JP3725988B2 - ガス供給システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置等の産業用製造装置で使用されるバルブユニットに関し、さらに詳細には、流路内などの残留ガスの置換を効率的に行うことが可能なバルブユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程では、従来からホトレジスト加工のエッチング等に腐食性ガス、毒性ガスおよび可燃性ガス等のプロセスガスが供給ガスとして使用されている。ホトレジスト加工(ホトレジスト塗布、露光、現像、エッチング)は、半導体製造工程において複数回繰り返されるが、そこではプロセスガスを必要に応じて供給するガス供給システムが使用されている。即ち、ホトレジスト加工においては、複数種類のプロセスガスや、同一種類であっても濃度の異なったプロセスガスが使用されることがある。そのため、密閉された空間を構成するチャンバ内で、複数の腐食性ガスや成分ガス等のプロセスガスが混合されたり、そのプロセスガス等に不活性ガスが混合されたりして所定の濃度にされて供給されている。
【0003】
ところが、プロセスガスの中でも腐食性ガスは、供給後パイプ内に残留したまま放置されると、パイプ内部の金属等を腐食してしまうので、次のガス供給時に不純物が混入して半導体に悪影響を与えることがあった。
また、腐食性ガスが少量でも残留すれば、次に使用するプロセスガスの成分が変化してしまい、ホトレジスト加工に大きな悪影響を与え、半導体製品の品質の劣化させる原因にもなった。
更に、前回使用のプロセスガスが可燃性ガス等の場合には、たとえ少しの残量であっても種類によっては次のガスと混合して、可燃性ガスによる燃焼や爆発が発生する恐れがあった。
そこで、ガス供給システムでは、複数種類の所定量のプロセスガスをチャンバ内で混合して供給ガスを製造して半導体工程に供給した後、チャンバなどガス供給システム内部に残留しているプロセスガス(残留ガス)を窒素ガス等の不活性ガス(パージガス)で置換することが行われている。
【0004】
従来から行われている置換方法としては、(1)真空ポンプやエゼクタなどの強制排気手段によって流路内の残留ガスを吸引排気後、その流路内へのパージガスの供給とエゼクタなどによる吸引排気とを繰り返す方法や、(2)高い圧力で流路内に不活性ガスを流入して残留するプロセスガスを希釈化させて排出する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)の方法では、真空ポンプの場合にはメンテナンス管理やスペース上の問題からチャンバ等から位置的に離れており、チャンバ等の内部を効率よく真空にすることができないと同時に、供給ガスの一つである腐食性ガス等は金属に対し密着性が強いため、チャンバ内部等の金属平面に密着して残留している腐食性ガス等を完全に排除することができなかった。
そして、真空ポンプは、離れた位置に配置されるため、内部に腐食性ガス等が残留するチャンバ等と配管により接続されている。そのため、配管が長くなることで排気抵抗が大きくなり、チャンバ等の内部を真空にするのを妨げ、残留している供給ガスを完全に排除することができなかった。
【0006】
これに対して、吸引排気にエゼクタを使用した場合には、作動流体である不活性ガスを速い流速で吹き出し、この不活性ガスの速い流れにより発生する負圧で残留するプロセスガスを吸引して排出するため、不活性ガス(パージガスが使用される)の消費量が多くなり、経済的なマイナス面が大きかった。
一方、上記(2)の方法では、残留するプロセスガスを希釈するのに時間がかかりすぎてしまう問題があった。即ち、流路には滞留を起こすデッドスペースができるため、そこでの流れが悪く、一応の基準値にまで希釈するための時間が長くなってしまっていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記の課題を解決すべく、ガスの置換を効率よく行うことがが可能なユニットバルブを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のガス供給装置は、プロセスガスをチャンバへ供給するプロセスガス流路に配管されたプロセスガスの流れを制御するためのバルブ及びマスフローコントローラと、前記プロセスガス流路に合流して前記プロセスガス流路及びチャンバ内にパージガスを供給するパージガス流路に配管されたパージガスの流れを制御するためのバルブと、前記チャンバ及びパージガス流路の排気部分に配管され流路及びチャンバ内のガスを大気圧のもとで排出させる大気解放バルブと、前記各バルブ及びマスフローコントローラを駆動制御するための駆動制御手段とを有し、ガス置換の際に、前記駆動制御手段が、前記プロセスガス流路及び前記パージガス流路の各流路に配管されたバルブと前記排気部分に配管された大気解放バルブとを制御することにより、前記流路及びチャンバ内のプロセスガスを大気解放して排気した後、前記流路及びチャンバ内にパージガスを加圧封入する加圧封入工程と、前記流路及びチャンバ内に高圧で充填されたプロセスガスとパージガスとの混合ガスを大気解放して排気する常圧排気工程とを所定回数繰り返すことを特徴とする。
【0009】
そこで、本発明のガス供給装置によれば、プロセスガスをチャンバ内で混合してガス供給を行った後のガス置換では、駆動制御手段によって所定のサイクルパージが行われる。即ち、プロセスガスは先の工程でプロセスガス流路及びチャンバ内に所定圧で充填されたままになっているので、そのプロセスガスを一旦大気解放して排気し、流路及びチャンバ内の圧力を大気圧にまで下げる。その後、加圧封入工程で、パージガスを加圧封入して流路及びチャンバ内にプロセスガスとパージガスとの混合ガスを高圧で充填させ、続く常圧排気行程で、流路及びチャンバを大気解放して充填された混合ガスを大気圧との圧力差によって排気させ、これによって流路及びチャンバ内に残るプロセスガスを希釈させる。そして、この加圧封入工程及び常圧排気行程を所定回数繰り返すことによって、流路及びチャンバ内に残るプロセスガスの濃度を所定値にまで下げる。
よって、このような常圧排気のサイクルパージを行うことで、エゼクタや真空ポンプといった強制排気手段を不要とし、ガス供給システムの構成を簡素化することができ、当該強制排気手段による問題点、例えばパージガスを大量消費するエゼクタの問題などが解決される。また、常圧排気によれば排気時間が短いので、繰り返し回数が多くなってもガス置換に要する時間を短く済ませることができる。
【0010】
また、本発明のガス供給システムは、前記駆動制御手段が、前記加圧封入工程で封入するパージガスの封入圧力によって、前記加圧封入工程と常圧排気工程との繰り返し回数を決定する制御プログラムを有していることを特徴とする。
これによって、流路及びチャンバ内に残るプロセスガスを所望の濃度にまで正確に希釈させることができ、また必要かつ十分な繰り返し回数を実行することによって、ガス置換に要する時間を短く済ませることができる。
また、本発明のガス供給システムは、前記プロセスガス流路に配管されたマスフローコントローラの一側と二次側とをつなぐバイパス流路を設けたことを特徴とする。
これによって、パージガスの加圧封入や混合ガスの排気が、マスフローコントローラによって妨げられることなく効率よく行われ、ガス置換にかかる時間の短縮に寄与する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化したガス供給システムの一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、ガス供給システムの構成を示す回路図である。
このガス供給システムは、半導体製造工程のエッチング加工装置などへ所定のガスを供給するためのもであり、複数のプロセスガスをチャンバ1へ供給するよう構成されている。本実施の形態では、5種類のプロセスガスFA〜FEがチャンバ1へ搬送できるようになっている。そこで、5種類のプロセスガスFA〜FEをチャンバ1の中空部1aに搬送する5本のプロセスガス流路11A〜11Eには、プロセスガスFA〜FEの流量を調節するマスフローコントローラ2A〜2Eと、その流量制御されたプロセスガスFA〜FEのチャンバ1への搬入を制御するガス搬入バルブ3A〜3Eとが、それぞれ直列に接続されている。そして、更にプロセスガス流路11A〜11Eの上流側には、ガス供給源からのプロセスガスFA〜FEの流れを制御するガス供給バルブ5A〜5Eが直列に接続されている。
【0012】
