JP3727842B2 - 使い捨てガーメントの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、病院において、医師や看護婦などが患者の手術時に、受診者が検診時に着用し、旅行者などが急場凌ぎに着用するのに簡便かつ好適な使い捨てガーメントの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガーメントには、これを工業的に製造するのにレディメイドがある。このレディメイドは、オーダメイドほどに身体にフィット性及びデザイン性に対する要求を満足させることができないが、廉価量産可能である点でオーダメイドよりも優れており、周知のように、近年の製造技術は著しく向上していて、需要者のサイズや体型に対する優れたフィット性やデザイン性を有し又は趣味感に富んだものを製造可能になっている。
【0003】
一方、使い捨てガーメントは、通常一回の使用で捨てられるものであるため、レディメイドよりもさらに廉価量産される必要がある。その廉価量産を可能にするには、レディメイドとは異なって一連の製造ライン上でガーメントの材料を自動的に高速処理するとともに、ガーメント材料の使用効率化を可及的にはかる必要があるところ、レディメイドさえも少なくとも各工程への移行間毎に人手を要するとともにガーメント材料の損失も少なくないことから、レディメイドの製造技術を利用することはできない。
【0004】
従来、使い捨て簡易パンツ、使い捨ておむつ、使い捨て失禁パンツなどの衛生材料分野などでは、一連の製造ライン上で衛生ガーメント材料を自動的に高速処理するとともにその材料の使用効率化を図って廉価量産することが可能な技術が提案されている。例えば、特開平3−33201は、使い捨てブリーフの製造ライン上を連続的に移動する複数のウエブを積層して個々のブリーフが画成された連続ブリーフを構成し、該連続ブリーフを各ブリーフの境界線上で順次切り離すことで、個々の完成ブリーフを製造する方法を開示している。また、特開平9−224973は、使い捨ておむつの製造ライン上を連続的に移動するおむつのトップシート又はバックシートとなるべきウエブをその中央部位でサインカーブ状に切断するとともにその縦方向の所与部位でその横方向に切断したのち、そのカーブ状部が前後対称になるように配列する方法を開示している。これら技術によれば、使い捨てパンツ型おむつなどの材料を無駄にすることなく高速処理して、おむつなどを廉価量産することが可能である。
【0005】
しかしながら、前記従来技術は、袖と身頃とが継ぎ目なく連続し、しかも袖の身頃に対する角度や身頃の側縁の形状などを任意に形成し、着用者身体に対するフィット性やデザイン性を向上させることが可能なシールや裁断パターンなどを教示していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、一連の製造ライン上でガーメントの材料を自動的に高速処理するとともに、ガーメント材料の使用効率化をはかることができ、しかも着用者身体に対するフィット性やデザイン性を向上させることが可能なシールや裁断パターンを任意に採択することが可能であって、一対の袖が身頃に継ぎ目を介することなく連続するガーメントの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための、この発明は、互いに離間する第1及び第2側縁を有し互いに重なり合ってガーメントの製造ライン上をその縦方向へ連続して移動する第1及び第2ウエブに、前記縦方向へ一定距離離間して前記縦方向と交差する横方向へ第1側縁から第2側縁近傍へ延びる第1シール横線及び第2側縁から第1側縁近傍ヘ延びる第2シール横線を施すこと、前記第1及び第2シール横線間に区画され、前記縦方向へ延びる縦中心線とこれに交差する横中心線とを仮想し得る前記第1及び第2ウエブの各加工区域において、前記第1シール横線と前記横中心線との間における前記第1側縁から前記縦中心線近傍まで延びる第3シール横線と、前記第