JP3728497B2 - 歩行者経路案内システム及びその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる歩行者ITSシステムにおいて利用される歩行者経路案内システム及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高齢化社会への対応やバリアフリー社会の構築が緊急の課題として叫ばれており、ITS(Intelligent Transport Systems 高度道路交通システム)の自動車交通への導入が進展する中、歩行者に対するITSの活用、すなわち「歩行者ITS」への気運が高まってきている。
【0003】
ここで「歩行者ITS」とは、主として歩行者、車椅子使用者等に、安全・快適・利便を提供する道路システムであると定義できる。すなわち、高齢者・障害者の社会参加を支援するためには、その歩行に伴う身体的・精神的負担を軽減する必要があり、高齢者・障害者でも安全かつ快適に移動できる歩行環境を提供する必要がある。また、平成12年5月にいわゆる交通バリアフリー法が成立したことにより、今後、バリアフリー対応の歩行空間を提供することがますます求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
歩行者ITSにおける経路案内システムの開発においては、主に健常者を対象とする自動車ITSと異なり、歩行者、特に高齢者や障害者といった移動に困難を感じる機会の多い歩行者等に対する経路案内を如何にして行うかが課題となる。
【0005】
例えば、自動車ITSにおける経路案内では、自動車が1本の線上を走行するものとみなして行えばよかったが、歩行者が1本の線上を歩くとみなして経路案内は行うことは現実的ではない。歩行者の経路案内においては、注意喚起等の観点からその位置把握等に高い精度が求められる一方、経路案内においては案内幅に尤度を持たせて柔軟に行う必要がある。また、自動車のように直角に曲がるように案内することは好ましくない。
【0006】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、歩行者に対して、歩行経路上での誘導及び目的地までの経路案内をその特性に合わせて的確にかつ安全に行うことができる歩行者経路案内システム及びその方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の主要な観点によれば、歩行者が歩行するべき地物オブジェクトが、一定の幅と、経路案内上、出口として設定された辺を含む複数の辺とを有する1又は2以上のタイル形状で登録されてなる電子地図を格納する電子地図格納部と、前記歩行者の電子地図上の位置を検出する歩行者位置検出手段と、この歩行者位置検出手段で検出された歩行者の位置に基づいて、歩行者が経路として設定されたタイル形状の地物オブジェクトの、前記出口として設定された辺以外の辺からはみ出した場合に、歩行者が経路から離脱したものとしてそのことを当該歩行者に案内する経路離脱案内手段とを有することを特徴とする歩行者経路案内システムが提供される。
【0008】
このような構成によれば、歩行者が歩行する歩道や通路などの地物オブジェクトを一定の幅を有するタイル形状で地図上に登録し、経路を案内している歩行者がこのタイルからはみ出た場合にだけ、経路離脱として警告を案内するようにした。これにより、歩行者、特に弱視者などの身体障害者の経路案内を行う場合に、経路誘導時に歩行者が頻繁に歩行経路から離脱したと判断してしまう事態を有効に防止でき、歩行者の挙動に合致した経路案内を行うことができる。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記経路離脱案内手段は、前記歩行者が前記複数の辺のうち前記出口として設定された辺からタイル外に離脱した場合にはそのことを歩行者に案内しないようになっている。ここで、前記タイル形状の地物オブジェクトは、経路案内上、入口として設定された辺および出口として設定された辺を有し、前記歩行者を、前記タイル形状の地物オブジェクトの前記入口として設定された辺から出口として設定された辺に向かって案内する歩行者経路案内手段をさらに有するのが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、歩行者への経路案内において、歩行者が複数の辺を有するタイル形状の地物オブジェクトの出口以外の辺からはみ出した場合にだけ経路離脱と判断することにした。これにより、歩行者を地物オブジェクトの出口に向かって確実に案内することができる。
