JP3725002B2 - 車両用ドアロック装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体側のストライカとの係合により閉扉方向に回動することを可能としてケーシングに支持されるラッチと、該ラッチに対向する位置で前記ケーシングに設けられた収納溝に収納されて前記ラッチを開扉方向に弾発付勢するコイルばねとを備える車両用ドアロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかるドアロック装置は、たとえば特許第2558530号公報等で既に良く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コイルばねおよびラッチの組付時には、コイルばねが圧縮状態で収納溝に組み込まれた後、ラッチに設けられたピンをコイルばねの一端に係合するようにしてラッチがケーシングに組付けられるのであるが、圧縮されたコイルばねの中間部は収納溝から突出するように膨らむので、コイルばねの組付け作業時やラッチの組付け作業時に、コイルばねが収納溝から飛び出てしまうことがある。しかるに上記従来のものでは、コイルばねの収納溝からの飛出しを阻止するための工夫がなされていないため、コイルばねおよびラッチの組付け作業を慎重に行なわねばならず、組付け作業効率を阻害する要因ともなっている。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、収納溝からのコイルばねの飛出しを阻止し得る構造とし、組付け作業能率を向上し得るようにした車両用ドアロック装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車体側のストライカとの係合により閉扉方向に回動することを可能としてケーシングに支持されるラッチと、該ラッチに対向する位置で前記ケーシングに設けられた収納溝に収納されて前記ラッチを開扉方向に弾発付勢するコイルばねとを備える車両用ドアロック装置において、前記収納溝は、前記ラッチの回動軸線を中心として円弧状に形成される円弧部を一部に有しており、その収納溝の長手方向中間部において、前記円弧部の両側開口縁のうちの内側開口縁には、該収納溝の開口端の幅を部分的に縮小して前記コイルばねが前記収納溝から離脱するのを阻止する突起が突設されることを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、突起によって部分的に開口端の幅が小さくなった部分ではコイルばねを変形させるようにして該コイルばねを収納溝に一旦収納せしめた後には、突起がコイルばねの中間部に当接することによりコイルばねの収納溝からの飛出しが阻止されるので、コイルばねおよびラッチの組付け作業を特に慎重に行なう必要がなく、組付け作業能率を向上することができる。またコイルばねの伸縮作動を円滑化することができる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記収納溝は、型成形されて前記ケーシングの少なくとも一部を構成する合成樹脂製のケーシング構成部材にけられ、前記突起が前記ケーシング主体の型成形時にアンダーカットとなる関係で前記収納溝の側面に金型合わせ面が形成され、前記突起の背面側を形成する金型を前記ケーシング構成部材の型成形後に抜くことにより生じる抜き孔が、該突起に対応する部分で前記収納溝の底部に形成されることを特徴とし、かかる構成によれば、型成形される合成樹脂製のケーシング構成部材に収納溝および突起が設けられるにもかかわらず、コイルばねの伸縮作動を円滑化することができる。すなわちケーシング構成部材の型成形時に前記突起はアンダーカットになるので、収納溝の側面に金型合わせ面が形成されるのであるが、円弧部の両側開口縁のうち外側開口縁に前記突起が突設されていた場合には、圧縮により収納溝の外側面に摺接するコイルばねが前記金型合わせ面に接触することになり、その金型あわせ面に凹凸が生じていた場合にはコイルばねの伸縮に悪影響を及ぼすことになる。それに対し、円弧部の両側開口縁のうち内側開口縁に突起が突設されていた場合には伸縮時にコイルばねが金型合わせ面に接触することは殆どなく、金型あわせ面に凹凸が生じていたとしてもコイルばねの伸縮に悪影響が及ぶことがない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図20は本発明の一実施例を示すものであり、図1は車両の側面図、図2は図1の2−2線に沿って後部サイドドア用のドアロック装置を示す拡大断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線に沿うドアロック装置の拡大断面図、図5は表側金属板を省略した状態での図4の5矢視図、図6は図5からラッチおよびラチェットを取外した状態を示す図、図7は図4の7矢視図、図8は図7の8ー8線断面図、図9は図6の9−9線拡大断面図、図10は図6の10−10線拡大断面図、図11はカバーをケーシングに組付ける途中の状態での図8に対応した断面図、図12はカバー、支持板、車内側操作力入力手段およびチャイルドロック機構を分解して示す斜視図、図13は図3の13−13線拡大断面図、図14は支持板をカバーに取付ける前の状態を示す断面図、図15はリベットの斜視図、図16はアンロック状態にあるチャイルドロック機構および車内側操作力入力手段を示す図、図17は操作力入力状態での図16に対応した図、図18はロック状態にあるチャイルドロック機構および車内側操作力入力手段を示す図、図19は操作力入力状態での図18に対応した図、図20は図16の20−20線断面図である。
【0010】
