JP3728548B2 - 全血試料の血液学的分析に用いるための万能洗浄試薬組成物 - Google Patents

全血試料の血液学的分析に用いるための万能洗浄試薬組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、自動式血液学的システムと、実施される血球分析の正確かつ精密な結果、低い背景ノイズ、ならびに自動式システムの最適の機能性および清浄さを確保するためにそこに用いられる試薬組成物とを用いる、全血試料の分析に関する。
【0002】
【従来の技術】
全血中の細胞の定量、同定および特性記述のために、半自動式および全自動式の分析装置システムを用いることは、当技術に公知のすべての形式の血液学的分析を実施する効率および経済性の助けとなる。自動式システムは、血球のすべての類型、例えば赤血球、網状赤血球(未成熟赤血球)、白血球、血小板の様々な正常および異常な相対物の双方の分析、ならびにそれに関係する多数のパラメータの決定に用いられる。例えば、血球平均体積、ならびにヘモグロビンの濃度および含有量は、定型的に測定される赤血球の特性である。
【0003】
当技術における問題は、最終的結果の確度、精度および再現可能性の不足のために生じるが、これらは、効率的でない、および/または最適状態に達しない方法や試薬による細胞の汚染はもとより、特に数百の試料を迅速な方式で処理かつ分析するときに、試料室およびシステムハードウエア内での試薬の蓄積した堆積物からも生じ得る。
【0004】
自動式血液学工程、およびそのための自動式流れ作業システムは、すべての形式の血球分析の負担を軽減するために開発されているものの、これらの工程およびシステムは、連続的に浄化しなければならず、信頼できる正確かつ効率的な機能性や結果を確保するのに最適な作業秩序に保たなければならない。自動式システムを用いて実施される各種の形式の血液学的分析、方法およびそれらの改良の具体的な例は、例えばAnsleyらに対する米国特許第3,741,875 号;Kim に対する米国特許第4,099,917 号;ならびにCremins らに対する米国特許第4,801,549 号および第4,978,624 号の明細書に記載された鑑別白血球計数や、例えばG. Colellaらに対する米国特許第5,350,695 号;S. Fanらに対する米国特許第5.360,739 号および第5,411,891 号;Tycko に対する米国特許第4,735,504 号の明細書、ならびにC. Brugnara ら(1994年):Am. J. Clin. Path.、第102 巻第5号、623 〜632 ページに記載された、これらの細胞型の様々な特性の分析をはじめとする血球および網状赤血球の分析を包含する。自動式血液学システムの多くは、電子光学的測定、および吸光/光散乱または蛍光/光散乱流動細胞計測法の手法に頼って、最終的結果を細胞所見や有用な出力として入手かつ提示する。
【0005】
一般に、自動式システムを用いて実施される血液学的分析の各形式の実施のために、システムは、分析の際に明確な機能を実行し、および/または測定しようとする個々の細胞型もしくは特定のパラメータに関する情報を表示する責務を負ういくつかの異なるチャネルを有するように設計される。様々な操作チャネル、および試料の数を定型的に処理しようとする結果、すべての試料室を含む自動式システム、ならびにチャネル、ポンプ、管材、弁、容器、継手その他を含むシステムハードウエアは、迅速に分析される試料や試料試薬液の反復的吸引後に、1種類またはそれ以上の試薬液で定型的に洗浄して、血液試料や他の試薬成分を含む反応混合物による蓄積および汚染を避けなければならない。ある特定の例が、例えばTECHNICON H・(商標)、例えばH・1(商標)、H・2(商標)およびH・3(商標)などという商品名の下で商業的に入手でき、かつ本発明の被譲渡人によって販売されるような、最新の自動式血液学的分析装置によって示されるが、ここでは、実施しようとする分析の形式に応じて、1種類より多くの洗浄試薬が用いられる。より詳しく例示されるとおり、前記の血液学システムは、一般に、血液学的分析を実施するのに用いられるヘモグロビン(すなわちHb)および赤血球/血小板(すなわちRBC/PLT)チャネルのために、ある種の洗浄(rinse) 試薬配合物を、そしてペルオキシダーゼおよび好塩基球チャネルのために異なる種類の洗浄試薬を必要とする。
【0006】
前記のとおり、問題および干渉作用は、特に何回もの試料分析のために室を繰り返して用いたときに、ある反応混合物を自動式分析装置の室内の別の反応混合物へと持ち越す結果として生じる。反応混合物とは、適切な濃度または量の試薬成分を含む試薬組成物と混合された全血試料を意味する。
【0007】
洗浄液の持ち越しは、それがある方法で分析しようとする反応混合物に反応性の化学成分、例えば溶解性界面活性剤を与えるとき(すなわち、何らかの方法で反応混合物に「参加する」とき)は、分析結果に不都合に影響し、誤った、不正確で低精度の決定および細胞所見の読み取りへと導き得る。洗浄剤の持ち越しがシステムごとに変動することも、問題を提示し、ある分析方法の結果およびある分析方法から得られた情報に不都合に影響する。例えば、ある方法での洗浄剤の過少な持ち越し量は、細胞所見の起原での過剰なノイズを結果的に生じることがある。その代りに、ある方法での洗浄剤の過剰な持ち越し量は、白血球を、持ち越し量中の活性を有する溶解性界面活性剤の存在による攻撃にさらすことがある。そのような不都合な影響は、特に、例えば自動式血液学的分析装置で実施されるペルオキシダーゼによる白血球鑑別計数の方法では、血液学的結果の確度および信頼性を低下させる。
【0008】
したがって、当技術には、自動式血液学システムを用いて血液試料を処理かつ分析する方法に用いるための、改良された洗浄試薬の溶液または希釈液に対する明瞭な必要性が存在する。そのような試薬液、およびそのような試薬液を用いた方法は、自動式分析装置のすべての試薬室、チャネルその他の機械的ハードウエア(例えばポンプ、管材、弁などをはじめとするシステム液圧機器)を、室から試料を吸引した後に徹底的に浄化して、残存砕片を除去し、液圧径路内での堆積物の形成を緩和することが必要である。また、そのような試薬および方法は、何回もの試料分析後に得られる細胞所見の最適の完全性を保つ必要性を満たすものと思われる。やはり当技術に必要とされるのは、自動式血液学システムの設計および操作を簡素化できる試薬であって、それらは、しばしば極めて融通性があり、そのようなシステムでの実施のための異なるいくつかの形式の血液学の方法や手順に適している。当技術に更に必要とされるのは、血液試料分析の経済性および合理化のための、試薬、特に洗浄試薬液の不必要な過剰性の排除である。
【0009】
