JP3726341B2 - 過熱低減器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプレイ給水が間歇的に注入される際に発生するハンマリングを防止し得るようにした過熱低減器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発電設備においては、高圧タービンから抽気された過熱蒸気は再熱器に送られて再熱されるが、再熱器へ導入される過熱蒸気の温度が高過ぎる場合には、再熱器が焼損する虞れがある。このため、従来は高圧タービンから再熱器へ至る過熱蒸気管の中途部に過熱低減器を設けて間歇的に過熱蒸気に水をスプレイし、過熱蒸気の温度を低減することが行われている。
【0003】
而して、従来の過熱低減器の一例は図3に示されており、図3中、1は紙面と直交する方向へ延在する円管状の胴本体、2は左右両側から胴本体1を貫通して胴本体1内へ挿入され、胴本体1内の中心部近傍まで延在する水平配置されたスプレイノズル、2aはスプレイノズル2の胴本体1内に位置する部分に過熱蒸気流れ方向下流側へ向けて穿設された複数のスプレイ孔、3はスプレイノズル2の胴本体1中心側端部に接続された閉塞板、4は胴本体1の左右両外側に位置し、前記スプレイノズル2に接続された水平なスプレイ給水入口配管、5はスプレイ給水入口配管4のスプレイノズル2とは反対側の端部に接続された90°エルボである。
【0004】
90°エルボ5は水平状態から90°曲折して垂直下方へ延在しその下端はスプレイ給水入口配管4よりも下方に位置している。
【0005】
6は左右の90°エルボ5の下端に垂直に接続されたスプレイ給水入口配管、7は下端において左右の垂直なスプレイ給水入口配管6同士を接続する水平なスプレイ給水入口配管、8はスプレイ給水入口配管7に接続されたスプレイ給水配管であり、スプレイ給水配管8の中途部には、スプレイ給水流れ方向D上流側から下流側へ向けて遮断弁9、逆止弁10が接続され、スプレイ給水配管8のスプレイ給水流れ方向D上流側端部には給水ポンプ11が接続されている。
【0006】
12は保温材であり、胴本体1からスプレイ給水入口配管4、90°エルボ5、スプレイ給水入口配管6,7、スプレイ給水配管8の外周は、スプレイノズル2接続部も含めて露出部がないように保温材12により被覆されている。
【0007】
高圧タービンから抽気された過熱蒸気は、過熱蒸気管及び過熱蒸気管の中途部に設けられた過熱低減器を経て再熱器へ送給される。
【0008】
而して、過熱低減器において過熱蒸気に水Wをスプレイする場合は、給水ポンプを駆動した状態で遮断弁9を開く。このため、給水は、スプレイ給水配管8からスプレイ給水入口配管7へ流入して左右へ分岐し、左右へ分岐した給水は夫々左右のスプレイ給水入口配管6、90°エルボ5、スプレイ給水入口配管4からスプレイノズル2へ送給され、スプレイノズル2のスプレイ孔2aから胴本体1内へ過熱蒸気流れ方向へ向けてスプレイされる。このため、過熱蒸気は温度を低減され、その結果、再熱器は過熱蒸気により焼損することはない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
過熱低減器への給水のスプレイは連続的には行われず、必要に応じて間歇的に行われるが、この場合には、以下に述べるごとき問題点がある。
【0010】
すなわち、図3に示す遮断弁9を閉止してスプレイノズル2のスプレイ孔2aからの給水のスプレイを中断すると、スプレイノズル2及びスプレイ給水入口配管4並に90°エルボ5、スプレイ給水入口配管6内には下側のスプレイ孔2a下縁部が上端の液面X1となるよう水Wが残存する(図4参照)。
【0011】
この場合、例えばスプレイ給水入口配管4上部の温度は約198℃、スプレイ給水入口配管4下部の温度は約148℃となる。スプレイ給水入口配管4下部の方が上部よりも温度が低いのは、スプレイ給水入口配管4下部には水Wが残存しているためである。又、90°エルボ5下端近傍の温度は例えば約111℃となるが、これは、スプレイ時に低温の水Wが給水されているためである。
【0012】
遮断弁9を閉止して長時間経過すると、図4に示す水Wの一部は熱により蒸発して水位は下降し、例えば90°エルボ5の下端近傍となる。而して、この場合、閉止時間が長い程液面X2は低下し、液面X2よりも上方の90°エルボ5、スプレイ給水入口配管4、スプレイノズル2内には、湿り蒸気VWが残存する(図5参照)。この場合、液面X2の部分は飽和水WS(温度約202℃)であり、スプレイ給水入口配管4の部分の上部の温度は約335℃、下部の温度は約318℃程度になり、これらのメタル温度は高圧タービン排気圧力の飽和温度以上である。又、胴本体1内を流れる過熱蒸気は、例えば圧力15.5kg/cm2Gである。