先ず図1において、乗用車両Vにおける車体20の両側前部には、昇降可能なウインドガラスGF…をそれぞれ備える左右一対の前部サイドドアDF…の一端部が回動可能に枢支され、また前記車体20の前後方向中間部(図示しないピラー)には、昇降可能なウインドガラスGR…をそれぞれ備える左右一対の後部サイドドアDR…の一端部が回動可能に枢支される。前部サイドドアDF…の他端部には、前部サイドドアDF…の閉扉状態を維持するためのドアロック装置LF…がそれぞれ設けられ、後部サイドドアDR…の他端部には、後部サイドドアDR…の閉扉状態を維持するためのドアロック装置LR…がそれぞれ設けられる。
【0011】
図2および図3を併せて参照して、後部サイドドアDR内には、ガラスサッシ23が設けられており、このガラスサッシ23に保持されたゴム等の弾性材から成るドアガラスラン24により、ウインドガラスGRの昇降が案内される。また後部サイドドアDRのインナパネル25には、後部サイドドアDRの閉扉時に車体20側に対向する端壁部25aが一体に形成されており、後部サイドドアDR用のドアロック装置LRは、ガラスサッシ23との干渉を避けるようにして前記端壁部25aの内面に結合される。
【0012】
図4〜図8を併せて参照して、ドアロック装置LRのケーシング26は、表側金属板27および裏側金属板28間に合成樹脂から成るケーシング構成部材としてのケーシング主体29が挟持されて成るものであり、インナーパネル25の前記端壁部25aに締結される。ケーシング主体29の表側金属板27に対向する面には、下端部を開放した凹部30が設けられており、平板状に形成されている表側金属板27は凹部30に嵌合され、該表側金属板27の下部はケーシング主体29の下部から下方に突出される。
【0013】
ケーシング主体29には、表側金属板27から離反する側に膨らんだ膨出部31が一体に設けられており、車体20のピラーに固定されているストライカ32(図5および図6参照)を進入させるべく前記凹部30に開口した進入溝33が前記膨出部31により形成され、表側金属板27には進入溝33に対応した開口部34が設けられる。
【0014】
ケーシング主体29の下部には、一端を表側金属板27に当接させるとともに他端を裏側金属板28に当接させる円筒状のボス部35が一体に設けられる。而して凹部30に嵌合される表側金属板27と、膨出部31および前記ボス部35に当接される裏側金属板28と、両金属板27,28間に挟まれるケーシング主体29とが、前記ボス部35に挿通されるリベット軸36により結合される。
【0015】
膨出部31よりも上方位置で、ケーシング主体29には、裏側金属板28に対向する平坦な支持面29aが形成されるとともに、該支持面29aから突出して裏側金属板28に当接する円筒状のボス部37が一体に設けられており、表側金属板27、ケーシング主体29および裏側金属板28は、前記ボス部37を貫通するリベット軸38で一体に結合される。また膨出部31の下部には下方に張出す張出し支持部39が一体に連設されており、表側金属板27、ケーシング主体29および裏側金属板28は、前記張出し支持部39を貫通するリベット軸40で一体に結合される。
【0016】
このようにして、表側金属板27、裏側金属板28およびケーシング主体29は、各リベット軸36,38,40により、表側金属板27および裏側金属板28間にケーシング主体29を挟むようにして結合され、それによりケーシング26が構成される。
【0017】
表側金属板27の上部には一対のねじ孔41…が設けられ、ケーシング主体29から下方に突出した部分で表側金属板27の下部には単一のねじ孔42が設けられる。それらのねじ孔41…,42にそれぞれ螺合されるボルト(図示せず)により、表側金属板27すなわちケーシング26が、後部サイドドアDRにおけるインナーパネル25の端壁部25aに締結されることになる。
【0018】
表側金属板27の上部の2つのねじ孔41…に対応する部分で、ケーシング主体29には、両ねじ孔41…にねじ込まれるボルトを収納せしめるべく有底円筒状に形成される収納筒部43,43が一体に設けられる。
【0019】
ケーシング26の表側金属板27およびケーシング主体29間にはラッチ45が挿入され、該ラッチ45は前記リベット軸38で回動可能に支承される。また表側金属板27と張出し支持部39との間には、相互に重合したラチェット46およびラチェットレバー47が挿入されており、ラチェット46およびラチェットレバー47は共通のリベット軸40で回動可能に支承される。すなわち、ラッチ45が進入溝33の上方でケーシング26に回動自在に支持されるのに対し、ラチェット46およびラチェットレバー47は、前記ラッチ45との間に進入溝33を挟むようにして進入溝33の下方でケーシング26に回動自在に支持される。しかも両リベット軸38,40は平行な軸線を有するものであり、ラッチ45と、ラチェット46およびラチェットレバー47とは、相互に平行な軸線まわりに回動可能である。
【0020】
図9を併せて参照して、ラッチ45は、金属から成るラッチ主体48の大部分が合成樹脂から成る被覆材49で被覆されて成るものであり、該ラッチ45のケーシング主体29に対向する面にはラッチ主体48と一体のピン50が突設される。一方、ケーシング主体29には、ラッチ45の回動軸線すなわち前記リベット軸38の軸線を中心として円弧状に形成される円弧部51aを一部に有する収納溝51が、ラッチ45に対向するようにして設けられており、この収納溝51内に前記ピン50が挿入される。
【0021】
収納溝51内にはコイルばね52が収納され、該コイルばね52は前記収納溝51の一端と前記ピン50との間に縮設される。これによりラッチ45は、開扉方向(図5および図6の時計方向)に回動付勢される。また開扉方向へのラッチ45の回動端は、前記ピン50が収納溝52の他端に当接することにより規制される。
【0022】
収納溝51の長手方向中間部での両側開口縁の少なくとも一方、たとえば収納溝51が備える円弧部51aの両側開口縁のうち内側の開口縁に、収納溝51における開口端の幅を部分的に縮小する突起53が突設される。この突起53は、収納溝51へのコイルばね52の収納時にはコイルばね52を一部変形させることにより収納溝51への収納を可能とするが、収納溝51に一旦収納されたコイルばね52が収納溝51から飛び出すのを阻止する働きをする。