【0011】
本発明の他の一の実施形態によれば、歩行者の指定する始点および終点に基づいて、前記歩行者が始点から終点に達するまでに順次歩行するべき複数の地物オブジェクトの組み合わせを歩行経路として探索する歩行経路探索手段をさらに有する。ここで、前記歩行者経路探索手段は、前記探索した歩行経路に基づいて、この歩行経路を構成する各タイル形状の地物オブジェクトの入口の辺を少なくとも特定するものであることが好ましい。
【0012】
本発明の他の一の実施形態によれば、前記各地物オブジェクトには歩行者属性と関連付けられた所定の地物属性が割り付けられており、前記経路探索手段は、前記経路探索する際に前記歩行者属性と地物属性を参照するものである。
【0013】
このような構成によれば、歩行者の障害の有無や障害の程度等の属性と、階段や横断歩道等の地物オブジェクトの属性とに基づいて、各歩行者に適した経路を探索することができる。
【0014】
この発明の第2の主要な観点によれば、歩行者が歩行するべき地物オブジェクトが、一定の幅と、経路案内上、出口として設定された辺を含む複数の辺とを有する1又は2以上のタイル形状で登録されてなる電子地図を格納する電子地図格納工程と、前記歩行者の電子地図上の位置を検出する歩行者位置検出工程と、この歩行者位置検出手段で検出された歩行者の位置に基づいて、歩行者が経路として設定されたタイル形状の地物オブジェクトの、前記出口として設定された辺以外の辺からはみ出した場合に、歩行者が経路から離脱したものとしてそのことを当該歩行者に案内する経路離脱案内工程とを有することを特徴とする歩行者経路案内方法が提供される。
【0015】
このような構成によれば、上記した第1の主要な観点におけるシステムを利用して好適に得られる歩行者経路案内方法を提供することができる。
【0016】
なお、この発明の他の特徴と顕著な効果は、次の発明の実施の形態の項の記載と添付した図面とを参照することで、より明確に理解される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、この実施形態の歩行者経路案内システムで用いられる地物オブジェクトデータ及びこれを利用した歩行者経路案内方法を模式化して示すものである。ここで、地物オブジェクトとは、歩行者経路案内において参照されるべき歩道、車道、信号、横断歩道、建物といった各種オブジェクトであると定義できる。
【0019】
この実施例においては、歩道、車道、横断歩道等、一定の面積を有する地物オブジェクトは、例えばこの図に歩道Bを例にとって示すように、複数の辺K1〜K6で囲まれる「タイル状」もしくは「面状」のデータとして、前記電子地図データに登録されている。なお、図1で太線で示す辺K2及びK4はそれぞれ建物Aとの境界、すなわち建物Aの壁であり、辺K3は建物Aの入口を示す。
【0020】
この実施形態の歩行者経路案内システムでは、歩行者を誘導するべき歩行経路の探索を、出発点から終着点に向かって連続する複数の地物オブジェクトの組合せを特定することによって行なう。この図1では、歩行経路は、互いに隣り合う歩道A〜歩道Eという連続する地物オブジェクトとして特定されている。
【0021】
そして、このシステムにおける歩行者の経路誘導は、歩行者を、この歩行者が現在属する地物オブジェクトの入口から出口、即ち次の地物オブジェクトの入口に向かって誘導することで行なわれる。この例では、歩道B上の歩行者は、歩道Bの入口の辺K1から出口の辺K5(次の歩道Cの入口の辺K5)に向かうように誘導される。
【0022】