2シール横線と前記横中心線との間における前記第2側縁から前記縦中心線近傍まで延びる第4シール横線と、前記縦中心線近傍に位置する第3シール横線の一端と連続して前記第4シール横線近傍に延びる第3シール縦線と、前記縦中心線近傍に位置する第4シール横線の一端と連続しかつ前記第3シール縦線と離間並列する第4シール縦線とをそれぞれ施すこと、当該加工区域における前記第1及び第2ウエブを、前記第1及び第2シール横線が残るようにこれらに沿って当該加工区域に隣接する加工区域から分断し、かつ、前記第3及び第4シール縦線の間を通るとともに前記第3及び第4シール横線と交差することなく前記第3及び第4シール横線近傍でこれらに沿ってそれぞれ前記第1及び第2側縁まで延びる一条の連続する仮想切断線に沿って切断することで、前記縦及び横中心線の交点において点対称な、各袖が連続する第1及び第2身頃を形成し、かつ、前記第1シール横線と前記第1側縁とがなす角部及び前記第2シール横線と前記第2側縁とがなす角部をそれぞれ凸となるように弧を画いて延びるように切除することで、襟刳りを形成すること、及び前記第1及び第2側縁がガーメントの縦方向中央部に位置して前記第1及び第2身頃が該中央部に関して対称になるように前記第1及び第2身頃を配置し、前記第1及び第2身頃における前記第1ウエブの前記第1側縁と前記第2ウエブの前記第2側縁とをシールして前記第1及び第2身頃を接合することを含む使い捨てガーメントの製造方法にある。
【0008】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明に係る使い捨てガーメントの製造方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0009】
図1,2は、本発明の製造方法によって製造された背部閉じ合せ型の使い捨てガーメント1の斜視図と、図1のガーメント1の分解斜視図とであり、図3,4は、図1のA−A線端面図と、図1のB−B線端面図とである。ガーメント1は、図2の左方に位置する身頃2と、図2の右方に位置する身頃3とから構成されている。ガーメント1は、図1に示すように、前身頃1aおよび後身頃1bと、両袖4a,4bとを有し、その上端部中央に襟刳り5と、その下端部に裾6とを備えている。
【0010】
身頃2,3は、身頃本体と袖口7へ向って先細りの袖4a,4bとが一体に作られたものである。身頃2,3では、襟刳り5および裾6と襟刳り5から裾6へ延びる縁部2b,3bと袖口7とを除く残余の周縁部が接合されている。
【0011】
ガーメント1では、身頃2と身頃3との縁部2a,3aが接合されることで、身頃2,3が一体に形成されている。後身頃1bでは、身頃2の縁部2bが身頃3の縁部3bの外側に重なっている。
【0012】
身頃2,3には、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンポンド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製造された不織布を使用することができる。不織布の構成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン/ポリプロピレンまたはポリエステルからなる芯鞘型複合繊維またはサイドバイサイド型複合繊維を使用することができる。
【0013】
不織布には、高い耐水性を有するメルトブローン法による不織布を、高い強度を有しかつ柔軟性に富んだスパンボンド法による不織布で挟んだ複合不織布を使用することもできる。また、不織布には、繊維目付や密度を調整して透湿性を向上させたもの、不織布にエンボスをかけて凹凸を形成し、嵩高性やクッション性を向上させたもの、弾性的な伸縮性を有するものを使用することもできる。
【0014】
図5と図6(a),(b)とは、ガーメント1の製造方法の一例を示す工程斜視図と、第1工程(I)および第2工程(II)の詳細を示す斜視図とであり、図7(a)〜(c)と図8(a)〜(c)とは、第3工程(III)〜第5工程(V)の詳細を示す斜視図と、第6工程(VI)の詳細を示す斜視図とである。それら図では、縦中心線L1と分断線L2とを一点鎖線で示す。