【0023】
ところで前記突起53は、ケーシング主体29の型成形時にはアンダーカットとなるものであり、突起53の背面側を形成する金型(図示せず)を抜くことにより生じる抜き孔44が、突起53に対応する部分で収納溝51の底部に形成される。
【0024】
ラッチ45の外周部には、該ラッチ45が開扉方向の回動端に在るときに進入溝33に進入してきたストライカ32を係合させる係合溝54と、ラッチ主体48の一部を剥き出すようにして形成されるフル係合段部55と、ラッチ主体48の一部をを剥き出すようにして形成されるハーフ係合段部56とが設けられる。
【0025】
ラチェット46も、金属から成るラチェット主体57の大部分が合成樹脂から成る被覆材58で被覆されて成るものであり、該ラチェット46には、ラッチ45側に突出する係合腕部59が一体に設けられており、該係合腕部59の先端には、ラッチ45のフル係合段部55およびハーフ係合段部56に係合可能な係止面60が、ラチェット主体57の一部を剥き出すようにして形成される。
【0026】
ラチェット46と一体に回動することを可能としてラチェット46に係合、連結されるラチェットレバー47は、合成樹脂により形成されており、ケーシング主体29の張出し支持部39およびラチェット46間に挟まれるようにして、ラチェット46と共通のリベット軸40で回動自在に支承される。しかもラチェットレバー47には、ラチェット46との相対回動を阻止すべく該ラチェット46に係合する一対の係合ピン61,61が一体に突設される。すなわちラチェットレバー47は、ラチェット46に重合して同軸に配置されるとともにラチェット46と一体に回動するものである。
【0027】
ケーシング主体29およびラチェットレバー47間には、リベット軸36を挿通せしめたボス部35を囲繞するねじりばね62が設けられ、このねじりばね62のばね力により、ラチェットレバー47と一体に回動するラチェット46が、ラッチ45に係合する方向(図5および図6の反時計方向)に回動付勢される。
【0028】
ラチェットレバー47と一体に回動するラチェット46のラッチ45と係合する方向への回動端は、ラチェット46に設けられている弾性ストッパ63が、ケーシング主体29における下部側端に当接することにより規制される。この弾性ストッパ63は、ラチェット46の回動軸線と平行な方向でラチェット46から突出するようにして、ラチェット46の被覆材58と一体に形成されるものであり、弾性を有して前記ケーシング主体29の下部側端に当接される。
【0029】
しかもラチェットレバー47には、前記ケーシング主体29の下部側端とは反対側から前記弾性ストッパ63を支持する係合腕部47aが設けられる。
【0030】
ラッチ45が開扉方向の回動端に在るときには、ラチェット46の外周はラッチ45におけるハーフ係合段部56の外周に接触しており、進入溝33に進入してきたストライカ32で押されてラッチ45が閉扉方向(図5および図6の反時計方向)に回動すると、係合溝64にストライカ32が係合されることになるとともに、ラチェット46の外周がハーフ係合段部56の外周からフル係合段部55の外周へと接触位置を変化させることになる。この際、ラチェット46の係止面61がハーフ係合段部56に係合することにより後部サイドドアDRの半ドア状態が保持される。また係合溝64に係合したストライカ32が進入溝33内を内方側にさらに進むのに応じて前記ラッチ45がさらに閉扉方向に回動すると、フル係合段部55の外周に摺接していたラチェット46が、その係止面61をフル係合段部55に係合させることになる。而して係止面61のフル係合段部55への係合により、後部サイドドアDRが完全な閉扉状態でロックされることになる。
【0031】
ところで、ケーシング主体29には、進入溝33に進入してきたストライカ32に側方から弾発的に当接して該ストライカ32の進入を制動する舌片部64が、進入溝33の外端開口部側から内端側に延びるようにして、一体に設けられる。
【0032】
進入溝33の内端には、進入溝33に進入してきたストライカ32に当接して衝撃を緩和するためのストッパラバー65が表側金属板27側から弾発、嵌合され、該ストッパラバー65は、前記舌片部64を抱持するようにして略J字状に形成される。
【0033】
図10において、ケーシング主体29が一体に備える舌片部64の先端には、進入溝33へのストッパラバー65の嵌合方向前方側すなわち裏側金属板28側に臨む係合段部66が設けられる。一方、ストッパラバー65には、該ストッパラバー65を進入溝33に嵌合したときに前記係合段部66に係合する係合爪部67が一体に設けられており、ストッパラバー65は、前記係合段部66に係合しつつ進入溝33の内端に弾発、嵌合される。
【0034】
進入溝33の内端に弾発、嵌合されるストッパラバー65の一面68は、ラッチ45に対向するとともに、該ラッチ45に係合した状態のラチェット46に対向するのであるが、前記一面68のうちラッチ45に係合した状態のラチェット46に対向する部分68aは、他の部分よりも低く形成されている。
【0035】
上述のようにストライカ32をストッパラバー65に衝接させることにより衝撃が緩和されるのであるが、ストライカ32がストッパラバー65に衝接するように進入溝33内に進入してきたときに、該ストライカ32で押されるラッチ45が、フルラッチ位置よりもさらに閉扉方向に回動する可能性があり、その際の衝撃が、ラッチ45の回動軸線すなわちボス部37と平行な軸線を有してケーシング主体29に設けられるボス部69と、ラッチ45との間に設けられるダンパ70により吸収される。
【0036】
前記ボス部69は、外筒部69aと、周方向複数箇所で外筒部69aに連設される内筒部69bとを有して筒状に形成されるものであり、内筒部69bの一部が表側金属板27に設けられた支持孔71に嵌合されることで、該表側金属板27に支持される。
