JP3725269B2 - 光コネクタの接続装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光コネクタの接続装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来提案されているメカニカルな光コネクタの接続装置の一例を、図4〜7について説明する。
なお、図4は全体の斜視図、図5は光コネクタ10の中心軸を含む断面の説明図、図6は光コネクタ10の分解説明図、図7は光コネクタ10の中心軸と直角の断面の説明図である。
【0003】
この接続装置は、光コネクタ10と開閉具40とからなり(図4)、また光コネクタ10は光コネクタ本体11とバネ30とからなる(図6)。
【0004】
光コネクタ本体11は、図6のように、半円筒状のベース12と蓋20とからなり、これらを重ねて一体化すると概略円筒状になる。
光コネクタ本体11の対向面14(上面)に、調心溝16とガイド溝18を設ける。調心溝16に光ファイバ心線50の裸ファイバ52を入れ、ガイド溝18に光ファイバ心線50の被覆部分54を入れる。
蓋20は、例えば中央の蓋20Aと端の蓋20B,20Cとからなる。
これらのうち、中央の蓋20Aは、上記調心溝16の上に重なり、その対向面(下面)は平らである(図5,7)。
また、端の蓋20Bと20Cは、ガイド溝18上に重なり、その対向面に上記ガイド溝18と対応するガイド溝18’(V溝又はU溝)を設ける(図5)。
【0005】
22はヒンジである(図6,7)。これは光コネクタ本体11と蓋20の相対位置に形成した凸部220と凹部222からなる。こけらは互いに回転可能にはまり込んでいる。
さらに、ヒンジ22と反対側のベース12と蓋20間に、開閉手段挿入溝24を設ける。この役目は後で述べる。
【0006】
バネ30は断面がC型で、開口部32を有する。
このバネ30を、重ね合わせたベース12,蓋20上に外装して、互いに圧接させる。
上記光コネクタ本体11の開閉手段挿入溝24に対応する位置の、開口部32を広くして開閉手段挿入窓34を形成する。
また、中央の蓋20A,端の蓋20B,20Cの境界に対応する位置に、スリット36を形成し、中央の蓋20A,端の蓋20B,20Cの各々が、個別に加圧できるようにする。
【0007】
次に、開閉具40について述べる。これは、図4、図7のように、開閉手段42を有する。開閉手段42をテーパー420を有する楔状のものとし、その厚みaを開閉手段挿入溝24の上下幅bより大にする。
開閉手段42は、基材44から、上記光コネクタ本体11の開閉手段挿入溝24と等間隔に突出させる。
【0008】
[使用方法]
図7(b)のように、開閉手段42を開閉手段挿入溝24内に圧入すると、光コネクタ10の本体11、蓋20間はヒンジ22を軸として僅かに回転して開く。
光ファイバ心線50の先端の被覆54を除去して、ほぼ調心溝16の長さの半分の長さの裸ファイバ52を口出しし、これを、両側から光コネクタ10に挿入する。すると、裸ファイバ52の先端は、ガイド溝18,調心溝16を進み、調心溝16の中央で突き合わされる。
【0009】
その後、開閉手段42を後退させる(同図(a))。すると、バネ30の力が働いて、調心溝16内にある裸ファイバ52を蓋20がクランプし、メカニカルに接続する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記の場合、楔状の開閉手段42を圧入(打込み)するために、大きな力を必要とする。
また、圧入(打込み)するときの衝撃で、光コネクタのベース12と蓋20間にズレの生ずることがある。
さらに、開閉手段42を挿入するため機構が複雑であり、製作コストが上昇する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、開閉手段挿入溝24に挿入する開閉用の部材を、前記溝24に挿入した後に回転させる。具体的には、図1に例示するように、開閉具60の開閉手段68を、楕円カムとして回転させることを特徴とする。
【0012】
この場合、楕円カムからなる開閉手段68の短軸方向の長さを、上記光コネクタ10の開閉手段挿入溝24の上下幅bより小にし、長軸方向の長さをbより大にする。
こうすると、楕円カムからなる開閉手段68に衝撃を与えずに、開閉手段挿入溝24内に挿入でき、90度回転するだけで本体11,蓋20間を開くことができる。したがって、各部材間にズレを生ずる恐れはない。
【0013】
なお、本明細書に限り、楕円カムの用語の中には、これと同じ作用をするもの、例えば長四角板状カムその他を全てを含むものとする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜3の例について説明する。
光コネクタ10は上記の従来のものと同じである。
図1の60は開閉具の全体を示す。
62はそのフレームで、扁平な四角箱形(上底は在っても無くても可)である。