試薬組成物は、歴史的には、非常に特定された目的の自動式システムで用いるために開発されている。当技術では慣用的であるとおり、あるシステムで特定の目的を達成し、特定の機能を遂行するために長期にわたって配合、試験、かつ使用されてきた試薬組成物は、そのシステムでのその目的や機能のためにのみ当技術で認知され、定型的に用いられるにすぎない。したがって、定型的な状況下では、特定の目的や機能に最適化された試薬組成物は、その公知の意図された目的に基づき、他には何も目的とせずに、当業者によって評価され、用いられ、最もしばしば当然視されている。当技術で特定の目的のために設計かつ使用される試薬または材料が、完全に異なる方法で、および/またはその本来の意図された用途とは無関係の完全に異なる独自の目的に、役立つことがたまたま判明することは、稀に、また予期されずにあるにすぎない。試薬のそのような新規な用 または適用は、当業者によって予想されることも予測されることもない。
【0010】
自動式血液学システムで特定の機能を遂行するために定型的に用いられる試薬組成物の一例は、赤血球/好塩基球シース(「RBC/Basoシース」)として公知である。RBC/Basoシースは、試料流を液の同心層で囲んで、赤血球や好塩基球のチャネルの反応混合物の試料流中の細胞が、分析装置のフローセル(flow cell) 壁に接触または抵触するのを防ぐために、TECHNICON H・(商標)系列の上記自動式分析装置で用いるために設計された。したがって、このシースは、いかなる有意な程度にも血球と物理的に作用し合うことがないため、「受動的」な、または非相応型の試薬であって、試料と接触するよう設計または使用されなかった。シースは、試料流を整合から逸脱させ、それによって、検出器による光学的記録の歪曲を生じることによって自動式の方法に干渉する泡沫の形成を防止するために、界面活性剤を含有する。RBC/Basoシース試薬中のその他の成分は、約290ミリオスモル/kgの重量モル浸透圧濃度を有するリン酸緩衝食塩水、および界面活性剤を自己酸化から保護するための抗酸化剤である。シース試薬の重量モル浸透圧濃度は、赤血球と等張であるために、試料流、および試料流を囲むシース中の血球の不慮の接触が存在しても、それらの血球平均体積が変化しないように設定された。好適な界面活性剤、すなわちPluronic P105は、試料流中の、および周囲のシース流中の細胞の予期しない接触があった場合も、赤血球に対して非溶解性である濃度でシース試薬中に存在する。
【0011】
RBC/Basoシースは、慣用的には、下記の閉鎖システムで操作される:シースは、RBC/Basoのフローセルの頂部からシースを引き出す注射器からの陰圧によって、フローセル内に導入され、それと同時に、より大きい陽圧の膜ポンプが、フローセルの底部の同心フローモジュールを通じてシースを送達する。試料流は、異なる個所で同心フローモジュールに進入する。光学的に透明なシース液および試料流(同じ屈折率を有する)の速度は、層流(すなわち乱流でない)条件が存在するように制御される。試料とシースの流れは、フローセル内を独立に流通する。試料流をその適切な直径に絞り込むのはシース流の水圧である。このようにして、シースは、試料流を自動式システムハードウエアの部品への接触から保護するその機能を遂行する。
【0012】
しかしながら、本発明以前には、RBC/Basoシースも、自動式血液学的分析装置でそれらの個々の機能を遂行するのに用いられる他の試薬も、すべての形式の血球分析への普遍的適用可能性を有する洗浄液という目的には認識または使用されていなかった。したがって、当技術には、長期の連続的な変動する操作の期間にわたってシステムを堆積物を含まないように維持するための洗浄試薬として用い得る、普遍的に適用できる試薬を提供する必要性が依然として現存する。そのような広範囲に許容され得る試薬の使用は、現行システムの設計を簡素化かつ合理化し、血液学的方法の実施の際に発生する望ましくない細胞砕片によって生じる背景ノイズを低下させ、そして血液試料の分析という分野に用いられる自動式システムの操作性を全般的に改良するのに有望である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、反応混合物の望ましくない成分の、方法の段階ごとの持ち越しという問題を回避して、細胞型の清浄な分離および定量、ならびにシステムハードウエアでの許容され得ないレベルの試料の堆積物と、該方法から得られる細胞所見での背景ノイズの発生との防止を見込むための、半自動および全自動式血液学システムでの水性試薬組成物の新規な用途を提供することにある。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、様々な血液試料の形式、例えば成熟および新鮮血液試料、異常および正常血液試料、ならびに低温および室温の双方で貯蔵された試料を用いて自動式血液学システムで実施される、異なる形式の血液学的分析の設計および操作を簡素化かつ合理化するための、試料間の万能洗浄試薬としての本明細書でその用途に従って記載された試薬に対する、これまで認められず、それゆえ未知であった用途を提供することにある。
【0015】
本発明の更に一つの目的は、全血試料を必要とし、自動式システムで実施されるすべての血液学的方法に用いるのに適合できる水性の万能試薬組成物を提供することである。
【0016】
本発明の更にもう一つの目的は、システムハードウエアを浄化し、自動式分析装置での持ち越しを排除するのに現在必要とされる洗濯および/または洗浄試薬の総数を削減できる、万能洗浄剤として用いられる試薬組成物を提供することである。
【0017】
本発明のもう一つの目的は、自動式血液学システムおよびその部品に用いられるいかなる洗濯(wash)試薬とも全体的かつ普遍的に適合できる万能洗浄試薬液としての試薬組成物に対する用途を提供することである。
【0018】
本発明が提供するこれ以上の目的および利益は、下記の詳細な説明から明らかになると思われる。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、新鮮および成熟全血試料中の細胞型の集団を定量かつ鑑別するための方法における万能試薬組成物の用途を提供する。本発明は、電子光学的手順および流動細胞計測法において試料間洗浄剤として用いるのに特に適している。
【0020】
本発明は、自動式システムを用いる血液学的分析の技術に利益を提供する。本発明は、すべての形式の自動式の血液学的方法の実施および効率を改良できる試料間万能洗浄試薬液としての、試薬組成物の用途に関する。本発明は、特に、赤血球と白血球の双方ならびにそれらの前駆細胞の測定および鑑別と、全血試料中の血球の様々な集団の様々な特性の決定とに用いられる、半自動式および全自動式の流動細胞計測法の分析装置に関する。万能洗浄試薬の使用は、例えば、何回もの試料の分析の際に自動式システムの液圧経路に蓄積する反応混合物の砕片を除去するのに、異なる数種類の洗浄試薬を用いなければならないという、当技術で定型的に出会う面倒な問題も解決する。したがって、本発明の万能洗浄試薬の使用は、自動式システムの設計を簡素化するとともに、異なる種類の多数の洗浄試薬の必要性も軽減する。
【0021】