【0037】
一方、ダンパ70は、ラッチ45を構成する被覆材49を膨出させた部分に、複数の透孔もしくは両面に開口した複数の凹部が設けられることにより形成されるものであり、ラッチ45がフルラッチ位置よりもさらに閉扉方向に回動したときに前記ボス部69の外周部すなわち外筒部69aの外周に衝接可能である。
【0038】
ケーシング26には、ドア開放操作力の入力に応じて回動するようにしてオープンレバー74が支承される。このオープンレバー74は、ケーシング主体29における膨出部31の上方で該膨出部31の長手方向に沿う方向に長く延びるものであり、該オープンレバー74の長手方向中間部が、ケーシング主体29の支持面29aに摺接しつつボス部37で回動自在に支承される。オープンレバー74とケーシング主体29との間には、オープンレバー74の長手方向中間部と裏側金属板28との間でボス部37を囲繞するねじりばね75が設けられており、該ねじりばね75のばね力により、オープンレバー74は、図7の時計方向に回動付勢される。
【0039】
オープンレバー74の長手方向一端部74aは、後部サイドドアDR内でウインドガラスGRよりも外方側に位置するようにしてケーシング26から突出されており、その一端部74aには、後部サイドドアDRの外面側に設けられるアウトハンドル76(図1参照)の操作に応じた操作力が、前記ねじりばね75のばね力に抗してオープンレバー74を図7の反時計方向に回動させるように入力される。
【0040】
ケーシング26における裏側金属板28側は合成樹脂から成るカバー77で覆われる。このカバー77は、ケーシング26側を開放した箱形に形成されるカバー主部77aと、該カバー主部77aのガラスサッシ23とは反対側の端部に基端部が連設されてインナパネル25の端壁部25aから離反する方向に延びる立上がり部77bとを一体に備えるものであり、ケーシング26に弾発、係合される。
【0041】
裏側金属板28は、ラッチ45およびラチェット46の回動軸線と直交する平面に配置されるものであるが、裏側金属板28の上側縁には一対の第1係合部78,78が上方に突出するようにして一体に設けられ、裏側金属板28の下側縁には下方に突出する第2係合部79が一体に設けられる。
【0042】
図11を併せて参照して、カバー77のカバー主部77aには、第1係合部78,78をそれぞれ差込んで係合し得る係合凹部80,80と、第2係合部79に弾発係合する係合突部81とが設けられる。
【0043】
係合凹部80,80は、第1係合部78,78を差込んだ状態のカバー77を第1係合部78,78を支点として回動させ得るように形成されている。すなわち図11で示すように、上部を裏側金属板28に近接させるように傾斜した姿勢のカバー77を、該カバー77の両係合凹部80,80に第1係合部78,78を下方からそれぞれ差込んだ状態で、カバー77の下部が裏側金属板28に近接するように回動することができる。また係合突部81は、第1係合部78,78を係合凹部80,80に係合した状態のカバー77の下部を裏側金属板28に近接させるのに応じて第2係合部79に弾発係合するようにしてカバー主部77aに下部に形成されている。
【0044】
さらに裏側金属板28には単一のねじ孔82が設けられており、係合凹部80,80に第1係合部78,78を係合させるとともに係合突部81を第2係合部79に弾発係合させた状態のカバー77におけるカバー主部77aには、前記ねじ孔82に螺合されるねじ部材83が挿通、係合される。
【0045】
図12を併せて参照して、前記カバー77には、該カバー77の立上がり部77bに対向するようにして金属製の支持板84が取付けられる。この支持板84は、一端をケーシング26の裏側金属板28とケーシング主体29の膨出部31とに当接させてカバー77の立上がり部77bに対向するものであり、該支持板84の他端には、前記立上がり部77bの先端外面に接触、係合し得る係合板部84aが直角に屈曲するようにして一体に連設される。しかも係合板部84aには、矩形状である一対の係合孔85,85が設けられ、前記立上がり部77bの先端外面には、それらの係合孔85,85に弾発的に係合する係合爪86,86が突設される。
【0046】
また支持板84の一端側にはカバー77の立上がり部77b側に向けて突出する脚部88が設けられ、立上がり部77bにはその脚部88を嵌合させる嵌合穴89が設けられる。さらに裏側金属板28には、支持板84の一端側内面に接触する支持板部28aが一体に設けられており、支持板84の一端部は該支持板部28aにねじ部材87により締結される。
【0047】
前記カバー77の立上がり部77bおよび支持板84間には、車内側での後部サイドドアDRの開放操作に応じたドア開放操作力をオープンレバー74に伝達し得る車内側操作力入力手段90が配設される。
【0048】
図13および図14を併せて参照して、車内側操作力入力手段90は、ドア開放操作力を入力可能とした第1入力レバー91と、前記オープンレバー74の他端に連結されるとともに第1入力レバー91との連結および非連結を切換可能な第2入力レバー92とを備える。
【0049】
第1および第2入力レバー91,92は、オープンレバー74の回動軸線と直交する方向の軸線を有して一端が支持板84に弾発係合される合成樹脂製のリベット93で共通に回動可能に支承される。
【0050】
図15をさらに併せて参照して、リベット93は、円筒状のリベット主部93aと、該リベット主部93aの一端との間に係合凹部94,94を形成してリベット主部93aの一端に連設される一対の弾発係合部93b,93bと、前記リベット主部93aの中間部から半径方向外方に張出す鍔部93cと、鍔部93cに連なる一対の第1弾発部93d,93dと、リベット主部93aの他端に連なる複数の第2弾発部93e,93e…とを一体に備えて、基本的に円筒状に形成される。
【0051】
