JP3726238B2 - マレイミド末端ゴムおよびそれを用いた硬化性組成物 - Google Patents
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Description
また、本発明は、上記硬化性組成物を用いた複合体成形体を提供することを目的とする。
本発明のマレイミド末端ゴムは、分子の両末端にアミノ基および/またはイミノ基を有するゴムと、ビスマレイミド化合物との反応により得られる、分子の両末端にマレイミド構造を有するゴムである。
Xとしては、例えば、単結合または下記式から選ばれる基が挙げられる(下記式中、pおよびqは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。)。
分子の両末端がマレイミド構造となるように反応させるには、ビスマレイミド化合物のマレイミド構造と、ゴムの分子の両末端のアミノ基および/またはイミノ基との当量比が、好ましくは1.05〜2、より好ましくは1.05〜1.5となるような量比で両者を反応させる。
中でも、R5およびR6の組み合わせが、−Hおよび−H、−Hおよび−CH3であるのが好ましい。
本発明のマレイミド末端ゴムは、主鎖、マレイミド構造、分子量等が異なる2種以上の混合物であってもよい。
本発明の硬化性組成物は、本発明のマレイミド末端ゴムと、樹脂および/または本発明のマレイミド末端ゴム以外のゴム(以下「その他のゴム」という。)とを含有する。
本発明の硬化性組成物に用いられる樹脂は、組成物としたときに硬化性を有していれば特に限定されず、従来公知の樹脂を用いることができる。例えば、単独で硬化しうる樹脂、硬化剤の存在下で硬化しうる樹脂、本発明のマレイミド末端ゴムと反応して硬化しうる樹脂、本発明の硬化性組成物に含有される他の樹脂および/またはゴムと反応して硬化しうる樹脂が挙げられる。
硬化剤は、上述した樹脂および/またはその他のゴムに応じて、従来公知のものを1種以上選択して用いることができる。
中でも、マレイミド構造と反応しうる官能基を有する硬化剤が好ましい。本発明の硬化性組成物がマレイミド構造と反応しうる官能基を有する硬化剤を含有すると、硬化剤と樹脂および/またはその他のゴムとの反応のほかに、硬化剤と本発明のマレイミド末端ゴムとの反応も起こるので、硬化後の本発明の硬化性組成物の強度等が優れたものとなる。
中でも、本発明の硬化性組成物がエポキシ樹脂を含有する場合には、マレイミド構造と反応しうる官能基が、アミノ基、イミノ基およびチオール基からなる群から選ばれる少なくとも一つであるのが好ましい。これらの官能基は、エポキシ樹脂の含有するエポキシ基との反応、および、本発明のマレイミド末端ゴムの含有するマレイミド構造との反応を起こすので、本発明の硬化性組成物の硬化後の強度等が優れたものとなる。
そのような官能基を有する硬化剤としては、例えば、1,3−ベンゼンチオール、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン(DDS)、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、末端にチオール基を有するポリサルファイド樹脂(例えば、チオコールケミカル社製のLP−3)が挙げられる。
本発明の複合体成形体に用いられる他の材料の材質、形状等は、特に限定されず、例えば、金属、樹脂成形品、強化繊維、繊維強化プラスチック(FRP)が挙げられる。
本発明の複合体成形体が、エポキシ樹脂を含有する本発明の硬化性組成物を用いたプリプレグであると、力学的特性(例えば、引張強度、層間せん断強度)および耐熱性に加え、強靱性も優れたものとなるので、極めて好ましい。
本発明のプリプレグに用いられる強化繊維は、特に限定されず、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が挙げられる。
1.本発明のマレイミド末端ゴムの調製
上記式(1)で表されるアミン末端ゴム(アミン末端液状NBR、HYCAR ATポリマー ATBN1300×45、宇部興産社製、重量平均分子量3500、アミン等量1900)100gと、4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミド10.8g(マレイミド構造/イミノ基=1.15となる量である。)とを、MEK300g中、室温で5時間、更に、70℃で2時間かくはんすることにより反応させて、本発明のマレイミド末端ゴムを得た(下記反応式参照。)。
(実施例1および比較例1)
下記の原料を第1表に示される質量比で混合し、各種の硬化性組成物を調製した。
・液状エポキシ樹脂1:ELM434、住友化学工業社製
・固形エポキシ樹脂:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、EPICLON HP−7200、大日本インキ化学工業社製
・液状エポキシ樹脂2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、YD−128、東都化成社製
・4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン(DDS):セイカキュアS、和歌山精化工業社製
・MEK
・アミン末端ゴム:上記式(1)で表されるアミン末端ゴム(アミン末端液状NBR、HYCAR ATポリマー ATBN1300×45、宇部興産社製)
・マレイミド末端ゴム:上記で得られた上記式(4)で表されるマレイミド末端ゴム
実施例1および比較例1で得られた各硬化性組成物について、以下の物性試験を行った。
(1)経時安定性
実施例1および比較例1で得られた硬化性組成物を、MEK溶媒中、室温で6時間かくはんした後、減圧下、60℃で5時間かくはんして溶媒を除去し、硬化性組成物の状態を目視で観察した。硬化性組成物に硬化が起こっていたか否かにより、硬化性組成物の経時安定性を評価した。
