JP3728164B2 - デジタル放送受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタルテレビ放送受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
地上波デジタル放送においてはチャンネルごとに放送局が異なり、各局ごとにサービスが実施されるため、CS放送で提供されているネット情報の様に全チャンネルに関するサービス情報(番組を選局するために必要な情報)を提供することが困難である。更に地上波デジタル放送においては、地域ごとに放送局や使用するチャンネルが異なるため、全チャンネルに関するサービス情報を提供することは一層困難なことになる。
【0003】
このため地上波デジタル放送受信機においては、ユーザが使用する場所に設置した後に初期化処理として、各地域ごとに使用されているチャンネルをユーザが設定していく必要がある。
【0004】
また、地上波デジタル放送においては、各チャンネルに対応する固有周波数とは別に、ガードインターバル、隣接するチャンネルへの妨害をなくすためのオフセット周波数等の選局のために必要な選局パラメータも指定する必要がある。
【0005】
これらの選局パラメータを設定して正常に選局処理を行うことができて初めて、そのチャンネルでサービスされている番組数、番組名等の番組情報を取得することができるようになる。
【0006】
以上のような初期設定を全てユーザが行うのは困難であるため、受信機が自動的に行う機能を持つことが望ましい。しかし、全チャンネルに対し選局パラメータを変化させながら、選局処理を行うことは、非常に時間のかかる処理になってしまう。
【0007】
また初期設定が終わりユーザが使用し始めた後では、放送チャンネルの増加などに自動的に対応することはできず、ユーザが設定する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、チャンネル毎の最適な選局パラメータ、番組情報等のサービス情報を取得する時間の短縮化が図れるデジタル放送受信機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明によるデジタル放送受信機は、各チャンネル別のサービス情報を記憶したサービス情報テーブルに基づいて番組選択処理を行なう手段と、地域別サービス情報テーブルをデータベースとして保持しているホストコンピュータに公衆回線を介して接続するための通信手段とを備えており、地域別サービス情報テーブルは、各チャンネル番号毎に記憶されるサービス情報からなり、サービス情報は、対応するチャンネルの選局情報および番組情報からなり、選局情報は、固有周波数、周波数オフセットおよびガードインターバルからなる、デジタル放送受信機において、地域番号をユーザに入力させるための入力手段、入力手段によって入力された地域番号に対応する地域別サービス情報テーブルを、ホストコンピュータからダウンロードして、当該受信機に対するサービス情報テーブルとして記憶するダウンロード手段、ダウンロード手段によって得られたサービス情報テーブル内の各チャンネルに対して、固有周波数を変化させることなく、周波数オフセットおよびガードインターバルを変化させながら選局処理を行なうことにより、受信機が設置された地域で放送が行われている各チャンネルに対する最適な周波数オフセットおよびガードインターバルならびに番組情報を含むサービス情報を取得して、サービス情報テーブルの内容を更新するサービス情報取得処理手段、およびサービス情報取得処理手段によってサービス情報テーブルの内容を更新した場合には、更新したサービス情報テーブルの内容を地域番号とともにホストコンピュータにアップロードさせる手段を備えており、これにより、ホストコンピュータ側に保持されている地域別サービス情報テーブルを更新させることを可能としたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
【0014】
〔1〕第1の実施の形態の説明
第1の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、地上波デジタル放送受信機の構成を示している。
【0016】
アンテナ1から取り込まれた映像信号は、デジタル選局部2に送られる。デジタル選局部2では特定の周波数のチャンネルが選局され、選局された信号がデジタル復調部3に送られる。デジタル放送は通常のトランスポートストリームの形で送られ、複数の番組が1つのチャンネルに多重されている。
【0017】
デジタル復調部3で復調されたトランスポートストリームは、ストリーム分離部4に送られ、トランスポートストリーム中の特定の映像データ及び音声データを分離する。ストリーム分離部4によって分離された映像データは映像デコーダ5に、ストリーム分離部4によって分離された音声データは音声デコーダ8に送られる。
【0018】
トランスポートストリームから分離された映像データ及び音声データは、効率よく伝送するために符号化され圧縮されている。映像デコーダ5および音声デコーダ8では圧縮されたデータを伸長することによって、映像信号および音声信号を取り出す。映像デコーダ5によって得られた映像信号はオンスクリーン処理部6へ送られる。オンスクリーン処理部6では、映像信号に文字やグラフィックスなどのオンスクリーン情報を付加する。オンスクリーン処理部6から出力される映像信号は、モニタ7に送られて表示される。音声デコーダ8によって得られた音声信号はスピーカ9に送られて出力される。
【0019】
上記選局処理およびストリーム分離処理によって番組選択が行なわれる。選局処理を行なうためのデジタル選局部2およびストリーム分離処理を行なうストリーム分離部4は、制御部11により制御される。また選局処理やストリーム分離理は、不揮発性メモリ10に記憶されているサービス情報テーブルに基づいて行なわれる。
【0020】
ユーザからの入力は、リモートコントローラ(以下、リモコンという)13により行われる。リモコン13から送られたキーコードは、リモコン受光部12を介して制御部11に送られる。制御部11はキー入力を受け取り、入力に応じた番組選択処理を行う。
【0021】
図2は、不揮発性メモリ10に記憶されるサービス情報テーブルの一例を示している。
【0022】
サービス情報テーブルは、各チャンネル番号毎に記憶されるサービス情報からなる。サービス情報は、対応するチャンネルの選局情報と番組情報とからなる。選局情報は、対応するチャンネルの放送を選局するために必要な情報であり、この例では、固有周波数、周波数オフセットおよびガードインターバルからなる。通常、固有周波数は、チャンネルごとに固定である。周波数オフセットおよびガードインターバルは、可変であるため、これらを選局パラメータということにする。
【0023】
周波数オフセットは、隣接チャンネルに妨害が出ないように固有周波数に加算される選局パラメータである。例えば、英国の地上波デジタル放送の場合には、0、+1/6〔MHz〕または−1/6〔MHz〕の3種類の値をとることができる。ガードインターバルは、英国の地上波デジタル放送の場合には、1/32、1/16、1/8、または1/4の4種類の値を取ることができる。すなわち1つのチャンネルに対する選局パラメータは組み合わせとして12種類あることになる。
【0024】
各チャンネルに対する固有周波数は、予め記憶されている。オフセットおよびガードインターバルの種類は予め認識されているが、オフセットおよびガードインターバルの適正値は、後述するサービス情報の取得処理によって決定される。
【0025】
番組情報は、対応するチャンネルで放送されている番組に関する情報であり、この例では、番組数と、各番組の番組番号または番組名とからなる。番組情報は、当該チャンネルが選局されて当該チャンネルの放送が正常に受信されることによって、放送波から取得される情報である。
【0026】
図3は、サービス情報の取得処理手順を示している。
【0027】
まず、サービス情報を取得すべきチャンネル(以下、取得対象チャンネルという)の固有周波数を設定するとともに、選局パラメータ(周波数オフセットおよびガードインターバル)の初期値を設定する(ステップ1)。
【0028】
この際、周波数オフセットの初期値としては、隣接するチャンネルにアナログまたはデジタルの放送が存在する場合には、隣接するチャンネルの周波数と、取得対象チャンネルの周波数との差が大きくなるようなオフセット値が設定される。
【0029】
例えば、取得対象チャンネルより低い周波数の隣接チャンネルに放送が存在する場合には、オフセット値を+に設定し、反対に取得対象チャンネルより高い周波数の隣接チャンネルに放送が存在する場合には、オフセット値を−に設定する。また、取得対象チャンネルの隣接チャンネルに放送がない場合には、オフセット値を0に設定する。
【0030】
次に、ステップで設定した固有周波数、オフセットおよびガードインターバルに応じた選局処理を行う(ステップ2)。
【0031】
ステップ2の選局処理を行なった結果、放送が受信できなければ(ステップ3でNO)、全ガードインターバルに対して受信チェックしたか否かを判定し(ステップ4)、全ガードインターバルに対して受信チェックしていない場合には、次のガードインターバルを設定した後(ステップ5)、ステップ2に戻り、再度受信チェックを行う。受信できない場合には、ステップ4、5、2、3の処理を繰り返し行なう。
【0032】
全ガードインターバルに対して受信チェックを行なっても、放送を受信できなかった場合には(ステップ4でYES)、全オフセットに対して受信チェックしたか否かを判定し(ステップ6)、全オフセットに対して受信チェックしていない場合には、次のオフセットを設定した後(ステップ7)、ステップ2に戻り、再度受信チェックを行う。受信できない場合には、ステップ4、6、7、2、3の処理を繰り返し行なう。
【0033】