このように、辺K5は歩道Bを構成する一辺と歩道Cを構成する一辺とを兼ねている。すなわち、この実施形態において、隣り合う地物オブジェクトとは、少なくとも1つ以上の辺を共有する関係にある地物オブジェクトの組み合わせであると定義することができる。
【0023】
また、この実施形態においては、現在の地物オブジェクトの入口の辺の中点と次の地物オブジェクトの入口の辺の中点とを経路案内における通過点(ノード)として使用する。しかしながら、歩行者、特に弱視者などの身体障害者の経路案内を行う場合には、それらの者がこれら通過点同士を結んだ1本の線L(リンク)上を歩くものとして誘導することは好ましくない。一般に、歩行者ITSで使用するGPSシステムの精度は1m以下であると想定され、1本の線に沿って案内を行なってしまうと歩行者が頻繁に経路から離脱してしまうことになり実情に即さないことになる。
【0024】
そこで、この実施形態では、図に一点鎖線L1で示すように、この歩道B内を歩行者がある程度蛇行した場合であっても、タイル状の歩道Bの出口と設定された辺(K5)以外の辺(K1〜K4、K6)から外側にはみ出さない限りは案内経路Lから離脱していないものとして扱うようにする。そして、この図に点線L2で示す歩行者のように、これらの辺(K1〜K4、K6)からはみ出した場合にのみ案内経路を離脱した旨の警告を発するようにする。
【0025】
このような経路案内を行うため、この実施形態に係る経路案内システムは以下のように構成されている。
【0026】
図2は、この実施形態で経路案内を行なう歩行者10を示したものである。この歩行者10は、両肩に一対のGPSアンテナ11を取り付け、このGPSアンテナ11が接続された携帯端末機12を保持している。この携帯端末機12は、前記GPSアンテナ11からの信号に基づいてこの歩行者10の地物オブジェクト(電子地図)上での位置を断続的に演算し、図1に点線L2で示すように歩行者10が地物オブジェクトを構成する辺から外にはみ出してしまった場合にのみ、所定の経路離脱案内を歩行者10に通知するようになっている。この例は、前記携帯端末機12は、歩行者10に対して音声で「案内経路を離脱しました。右45度方向に旋回して歩道に戻ってください」旨の経路離脱案内を経路誘導案内とあわせて通知している。
【0027】
図3は、前記携帯端末機12の概略構成を示す機能ブロック図である。まず、前記一対のGPSアンテナ11はこの装置に設けられたGPSシステム14に接続されている。また、この携帯端末機12は、地図データ受信部15を有し、この図に13で示す電子地図ホストから図1で示したような地物オブジェクトデータを含む地図データ16を例えば無線ネットワークを通してデータ格納部17に格納するようになっている。
【0028】
この電子地図データ16は、通常のデジタル地図情報と、このデジタル地図情報に重ねて登録された前記地物オブジェクトのデータ18と、この地物オブジェクトの属性19とからなる。
【0029】
図4は、この地図データに格納される地物オブジェクトの例を示したものである。この図に示すT1〜T14が地物オブジェクトであり、歩行者の歩行経路案内において参照するべき歩道、車道やあらゆる障害物が「面」や「線」や「点」の形で分類されている。すなわち、T1〜T4は「歩道」、T5〜T10は「段差」、T11及びT12は「植樹帯」、T13は「車道」であり、これらは「面」の地物オブジェクトとして登録されている。また、異なる「面」の地物オブジェクト間の境界は「線」の地物オブジェクトとして登録される。さらに、図にT14で示す消火栓等は「点」の地物オブジェクトとして登録されている。なお、この図において、T1、T2及びT3は同じ歩道ではあるが、歩行経路案内上、特に区別して認識した方がよいため、分割して登録されている。
【0030】
図5及び図6は、前記地物オブジェクトの種類、定義、形式及びその属性を示した表である。ここで、形式とは地物オブジェクトが「面」であるか、「線」であるか、「点」であるかを記載する欄である。なお、この発明のタイル形状の地物オブジェクトとは、「面」の地物オブジェクトだけでなく、「線」の地物オブジェクトも含むものとする。また、この実施例ではデータの量を減らして快適な操作を実現するために、いくつかのオブジェクトに関して特徴的な登録の仕方を採用している。
