JP3723878B2 - 浮桟橋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水面に浮かべて使用する浮桟橋に関する。以下、本明細書においては、主として、釣り場、特に釣り堀等で、池・河川等に浮かべて釣りを楽しむために使用する浮桟橋を例に採り説明を行う。なお、本発明の浮桟橋は、その他の用途、例えば、船舶からの荷物の積み降ろしや、船舶への乗降の際の足場などとしても使用が可能である。
【0002】
【従来の技術】
池・河川等を利用した釣り堀においては、水面に浮桟橋を浮かべて配置・固定し、該浮桟橋の上面に座席等を設けて、人が浮桟橋の上から釣りを楽しむことができるようにされているものがある。一般に脚柱で床面板を固定して構築される固定桟橋と比較して、桟橋の移動が自由に可能であり、また、水深に関係なく桟橋が配置可能であることから、現在多くの釣り堀で使用されつつある。
【0003】
浮桟橋としては、従来、木製や金属製の枠体(骨組み)上に床面板を敷設し、さらに枠体の下部に発泡スチロール等の浮体を固定した桟橋ユニットを、複数個連結することにより構築されたものが公知である。そして、上記枠体への浮体の固定方法としては、合成樹脂(例えばPP等)等からなる紐を利用して両者を結んで固定する方法や、浮体を枠体の凹部に圧入する圧入固定方法(特開平7−108982号公報参照)が採用されている。
【0004】
しかし、上記従来における浮体固定方法は、桟橋ユニット製造時において上記枠体を反転させるか、又は持ち上げた状態で浮体を枠体に固定しなければならなかった。そのため、特に現場施工の場合、枠体の反転や、持ち上げの工数がかかり、桟橋ユニットの組立作業性が悪かった。
【0005】
すなわち、桟橋ユニットは、通常大きく(例えば、約6m×4m)、また重い。また、大規模な釣り堀において桟橋として使用するためには、通常数百個の桟橋ユニットが必要となるため、枠体の反転や持ち上げを必要としない、組み立て作業性に優れた桟橋ユニットが希求されていた。
【0006】
さらに、従来における桟橋ユニットは、水面に浮かべた際、風や波等の力を受けて固定した浮体が桟橋ユニットから離脱する可能性があった。また、水面が浮体の半分程度の高さ位置に存在するため、床面板と水面との間に透き間ができ、該透き間に風が吹き込んだ場合、揺れが激しく、安定性が良好とはいえなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記にかんがみて、水面に浮かべた際の安定性や、組み立て作業性が従来に比して大幅に改善された浮桟橋、桟橋ユニット、及び浮桟橋の構築方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究・開発に努力する過程で、下記構成の桟橋ユニットに想到した。
【0009】
骨組みとなる枠体と、枠体の上面に敷設される床面板と、枠体に固定される浮体とを備えた桟橋ユニットにおいて、
枠体に、浮体の底部を支持可能な係合部を備えた浮体収納部が形成され、浮体を浮体収納部に側方からスライド挿入可能とされていることを特徴とする。
【0010】
上記の如く、浮体を側方からスライド挿入可能な構成とすることにより、枠体と浮体との固定作業を効率的に行うことができる。
【0011】
上記構成において、係合部を、山形材で形成することが望ましい。枠体組み立て時に山形材の隅部が、浮体に係合するだけでなく、浮体収納部から浮体が離脱するのを防止するストッパーの役割も担い、枠体への浮体の固定がより確実となる。
【0012】
また、上記山形材は、金属製であることが望ましい。金属製山形材(アングル材)は比重が大きいため、浮体の底部に金属製山形鋼(アングル材)を配することで、重心の位置が低くなり、揺れに対して安定性が増大する。上記金属製山形材としては、アルミ製、鋼製(山形鋼)等を好適に使用することができる。
【0013】
