタン被覆処理雲母、窒化硼素、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムパウダー、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、酸化チタン被覆ガラス末等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。尚、これら光輝性粉体の粒子径は、良好な光輝性の観点より、10〜1000μmが好ましい。
【0022】
本発明において、前記疎水性粉体を分散する揮発性溶媒とは、水に不溶の溶媒で、且つ室温で揮発性を有する成分である。具体的には、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素系溶媒、低分子量のジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン系溶媒等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。尚、これら溶媒の中でも、乾燥による除去し易さ、粉体の分散性等の観点より、シリコーン系溶媒が好ましい。
【0023】
本発明に用いられる界面活性剤は、水中に分散又は溶解するものであり、水面に展開される疎水性粉体の分散を良好にする成分である。このような界面活性剤は、水中に分散又は溶解するものであれば何れでも良いが、具体的には、グリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤類、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩等の陰イオン性界面活性剤類、アルキルアミン塩、ポリアミンおよびアルカノイルアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤類、レシチン、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0024】
これら界面活性剤の中でも、水中での分散性又は溶解性の観点より、HLBが6以上の非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0025】
更に、HLBが6以上の非イオン性界面活性剤の中でも、ポリオキシアルキレン変性シリコーンを選択すると、水面に展開される疎水性粉体の分散性をより高められるため、特に好ましい。このようなHLBが6以上のポリオキシアルキレン変性シリコーンとしては、市販品として、シリコンKF−6011、シリコンKF−6012、シリコンKF−6013(何れも、信越化学工業社製)、SH3746(東ダウ・コーニング・シリコーン社製)、NUCシリコンL−7002、NUCシリコンL−720(何れも、日本ユニカー社製)等が挙げられる。
【0026】
本発明において、模様を付与される固形化粧料とは、固形形状を保っていれば特に限定されないが、粉末を油剤で結合させ圧縮成型した固形粉末状化粧料、油剤をワックスにより固化させた油性固形化粧料等が挙げられる。また、その形状は、ケーキ状、球状、スティック状等の何れでも良い。
【0027】
前記固形化粧料の用途は、ファンデーション、フェイスカラー、頬紅、口紅、アイシャドウ、アイブロウ、コンシーラー等のメーキャップ化粧料、リップクリーム、制汗剤等のスキンケア化粧料、ヘアースティック等の頭髪化粧料等が挙げられが、本発明の効果が発揮されやすいのは、メーキャップ化粧料である。
【0028】
本発明の固形化粧料に含有する油剤としては、通常化粧料に用いられる油剤であれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸アルキレングリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸−2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等のエステル類、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステアリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)等のアミノ酸系油剤、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。本発明の固形化粧料が固形粉末化粧料の場合に、これら油剤を含有する場合の含有量は1〜40%が好ましい。また、本発明の固形化粧料が油性固形化粧料の場合に、これら油剤を含有する場合の含有量は40〜95%が好ましい。
【0029】
