JP3725828B2 - 光電気パス統合網およびノード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光電気パス統合網に利用する。特に、サブネット間の交流トラヒック量に関する情報の通知技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
大容量のネットワークを構築する技術として光電気パス統合網の研究開発が進められている。光電気パス統合網では、送受信端点を光パスにより接続する。送受信端点にはパケットのヘッダ情報によりルーティングを行うノードを備えた電気サブネットワークが接続される。図6に光電気パス統合網を示す。
【0003】
光電気パス統合網は光コアネットワークCと電気サブネットワークS1〜S4とから構成される。電気サブネットワークS1〜S4間は光パスで接続されないと通信ができない。
【0004】
光コアネットワークCは光ボーダノードと光コアノードから構成される。電気サブネットワークS1〜S4は電気ボーダノードと電気コアノードとから構成される。電気コアノードと光コアノードとは電気サブネットワークS1〜S4と光コアネットワークCとの境界で隣接しており、光ファイバリンクで相互に接続されている。
【0005】
光パスは光コアネットワークC上に設定され、異なる電気サブネットワークS1〜S4にいる電気ボーダノード同士を相互に接続する。電気ボーダノード間の情報は光パス上にトランスペアレントに転送される。
【0006】
図6のように光パスが4本設定されている場合は、電気サブネットワークS1〜S4のビューは図7のようになる。図7はパケット処理を行うことができるノードからなるネットワークトポロジのビューであり、光コアネットワークC内のトポロジは隠蔽される。図8は電気サブネットワークS1〜S4と光コアネットワークCとを合成したビューである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
電気サブネットワークは相互に接続される必要がある。しかしながら、全ての電気サブネットワークが光パスで相互に直接接続される必要はなく、マルチホップされればよい。
【0008】
図9は、図6の4つの電気サブネットワークS1〜S4が接続される例である。電気サブネットワークS1はS2とS3と直接光パスで接続されており、S2はS1とS4と、S3はS1とS4と、S4はS2とS3と、それぞれ直接光パスで接続されている。
【0009】
電気サブネットワークS1からS4へパケットを転送するにはS1からS2を経由してS4へ、あるいは、S1からS3を経由してS4へマルチホップで転送する経路をとることができる。図10は、図9と同様に図6の4つの電気サブネットワークS1〜S4が接続される例を示す。電気サブネットワークS1とS4との間と、S2とS3との間に対角線経路の光パスが設定されている。
【0010】
図9も図10も各電気サブネットワークS1〜S4の電気ボーダルータは2つの電気パケット送受信ポートを光コアネットワークCに向けて持っている。各電気ボーダルータに配備されている2つの電気パケット送受信ポートを、どの電気ボーダルータ同士のものを光パスで直接接続すればよいかは、各電気サブネットワークS1〜S4間の交流トラヒックによって決まる。対角線上の経路のトラヒックが少ない場合には図9が有利であり、逆に多い場合は図10が有利である。
【0011】
交流トラヒック量を考慮せずに光パスを設定すると、例えば、交流トラヒックが多い電気サブネットワーク間同士が直接光パスで接続されなくなり、マルチホップでパケット転送を行う必要が生じ、光パスが輻輳することが問題となる。
【0012】
交流トラヒックは時間的に変化するものであり、いったん、光パスを設定した後でも、状況に応じて光パスを動的に設定しなおすことが必要である。このようなトラヒックの変動に応じて光パスの設定をネットワーク管理者が手作業で行うことは保守のための稼働が増大して望ましくない。
【0013】
本発明は、このような背景に行われたものであって、電気サブネットワーク間の交流トラヒック量に応じて最適な光パスの設定または解放を自動的に行うことにより、ネットワーク管理者の手間を要さず、ネットワークリソースを有効利用できる光電気パス統合網およびノードおよびプログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
全ての電気サブネットワーク同士がシングルホップもしくはマルチホップで連結となるように光パスで接続される。これにより、全ての電気サブネットワーク同士は電気の仮想ラベル交換パス(LSP:Label Switched Path)で接続される。LSPは光パス上に設定される。電気サブネットワーク同士がマルチホップで接続される場合は、それらを接続するLSPは複数の光パスを経由する。