【0015】
ガーメント1は、第1工程(I)〜第7工程(VII)を有する製造ラインにおいて、不織布からなるウエブS1,S2とを使用して製造される。この製造ラインでは、図5に示すように、巻回ロール30に巻き取られているウエブS1,S2が矢印Yで示す縦方向上流から下流(前方)へ連続して供給される。
【0016】
ウエブS1には、矢印Xで示す幅方向の寸法を二分して縦方向へ延びる縦中心線L1と、幅方向へ延びる多数の分断線L2とが仮想されている。ウエブS1,S2は、下流へ向って縦中心線L1の右側に位置する側縁P1,P2と、下流へ向って縦中心線L1の左側に位置する側縁Q1,Q2とを有する。
【0017】
ウエブS1,S2は、それらが互いに重なり合ったときに、分断線L2で縦方向へ連続する多数の区域に区分される。この製造ラインでは、それら区域毎に第1工程(I)〜第7工程(VII)を経てガーメント1が製造される。ウエブS1,S2は、幅方向の寸法が同一のものである。分断線L2は、縦方向へ等間隔で並んでいる。
【0018】
ウエブS1,S2の移動は、駆動装置(図示せず)により回動する多数のニップロール31,32と、駆動装置(図示せず)により走行する多数の無端コンベア35,36,38とによってなされる。S1,S2は、同一の速度で移動する。
【0019】
ウエブS1,S2は、第1工程(I)の直前において、互いに対向して回動するニップロール31の間に進入し、それらウエブS1,S2の側縁P1,P2,Q1,Q2が一致した状態で重なり合い、第1工程(I)へ向かう。
【0020】
第1工程(I)は、図6(a)に示すように、ウエブS1,S2を所与寸法のシール横線B1,B2とで接合する工程である。
【0021】
シール横線B1は、区域の後方に位置する分断線L2aに沿って幅方向へ延びている。シール横線B1は、ウエブS1,S2の側縁P1,P2から分断線L2aの略中央へ達している。シール横線B2は、区域の前方に位置する分断線L2bに沿って幅方向へ延びている。シール横線B2は、ウエブS1,S2の側縁Q1,Q2から分断線L2bの略中央へ達している。
【0022】
それらシール横線B1,B2は、分断線L2a,L2bに沿って延びているが、シール横線B1が縦中心線L1から側縁P1,P2へ向かって前方へ傾斜して延びていてもよく、シール横線B2が縦中心線L1から側縁Q1,Q2へ向かって後方へ傾斜して延びていてもよい。
【0023】
第2工程(II)は、図6(b)に示すように、ウエブS1,S2をシール縦線B3,B4、シール横線B5,B6で接合する工程である。シール縦線B3は、縦中心線L1と側縁P1,P2との間を該縦中心線L1に沿って縦方向へ延びている。シール縦線B3は、分断線L2a近傍から分断線L2b近傍へ延びている。シール縦線B3は、分断線L2b近傍に位置する前端B3aと分断線L2a近傍に位置する後端B3bとを有する。
【0024】
シール縦線B4は、縦中心線L1と側縁Q1,Q2との間を該縦中心線L1に沿って縦方向へ延びている。シール縦線B4は、分断線L2b近傍から分断線L2a近傍へ延びている。シール縦線B4は、分断線L2b近傍に位置する前端B4aと分断線L2a近傍に位置する後端B4bとを有する。
【0025】
シール縦線B3の前端B3aは、シール縦線B4の前端B4aを前方へわずかに越えた位置にある。シール縦線B4の後端B4bは、シール縦線B3の後端B3bを後方へわずかに越えた位置にある。
【0026】
シール横線B5は、シール縦線B3の前端B3aからシール横線B2の後方をシール横線B2と並行するように幅方向へ延び、ウエブS1,S2の側縁Q1,Q2へ達している。シール横線B6は、シール縦線B4の後端B4bからシール横線B1の前方をシール横線B1と並行するように幅方向へ延び、ウエブS1,S2の側縁P1,P2へ達している。
【0027】
