JP3702455B2 - 風呂回路沸騰防止構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、フィン付き給湯用熱交換管とフィン付き風呂用熱交換管とを1個の缶体内に設け、フィン付き給湯用熱交換管とフィン付き風呂用熱交換管とが、吸熱フィンを互いに共有した、いわゆる2本管式の1缶2回路式風呂釜付き給湯器に関し、特にバーナよりも、両フィン付き熱交換管が下方に配された、いわゆる逆燃焼式1缶2回路式風呂釜付き給湯器における風呂回路内沸騰防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図8に示すフィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30とを1個の缶体4内に設け、該両フィン付き熱交換管をバーナ5に対して相対下方に配した逆燃焼式1缶2回路風呂釜付き給湯器が知られている。
この逆燃焼式1缶2回路風呂釜付き給湯器は、1基のバーナ5を備えており、フィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30の両方を該バーナ5で加熱している。
上記逆燃焼式1缶2回路風呂釜付き給湯器においては、給湯の単独使用時、即ち、図示しない浴槽に接続された図示しない風呂回路の図示しない循環ポンプを停止した状態、すなわちフィン付き風呂用熱交換管30に滞留水が有る状態で、給湯用先栓を開放し、該バーナ5で加熱するとフィン付き風呂用熱交換管30が加熱され、沸騰状態となる。
【0003】
また、該1缶2回路式風呂釜付き給湯器においては、フィン付き風呂用熱交換管30の出入口両端部またはどちらか片端部が、上方に立ち上がっていることにより、上記沸騰によってフィン付き風呂用熱交換管30内の水がいったん気化しても、または、気化による膨張で該フィン付き風呂用熱交換管30内の滞留水が、該立ち上がり部にいったん押し出されても、気化した水は該立ち上がり部で冷却され再液化し、押し出された水と共に、自重により該フィン付き風呂用熱交換管30内に戻り、バーナ5により再度沸騰、気化、冷却、再液化、自然落下を給湯加熱が行われる限り繰り返す。このとき沸騰音、水撃音が繰り返し発生する。
【0004】
これらの問題を解決すべく従来より、フィン付き給湯用熱交換器管とフィン付き風呂用熱交換器管を構成する給湯用熱交換管と風呂用熱交換管を共に挿通した吸熱フィンの形状設計を操作することで、フィン付き風呂用熱交換管側の吸熱割合を小さくし、フィン付き風呂用熱交換管の、管内の沸騰を抑える方法が一般的に実施されている。
【0005】
しかしながら該フィン付き風呂用熱交換管の吸熱割合を小さくして、管内の沸騰を抑える方法では、風呂釜の単独使用時、即ち風呂の循環加熱のみを行う場合に、フィン付き給湯用熱交換管が沸騰しやすくなるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の技術的問題点(又は不都合)を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、フィン付き風呂用熱交換管内での沸騰音、あるいは水撃音を、該フィン付き風呂用熱交換管の吸熱割合を小さくすること無く抑制する風呂回路沸騰防止構造を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の風呂回路内沸騰防止構造は、逆燃焼式1缶2回路風呂釜付給湯器において、フィン付き風呂用熱交換管の出入口両端部を下方に立ち下げることを第1の特徴としており、この第1の特徴により、給湯単独使用時には、該フィン付き風呂用熱交換管内の水が沸騰により気化した後、その蒸気圧と浴槽までの間の滞留水の水頭圧がつりあった状態で安定するため、沸騰、凝縮が繰り返されることが無く、沸騰音、水撃音の発生も抑制できる。
【0008】
また、本発明の風呂回路内沸騰防止構造は、フィン付き風呂用熱交換管の出入口両端部の下方への立ち下げ部の少なくとも一方を取り替え可能な別部品で構成することを第2の特徴としている。この第2の特徴により、冬期に風呂用熱交換回路の水抜きが不十分で残水が凍結しても、該別部品が破損することで熱交換器本体の破損が防げるため修理作業が容易に行える。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明装置の一実施形態を示す全体構成図、図2は本発明装置の一実施形態による作用を説明する要部詳細図、図3、図4、図5は本発明の他の実施例を説明する全体構成図、図6は管の接続固定方法の一実施例を示す図、図7は該実施例に用いるファスナの形状を示す図、図8は従来例を示す全体構成図である。