【0015】
電気サブネットワークの電気ボーダノードは自分の属する電気サブネットワークから他の電気サブネットワークを宛先とするパケットの流量を測定する。これはそれら電気サブネットワーク同士を接続するLSP上を転送されるパケット数およびバイト数を計測することで得られる。これらの計測値を単位時間で正規化することでビットレートを算定することができる。
【0016】
電気ボーダノードは光ボーダノードへ測定したLSP毎の交流トラヒック量を通知する。それを受信したら光ボーダノードは他の光ボーダノードへ通知する。光ボーダノードは相互に交流トラヒック量を交換し合うことで、各電気サブネットワーク間の交流トラヒック情報を得ることができる。
【0017】
このように交流トラヒック量の測定結果を交換することでどこの電気サブネットワーク間のトラヒックが多いかを各光ボーダノードが自律分散的に知ることができる。これらの情報を元に光ボーダノードが光パスを自律分散的に設定あるいは解放することが可能となる。
【0018】
さらに設定あるいは解放された光パスの情報を各光ボーダノード間で交換し合い、各光ボーダノードはその情報を電気ボーダノードへ通知することで、電気ボーダノードは電気サブネットワークのトポロジが変更されたことを知り、それに応じてLSPの経路を変更することが可能となる。図4に交流トラヒックに応じた光パスの動的な設定または解放の概念を示す。
【0019】
すなわち、本発明の第一の観点は、パケットのヘッダ情報に基づきルーティングを行うノードを備えた複数の電気サブネットワークと、光パスにより相互に接続されるノードを備えた光コアネットワークとを備え、前記光コアネットワークと複数の前記電気サブネットワークとの間は、それぞれ電気ボーダノードと光ボーダノードとが相互に光パスにより接続された光電気パス統合網である。
【0020】
ここで、本発明の特徴とするところは、前記電気ボーダノードは、自電気サブネットワークと他電気サブネットワークとの間の交流トラヒック量を測定する手段と、この測定する手段の測定結果に基づく交流トラヒック量に関する情報を前記光ボーダノードに通知する手段とを備え、前記光ボーダノードは、前記電気ボーダノードから通知された前記交流トラヒック量に関する情報を他の前記光ボーダノードとの間で交換する手段と、この交換する手段により交換された複数の前記交流トラヒック量に関する情報に基づき複数の前記電気サブネットワーク相互間における交流トラヒック量に関する情報を収集する手段と、この収集する手段により収集された前記交流トラヒック量に関する情報に基づき前記電気サブネットワーク相互間の接続形態を設定する手段とを備えたところにある。
【0021】
前記接続形態を設定する手段は、前記交流トラヒック量の大きさに反比例して当該交流トラヒックを生じる電気サブネットワーク相互間の距離を設定する手段を備えることが望ましい。
【0022】
さらに、前記光ボーダノードは、前記接続形態を設定する手段により前記電気サブネットワーク相互間の接続形態が変更されたときには当該変更内容の情報を含む光パス設定変更情報を他の前記光ボーダノードとの間で交換する手段と、この交換する手段により交換された複数の前記光パス設定変更情報に基づきネットワークトポロジ情報を収集する手段と、この収集する手段により収集された前記ネットワークトポロジ情報を前記電気ボーダノードに通知する手段とを備えることが望ましい。
【0023】
本発明の第の観点は、パケットのヘッダ情報に基づきルーティングを行うノードを備えた複数の電気サブネットワークと、光パスにより相互に接続されるノードを備えた光コアネットワークとを備え、前記光コアネットワークと複数の前記電気サブネットワークとの間は、それぞれ電気ボーダノードと光ボーダノードとが相互に光パスにより接続され、前記電気ボーダノードは、自電気サブネットワークと他電気サブネットワークとの間の交流トラヒック量を測定する手段と、この測定する手段の測定結果に基づく交流トラヒック量に関する情報を前記光ボーダノードに通知する手段とを備えた光電気パス統合網に適用される前記光ボーダノードである。
【0024】
ここで、本発明の特徴とするところは、前記電気ボーダノードから通知された前記交流トラヒック量に関する情報を他の前記光ボーダノードとの間で交換する手段と、この交換する手段により交換された複数の前記交流トラヒック量に関する情報に基づき複数の前記電気サブネットワーク相互間における交流トラヒック量に関する情報を収集する手段と、この収集する手段により収集された前記交流トラヒック量に関する情報に基づき前記電気サブネットワーク相互間の接続形態を設定する手段とを備えたところにある。
【0025】
