JP3724187B2 - 建設機械の油圧回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械の油圧回路に関するものであり、特にネガティブコントロール方式の油圧回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建設機械の一例として油圧ショベルがあるが、油圧ショベルは履帯式の走行手段を備えた下部走行体上に上部旋回体を旋回可能に設置してなるものであり、上部旋回体にはフロント作業機構が連結して設けられる。フロント作業機構は、上部旋回体のフレームに俯仰動作可能に連結したブームと、このブームの先端に上下方向に回動可能に連結したアームと、このアームの先端に上下方向に回動可能に設けたフロントアタッチメントとから構成される。従って、油圧ショベルは下部走行手段により自走することができ、またフロント作業機構を作動させ、かつ上部旋回体を適宜旋回させることにより所要の作業が行われる。
【0003】
フロント作業を用いた作業の代表的なものとしては土砂の掘削がある。この土砂の掘削作業は、フロントアタッチメントとしてバケットをアームの先端に連結して設けて、このバケットにより掘削を行う。そして、バケットですくい取った土砂は、例えばダンプトラックの荷台に収容させるが、このために上部旋回体を旋回させる。従って、土砂の掘削作業は、上部旋回体の旋回と、ブーム,アーム及びバケットとの動作により行うことになる。
【0004】
また、油圧ショベルにあっては、フロントアタッチメントを交換することによって、土砂の掘削以外の様々な作業を行えるようになっている。掘削作業以外の作業の一例としてクレーン作業がある。クレーン作業を行うには、フロントアタッチメントとして、アームの先端に例えばフックを連結して設けるようになし、このフックで物体を吊下するようにして取り出して、所定の位置に移動させるようにする。また、吊下物が金属である場合には、アームの先端にリフティングマグネットを連結することにより金属を吸着・保持できる。
【0005】
そこで、図2にリフティングマグネットを用いたクレーン作業を行う油圧ショベルの構成を示す。図中において、1は下部走行体、2は上部旋回体、3はフロント作業機構である。下部走行体1は左右の履帯式の走行ユニットを備えており、走行ユニットは走行用油圧ポンプで駆動されるスプロケット4aとアイドラ4bとを有し、これらスプロケット4aとアイドラ4bとの間には履帯5が巻回して設けられている。また、上部旋回体2は下部走行体1のフレームに旋回装置6を介して旋回可能に連結されており、この上部旋回体2には、フロント作業機構3と共に、オペレータが搭乗して機械の操作を行う運転室7等が設置されている。そして、フロント作業機構3は、上部旋回体1のフレームに俯仰動作可能に設けたブーム8と、このブーム8の先端に上下方向に回動可能に連結したアーム9とを有するものである。
【0006】
アーム9の先端に連結されるフロントアタッチメントとしては、リフティングマグネット10が装着される。リフティングマグネット10は車載用のバッテリを電源とする電磁石10aを有する構成としている。このリフティングマグネット10を用いることにより、例えばスクラップ処理を行うことができる。つまり、スクラップにリフティングマグネット10を押し付けながら電磁石10aを励磁すると、スクラップ中から金属を電磁石10aに吸着させることができる。そして、ブーム8及びアーム9を作動させてリフティングマグネット10を上昇させることによって、金属物Mを選択的に取り出して、上部旋回体2を旋回させることによって、回収した金属物Mをダンプトラックの荷台等に移載した上で、電磁石10aを消磁することによって、リフティングマグネット10から金属物Mを脱着させることができる。
【0007】
次に、油圧ショベルの油圧回路を図3に示す。この油圧回路にあっては、2つの油圧ポンプを用いた回路構成となっているが、油圧ポンプの数は作業負荷等に応じて適宜数設けられる。
【0008】
而して、図3において、11はエンジン、12a,12bはそれぞれ可変容量式の油圧ポンプであって、これら油圧ポンプ12a,12bはエンジン11により駆動されるものである。両油圧ポンプ12a,12bの吐出側にはそれぞれ複数の方向切換弁13a,13bをパラレル接続することにより構成される方向切換弁ユニット14a,14bが設けられる。方向切換弁ユニット14a,14bを構成するそれぞれ複数の方向切換弁13a,13bはそれぞれ油圧アクチュエータに接続される。そして、各方向切換弁13a,13bはパイロット方式(油圧式または電磁式)で切り換わるようになっており、その切り換え操作は上部旋回体2に設置した運転室7内に設けた操作レバーや操作ペダル等の操作手段により行われる。
