JP3726430B2 - 車両電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印加電圧が所定値以下になるとリセットされる負荷(例、ワンマンバスにおける運賃装置)が車両負荷の中に含まれていると共に、運転状況から判断してエンジンを自動的に停止したり始動したりする装置を具えている車両の電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載される電気機器には、ユーザーの要望とか車両の用途によって、高級化ないしはハイテク化された機器が増えつつある。それらの機器の中には、印加電圧が所定値以下になると、動作がリセットされる機器もある。例えば、ワンマンバスにおける運賃装置,プリペイドカードリーダー,停車バス停表示装置等である。このような機器を、説明の便宜上、「電圧低下リセット負荷」と呼ぶことにする。
なお、これに対し、ラジオ等のように印加電圧が少々低下したからといってリセットはされない電気機器を、「車両一般負荷」と呼ぶことにする。
【0003】
他方、車両が赤信号等で一旦停止している間、エンジンはアイドリングされているが、アイドリング中は走行しないのに、燃料を消費すると共に排気ガスを放出して周囲の環境を害している。そこで、ドライバーの運転操作状況(クラッチやギヤ等の操作状況)を監視していて、車両を一旦停止させる操作が行われた時にはエンジンを自動的に停止したり、再発進の操作が行われた時にはエンジンを自動的に始動させたりするための、エンジン自動停止・始動装置用コントローラを具えた車両がある。
【0004】
車両の電源としては、周知のように、バッテリの他に、エンジンによって駆動される発電機が搭載されている。従って、エンジンが回転していない状態においては、スイッチオンされている負荷には、すべてバッテリから給電されている。エンジンを始動するに際してはスタータに大電流を流さなければならないが、この大電流により、バッテリの内部抵抗による電圧降下は大となり、バッテリ電圧は大きく低下する。
【0005】
エンジン自動停止・始動装置用コントローラを具えた車両が、赤信号等での一旦停止によりエンジンが自動停止された後、再発進しようとすると、スタータに大電流が流れてバッテリ電圧が低下するので、その度に電圧低下リセット負荷はリセットされてしまい、その用を果たさなくなる。
そこで、車両電源装置を、車両一般負荷やスタータ等へ給電する第1給電系統と、電圧低下リセット負荷に給電する第2給電系統との2つの系統に分け、両者を系統間接続リレーで接続した構成としたものがある。
【0006】
図2は、そのような従来の車両電源装置を示す図である。図2において、1は第1給電系統、2は第2給電系統、3,4はサブヒューズボックス、5〜8は配線、9はスタータスイッチ、10,11は負荷、12はバッテリリレースイッチ、13,14は負荷、15はスタータセーフティリレー、15A,C,Eはリレーコイル、15B,D,Fはリレー接点、16はダイオード、18,19は配線、20はエンジン自動停止・始動装置用コントローラ、21は系統間接続リレー、21a,21bは固定接点、21cは可動接点、21dはリレーコイル、22〜25は配線、26はエンジン、27はエンジン回転センサ、28はスタータ、28Aは吸引コイル、28Bは保持コイル、29は発電機、29Aは回転電流出力端子、29Bは発電電流出力端子、30は配線、31はメインバッテリ、32はメインヒューズボックス、33は配線、34はバッテリリレー、35〜37は配線、38はメインヒューズボックス、39はバッテリリレー、40はサブバッテリ、41はダイオードである。
【0007】
第1給電系統1内には、メインバッテリ31,発電機29,スタータ28,エンジン自動停止・始動装置用コントローラ20,スタータセーフティリレー15,スタータスイッチ9,車両一般負荷である負荷10,11,バッテリリレースイッチ12,及びそれらに付随して設けられるバッテリリレー34とかメインヒューズボックス32,サブヒューズボックス3等が含まれている。
第2給電系統2内には、電圧低下リセット負荷である負荷13,14と、発電機29が発電していない時にそれらの負荷へ給電するサブバッテリ40と、それらに付随して設けられるバッテリリレー39とかメインヒューズボックス38,サブヒューズボックス4等が含まれている。
【0008】
系統間接続リレー21は、第1給電系統1と第2給電系統2との間に接続される。系統間接続リレー21としては、リレーコイル21dに通電されていない時に可動接点21cがオンする固定接点21bと、リレーコイル21dに通電されている時にオンする固定接点21aとを有する構造のものを使用する。