前記接続形態を設定する手段は、前記交流トラヒック量の大きさに反比例して当該交流トラヒックを生じる電気サブネットワーク相互間の距離を設定する手段を備えることが望ましい。
【0026】
さらに、前記接続形態を設定する手段により前記電気サブネットワーク相互間の接続形態が変更されたときには当該変更内容の情報を含む光パス設定変更情報を他の前記光ボーダノードとの間で交換する手段と、この交換する手段により交換された複数の前記光パス設定変更情報に基づきネットワークトポロジ情報を収集する手段と、この収集する手段により収集された前記ネットワークトポロジ情報を前記電気ボーダノードに通知する手段とを備えることが望ましい。
【0027】
本発明の第の観点は、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、パケットのヘッダ情報に基づきルーティングを行うノードを備えた複数の電気サブネットワークと、光パスにより相互に接続されるノードを備えた光コアネットワークとを備え、前記光コアネットワークと複数の前記電気サブネットワークとの間は、それぞれ電気ボーダノードと光ボーダノードとが相互に光パスにより接続され、前記電気ボーダノードは、自電気サブネットワークと他電気サブネットワークとの間の交流トラヒック量を測定する機能と、この測定する機能の測定結果に基づく交流トラヒック量に関する情報を前記光ボーダノードに通知する機能とを備えた光電気パス統合網に適用される前記光ボーダノードを制御する装置に相応する機能を実現させるプログラムである。
【0028】
ここで、本発明の特徴とするところは、前記電気ボーダノードから通知された前記交流トラヒック量に関する情報を他の前記光ボーダノードとの間で交換する機能と、この交換する機能により交換された複数の前記交流トラヒック量に関する情報に基づき複数の前記電気パケット網相互間における交流トラヒック量に関する情報を収集する機能と、この収集する機能により収集された前記交流トラヒック量に関する情報に基づき前記電気サブネットワーク相互間の接続形態を設定する機能とを実現させるところにある。
【0029】
前記接続形態を設定する機能として、前記交流トラヒック量の大きさに反比例して当該交流トラヒックを生じる電気サブネットワーク相互間の距離を設定する機能を実現させることが望ましい。
【0030】
さらに、前記接続形態を設定する機能により前記電気サブネットワーク相互間の接続形態が変更されたときには当該変更内容の情報を含む光パス設定変更情報を他の前記光ボーダノードとの間で交換する機能と、この交換する機能により交換された複数の前記光パス設定変更情報に基づきネットワークトポロジ情報を収集する機能と、この収集する機能により収集された前記ネットワークトポロジ情報を前記電気ボーダノードに通知する機能とを実現させることが望ましい。
【0031】
本発明の第の観点は、本発明のプログラムが記録された前記情報処理装置読取可能な記録媒体である。本発明のプログラムは本発明の記録媒体に記録されることにより、前記情報処理装置は、この記録媒体を用いて本発明のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接前記情報処理装置に本発明のプログラムをインストールすることもできる。
【0032】
これにより、コンピュータ装置等の情報処理装置を用いて、電気サブネットワーク間の交流トラヒック量に応じて最適な光パスの設定または解放を自動的に行うことにより、ネットワーク管理者の手間を要さず、ネットワークリソースを有効利用できる光電気パス統合網およびノードを実現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明実施例の光電気パス統合網を図1ないし図5を参照して説明する。図1は本実施例の光電気パス統合網を示す図である。図2は本実施例の電気ボーダノードのブロック構成図である。図3は本実施例の光ボーダノードのブロック構成図である。図4は本実施例の接続形態#1および#2を示す図である。図5は本実施例のBGP−4プロトコルを説明するための図である。
【0034】
本実施例は、図1に示すように、パケットのヘッダ情報に基づきルーティングを行うノードを備えた複数の電気サブネットワークS1〜S4と、光パスにより相互に接続されるノードを備えた光コアネットワークCとを備え、光コアネットワークCと電気サブネットワークS1〜S4との間は、それぞれ電気ボーダノード11、12、21、22、30、32、40と光ボーダノード1、2、3、4、5とが相互に光パスにより接続された光電気パス統合網である。
【0035】