また、このガス供給システムは、チャンバ1や流路内に残るプロセスガスを置換するよう構成されている。ガス置換の際のパージガスには、窒素ガス等の不活性ガスが使用される。パージガスは、ガス供給源からパージガス供給路12を通って、各プロセスガス流路11A〜11Eへ供給され、パージガス排出路13を通って排気されるよう構成されている。即ち、パージガス供給路12とパージガス排出路13とは、ガス置換バルブ6A〜6Bと排気バルブ7A〜7Bが配管された連結流路14A〜14Eを介して連絡されている。そして、そのガス置換バルブ6A〜6Bと排気バルブ7A〜7Bとの間で、プロセスガス流路11A〜11Eが連結流路14A〜14Eと合流している。パージガス排出路13の下流には、残留ガスを排出する不図示の回収容器の前に大気解放バルブ8が配管されている。なお、パージガス供給路12、パージガス排出路13及び連結流路14A〜14Eが、請求項1に記載するパージガス流路に相当する。
更に、チャンバ1には、混合したプロセスガスを3方へ搬出する搬出路に、ガス搬出バルブ9F〜9Hが配管され、残留ガスを排出する不図示の回収容器の前に大気解放バルブ10が配管されている。
なお、このガス供給システムを構成する各バルブには、電磁バルブが使用されている。
【0013】
ガス供給システムは、図2に示す制御装置によって制御されている。この御装置20は、システム全体を制御するCPU21、供給ガスシステムのプロセスガスの供給及びパージガスの供給・排気を制御する制御プログラムを記憶したROM22、およびCPU21が演算処理するときにデータ等を一時的に記憶したり外部から入力されるデータを記憶するRAM23が備えられている。また、そのCPU22には、各バルブ3A〜3E,5A〜5E,6A〜6E,7A〜7E,8,9G〜9H,10の開閉を実行させるためのバルブ制御部24と、マスフローコントローラ2A〜2Eの駆動を制御する流量制御部25が接続されている。
【0014】
そこで、次にガス供給システムの作用について説明する。ガス供給システムは、制御装置20のROM22に記憶された制御プログラムに従って実行される。
まず、半導体製造工程全体を制御しているコンピュータからの指令により、5種類のプロセスガスFA〜FEから1つまたは2以上のガスが選択されると、選択されたプロセスガスFA〜FEに対応するガス供給バルブ5A〜5Eが開けられる。選択されたプロセスガスFA〜FEは、プロセスガス流路11A〜11E内を各々マスフローコントローラ2A〜2Eへと流れる。また、制御指令により該当するガス搬入バルブ3A〜3Eも開けられているため、各々マスフローコントローラ2A〜2EによってプロセスガスFA〜FEの流量が調節されてチャンバ1へ供給される。一方、チャンバ1の出力側では、ガス搬出バルブ9F〜9Hのうち供給先に接続しているもののみが開けられている。
チャンバ1の中空部1aへはガスが大きな流速で流入するので、中空部1aに特別の混合装置を取付なくとも十分混合され、開放しているガス搬出バルブ9F〜9Hから出力される。そして、混合されたプロセスガスが半導体製造工程のエッチング加工装置等へと供給される。
【0015】
そして、プロセスガスFA〜FEの供給流量が所定値に達すると、ガス搬入バルブ3A〜3E及びガス供給バルブ5A〜5Eが閉じられ、チャンバ1へのガス供給が停止する。ガス搬入バルブ3A〜3E及びガス供給バルブ5A〜5Eを閉じるタイミングを決定する供給流量の値は、最終的にチャンバ1の中空部1aに残留する量を考慮して実験的に定められている。そして、ガス搬入バルブ3A〜3E及びガス供給バルブ5A〜5Eの閉弁に続き、ガス搬出バルブ9F〜9Hが閉じられる。
このようにして各弁が開閉された結果、各プロセスガス流路11A〜11E及びチャンバ1内にプロセスガスが残留するため、続いてガス置換が行われる。
【0016】
ところでガス置換は、前記従来例でも挙げたように、真空ポンプやエゼクタによって流路内のプロセスガスを吸引排気後、その流路内へのパージガスの供給と真空ポンプやエゼクタによる吸引排気を繰り返す、真空排気のサイクルパージ(以下、「真空サイクルパージ」と記す)といわれる方法が一般的である。パージガスを供給した後に真空ポンプなどで強制的に吸引排気するのは、流路内の残留ガスの排気効率を良くするためである。そして、このような方法は、なかば常識的に行われてきた。