【0009】
ここで、油圧ショベルに設けられる油圧アクチュエータとしては、左右の走行用の油圧モータ15R,15L及び旋回用油圧モータ16からなる油圧モータと、ブーム8を駆動するブーム用油圧シリンダ17,アーム9を駆動するアーム用油圧シリンダ18及びフロントアタッチメント(図2の構成とした場合にはリフティングマグネット10)を駆動するバケット用油圧シリンダ19とからなる油圧シリンダとが設けられる。これら各油圧アクチュエータのうち、ブーム用油圧シリンダ17とアーム用油圧シリンダ18とは両油圧ポンプ12a,12bからの圧油を合流させるようにしている。
【0010】
この油圧回路はネガティブコントロール方式のものであり、油圧ポンプ12a,12bにはポンプレギュレータ20a,20bが付設されている。また、それぞれ方向切換弁ユニット14a,14bにおけるセンタバイパス流路21a,21bには絞り22a,22bが設けられており、これら絞り22a,22bの上流側とポンプレギュレータ20a,20bとを管路23a,23bで接続する構成としている。
【0011】
以上のように構成することによって、図4に示したように、センタバイパス流路21a,21bを流れる作動油量が増大すると、絞り22a,22bの上流側の圧力(所謂ネガコン圧)が上昇することになり、この圧力が管路23a,23bを介してポンプレギュレータ20a,20bに導かれる。そして、ポンプレギュレータ20a,20bに導かれる圧力が高くなると、油圧ポンプ12a,12bの傾転角が小さくなって、これら油圧ポンプ12a,12bの吐出流量が少なくなるように制御されるように、図5に示した特性を持たせる。これによって、例えば全ての方向切換弁13a,13bが中立位置にある時には、全流量がセンタバイパス流路21a,21bから作動油タンク24に戻されることから、これらセンタバイパス流路21a,21bを流れる流量が増大するので、絞り22a,22bの上流側に圧力が立つようになる結果、油圧ポンプ12a,12bの傾転角が小さくなるように、つまり吐出流量が少なくなるように制御される。従って、絞り22a,22bがネガティブコントロールの信号圧発生手段であり、絞り22a,22bの上流側の圧力がネガコン圧、ポンプレギュレータ20a,20bが制御手段を構成する。
【0012】
ところで、油圧ショベルによる作業のうち、土砂の掘削作業はバケットを用いて行うことから、掘削した土砂をダンプトラックの荷台等に積み込むためには、作業効率の点等から上部旋回体2を旋回させる動作は高速で行う方が望ましい。しかしながら、図2に示したスクラップ処理作業は金属物をリフティングマグネット10における電磁石10aに吸着させた状態で上部旋回体2を旋回させることから、高速旋回を行うと吸着物を取り落とす可能性がある。また、スクラップ処理作業以外にも、フロントアタッチメントとしてフックを用い、このフックに物を吊り下げた状態で旋回させることによって、この吊下物を所定の位置に配置するクレーン作業も行えるが、この時にも上部旋回体2を高速旋回させると、吊下物が揺れる等、その安定性を確保することができない。従って、スクラップ処理作業やクレーン作業等のように、磁石やフックでフロント作業機構3におけるフロントアタッチメントに物体を実質的に吊下させた状態では、土砂の掘削時と比較して低速で旋回動作を行わせるようにしなければならない。
【0013】
旋回用油圧モータ16は、操作手段として、例えば操作レバーにより駆動制御が行われるが、操作レバーは、通常、中立位置からフル操作位置まで傾動させることができるようになっている。従って、操作レバーを中立位置とフル操作位置との間で操作すれば、旋回用油圧モータ16の作動速度を任意に制御することは可能である。しかしながら、一般に油圧ショベルを作動させる際には、特殊な場合を除いて、操作レバーはフル操作位置まで倒すようにするのが一般的であるから、操作レバーをフル操作位置としたとしても、低速旋回させることができるようにする必要がある。このために、スクラップ処理作業やクレーン作業等を行う油圧ショベルは、特殊仕様機として、土砂の掘削等のように通常作業を行うものとは異なる構成とする。ただし、この種の特殊仕様機であっても、通常の油圧ショベルと同様の機能を持たせるようにしており、従って汎用機との違いは、実質的に旋回速度だけを変えた構成としたものである。
