JP3725298B2 - パーフルオロカーボンの製造方法 - Google Patents

パーフルオロカーボンの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスとを反応させてパーフルオロカーボンを製造する方法に関するものであり、特に反応生成ガス中に存在する余剰のフッ素ガスを有利に除去するパーフルオロカーボンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスとを高められた温度下に気相で反応させてパーフルオロカーボンを製造する方法は一般に知られている。この反応によって効率よくパーフルオロカーボンを製造するには、原料のハイドロフルオロカーボンに対して過剰モルのフッ素ガスを用いる必要がある。そこで、この反応工程から流出する反応生成ガス中には余剰のフッ素ガスが含まれている。この反応生成ガスからフッ素ガスを除去する方法として、従来から多くの提案がある。
【0003】
例えば、反応生成ガス中のフッ素ガスを炭化水素と共に燃焼し、生成するフッ化水素をアルカリで洗浄する方法(渡辺信淳著「フッ素ガス化学と工業1」 p.42,1973)、反応生成ガス中のフッ素ガスをアルミナやソーダライムなどの無機酸化物と反応させてフッ化物に転化する方法、過熱水蒸気と反応させて除去する方法(例えば、Mary Howe-Grant, Editor "Fluorine Chemistry : A Comprehensive Treatment" 1995, p.20 )などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記のフッ素ガスを炭化水素と共に燃焼させる方法は、反応が過激に進行するために反応制御が困難であり、またフッ素ガスを完全に除去するために過剰の炭化水素を用いると、生成物の組成が複雑になって、後の分離精製に大きな困難をもたらす。フッ素ガスをアルミナ、ソーダライムなどの無機酸化物と反応させる方法は、この反応により水が生成するので後工程として脱水工程が必要となり、製造工程が煩雑になると共に装置の腐食の問題も発生する。過熱水蒸気を用いる方法も、反応制御が困難であると共に、これも後工程として脱水工程が必要であり、装置の腐食防止のために高級な耐食材料を用いなければならないなど、設備上も工程上も問題が大きい。
そして前記の従来の方法は何れも、高価なフッ素ガスを回収せずにフッ化物として排出するので、経済的にも環境的にも問題があり有利な方法とはいえなかった。そこで、余剰のフッ素ガスを有効利用しながら、反応生成ガスからフッ素ガスを除去する安価で簡便な方法が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、主反応工程において原料のハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスとを気相で反応させ、フッ素ガス除去工程において、この主反応工程から流出する反応生成ガスを、反応生成ガス中に含まれるフッ素ガスに対する化学当量の1.1モル倍以上のハイドロフルオロカーボンと接触させることによって解決できる。
前記の主反応工程において、原料のハイドロフルオロカーボンは、炭素数6以下の脂肪族化合物であることが好ましい。
前記のフッ素ガス除去工程において、反応生成ガスと接触させるハイドロフルオロカーボンは、フッ素ガスと反応して目的とするパーフルオロカーボンを生成し得るものであることが好ましい。
前記のフッ素ガス除去工程において、処理温度は、主反応工程における反応温度と同等以上とすることが好ましい。
前記のフッ素ガス除去工程に、希釈ガスとしてフッ化水素を存在させることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のパーフルオロカーボンの製造方法は基本的に、原料のハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスとを気相で反応させる主反応工程と、この主反応工程から流出する反応生成ガスに含まれる余剰のフッ素ガスを除去するフッ素ガス除去工程とからなる。
【0007】