上記において、桟橋ユニットは、一対のハーフユニットが、それらを対称に配置した場合に中心となる側(以下「中心対称位置側」という。)で結合して一体化され、浮体収納部における前記浮体の挿入口が前記ハーフユニットの中心対称位置側にある構成とすることが望ましい。
【0014】
上記構成は、ハーフユニットにおける浮体挿入口を互いに重ねた状態で桟橋ユニットとしているため、浮体挿入口が互いに塞がれる。よって、挿入した浮体が枠体から離脱するのをを防止するための手段を別途設ける必要がない。
【0015】
上記構成において、浮体収納部が、桟橋ユニットの短手方向と平行に一定間隔ごとに設けられていることが望ましい。水の対流が起こりにくくなり、浮桟橋の揺れを低減することができる。
【0016】
上記桟橋ユニットを釣り堀で使用する場合、浮体収納部近傍に、計量装置等を載せる架台を外側に突出した状態で設ける構成とすることができる。
【0017】
上記桟橋ユニットは、複数個連結させることで浮桟橋とすることができる。浮桟橋の構築方法は、下記構成となる。
【0018】
上記浮桟橋の構築方法であって、
▲1▼係合部材を含む枠体構成部材を用いて骨組みを形成し、ハーフユニット枠体とする、ハーフユニット枠体形成工程、
▲2▼ハーフユニット枠体の浮体収納部に浮体を挿入する浮体挿入工程、
▲3▼浮体挿入後のハーフユニット枠体を一対にして、中心対称位置で結合し一体化する、枠体一体化工程、
▲4▼一体化した枠体の上面に床面板を敷設して、桟橋ユニットとする桟橋ユニット形成工程、
▲5▼桟橋ユニットを水面に浮かべたのち、複数個の桟橋ユニットを連結する桟橋ユニット連結工程、
の各工程を経ることを特徴とする浮桟橋の構築方法。
【0019】
なお、上記桟橋ユニット形成工程において、次工程の桟橋ユニット連結工程で連結端となる側の少なくとも一部に床面板の未敷設部を設けるとともに、該桟橋ユニット連結工程において、未敷設部に、連結用床面板を敷設して、連結用床面板で連結部の補強を行うことが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の浮桟橋、桟橋ユニットについて、図面に基づいて詳細に説明を行う。なお、本発明は図示の形状に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の設計変更が可能である。また、本明細書において浮桟橋や桟橋ユニットの上面・底部等の表現は、浮桟橋の使用時の状態を基準とするものである。
【0021】
(1) 桟橋ユニット
図1に、本発明の一実施形態である桟橋ユニットの構成部材を示す。
【0022】
本発明の釣り場用桟橋ユニット12は、複数個を連結させて釣り場用桟橋として使用するものであって、一対のハーフユニットが中心対称位置側で結合して一体化されている。そして、該ハーフユニットは、骨組みとなる枠体14と、枠体14の上面に敷設される床面板16と、枠体14に固定される直方体形状の浮体18とを備えることを基本的特徴とする。
【0023】
上記枠体14の構成部材は、汎用の建築部材を適用することができる。すなわち、金属(鋼・アルミ等)、合成樹脂(繊維強化プラスチック(FRP:Fiber-Reinforced Plastic) 等)、木等で形成された、管、棒、板等が使用できる。本発明においては、比較的比重の大きな金属製部材を使用することが望ましい。比重が小さいと、桟橋ユニット12を水面に浮かべた際、重心が高く、風等の影響を受け易いため、揺れが激しくなる。なお、水面に浮かべて使用するため、金属製部材を使用する際には必要によりさび止め等が施されていてもよい。なお、比重の小さな部材を使用する場合は、浮体18の下面に錘部材を貼着して、相対比重を高くしてもよい。
【0024】
また、床面板16においても、汎用の建築部材を適用することができる。具体的には、木材、樹脂製、金属製床材等からなる床面パネル等が使用可能である。屋外で使用するため、耐候性に優れた部材を使用し、木材や金属製部材を使用する際には、防食処理を施しておくとよい。