【0014】
旋回用の操作レバーをフル操作位置にまで操作しても、旋回を低速で行わせるために減速機を設ける等の構成を採用すると、構成が複雑になり、かつコストアップになる。一方、旋回用油圧モータ16に対する作動油の供給量のみを制限するれば、旋回時の最高速度を抑制でき、かつ旋回用油圧モータ16以外の油圧アクチュエータへは必要な流量の作動油が供給することができるようになる。要するに、特定の油圧アクチュエータを作動させるために、操作レバーのフル操作位置でも油圧ポンプの全量が供給されるのではなく、その一部分だけを供給するように構成すれば、油圧アクチュエータによる駆動速度を調整することができる。そこで、以下に、旋回用油圧モータ16への供給流量のみを制限するために、従来から用いられている構成について説明する。
【0015】
一般に、油圧ショベルの油圧回路においては、図3から明らかなように、油圧ポンプ12a,12bと作動油タンク24との間に回路全体の最高設定圧を規制するためのメインリリーフ弁25が設けられ、これにより油圧回路を構成する各部の保護が図られる。また、図3では省略したが、各方向切換弁13a,13bには一対のポートリリーフ弁が設けられており、各方向切換弁13a,13bに接続した油圧アクチュエータからの戻り油が異常に高圧になった時には、その圧力を作動油タンク24に開放するように構成している。そして、このポートリリーフ弁の設定圧は、メインリリーフ弁25の設定圧と同じか、それより高く設定するようにしている。
【0016】
そこで、旋回用油圧モータ16を制御するために設けられる方向切換弁を図6に示したように構成することにより、この旋回用油圧モータ16への供給流量を任意に制御することができる。同図において、13Sは旋回用油圧モータ16に接続した方向切換弁であり、この方向切換弁13Sは戻り側に絞りCが設けられている。また、油圧モータ16の2つのポートに接続される配管26A,26Bには、それぞれポートリリーフ弁27A,27Bが接続されている。そして、これらポートリリーフ弁27A,27Bが開いた時には、作動油が作動油タンク24に直接還流されることになる。そして、これらポートリリーフ弁27A,27Bの設定圧はメインリリーフ弁25の設定圧より低く設定しておく。
【0017】
旋回用油圧モータ16には2つの油圧ポンプ12a,12bのうちの一方の油圧ポンプ12aが接続されるが、旋回用の操作レバーをフル操作位置にまで操作すると、この油圧ポンプ12aの全油量が旋回用油圧モータ16に供給されるが、旋回用油圧モータ16からの戻り油が方向切換弁13S内で絞りCにより流量が絞られる結果、絞りCの上流側に背圧が発生する。この背圧がポートリリーフ弁27A,27Bの設定圧より高くなると、旋回用油圧モータ16の流入側のポートリリーフ弁27Aまたは27Bが開いて、戻り流路28を介して作動油タンク24に余剰流量分が流出する。この結果、旋回用油圧モータ16への供給流量が制限されて、この旋回用油圧モータ16の旋回速度が遅くなる。従って、絞りCの絞り量と、ポートリリーフ弁27A,27Bのリリーフ設定圧を適宜設定しておけば、旋回用油圧モータ16の旋回速度を任意に制御できる。また、ポートリリーフ弁27A,27Bの設定圧を調整し、かつ方向切換弁13Sのスプールを変えるだけで良いことから、通常作業を行う汎用機に対して、構成上実質的な変更を行う必要がない等の点で好ましい。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した旋回用油圧モータ16の方向切換弁13Sが中立位置から左右いずれかの切換位置に切り換わると、センタバイパス流路21aと油圧ポンプ12aとの間の接続が遮断されることになるから、絞り22aの上流側に圧力が発生しなくなる。既に説明したように、この油圧回路ではネガティブコントロール方式となっているので、方向切換弁13Sが左右いずれかの切換位置に切り換わると、つまり左右いずれかの方向に旋回する時には、ネガコン圧が発生しないことから、図5に示したように、油圧ポンプ12aは最大吐出流量となるように傾転変化する。しかしながら、前述したように、旋回用油圧モータ16は低速旋回させるために、ポートリリーフ弁27A,27Bを開いて、必要以上の作動油を作動油タンク24に還流させることから、油圧ポンプ12aを最大吐出流量状態にすると、多量の作動油が作動油タンク24に還流することになる。従って、旋回速度を遅くすればするほど、それに比例して油圧ポンプ12aからの吐出油の無駄が増大するという不都合が生じる。