ここで、本発明の特徴とするところは、電気ボーダノード11、12、21、22、30、32、40は、図2に示すように、自電気サブネットワークと他電気サブネットワークとの間の交流トラヒック量を測定する交流トラヒック測定部50と、この交流トラヒック測定部50の測定結果に基づく交流トラヒック量に関する情報を光ボーダノード1、2、3、4、5に通知する交流トラヒック情報編集部51とを備え、光ボーダノード1、2、3、4、5は、図3に示すように、電気ボーダノード11、12、21、22、30、32、40から通知された前記交流トラヒック量に関する情報を他の光ボーダノードとの間で交換する交流トラヒック情報交換部60と、この交流トラヒック情報交換部60により交換された複数の前記交流トラヒック量に関する情報に基づき電気サブネットワークS1〜S4相互間における交流トラヒック量に関する情報を収集する交流トラヒック情報収集部61と、この交流トラヒック情報収集部61により収集された前記交流トラヒック量に関する情報に基づき電気サブネットワークS1〜S4相互間の接続形態を設定する光パス設定部62とを備えたところにある。
【0036】
光パス設定部62は、図4に示すように、前記交流トラヒック量の大きさに反比例して当該交流トラヒックを生じる電気サブネットワーク相互間の距離を設定する。図4の例では、電気サブネットワークS1〜S4間の交流トラヒック量がほぼ均等である場合は接続形態#1が設定され、電気サブネットワークS1←→S4、S2←→S3間の交流トラヒック量が多い場合には接続形態#2が設定される。
【0037】
これにより、電気サブネットワークS1←→S4、S2←→S3間の交流トラヒック量が多い場合にはこれらの電気サブネットワークS1〜S4間が直接接続されることになり、輻輳の発生を抑えることができる。
【0038】
さらに、光ボーダノード1、2、3、4、5は、光パス設定部62により電気サブネットワークS1〜S4相互間の接続形態が変更されたときには当該変更内容の情報を含む光パス設定変更情報を他の光ボーダノードとの間で交換し、この交換された複数の前記光パス設定変更情報に基づきネットワークトポロジ情報を収集し、この収集された前記ネットワークトポロジ情報を電気ボーダノード11、12、21、22、30、32、40に通知するネットワークトポロジ情報収集部63とを備える。
【0039】
これにより、電気ボーダノード11、12、21、22、30、32、40は電気サブネットワークS1〜S4のトポロジが変更されたことを知り、それに応じてLSPの経路を変更することが可能となる。図4に交流トラヒックに応じた光パスの動的な設定または解放の概念を示す。
【0040】
本実施例の光電気パス統合網あるいは電気ボーダノードの制御装置、電気コアノードの制御装置、光ボーダノードの制御装置、光コアノードの制御装置は、情報処理装置であるコンピュータ装置を用いて実現することができる。すなわち、コンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置に、本実施例の電気ボーダノード11、12、21、22、30、32、40を制御する装置に相応する機能を実現させるプログラムであって、自電気サブネットワークと他電気サブネットワークとの間の交流トラヒック量を測定する交流トラヒック測定部50に相応する機能と、この交流トラヒック測定部50の測定結果に基づく交流トラヒック量に関する情報を光ボーダノード1、2、3、4、5に通知する交流トラヒック情報編集部51に相応する機能とを実現させるプログラムをコンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置を本実施例の電気ボーダノード11、12、21、22、30、32、40を制御する装置に相応する装置とすることができる。
【0041】
さらに、コンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置に、本実施例の光ボーダノード1、2、3、4、5を制御する装置に相応する機能を実現させるプログラムであって、電気ボーダノード11、12、21、22、30、32、40から通知された前記交流トラヒック量に関する情報を他の光ボーダノードとの間で交換する交流トラヒック情報交換部60に相応する機能と、この交流トラヒック情報交換部60により交換された複数の前記交流トラヒック量に関する情報に基づき電気パケット網S1〜S4相互間における交流トラヒック量に関する情報を収集する交流トラヒック情報収集部61に相応する機能と、この交流トラヒック情報収集部61により収集された前記交流トラヒック量に関する情報に基づき電気サブネットワークS1〜S4相互間の接続形態を設定する光パス設定部62に相応する機能とを実現させ、さらに、この光パス設定部62に相応する機能として、前記交流トラヒック量の大きさに反比例して当該交流トラヒックを生じる電気サブネットワークS1〜S4相互間の距離を設定する機