その上、非溶解性の非イオン界面活性剤を用いて配合した試薬液は、自動式分析装置で実施されるすべての形式の血液学的手順に用いることができる万能の「洗浄」試薬液として、本発明者らによって初めて認識かつ使用された。この種類の洗浄組成物の使用は、図1Dおよび1Fで生じたとおり、洗浄剤持ち越し量の変動が血液学的方法の結果に不都合に影響するのを防ぐ。本発明の万能洗浄試薬組成物の非溶血性界面活性剤という成分は、堆積物の形成を防ぐのに充分な浄化力を与えることができるが、同時に、分析されようとする試料中の血球を攻撃または破壊することはできない。
【0022】
特定の、しかし限定的ではない例として、この洗浄試薬は、白血球鑑別計数のペルオキシダーゼ法の最初の反応相(すなわち細胞の溶解および固定の相)で、非イオンポリエトキシレート界面活性剤(例えばBrij(商標)35)とイオン界面活性剤(例えばSDSまたはTDAPS)とをともに含有する新規な試薬組成物と併用すると、起原ノイズを低下させるのに特に効果的であることが判明した。ペルオキシダーゼ法での万能洗浄剤の使用は、自動式システムで反復的なペルオキシダーゼ分析を実施した人々をこれまで悩ませてきた洗浄剤の持ち越しに起因する、システム間の変動性という問題を解決することも判明した。洗浄剤の持ち越しは、自動式の流動細胞計測法による分析の結果として生じた細胞所見での細胞塊の位置に影響を及ぼす。Brij(商標)35のような非イオン界面活性剤を含まない洗浄液の使用は、室温で24時間貯蔵した血液試料を用いて得られた結果の改良ももたらした。
【0023】
本発明に従って配合かつ使用される水性洗浄試薬組成物は、自動式分析装置で実施されるすべての形式の血球分析に対する普遍的な適用可能性および適合性を有するように、新たに決定された。この万能洗浄試薬は、試料を吸引した後の分析装置の反応室およびチャネル内に定型的に残される試薬と混合された、その前の試料を含む反応混合物を除去するための試料間洗浄剤として、試料間に用いるように最適に設計されている。万能洗浄液として用いると、この洗浄試薬は、自動式血液学システムのための最適の実施に必要とされる、洗浄剤、シースおよび洗剤をはじめとする試薬類の総数を削減できることが発見された。万能洗浄剤は、数多くの形式の血液学的分析のための自動式システムに現在用いられている多数の洗浄試薬または溶液と置き換え得ることが想定されるが、そのような自動式血液学的分析装置の限定的でない例は、商業的に入手できるTECHNICON H・(商標)シリーズである。
【0024】
本明細書で初めて開示された限りで有効な万能洗浄剤であることが発見された洗浄試薬の成分は、水性混合物として配合される。その最も単純な配合では、本発明の洗浄試薬は、リン酸緩衝剤(例えばリン酸緩衝食塩水、pH約6.8〜7.8)およびPluronicの族または群の界面活性剤に属する非イオンかつ非溶血性の界面活性剤を含む。一般にPluronic系は(EO)x−(PO)y−(EO)xという構造のポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロック共重合体である〔Pluronic & Tetronic Surfactans、BASF社、米国ニュージャージー州Parsippany(1987年)を参照されたい〕。Pluronicは、酸化プロピレンの制御下重合反応を用いて、ポリプロピレングリコール単位(PO)y を合成することによって形成される。Pluronicは分子量が約950〜約4,000g/モルで変動でき、(PO)は約20〜90重量%を構成できるため、「y」は約3〜62単位にわたり得る。次に、EOという重合体鎖がポリ(PO)単位の両側に形成されて、Pluronicという共重合体を生じる。当業者は、「x」がPluronic分子の両側または両端で基本的に同じであるように、EOの重合反応を対称的に制御できることを承知している。万能洗浄組成物に用いるのに適したPluronicのための「x」および「y」の値の限定的でない例は、下記のとおりである:「x」は約1〜36単位、より好ましくは約7〜27単位であり、「y」は、好ましくは約14〜48単位である。本発明に用いるのに適したPluronicは、約20〜80重量%の範囲のEOの重量%値を有し、分子量の範囲が約2,000〜約4,000g/モルである。より好ましくは、約30〜70重量%の範囲のEO百分率であり、分子量の範囲が約3,000〜約3,600である。例えば、PluronicP105およびP85は、約50重量%のEO百分率の値を有し、PluronicP104およびP84は約40重量%のEO百分率の値を有する。Pluronicの限定的でない例は、P84、P85、P103、P104、P105およびP123であり、P105がより好適である。P105は約3,300の分子量を有し、約50重量%のポリオキシエチレンを含有する。そのようなPluronic界面活性剤の使用は、疎水性物質を反応混合物から界面活性剤のミセルへと捕獲することによって、自動式システムの液圧経路を浄化するのに役立つ。
【0025】
当業者は、Tetronic(すなわち、エチレンジアミンへの酸化プロピレンおよび酸化エチレンの順次付加反応から誘導される四官能性ブロック共重合体)が、分子中に第三級窒素が存在するために、陽イオン特性を有することも承知していなければならない。したがって、Tetronicのそのような陽イオン特性は、例えば、白血球鑑別計数のペルオキシダーゼ法の反応1の試薬液中に存在する、イオン界面活性剤、例えばSDSとの適合性の問題(すなわち沈殿)のために、本発明には適さない。
【0026】
洗浄試薬は、微生物の増殖を抑えるための薬剤または化合物も含有する。適切な抗菌性化合物の例は、Proclin 150(2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)およびProclin 300(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)(Rohm & Haas 社);Germall 115(N,N’−メチレン−ビス[N’−(1−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素)(Sutton Laboratories 社);Dowacil 200(塩化1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタン)(Dow Chemical社);およびBronopol(Angus Chemical社)を包含し、Proclin 150が好適であるが、これらに限定されない。洗浄試薬には、最終溶液の中性またはほとんど中性のpHを保つために、1種類またはそれ以上の緩衝化合物またはその混合物、例えば一塩基性リン酸ナトリウムや二塩基性リン酸ナトリウムも含まれる。アルカリ金属塩化物塩、例えばNaCl、LiCl、KClなども洗浄試薬を構成してよく、NaClが好適である。非溶血性界面活性剤を酸化防止に対して安定させるために、水溶性抗酸化剤も洗浄液中に存在する。