シール縦線B3とシール縦線B4とは、縦中心線L1に沿って直状に延びているが、それらシール縦線B3,B4が縦中心線L1を跨ぐように蛇行して延びていてもよい。
【0028】
第1工程(I)と第2工程(II)とでは、超音波や熱による溶着手段を有する装置33を使用してウエブS1,S2を接合している。ウエブS1,S2の接合は、連続的に行われてもよいし、間欠的に行われてもよい。
【0029】
この実施の形態では、説明の便宜上、ウエブS1,S2の接合工程を第1工程(I)と第2工程(II)とに分けているが、ウエブS1,S2の接合を一つの工程で行うこともできる。
【0030】
第3工程(III)は、図7(a)に示すように、ウエブS1,S2を裁断線C1,C2で裁断する工程である。
【0031】
第3工程(III)では、ウエブS1,S2が分断線L2a上と分断線L2b上とを幅方向へ延びる裁断線C1,C2によって裁断され、区域毎に分割される。
【0032】
第4工程(IV)は、図7(b)に示すように、ウエブS1,S2を裁断線C3〜C5で裁断し、身頃2と身頃3とを形成する工程である。
【0033】
裁断線C3は、シール縦線B3,B4の間を縦方向へ延びている。裁断線C3は、シール横線B5近傍とシール横線B6近傍とへ達し、シール横線B5近傍に位置する前端C3aとシール横線B6近傍に位置する後端C3bとを有する。裁断線C3の前端C3aは、シール縦線B3の前端B3aとシール縦線B4の前端B4aとの間に位置している。裁断線C3の後端C3bは、シール縦線B3の後端B3bとシール縦線B4の後端B4bとの間に位置している。
【0034】
裁断線C4は、裁断線C3の前端C3aからシール横線B5の後方をシール横線B5に沿って幅方向へ延び、ウエブS1,S2の側縁Q1,Q2へ達している。裁断線C5は、裁断線C3の後端C3bからシール横線B6の前方をシール横線B6に沿って幅方向へ延び、ウエブS1,S2の側縁P1,P2へ達している。
【0035】
第4工程(IV)では、ウエブS1,S2が裁断線C1〜C5によって裁断されることにより、区域毎に幅方向へ並ぶ身頃2と身頃3とが形成される。
【0036】
かくして形成した分断線L2aと分断線L2bとの間における各シール線及び裁断線のパターンは、縦中心線L1及び横中心線L3に関して対称である(図6の(b)参照)。
【0037】
第5工程(V)は、図7(c)に示すように、ウエブS1,S2を襟刳り線C6と襟刳り線C7とで裁断し、身頃2と身頃3とに襟刳り5を形成する工程である。
【0038】
襟刳り線C6は、分断線L2bの略中央から長手方向後方へ凸となるように弧を画いて延び、ウエブS1,S2の側縁P1,P2へ達している。襟刳り線C7は、分断線L2aの略中央から縦方向前方へ凸となるように弧を画いて延び、ウエブS1,S2の側縁Q1,Q2へ達している。
【0039】
第3工程(III)〜第5工程(V)では、カッティングダイ、または、レーザ光線や超音波による切断手段を有する装置34を使用してウエブS1,S2を裁断している。
【0040】
この実施の形態では、ウエブS1,S2の裁断工程を第3工程(III)〜第5工程(V)に分けているが、ウエブS1,S2の裁断を一つの工程で行うこともできる。
【0041】
第6工程(VI)は、幅方向へ並ぶ身頃2と身頃3とを対称に配列する工程である。第6工程(VI)では、図8(a)〜(c)に示すように、身頃3の反転方向を矢印Z1で示し、身頃3の移動方向を矢印Z2と矢印Z3とで示す。
【0042】
第6工程(VI)では、身頃3をウエブS1,S2が上下逆になるように、縦方向へ180°反転させる(矢印Z1参照)。身頃3を反転させた後は、幅方向における身頃2,3の位置が逆になるように、身頃3を幅方向へ移動させ、身頃3を身頃2の反対側へ移す(矢印Z2参照)。さらに、身頃3を縦方向後方へ移動させ(矢印Z3参照)、それら身頃2,3を幅方向へ対称に配列する。
【0043】
幅方向へ対称に配列された身頃2と身頃3とでは、ウエブS1の側縁P1とウエブS2の側縁Q2とが幅方向へ対向し、ウエブS1の側縁P2とウエブS2の側縁Q1とが幅方向へ対向する。