本発明の固形化粧料に含有する粉体としては、通常化粧料に使用されるものであれば、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化鉄、コンジョウ、群青、無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、カオリン、合成雲母、合成セリサイト、セリサイト、スメクタイト,ベントナイト、タルク、石膏、炭化珪素、硫酸バリウム等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、窒化硼素、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ポリスチレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー等の有機粉体類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。また、これら粉体は、シリコーン化合物、ケイ素化合物、フッ素化合物、金属石鹸、油剤等の通常公知の表面処理剤で処理して用いても良い。本発明の固形化粧料が固形粉末化粧料の場合に、これら粉体を含有する場合の含有量は40〜95%が好ましい。また、本発明の固形化粧料が油性固形化粧料の場合に、これら粉体を含有する場合の含有量は1〜50%が好ましい。
【0030】
本発明の固形化粧料には、上記成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、水性成分、水溶性高分子、界面活性剤、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーングラフト共重合体等の被膜形成剤、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン等の保湿剤、α−トコフェロール、アスコルビン酸等の酸化防止剤、ビタミン類、消炎剤、生薬等の美容成分、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等の防腐剤、香料等を適宜配合することができる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0032】
実施例1:スティック状口紅
HLB7のポリオキシアルキレン変性シリコーン(注1)1gを水99g中に加えて、混合し、界面活性剤水溶液を調製する。次いで、光輝性粉体として酸化チタン被覆雲母(注2)95gにメチルハイドロジェンポリシロキサン(注3)5gを処理し、疎水性粉体を調製する。そして、この疎水性粉体20gをデカメチルシクロペンタシロキサン80g中に加えて、混合し、疎水性粉体分散液を調製する。次に、シャーレに前記界面活性剤水溶液を深さ20cm程度になるまで注ぎ、そこに前記疎水性粉体分散液を層の厚さが100μm程度になるまで注いで、静置する。そして、長さ50mmのスティック状口紅(注4)を展開面上方から徐々に浸せきし、スティック全てが液に浸かった後に、引き上げる。そして、このスティック状口紅を減圧下、40℃で6時間乾燥して、疎水性粉体が移行されたスティック状口紅を得た。
※注1:シリコンKF−6012(信越化学工業社製)
※注2:チミカエキストララージスパークル(エンゲルハード社製)
※注3:シリコンKF−99P(信越化学工業社製)
※注4:ステイック状口紅
Figure 0003729788
(製造方法)
A.成分1〜7を加熱溶解し、混合する。
B.Aに成分8〜11を添加して、均一分散する。
C.Bを再度溶解し、脱泡する。
D.Cを溶融して、スティック状カプセルに充填、冷却して
スティック状口紅を得た。
【0033】
実施例2:スティック状口紅
実施例1の界面活性剤水溶液濃度を0.1%に変更して、同様に疎水性粉体が転写されたスティック状口紅を得た。
【0034】
実施例3:スティック状口紅
実施例1の界面活性剤水溶液濃度を5%に変更して、同様に疎水性粉体が転写されたスティック状口紅を得た。
【0035】
実施例4:スティック状口紅
実施例1の界面活性剤をHLB14.5のポリオキシアルキレン変性シリコーン(注5)に変更して、同様に疎水性粉体が転写されたスティック状口紅を得た。
※注5:シリコンKF−6011(信越化学工業社製)
【0036】
実施例5:スティック状口紅
実施例1の界面活性剤をHLB15のポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビタン(注6)に変更して、同様に疎水性粉体が転写されたスティック状口紅を得た。
※注6:レオドールTW−O120(花王社製)
【0037】
実施例6:ケーキ状アイシャドウ
HLB7のポリオキシアルキレン変性シリコーン(注1)1gを水99g中に加えて、混合し、界面活性剤水溶液を調製する。次いで、光輝性粉体として酸化チタン被覆雲母(注2)95gにメチルハイドロジェンポリシロキサン(注3)5gを処理し、疎水性粉体を調製する。そして、この疎水性粉体20gをデカメチルシクロペンタシロキサン80g中に加えて、混合し、疎水性粉体分散液を調製する。次に、シャーレに前記界面活性剤水溶液を深さ20cm程度になるまで注ぎ、そこに前記疎水性粉体分散液を層の厚さが100μm程度になるまで注いで、静置する。そして、ケーキ状アイシャドウ(注7)を展開面上方から徐々に接触させる。そして、このケーキ状アイシャドウを減圧下、40℃で6時間乾燥して、疎水性粉体が移行(転写)されたケーキ状アイシャドウを得た。