そして、両接点の一方の側は一括して第1給電系統1側(のバッテリリレー34)に接続し、他方の側では固定接点21aはスタータセーフティリレー15のリレーコイル15Eと接続し、固定接点21bは給電系統2側(のバッテリリレー39)に接続する。リレーコイル21dは、配線18を経てエンジン自動停止・始動装置用コントローラ20と接続される。
【0009】
スタータスイッチ9は、手動で始動指令信号を発するためのものであり、ダイオード16を経てスタータセーフティリレー15のリレーコイル15Eに接続されている。
エンジン自動停止・始動装置用コントローラ20は、既に説明したように、ドライバーの運転操作状況を監視してエンジンを停止させたり、始動させたりする信号を発するものであるから、各種の操作を検出するセンサ等からの信号が入力されたり、制御信号が出力されたりする。
【0010】
この例では、入力としては、エンジン回転センサ27のみを示し、出力としては配線18を経て出される始動指令信号のみを示している。配線18に出された始動指令信号は、系統間接続リレー21を作動させ、配線22,ダイオード41を通ってスタータセーフティリレー15へ電流を流す。
なお、エンジン自動停止・始動装置用コントローラ20の動作電源は、配線19を介してメインバッテリ31より直接給電されている。エンジンが停止している時でも作動できるようにするためである。
【0011】
スタータセーフティリレー15は、リレーコイル15Eに対応するリレー接点15Fがオンされた時、メインバッテリ31よりスタータ28へ始動電流を流すためのものである。リレー接点15Fはリレーコイル15Eに対応する常開接点であるから、
▲1▼リレーコイル15Eに直列接続されている常閉のリレー接点15Dがオンしていて、且つ
▲2▼ダイオード16または41から電流が流れて来た時(即ち、スタータスイッチ9またはエンジン自動停止・始動装置用コントローラ20から、始動を指令する電流が流されて来た時)に、
オンとなる。
【0012】
リレー接点15Dがオフとされるのは、対応するリレーコイル15Cに電流が流された時であるが、それはリレー接点15Fがオンしている時に(言い換えれば、始動が行われている時に)、リレー接点15Bがオンした時である。リレー接点15Bは、リレーコイル15Aに対応する常開接点であり、リレーコイル15Aは配線24を経て発電機29の回転電流出力端子29Aに接続されている。
そして、発電機29の回転数が始動完了と判定される回転数まで上がった時に回転電流出力端子29Aから出力される電流により、リレー接点15Bがオンとなるよう設定されている。
このようにして、スタータセーフティリレー15は、始動を指令する電流が流されて来た時から始動完了までの間、リレー接点15Fをオンして吸引コイル28Aに電流を流す。
【0013】
バッテリリレースイッチ12には、メインバッテリ31から配線5を経て直接給電されており、これをオンすると、バッテリリレー34,39が共にオンされる。運転終了後には電源の印加を停止してよい負荷(負荷10,14等)には、バッテリリレーを経由して給電し、運転終了後でも電源の印加を停止してはならない負荷(負荷11,13等)には、バッテリリレーを経由せずに直接給電する。
【0014】
エンジン回転センサ27の検出信号は、エンジン自動停止・始動装置用コントローラ20に入力され、その制御に利用される。
スタータ28は、吸引コイル28A,保持コイル28Bに電流が流された時に作動して、エンジン26を始動する。吸引コイル28Aへの電流は、スタータセーフティリレー15内の、スタータ電流供給用のリレー接点15Fがオンしている時に流される。
【0015】
次に、主なる動作を説明する。
(最初の始動)
スタータスイッチ9をオンして始動する。始動指令信号は、ダイオード16を通って出される。最初は、エンジン自動停止・始動装置用コントローラ20から始動指令信号は出されないから、リレーコイル21dは付勢されず、可動接点21cは、固定接点21bの方にオンしている。
ダイオード16からの始動指令信号がリレーコイル15Eに流れると、リレー接点15Fがオンし、スタータ28に始動電流が流れ、エンジン26が始動される。
【0016】
(一旦停止後の再始動)
走行中に一旦停止するとエンジンは自動停止され、その後発進しようとすると、エンジン自動停止・始動装置用コントローラ20から始動指令信号が出される。その信号は、配線18を通って系統間接続リレー21のリレーコイル21dに与えられ、固定接点21aの方がオンとなり、ダイオード41を経てリレーコイル15Eに電流が流れる。これにより、先と同様にしてエンジン26は始動される。
【0017】
いずれの場合にも、始動が達成されると、発電機29の回転電流出力端子29Aからの電流により、スタータセーフティリレー15はリセットされ(リレー接点15Fオフとされ)、スタータ28への始動電流は遮断される。