【0044】
身頃3の反転と移動とは、サクション装置(図示せず)を使用して身頃3を吸着、保持し、サクション装置を反転、移動させることにより行うことができる。第6工程(VI)では、身頃2を縦方向へ180°反転させるとともに、幅方向における身頃2,3の位置が逆になるように、身頃2を幅方向へ移動させ、さらに、身頃2を長手方向前方へ移動させてそれら身頃2,3を幅方向へ対称に配列することもできる。対称に配列された身頃2,3は、無端コンベア上35,36,38を移動し、第7工程(VII)へ向かう。
【0045】
第7工程(VII)は、シール装置37によって身頃2と身頃3とを連結し、図1のガーメント1を得る工程である。なお、図9は、図5の第7工程(VII)におけるC−C線端面図である。
【0046】
第7工程(VII)では、図9に矢印Z4で示すように、身頃2と身頃3とを幅方向内方へ移動させ、ウエブS1の側縁P1近傍と第2ウエブS2の側縁Q2近傍とを互いに重ね合わせて接合し、身頃2,3を一体に形成する。
【0047】
第7工程(VII)では、前身頃と後身頃とが形成される。後身頃では、ウエブS1の側縁P2近傍が、ウエブS2の側縁Q1近傍の外側に重なっている。第7工程(VII)では、ガーメント1の後身頃にウエブS1,S2が互いに重なり合う部位8を形成することができる。部位8の寸法は、身頃2と身頃3とを幅方向内方へ移動させる寸法によって異なる。
【0048】
なお、図示はしていないが、第7工程(VII)の後に、互いに固着されたウエブS1,S2の接合代をわずかに残し、ウエブS1の側縁P1近傍とウエブS2の側縁Q2近傍とを裁断している。
【0049】
第7工程(VII)では、身頃2と身頃3とを幅方向内方へ移動させることなく、ウエブS1の側縁P1とウエブS2の側縁Q2とに沿って、ウエブS1,S2を固着し、身頃2,3を連結してもよい。この場合では、ウエブS2の側縁P2近傍とウエブS1の側縁Q1近傍とが互いに重なり合うことはなく、それら側縁P2,Q1が略一致する。
【0050】
また、第7工程(VII)では、ウエブS1の側縁P1とウエブS2の側縁Q2とに沿って、それらウエブS1,S2を接合する。必要に応じてウエブS2の側縁P2とウエブS1の側縁Q1とに沿って、それらウエブS1,S2を接合してもよい。
【0051】
このラインでは、投光部と受光部とから形成された光センサと、ニップロール31,32の回動速度と無端コンベア35,36,38の走行速度とを計測する速度センサと、これらセンサに接続された制御装置と、制御装置に接続された駆動装置とを用いて、ウエブS1,S2の供給速度、第1工程(I)〜第7工程(VII)におけるウエブS1,S2の位置決めを制御している。制御装置のメモリには、ラインの最適な運転環境を実現するプログラムが格納されている。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係る使い捨てガーメントの製造方法によれば、袖と身頃とが継ぎ目なく連続し、しかも袖の身頃に対する角度や身頃の側縁の形状などを任意に形成し、着用者身体に対するフィット性やデザイン性を向上させることや、ガーメント材料を無駄なく使用するガーメントを高速で廉価量産することが可能である。したがって、病院において、医師や看護婦などが患者の手術時に、受診者が検診時に着用し、旅行者などが急場凌ぎに着用するのに簡便な使い捨てガーメントの製造方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】背部閉じ合せ型の使い捨てガーメントの斜視図。
【図2】図1のガーメントの分解斜視図。
【図3】図1のA−A線端面図。
【図4】図1のB−B線端面図。
【図5】使い捨てガーメントの製造方法の一例を示す工程斜視図。
【図6】第1工程(I)および第2工程(II)の詳細を(a),(b)によって示す斜視図。
【図7】第3工程(III)〜第5工程(V)の詳細を(a)〜(c)によって示す斜視図。