実施例1および比較例1で得られた硬化性組成物を、MEK溶媒中、室温で6時間かくはんした後、減圧下、60℃で5時間かくはんして溶媒を除去した。ついで、硬化性組成物を180℃で2時間放置して硬化させ、硬化物を得た。この硬化物の外観を目視で観察した。
上述した硬化物の外観の場合と同様の方法で、硬化物を得た。得られた硬化物のガラス転移温度(Tg)を、示差走査熱量計(DSC、model DSC2920、TAインスツルメント社製)により測定した。
(実施例2および3ならびに比較例2および3)
下記の原料を第3表に示される質量比で混合し、各種の硬化性組成物を調製した。
・多官能エポキシ樹脂:テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、エピコート1031S、ジャパンエポキシレジン社製
・固形エポキシ樹脂:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、EPICLON HP−7200、大日本インキ化学工業社製
・液状エポキシ樹脂2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、YD−128、東都化成社製
・液状エポキシ樹脂3:ナフタレン型エポキシ樹脂、EPICLON HP−4032、大日本インキ化学工業社製
・4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン(DDS):セイカキュアS、和歌山精化工業社製
・BF3MEA:三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体、ステラケミファ社製
・マレイミド末端ゴム:上記で得られた上記式(4)で表されるマレイミド末端ゴム
・カルボキシ変性NBR:Nipol−1072、日本ゼオン社製、カルボキシ変性率5%
実施例2および3ならびに比較例2および3で得られた各硬化性組成物を用いて、以下のようにして繊維強化複合材料を製造した。
硬化性組成物をリバースロールコーターを用いて、離型紙上に塗布して、樹脂フィルムを作製した。ついで、シート状に一方向に配列させた炭素繊維(トレカ T800HB、東レ社製、引張弾性率294GPa)を、上記で得られた樹脂フィルム2枚で上下から挟み、加熱加圧により樹脂を含浸させ、一方向プリプレグを得た。得られた一方向プリプレグは、炭素繊維の目付が196±5g/cm2であり、マトリックス樹脂の割合が34質量%であった。
得られた一方向プリプレグを、炭素繊維の方向が同一になるように、10枚積層した。その後、オートクレーブを用いて、昇温速度2℃/分の条件で180℃まで加熱した後、180℃、0.59MPaの条件で2時間保持して、板状の繊維強化複合材料を成形した。
上記で得られた一方向プリプレグおよび繊維強化複合材料について、以下の物性試験を行った。
(1)一方向プリプレグのタックおよびドレープ
製造直後の2枚の一方向プリプレグを積層した後、手ではく離させ、粘着力(タック)の有無を官能的に評価した。また、製造直後の一方向プリプレグを手で曲げて、ドレープの有無を官能的に評価した。これらの評価は、25℃で行った。
製造後、25℃の室内で10日間放置した一方向プリプレグを用いて、同様の評価を行った。
板状の繊維強化複合材料から、繊維方向の長さ20mm、繊維方向に垂直な方向の長さ10mm、厚さ1.87mmの試験片を切り出し、この試験片について、オートグラフを用いて、JIS K7203−1995の方法で曲げ試験を行った。曲げ試験は、スパン長10mm、試験速度1mm/分で三点曲げを行い、下記式より、層間せん断強度を求めた。なお、曲げ試験は、25℃、90℃および120℃で、それぞれ行った。
板状の繊維強化複合材料から、繊維方向の長さ25mm、繊維方向に垂直な方向の長さ250mm、厚さ1.87mmの試験片を切り出し、この試験片について、オートグラフを用いて、ASTM D3039の方法により、繊維方向に対して90度の引張試験を行った。引張試験は、グリップ長さ50mm、試験速度0.5mm/分で行い、下記式より、90度引張強度を求めた。なお、曲げ試験は、25℃で行った。
また、繊維強化複合材料についての物性試験の結果を第5表に示す。第5表から明らかなように、本発明のマレイミド末端ゴムを用いた本発明の硬化性組成物(実施例2および3)は、カルボキシ変性NBRを用いた場合(比較例2および3)に比べ、繊維強化複合材料としたときの強度、特に高温における強度に優れる。
Claims (7)
- 分子の両末端にアミノ基および/またはイミノ基を有するゴムと、ビスマレイミド化合物との反応により得られる、分子の両末端にマレイミド構造を有するマレイミド末端ゴム。
- 請求項1に記載のマレイミド末端ゴムと、樹脂および/または前記マレイミド末端ゴム以外のゴムとを含有する硬化性組成物。
- 更に、マレイミド構造と反応しうる官能基を有する硬化剤を含有する請求項2に記載の硬化性組成物。
- 前記官能基が、アミノ基、イミノ基、チオール基およびジエン構造からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項3に記載の硬化性組成物。
- 前記樹脂として、エポキシ樹脂を含有し、かつ、前記官能基が、アミノ基、イミノ基およびチオール基からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項3に記載の硬化性組成物。
- 請求項2〜5のいずれかに記載の硬化性組成物を用いた複合体成形体。
- 請求項5に記載の硬化性組成物を用いたプリプレグ。
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