全オフセットに対して受信チェックを行なっても、放送を受信できなかった場合には(ステップ6でYES)、当該取得対象チャンネルには放送がないものと判定し、ステップ8に移行する。この場合には、当該取得対象チャンネル対するサービス情報としては、何も記録しない。
【0034】
ステップ8では、全チャンネルに対するサービス情報の取得処理が終了したか否かを判定し、全チャンネルに対するサービス情報の取得処理が終了していない場合には、取得対象チャンネルを次のチャンネルに更新した後(ステップ9)、ステップ1に戻り、次のチャンネルに対するサービス情報の取得処理を開始する。
【0035】
上記ステップ3において、放送が受信できたと判定した場合には、番組情報を取得し(ステップ10)、取得した番組情報と現在設定されている選局パラメータとをサービス情報として不揮発性メモリ10に記録する(ステップ11)。そして、ステップ8に移行する。
【0036】
なお、ステップ8において全チャンネルに対するサービス情報の取得処理が終了したと判定した場合には、サービス情報の取得処理を終了する。
【0037】
ところで、サービス情報の取得処理時間を短縮するためには、各チャンネルに対するパラメータのサーチ回数を少なくすることが必要である。上記第1の実施の形態では、取得対象チャンネルの隣接チャンネルに放送が存在している場合に、可能性の高い周波数オフセットを初期値として設定しているので、サービス情報の取得時間を短縮することが可能になる。
【0038】
〔2〕第2の実施の形態の説明
【0039】
第2の実施の形態について説明する。地上波デジタル放送受信機の構成は、図1に示されている第1の実施の形態と同じである。
【0040】
第2の実施の形態では、不揮発性メモリ10内に、サービス情報テーブルの作成エリア(以下、サービス情報テーブル作成エリアという)と、図4に示すように、各地域ごとのサービス情報テーブル(地域別サービス情報テーブル)をデータベースとして記憶したエリアとが設けられている。各地域別サービステーブルには、工場出荷時においてサービス情報が記憶されている。
【0041】
サービス情報の初期設定を行う際には、図5のような画面が表示されユーザから地域を特定する番号(地域番号)が入力される。図5の例では、地域番号として、郵便番号を入力させているが、電話の市外局番や固有の番号を用いてもよい。入力された地域番号により使用すべき地域別サービス情報テーブルを選択して、サービス情報テーブル作成エリアに複写する。
【0042】
サービス情報テーブル作成エリアに複写された地域別サービス情報テーブルの内容は、それが作成された時点から時間が経過するとともに古くなってしまうが、サービス情報テーブル作成エリアに地域別サービス情報テーブルを複写した後に、第1の実施の形態と同様なサービス情報取得処理を行なうことにより、サービス情報テーブルの内容を最新の情報に更新することができる。サービス情報取得処理を行なう際に、図3のステップ1で最初に設定される選局パラメータの初期値として、複写時のサービス情報テーブルの内容を用いることにより、工場出荷時から情報が変更されていないチャンネルに関しては1回でサーチが終了するため、サーチ時間が短くて済むことになる。
【0043】
〔3〕第3の実施の形態の説明
第3の実施の形態について説明する。
【0044】
図6は、地上波デジタル放送受信機の構成を示している。図6において、図1と同じものには、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0045】
この地上波デジタル放送受信機では、モデム(通信手段)14を備えている。そして、制御部11は、モデム14および公衆回線20を介してホストコンピュータ15に接続されている。ホストコンピュータ15の外部記憶装置としては、HDD等の一般的なコンピュータ用記憶装置でよいが、この実施の形態では、不揮発性メモリ16を使用している。
【0046】
不揮発性メモリ16には、第2の実施の形態の図4と同様な、地域別サービス情報テーブルが格納されている。不揮発性メモリ16に格納される地域別サービス情報テーブルは、可能な限り最新の情報に更新される。
【0047】
サービス情報の初期設定を行う際には、第2の実施の形態で説明したような図5に示す画面が表示されユーザから地域を特定する地域番号が入力される。制御部11は地域番号が入力されると、サービス情報ダウンロードコマンドと地域番号とをホストコンピュータ15に送信する。ホストコンピュータ15は、サービス情報ダウンロードコマンドと地域番号とを受信すると、不揮発性メモリ16から、受信機から送られてきた地域番号に対応したサービス情報テーブルを読み出して、制御部11に送信する。制御部11は、ホストコンピュータ15から送られてきたサービス情報テーブルを受信すると、不揮発性メモリ10に格納する。
【0048】