【0018】
(給電系統間の接続)
系統間接続リレー21のリレーコイル21dには、エンジン自動停止・始動装置用コントローラ20からの始動指令信号が流されるようにしてあるが、それが流れている間は固定接点21aの方がオンされているから、2つの系統間は分離されている。
エンジン回転数センサ27でエンジン26の回転数を検出していて、始動完了と認められる所定値に達すると、エンジン自動停止・始動装置用コントローラ20は、始動指令信号を停止する。すると、固定接点21bの方がオンとなるから、2つの系統間は接続される。
【0019】
即ち、2つの給電系統は、始動が完了するまでは分離されており、始動が完了すると接続される。給電系統が接続されると、発電機29からの発電出力が第1給電系統1内の負荷に供給されるばかりでなく、配線36,系統間接続リレー21,配線37を経て、第2給電系統2内の負荷にも供給される。勿論、メインバッテリ31,サブバッテリ40の充電も行う。
【0020】
両系統が系統間接続リレー21で分離されるのは、始動指令信号が出されている期間だけであり、エンジン停止中は両系統は接続されている。例えば、交通渋滞によりエンジンの自動停止が頻繁に行われても、そのエンジン停止中はメインバッテリ31とサブバッテリ40とは接続されており、各負荷へは両方から給電される。
なお、この種の車両電源装置に関する従来の文献としては、例えば、特開平7−232605号公報等がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
(問題点)
しかしながら、前記した従来例には、第2給電系統内の電源であるサブバッテリの寿命が短くなるという問題点があった。
【0022】
(問題点の説明)
交通信号等で走行を停止するとエンジン26も自動停止されるが、エンジン26が停止されると、当然のことながら発電機29は発電を停止する。その時、系統間接続リレー21は、始動中ではないから固定接点21bの方がオンとなっており、メインバッテリ31とサブバッテリ40とは並列に接続された状態となっている。
【0023】
発電機29が停止するから、各電気負荷へは両バッテリだけから給電されることになる。サブバッテリ40も、バッテリ容量に応じた分の電流を分担しなければならず、走行を頻繁に停止すると(つまりエンジンを頻繁に停止すると)、サブバッテリ40からも頻繁に電流が取り出される。
ところが、サブバッテリ40の容量は、第2給電系統2内の負荷13,14に見合った容量とされており、この容量は、通常、メインバッテリ31の容量より遙に小さい。その小容量のバッテリから頻繁に電流が取り出されるため、どうしてもバッテリ寿命が短くなってしまうという不都合が生じていた。
本発明は、以上のような問題点を解決することを課題とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の車両電源装置では、エンジンによって駆動される発電機と該発電機に並列に接続されたメインバッテリとを電源として車両一般負荷及びスタータへ給電すると共に、エンジン自動停止・始動装置用コントローラ及びスタータセーフティリレーを具えた第1給電系統と、サブバッテリを電源として含み電圧低下リセット負荷へ給電する第2給電系統と、メインバッテリの出力側に接続されている第1バッテリリレーとサブバッテリの出力側に接続されている第2バッテリリレーとの間に、第2バッテリリレーへ向かう向きに接続された第1のダイオードと、該第1バッテリリレーと前記電圧低下リセット負荷の一部との間に、該電圧低下リセット負荷の一部へ向かう向きに接続された第2のダイオードと、前記第1,第2のダイオードのカソード間に接続された第1の常開接点と、前記第1バッテリリレーと前記スタータセーフティリレーとの間に接続された第2の常開接点とを有し、前記エンジン自動停止・始動装置用コントローラからの指令による始動時に付勢される系統間接続リレーとを具えることとした。
【0025】
(解決する動作の概要)
電圧低下リセット負荷(運賃装置,プリペイドカードリーダー等)を含む第2給電系統内の電源であるサブバッテリは、直接接続されている電圧低下リセット負荷に給電する他、バッテリリレーを介して別の電圧低下リセット負荷に給電する。しかし、バッテリリレーを介しての別の電圧低下リセット負荷への給電は、走行の一旦停止の後に、エンジン自動停止・始動装置用コントローラからの指令でエンジンが再始動されている期間にのみ行う。