しかしながら、以下に示すことからパージガスの高圧封入及び大気解放による排気を繰り返して行う常圧排気のサイクルパージ(以下、「常圧サイクルパージ」と記す)によっても十分にガス置換が可能であることが分かった。また、その常圧サイクルパージの試験からも、期待した結果が得られた。そこで、先ず常圧サイクルパージの理論について説明する。
【0017】
サイクルパージによるガス置換は、圧力比による希釈の考えに基づいて行うことができる。即ち、ある基準圧の空間内に含まれるプロセスガスの濃度は、パージガスが加圧封入されて上昇した上昇圧から排気によって基準圧にまで低下させた時の、その基準圧値と上昇圧値との比に従って希釈される。
そこで、エゼクタを使って真空排気を行う場合、エゼクタの強制排気によって流路内の真空到達圧力が約1.064×104 Paであるのに対し、その流路内に封入されるパージガスが約2.969×105 Paであるとする。従って、流路内がパージガスの加圧封入によって圧力が高められた後、エゼクタによって真空排気されて圧力が低下すると、この1回のサイクルパージによる希釈率は、
1.06×104 /2.97×105 で計算される。
よって、1回のサイクルパージによって残留ガスの濃度は約1/30に希釈され、サイクルパージをn回繰り返せば流路内等の残留ガスの濃度は、(1/30)n にまで希釈されることとなる。
【0018】
ところで実際にガス置換を行う場合、流路内の残留ガスの濃度は次の供給ガスに悪影響を与えることが少ないように、例えば0.05ppm以下の濃度にまで希釈することを一応の基準値とすることがある。そこで、前述したようにエゼクタによって真空サイクルパージを行う場合に、当該基準値にまで残留ガスの濃度を希釈させるには、
(1/30)5 4.1×10-8(=0.041ppm)
となり、5回繰り返せばよいことになる。
【0019】
同様にして常圧サイクルパージの場合を考える。大気圧は約1.01×105 Paであり、流路内に封入されるパージガスが約2.97×105 Paであるとすれば、1回のサイクルパージによって流路内の残留ガスの希釈率は、
1.01×105 /2.97×105 で計算される。
よって、1回のサイクルパージによって残留ガスの濃度は約1/3に希釈され、サイクルパージをn回繰り返せば流路内の残留ガスの濃度は、(1/30)n にまで希釈されることとなる。
そこで、前記基準値にまで残留ガスの濃度を希釈させるには、
(1/3)16 2.3×10-8(=0.023ppm)
となり、16回繰り返せばよいことになる。
従って、理論的にはエゼクタを使用した場合に5回行っていたサイクルパージを16回行えば流路内の残留ガスの影響を次に残すことなくプロセスガスの供給を行うことができるようになる。
【0020】
その考えに基づき、本実施の形態のガス供給システムでは常圧サイクルパージを採用することとし、次のようにして実施される。
前述したように、所定のプロセスガスFA〜FEの供給を終了した後、先ず(1)大気解放バルブ8,10及び該当するプロセスガス流路11A〜11Eに配管された排気バルブ7A〜7Bが開けられる。すると、プロセスガス流路11A〜11E及びチャンバ1内に所定圧で充填されていたプロセスガスが排気される。しかし、残留ガスの流れは小さく、プロセスガス流路11A〜11E及びチャンバ1内には大気圧で残留ガスが残るため、続いて常圧サイクルパージが実行される。
【0021】
即ち、(2)大気解放バルブ8,10が一旦閉じられた後、該当するガス置換バルブ6A〜6Bが開けられてパージガスが加圧封入される。そのため、プロセスガス流路11A〜11E及びチャンバ1内は、残留ガス及びパージガスが約2.97×105 Paの圧力で充填される。
その後、(3)該当するガス置換バルブ6A〜6Bが閉じられ、大気解放バルブ8,10が開けられる。これによって、プロセスガス流路11A〜11E及びチャンバ1内の高圧ガスは、勢い良く大気解放バルブ8,10から排気される。これによって、プロセスガス流路11A〜11E及びチャンバ1内の残留ガスは、前述した理論に基づき約1/3に希釈される。
そして、その後は、前記(2)、(3)の動作を所定回数n繰り返すことによって、プロセスガス流路11A〜11E及びチャンバ1内の残留ガスの濃度は、約(1/3)n だけ希釈され所望の基準値以下にすることができる。
【0022】