両弾発係合部93b,93bは、支持板84に設けられた係合孔95に相互間に近接する方向に撓みつつ挿入され、リベット主部93aの一端を支持板84に当接させるまで両弾発係合部93b,93bを係合孔95に挿入することで、係合孔95の周縁部に係合凹部94,94を係合させるようにしてリベット93の一端部が支持板84に弾発係合される。
【0052】
第2入力レバー92は、鍔部93cよりも一端側でリベット主部93aに回動可能に支持されるものであり、第1弾発部93d,93dは、第2入力レバー92を支持板84に押し当てるような弾発力を発揮するように形成される。
【0053】
また第1入力レバー91は、鍔部93cよりも他端側でリベット主部93aに回動可能に支持されるものであり、第2弾発部93e,93e…は、第1入力レバー91を鍔部93cに押し当てるような弾発力を発揮するように形成される。
【0054】
したがって車内側操作力入力手段90の第1および第2入力レバー91,92は、支持板84に一端を弾発係合せしめた合成樹脂製のリベット93で回動可能に支持されることになる。
【0055】
またカバー77の立上がり部77bには、支持板84およびカバー77の結合時にリベット93内に嵌合される軸部96が一体に突設される。これにより、支持板84およびカバー77の結合状態でリベット93は支持板84およびカバー77で両持ち支持されることになり、しかも軸部96の嵌合によりリベット93の支持板84への弾発係合状態が確実に維持される。
【0056】
図16および図17を併せて参照して、第1入力レバー91は、後部サイドドアDRの内面側に設けられるインサイドハンドル(図示せず)に連結されるものであり、該インサイドハンドルの操作に応じて図16および図17の反時計方向に回動される。一方、第2入力レバー92は、オープンレバー74に連結されるものであり、該オープンレバー74に設けられている入力板部74bに当接して図16および図17の反時計方向に押圧するための押圧部92aが第2入力レバー92に設けられる。
【0057】
第2入力レバー92には、リベット93の半径方向に沿って延びる腕部92bが一体に設けられており、この腕部92bには、リベット93の半径方向に沿って延びる長孔98と、該長孔98の幅よりも大きな直径を有して長孔98の外端に連なる円形孔99とが設けられる。
【0058】
第2入力レバー92の前記腕部92bには、長孔98に沿って移動可能な係止駒100が装着される。この係止駒100は、円形孔99に挿通可能な直径を有した円柱状にして合成樹脂により形成されるものであり、該係止駒100の外周には、長孔98の両側縁に係合する環状溝101が設けられる。
【0059】
一方、第1入力レバー91には、前記長孔98に沿ってリベット93に近接した位置に移動している係止駒100に図16および図17の反時計方向から係合可能であるが、前記係止駒100が長孔98に沿ってリベット93から離反した位置に移動しているときには第1入力レバー91が図16および図17の反時計方向に回動しても係止駒100に係合することなく空振りする係合腕91aが設けられる。
【0060】
したがって前記係止駒100が長孔98に沿ってリベット93に近接した位置に移動している状態で、後部サイドドアDRの内面側のインサイドハンドルの操作に応じて第1入力レバー91が図16および図17の反時計方向に回動すると、係合腕91aが係止駒100に係合して第2入力レバー92が図16および図17の反時計方向に回動し、オープンレバー74の入力板部74bが押圧部92aで押されて、オープンレバー74に開放操作力が作用することになる。
【0061】
一方、図18および図19で示すように、前記係止駒100が長孔98に沿ってリベット93から離反した位置にあるときには、インサイドハンドルの操作に応じて第1入力レバー91が図18および図19の反時計方向に回動しても、係合腕91aが係止駒100に係合することなく空振りし、第2入力レバー92が図18および図19の反時計方向に回動することはなく、オープンレバー74の入力板部74bも押圧部92aで押されることはないので、オープンレバー74には開放操作力が作用しない。
【0062】
支持板84には、チャイルドロック機構104が装着されており、該チャイルドロック機構104は、前記係止駒100を、長孔98に沿ってリベット93に近接した位置に移動せしめるアンロック状態と、長孔98に沿ってリベット93から離反した位置に移動せしめるロック状態を切換えるものであり、ロック状態では、後部サイドドアDRの内面側に設けられているインサイドハンドルを後部座席の子供が誤って開放操作してもオープンレバー74に開放操作力が伝達されないようにする働きをする。
【0063】
該チャイルドロック機構104は、支持板84に第1および第2入力レバー91,92の回動軸線すなわちリベット93の軸線と平行な軸線まわりに回動可能に支承される合成樹脂製のチャイルドレバー105と、該チャイルドレバー105に一端が連結されるとともに他端には前記係止駒100が一体に形成される合成樹脂製のチャイルドリンク106とを備える。
【0064】
図20において、チャイルドレバー105は、後部サイドドアDRのインナパネル25および支持板84間に配置されるようにして支持板84に支承されるものであり、チャイルドレバー105に一体に設けられた軸部107を、その軸線まわりの回動を可能として挿入せしめる支持孔108が支持板84に設けられる。前記軸部107の周方向に間隔をあけた複数箇所には、支持板84の内面側で前記支持孔108の周囲に弾発的に係合する係合爪109…が設けられる。したがって、チャイルドレバー105は、その軸部107を支持板84の外面側から前記支持孔108に挿入するだけで、支持板84に回動可能に支承されることになる。
【0065】