そのため、走行の一旦停止の度に、サブバッテリより第1給電系統への負荷へもバッテリリレーを介しての給電を行っていた従来例に比べ、取り出される電流の大きさ及び頻度が少なくなり、サブバッテリの寿命は長くなる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明にかかわる車両電源装置の第1の実施形態を示す図である。符号は図2のものに対応し、21fは系統間接続リレー21の固定接点、42,43はダイオード、44はヒューズである。同じ符号の部分の構成,動作は、図2のものと同様であるので、説明は省略する。
【0027】
構成上、図2の従来例と相違する第1の点は、系統間接続リレー21として、2つの固定接点21a,21fと、連動2接点を具備する可動接点21cと、リレーコイル21dとを有するリレーを用いた点である。
第2の相違点は、第2給電系統2の負荷14(への配線7)を、バッテリリレー39に直接接続するのではなく(従来例では直接接続していた)、系統間接続リレー21(の固定接点21f)を介して接続すると共に、ダイオード43を介して第1給電系統1のバッテリリレー34にも接続した点である。なお、ダイオード43の向きは、バッテリリレー39の側(第2給電系統2の側)からバッテリリレー34の側へ電流が流れるのを阻止する方向とする。
【0028】
第3の相違点は、バッテリリレー34,39の出力側をダイオード42で接続した点である。ダイオード42の向きは、バッテリリレー39の側(第2給電系統2の側)からバッテリリレー34の側へ電流が流れるのを阻止する方向とする。
このような構成にした目的は、サブバッテリ40からバッテリリレー39を通って放電されるのは、走行一旦停止後の再始動の時に電圧リセット負荷14に対してのみとするためである。なお、それ以外の時の電圧リセット負荷14への給電は、第1給電系統1の電源(メインバッテリ31,発電機29)から行われる。
【0029】
次に、本発明の車両電源装置における動作を説明する。
(最初の始動)
従来例と同じである。スタータスイッチ9をオンすると、始動指令信号がダイオード16を通ってリレーコイル15Eに与えられ、リレー接点15Fがオンする。該接点を通ってスタータ28に始動電流が流れ、エンジン26が始動される。この場合には、系統間接続リレー21のリレーコイル21dは付勢されないから、固定接点21a,21fはオフである。固定接点21fオフゆえ、負荷14への給電はサブバッテリ40からは行われない。
【0030】
負荷14への給電は、メインバッテリ31より次の経路で行われる。メインバッテリ31→バッテリリレー34→配線36→ダイオード43→ヒューズ44→配線7。なお、当然のことながら、メインバッテリ31は第1給電系統1内の負荷へも給電している。
バッテリリレー34と39とは、ダイオード42により直接接続されているが、ダイオード42の向きはバッテリリレー39側(サブバッテリ40側)からバッテリリレー34側(メインバッテリ31側)への電流を阻止する方向とされているので、仮にメインバッテリ31の電圧がサブバッテリ40のそれより低下したとしても、サブバッテリ40から電流が流れ出すことはない。
【0031】
(一旦停止後の再始動)
走行の一旦停止後に発進しようとすると、エンジン自動停止・始動装置用コントローラ20から、系統間接続リレー21のリレーコイル21dへ始動指令信号が出され、固定接点21a,21fがオンする。固定接点21aのオンによりスタータセーフティリレー15に電流が流れ、エンジンが始動される。固定接点21fのオンにより、サブバッテリ40から負荷14への給電が可能となる。
【0032】
負荷14への給電は、メインバッテリ31からもダイオード43を経て行われる。従って、この時、サブバッテリ40はダイオード42を介しての他、ダイオード43を介してもメインバッテリ31と並列に接続される形になるが、ダイオード43の向きもサブバッテリ40側からメインバッテリ31側への電流を阻止する向きとされているので、サブバッテリ40から負荷14以外の負荷へ電流が流れることはない。
それゆえ、いくら頻繁に一旦停止を行ったとしても、サブバッテリ40が第1給電系統1側の負荷への電流を分担させられることはなく、流れ出す電流は少ないので、バッテリ寿命が短くなることはない。
【0033】
(始動時以外の時…走行中,一旦停止してエンジン停止中等)
この時は、系統間接続リレー21が消勢されており、固定接点21fはオフである。従って、サブバッテリ40からバッテリリレー39を通って電流が流れ出すことはない。他方、第1給電系統1の電源(エンジン停止中はメインバッテリ31のみ、エンジン回転中はメインバッテリ31と発電機29)は、第1給電系統1内の負荷へ給電するほか、第2給電系統2に対し、ダイオード42を通ってサブバッテリ40を充電すると共に、ダイオード43を通って負荷14へ給電する。ダイオード42の向きは、メインバッテリ31よりサブバッテリ40を充電する向きとされているので、仮にメインバッテリ31の電圧がサブバッテリ40のそれより低下したとしても、サブバッテリ40から第1給電系統1の負荷へ電流が流れ出すことはない。