前記の主反応工程は、ハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスとを、高められた温度の気相で反応させ、パーフルオロカーボンとフッ化水素とに転化する工程である。この反応では一般に、反応効率を高めるために原料のハイドロフルオロカーボンに対して過剰モルのフッ素ガスが用いられる。このため主反応工程から流出する反応生成ガスには、パーフルオロカーボンとフッ化水素の他に余剰のフッ素ガスが含まれている。本発明は、この主反応工程から流出した反応生成ガスに含まれるフッ素ガスを、フッ素ガス除去工程においてその化学当量の1.1モル倍以上のハイドロフルオロカーボンと接触させ、反応させることによって除去するものである。この反応によって、フッ素ガスは、パーフルオロカーボン(またはハイドロフルオロカーボン)とフッ化水素とに転化される。この工程で生成したパーフルオロカーボンは製品の一部となり、またハイドロフルオロカーボンは主反応工程に循環使用できるので、余剰のフッ素ガスを不要なフッ化物などに転化して排出することなく、有効活用しながらしかも反応生成ガスから効果的に除去することができる。
【0008】
本発明は、炭素数6以下の脂肪族パーフルオロカーボンを製造するのに適している。すなわち、主反応工程の原料として供給するハイドロフルオロカーボンは、炭素数6以下の脂肪族化合物であることが好ましい。炭素数が6を越えるハイドロフルオロカーボンをフッ素ガスと反応させてパーフルオロカーボンを製造するには、主反応工程もフッ素ガス除去工程も、温度を著しく高くするなど反応条件を厳しくする必要があり、生成したパーフルオロカーボンが一部分解するなど製品の損失を生じる可能性がある。この観点から本発明は、炭素数6以下、さらに好ましくは炭素数4以下のパーフルオロカーボンを製造するのに特に適している。
【0009】
前記のフッ素ガス除去工程において、反応生成ガスと接触させるハイドロフルオロカーボンは、主反応工程に原料として供給するハイドロフルオロカーボンと同種のものであるか、またはフッ素ガスと反応して同一のパーフルオロカーボンを生成し得るものであることが好ましい。この方法によれば、フッ素ガス除去工程でフッ素ガスとの反応によって生成するパーフルオロカーボンが主反応工程で生成するものと同一となるので、生成ガスの組成が単純であり、分離精製の工程が簡略化される。
2種以上のパーフルオロカーボンの混合物を製造する場合であっても、この混合物中の少なくとも1種を生成し得るハイドロフルオロカーボンをフッ素ガス除去工程で用いることによって、有利に余剰フッ素ガスを除去することができる。
【0010】
フッ素ガス除去工程において、処理温度は、主反応工程の反応温度と同等以上とすることが好ましい。フッ素ガス除去工程における処理温度が主反応工程の反応温度より低いと、生成ガス中のフッ素ガスの濃度を実用的に十分なレベル(例えば1重量ppm以下)にまで低減することが困難になる。実際的にはフッ素ガス除去工程の処理温度は、主反応工程の反応温度より高くすることが好ましい。
【0011】
一般に、加熱条件下でのハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスとの反応は、フッ素ガスの濃度が高いと過激で制御が困難になる。そこで、不活性ガスで希釈した系で行うことが好ましい。この希釈ガスの少なくとも一部として、フッ化水素を用いることができる。フッ化水素は、元来ハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスとの反応で生成する物質であるから、これを用いれば、後の精製工程において、別途の希釈ガス分離工程が不要となり好都合である。
希釈ガスは主反応工程においてもフッ素ガス除去工程においても存在することが望ましいのであるから、主反応工程の希釈ガスとしてフッ化水素を用い、反応生成ガスからこれを除去することなくフッ素ガス除去工程に導入すれば、これがフッ素ガス除去工程においても希釈ガスとして機能するので、フッ素ガス除去工程に新たに希釈ガスを添加する必要がなくなる。
【0012】
以下、本発明の構成要素について更に詳しく説明する。