ここで、本実施の形態のガス供給システムで実行した常圧サイクルパージと、従来からの真空サイクルパージとについて行った試験結果を比較する。図3及び図4は、ガス置換特性についての試験結果をグラフで示したものである。なお、この試験では、腐食性ガスの代わりに酸素の充填された流路内に窒素ガスのパージによってガス置換を行った。図3のグラフには、流路内の残留酸素濃度に対するパージ時間の比較を示し、図4のグラフには、流路内の残留酸素濃度に対する窒素ガス消費量の比較を示している。
【0023】
そこで、常圧サイクルパージ(実線で表示)と真空サイクルパージ(破線で表示)によって、酸素濃度が所定の基準値に達するまでのパージ時間と窒素ガス消費量で比較してみる。
パージ時間は、図3に示すように酸素濃度を0.05ppm程度にまで希釈するために必要な時間は、両者にほとんど差はなく、常圧サイクルパージの方が10秒程度の時間を余分に要しただけであった。一方、窒素ガス消費量は、図4で示すように、ガス置換のために使用した窒素ガスの消費量は、比べようもなく真空サイクルパージの方が多かった。
【0024】
この結果に見られるように、希釈に要する時間が両者でほとんど差がないのは、1回の真空排気に要する時間が常圧排気よりも長いからである。
即ち、残留ガスの濃度を基準値にまで希釈させる場合、前記計算例から常圧サイクルパージが16回なのに対して真空サイクルパージは5回で済むため、真空サイクルパージの所要時間は常圧サイクルパージの約1/3になるはずである。
しかし、試験を行ったところでは、エゼクタが流路内を真空到達圧にまで吸引排気するのに10秒程度要したのに対し、大気解放して流路内を大気圧にまでするのには2秒程度で済んだ。そのため、常圧サイクルパージは、1サイクルに要する時間が大幅に短いため、繰り返し回数が多くなってもトータルの時間を比較すると、図3に示すようにほとんど差のない結果となった。
一方で、図4に示す結果となったのは、常圧サイクルパージの場合には、窒素ガスはパージガスとして流路内に加圧封入される量、即ち封入体積分しか消費されないのに対し、真空サイクルパージの場合には、窒素ガスがエゼクタの作動流体として使用されるため、そのための消費量が格段に多いからである。
【0025】
よって、本実施の形態のガス供給システムによれば、流路内等のガス置換を常圧サイクルパージとしたので、真空サイクルパージと比べてガス置換にかかる時間の差を少なくしつつも、パージガスの消費量を大幅に削減することができた。
しかも、流路内のガスを強制的に吸引排気するエゼクタなどの機器や配管を設けることもないので、ガス供給システムの構成が簡素化され、そのことによる設備費の削減にもなった。
また、ROM22に記憶された制御プログラムには、パージガスの封入圧力によって常圧サイクルパージの繰り返し回数が設定されているため、流路及びチャンバ内に残るプロセスガスを所望の濃度にまで正確に希釈させることができ、また必要かつ十分な繰り返し回数を実行することによって、ガス置換に要する時間を短く済ませることができる。
【0026】
ところで、ガス供給システムにおいて、ガス置換の際にパージガスの封入及び混合ガスの排気を妨げる要因としてマスフローコントローラ2A〜2Eが挙げられる。これは、マスフローコントローラ2A〜2Eの流量係数がバルブのおよそ1/10と小さいからである。そのため、このマスフローコントローラの影響を無くしてより効果的なパージガスの封入及び混合ガスの排気が望まれる。
そのため、図1に示したガス供給システムに図5に示すようなバイパス流路を構成する。図5は、ガス供給システムの一部を取り出した回路図である。
即ち、プロセスガス流路11(11A〜11E)には、ガス供給バルブ5(5A〜5E)、マスフローコントローラ2(2A〜2E)及びガス搬入バルブ3(3A〜3E)が配管され、そのプロセスガス流路11に合流するパージガス供給路12からの連結流路14(14A〜14E)にガス置換バルブ6(6A〜6E)が配管されている。
そこで、バイパス流路31は、図示するようにマスフローコントローラ2の1次側になるガス置換バルブ6の二次側で連結流路14と、マスフローコントローラ2の二次側でプロセスガス流路11に接続される。そして、バイパス流路31には、バイパスバルブ32が配管されている。
【0027】