【0010】
図1において、逆燃焼式の1缶2回路式風呂釜付き給湯器1には、筒状に形成された缶体(燃焼室)4と、缶体4の周囲に巻かれた給湯用熱交換管2と、給湯用熱交換管2に接触して並設された風呂用熱交換管3と、缶体4の上端開口部に設置された下方に向けて燃焼する逆燃焼式バーナ5及びファン6と、缶体4の下端開口に連通する排気筒11とを備えており、給湯用熱交換管2及び風呂用熱交換管3の下部はフィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30で形成されている。
【0011】
給湯用熱交換管2の上端開口側に入水管21が接続され、下端開口側に出湯管22が接続されており、風呂用熱交換管3の上端開口側に浴槽からの風呂戻り管31が接続され、下端開口側に浴槽への風呂往き管32が接続されている。
これにより、低温水が両熱交換管2,3の上端から流入し、加熱された高温水が両熱交換管2,3の下端から流出する。
フィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30の両端に接続される給湯用熱交換管2、風呂用熱交換管3、及び出湯管22、浴槽への風呂往き管32は、下方より立ち上がってきて接続される形状、つまりU字又はL字形状となっている。
【0012】
図2を用いて、本案の実施形態による作用について説明する。
(イ)に示すように通常、フィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30の内部にはそれぞれ給湯用水道水、風呂循環水が停滞している。ここで給湯使用するためにカランを開くと、(ロ)に示すようにフィン付き給湯用熱交換管20に水が流れ、燃焼が開始され、熱交換を行う。一方、フィン付き風呂用熱交換管30内部の風呂循環水は停滞したままで熱交換が行われるため、沸騰が起こり一部が気化して水蒸気となり内圧上昇を伴う。この気化領域は、風呂用熱交換管3、浴槽への風呂往き管32を通じて、蒸気圧と浴槽までの間の水頭圧とがつり合うところで安定する。このとき風呂用熱交換管3、浴槽への風呂往き管32がフィン付き風呂用熱交換管30より立ち下がっているため、沸騰により水蒸気となってフィン付き風呂用熱交換管30から風呂用熱交換管3、浴槽への風呂往き管32、に出た水分が受熱量が減じることにより再液化しても、図8に示す従来例のように、その水滴の自重によりフィン付き風呂用熱交換管30内に戻ってくるということが無く、この安定状態が保持される。このため給湯使用中に沸騰、再液化が繰り返されることが無く、沸騰音、水撃音の発生を防止することができる。
【0013】
図3を用いて、他の実施例について説明する。
図3はフィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30の配列を図1、図2とは上下逆転させた実施例を示したものであるが、図1、図2で説明したのと同様に風呂用熱交換管3、浴槽への風呂往き管32がフィン付き風呂用熱交換管30より立ち下がっているため、沸騰により水蒸気となってフィン付き風呂用熱交換管30から風呂用熱交換管3、浴槽への風呂往き管32、に出た水分が受熱量が減じることにより再液化しても、その水滴の自重によりフィン付き風呂用熱交換管30内に戻ってくるということが無く、この安定状態が保持される。このため給湯使用中に沸騰、再液化が繰り返されることが無く、沸騰音、水撃音の発生を防止することができる。また、図3に示す実施例ではフィン付き風呂用熱交換管30がフィン付き給湯用熱交換管20よりもバーナ5の火炎に近い為、本発明の効果はより顕著となる。
【0014】
更に、図4を用いて、他の実施例について説明する。
図4は、給湯用熱交換管2と風呂用熱交換管3、及び、出湯管22と浴槽への風呂往き管32を独立して配した実施例を示したものである。既述の実施例では、給湯用熱交換管2と風呂用熱交換管3、及び、出湯管22と浴槽への風呂往き管32はそれぞれが接触して並設されていたが、本実施例に示すように、それぞれ独立して配していてもそれぞれの管間の伝熱が僅かに劣るのみで、ほぼ同様の効果が得られる。
【0015】