本発明が製造目的とするパーフルオロカーボンは、炭素原子とフッ素原子のみからなる脂肪族系の化合物であって、特に炭素数が1〜6、更に好ましくは炭素数が1〜4の化合物である。本発明の方法により製造するに好適なパーフルオロカーボンの例としては、例えばテトラフルオロメタン(CF4 )、ヘキサフルオロエタン(CF3-CF3 )、テトラフルオロエテン(CF2=CF2 )、オクタフルオロプロパン(C38 )、ヘキサフルオロプロペン(CF2=CF-CF3 )、デカフルオロブタン(C410 )、オクタフルオロシクロブタン(環状(-CF2-CF2-)2 )、オクタフルオロブテン−1(CF2=CF-CF2-CF3 )、オクタフルオロブテン−2(CF3-CF=CF-CF3 )などを挙げることができる。これらは単一化合物であっても混合物であってもよく、また必要ならパーフルオロカーボンとハイドロフルオロカーボンとの混合物であってもよい。
【0013】
主反応工程の原料として、フッ素ガスと共に用いるハイドロフルオロカーボンは、炭素原子、水素原子、およびフッ素原子からなり、前記の製造目的とするパーフルオロカーボンの炭素骨格に対応する炭素骨格を有する脂肪族系化合物である。従って、好ましくは炭素数が1〜6、更に好ましくは炭素数が1〜4の前記化合物が用いられる。その例としては、例えば、フルオロメタン(CH3F)、ジフルオロメタン(CH22 )、トリフルオロメタン(CHF3 )、フルオロエタン(CH3-CH2F)、ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン(CF3-CHF2 )、フルオロプロパン、ジフルオロプロパン、トリフルオロプロパン、テトラフルオロプロパン、ペンタフルオロプロパン、ヘキサフルオロプロパン、ペンタフルオロプロパンなどであり、一般に、
xyz
においてxが1〜6、yとzとがそれぞれ1〜(2x+1)の範囲内であり、かつy+z=(2x+2)である非環式飽和化合物、またはy+z=2xである環式飽和化合物または不飽和化合物を用いることが好ましい。これらは、単独で用いても、または2種以上の混合物として用いてもよい。
【0014】
前記のハイドロフルオロカーボンは、不純物として、例えばペンタフルオロクルルエタン、トリフルオロクロロメタンなどの含塩素化合物やトリフルオロブロモメタンなどの含臭素化合物を実質的に含まないものを使用することが好ましい。これらの不純物はフッ素ガス除去工程で除去されないので、後の分離精製を困難にする。これら含塩素不純物の許容し得る含有量は、好ましくは原料ハイドロフルオロカーボン中に一般には2モル%以下、更に好ましくは1モル%以下、特に好ましくは0.5モル%以下であり、含臭素化合物の含有量は、0.1モル%以下、更に好ましくは0.01モル%以下、特に好ましくは0.002モル%以下である。
【0015】
原料として用いられるフッ素ガスは一般に、フッ化水素の電気分解によって工業的に得られる。本発明の原料としては、電気分解されたフッ素ガスをそのまま用いてもよく、ボンベに充填されたものを用いてもよく、また不活性ガスによって希釈されたものを用いてもよい。
【0016】
本発明の主反応工程において、ハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスとを高められた温度で反応させてパーフルオロカーボンを製造する方法は一般に知られている。この際、ハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスとの供給比率は基本的には任意であるが、後の分離工程や除害工程まで含めて考えると、制御可能な反応条件下に、ハイドロフルオロカーボンの水素原子1当量当たり1当量、更に好ましくは過剰当量のフッ素ガスを供給することが有利である。フッ素ガスを過剰に供給する条件では、ハイドロフルオロカーボンをほぼ100%近くパーフルオロカーボンに転化させることができるが、同時に、当然、余剰のフッ素ガスが反応生成ガスの中に含まれることになる。
【0017】