適切な抗酸化剤の例は、3,3’−チオジプロプリオン酸;3’−3’−ジチオ酢酸;Trolox(商標)(すなわち水溶性ビタミンE、Hoffman-LaRoche 社);BHT、すなわちブチル化ヒドロキシトルエンもしくは2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;BHA、すなわちブチル化ヒドロキシアニソールもしくは2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール;およびMEHQもしくはp−メトキシフェノール、またはそれらの混合物を包含するが、それらに限定されない。前記のとおり、洗浄試薬組成物は、試薬組成物のpHを約6.8〜約7.7、より好ましくは約6.9〜約7.5、最も好ましくは約7.0〜約7.3に保つのに適した緩衝剤を含有する。溶液の最終重量モル浸透圧濃度は、約275〜約320ミリオスモル/kg、より好ましくは約285〜約305ミリオスモル/kgである。その上、最終洗浄試薬液は、微粒子状物体を除去するために濾過してよい(例えば0.2ミクロン)。もしそのようにしなければ、このような物体はシステムの堆積物の潜在的な原因となるであろう。
【0027】
表1は、万能洗浄試薬組成物の例示的配合を、最終万能試薬液の適切かつ機能的なpHおよび重量モル浸透圧濃度を生じるための各洗浄試薬成分の量やその範囲を含めて示している。表1に列挙した限りでの洗浄試薬組成物の成分のそれぞれについて、1リットルあたりの好適な量を括弧内に与えているが、限定しようとするものではない。列挙された洗浄液成分のそれぞれの濃度および範囲は、組成物に不都合に影響することなしに±約5〜10%逸脱してよいことが、当業者に認識されるものと思われる。
【0028】
【表1】
Figure 0003728548
【0029】
示したとおり、無機塩を試薬液に含ませてもよい。本発明に用いるのに適した塩は、NaCl、KClおよびLiClのようなアルカリ金属塩化物塩であってよい。塩化ナトリウム、すなわちNaClが好適な塩である。用いるときは、塩は、好ましくは約125〜約136ミリモルの量で存在しなければならない。塩としてNaClを用いるときは、試薬中に約7.4〜約8.0g/Lの量で存在する。
【0030】
洗浄試薬に用いられる緩衝剤または緩衝混合物は、試薬液のpHを約6.8〜約7.6、好ましくは約6.9〜約7.5、より好ましくは約7.0〜約7.3に維持するのに適していなければならない。適切な緩衝剤は、リン酸ナトリウムまたはカリウム、マロン酸ジエチル、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、N−2−アセトアミド−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)および4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジン−エタンスルホン酸(HEPES)を包含する。好適なのは、Na2 HPO4 (リン酸ナトリウム、一塩基性)とNaH2 PO4 (リン酸ナトリウム、二塩基性)との混合物である。示したとおり、緩衝剤は、溶液のpHをほぼ中性レベルに保つのに適した量で、本発明の試薬液中に存在しなければならない。例えば、Na2 HPO4 とNaH2 PO4 との混合物を用いるとき、約7.0〜約7.3のpHの範囲の一連の溶液を生成するためには、混合物は、Na2 HPO4 対NaH2 PO4 のモル比約3.39:1〜約6.76:1を含有しなければならない。本発明の試薬液中のそのようなリン酸緩衝混合物の濃度は、約0.020〜約0.050モルである。その上、洗浄試薬液のpHは、慣用の酸および塩基の適切な比率(例えば3.0規定HClおよび4.0規定NaOH)を用いて、生理学的範囲内のpHを達成するよう調整してよいことが認識されるものと思われる。当業者は、許容され得るモル浸透圧濃度の範囲を保つには、緩衝剤の濃度が上昇するにつれて、試薬組成物中の他の成分の濃度は、それに応じて低下しなければならないことを認識するものと思われる。
【0031】
血液学的分析の実施に、そして本発明に従って普遍的に用いようとする洗浄試薬液は、水溶液であり、好ましくは脱イオン水を用いる。溶液は、水中に成分を混合物として組合せることによって調製する。溶液のpHに対しては、綿密な監視を保って、望みの範囲内に留まることを確保しなければならない。当業者は、溶液中に他の添加物を望みどおりに含ませてもよい。例えば、界面活性剤の自動酸化を触媒し得る鉄または銅のような金属イオンをキレート化し、失活させる多価金属イオンキレート化剤として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EGTA、EDTAかEGTAの二ナトリウム、三ナトリウムまたは四ナトリウム塩を含ませてよい。
【0032】
その上、本発明の洗浄試薬液は、システムの洗濯が必要となる前に少なくとも約500〜1,000の血液試料を検定するのに充分な試料間砕片を除去し(実施例2を参照されたい)、すべての血液分析法の許容され得る実施を可能にするために、システムの清浄さを維持する。
【0033】
本明細書に記載した限りでの洗浄試薬が、万能洗浄剤として用いるのに適していることは、全血の1,035回の吸引を含む一試行にこの洗浄試薬組成物を用いることによって立証された。この試行の際に、洗浄剤はシステムの清浄さを保ったため、自動式分析装置で実施されたその後の血液試料の方法はすべて、許容されるやり方で遂行され、正確かつ精密な結果を与えた。この適合性は、洗浄試薬が4年経過後のものであったときも再現され、それによって、この洗浄試薬組成物の経時的安定性を立証した。万能洗浄試薬は、自動式血液学的分析に用いられるシステムの、可能な限り多くのその個別的部品を包含するすべての液圧経路に接触することが望ましく、それは、砕片に、システムの何らかの部分に蓄積して、洗濯試薬を用いることによっては容易に堆積物を除去できなくなるような機会を与えないことを確実にするためである。
【0034】
万能洗浄試薬の配合を最適化するには、様々な界面活性剤の候補を、脱イオン水中に0.5 mL /L のProclin 150を含有する環境で試験した。次いで、得られた洗浄剤配合物を、自動式システムによる多数の異なる形式の血液学的分析で試験した。イオン界面活性剤は、洗浄組成物には役立たないことが決定された。特定の例として、SDS(陰イオン界面活性剤)は、洗浄試薬配合物中に存在した場合、網状赤血球の分析に用いられる試薬の成分である陽イオン染料、すなわちOxazine 750に適合しなかった。CTAB(陽イオン界面活性剤)は、洗浄試薬配合物中に存在した場合、白血球の鑑別計数および下位集団の決定のペルオキシダーゼ法の実施に干渉したが、それは、おそらく、白血球の鑑別計数を決定するペルオキシダーゼ法の最初の反応相に用いられる特定の試薬希釈液中でのSDSとそれとの不適合の結果である。ラウリルジメチルアミン=N−オキシドまたはLO(両性イオン界面活性剤)は、洗浄試薬配合物中に存在した場合、白血球の鑑別計数および下位集団の決定のペルオキシダーゼ法の実施に干渉した。もう一つの両性イオン界面活性剤であるTDAPSも、洗浄試薬配合物中に存在した場合、赤血球の分析法に干渉することが判明した。