【0025】
そして、浮体18としては、従来と同様、発泡スチロール、硬質ウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの発泡体が好適に使用可能である。また、発泡体に限らず、低比重で一定の強度を有するものであれば汎用のものを使用することができる。例えば、本発明においては中空状の浮体(中空箱体)ないし、側方から挿入後、ふくらませる風船等も使用可能である。
【0026】
本発明の桟橋ユニット12は、上記構成部材を組み合わせることで得られる。以下、枠体14の構成について説明する。図2に、図1における枠体14の拡大図を示す。
【0027】
図2における枠体14は、山形鋼23(金属製山形材、アングル材)、及び平鋼(フラットバー)をねじ(ボルト・ナット)を使用して立体的に組み立てたものである。図2は、上辺・下辺の中心部分が平鋼24で、それ以外の部分は、山形鋼23で形成されているが、後述の如く、浮体収納部22における係合部が山形鋼23で形成されてさえいれば、図示の構成に限定されない。
【0028】
ねじ(ボルト・ナット)により枠体14の組み立てを行うと、修理の際などに取り外してばらすことができ、メインテナンス性に優れたものとすることができる。また、現場施工における作業性も良好である。なお、組み立ては、その他、溶接、リベット、はぜ組み、接着等により行うこともできる。
【0029】
枠体14には、直方体形状の浮体18を収納可能な浮体18に対応する直方体形状の浮体収納部22が形成される。そして、浮体収納部22には、浮体18を収納した際、浮体18の底部であって、枠体への収納時奥側となる縁部(少なくとも上下縁)を支持可能な係合部が備えられている。
【0030】
図3は、桟橋ユニット12の浮体収納部22の部分拡大図である。
【0031】
図3において、係合部は枠体14の下部側の山形鋼23A(浮体18の下辺4本を係合する部分)上部側の山形鋼23B(浮体18の浮体挿入口26以外の上辺3本を係合する部分)及び、挿入奥縦側の山形鋼23C(浮体18の浮体挿入口26以外の側辺2本を係合する部分)でそれぞれ形成されている。浮体収納部22は、該山形鋼23A、23B、23Cにより囲まれた部分である。なお、係合部は山形鋼23と同様の効果を奏するものであれば、その他の形状の部材で代用することもできる。
【0032】
係合部は、上述の如く、山形鋼23A、23B、23Cで形成されている。係合部を形成する山形鋼23A、23B、23Cは、ブロック状の浮体18の各辺を包み込む状態で隅部を浮体18側に向けて配してある。そして、浮体挿入口26側の上部側の山形鋼23D、縦側の山形鋼23Eは、角部を浮体18に向けて配してある。そのため、浮体18を浮体収納部22に側方の浮体挿入口26(白矢印方向)からスライド挿入可能である。なお、23Fは中間柱である。
【0033】
この際、浮体18の高さhは、浮体挿入口26から入る高さで、挿入奥側から飛び出さない高さ、すなわち、H1 (挿入奥側開口高さ)<h<H2 (挿入口開口高さ)とする。なお、浮体18が発泡体である場合など、若干圧縮変形して挿入可能な場合は、h≧H2であっても挿入可能である。
【0034】
浮体18は、高さが前記範囲内であれば、浮体収納部22から飛び出すことはないため、幅、長さ等は浮体収納部22に収納可能な範囲内で自由に設計可能であるが、水面に浮かべた際に浮体18のずれを少なくするために、浮体収納部22の幅、長さより若干小さめ(例えば数センチ少なめ)に設定することが望ましい。
【0035】
挿入された浮体18は、山形鋼23に底面の4辺をはじめ、その他各辺を支えられて浮体収納部22内に係合保持されるとともに、一旦挿入された浮体18は、山形鋼23が、前後左右への移動のストッパーの役割も担うため、浮体収納部22へ確実に収納固定することができる。
【0036】