【0013】
過熱蒸気に水Wをスプレイするために再び図3の遮断弁9を開くと、スプレイ給水入口配管6には、温度が約58℃よりも高い低温給水WLが供給され、飽和水WSは上方へ押上げられるため、熱により飽和水WSは急速に蒸発して沸騰が生じ、飽和蒸気VSが発生する(図6参照)。
【0014】
その後更に少量の低温給水WLがスプレイ給水入口配管6、90°エルボ5、スプレイ給水入口配管4を通ってスプレイノズル2内へ流入すると、スプレイノズル2内下部にある飽和蒸気VSは凝縮して水Wとなるが、スプレイノズル2内上部には、飽和蒸気VSが残存する(図7参照)。
【0015】
又スプレイノズル2下部で発生した水Wは、高速流WHとなってスプレイノズル2内を前進し、閉塞板3に衝突して跳ねかえり、高速の圧力波WPとして90°エルボ5側へ戻り90°エルボ5に衝突する(図8参照)。
【0016】
このためスプレイノズル2から90°エルボ5に至る給水系統にはハンマリングが発生し、各機器に悪影響を与えていた。
【0017】
斯かるハンマリングを防止するために、スプレイ給水入口配管4,6,7やスプレイ給水配管8に沿ってスチームトレーサー管や電気ヒータ等の加熱手段を配置し、これら加熱手段により配管4,6,7,8内の給水の温度を飽和温度近傍まで上昇させることも行われているが、この場合には加熱手段を敷設する必要があるため、工事が複雑でコストアップを招来する虞れがある。
【0018】
本発明は、上述の実情に鑑み、簡単な手段で過熱低減器へ水を供給する給水系統にハンマリングが生じないようにすることを目的としてなしたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、胴本体内に側部からスプレイノズルを水平に胴本体内に挿入し、スプレイノズルからスプレイ給水流れ方向上流側へ向けて順次水平なスプレイ給水入口配管、下方へ延在するスプレイ給水入口配管を接続し、胴本体の外周及び下方へ延在するスプレイ給水配管の外周に保温材を取り付け、スプレイ給水入口配管の保温材を取り付けていない部分に冷却フィンを固設したものである。
【0020】
本発明では、スプレイノズルから下方へ延在するスプレイ給水入口配管に至る給水系統に保温材のない部分があるうえ冷却フィンを設けているため、温度の放熱が良好に行われる。このため、スプレイノズルやスプレイ給水入口配管のメタル温度は、過熱低減器の本体胴内の内圧に対応した飽和温度以下に保持される。
【0021】
従って、過熱蒸気に給水をスプレイするために低温の給水をスプレイノズルに供給した場合、スプレイノズル内等に滞留していた水に沸騰が生じることがなく、その結果、沸騰した水の凝縮も生じないため、高速流や圧力波が発生せず、ハンマリングを防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1、2は本発明の実施の形態の一例で、保温材12は、胴本体1の外周と90°エルボ5下方のスプレイ給水入口配管6,7、スプレイ給水配管8の外周には巻付けてあるが、スプレイノズル2外側のスプレイ給水入口配管4から90°エルボ5下端までの間には、保温材12は巻付けられず、左右のスプレイ給水入口配管4、90°エルボ5は露出した状態となっている。
【0024】
又、スプレイ給水入口配管4の露出部には、胴本体1に出来るだけ近接して片側2枚の円板状の冷却フィン13が固設されており、隣り合う冷却フィン13同士はブラケット14により連結されている。
【0025】
なお、図1中、図3に示すものと同一のものには同一の符号が付してある。
【0026】
本発明の実施の形態においては、スプレイを中断するために遮断弁9を閉止しておくと、胴本体1内を通過する過熱蒸気により、スプレイノズル2、スプレイ給水入口配管4、90°エルボ5等が加熱されるが、給水系統の一部には保温材12が取り付けてないうえ、冷却フィン13により熱は大気中に積極的に放熱されるため、スプレイノズル2やスプレイ給水入口配管4、90°エルボ5等のメタル温度は、過熱低減器の胴本体1内の内圧に対応した飽和温度以下に保持される。
【0027】
従って、過熱蒸気に水Wをスプレイするために遮断弁9を開いて低温の給水をスプレイノズル2に供給した場合、スプレイノズル2内等に滞留していた水に沸騰が生じることがなく、その結果、沸騰した水の凝縮も生じないため、高速流や圧力波が発生せず、ハンマリングを防止することができる。