この余剰のフッ素ガスを有利に除去するために、本発明はフッ素ガス除去工程において、この反応生成ガスをハイドロフルオロカーボンと接触させる。この工程で用いられるハイドロフルオロカーボン(以下「除去用ハイドロフルオロカーボン」と記す)は、基本的には、前記の主反応工程で原料として用いられるハイドロフルオロカーボン(以下「原料ハイドロフルオロカーボン」と記す)と同一種であることが好ましい。原料ハイドロフルオロカーボンと異なる種類のものを用いることもできるが、多くの場合、最適反応条件の変動要因となり、また後の分離精製工程を複雑にするなどの不都合を生じる。ただし、原料ハイドロフルオロカーボンより高い反応性を有し、かつ精製工程で分離が容易であれば、他のハイドロフルオロカーボンを除去用として用いてもよい。また、例えば原料ハイドロフルオロカーボンがトリフルオロメタンであり、除去用ハイドロフルオロカーボンがジフルオロメタンである場合のように、フッ素ガスと反応して原料ハイドロフルオロカーボンと同一のパーフルオロカーボンを生成するものであれば、原料と異なっても特に問題なく除去用ハイドロフルオロカーボンとして使用することができる。
【0018】
フッ素ガス除去工程において、主反応工程からの反応生成ガスに対する除去用ハイドロフルオロカーボンの供給量は、この反応生成ガスに含まれるフッ素ガスに対する化学当量の1.1モル倍以上とする。実質的に化学当量より過剰のハイドロフルオロカーボンを供給することによって、回収ガスのフッ素ガス濃度を、例えば1重量ppm以下の実用的レベルまで低下させることができる。実際上、反応生成ガスに含まれるフッ素ガスに対する除去用ハイドロフルオロカーボンの供給量は、化学当量の1.1モル倍〜100モル倍、更に好ましくは1.5モル倍〜30モル倍とすることが好ましい。1.1モル倍未満では反応が十分に進行せず、従って回収ガス中のフッ素ガス濃度を実用的レベルまで低下させることができない。また、100モル倍を越えるハイドロフルオロカーボンを使用しても効果の向上は認められず、経済的な見地から不利となる。
【0019】
フッ素ガス除去工程は、気相流通系の反応器を用いて行うことができる。この反応器は系の成分、温度、圧力に対して安定な材質を用い、加・除熱制御が可能であれば単管式または多管式のいずれであってもよい。材質としては、処理温度が比較的低く、処理量も少ない場合であればSUS316管なども使用可能であるが、通常はインコネル、モネル(商品名)、ハステロイC(商品名)、ニッケルなどを用いることが好ましい。
【0020】
フッ素ガス除去工程の処理温度は、主反応工程からの反応生成ガスの組成および除去用ハイドロフルオロカーボンの種類と量によって好ましい設定値が選定される。例えば原料および除去用のハイドロフルオロカーボンが、共に反応性が高いトリフルオロエタン(CF3-CH3 )である場合は、比較的低温度例えば200℃でも目的を達成することができるが、例えばペンタフルオロエタンを用いる場合は、反応性が比較的低いので、例えば350℃以上の高温条件を必要とする。
しかしフッ素ガス除去工程の処理温度が例えば600℃を越えて高くなると、生成したパーフルオロカーボンが一部分解するなどの不都合を生じる。この観点から好ましい処理温度は200℃〜600℃の範囲内である。
【0021】
主反応工程の反応生成ガスのフッ素ガス濃度が高い場合、これを高められた温度でハイドロフルオロカーボンと接触させると反応が激しすぎて制御が困難になる。この問題を解決するには不活性の希釈ガスが用いられるが、この希釈ガスとしてはフッ化水素が有利に使用できる。すなわち、主反応工程では原料ハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスとの反応によってフッ化水素が生成されるので、これを分離することなくフッ素ガス除去工程の希釈ガスとして用いればよい。また、その後のパーフルオロカーボン分離精製工程において分取されたフッ化水素を主反応工程またはフッ素ガス除去工程の希釈ガスとして循環することもできる。この方法によれば、新たな希釈ガスを追加することなく、制御に必要な量の希釈ガスを系に存在させることができる。
【0022】
フッ素ガス除去工程の処理圧力は特に限定されるものではないが、一般には0〜3MPaの範囲内とすることが好ましい。特に安全性と設備費・運転費の観点からは、大気圧〜0.5MPaの範囲内で運転することが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の実施例において、%およびppmはいずれもモル分率を示す。