上記の如く、浮体18を枠体14の側方からスライド挿入可能な構成とすることにより、枠体14と浮体18との固定作業を、従来に比して効率的に行うことができる。
【0037】
なお、山形鋼は、比重が大きい。浮体18の底部に山形鋼23を配することで、重心の位置が低くなり、揺れに対して安定性が増大するという効果も奏する。
【0038】
そして、上記枠体14は、ハーフユニットの枠体14Aを、桟橋ユニットの中心対称位置側(図2参照)で、対称形状の別のハーフユニットの枠体14Bと結合して一体化させ、1単位(1ユニット)とする。
【0039】
ハーフユニット枠体同士の結合は、上記枠体14組み立て時の結合と同様、溶接・ねじ(ボルト・ナット)、リベット、はぜ組み、接着等により行うことができる。ボルトで結合を行えば、浮体18が消耗した際の取り替えや、修理の際に取り外すことができ、メインテナンス性に優れたものとすることができる。また、現場施工における作業性も良好である。
【0040】
上記の如くハーフユニット14A、14Bを結合して1ユニットの桟橋ユニット12とする理由は下記の如くである。上記ハーフユニットにおける浮体18の浮体挿入口26が中心対称位置側にあるため、浮体18の浮体挿入口26を互いに重ねた状態で1単位の桟橋ユニット12とすることができる。すなわち、浮体挿入口26が互いに塞がれた状態となり、一旦挿入した浮体18が、浮体固定手段を別に設けなくても枠体14から離脱することがない。そのため、浮体18と枠体14は、挿入するのみで確実に固定可能となる。
【0041】
なお、浮体18の浮体挿入口26が互いに塞がれた状態となる構成であれば、ハーフユニットである必要はなく、例えば、4分割の分割ユニットとすることもできる。さらには、互いに塞がれた状態でなくとも、例えば浮体挿入口26に蓋やストッパー等を浮体挿入後に設ければ、最初から1ユニット構成とすることもできる。
【0042】
従来における如く、枠体14への圧入により浮体18を固定する場合は、浮体18の大きさや材質等を枠体14に合うように厳密に調整することが必要であった。しかし、本発明の挿入による固定は、圧入ほどの厳密な設計が浮体18に要求されず、また、圧入よりも確実に浮体18を固定可能となるため、非常に有用である。
【0043】
上記構成において、浮体収納部22は、図2に示す如く、桟橋ユニット12の短手方向と平行に一定間隔ごとに設けられていることが望ましい。水の対流が起こりにくくなり、浮桟橋の揺れを低減することができる。
【0044】
そして、上記桟橋ユニット12を釣り堀で使用する場合、床面板16を敷設した後、浮体収納部22の上方に座席等を設ければ、座心が浮体収納部22上にあることになり、揺れの少ない安定した状態で、釣りを楽しむことができる。魚は、水の動きや人影などに非常に敏感であるため、揺れの少ない構造の浮桟橋は、非常に有用である。
【0045】
そして、釣り用桟橋には、浮体収納部22近傍に、釣った魚の釣果を記録可能な計量装置等を載せる架台28を外側に突出した状態で設ける構成とすることができる(図3参照)。
【0046】
該架台28は、上記枠体構成部材と同じ部材・施工方法で設ければよい。計量装置のような重量物を載せるため、図3の架台28には、はり30が設けられているが、必然的ではない。
【0047】
架台28が外側に突出した状態で設けられているのは、魚の計量の作業性が良好となるためである。計量装置としては、例えば本発明者が先に提案した、特願2001−025570号(出願時未公開)に記載の計量装置を使用することができる。
【0048】
また、さらに必要により、その他の手段により揺れ防止機能を付与してもよい。例えば、船体に連結して使用するキール(竜骨)を設ける構成としてもよい。
【0049】
そして、上記で述べた枠体14は、浮体18を挿入した後、上方に床面板16を敷設して水面に浮かべることで桟橋ユニット12として使用することができる。床面板16の敷設は、従来と同様ボルト止め等で行えばよい。なお、図1における図符号32は、枠体14上に床面板16を敷設する際に使用する固定板である。