【0019】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、低速旋回等、特定の油圧アクチュエータにのみ供給流量を制限する際において、油圧ポンプからの吐出油の作動油タンクへの流出流量を最小限に抑制でき、油圧ポンプの効率的な作動を図るようにすることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出油にて駆動するアクチュエータと、この油圧ポンプからの吐出油の前記アクチュエータへの供給制御を行う複数の方向切換弁をパラレル接続してなる方向切換弁ユニットと、この方向切換弁ユニットのセンタバイパス流路に設けた絞りと、この絞りの上流側の圧力に応じて前記油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプレギュレータとを備えたネガティブコントロール式の油圧回路であって、前記方向切換弁ユニットを構成する一つの方向切換弁とこの方向切換弁に接続されるアクチュエータとの間にポートリリーフ弁が設けられ、このポートリリーフ弁は、その流入側を前記方向切換弁と前記油圧アクチュエータとを接続する流路に接続し、またその流出側は前記センタバイパス流路に接続する構成としたことをその特徴とするものである。
【0021】
そして、前述した一つの方向切換弁のポートリリーフ弁の設定圧は、油圧ポンプと作動油タンクとの間に介装され、油圧回路の最高圧を設定するメインリリーフ弁の設定圧より低く設定し、かつこの方向切換弁には戻り側に絞りを設けると、それに接続した油圧アクチュエータへの供給油量を任意に制御できる。また、この方向切換弁を、旋回用油圧モータに接続される方向切換弁とすれば、旋回速度を任意に設定することができる。そして、この方向切換弁による油圧アクチュエータの作動と他の方向切換弁による油圧アクチュエータと複合操作する場合に、センタバイパスを介して作動油が流れるのを防止するためには、この方向切換弁を他の方向切換弁より上流側、つまり方向切換弁ユニットを構成する最上流側に配置するのが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図1に基づいて本発明の実施の一形態を説明する。この実施の形態では、旋回用油圧モータへの供給流量を制限する構成としたものとするが、供給流量が制限される油圧アクチュエータとしては、これに限定されるものではない。また、図1には、図3に相当する油圧回路のうち、旋回用油圧モータに接続される方向切換弁を含む方向切換弁ユニットのみを示し、他方の方向切換弁ユニット及びその油圧ポンプ等の図示は省略する。なお、図3に示したと同一または均等な部材については、それと同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0023】
而して、図1に示したように、油圧ポンプ12aに接続した方向切換弁ユニット30は5個の方向切換弁31〜35から構成され、これら5個の方向切換弁31〜35はパラレルに接続されている。油圧ポンプ12a側から見て、最上流側に位置する方向切換弁31は旋回用油圧モータ16の作動制御を行うためのものであり、またその下流側に順次設けた方向切換弁32,33,34,35は、バケット用油圧シリンダ19,アーム用油圧シリンダ18,ブーム用油圧シリンダ17及び一方の走行用油圧モータ15Rをそれぞれ作動制御するためのものである。ブーム用油圧シリンダ17及びアーム用油圧シリンダ18は、油圧ポンプ12aからの圧油と油圧ポンプ12bからの圧油とが合流させて供給するようにしている。なお、この図1においては、旋回用油圧モータ16の方向切換弁31以外の方向切換弁32〜35に接続される油圧アクチュエータは、図示したものに限定されず、また図3に示したように、これら方向切換弁32〜35のいずれか1つの方向切換弁は他のフロントアタッチメントが装着された時に使用するための予備のものとして構成することもできる。
【0024】