チャイルドレバー105は、軸部107の一直径線に沿う両側に延びる腕部105a,105bを一体に備えるものであり、一方の腕部105aの先端部に一体に設けられる連結ピン110に、支持板84の外面側に配置されるチャイルドリンク106の一端が回動可能に連結される。また腕部105aの基端側には支持板84側に突出する規制ピン111が一体に突設される。而して支持板84には、前記連結ピン110および規制ピン111の先端を挿入せしめる規制孔112が設けられており、該規制孔112は、チャイルドレバー105がアンロック位置(図16および図17の位置)と、ロック位置(図18および図19の位置)との間で回動するにあたって前記規制ピン111に当接してチャイルドレバー105の回動端を規制するとともに、該チャイルドレバー105の回動に伴なう前記連結ピン110の回動を許容するように形成される。
【0066】
ところで、チャイルドリンク106が支持板84の外面側に配置されるのに対して、第2入力レバー92は支持板84の内面側に配置されるものであり、チャイルドリンク106の他端に一端が直角にかつ一体に連設される係止駒100の他端は支持板84を貫通して該支持板84の内方側に配置される必要があり、支持板84には、チャイルドロック機構104の作動および第2入力レバー92の回動作動に伴なう前記係止駒100の移動を許容して該係止駒100を貫通せしめる貫通孔113が設けられる。
【0067】
一方、他方の前記腕部105bの先端部には、ピン状の操作部114の基端が直角にかつ一体に設けられており、該操作部114の先端部は、ドアロック装置LRが後部サイドドアDRに取り付けられたときに、該後部サイドドアDRの後部内面から突出する。しかも後部サイドドアDRが閉じられた状態で後部座席の子供が操作部114を操作することがないように、前記操作部114の先端部は、後部サイドドアDRの閉扉状態では車体20側の部材で隠れてしまう位置に配置されている。
【0068】
而して後部サイドドアDRの開扉状態では、前記操作部114を操作してチャイルドレバー105をアンロック位置およびロック位置間で回動することができる。
【0069】
さらに、チャイルドレバー105には、前記両腕部105a,105bとほぼ直交する方向に延びる腕部105cが一体に設けられており、この腕部105cには、支持板84側に向けて節度ピン115が一体に突設されており、該節度ピン115に対応する位置で支持板84には、節度ピン115側に向けて三角形状に突出する突部116が設けられる。
【0070】
而して操作部114の操作によるチャイルドレバー105のアンロック位置およびロック位置間の回動は、節度ピン115が突部116を乗り越えるようにして行なわれることになり、チャイルドレバー105をアンロック位置およびロック位置間での回動操作に節度感が与えられることになる。
【0071】
このようなチャイルドロック機構104は、支持板84が占めるスペースからはみだすことがないように形成されており、しかもチャイルドリンク106の揺動範囲は、リベット93の軸線および連結ピン110の軸線間を結ぶ直線の両側に均等に振り分けた範囲に設定される。
【0072】
カバー77には、オープンレバー74に連結されるオープンリンク117と、ドア開放操作力の入力に伴なうオープンレバー74の作動に応じた作動力をオープンリンク117から前記ラチェットレバー47およびラチェット46に伝達することを可能とする状態ならびにその伝達を不能とする状態を切換えるべく前記オープンリンク117の他端に連結されるロッキングレバー118と、ロッキングレバー118に同軸に連結されるノブレバー119とが支持されており、ロッキングレバー118に連結されるアクチュエータ120がカバー77に固定される。またノブレバー119には、後部サイドドアDRの内面側に設けられているロックノブ(図示せず)に連なるロッド等の伝動手段を連結するための連結孔121が設けられる。
【0073】
而してアクチュエータ120からの動力もしくは前記ロックノブの人力操作力によってロッキングレバー118を回動することにより、ドア開放操作力の入力に伴なうオープンレバー74の作動に応じた作動力をオープンリンク117から前記ラチェットレバー47およびラチェット46に伝達することを可能とする状態と、その伝達を不能とする状態とを切換えることが可能である。
【0074】
すなわちオープンリンク117の一端はオープンレバー74に回動可能に連結されており、オープンリンク117の他端に連結されるロッキングレバー118は、ラチェット46がラッチ45との係合を解除する方向に回動するようにラチェットレバー47の係合腕47aを押すことができるアンロック姿勢と、前記係合腕47aからずれた位置で空振り作動するロック姿勢とに切換えて、前記オープンリンク117の姿勢を変化させるものであり、オープンリンク117がロック姿勢となったときには、オープンレバー74からドア開放操作力がオープンリンク117に入力されてもストライカ32へのラッチ45の係合状態は維持される。
【0075】
次にこの実施例の作用について説明すると、ストライカ32との係合により閉扉方向に回動することを可能としてケーシング26に支持されるラッチ45に対向する位置で、前記ケーシング26のケーシング主体29には、ラッチ45を開扉方向に弾発付勢するコイルばね52を収納する収納溝51が設けられるが、この収納溝51の長手方向中間部での両側開口縁の少なくとも一方に、該収納溝51の開口端の幅を部分的に縮小してコイルばね52が収納溝51から離脱するのを阻止する突起53が突設されている。
【0076】
この突起53によって部分的に開口端の幅が小さくなることにより、収納溝51にコイルばね52を収納する際には、コイルばね52の一部を変形させるようにした収納作業が必要となるものの、コイルばね52を収納溝51に一旦収納せしめた後では、突起53がコイルばね52の中間部に当接することによりコイルばね52の収納溝51からの飛出しが阻止される。したがってコイルばね52およびラッチ45の組付け作業を特に慎重に行なう必要がなく、組付け作業能率を向上することができる。
【0077】