【0050】
(2) 浮桟橋
次に、本発明の浮き桟橋について説明を行う。本発明の浮き桟橋は、上記で述べた桟橋ユニット12を複数個連結することにより製造する。
【0051】
桟橋ユニット12同士の固定は、通常ボルト止め等により行う。ボルト止めは、現場施工が容易であるとともに、取り外し可能である。なお、その他、溶接・、リベット、はぜ組み、接着等により行うこともできる。
【0052】
連結する桟橋ユニット12の数は、使用する目的等により異なるが、釣り用浮桟橋の場合は、例えば約100ユニットを連結することができる。
【0053】
(3) 浮桟橋の構築方法
最後に、本発明の浮桟橋の構築(施工)方法について、図4〜5の工程図に基づいて説明を行う。なお、図4、5は、全て平面概略図である。
【0054】
本発明の浮桟橋の構築方法は、下記各工程を経ることを特徴とする。
【0055】
▲1▼ハーフユニット枠体形成工程(図4(A))
本工程は、係合部材を含む枠体構成部材を用いて骨組みを形成し、ハーフユニット枠体とする工程である。桟橋ユニット12の欄ですでに述べた如く、一対のハーフユニット枠体を形成する。この際、ハーフユニット枠体には、係合部を備えた浮体収納部22が形成される。
【0056】
▲2▼浮体挿入工程(図4(B))
本工程は、ハーフユニット枠体の浮体収納部22に浮体挿入口26から浮体18を挿入する工程である。浮体挿入口26は、図4の場合、上記の如くハーフユニットの中心対称位置側に設けられており、そこから浮体18をそれぞれ6個挿入する。浮体18の挿入は、枠体14を持ち上げたり反転させたりする必要はなく、そのままの状態で地面等に置き、側方から手などで挿入すればよい。
【0057】
挿入された浮体18は、山形鋼23の隅部で係合セット(固定)されるため、浮体18を枠体14に容易に挿入セットすることができる。
【0058】
▲3▼枠体一体化工程(図4(C))
本工程は、浮体挿入後のハーフユニット枠体14A,14Bを一対にして、中心対称位置で結合し一体化する工程である。ハーフユニット枠体の一体化は、上記の如くボルト止め等により行う。中心対称位置でハーフユニットの結合を行うため、浮体挿入口26が互いに塞がれた状態となり、前工程で挿入した浮体18は、浮体挿入口26から飛び出すことなく、浮体収納部22内にセット(固定)される。
【0059】
▲4▼桟橋ユニット形成工程(図5(D))
本工程は、一体化した枠体14の上面に床面板16を敷設して、桟橋ユニット12とする工程である。枠体14の上面に、汎用の手段(例えばボルト止め)により床面板16を並べて敷設する。この際、枠体14の上面全体に床面板16を敷設してもよいが、図5(D)に示す如く、次工程の桟橋ユニット連結工程で連結端となる側の少なくとも一部に床面板16の未敷設部34を設けることが望ましい。
【0060】
すなわち図5(D)においては、桟橋ユニット12を短手側で相互に連結するため、短手側の一部を残して床面板16を敷設している。床面板16の未敷設部34には、次工程で2個の桟橋ユニット12をまたぐ状態で連結用床面板16Aが敷設される。
【0061】
▲5▼桟橋ユニット連結工程(図5(E))
本工程では、桟橋ユニット12を水面に浮かべたのち、複数個の桟橋ユニット12を連結する。上記▲4▼工程で得られた桟橋ユニット12は、水面に浮かべられる。そして、水面の目的位置まで桟橋ユニット12の状態で運び、目的位置まで移動したら、複数個の桟橋ユニット12を図5(E)の如く連結する。各桟橋ユニット12間の連結は、ボルト止め等で行うことができる。
【0062】
ここで、上記の如く、連結端となる側の少なくとも一部に床面板16の未敷設部34を設けた場合は、桟橋ユニット連結工程において、未敷設部34に、連結用床面板16を敷設して、連結用床面板16で連結部の補強を行う(図5(F)参照)。
【0063】