その前壁620と後壁622とで、回転軸64を回転自在に軸受けする。回転軸64の間隔を光コネクタ10の開閉手段挿入溝24の間隔と同じにする。各回転軸64の中央部640だけ断面が正方形となるようにし、この部分に板バネ66を接触させる。
各回転軸64の、先端に楕円カムからなる開閉手段68を取り付け、後端につまみ70を取り付ける。
【0015】
なお、上記板バネ66は、楕円カムの開閉手段68の回転位置を正しく保持するために用いる。
図1のII−II断面を拡大して図2に示した。
同図(a)のときは、板バネ66が楕円カムの開閉手段68を横向きに保持し、回転軸64を回転すると、(b)の状態を経て、(c)のようになり、楕円カムの開閉手段68を縦向きに保持する。
【0016】
[開閉具60の使用方法]
主に図3について説明する。なお、図3の左側は光コネクタ10の縦断面図で、右側は光コネクタ10を右から見た部分的側面図である。
まず、楕円カムの開閉手段68を横にして開閉手段挿入溝24内に挿入し(図3(a))、90度回転させる(図3(b))。
すると、光コネクタ10の本体11、蓋20間は従来の場合(図7参照)と同じく、僅かに開く。そこで、光ファイバ心線50の先端の被覆54を除去して光コネクタ10の両側から挿入し、中央で突き合わせる。
そして、再び楕円カムの開閉手段68を横にすると(同図(a))、調心溝16内にある裸ファイバ52を蓋20がクランプし、メカニカルに接続する。
【0017】
以上の説明は、全て単心光ファイバの接続についてだけ行ってきた。
しかし、本発明は、多心光ファイバの接続にも利用できる。その場合は、ベース12に調心溝16とガイド溝18を複数本並べて設けることになるが、その他の部分は同じである。
【0018】
【発明の効果】
(1)開閉手段68として楕円カムを用いるため、光コネクタ10の本体11、蓋20間を開くのに大きな力を必要としない
(2)光コネクタ10の本体11、蓋20間を開くのに衝撃を与えることがない。したがって、衝撃に伴うベース12、蓋20間のズレも発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接続装置の説明図。
【図2】楕円カムの回転と板バネ66との関係の説明図。
【図3】本発明の楕円カムの開閉手段68の作用の説明図。
【図4】従来の接続装置の説明図。
【図5】従来の光コネクタ10の中心軸を含む断面の説明図。
【図6】従来の接続装置の光コネクタ10の部分の分解説明図。
【図7】従来の光コネクタ10の中心軸と直角の断面の説明図。
【符号の説明】
10 光コネクタ
11 光コネクタ本体
12 ベース
14 対向面
16 調心溝
18 ガイド溝
20 蓋(総称)
20A 中央の蓋
20B,20C 端の蓋
22 ヒンジ
220 凸部
222 凹部
24 開閉手段挿入溝
30 バネ
32 開口部
34 開閉手段挿入窓
36 スリット
40 開閉具
42 開閉手段
420 テーパー
44 基材
50 光ファイバ心線
52 裸ファイバ
54 被覆
60 開閉具
62 フレーム
620 前壁
622 後壁
64 回転軸
640 中央部
66 板バネ
68 開閉手段
70 つまみ

Claims (3)

  1. ベースとこれに重なる3つの蓋とからなっていて一体化される構造の光コネクタ本体と、当該光コネクタ本体上に外装されて前記ベース、蓋に圧接力を付与するバネとを備え、かつ前記ベースおよび蓋の互いに相手側と重ね合せられる対向面の内の少なくとも一方には、光ファイバ心線を突き合せ接続可能に位置決め調心する調心溝が設けられ、かつ前記ベースと蓋との間には開閉手段挿入溝が形成されている光コネクタを開閉するに際し、前記開閉手段挿入溝に、前記3つの蓋にそれぞれ対応し、かつ1つのフレームに回動自在に並列して設けられ、前記3つの蓋に対応する各部をそれぞれ独立して開閉可能な楕円カムからなる開閉手段を挿入し、前記開閉手段を回転させることによって、前記光コネクタのベースと蓋との間を前記バネの力に対抗して開くことが可能とされてなり、
    前記回転軸の中央部は断面正方形を成し、この回転軸の中央部を挟みこむ方向に付勢する2枚の板バネを更に備え、前記光コネクタを開き位置または閉じ位置で固定させることを特徴とする光コネクタの接続装置。
  2. 前記開閉手段には、前記楕円カムが一端に取り付けられるとともに前記フレームに軸着される回転軸と、この回転軸の他端に取り付けられ、前記開閉手段を回転させるための略楕円形のつまみを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の光コネクタの接続装置。
  3. 前記ベースには前記調心溝と前記ガイド溝とを複数本並べて形成したことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の光コネクタの接続装置。
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