しかも前記収納溝51は、ラッチ45の回動軸線を中心として円弧状に形成される円弧部51aを一部に有して合成樹脂製のケーシング主体29に設けられており、前記突起53は、前記円弧部51aの両側開口縁のうち内側開口縁に突設されている。このため、コイルばね52の伸縮作動を円滑化することができる。すなわちケーシング主体29の型成形時に前記突起53はアンダーカットになるので、収納溝51の側面に金型合わせ面が形成されるのであるが、円弧部51aの両側開口縁のうち外側開口縁に前記突起53が突設されていた場合には、圧縮により収納溝51の外側面に摺接するコイルばね52が前記金型合わせ面に接触することになり、その金型あわせ面に凹凸が生じていた場合にはコイルばね52の伸縮に悪影響を及ぼすことになる。それに対し、円弧部51aの両側開口縁のうち内側開口縁に突起が突設されていた場合には伸縮時にコイルばね52が金型合わせ面に接触することは殆どなく、金型あわせ面に凹凸が生じていたとしてもコイルばね52の伸縮に悪影響が及ぶことがないのである。
【0078】
ストライカ32を進入させる進入溝33が前記ケーシング26に設けられており、ストライカ32に当接して衝撃を緩和するためのストッパラバー65が進入溝33の内端に弾発、嵌合されるのであるが、ストッパラバー65の前記進入溝33への嵌合方向前方側に臨む係合段部66がケーシング26に設けられ、ストッパラバー65が該係合段部66に係合するようにして進入溝33の内端に弾発、嵌合されている。
【0079】
このためストッパラバー65へのストライカ32の衝突が何度も繰り返されても、ストッパラバー65が進入溝33から浮上がることが極力回避され、ストッパラバー65がラッチ45に当接して該ラッチ45の作動に支障を来たす可能性を小さくすることがきる。
【0080】
またストッパラバー65は、ラッチ45と、該ラッチ45に係合した状態のラチェット46に一面68を対向させるようにして進入溝33の内端に弾発、嵌合されるのであるが、ストッパラバー65の一面68のうちラッチ45に係合した状態の前記ラチェット46に対向する部分68aが、他の部分よりも低く形成されている。
【0081】
これによりストッパラバー65が、進入溝33から万一浮き上がったとしても、ストッパラバー65の一面68がラッチ45に当接したときにはストッパラバー65がそれ以上浮き上がることは阻止され、その状態では、ストッパラバー65の一面68のうちラッチ45に係合した状態のラチェット46に対向する部分と、ストッパラバー65との間に空隙を確実に確保することができる。したがって、ラッチ45に係合する方向でラチェット46に作用する力がばね力のみであるにもかからず、ラチェット46の回動を確実に保証することができる。
【0082】
ところで、ストライカ32がストッパラバー65に衝接するようにケーシング26の進入溝33内に進入して来るときには、ラッチ45もフルラッチ位置よりもさらに閉扉方向に回動する可能性があり、その際の衝撃を緩和するダンパ70が、ラッチ45の回動軸線と平行な軸線を有してケーシング26のケーシング主体29に設けられるボス部69と、前記ラッチ45との間に設けられる。したがってラッチ45がフルラッチ位置よりもさらに閉扉方向に回動した際に、ダンパ70で衝撃を吸収することができ、優れた衝撃吸収効果を得ることができる。
【0083】
しかもダンパ70は、前記ボス部69の外周に衝接することを可能として弾性材料によりラッチ45の外周に形成されるものであり、ダンパ70を簡単に構成することができる。
【0084】
また合成樹脂から成るケーシング主体29に一体に形成される前記ボス部69は表側金属板27に支持されるので、ボス部69を容易に形成することができる上に、ボス部69の強度を高めることができる。
【0085】
ケーシング26の裏側金属板28側は合成樹脂から成るカバー77で覆われるものであり、裏側金属板28の上側縁に設けられる一対の第1係合部78,78をそれぞれ差込んで係合し得る係合凹部80,80がカバー77に設けられ、両係合凹部80,80は第1係合部78,78を差込んだ状態のカバー77が第1係合部78,78を支点として回動し得る形状に形成されている。また裏側金属板28の下側縁に設けられる第2係合部79に弾発係合する係合突部81がカバー77に設けられており、この係合突部81は、カバー77がその下部を裏側金属板28に近接させるように回動するのに応じて第2係合部79に弾発係合するように形成されている。
【0086】
したがってカバー77のケーシング26への組付時に、係合凹部80,80側をケーシング26側により近接させた傾斜姿勢にカバー77の姿勢を定めることで、第1係合部78,78および係合凹部80,80をそれぞれ確認しつつ相互に係合することができ、その状態でカバー77を回動操作するだけで、第2係合部79に係合突部81を弾発係合させることができるので、カバー77のケーシング26への弾発係合を簡単に行なうことが可能であり、組付作業能率を向上することができる。
【0087】
しかも係合凹部80,80に第1係合部78,78を係合させるとともに前記係合突部81を第2係合部79に弾発係合させた状態のカバー77に、裏側金属板28にねじ込まれる単一のねじ部材83が挿通、係合されるので、カバー77をケーシング26に確実に固定することができる。
【0088】
前記カバー77と、該カバー77に取付けられる金属製の支持板84との間には、車内側でのドア開放操作に応じた回動を可能とするとともにその回動によるオープンレバー74へのドア開放操作力の伝達を可能とした車内側操作力入力手段90の第1および第2入力レバー91,92が配置されており、それらの入力レバー91,92からオープンレバー74へのドア開放操作力の伝達を遮断することが可能なチャイルドロック機構104は支持板84に装着されている。しかも両入力レバー91,92は、カバー77に取付けられる前の支持板84に回動可能に装着されている。
【0089】