連結用床面板16は、前記桟橋ユニット形成工程で使用した床面板16と同一のものを使用すればよい。
【0064】
床面板16の敷設の態様を上記の如く変更することで、床面板16が連結補強板を兼ねた構成とすることができる。そのため、別途連結補強を行う必要がなくなる。
【0065】
【発明の効果】
本発明の桟橋ユニットは、上記の如く、浮体を枠体の側方からスライド挿入可能な構成とすることにより、枠体と浮体との固定作業を、従来に比して効率的に行うことができる。
【0066】
桟橋ユニットが、一対のハーフユニットを中心対称位置で結合して一体化されてなり、浮体収納部における浮体の浮体挿入口が、ハーフユニットの中心対称位置側にある構成とすることで、浮体の枠体への固定をより確実とすることができる。
【0067】
また、浮体収納部を、桟橋ユニットの短手方向と平行に一定間隔ごとに設けることで、水の対流が起こりにくくなり、浮桟橋の揺れを低減することができる。
【0068】
さらに、本発明の浮き桟橋の構築方法において、桟橋ユニットの連結時に、連結端となる側の少なくとも一部に床面板の未敷設部を設け、2ユニット間をまたぐ状態で、未敷設部に連結用床面板を敷設することで、連結部の補強がより確実となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である桟橋ユニットの構成部材を示す斜視図である。
【図2】図1における枠体の拡大斜視図である。
【図3】図2における係合部の拡大図である。
【図4】本発明の浮き桟橋の構築方法を示す工程図である。
【図5】同じく本発明の浮き桟橋の構築方法を示す工程図である。
【符号の説明】
12…桟橋ユニット
14…枠体
16…床面板
18…浮体
22…浮体収納部
23…山形鋼
Claims (8)
- 複数個を連結させて釣り場用桟橋として使用する桟橋ユニットであって、
該桟橋ユニットは、一対のハーフユニットが、それらを対称に配置した場合に中心となる側(以下「中心対称位置側」という。)で結合して一体化され、
該ハーフユニットは、骨組となる枠体と、該枠体の上面に敷設される床面板と、前記枠体に固定される直方体形状の浮体とを備え、
前記枠体に、前記浮体の底部であって枠体の収納時に奥側となる縁部を支持可能な係合部を備え、前記浮体に対応する直方体形状の浮体収納部が形成されて、前記浮体を前記浮体収納部に前記ハーフユニットの中心対称位置側からスライド挿入可能とされていることを特徴とする釣り場用桟橋ユニット。 - 前記係合部が、山形材で形成されていることを特徴とする請求項1記載の釣り場用桟橋ユニット。
- 前記山形材が、金属製であることを特徴とする請求項2記載の釣り場用桟橋ユニット。
- 前記浮体収納部が、前記ハーフユニットの短手方向と平行に一定間隔ごとに設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の釣り場用桟橋ユニット。
- 前記ハーフユニットにおける中心対称位置側とは反対側の前記浮体収納部の近傍に、計量装置を載せる架台が外側に突出した状態で設けられていることを特徴とする請求項4記載の釣り場用桟橋ユニット。
- 請求項1〜5のいずれか記載の釣り場用桟橋ユニットが複数個連結されてなることを特徴とする釣り場用浮桟橋。
- 前記桟橋ユニットの連結部相互に、前記床面の一部を構成する連結用床面板が掛け渡されて補強されていることを特徴とする請求項6記載の釣り場用浮桟橋。
- 請求項7記載の釣り場用浮桟橋を構築する方法であって、
前記桟橋ユニットとして、桟橋ユニット連結工程で連結端となる側の少なくとも一部に床面板の未敷設部を設けたものを使用するとともに、該未敷設部に、前記床面の一部を構成する前記連結用床面板を掛け渡して前記桟橋ユニット連結部の補強を行うことを特徴とする釣り場用浮桟橋の構築方法。
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