※注7:ケーキ状アイシャドウ
Figure 0003729788
(製造方法)
A.成分12〜14を加熱溶解し、混合分散する。
B.成分1〜11を均一分散する。
C.BにAを添加して、均一分散し、粉砕する。
D.Cを金皿に圧縮成形して、ケーキ状アイシャドウを得た。
【0038】
比較例1:スティック状口紅
光輝性粉体として酸化チタン被覆雲母(注2)95gにメチルハイドロジェンポリシロキサン(注3)5gを処理し、疎水性粉体を調製する。次に、シャーレに水を深さ20cm程度になるまで注ぎ、そこに疎水性粉体を浮遊させ、静置する。そして、長さ50mmのスティック状口紅(注4)を展開面上方から徐々に浸せきさせ、スティック全てが液に浸かった後に、引き上げる。そして、このスティック状口紅を減圧下、40℃で6時間乾燥して、疎水性粉体が移行されたスティック状口紅を得た。
【0039】
比較例2:スティック状口紅
実施例1の界面活性剤水溶液の代わりに、界面活性剤を含有しない水を用いて、同様に疎水性粉体が転写されたスティック状口紅を得た。
【0040】
比較例3:スティック状口紅
実施例1の界面活性剤をHLB4.5のポリオキシアルキレン変性シリコーン(注8)に変更して、同様に疎水性粉体が転写されたスティック状口紅を得た。※注8:シリコンKF−6017(信越化学工業社製)
【0041】
評価1:液面での粉体の状態
上記実施例及び比較例のスティック状口紅及びケーキ状アイシャドウに、粉体を移行する過程における、水面上の粉体の状態を観察し、以下の基準に従って、評価判定した。判定結果を表1に示した。
評価基準
粉体の状態 : 判定
均一分散 : ○
一部凝集有り : △
凝集 : ×
【0042】
評価2:固形化粧料への転写状態
上記実施例及び比較例の粉体が移行された固形化粧料の外観状態を観察し、以下の基準に従って、評価判定した。判定結果を表1に示した。
評価基準
外観の状態 : 判定
ムラ無く均一 : ○
一部ムラ有り : △
ムラ多い : ×
【0043】
【表1】
Figure 0003729788
【0044】
表1の結果から明らかなように、本発明の方法により得られたスティック状口紅及びケーキ状アイシャドウは、光輝性粉体がムラ無く均一に移行され、綺麗な外観を有する固形化粧料であった。一方、疎水性粉体を粉体状態のまま水面で被覆した比較例1では、水面上での粉体を均一に分散することができず、その凝集状態のまま固形化粧料に移行されるため、結果として光輝性粉体がムラになって移行されてしまう。また、水中に界面活性剤を用いない比較例2、及び水中に分散できない界面活性剤を用いた比較例3も、同様に光輝性粉体がムラになって移行されてしまう。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の方法は、固形化粧料の表面に、ムラ無く綺麗に模様を付与できる簡便な方法であった。

Claims (8)

  1. 界面活性剤を含有する水溶液の液面上に、疎水性粉体を分散した揮発性溶媒を展開し、上方から固形化粧料を該揮発性溶媒の液面に浸せき又は接触させ、該疎水性粉体を固形化粧料表面に移行させることを特徴とする固形化粧料の表面模様付与方法。
  2. 前記疎水性粉体が疎水性光輝性粉体であることを特徴とする請求項1記載の固形化粧料の表面模様付与方法。
  3. 前記界面活性剤がHLB6以上の非イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1又は2記載の固形化粧料の表面模様付与方法。
  4. 前記揮発性溶媒がシリコーン系溶媒であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の固形化粧料の表面模様付与方法。
  5. 界面活性剤を含有する水溶液の液面上に、疎水性粉体を分散した揮発性溶媒を展開し、上方から固形化粧料を該揮発性溶媒の液面に浸せき又は接触させ、該疎水性粉体を固形化粧料表面に移行させることにより得られることを特徴とする固形化粧料。
  6. 前記疎水性粉体が疎水性光輝性粉体であることを特徴とする請求項5記載の固形化粧料。
  7. 前記界面活性剤がHLB6以上の非イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項5又は6記載の固形化粧料。
  8. 前記揮発性溶媒がシリコーン系溶媒であることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の固形化粧料。
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