【0035】
このようにして、経験的試験および分析によって、洗浄試薬配合物中で試験したイオン界面活性剤(すなわち、異なる静電荷を有するすべての主な分類群からの界面活性剤)は、本発明には役立たないことが判明した。その上、非イオン界面活性剤、例えばBrij35、および類似のポリエトキシル化されたアルコールやフェノール、例えばTritonX(商標)−100は、白血球を攻撃することによって、ペルオキシダーゼ法に能動的に参加するため、洗浄試薬組成物には役立たなかった。結果的に、非イオンPluronic界面活性剤、特にPluronicP105は、自動式分析装置で実施されたペルオキシダーゼ法に適合するばかりでなく、すべての血液学的方法、およびそれに用いられる反応混合物にも普遍的に適合することが発見された。そのようなPluronic界面活性剤は、清浄な試料による試行を与え、試料の内容、反応混合物または最終結果に干渉しなかった。
【0036】
本発明の一面では、実施例1に例示されるとおり、万能洗浄試薬液は、自動式血液学的システムを用いる白血球鑑別計数のペルオキシダーゼ法に用いられる。同じ万能洗浄試薬が、赤血球、血小板および網状赤血球、ならびにそれらに関連するパラメータ、例えば赤血球体積およびヘモグロビン分析を定量かつ特性記述するための自動式の方法に用いるためにも存在する。更に、万能洗浄試薬は、リンパ球、単核球、好中球、好酸球などをはじめとする白血球、すなわちWBC(白血球としても知られる)を定量かつ特性記述するための自動式の方法にも用いられる。その上、万能洗浄試薬は、好塩基球と多形核白血球の核の小葉構成との識別を容易にするための、好塩基球のチャネルに用いることができる。
【0037】
万能洗浄剤は、正常な血球と異常な血球の双方の特性を分析、定量かつ決定し、そしてある特定の細胞系統における細胞の発生および分化の全段階を分析かつ決定する方法に用いてよい。実際、この洗浄試薬は、様々な自動式血液学的分析装置はもとより、それらで開発された改良によって列挙、同定および/または決定されるすべての形式の細胞分析に適用できることが、当業者に認識されるものと思われる。
【0038】
本明細書に記載された限りでの万能洗浄試薬は、特に自動式血液学的分析装置の一定のチャネルおよびハードウエア構成要素内の、試薬の堆積物を除去または溶解するために当業者が定型的に用いる、すべての種類の洗濯試薬液にも適合し、役立つことが想定される。「適合する」とは、用いた洗浄試薬液または洗濯液中に沈殿が全く発生しないことを意味する。例えばTECHNICON H・(商標)系列の自動式分析装置では、アルカリ性次亜塩素酸塩(「漂白剤」)、および2−(2−エトキシエトキシ)エタノールを含有するアルカリ性溶液が洗濯剤として用いられる。
【0039】
もう一面では、万能洗浄試薬は、自動式血液学的分析装置で現在用いられている1種類またはそれ以上の溶液と置き換え得ると思われる。したがって、万能洗浄試薬は、好都合にも、自動化された工程を合理化し、実行者が実施しなければならない洗浄剤容器の何回かの交換を削減するものと思われる。自動式システムで必要とされる試薬の数の削減は、より多大の経済性および効率を分析工程に与えるとともに、システムの維持および全般的保守を改良かつ容易にする。
【0040】
本発明は、装置の正確さを較正かつ維持するために特別に調製される、血球の保存用較正尺度、対照、およびその他の溶液とともに用いてもよいことが、当業者に認識されるものと思われる。本明細書で用いられる限りでの、他の修飾語なしでの「試料」という用語は、具体的には、血球を含有する全血または他の溶液のいずれをも包含することが特定的に意図される。更に、本発明の主題は、本明細書で例証かつ説明される限りでの半自動式または全自動式の方法と組合せての手動の方法にも該当し得る。
【0041】
【実施例】
下記の実施例は、本発明の例証となる。これらは、本発明の概念の理解を更に容易にするために提示され、決して、本発明の範囲を限定するとして解釈されてはならない。
【0042】
実施例1
本実施例は、下記に説明される自動式の分析装置システムを用いた白血球鑑別計数のペルオキシダーゼ法の実施を改良する際に、万能洗浄試薬が助けとなり得ることを立証する。
【0043】
開示された万能洗浄試薬を白血球鑑別計数のペルオキシダーゼ法に用いることは、ペルオキシダーゼ法の最初の反応相(「R1相」、すなわち赤血球の溶血および白血球の固定の相)で用いられる水性試薬組成物または希釈液の使用に関連する。これらは、1995年5月16日に本願とともに出願され、本発明の被譲渡人に譲渡された、同時継続出願中の米国特許願第08/442,491号明細書に記載された、特定の2分類群の界面活性剤、すなわち非イオン界面活性剤および陰イオン界面活性剤を含有するよう配合されている。表2は、白血球鑑別計数のペルオキシダーゼ(「Px」)法のそのような2種類の界面活性剤を含有するR1試薬組成物(本明細書ではPx1とも呼ぶ)中の好適な成分、ならびにそれらの好適な個別の濃度および範囲の例を提供する。列挙された試薬成分のそれぞれの濃度および範囲は、洗浄組成物に不都合に影響することなく±約5〜10%だけ逸脱してよいことが、当業者に認識されるものと思われる。その上、表2に列挙された限りでの洗浄試薬組成物の成分のそれぞれについて、1リットルあたりの好適な量を括弧内に示したが、限定しようとするものではない。
【0044】
【表2】
Figure 0003728548
【0045】
万能洗浄試薬の使用が特に例示されるペルオキシダーゼ法を実施する際は、水性のPx1試薬組成物を、分析しようとする血液試料と素早く混合して、R1反応混合物を形成した。Px1試薬液と血液試料とが互いに接触した時から約5秒以内に、均一な混合物が生じた。Px1反応組成物と試料とが均一かつ迅速に混合されないならば、赤血球の固定(すなわち、ホルムアルデヒドによる化学的架橋結合)が生じることになり、赤血球の完全な溶解を妨げ、それによって、この方法の実施から得られる鑑別WBC数の確度を大きく損なう。換言すれば、不完全な混合は、赤血球の不均質な固定および溶血を招き(すなわち、これらの工程は、均一に実施されないことになり)、方法は、不正確な結果を生じることになる。白血球の不均質な固定は、方法における正確な結果を与えることも注目される。
【0046】
混合すると、Px1試薬液および血液試料は、当初は室温(約20〜約28℃)であって、自動式分析装置の臨界加熱状態が保たれるのを確実にした。次いで、適切に上昇させた温度に維持した自動式血液学的分析装置の適切な室内への注入によって、反応混合物を約62〜約72℃、理想的には約64〜約68℃の温度まで急速に加熱した。速度論的測定は、注入すると実質的に直ちに、反応混合物の温度が約35〜約42℃にされたことを示した。その後の温度の上昇は、この起点から開始された。反応混合物の加熱は、約15秒以内、好ましくは約20秒以内に生じたが、加熱がその程度に速やかに生じないならば、赤血球が化学的に架橋結合され、それによって、それらの溶血を妨げ、鑑別白血球数の確度に干渉することになる。