【0031】
例えば図7(a)に示す階段の場合には、階段の段差一段一段を地物オブジェクトとして登録するのではなく、図7(b)に示すように階段の上端昇降口H1(辺)と下端昇降口H2(辺)とを結んだ1枚のタイル状傾斜面20として定義するようになっている。また、エレベータに関しては図8(a)に示すように、一階と二階とでドア21、22の開く方向が同じ場合、このエレベータに関しては図8(b)のように、一階のエレベータホール23と二階のエレベータホール24とを結ぶ垂直な面25として定義する。
【0032】
また、図9に示すように、かなりの広さを有する公園の場合には、一つの地物オブジェクトとして捕らえるのではなく、複数の地物オブジェクトJ1〜J9に分割して多数の地物オブジェクトの集合として表現するようにする。なお、ここで各地物オブジェクトを囲む各辺は、大きく分けて「進入口」、「壁」及び「構囲」とに分類される。この図において、進入口とは、図9に26〜29で示すようにこの公園の出入口などを指し、特定の地物オブジェクトの進入口として最初から定まっているものを参照するために用いられる。又,壁とはこの図に太線30〜33で示すように、例えば、フェンスや建物の壁など、歩行者が実質的にはみ出すことができない境界線を参照するために用いられる。その他の辺は構囲であり、歩行者が越えられる境界を参照するために用いられる。また、この実施形態では、この構囲を構成する各辺のいずれかを経路案内上の入口の辺若しくは出口の辺に設定して、図にL3で示すように、この地物オブジェクトの入口の辺から出口の辺、すなわち隣り合う次の地物オブジェクトの入口に設定された辺へ向かって歩行者を誘導するようになっている。
【0033】
また、前記地物オブジェクトのデータには、各地物オブジェクトの属性が関連付けて格納されている(図3参照)。ここで各地物オブジェクトの属性の具体的内容としては、図5及び図6に示すように、当該地物オブジェクトの寸法(高さ、幅等)、点字案内の有無、音声案内の有無等が格納されるようになっている。
【0034】
また、図3に示すように、前記データ格納部17には歩行者属性を格納する歩行者属性格納部35を備えている。この歩行者属性格納部35は、歩行者の障害の程度等に応じてより好ましい経路探索を行なえるように歩行者の属性を格納しておく場所である。このような歩行者属性としては、例えば図10に示すように、障害の有無、障害の程度(視力)、性別、歩幅(身長)、車椅子の種別(手動、自動)、車椅子の運動性能(傾斜がきついと無理等)、年齢等が登録される。
【0035】
これらの歩行者属性は、前記各地物オブジェクトの属性と関連つけられるようになっている。そして、このことにより、健常者、高齢者、車椅子利用者、弱視者などの当該歩行者の属性に応じた経路探索が行なえるようになっている。
【0036】
また、この携帯端末機12は、図3に示すように、GPSアンテナ11から受取った前記歩行者の位置情報に基づいて当該歩行者の肩の位置を検出する前記GPSシステム14と、この両肩の位置に基づいて当該歩行者の位置及び向きを演算する歩行者位置/向き演算部36と、前記地物オブジェクトを参照してこの求められた歩行者の位置と地図データ中の地物オブジェクトの位置に基づいて当該歩行者に対して案内するべき歩行経路を探索する経路探索部37と、探索された経路に基づいて歩行者の経路誘導を行なう経路誘導部38と、歩行者が経路から離脱したことに基づいてそのことを歩行者に知らせる経路離脱案内部39とを有する。
【0037】
また、この携帯端末機12は、ディスプレイ40、スピーカ41及び振動子42を有し、前記歩行者に対する経路誘導および経路離脱案内を音声、視覚、及び振動で通知することができるようになっている。なお、図中43で示すのは、歩行者が出発点や終着点等の情報を入力するための入力部である。
【0038】