更に、図5を用いて、他の実施例について説明する。
本実施例ではフィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30の両端に接続される給湯用熱交換管2、風呂用熱交換管3、及び出湯管22、浴槽への風呂往き管32の、フィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30より下方に配置される部分を、給湯用熱交換管継手23、風呂用熱交換管33、及び出湯管継手24、浴槽への風呂往き管継手34として別部品で接続する構成としている。
【0016】
接続方法としては、図6に示すように、接続するそれぞれの管52、64を加工、及び、受け金具51をろう付け、ワッシャ63、Oリング61、支持金具62を装着することにより、管接続固定構造体50、60とし、挿入後、図7に示すバネ構造のファスナ70を受け金具51の先端フランジ部とワッシャ63に被せ、抜け止めとする。また、接続方法としては、他に両管端に配したフランジでゴムパッキンを挟み込みフランジをビス止めする方法等種々考えられるが、シールと両管の連通が確実に行える方法でありさえすれば良く、接続方法によって本発明が制限されるものではない。
【0017】
この構成により、冬期等の低温時に凍結防止のための水抜きが不十分で残水が凍結しても、残水部が給湯用熱交換管継手23、風呂用熱交換管33、及び出湯管継手24、浴槽への風呂往き管継手32になるため、凍結による破損も上記4部品に限定される。従ってフィン付き給湯用熱交換管、フィン付き風呂用熱交換管、給湯用熱交換管、風呂用熱交換管等の熱交換器本体の凍結による破損が防げ、メンテンナンス作業が非常に容易になるのである。
【0018】
【発明の効果】
逆燃焼式1缶2回路風呂釜付き給湯器において、フィン付き風呂用熱交換管の出入口両端部を下方に立ち下げたことにより、風呂回路内沸騰、及びこれに起因する沸騰音、水撃音等を防止することが可能となる。また、フィン付き風呂用熱交換管の出入口両端部の下方への立ち下げ部の少なくとも一方を取り替え可能な別部品で構成したことにより、冬期等の低温時にに風呂用熱交換回路の水抜きが不十分で残水が凍結しても、該別部品が破損することで熱交換器本体の破損が防げるため修理作業が容易に行え再使用することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による熱交換器の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による熱交換管内部の動作説明図である。
【図3】本発明の異なる実施形態による熱交換器の構成を示す図である。
【図4】本発明の異なる実施形態による熱交換器の構成を示す図である。
【図5】本発明の異なる実施形態による熱交換器の構成を示す図である。
【図6】本発明における管の接続方法を示す図である。
【図7】本発明における管の接続で用いるファスナの形状を示す図である。
【図8】従来の熱交換器の構成を示す図である。
【符号の説明】
2 給湯用熱交換管
3 風呂用熱交換管
4 1缶2回路式風呂釜付給湯器
20 フィン付き給湯用熱交換管
22 出湯管
30 フィン付き風呂用熱交換管
32 浴槽への風呂往き管
【発明が属する技術分野】
本発明は、フィン付き給湯用熱交換管とフィン付き風呂用熱交換管とを1個の缶体内に設け、フィン付き給湯用熱交換管とフィン付き風呂用熱交換管とが、吸熱フィンを互いに共有した、いわゆる2本管式の1缶2回路式風呂釜付き給湯器に関し、特にバーナよりも、両フィン付き熱交換管が下方に配された、いわゆる逆燃焼式1缶2回路式風呂釜付き給湯器における風呂回路内沸騰防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図8に示すフィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30とを1個の缶体4内に設け、該両フィン付き熱交換管をバーナ5に対して相対下方に配した逆燃焼式1缶2回路風呂釜付き給湯器が知られている。
この逆燃焼式1缶2回路風呂釜付き給湯器は、1基のバーナ5を備えており、フィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30の両方を該バーナ5で加熱している。