油圧ポンプ12aからの吐出油は、全ての方向切換弁31〜35が中立位置にある時には、センタバイパス流路21aを介して作動油タンク24に戻される。そして、このセンタバイパス流路21aにはネガティブコントロールの信号圧発生手段を構成する絞り22aが設けられ、この絞り22aの上流側の位置と、油圧ポンプ12aのポンプレギュレータ20aとの間には管路23aが設けられており、この管路23aを介して絞り22aの上流側の圧力をポンプレギュレータ20aに導くことができるようになっている。そして、絞り22aの上流側の圧力が高くなると、ポンプレギュレータ20aにより油圧ポンプ12aの吐出流量が低下するように制御される。
【0025】
この油圧回路において、回路全体の最高圧はメインリリーフ弁25の設定圧で規制され、また各方向切換弁31〜34には、それぞれポートリリーフ弁が設けられる。方向切換弁31のポートリリーフ弁36A,36Bと、それ以外の方向切換弁32〜34のポートリリーフ弁37A,37Bとは設定圧及び開放時に形成される流路が異なっている。なお、走行用油圧モータ15Rについてはポートリリーフ弁は設けられていない。
【0026】
而して、方向切換弁32〜34のポートリリーフ弁37A,37Bはメインリリーフ弁25の設定圧と同じか、またはそれより高い設定圧となっており、またこれらポートリリーフ弁37A,37Bが開くと、作動油は戻り流路28を介して作動油タンク24に還流するようになっている。
【0027】
然るに、方向切換弁31のポートリリーフ弁36A,36Bの設定圧はメインリリーフ弁25の設定圧より低く設定している。しかも、このポートリリーフ弁36A,36Bが開くと作動油は戻り流路28に直接還流するのではなく、ポートリリーフ弁36A,36Bの流出側は共にセンタバイパス流路21aに合流するようになっており、このセンタバイパス流路21aから作動油タンク24に還流する経路を取るように構成している。また、方向切換弁31には、その戻り側に絞りCが設けられており、これによって旋回用油圧モータ16が作動する時には戻り側に背圧が生じるように構成している。
【0028】
以上のように構成することによって、方向切換弁31に設けた戻り側の絞りCとポートリリーフ弁36A,36Bとの相互作用により旋回用油圧モータ16に対する供給油量を制限することができるが、この点については前述した従来技術で説明したものと格別の差異はない。
【0029】
ところで、旋回用の操作レバーをフル操作して、方向切換弁31が完全に切り換わると、油圧ポンプ12aからの吐出油の全量が旋回用油圧モータ16に供給されるが、方向切換弁31の戻り側が絞りCにより流路が絞られていることから、戻り側に背圧が生じることになり、これに伴い旋回用油圧モータ16の流入側の圧力も上昇する。そして、この流入側の圧力がポートリリーフ弁36A,36Bの設定圧を上回ると、ポートリリーフ弁36A,36Bのうち流入側に位置するポートリリーフ弁が開いて、その圧力が開放される。ポートリリーフ弁36A,36Bはセンタバイパス流路21aに接続されているので、方向切換弁31が完全に切り換わっているにも拘らず、センタバイパス流路21aに作動油が流れることになる。従って、ポートリリーフ弁から流れる流量に応じて、このセンタバイパス流路21aに設けた絞り22aの上流側に圧力、つまりネガコン圧が発生することになる。
【0030】
絞り22aの下流側で発生する圧力はポンプレギュレータ20a内に導かれて、この圧力に応じた吐出量となるように油圧ポンプ12aの傾転制御が行われることになる。従って、方向切換弁31が完全に切り換わっているものの、あたかも方向切換弁31が切り換え途中の位置であるかの如く制御され、実質的にポートリリーフ弁36Aまたは36Bの設定圧に見合った吐出流量となるように油圧ポンプ12aが制御される。この結果、油圧ポンプ12aからの吐出流量は必要最小限に抑制されることになり、効率的かつ省エネルギ的に運転される。
【0031】