能を実現させ、さらに、光パス設定部62により電気サブネットワークS1〜S4相互間の接続形態が変更されたときには当該変更内容の情報を含む光パス設定変更情報を他の光ボーダノードとの間で交換し、この交換された複数の前記光パス設定変更情報に基づきネットワークトポロジ情報を収集し、この収集された前記ネットワークトポロジ情報を電気ボーダノード11、12、21、22、30、32、40に通知するネットワークトポロジ情報収集部63に相応する機能を実現させるプログラムをコンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置を本実施例の光ボーダノード1、2、3、4、5を制御する装置に相応する装置とすることができる。
【0042】
さらに、電気コアノードおよび光コアノードの制御装置についても、コンピュータ装置を用いて実現することができる。
【0043】
また、本実施例のプログラムは本実施例の記録媒体に記録されることにより、コンピュータ装置は、この記録媒体を用いて本実施例のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本実施例のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接コンピュータ装置に本実施例のプログラムをインストールすることもできる。
【0044】
これにより、コンピュータ装置を用いて、電気サブネットワーク間の交流トラヒック量に応じて最適な光パスの設定または解放を自動的に行うことにより、ネットワーク管理者の手間を要さず、ネットワークリソースを有効利用できる光電気パス統合網およびノードを実現することができる。
【0045】
以下では、本実施例をさらに詳細に説明する。
【0046】
光ボーダノード同士および光ボーダノードと電気ボーダノードとの間で行う交流トラヒック量の情報の交換については標準のインターネットプロトコル改造したものを使う例を示す。
【0047】
BGP−4プロトコルは標準のインターネットプロトコルである。これは自律分散システム(AS:Autonomous System)間で経路情報を交換するためのプロトコルである。ASのボーダルータ同士でセッションを確立し、経路情報の交換を行う。セッションは異なるAS間のボーダルータ同士の場合はI−BGP(Intenal
BGP)セッションと呼ばれ、同一のASに属するボーダルータ同士の場合はE−BGP(External BGP)セッションと呼ばれる。
【0048】
図5にI−BGPセッションとE−BGPセッションの概念を示す。I−BGPセッションは同一AS内のボーダルータ間にフルメッシュに接続される。AS間は到達可能な経路情報をE−BGPセッションを用いて伝達する。E−BGPで伝達された経路情報はI−BGPセッションを使って同一AS内の全てのボーダルータへ伝達される。
【0049】
この伝達の仕組みを用いて、光ボーダルータ同士および光ボーダノードと電気ボーダノード間で交流トラヒック量の情報を交換する。図1に本実施例における交流トラヒック情報の伝達の概念を示す。電気ボーダノード11、12、21、22、30、32、40で測定された交流トラヒック情報はE−BGPセッションを介して光ボーダノード1、2、3、4、5へ伝達される。それを受信した光ボーダノード1、2、3、4、5は、I−BGPセッションを介して光コアネットワークC内の他の光ボーダノードへ交流トラヒック情報を伝達する。各光ボーダノード1、2、3、4、5は受信した交流トラヒックの情報を元に、電気サブネットワークS1〜S4間のLSPの交流トラヒック情報を収集し、交流トラヒック量の大きさに反比例して当該交流トラヒックを生じる電気サブネットワーク相互間の距離を設定するために、自律分散的に光パスの設定あるいは解放を行う。
【0050】
光ボーダノードは光パスを設定あるいは解放すると、その光パスの情報(どの電気サブネットワークの間のものか)をBGPを用いて伝達する。電気ボーダノードに対してはI−BGPセッションを介して、光ボーダノードに対してはE−BGPセッションを介して伝達する。
【0051】
また、光ボーダノード同士および光ボーダノードと電気ボーダノードとの間で行う交流トラヒック量の情報の交換については標準のインターネットプロトコルであるOSPF(Open Shortest Path First)を改造したものを使う例を示す。
【0052】
OSPFは標準のインターネットプロトコルである。これは自律分散システム(AS)内のノードがリンクステートを交換するためのプロトコルである。リンク情報を生成元のノードはリンクステートパケットと呼ばれるパケットを隣接ノードに公告し、隣接ノードはさらにその隣接ノードへリンクステートパケットを公告することで、AS内のすべてのノードがリンクステートを把握するものである。このようにして、OSPFを使うことでネットワーク内のすべてのノードでリンクステートを共有することが可能となる。