【0047】
その後直ちに、過酸化水素、および4−クロロ−1−ナフトールのような適切な色原体を含む染色混合物を反応混合物と混合した。染色混合物の初期温度は、室温であって、染色混合物を反応混合物と混合した後の温度は、約62〜約72℃、好ましくは約63〜約69℃に、約30秒、好ましくは約8〜約15秒以内の時間内に上昇させて、ペルオキシダーゼ活性を有する好中球、単核球および好酸球を染色した。
【0048】
特にTECHNICON H・(商標)系列の自動式血液学的分析装置に関しては、自動式分析装置の反応室を約72℃の温度に保った。全血12.0μLおよびPx1試薬組成物250μl を室温のシステム内に同時に注入し、それによって、両者を素早く混合してR1反応混合物を形成し、次いで、約30秒間までインキュベートし、その間に、混合物の温度を約62〜約72℃まで上昇させた。インキュベート期間の終点までに、赤血球は界面活性剤に攻撃され、かつ溶血して、そのヘモグロビン含有量の実質的にすべての喪失、および血球影ゴーストへのその転換を招き、血球影を固定した。その上、白血球も固定した。その直後に、色原体試薬である、オキシジエタノール中の8.0g/Lの4−クロロ−1−ナフトール125μLを、過酸化水素3.08g/Lを含む過酸化水素溶液250μLとともに同時に注入して、R2反応混合物を形成した。両試薬とも、当初は室温であったが、反応室の温度のために、染色混合物の温度は、約30秒以内に約63〜約69℃まで上昇し、その時点で、好中球および好酸球のペルオキシダーゼ染色が完了した。万能洗浄試薬約0.5〜1.0mLを加えて、すべてのチャネルを洗い流した。約0.6秒後に、更に0.5〜1.0mLの洗浄液を加えて、追加的に浄化した。
【0049】
特に、TECHNICON H・(商標)系列の自動式血液学的分析装置で実施されるペルオキシダーゼ法の洗浄周期は、以前は、分析に用いられる血液学的方法にいくつかの問題を生じることが本発明者らによって見出された、洗浄試薬1液および洗浄試薬2液のいずれかを用いて実施されていた。これらの問題に対する解決法は、本明細書で教示かつ記載されたとおりの万能洗浄試薬の発見、開発および適用へと導いた。具体的には、以前に用いられた洗浄試薬1液中のイオン界面活性剤であるSDSは、網状赤血球および赤血球の分析に用いられる試薬の成分である、陽イオン染料のOxazine 750に適合しないことが判明した。この不適合性は、網状赤血球チャネルの選ばれた部位での青色沈殿の存在によって証明された。
【0050】
更に、かつ重大なことに、洗浄試薬2液の成分である非イオン界面活性剤のBrij(商標)35は、ペルオキシダーゼ法のR1相での必要で、活性を有する成分であることが本発明者らによって発見された。これに関しては、Brij(商標)35は、赤血球の溶血を生じるが、洗浄剤の持ち越し量が約10μLを越えるならば、試料中の好酸球も攻撃できることが発見された〔本願と同時に出願され、本発明の被譲渡人に譲渡されたM. Malinらに対する米国特許願第08/442,491号明細書を参照されたい〕。Brij(商標)35は、ポリエチレングリコールへとエーテル化された、直鎖脂肪族疎水性物質である非イオン界面活性剤の分類群の一員である。
【0051】
実際に生じるとおり、洗浄剤の持ち越しは、システムに応じて変動し、その結果、Brij(商標)35のような界面活性剤の望ましくない参加も、システムに応じて変動する。たとえ洗浄剤持ち越しの量が一定であっても、この量のシステムに応じた変動が、方法の実施の際の変動のシステムに応じた変動の原因を構成することを認識しなければならない。自動式分析装置でペルオキシダーゼによる白血球鑑別の方法を実施する際の洗浄剤の可変的持ち越しの問題を回避するため、万能洗浄試薬液に用いられる界面活性剤は、洗浄剤持ち越しのために存在したとき、この方法では不活性でなければならず、この方法の実施に参加または機能してはならないことが、本発明者らによって更に発見された。本発明によれば、そして下記に記載されるとおり、Px1試薬組成物に含まれる同じ界面活性剤を含有しない万能洗浄試薬が発見され、この方法に用いられた。
【0052】
洗浄剤持ち越しの問題の説明は、下記のとおりである:試料間洗浄周期の完了後には、一般に、洗浄液約7〜10μL(より詳しくは8.0±0.1μL)が反応室に残される。洗浄液が、非イオン界面活性剤であるBrij(商標)35を含有するよう配合されるならば、この少量の洗浄液が、ある量のBrij(商標 35を、赤血球の許容され得る溶解、および細胞所見での細胞分離の結果に必要なペルオキシダーゼ法のR1相に加える原因となる。ところが、過剰量の洗浄剤の持ち越し、すなわち約10μLより多量または等量のそれは、細胞所見の劣化を生じる。具体的には、好酸球集団が、細胞所見の好中球集団へと移動し、単核球とリンパ球とは、両者とも、細胞所見で降下する(図1Dを参照されたい)。洗浄剤持ち越しの量が約13.3μLであると、非イオン界面活性剤のBrij(商標)35の存在によって、ペルオキシダーゼ法は完全に陳腐化される。この特定の問題は、本願と同時に出願されたM. Malinらへの米国特許願第08/442,491号明細書に詳述されている。
【0053】
ペルオキシダーゼ法のR1相の間に加えられたPx1試薬液(Brij(商標)35のような非イオン界面活性剤を含有する)の量は、0.25mLであるから、ペルオキシダーゼ法の最初の反応相の間のBrij(商標)35の算出された濃度は、約0.093〜0.120g/Lであって、ほぼ8.0〜10.0μLの洗浄剤持ち越しの量に対応する。非イオン界面活性剤とイオン界面活性剤とをともに含有するPx1試薬組成物を、本明細書に開示されたとおりの万能洗浄剤(Brij(商標)35が排除されている)と併用したときは、PxR1相に送達されたBrij(商標)35の可変的な量は排除され、洗浄剤持ち越しは些少(例えば1%未満)であり、その上、結果の確度および精度は大いに許容され得るものであった。非イオン界面活性剤、すなわちBrij(商標)35は、万能洗浄試薬に配合され、ペルオキシダーゼ法に用いられるならば、細胞所見での白血球塊の分解を生じる薬剤であることが、本発明者らによって決定された。
【0054】
実施例2
多数回の順次試料分析に用い、自動式血液学的システムを清浄に保つための万能洗浄剤の薬効および実施可能性を、2日間にわたる全部で1,035回の全血の吸引を組み込んだ実験で決定した。表3に示したとおり、WBCP(すなわち白血球数)、RBC、Hb、MCV、PLTおよびWBCBというパラメータは、室温で約2日熟成した血液試料の分析での500、700および1,035回の吸引後も許容され得た。TECHNICON H・(商標)自動式分析装置(すなわち、この特定の例ではH・3(商標))の各チャネルからの少なくとも1パラメータ:すなわち、RBC/PLTチャネルについてはRBC、PLT、MCVを、ヘモグロビン(Hb)チャネルについてはHbを、ペルオキシダーゼチャネルについてはWBCP、すなわち白血球数を、そして好塩基球チャネルについてはWBCB、すなわち好塩基球数を監視した。