【0028】
なお、本発明の実施の形態においては放熱フィンを片側2枚設ける場合について説明したが、放熱フィンの枚数は、過熱低減器の胴本体側の温度(熱容量)と、フィン設置部の保持温度とのバランスで調整可能なこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ること、等は勿論である。
【0029】
【発明の効果】
本発明の過熱低減器によれば、過熱低減器のスプレイノズル、スプレイ給水入口配管等の給水系統にハンマリングが生じることを防止できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の過熱低減器の縦断面図である。
【図2】図1に示す冷却フィンの側面図である。
【図3】従来の過熱低減器の縦断面図である。
【図4】従来の過熱低減器において遮断弁を閉止した直後にスプレイノズルからスプレイ給水入口配管に至る給水系統に水が残留する状態を示す縦断面図である。
【図5】従来の過熱低減器において過熱蒸気に給水をスプレイするために遮断弁を開く直前の給水系統内の湿り蒸気の状態を示す縦断面図である。
【図6】従来の過熱低減器において給水を行った場合に飽和水が沸騰する状態を示す縦断面図である。
【図7】従来の過熱低減器において、スプレイノズル入口下部で凝縮が生じ、上部で蒸発が生じた状態を示す縦断面図である。
【図8】従来の過熱低減器において、スプレイノズルから90°エルボまでの給水系統に高速流が発生すると共に圧力波が伝播する状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 胴本体
2 スプレイノズル
4 スプレイ給水入口配管
6 スプレイ給水入口配管
12 保温材
13 冷却フィン
D スプレイ給水流れ方向
Claims (1)
- 胴本体内に側部からスプレイノズルを水平に胴本体内に挿入し、スプレイノズルからスプレイ給水流れ方向上流側へ向けて順次水平なスプレイ給水入口配管、下方へ延在するスプレイ給水入口配管を接続し、胴本体の外周及び下方へ延在するスプレイ給水配管の外周に保温材を取り付け、スプレイ給水入口配管の保温材を取り付けていない部分に冷却フィンを固設したことを特徴とする過熱低減器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09676196A JP3726341B2 (ja) | 1996-04-18 | 1996-04-18 | 過熱低減器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09676196A JP3726341B2 (ja) | 1996-04-18 | 1996-04-18 | 過熱低減器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09287706A JPH09287706A (ja) | 1997-11-04 |
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Family
ID=14173635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09676196A Expired - Fee Related JP3726341B2 (ja) | 1996-04-18 | 1996-04-18 | 過熱低減器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3726341B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6021786B2 (ja) * | 2013-10-28 | 2016-11-09 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 過熱低減器 |
-
1996
- 1996-04-18 JP JP09676196A patent/JP3726341B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09287706A (ja) | 1997-11-04 |
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