不揮発性メモリ10に格納された地域別サービス情報テーブルの内容は、それが作成された時点から時間が経過するとともに古くなってしまうが、不揮発性メモリ10に地域別サービス情報テーブルを格納した後に、第1の実施の形態と同様なサービス情報取得処理を行なうことにより、サービス情報テーブルの内容を最新の情報に更新することができる。サービス情報取得処理を行なう際に、図3のステップ1で最初に設定される選局パラメータの初期値として、ホストコンピュータ15側から取得したサービス情報テーブルの内容を用いることにより、情報が変更されていないチャンネルに関しては1回でサーチが終了するため、サーチ時間は短くて済むことになる。
【0049】
なお、各受信機によってサービス情報取得処理を行なった場合に、それによって獲得した最新のサービス情報を、地域番号とともにホストコンピュータ15にアップロードすることにより、ホストコンピュータ15の不揮発性メモリ16に格納されている地域別サービス情報テーブルを、最新の情報に更新するようにしてもよい。
【0050】
つまり、各受信機によってサービス情報取得処理を行なったときには、モデム14を使って公衆回線20を通じてホストコンピュータ15に制御部11を接続する。次に、制御部11は、サービス情報アップロードコマンドと地域番号とサービス情報とをホストコンピュータ15に送信する。ホストコンピュータ15は、これらの情報を受信すると、不揮発性メモリ16内の地域別サービス情報テーブルのうち、受信機から送られてきた地域番号に対応する地域別サービス情報テーブルの内容を、受信機から送られてきたサービス情報に基づいて更新する。このようにして内容が更新された地域別サービス情報テーブルは、他の受信機によりダウンロードされて利用される。
【0051】
ホストコンピュータ15で管理している地域別サービス情報テーブルを受信機に提供する場合には、地域別サービス情報テーブルの更新作業をいかに効率化するかが問題となるのが、上述したように、各受信機がサービス情報取得処理によって得た最新の情報をホストコンピュータ15にアップロードすることにより、人の手をかけずに自動的にデータを更新することができるようになる。
【0052】
【発明の効果】
この発明によれば、チャンネル毎の最適な選局パラメータ、番組情報等のサービス情報を取得する時間の短縮化が図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地上波デジタル放送受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】サービス情報テーブルの一例を示す模式図である。
【図3】サービス情報取得処理手順を示すフローチャートである。
【図4】地域別サービス情報テーブルの一例を示す模式図である。
【図5】地域番号入力画面の一例を示す模式図である。
【図6】地上波デジタル放送受信機の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 デジタル選局部
3 デジタル復調部
4 ストリーム分離部
10 不揮発性メモリ
11 制御部
12 リモコン受光部
13 リモコン
14 モデム
15 ホストコンピュータ
16 不揮発性メモリ
Claims (1)
- 各チャンネル別のサービス情報を記憶したサービス情報テーブルに基づいて番組選択処理を行なう手段と、地域別サービス情報テーブルをデータベースとして保持しているホストコンピュータに公衆回線を介して接続するための通信手段とを備えており、地域別サービス情報テーブルは、各チャンネル番号毎に記憶されるサービス情報からなり、サービス情報は、対応するチャンネルの選局情報および番組情報からなり、選局情報は、固有周波数、周波数オフセットおよびガードインターバルからなる、デジタル放送受信機において、
地域番号をユーザに入力させるための入力手段、
入力手段によって入力された地域番号に対応する地域別サービス情報テーブルを、ホストコンピュータからダウンロードして、当該受信機に対するサービス情報テーブルとして記憶するダウンロード手段、
ダウンロード手段によって得られたサービス情報テーブル内の各チャンネルに対して、固有周波数を変化させることなく、周波数オフセットおよびガードインターバルを変化させながら選局処理を行なうことにより、受信機が設置された地域で放送が行われている各チャンネルに対する最適な周波数オフセットおよびガードインターバルならびに番組情報を含むサービス情報を取得して、サービス情報テーブルの内容を更新するサービス情報取得処理手段、および
サービス情報取得処理手段によってサービス情報テーブルの内容を更新した場合には、更新したサービス情報テーブルの内容を地域番号とともにホストコンピュータにアップロードさせる手段を備えており、
これにより、ホストコンピュータ側に保持されている地域別サービス情報テーブルを更新させることを可能としたことを特徴とするデジタル放送受信機。
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