【0055】
最後の(すなわち1,035回目の)吸引の後、システムを検査し、システムは堆積物を含まないことが判明した。ここで、与えられたチャネルのための液圧経路全体が、方法の実施の際に万能洗浄試薬液を受容することを確実にするよう前もって措置しなければならないことが注目される。しかし、そのようなチャネルの堆積物または砕片の蓄積が実際に生じたならば、洗濯液、例えば界面活性剤を含有するアルカリ性2−(2−エトキシエトキシ)エタノールをシステムで用い(約10周期)、次いで、万能洗浄試薬を用いて(約10周期)、洗濯液成分のすべての痕跡を除去することによって除去できる。この実験は、万能洗浄試薬が、約1,035回の試料吸引まで、方法の許容され得る実施を可能にするのに充分なだけシステムを清浄に保つことを示した。
【0056】
同数の試料吸引を伴う2,009の試料で実施した同様の実験は、顕著な量の砕片が自動式分析装置の液圧径路に堆積したために成功しなかった。その結果、洗濯が必要となる前に万能洗浄試薬を用いることの適切な間隔は、約1,000〜約1,050回の吸引の前後であると決定された。
【0057】
表3で、「LO」、「MID」および「HI」という用語は、自動式システムを較正するのに用いた合成の、商業的に入手できる対照物質を表し、「sd」は、10通りに複製した血液試料の分析からの平均標準偏差である。その上、「WBCP」は、ペルオキシダーゼ法から決定された白血球数のパラメータ(ペルオキシダーゼチャネル)を表し、「RBC」は赤血球数のパラメータを表し、「Hb」はヘモグロビン濃度のパラメータを表し、「MCV」は、平均細胞体積のパラメータを表し、「PLT」は、血小板数のパラメータを表し、そして「WBCB」は、好塩基球チャネルで決定された白血球数のパラメータを表す。これらの略語は、標準的であり、当業者間では公知である。
【0058】
【表3】
Figure 0003728548
【0059】
実施例3
本発明に従って、万能洗浄剤を調製し、全血試料中の網状赤血球を分析する方法における自動式血液学的分析装置(すなわち、Miles H* 3(商標)血液分析装置とも呼ばれるTECHNICON H・(商標)3分析装置)で実施される網状赤血球の分析に用いた。「H* 3(商標)網状赤血球法」〔C. Brugnara ら(1994年)、Am. J. Clin. Path.、第102 巻623 〜632 ページ〕は、全血試料中の網状赤血球(未成熟赤血球)の存在を検出する。H* 3(商標)法は、慣用的には、0.0318g/Lの濃度のSDS;6.60g/Lの濃度のトリス塩基;1.00g/Lの濃度のNa2 EDTA二水和物;濃HCl3.50mL;6.20g/Lの濃度のNaClおよび7.2±0.2のpHを含む試料間洗浄剤(洗浄剤1)を用いて実施される。H* 3(商標)網状赤血球試薬は、網状赤血球中のRNAを染色するOxazine 750(5mg/L)という染料を含有する。成熟赤血球はRNAを含有しないため、この差が、特異的な分子標的をこの方法に提供し、この方法での網状赤血球のみの決定を可能にする。
【0060】
標準的なH* 3(商標)網状赤血球法の実施の性能を、上記の標準的方法の洗浄剤を本発明の万能洗浄組成物と置き換えることによって変更したH* 3(商標)網状赤血球法のそれと比較した。試料セットは、30の病院外の正常な試料、および29の病院内の試料を包含した。標準的H* 3(商標)法は、Brugnaraら(1994年)に記載のH* 3(商標)システムで実施した。変更したH* 3(商標)法は、洗浄剤1を本発明に記載の万能洗浄剤で置き換えたH* 3(商標)システムで実施した。結果を下記の表4に提示するが、ここで、「R」は相関係数であり、「 y.x 」は推定値の標準誤差であり、「 bar bar 」は、参照方法についての試料セットの平均から試験した方法についてのそれを減じた差である。
【0061】
表4に示したとおりの網状赤血球分析の結果は、3種類のパラメータはすべて、標準的方法の指定の範囲内にあったことを立証している。したがって、H* 3(商標)網状赤血球法は、この方法に万能洗浄剤を包含して、許容され得る様式で実施された。
【0062】
【表4】
Figure 0003728548
【0063】
本明細書に引用された限りでのすべての特許出願、公布された特許、公刊された論文および参照文献、ならびに教科書の内容は、これにより、参照によって全体として組み込まれる。
【0064】
上記の組成物および方法には、本発明の範囲および精神から逸脱せずに様々な変化を与えることができることから、上記の記載に含まれ、添付の図面に示され、または付記の請求範囲に定義されたすべての主題は、例示的なものとして、かつ限定的な意味にではなく、解釈されるものとする。
【0065】
添付の図の図面は、本発明を更に説明し、その様々な面を明確にすることによってその理解を助けるために提示されているが、ここで、図1A〜1Fは、本発明に記載のとおりに、かつそれに従って調製された様々な試薬の溶液または希釈液を、自動式血液学的分析装置の電子光学的検出システムを用いた鑑別白血球数の決定に用いたときに得られた細胞所見を示す。図1Aに示された限りでの数字の標識は、細胞所見の異なる領域を同定するのに役立ち、図のそれぞれで同一である。図示のとおり、数字1はリンパ球集団の部域を示し;数字2は単核球集団の部域を示し;数字3は好中球集団の部域を示し;数字4は好酸球集団の部域を示し;数字5は、血小板および赤血球の血球影から生じる起原ノイズの部域を示し;そして数字6は巨大未染色白色細胞すなわちLUCの集団の部域を示す。図1A〜1Fは、白血球の鑑別分析のペルオキシダーゼ法を用いた白血球鑑別数に対する、可変的な洗浄剤持ち越しの効果を試験するために実施した実験の結果を示す細胞所見であって、水性洗浄試薬組成物を用いた試料間洗浄を含む試料周期を包含する。洗浄剤持ち越し量を、下記の図1A〜Fに示す。
【0066】
図1Aおよび1Bは7.9μLの洗浄剤持ち越し量の結果を示す細胞所見である。
【0067】
図1Cおよび1Dは10.1μLの洗浄剤持ち越し量の結果を示す細胞所見である。
【0068】
図1Eおよび1Fは13.3μLの洗浄剤持ち越し量の結果を示す細胞所見である。
ペルオキシダーゼ法のR1試薬液は、0.105g/LのSDSを含有した(実施例1を参照されたい)。図の最上部に示したとおり、ペルオキシダーゼ法には2種類の水性洗浄試薬組成物を用いた。2.0g/LのSDSを含有する標準的試薬液から得られた細胞所見を図1A、1Cおよび1Eに示す。2.0g/LのSDSおよび3.0g/LのBrij(商標)35を含有する洗浄液から得られた細胞所見を図1B、1Dおよび1Fに示す。図1A〜1Fの結果は、洗浄剤中のBrij(商標)35の存在は、洗浄剤持ち越し量がほぼ8.0μLを超えるならば、高品質の結果に対して不都合であることを示す。