上記逆燃焼式1缶2回路風呂釜付き給湯器においては、給湯の単独使用時、即ち、図示しない浴槽に接続された図示しない風呂回路の図示しない循環ポンプを停止した状態、すなわちフィン付き風呂用熱交換管30に滞留水が有る状態で、給湯用先栓を開放し、該バーナ5で加熱するとフィン付き風呂用熱交換管30が加熱され、沸騰状態となる。
【0003】
また、該1缶2回路式風呂釜付き給湯器においては、フィン付き風呂用熱交換管30の出入口両端部またはどちらか片端部が、上方に立ち上がっていることにより、上記沸騰によってフィン付き風呂用熱交換管30内の水がいったん気化しても、または、気化による膨張で該フィン付き風呂用熱交換管30内の滞留水が、該立ち上がり部にいったん押し出されても、気化した水は該立ち上がり部で冷却され再液化し、押し出された水と共に、自重により該フィン付き風呂用熱交換管30内に戻り、バーナ5により再度沸騰、気化、冷却、再液化、自然落下を給湯加熱が行われる限り繰り返す。このとき沸騰音、水撃音が繰り返し発生する。
【0004】
これらの問題を解決すべく従来より、フィン付き給湯用熱交換器管とフィン付き風呂用熱交換器管を構成する給湯用熱交換管と風呂用熱交換管を共に挿通した吸熱フィンの形状設計を操作することで、フィン付き風呂用熱交換管側の吸熱割合を小さくし、フィン付き風呂用熱交換管の、管内の沸騰を抑える方法が一般的に実施されている。
【0005】
しかしながら該フィン付き風呂用熱交換管の吸熱割合を小さくして、管内の沸騰を抑える方法では、風呂釜の単独使用時、即ち風呂の循環加熱のみを行う場合に、フィン付き給湯用熱交換管が沸騰しやすくなるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の技術的問題点(又は不都合)を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、フィン付き風呂用熱交換管内での沸騰音、あるいは水撃音を、該フィン付き風呂用熱交換管の吸熱割合を小さくすること無く抑制する風呂回路沸騰防止構造を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の風呂回路内沸騰防止構造は、逆燃焼式1缶2回路風呂釜付給湯器において、フィン付き風呂用熱交換管の出入口両端部を下方に立ち下げることを第1の特徴としており、この第1の特徴により、給湯単独使用時には、該フィン付き風呂用熱交換管内の水が沸騰により気化した後、その蒸気圧と浴槽までの間の滞留水の水頭圧がつりあった状態で安定するため、沸騰、凝縮が繰り返されることが無く、沸騰音、水撃音の発生も抑制できる。
【0008】
また、本発明の風呂回路内沸騰防止構造は、フィン付き風呂用熱交換管の出入口両端部の下方への立ち下げ部の少なくとも一方を取り替え可能な別部品で構成することを第2の特徴としている。この第2の特徴により、冬期に風呂用熱交換回路の水抜きが不十分で残水が凍結しても、該別部品が破損することで熱交換器本体の破損が防げるため修理作業が容易に行える。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明装置の一実施形態を示す全体構成図、図2は本発明装置の一実施形態による作用を説明する要部詳細図、図3、図4、図5は本発明の他の実施例を説明する全体構成図、図6は管の接続固定方法の一実施例を示す図、図7は該実施例に用いるファスナの形状を示す図、図8は従来例を示す全体構成図である。
【0010】
図1において、逆燃焼式の1缶2回路式風呂釜付き給湯器1には、筒状に形成された缶体(燃焼室)4と、缶体4の周囲に巻かれた給湯用熱交換管2と、給湯用熱交換管2に接触して並設された風呂用熱交換管3と、缶体4の上端開口部に設置された下方に向けて燃焼する逆燃焼式バーナ5及びファン6と、缶体4の下端開口に連通する排気筒11とを備えており、給湯用熱交換管2及び風呂用熱交換管3の下部はフィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30で形成されている。
【0011】
給湯用熱交換管2の上端開口側に入水管21が接続され、下端開口側に出湯管22が接続されており、風呂用熱交換管3の上端開口側に浴槽からの風呂戻り管31が接続され、下端開口側に浴槽への風呂往き管32が接続されている。
これにより、低温水が両熱交換管2,3の上端から流入し、加熱された高温水が両熱交換管2,3の下端から流出する。
フィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30の両端に接続される給湯用熱交換管2、風呂用熱交換管3、及び出湯管22、浴槽への風呂往き管32は、下方より立ち上がってきて接続される形状、つまりU字又はL字形状となっている。
【0012】
図2を用いて、本案の実施形態による作用について説明する。
(イ)に示すように通常、フィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30の内部にはそれぞれ給湯用水道水、風呂循環水が停滞している。ここで給湯使用するためにカランを開くと、(ロ)に示すようにフィン付き給湯用熱交換管20に水が流れ、燃焼が開始され、熱交換を行う。一方、フィン付き風呂用熱交換管30内部の風呂循環水は停滞したままで熱交換が行われるため、沸騰が起こり一部が気化して水蒸気となり内圧上昇を伴う。この気化領域は、風呂用熱交換管3、浴槽への風呂往き管32を通じて、蒸気圧と浴槽までの間の水頭圧とがつり合うところで安定する。このとき風呂用熱交換管3、浴槽への風呂往き管32がフィン付き風呂用熱交換管30より立ち下がっているため、沸騰により水蒸気となってフィン付き風呂用熱交換管30から風呂用熱交換管3、浴槽への風呂往き管32、に出た水分が受熱量が減じることにより再液化しても、図8に示す従来例のように、その水滴の自重によりフィン付き風呂用熱交換管30内に戻ってくるということが無く、この安定状態が保持される。このため給湯使用中に沸騰、再液化が繰り返されることが無く、沸騰音、水撃音の発生を防止することができる。
【0013】
図3を用いて、他の実施例について説明する。
図3はフィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30の配列を図1、図2とは上下逆転させた実施例を示したものであるが、図1、図2で説明したのと同様に風呂用熱交換管3、浴槽への風呂往き管32がフィン付き風呂用熱交換管30より立ち下がっているため、沸騰により水蒸気となってフィン付き風呂用熱交換管30から風呂用熱交換管3、浴槽への風呂往き管32、に出た水分が受熱量が減じることにより再液化しても、その水滴の自重によりフィン付き風呂用熱交換管30内に戻ってくるということが無く、この安定状態が保持される。このため給湯使用中に沸騰、再液化が繰り返されることが無く、沸騰音、水撃音の発生を防止することができる。また、図3に示す実施例ではフィン付き風呂用熱交換管30がフィン付き給湯用熱交換管20よりもバーナ5の火炎に近い為、本発明の効果はより顕著となる。
【0014】
更に、図4を用いて、他の実施例について説明する。
図4は、給湯用熱交換管2と風呂用熱交換管3、及び、出湯管22と浴槽への風呂往き管32を独立して配した実施例を示したものである。既述の実施例では、給湯用熱交換管2と風呂用熱交換管3、及び、出湯管22と浴槽への風呂往き管32はそれぞれが接触して並設されていたが、本実施例に示すように、それぞれ独立して配していてもそれぞれの管間の伝熱が僅かに劣るのみで、ほぼ同様の効果が得られる。
【0015】
更に、図5を用いて、他の実施例について説明する。
本実施例ではフィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30の両端に接続される給湯用熱交換管2、風呂用熱交換管3、及び出湯管22、浴槽への風呂往き管32の、フィン付き給湯用熱交換管20とフィン付き風呂用熱交換管30より下方に配置される部分を、給湯用熱交換管継手23、風呂用熱交換管33、及び出湯管継手24、浴槽への風呂往き管継手34として別部品で接続する構成としている。
【0016】
接続方法としては、図6に示すように、接続するそれぞれの管52、64を加工、及び、受け金具51をろう付け、ワッシャ63、Oリング61、支持金具62を装着することにより、管接続固定構造体50、60とし、挿入後、図7に示すバネ構造のファスナ70を受け金具51の先端フランジ部とワッシャ63に被せ、抜け止めとする。また、接続方法としては、他に両管端に配したフランジでゴムパッキンを挟み込みフランジをビス止めする方法等種々考えられるが、シールと両管の連通が確実に行える方法でありさえすれば良く、接続方法によって本発明が制限されるものではない。
【0017】