【0053】
この伝達の仕組みを用いて、光ボーダルータ同士および光ボーダノードと電気ボーダノード間で交流トラヒック量の情報を交換する。図11に本実施例における交流トラヒック情報の伝達の概念を示す。
【0054】
電気ボーダノード140は交流トラヒック情報をリンクステートパケットに搭載し、光ボーダノード103に公告する。光ボーダノード103は受信しリンクステートパケットをさらに自身が隣接する光ノード102、107、106へ公告する。これらの光ノードはさらに隣接光ノードへリンクステートパケットを公告する。各光ノードはいったん受信したリンクステートパケットを重複して受信した場合はそれ以上再公告の処理は行なわない。このような処理を繰り返すことにより、各光ボーダノードおよび電気ボーダノードは各電気サブネットワーク間の交流トラヒックを収集することが可能となる。このようにしてOSPFを改造したものを用いることで各光ボーダノードおよび電気ボーダノードは各電気サブネットワーク間の交流トラヒックを収集することが可能となる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電気サブネットワーク間の交流トラヒック量に応じて最適な光パスの設定または解放を自動的に行うことにより、ネットワーク管理者の手間を要さず、ネットワークリソースを有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の光電気パス統合網を示す図。
【図2】本実施例の電気ボーダノードのブロック構成図。
【図3】本実施例の光ボーダノードのブロック構成図。
【図4】本実施例の接続形態#1および#2を示す図。
【図5】本実施例のBGP−4プロトコルを説明するための図。
【図6】光コアネットワークと電気サブネットワークとの関係を示す図。
【図7】電気サブネットワークのみによるビューを示す図。
【図8】電気サブネットワークと光コアネットワークとの合成ビューを示す図。
【図9】電気サブネットワークの接続形態の例を示す図。
【図10】電気サブネットワークの接続形態の例を示す図。
【図11】本実施例における交流トラヒック情報の伝達の概念を示す図。
【符号の説明】
1〜5 光ボーダノード
6、7 光コアノード
10、20、31、41、42 電気コアノード
11、12、21、22、30、32、40 電気ボーダノード
50 交流トラヒック測定部
51 交流トラヒック情報編集部
60 交流トラヒック情報交換部
61 交流トラヒック情報収集部
62 光パス設定部
63 ネットワークトポロジ情報収集部
C 光コアネットワーク
S1〜S4 電気サブネットワーク

Claims (10)

  1. パケットのヘッダ情報に基づきルーティングを行うノードを備えた複数の電気サブネットワークと、
    光パスにより相互に接続されるノードを備えた光コアネットワークと
    を備え、
    前記光コアネットワークと複数の前記電気サブネットワークとの間は、それぞれ電気ボーダノードと光ボーダノードとが相互に光パスにより接続された
    光電気パス統合網において、
    前記電気ボーダノードは、
    自電気サブネットワークと他電気サブネットワークとの間の交流トラヒック量を測定する手段と、
    この測定する手段の測定結果に基づく交流トラヒック量に関する情報を前記光ボーダノードに通知する手段と
    を備え、
    前記光ボーダノードは、
    前記電気ボーダノードから通知された前記交流トラヒック量に関する情報を他の前記光ボーダノードとの間で交換する手段と、
    この交換する手段により交換された複数の前記交流トラヒック量に関する情報に基づき複数の前記電気サブネットワーク相互間における交流トラヒック量に関する情報を収集する手段と、
    この収集する手段により収集された前記交流トラヒック量に関する情報に基づき前記電気サブネットワーク相互間の接続形態を設定する手段と
    を備えたことを特徴とする光電気パス統合網。
  2. 前記接続形態を設定する手段は、前記交流トラヒック量の大きさに反比例して当該交流トラヒックを生じる電気サブネットワーク相互間の距離を設定する手段を備えた請求項1記載の光電気パス統合網。
  3. 前記光ボーダノードは、
    前記接続形態を設定する手段により前記電気サブネットワーク相互間の接続形態が変更されたときには当該変更内容の情報を含む光パス設定変更情報を他の前記光ボーダノードとの間で交換する手段と、
    この交換する手段により交換された複数の前記光パス設定変更情報に基づきネットワークトポロジ情報を収集する手段と、