ジフルオロメタンからテトラフルオロメタンの製造
(実施例1)
主反応工程:ジフルオロメタン(CH22、昭和電工社製「エコロエース32」)をフッ素ガスと280℃で反応させ、反応生成ガスを得た。
この反応生成ガスは、テトラフルオロメタン(CF4 )を有機物基準で99.1%含んでいた。また、ヨウ化カリウム法で測定するとき、フッ素ガス濃度は0.56%であった。
【0024】
フッ素ガス除去工程:内径20.6mmφ、長さ500mmのインコネル600製反応器(電熱式、器内はフッ素ガスを用い600℃で不動態化処理済み)を用い、処理温度を330℃に設定し、これに前記の反応生成ガスを100NL/hで、またフッ素ガス除去用としてジフルオロメタンを2.47NL/hで導入し並流接触させた。この除去用ジフルオロメタンの供給量は、反応生成ガス中のフッ素ガスに対して4.4モル倍であった。3時間後の回収ガス中のフッ素ガス濃度は、0.4ppmであった。
【0025】
(実施例2、実施例3)
フッ素ガス除去工程における処理温度を変化させた以外は実施例1と同様にして、実施例2および実施例3を行った。得られた回収ガス中のフッ素ガス濃度を以下に示す。
Figure 0003725298
【0026】
実施例1〜実施例3の結果から、テトラフルオロメタンの製造に際して、フッ素ガス除去工程において原料と同種のハイドロフルオロカーボンを用いることにより、フッ素ガス濃度を有効に低減できることがわかる。この場合、主反応工程と同程度の比較的低温(280℃、実施例2)でもフッ素ガス除去に有効であるが、反応温度を更に高くすることによって、実用的に十分な程度(例えば1ppm以下)までフッ素ガス濃度を低減することができた。
【0027】
トリフルオロメタンからテトラフルオロメタンの製造
(実施例4、実施例5)
主反応工程:トリフルオロメタン(CHF3 )をフッ素ガスと400℃で反応させ、反応生成ガスを得た。
この反応生成ガスは、テトラフルオロメタン(CF4 )を有機物基準で98.89%含んでいた。また、ヨウ化カリウム法で測定するとき、フッ素ガス濃度は0.61%であった。
【0028】
フッ素ガス除去工程:実施例1と同様の反応器を用い、反応温度を480℃に設定し、これに前記の反応生成ガスを60NL/hで、またフッ素ガス除去用としてトリフルオロメタン(CHF3)の供給量を下記のように変化させて導入し並流接触させた。3時間後の回収ガス中のフッ素ガス濃度を以下に示す。
Figure 0003725298
【0029】
実施例4、実施例5の結果から、テトラフルオロメタンの製造に際して、トリフルオロメタンはジフルオロメタンより反応性が低いが、条件を選択すれば十分に実用的な程度までフッ素ガス濃度を低減することができることがわかる。
【0030】
異種のハイドロフルオロカーボンを用いるテトラフルオロメタンの製造
(実施例6)
主反応工程:トリフルオロメタン(CHF3 )をフッ素ガスと400℃で反応させ、反応生成ガスを得た。
この反応生成ガスは、テトラフルオロメタン(CF4 )を有機物基準で98.89%含んでいた。また、ヨウ化カリウム法で測定するとき、フッ素ガス濃度は0.61%であった。
【0031】
フッ素ガス除去工程:トリフルオロメタンの代わりにジフルオロメタンを用いた以外は実施例5と同様にして回収ガスを得た。3時間後の回収ガス中のフッ素ガス濃度は0.1ppm以下であった。
【0032】
実施例6の結果から、テトラフルオロメタンの製造に際して、フッ素ガス除去用として、原料とは異なるハイドロフルオロカーボンを用いても、十分に実用的な程度までフッ素ガス濃度を低減できることがわかる。
【0033】
テトラフルオロエタンからヘキサフルオロエタンの製造
(実施例7〜実施例9)
主反応工程:テトラフルオロエタン(CH2F-CF3 、昭和電工社製「エコロエース134a」)をフッ素ガスと250℃で反応させ、反応生成ガスを得た。この反応生成ガスは、ヘキサフルオロエタン(CF3-CF3 )を有機物基準で95.2%含んでいた。テトラフルオロエタンの転化率は100%であった。またこの反応生成ガスは、ヨウ化カリウム法で測定するとき、フッ素ガスを0.20%含んでいた。