ここで、方向切換弁31が常に単独操作される場合には、この方向切換弁31は方向切換弁ユニット30におけるどの位置に配置しても格別問題とはならない。しかしながら、複合操作、例えば方向切換弁31を切り換えて、旋回用油圧モータ16を作動させている間に、ブーム用油圧シリンダ17やアーム用油圧シリンダ18等を作動させるために、他の方向切換弁を切り換えたとすると、この他の方向切換弁が方向切換弁31より上流側に位置させている場合には、ポートリリーフ弁36Aまたは36Bが開いてセンタバイパス流路21aに作動油が流れることになる。この結果、センタバイパス流路21aに作動油が流れて、絞り21aの上流側にネガコン圧が発生することになるので、油圧ポンプ12aの吐出流量が低下してしまうことになり、他の方向切換弁で作動する油圧アクチュエータ、例えばブーム用油圧シリンダ17等に十分な流量の作動油を供給できなくなってしまう。このような事態が発生しないようにするためには、方向切換弁ユニット30における最上流側に配置する必要がある。なお、この複合操作時における旋回用油圧モータ16の最高圧は、この旋回用油圧モータ16に組み込まれているリリーフ弁38A,38Bの設定圧となる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は一つの方向切換弁にポートリリーフ弁を付設して、このポートリリーフ弁をセンタバイパス流路に接続する構成としたので、このポートリリーフ弁の設定圧により、その方向切換弁を介して所定の油圧アクチュエータに油圧ポンプからの吐出油を供給する際に、この油圧ポンプの吐出流量を、この油圧アクチュエータを作動させるのに必要最小限に抑制でき、無駄に作動油タンクに流出する流量を少なくでき、油圧ポンプの効率的な作動を可能にする等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す油圧ショベルの油圧回路図である。
【図2】建設機械の一例として、リフティングマグネットをフロントアタッチメントとして装着した油圧ショベルの全体構成図である。
【図3】従来技術による油圧ショベルの油圧回路図である。
【図4】センタバイパス流路の作動油流量とネガコン圧との関係を示す線図である。
【図5】ネガコン圧と油圧ポンプの吐出流量との関係を示す線図である。
【図6】図3の油圧回路図における方向切換弁の部位を拡大して示した図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 2 上部旋回体
3 フロント作業機構 6 旋回装置
12a,12b 油圧ポンプ 16 旋回用油圧モータ
20a,20b ポンプレギュレータ 21a,21b センタバイパス流路
22a,22b 絞り 24 作動油タンク
25 メインリリーフ弁 28 戻り流路
30 方向切換弁ユニット 31〜35 方向切換弁
36A,36B,37A,37B ポートリリーフ弁
Claims (4)
- 可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出油にて駆動するアクチュエータと、この油圧ポンプからの吐出油の前記アクチュエータへの供給制御を行う複数の方向切換弁をパラレル接続してなる方向切換弁ユニットと、この方向切換弁ユニットのセンタバイパス流路に設けた絞りと、この絞りの上流側の圧力に応じて前記油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプレギュレータとを備えたネガティブコントロール式の油圧回路において、
前記方向切換弁ユニットを構成する一つの方向切換弁とこの方向切換弁に接続されるアクチュエータとの間にポートリリーフ弁が設けられ、
このポートリリーフ弁は、その流入側を前記方向切換弁と前記油圧アクチュエータとを接続する流路に接続し、またその流出側は前記センタバイパス流路に接続する
構成としたことを特徴とする建設機械の油圧回路。 - 前記一つの方向切換弁のポートリリーフ弁の設定圧は、前記油圧ポンプと作動油タンクとの間に介装され、所定の設定圧を有するメインリリーフ弁の設定圧より低く設定し、かつこの一つの方向切換弁には戻り流路側に絞りを設ける構成としたことを特徴とする請求項1記載の建設機械の油圧回路。
- 前記一つの方向切換弁は、旋回用油圧モータに接続される方向切換弁であることを特徴とする請求項2記載の建設機械の油圧回路。
- 前記旋回用油圧モータに接続される方向切換弁は、前記方向切換弁ユニットにおける最上流側に位置する方向切換弁であることを特徴とする請求項3記載の建設機械の油圧回路。
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JPH11303813A (ja) | 1999-11-02 |
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