    この収集する手段により収集された前記ネットワークトポロジ情報を前記電気ボーダノードに通知する手段と
    を備えた請求項1記載の光電気パス統合網。
  4. パケットのヘッダ情報に基づきルーティングを行うノードを備えた複数の電気サブネットワークと、
    光パスにより相互に接続されるノードを備えた光コアネットワークと
    を備え、
    前記光コアネットワークと複数の前記電気サブネットワークとの間は、それぞれ電気ボーダノードと光ボーダノードとが相互に光パスにより接続され
    前記電気ボーダノードは、
    自電気サブネットワークと他電気サブネットワークとの間の交流トラヒック量を測定する手段と、
    この測定する手段の測定結果に基づく交流トラヒック量に関する情報を前記光ボーダノードに通知する手段と
    を備えた光電気パス統合網に適用される前記光ボーダノードにおいて、
    前記電気ボーダノードから通知された前記交流トラヒック量に関する情報を他の前記光 ボーダノードとの間で交換する手段と、
    この交換する手段により交換された複数の前記交流トラヒック量に関する情報に基づき複数の前記電気サブネットワーク相互間における交流トラヒック量に関する情報を収集する手段と、
    この収集する手段により収集された前記交流トラヒック量に関する情報に基づき前記電気サブネットワーク相互間の接続形態を設定する手段と
    を備えたことを特徴とする光ボーダノード
  5. 前記接続形態を設定する手段は、前記交流トラヒック量の大きさに反比例して当該交流トラヒックを生じる電気サブネットワーク相互間の距離を設定する手段を備えた請求項4記載の光ボーダノード。
  6. 前記接続形態を設定する手段により前記電気サブネットワーク相互間の接続形態が変更されたときには当該変更内容の情報を含む光パス設定変更情報を他の前記光ボーダノードとの間で交換する手段と、この交換する手段により交換された複数の前記光パス設定変更情報に基づきネットワークトポロジ情報を収集する手段と、この収集する手段により収集された前記ネットワークトポロジ情報を前記電気ボーダノードに通知する手段とを備えた請求項4記載の光ボーダノード。
  7. 情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、
    パケットのヘッダ情報に基づきルーティングを行うノードを備えた複数の電気サブネットワークと、
    光パスにより相互に接続されるノードを備えた光コアネットワークと
    を備え、
    前記光コアネットワークと複数の前記電気サブネットワークとの間は、それぞれ電気ボーダノードと光ボーダノードとが相互に光パスにより接続され、
    前記電気ボーダノードは、
    自電気サブネットワークと他電気サブネットワークとの間の交流トラヒック量を測定する機能と、
    この測定する機能の測定結果に基づく交流トラヒック量に関する情報を前記光ボーダノードに通知する機能と
    を備えた光電気パス統合網に適用される前記光ボーダノードを制御する装置に相応する機能を実現させるプログラムにおいて、
    前記電気ボーダノードから通知された前記交流トラヒック量に関する情報を他の前記光ボーダノードとの間で交換する機能と、
    この交換する機能により交換された複数の前記交流トラヒック量に関する情報に基づき複数の前記電気サブネットワーク相互間における交流トラヒック量に関する情報を収集する機能と、
    この収集する機能により収集された前記交流トラヒック量に関する情報に基づき前記電気パケット網相互間の接続形態を設定する機能と
    を実現させることを特徴とするプログラム
  8. 前記接続形態を設定する機能として、前記交流トラヒック量の大きさに反比例して当該交流トラヒックを生じる電気サブネットワーク相互間の距離を設定する機能を実現させる請求項7記載のプログラム。
  9. 前記接続形態を設定する機能により前記電気サブネットワーク相互間の接続形態が変更されたときには当該変更内容の情報を含む光パス設定変更情報を他の前記光ボーダノードとの間で交換する機能と、この交換する機能により交換された複数の前記光パス設定変更情報に基づきネットワークトポロジ情報を収集する機能と、この収集する機能により収集された前記ネットワークトポロジ情報を前記電気ボーダノードに通知する機能とを実現させる請求項7記載のプログラム。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載のプログラムが記録された前記情報処理装置読取可能な記録媒体
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