なお、前記実施形態の各構成要素は、実際には携帯端末機12及びこの端末機12に設けられたハードディスク等の記憶媒体に確保された一定の領域及びその領域にインストールされたソフトウエアプログラムである。そして、この端末機12の図示しないCPUによってRAM上に適宜呼び出されて実行されることによりこの発明の各機能を奏するようになっている。
【0039】
以下、この構成要素のさらに詳しい構成及び機能を、図11及び図12に示すフローチャートを参照しその実際の動作と共に説明する。なお、図中S1〜S14の記号は動作のステップを参照するための符号であり、以下の説明と一致する。
【0040】
最初に、図11を参照して、歩行者が指定した目的地(終着点)への経路を探索する工程を説明する。
【0041】
まず、歩行者10が前記携帯端末機12の入力部43から出発地及び目的地の情報を入力すると(ステップS1)、前記経路探索部37が前記データ格納部17の歩行者属性格納部35から、この歩行者10の属性情報(図10参照)を取得する(ステップS2)。
【0042】
ついで、経路探索部37は、前記歩行者10が入力した出発地、目的地及び前記で取得した歩行者10の属性に基き、前記データ格納部17内の地物オブジェクトを前記地物オブジェクト属性19を参照して探索する(ステップS3)。例えば、歩行者10の属性として「手動の車椅子利用」という情報を取得した場合は、階段(歩道橋)や傾斜がきつい上り坂を避けた地物オブジェクトの組み合わせを歩行者案内経路として特定し、出力する。
【0043】
このようにして歩行者10が入力した目的地までの地物オブジェクト(タイル等)の組み合わせが特定されると、各地物オブジェクトへの入口となる辺を設定し、その中点を通過点(ノード)として設定する(ステップS4)。これにより、図1にLで示したような目的地までの案内経路が完成する。
【0044】
次に、図12を参照して、作成した案内経路に従って歩行者を誘導する工程を説明する。
【0045】
まず、前記歩行者位置/向き演算部36が、歩行者10の肩に取り付けた一対のGPSアンテナ11からの位置情報を、GPSシステム14を介して受信し、歩行者10が現在属する地物オブジェクト(タイル)を特定する(ステップS5)。
【0046】
ついで、前記経路誘導部38が当該オブジェクトが目的地かを判断し(ステップS6)、目的地である場合には、経路案内を終了する。
【0047】
一方、歩行者10が属する地物オブジェクトが目的地でない場合には、この経路誘導部38はこの地物オブジェクトの入口若しくは次の地物オブジェクトの入口以外の辺から、当該地物オブジェクトの外にはみ出したかを判断する(ステップS7)。歩行者10が地物オブジェクトからはみ出していない場合は、前記経路誘導部38は作成された経路の次の地物オブジェクトの入口の辺の中点に向かって歩行者10を誘導する(ステップS8)。この誘導は、前記GPSアンテナ11により特定された歩行者10の両肩の位置からこの歩行者10の位置及び向きを演算し、これと前記次の地物オブジェクトの入口の辺の中点との関係を求めて行うようにする。
【0048】
歩行者10が前記した辺から当該地物オブジェクトの外にはみ出した場合には、前記経路離脱案内部39が図2に示したような経路離脱の警告を前記携帯端末機12から例えば前記スピーカ41を通して音声で行う(ステップS9)。このような警告の出力は、歩行者10の属性に含まれる障害の種別に応じて適宜、スピーカ41、ディスプレイ40若しくは振動子42を選択して行うようになっている。また、このような警告と同時に、図2に示すように歩行者10への経路誘導案内(ステップS8)を行うようになっている。
【0049】
以上のステップS5〜ステップS9の工程を、歩行者が目的地の地物オブジェクトに到達するまで繰り返す。
【0050】
以上説明したような構成によれば、歩行者が歩行する歩道や通路などの地物を一定の幅を有するタイル形状で地図上に登録し、経路を案内している歩行者がこのタイルからはみ出た場合にだけ、経路離脱として警告を案内するようにした。これにより、歩行者、特に弱視者などの身体障害者の経路案内を行う場合に、1本の線に沿って案内する場合の様な歩行者が頻繁に経路から離脱してしまうことを有効に防止でき、歩行者の挙動に合致した経路案内を行うことができる。