【0034】
(第2の実施形態)
図3は、本発明にかかわる車両電源装置の第2の実施形態を示す図である。符号は図1のものに対応している。第1の実施形態と相違する点は、スタータスイッチ9からの始動指令信号が、系統間接続リレー21にも伝えられるようにしたという点である。具体的には、アノードがスタータスイッチ9に接続されているダイオード16のカソードを、配線18にも接続するという構成にする。
【0035】
このようにすると、スタータスイッチ9をオンして行う「最初の始動」の時でも、系統間接続リレー21はオンとなる。そのため、スタータ28への大きな始動電流のためにメインバッテリ31の電圧が低下しても、電圧低下リセット負荷14へはサブバッテリ40から正常電圧が印加されるので、リセットされることがない。
【0036】
第1の実施形態では、スタータスイッチ9をオンして行う「最初の始動」の時には、電圧低下リセット負荷14へは、メインバッテリ31→ダイオード43→電圧低下リセット負荷14という経路で電圧が印加されているので、始動電流によりメインバッテリ31の電圧が大きく低下すると、その電圧低下を検知して負荷14は自らをリセットしていた。車両にとっては、負荷14のリセットより確実な始動の方が重要であるので、第1の実施形態では負荷14を犠牲にしていたが、第2の実施形態ではそのような犠牲を伴うことなく、スタータスイッチ9による始動をすることが出来る。
【0037】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の車両電源装置によれば、電圧低下リセット負荷(運賃装置,プリペイドカードリーダー等)を含む第2給電系統内の電源であるサブバッテリが、バッテリリレーを介して給電するのは、エンジン自動停止・始動装置用コントローラからの指令でエンジンを再始動している期間に、電圧低下リセット負荷に対して行うのみである。
そのため、一旦停止の度に、サブバッテリより第1給電系統内の負荷へもバッテリリレーを介しての給電を行っていた従来例に比べ、取り出される電流の大きさ及び頻度が少なくなり、サブバッテリの寿命を長くすることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかわる車両電源装置の第1の実施形態を示す図
【図2】 従来の車両電源装置を示す図
【図3】 本発明にかかわる車両電源装置の第2の実施形態を示す図
【符号の説明】
1…第1給電系統、2…第2給電系統、3,4…サブヒューズボックス、5〜8…配線、9…スタータスイッチ、10,11…負荷、12…バッテリリレースイッチ、13,14…負荷、15…スタータセーフティリレー、15A,C,E…リレーコイル、15B,D,F…リレー接点、16…ダイオード、18,19…配線、20…エンジン自動停止・始動装置用コントローラ、21…系統間接続リレー、21a…オープン側接点、21b…クローズ側接点、21c…可動接点、21d…リレーコイル、22〜25…配線、26…エンジン、27…エンジン回転センサ、28…スタータ、28A…吸引コイル、28B…保持コイル、29…発電機、29A…回転電流出力端子、29B…発電電流出力端子、30…配線、31…メインバッテリ、32…メインヒューズボックス、33…配線、34…バッテリリレー、35〜37…配線、38…メインヒューズボックス、39…バッテリリレー、40…サブバッテリ、41〜43…ダイオード、44…ヒューズ
Claims (1)
- エンジンによって駆動される発電機と該発電機に並列に接続されたメインバッテリとを電源として車両一般負荷及びスタータへ給電すると共に、エンジン自動停止・始動装置用コントローラ及びスタータセーフティリレーを具えた第1給電系統と、
サブバッテリを電源として含み電圧低下リセット負荷へ給電する第2給電系統と、
メインバッテリの出力側に接続されている第1バッテリリレーとサブバッテリの出力側に接続されている第2バッテリリレーとの間に、第2バッテリリレーへ向かう向きに接続された第1のダイオードと、
該第1バッテリリレーと前記電圧低下リセット負荷の一部との間に、該電圧低下リセット負荷の一部へ向かう向きに接続された第2のダイオードと、
前記第1,第2のダイオードのカソード間に接続された第1の常開接点と、前記第1バッテリリレーと前記スタータセーフティリレーとの間に接続された第2の常開接点とを有し、前記エンジン自動停止・始動装置用コントローラからの指令による始動時に付勢される系統間接続リレーと
を具えたことを特徴とする車両電源装置。
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