このため、相互に連結されたチャイルドロック機構104および入力レバー91,92を支持板84に装着してユニット化することが可能であり、ドアロック装置DRの組付時にそのユニットの支持板84をカバー77に取付ければよいので、組付作業を容易とすることができる。
【0090】
また前記両入力レバー91,92は、支持板84に一端を弾発係合せしめた合成樹脂製のリベット93で回動可能に支持され、カバー77には前記リベット93に嵌合される軸部96が一体に設けられる。これにより金属製のリベットを用いていた従来のものと比べると、面倒なかしめ作業が不要であり、組付作業能率を向上することができる。しかもリベット93には、カバー77と一体の軸部96が嵌合するので、リベット93は実質的には支持板84およびカバー77によって両持ち支持されることになり、両入力レバー91,92を充分な支持剛性で支持することができる。
【0091】
しかも基本的に円筒状に形成されるリベット93に、該リベット93の軸方向中間部から半径方向外方に張出す鍔部93cと、該鍔部93cおよび支持板84間でリベット93に支持される第2入力レバー92を支持板84側に弾発的に押圧することを可能として前記鍔部93cに連なる第1弾発部93d,93dと、鍔部93cおよびカバー77間でリベット93に支持される第1入力レバー91を鍔部93c側に弾発的に押圧することを可能としてリベット93の他端に連なる第2弾発部93e,93e…とが一体に設けられるので、後部サイドドアDRのドアロック装置LRで必要である一対の入力レバー91,92を、1つのリベット93で共通に回動可能に支持することができ、またリベット93の軸方向に沿う両入力レバー91,92の位置ずれが生じるのを第1および第2弾発部93d,93d;93e,93e…で抑えることができる。
【0092】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0093】
たとえば本発明を前部サイドドアDFのドアロック装置LFに適用することも可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上のように発明によれば、コイルばねの収納溝からの飛出しを阻止することができ、コイルばねおよびラッチの組付け作業能率を向上することができる。またコイルばねの伸縮作動を円滑化することができる。
【0095】
また特に請求項2発明によれば、合成樹脂製のケーシング構成部材に収納溝および突起が設けられるにもかかわらず、コイルばねの伸縮作動を円滑化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の側面図である。
【図2】図1の2−2線に沿って後部サイドドア用のドアロック装置を示す拡大断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図2の4−4線に沿うドアロック装置の拡大断面図である。
【図5】表側金属板を省略した状態での図4の5矢視図である。
【図6】図5からラッチおよびラチェットを取外した状態を示す図である。
【図7】図4の7矢視図である。
【図8】図7の8ー8線断面図である。
【図9】図6の9−9線拡大断面図である。
【図10】図6の10−10線拡大断面図である。
【図11】カバーをケーシングに組付ける途中の状態での図8に対応した断面図である。
【図12】カバー、支持板、車内側操作力入力手段およびチャイルドロック機構を分解して示す斜視図である。
【図13】図3の13−13線拡大断面図である。
【図14】支持板をカバーに取付ける前の状態を示す断面図である。
【図15】リベットの斜視図である。
【図16】アンロック状態にあるチャイルドロック機構および車内側操作力入力手段を示す図である。
【図17】操作力入力状態での図16に対応した図である。
【図18】ロック状態にあるチャイルドロック機構および車内側操作力入力手段を示す図である。
【図19】操作力入力状態での図18に対応した図である。
【図20】図16の20−20線断面図である。
【符号の説明】
20・・・車体
26・・・ケーシング
29・・・ケーシング構成部材としてのケーシング主体
32・・・ストライカ
45・・・ラッチ
51・・・収納溝
51a・・・円弧部
52・・・コイルばね
53・・・突起
LF,LR・・・ドアロック装置

Claims (2)

  1. 車体(20)側のストライカ(32)との係合により閉扉方向に回動することを可能としてケーシング(26)に支持されるラッチ(45)と、該ラッチ(45)に対向する位置で前記ケーシング(26)に設けられた収納溝(51)に収納されて前記ラッチ(45)を開扉方向に弾発付勢するコイルばね(52)とを備える車両用ドアロック装置において、
    前記収納溝(51)は、前記ラッチ(45)の回動軸線を中心として円弧状に形成される円弧部(51a)を一部に有しており、
    その収納溝(51)の長手方向中間部において、前記円弧部(51a)の両側開口縁のうちの内側開口縁には、該収納溝(51)の開口端の幅を部分的に縮小して前記コイルばね(52)が前記収納溝(51)から離脱するのを阻止する突起(53)が突設されることを特徴とする車両用ドアロック装置。
  2. 前記収納溝(51)は、型成形されて前記ケーシング(26)の少なくとも一部を構成する合成樹脂製のケーシング構成部材(29)にけられ、
    前記突起(53)が前記ケーシング主体(29)の型成形時にアンダーカットとなる関係で前記収納溝(51)の側面に金型合わせ面が形成され、前記突起(53)の背面側を形成する金型を前記ケーシング構成部材(29)の型成形後に抜くことにより生じる抜き孔(44)が、該突起(53)に対応する部分で前記収納溝(51)の底部に形成されることを特徴とする、請求項1記載の車両用ドアロック装置。
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