【0051】
また、経路案内において、歩行者の障害の有無や程度等の属性と、階段等の前記タイル形状の地物の属性とに基づいて、歩行者に適した経路を案内することができる。
【0052】
さらに、経路探索においても、前記歩行者の属性と地物の属性とに基づいて、歩行者に最適な経路を探索することができる。
【0053】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0054】
例えば、前記地物オブジェクトは、上記一実施形態及び図面に挙げたのものに限定されるものではない。また、前記一実施形態及び図面に挙げた地物オブジェクトの定義や属性も、それらに限定されるものではない。
【0055】
また、歩行者の位置や向きの算出方法は、上記一実施形態のものに限定されるものではない。前記GPSアンテナを腰や頭に取り付けて歩行者の位置や向きを検出しても良いし、ジャイロコンパスを利用したシステム等によって歩行者の位置等を検出することもできる。
【0056】
さらに、前記一実施形態では、案内経路の演算を前記携帯端末装置が行うようになっているが、負荷の関係から、ホスト側で行うようになっていても良い。
【0057】
また、案内経路は、上記一実施形態では、前記地物オブジェクトの入口の辺の中点をノードとして行うようになっているが、これに限定されるものではない。例えば、各地物オブジェクトの中心点若しくは重心点をノードとして設定するものであっても良い。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、歩行者に対して、歩行経路上での誘導及び目的地までの経路案内をその特性に合わせて的確にかつ安全に行うことができる歩行者経路案内システム及びその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の歩行者経路案内システムで用いられる地物オブジェクトデータ及びこれを利用した歩行者経路案内方法を示す模式図。
【図2】携帯端末機を保持する歩行者を示す図。
【図3】携帯端末機のシステムの概略構成を示す機能ブロック図。
【図4】地図データに格納される地物オブジェクトの例を示す説明図。
【図5】地物オブジェクトの種別、定義などを説明するための表図。
【図6】地物オブジェクトの種別、定義などを説明するための表図。
【図7】地物オブジェクトとしての階段の定義方法を説明するための図。
【図8】地物オブジェクトとしてのエレベータの定義方法を説明するための図。
【図9】地物オブジェクトとしての公園の定義方法を説明するための図。
【図10】歩行者属性情報を示す表図。
【図11】歩行者経路探索の工程を示すフローチャート。
【図12】歩行者経路誘導の工程を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…歩行者
11…GPSアンテナ
12…携帯端末機
14…GPSシステム
15…地図データ受信部
16…電子地図データ
17…データ格納部
18…データ
19…地物オブジェクト属性
20…タイル状傾斜面
21、22…ドア
23、24…エレベータホール
35…歩行者属性格納部
36…歩行者位置/向き演算部
37…経路探索部
38…経路誘導部
39…経路離脱案内部
40…ディスプレイ
41…スピーカ
42…振動子
Claims (12)
- 歩行者が歩行するべき地物オブジェクトが、一定の幅と、経路案内上、出口として設定された辺を含む複数の辺とを有する1又は2以上のタイル形状で登録されてなる電子地図を格納する電子地図格納部と、
前記歩行者の電子地図上の位置を検出する歩行者位置検出手段と、
この歩行者位置検出手段で検出された歩行者の位置に基づいて、歩行者が経路として設定されたタイル形状の地物オブジェクトの、前記出口として設定された辺以外の辺からはみ出した場合に、歩行者が経路から離脱したものとしてそのことを当該歩行者に案内する経路離脱案内手段と