上記した図1A〜図1Fをまとめて図1として添付の図面に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 洗浄剤持ち越し量の結果を示す細胞所見である。

Claims (26)

  1. 血液試料の分析に用いられる半自動ならびに全自動式の血液学的分析装置のシステムハードウエアおよびシステム構成要素での血液試料および試薬混合物の蓄積を防止する方法であって、
    (a)下記の成分:(1)第一級ヒドロキシル基で終端する酸化エチレンおよび酸化プロピレンのポリオールのブロック共重合体である非溶血性の非イオン界面活性剤であって、該界面活性剤分子中の酸化エチレンの重量百分率が、20〜80%であり、該界面活性剤が式:
    HO−(CH2CH2−O)x−(CH2CH(CH3)O)y−(CH2CH2−O)x−H
    〔式中、xは1〜36であり、yは3〜62である〕で示されるものである界面活性剤;および(2)該試薬液のpHを6.9〜7.6に維持するのに充分な濃度の緩衝剤または緩衝混合物を含む水性試薬組成物を混合する段階;ならびに
    (b)段階(a)の該試薬液で該システムハードウエアおよび構成要素を洗浄して、該血液試料の分析を実施した後の該血液試料および試薬混合物の蓄積を除去する段階
    を含む方法。
  2. 該緩衝剤が該洗浄試薬液のpHを7.0〜7.3に維持する請求項1記載の方法。
  3. 該緩衝剤がNa2 HPO4 およびNaH2 PO4 またはそれらの混合物を含む請求項2記載の方法。
  4. 該界面活性剤が式:
    HO−(CH2CH2−O)x−(CH2CH(CH3)O)y−(CH2CH2−O)x−H
    〔式中、xは7〜21であり、yは14〜48である〕で示される請求項1記載の方法。
  5. 該非溶血性の非イオン界面活性剤がポリオキシエチレン重量百分率40〜50%のものである請求項1記載の方法。
  6. 段階(a)の該水性試薬組成物がアルカリ金属塩を更に含む請求項1記載の方法。
  7. 該アルカリ金属塩化物塩がNaCl、KClまたはLiClである請求項1記載の方法。
  8. 該アルカリ金属塩化物塩がNaClである請求項7記載の方法。
  9. 該段階(a)の該水性試薬組成物が抗菌性化合物を更に含む請求項1記載の方法。
  10. 該抗菌性化合物が、(2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、(N,N’−メチレン−ビス[N’−(1−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素)、(塩化1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタン)および2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールよりなる群から選ばれる請求項9記載の方法。
  11. 該段階(a)の該水性試薬組成物が抗酸化化合物を更に含む請求項1記載の方法。
  12. 該抗酸化剤が、3,3’−チオジプロプリオン酸、3,3’−ジチオ酢酸、水溶性ビタミンE、BHTまたは2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、BHAまたは2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、およびMEHQまたはp−メトキシフェノールよりなる群から選ばれる請求項11記載の方法。
  13. 該段階(a)の該水性試薬組成物が285〜305ミリオスモル/kgの重量モル浸透圧濃度を有する請求項1記載の方法。
  14. 血液試料の分析に用いられる半自動ならびに全自動式の血液学的システムおよびシステム構成要素から血液試料および試薬混合物を除去する方法であって、該血液学的分析の実施後に、第一級ヒドロキシル基で終端する酸化エチレンおよび酸化プロピレンのポリオールのブロック共重合体である非溶血性の非イオン界面活性剤であって、該界面活性剤分子中の該酸化エチレンの重量百分率が、20〜80%であり、該界面活性剤が式:
    HO−(CH2CH2−O)x−(CH2CH(CH3)O)y−(CH2CH2−O)x−H
    〔式中、xは1〜36であり、yは3〜62である〕で示されるものである界面活性剤を含む水性洗浄試薬組成物を用いて、該血液学的システムの構成要素を1回以上洗浄する段階を含む方法。
  15. 該洗浄試薬組成物が、7.0〜7.3のpHを維持する緩衝剤を更に含む請求項14記載の方法。
  16. 該緩衝剤がNa2 HPO4 およびNaH2 PO4 またはそれらの混合物を含む請求項15記載の方法。
  17. 該界面活性剤が式:
    HO−(CH2CH2−O)x−(CH2CH(CH3)O)y−(CH2CH2−O)x−H
    〔式中、xは7〜21であり、yは14〜48である〕で示される請求項14記載の方法。
  18. 該非溶血性の非イオン界面活性剤がポリオキシエチレン重量百分率40〜50%のものである請求項14記載の方法。
  19. 該水性洗浄試薬組成物がアルカリ金属塩を更に含む請求項14記載の方法。
  20. 該アルカリ金属塩化物塩がNaCl、KClまたはLiClである請求項19記載の方法。
  21. 該アルカリ金属塩化物塩がNaClである請求項19記載の方法。
  22. 該水性洗浄試薬組成物が抗菌性化合物を更に含む請求項14記載の方法。
  23. 該抗菌性化合物が、(2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、(N,N’−メチレン−ビス[N’−(1−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素)、(塩化1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタン)および2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールよりなる群から選ばれる請求項22記載の方法。
  24. 該水性洗浄試薬組成物が抗酸化化合物を更に含む請求項14記載の方法。
  25. 該抗酸化剤が、3,3’−チオジプロプリオン酸、3,3’−ジチオ酢酸、水溶性ビタミンE、BHTまたは2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、BHAまたは2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、およびMEHQまたはp−メトキシフェノールよりなる群から選ばれる請求項24記載の方法。
  26. 該水性洗浄試薬組成物が285〜305ミリオスモル/kgの重量モル浸透圧濃度を有する請求項14記載の方法。
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