この構成により、冬期等の低温時に凍結防止のための水抜きが不十分で残水が凍結しても、残水部が給湯用熱交換管継手23、風呂用熱交換管33、及び出湯管継手24、浴槽への風呂往き管継手32になるため、凍結による破損も上記4部品に限定される。従ってフィン付き給湯用熱交換管、フィン付き風呂用熱交換管、給湯用熱交換管、風呂用熱交換管等の熱交換器本体の凍結による破損が防げ、メンテンナンス作業が非常に容易になるのである。
【0018】
【発明の効果】
逆燃焼式1缶2回路風呂釜付き給湯器において、フィン付き風呂用熱交換管の出入口両端部を下方に立ち下げたことにより、風呂回路内沸騰、及びこれに起因する沸騰音、水撃音等を防止することが可能となる。また、フィン付き風呂用熱交換管の出入口両端部の下方への立ち下げ部の少なくとも一方を取り替え可能な別部品で構成したことにより、冬期等の低温時にに風呂用熱交換回路の水抜きが不十分で残水が凍結しても、該別部品が破損することで熱交換器本体の破損が防げるため修理作業が容易に行え再使用することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による熱交換器の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による熱交換管内部の動作説明図である。
【図3】本発明の異なる実施形態による熱交換器の構成を示す図である。
【図4】本発明の異なる実施形態による熱交換器の構成を示す図である。
【図5】本発明の異なる実施形態による熱交換器の構成を示す図である。
【図6】本発明における管の接続方法を示す図である。
【図7】本発明における管の接続で用いるファスナの形状を示す図である。
【図8】従来の熱交換器の構成を示す図である。
【符号の説明】
2 給湯用熱交換管
3 風呂用熱交換管
4 1缶2回路式風呂釜付給湯器
20 フィン付き給湯用熱交換管
22 出湯管
30 フィン付き風呂用熱交換管
32 浴槽への風呂往き管
Claims (2)
- 逆燃焼式1缶2回路風呂釜付き給湯器において、フィン付き風呂用熱交換管の出入口両端部を下方に立ち下げることを特徴とする風呂回路内沸騰防止構造。
- フィン付き風呂用熱交換管の出入口両端部の下方への立ち下げ部の少なくとも一方を取り替え可能な別部品で構成することを特徴とする、請求項1記載の風呂回路内沸騰防止構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08461299A JP3702455B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 風呂回路沸騰防止構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08461299A JP3702455B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 風呂回路沸騰防止構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000274832A JP2000274832A (ja) | 2000-10-06 |
JP3702455B2 true JP3702455B2 (ja) | 2005-10-05 |
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ID=13835531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP08461299A Expired - Fee Related JP3702455B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 風呂回路沸騰防止構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3702455B2 (ja) |
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1999
- 1999-03-26 JP JP08461299A patent/JP3702455B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000274832A (ja) | 2000-10-06 |
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