【0034】
フッ素ガス除去工程:実施例1と同様の反応器を用い、フッ素ガス除去用として、原料と同種のテトラフルオロエタンを用い、下記の条件で反応生成ガスと接触させ、回収ガスを得た。3時間後の回収ガス中のフッ素ガス濃度を以下に示す。
Figure 0003725298
【0035】
実施例7〜実施例9の結果から、ヘキサフルオロエタンの製造に際しても、条件を選択することにより十分に実用的な程度までフッ素ガス濃度を低減することができた。
【0036】
ヘキサフルオロシクロブタンからオクタフルオロシクロブタンの製造
(実施例10)
主反応工程:ヘキサフルオロシクロブタンをフッ素ガスと反応させ、反応生成ガスを得た。
この反応生成ガスは、フッ素ガスを0.18%含んでいた。
【0037】
フッ素ガス除去工程:実施例1と同様の反応器を用い、フッ素ガス除去用としてテトラフルオロエタンを用い、400℃で反応生成ガスと接触させ、回収ガスを得た。回収ガスのフッ素ガス濃度は35ppmまで低下した。
【0038】
混合パーフルオロカーボンの製造
(実施例11)
主反応工程:第一反応帯においてトリフルオロメタンとフッ素ガスとをフッ化水素を希釈ガスとして反応させ、次いで第二反応帯において、この反応生成ガスに原料テトラフルオロエタン(CHF2-CHF2 を11ppm含み、残部がCH2F-CF3 からなる)と追加のフッ素ガスとを混合して反応させ、テトラフルオロメタンとヘキサフルオロエタンとの混合反応生成ガスを得た。
この混合反応生成ガスは、フッ素ガスを0.15%含んでいた。
【0039】
フッ素ガス除去工程:実施例1と同様の反応器を用い、フッ素ガス除去用として前記の原料テトラフルオロエタンを用い、常圧400℃で前記の混合反応生成ガスと接触させ、回収ガスを得た。回収ガスのフッ素ガス濃度は0.1ppm以下まで低下していた。
【0040】
(実施例12)
フッ素ガス除去工程の反応器の内圧を0.3MPaに昇圧した以外は実施例11と同様にして回収ガスを得た。回収ガスのフッ素ガス濃度は0.1ppm以下であった。このことから、フッ素ガス除去工程の反応器の内圧を上昇させても同様のフッ素ガス除去効果が得られることがわかる。
【0041】
【発明の効果】
本発明のパーフルオロカーボンの製造方法は、フッ素ガス除去工程において、主反応工程から流出する反応生成ガスを、反応生成ガス中に含まれるフッ素ガスに対する化学当量の1.1モル倍以上のハイドロフルオロカーボンと接触させるものであるので、付加的な脱水工程などを必要とせず、しかも高価なフッ素ガスをフッ化物などとして排出することなく、余剰のフッ素ガスを有効利用しながら、フッ素ガスを実質的に含まないパーフルオロカーボンを安価かつ容易に製造することができる。

Claims (5)

  1. パーフルオロカーボンを製造するに際して、主反応工程において原料のハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスとを気相で反応させ、フッ素ガス除去工程において、この主反応工程から流出する反応生成ガスを、反応生成ガス中に含まれるフッ素ガスに対する化学当量の1.1モル倍以上のハイドロフルオロカーボンと接触させることを特徴とするパーフルオロカーボンの製造方法。
  2. 前記の主反応工程において、原料のハイドロフルオロカーボンが炭素数6以下の脂肪族化合物であることを特徴とする請求項1に記載のパーフルオロカーボンの製造方法。
  3. 前記のフッ素ガス除去工程において、反応生成ガスと接触させるハイドロフルオロカーボンが、フッ素ガスと反応して目的とするパーフルオロカーボンを生成し得るものであることを特徴とする請求項1に記載のパーフルオロカーボンの製造方法。
  4. 前記のフッ素ガス除去工程において、処理温度を、主反応工程における反応温度と同等以上とすることを特徴とする請求項1に記載のパーフルオロカーボンの製造方法。
  5. 前記のフッ素ガス除去工程に、希釈ガスとしてフッ化水素を存在させることを特徴とする請求項1に記載のパーフルオロカーボンの製造方法。
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