を有することを特徴とする歩行者経路案内システム。 - 請求項1記載の歩行者経路案内システムにおいて、
前記経路離脱案内手段は、前記歩行者が前記複数の辺のうち前記出口として設定された辺からタイル外に離脱した場合にはそのことを歩行者に案内しないようになっていることを特徴とする歩行者経路案内システム。 - 請求項2記載の歩行者経路案内システムにおいて、
前記タイル形状の地物オブジェクトは、経路案内上、入口として設定された辺および出口として設定された辺を有し、
前記歩行者を、前記タイル形状の地物オブジェクトの前記入口として設定された辺から出口として設定された辺に向かって案内する歩行者経路案内手段をさらに有することを特徴とする歩行者経路案内システム。 - 請求項1記載の歩行者経路案内システムにおいて、
歩行者の指定する始点および終点に基づいて、前記歩行者が始点から終点に達するまでに順次歩行するべき複数の地物オブジェクトの組み合わせを歩行経路として探索する歩行経路探索手段をさらに有することを特徴とする歩行者経路案内システム。 - 請求項4記載の歩行者経路案内システムにおいて、
前記歩行者経路探索手段は、前記探索した歩行経路に基づいて、この歩行経路を構成する各タイル形状の地物オブジェクトの入口の辺を少なくとも特定するものであることを特徴とする歩行者経路案内システム。 - 請求項4記載の歩行者経路案内システムにおいて、
前記各地物オブジェクトには歩行者属性と関連付けられた所定の地物属性が割り付けられており、
前記経路探索手段は、前記経路探索する際に前記歩行者属性と地物属性を参照するものである
ことを特徴とする歩行者経路案内システム - 歩行者が歩行するべき地物オブジェクトが、一定の幅と、経路案内上、出口として設定された辺を含む複数の辺とを有する1又は2以上のタイル形状で登録されてなる電子地図を格納する電子地図格納工程と、
前記歩行者の電子地図上の位置を検出する歩行者位置検出工程と、
この歩行者位置検出手段で検出された歩行者の位置に基づいて、歩行者が経路として設定されたタイル形状の地物オブジェクトの、前記出口として設定された辺以外の辺からはみ出した場合に、歩行者が経路から離脱したものとしてそのことを当該歩行者に案内する経路離脱案内工程と
を有することを特徴とする歩行者経路案内方法。 - 請求項7記載の歩行者経路案内方法において、
前記経路離脱案内工程は、前記歩行者が前記複数の辺のうち前記出口として設定された辺からタイル外に離脱した場合にはそのことを歩行者に案内しないようになっている
ことを特徴とする歩行者経路案内方法。 - 請求項8記載の歩行者経路案内方法において、
前記タイル形状の地物オブジェクトは、経路案内上、入口として設定された辺および出口として設定された辺を有し、
前記歩行者を、前記タイル形状の地物オブジェクトの前記入口として設定された辺から出口として設定された辺に向かって案内する歩行者経路案内工程をさらに有することを特徴とする歩行者経路案内方法。 - 請求項7記載の歩行者経路案内方法において、
歩行者の指定する始点および終点に基づいて、前記歩行者が始点から終点に達するまでに順次歩行するべき複数の地物オブジェクトの組み合わせを歩行経路として探索する歩行経路探索工程をさらに有することを特徴とする歩行者経路案内方法。 - 請求項10記載の歩行者経路案内方法において、
前記歩行者経路探索工程は、前記探索した歩行経路に基づいて、この歩行経路を構成する各タイル形状の地物オブジェクトの入口の辺を少なくとも特定するものであることを特徴とする歩行者経路案内方法。 - 請求項10記載の歩行者経路案内方法において、
前記各地物オブジェクトには歩行者属性と関連付けられた所定の地物属性が割り付けられており、
前記経路探索工程は、前記経路探索する際に前記歩行者属性と地物属性を参照するものである
ことを特徴とする歩行者経路案内方法。
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Publications (2)
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