バイパス流路31は、プロセスガス供給時にはバイパスバルブ32を閉じることによって遮断され、ガス置換時にバイパスバルブ32を開けることによって連通する。これによって、ガス置換時には、マスフローコントローラ2を迂回したガスがバイパス流路31を通って流れるので、パージガスの封入及び混合ガスの排気をマスフローコントローラ2の影響を受けることなく行うことができる。
従って、パージガスの封入時間及び混合ガスの排気時間が短縮され、常圧サイクルパージにおけるガス置換にかかるトータル時間が短縮される。
【0028】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、図1で示したガス供給装置の構成は、一例であって他の異なるレイアウトになってもなんら問題ない。
また、プロセスガスの封入圧力やパージの繰り返し回数などは、使用されるプロセスガスなどによって変更されることはもちろんである。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、ガス置換の際に、駆動制御手段が、プロセスガス流路及びパージガス流路の各流路に配管されたバルブと排気部分に配管された大気解放バルブとを制御することにより、流路及びチャンバ内のプロセスガスを大気解放して排気した後、流路及びチャンバ内にパージガスを加圧封入する加圧封入工程と、流路及びチャンバ内に高圧で充填されたプロセスガスとパージガスとの混合ガスを大気解放して排気する常圧排気工程とを所定回数繰り返すよう構成したので、プロセスガスの置換を効率よく行うことがが可能なユニットバルブを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるガス供給システムの構成の一例を示す回路図である。
【図2】本発明にかかるガス供給システムの制御装置の一例を示すブロック図である。
【図3】パージ時間についてのガス置換特性を示した図である。
【図4】パージガス消費量についてのガス置換特性を示した図である。
【図5】図1で示すガス供給システムの一部を取り出した回路図である。
【符号の説明】
1 チャンバ
2A〜2E マスフローコントローラ
3A〜3E ガス搬入バルブ
5A〜5E ガス供給バルブ
6A〜6E ガス置換バルブ
8,10 大気解放バルブ
11,11A〜11E プロセスガス流路
12 パージガス供給路
13 パージガス排出路
14,14A〜14E 連結流路
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 バルブ制御部

Claims (3)

  1. プロセスガスをチャンバへ供給するプロセスガス流路に配管されたプロセスガスの流れを制御するためのバルブ及びマスフローコントローラと、前記プロセスガス流路に合流して前記プロセスガス流路及びチャンバ内にパージガスを供給するパージガス流路に配管されたパージガスの流れを制御するためのバルブと、前記チャンバ及びパージガス流路の排気部分に配管され流路及びチャンバ内のガスを大気圧のもとで排出させる大気解放バルブと、前記各バルブ及びマスフローコントローラを駆動制御するための駆動制御手段とを有し、
    ガス置換の際に、前記駆動制御手段が、前記プロセスガス流路及び前記パージガス流路の各流路に配管されたバルブと前記排気部分に配管された大気解放バルブとを制御することにより、前記流路及びチャンバ内のプロセスガスを大気解放して排気した後、前記流路及びチャンバ内にパージガスを加圧封入する加圧封入工程と、前記流路及びチャンバ内に高圧で充填されたプロセスガスとパージガスとの混合ガスを大気解放して排気する常圧排気工程とを所定回数繰り返すことを特徴とするガス供給システム。
  2. 請求項1に記載のガス供給システムにおいて、
    前記駆動制御手段は、前記加圧封入工程で封入するパージガスの封入圧力によって、前記加圧封入工程と常圧排気工程との繰り返し回数を決定する制御プログラムを有していることを特徴とするガス供給システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のガス供給システムにおいて、
    前記プロセスガス流路に配管されたマスフローコントローラの一側と二次側とをつなぐバイパス流路を設けたことを特徴とするガス供給システム。
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