【図8】第6工程(VI)の詳細を(a)〜(c)によって示す斜視図。
【図9】図5の第7工程(VII)におけるC−C線端面図。
【符号の説明】
1 使い捨てガーメント
2 身頃
3 身頃
5 襟刳り
8 部位
B1 第1シール横線
B2 第2シール横線
B3 第4シール縦線
B4 第3シール縦線
B5 第4シール横線
B6 第3シール横線
C1 裁断線
C2 裁断線
C3 裁断線
C4 裁断線
C5 裁断線
C6 襟刳り線
C7 襟刳り線
L1 縦中心線
L3 横中心線
L2 分断線
L2a 分断線
L2b 分断線
P1,P2 側縁
Q1,Q2 側縁
S1 ウエブ
S2 ウエブ
Claims (5)
- 互いに離間する第1及び第2側縁を有し互いに重なり合ってガーメントの製造ライン上をその縦方向へ連続して移動する第1及び第2ウエブに、前記縦方向へ一定距離離間して前記縦方向と交差する横方向へ第1側縁から第2側縁近傍へ延びる第1シール横線及び第2側縁から第1側縁近傍ヘ延びる第2シール横線を施すこと、
前記第1及び第2シール横線間に区画され、前記縦方向へ延びる縦中心線とこれに交差する横中心線とを仮想し得る前記第1及び第2ウエブの各加工区域において、前記第1シール横線と前記横中心線との間における前記第1側縁から前記縦中心線近傍まで延びる第3シール横線と、前記第2シール横線と前記横中心線との間における前記第2側縁から前記縦中心線近傍まで延びる第4シール横線と、前記縦中心線近傍に位置する第3シール横線の一端と連続して前記第4シール横線近傍に延びる第3シール縦線と、前記縦中心線近傍に位置する第4シール横線の一端と連続しかつ前記第3シール縦線と離間並列する第4シール縦線とをそれぞれ施すこと、
当該加工区域における前記第1及び第2ウエブを、前記第1及び第2シール横線が残るようにこれらに沿って当該加工区域に隣接する加工区域から分断し、かつ、前記第3及び第4シール縦線の間を通るとともに前記第3及び第4シール横線と交差することなく前記第3及び第4シール横線近傍でこれらに沿ってそれぞれ前記第1及び第2側縁まで延びる一条の連続する仮想切断線に沿って切断することで、前記縦及び横中心線の交点において点対称な、各袖が連続する第1及び第2身頃を形成し、かつ、前記第1シール横線と前記第1側縁とがなす角部及び前記第2シール横線と前記第2側縁とがなす角部をそれぞれ凸となるように弧を画いて延びるように切除することで、襟刳りを形成すること、及び
前記第1及び第2側縁がガーメントの縦方向中央部に位置して前記第1及び第2身頃が該中央部に関して対称になるように前記第1及び第2身頃を配置し、前記第1及び第2身頃における前記第1ウエブの前記第1側縁と前記第2ウエブの前記第2側縁とをシールして前記第1及び第2身頃を接合すること
を含む使い捨てガーメントの製造方法。 - 前記第1及び第2側縁がガーメントの縦方向中央部に位置して前記第1及び第2身頃が該中央部に関して対称になるように前記第1及び第2身頃を配置するには、前記第1及び第2シール横線のうち前記上流側に位置する前記第1シール横線に沿って位置していた前記袖を有する前記第2身頃を反転移動させることでなす請求項1に記載のガーメントの製造方法。
- 前記第1及び第2シール横線は、前記第1及び第2側縁まで達しないように施し、前記襟刳りが、前記第1及び第2シール横線が施されていない前記各角部を凸となるように弧を画いて延びるように切除して形成されている請求項1又は2に記載のガーメントの製造方法。
- 前記第1及び第2シール横線のそれぞれに対する第3及び第4シール横線の間隔は、前記縦中心線からそれぞれ第1及び第2側縁へ向かって狭くなるように施す請求項1〜3のいずれかに記載のガーメントの製造方法。
- 前記第3及び第4シール縦線は、前記縦中心線に関して対称的に傾斜させる請求項1〜4のいずれかに記載のガーメントの製造方法。
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