JP3723837B2 - 盗難通報装置、及び盗難通報システム - Google Patents

盗難通報装置、及び盗難通報システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両盗難の通報を行う盗難通報装置、及び盗難通報システムに関し、より詳細には、盗難車両の位置情報を含む信号を監視センター等の緊急機関へ伝えるための盗難通報装置、及び盗難通報システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
日本では車両盗難、車中荒しなどの盗難事件は発生件数、発生率とも欧州に比べて低いが増加の傾向にある。米国では車両盗難が年間140万件(1988年)、車上盗難が年間290万件(1988年)と非常に多く、社会問題となっている。また欧州でも米国同様、盗難発生件数が多い。そのため近年、車両盗難の緊急事態を外部へ伝達するための緊急通報装置が種々考えられている。
【0003】
図18は従来の盗難通報装置の要部を概略的に示したブロック図である。図中11は送信機を示しており、送信機11は、マイコン12、ロックスイッチ13、アンロックスイッチ14、送信回路15、アンテナ16、及びIDコードを記憶するIDコード記憶部17を含んで構成されている。
【0004】
ロックスイッチ13、及びアンロックスイッチ14はマイコン12の入力端子に接続され、ロックスイッチ13、又はアンロックスイッチ14がプッシュされると、マイコン12は各スイッチに対応するドアロック指令コードをROM(図示せず)から取り込み、IDコードに前記ドアロック指令コードを付加した信号を送信回路15を介してアンテナ16から送信するようになっている。なお、IDコードの前には同期コードも付与されているが、ここではその説明を省略する。
【0005】
また盗難通報装置の本体側の受信回路22では、送信機11と同じ同期コードを備えており、同期コードが一致したときのみ、それに続くIDコードとドアロック指令コードとを取り込むようになっている。
【0006】
メインマイコン21は、アンテナ23、受信回路22を介して受信された信号(IDコード+ドアロック指令コード)に含まれるIDコードがIDコード記憶部24に記憶されたIDコードと一致するか否かを判断し、一致する場合には前記信号に含まれる前記ドアロック指令コードと、ドアの開閉状態を検出するドアカーテシスイッチ25からの信号とに応じた処理を施すようになっている。
【0007】
例えば、前記ドアロック指令コードがドアのロックを示すものであり、かつドアカーテシスイッチ25からの検出信号がドアの閉状態であれば、ドアをロックするようにドアロックアクチュエータ27を制御すると共に、アーミングモード(例えば、セキュリティシステムのセット状態)に設定する。また、前記ドアロック指令コードがドアのアンロックを示すものであれば、ドアをアンロックするようにドアロックアクチュエータ27を制御すると共に、アーミングモードを解除し、ディスアーミングモード(すなわち、セキュリティシステムをリセット)にする。
【0008】
自動車電話装置31は、電話用マイコン32、無線機33、アンテナ34、及び電話機35を含んで構成され、またナビゲーション装置41は、ナビゲーション(以下、NAVIと記す)用マイコン42、走行距離を取得するための車速センサ43、進行方向を取得するためのジャイロセンサ44、GPS受信機45、アンテナ46、DVDドライブ47、DVD−ROM48(CD−ROMも可能)、リモコン(図示せず)、及び表示パネル50を有した表示装置49を含んで構成されている。
【0009】
メインマイコン21には、NAVI用マイコン42、及び電話用マイコン32が接続されており、メインマイコン21は、盗難検出手段26により車両盗難が検出されると、NAVI用マイコン42から取り込んだ自車位置情報を含む盗難信号を自動車電話装置31を用い、無線電話回線を通じて監視センターへ送信するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、盗難者の手によって通信機能(例えば、自動車電話装置)等が破壊されたり、トレーラーに入れられたりして、外部との通信が不能になると、前記盗難信号を監視センターへ伝えることができない。
従って、このような場合には盗難車両の追跡ができないことはもちろんであるが、車両盗難の事実さえ把握することができないといった問題がある。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、車両盗難の発生を監視センター等の緊急機関において確実に把握することのできる盗難通報装置、及び盗難通報システムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記したように、従来の盗難通報装置では、盗難者の手によって通信機能等が破壊されると、車両盗難が発生した事実を監視センター等の緊急機関へ伝えることができない。
【0013】
そこで本発明者らは、車両盗難の発生後ではなく、車両盗難の発生前(すなわち、盗難者の手によって通信機能等が破壊される前)から自車位置情報を前記緊急機関へ送信しておけば良いことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
後で個々に詳しく説明するが、本発明に係る盗難通報装置(1)〜(8)はいずれも、自車位置を検出する自車位置検出手段と、信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段とを備えている
【0015】
上記した盗難通報装置(1)〜(8)によれば、アーミングモード中の車両の自車位置情報を前記緊急機関へ送信するため、該緊急機関において、アーミングモード中の車両の位置を把握することができるようになっている。
【0016】
アーミングモードが設定されるのは、通常、車両の持ち主がその車両から離れるときであるため、アーミングモード中の車両が移動することは普通考えられない。よって、アーミングモード中に移動する車両については、盗難車両と判断することができる。
また、前記第1の信号の受信が途絶えた車両については、盗難者の手によって通信機能が破壊され、通信不能になった車両と判断することができる。
【0017】
従って、アーミングモード中の車両の位置を把握することのできる前記緊急機関において、車両盗難の発生を検出したり、盗難車両の追跡を行うことができる。
【0018】
また本発明に係る盗難通報装置()は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、前記通信手段による、前記緊急機関への信号の伝達が可能であるか否かを判断する伝達可能性判断手段を備え、前記緊急機関への信号の伝達が不可能である場合には、前記第1の送信制御手段が、前記第1の信号の送信を行わないようになっていることを特徴としている。
【0019】
例えば、無線電話回線を通じて前記第1の信号を前記緊急機関へ送信する場合に、アーミングモード中の車両が通話可能エリアから外れていると前記第1の信号を前記緊急機関へ伝えることができない。すなわち、通話可能エリア外から前記第1の信号を送信しても意味がなく、バッテリを無駄に消費してしまうだけである。
【0020】
そこで上記した盗難通報装置()によれば、前記通信手段による、前記緊急機関への信号の伝達が不可能である場合(例えば、通話可能エリア外からの送信である場合)には、前記第1の信号の送信を行わないようになっている。
このように、前記第1の信号を意味もなく送信するのを禁止し、バッテリの無駄な消費を無くすことにより、バッテリ上がりを防止することができる。
【0021】
また本発明に係る盗難通報装置()は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、前記通信手段、及び前記自車位置検出手段のうち少なくとも一方の手段を、前記第1の送信制御手段の制御による信号の送信タイミングに対応させて、間欠的に作動させる第1の作動制御手段を備えていることを特徴としている。
【0022】
アーミングモード中というのは、通常、車両の持ち主がその車両から離れているときであり、エンジンが作動しておらずバッテリ充電が行われないので、電力の無駄な消費はバッテリ上がりを速める要因となる。
【0023】
そこで上記した盗難通報装置()によれば、前記通信手段(例えば、自動車電話装置)、及び前記自車位置検出手段(例えば、ナビゲーション装置)のうち少なくとも一方の手段を、前記第1の信号の送信タイミングに対応させて、間欠的に作動させるようになっている。
【0024】
例えば、ナビゲーション装置や自動車電話装置への電力供給を絶えず行うのではなく、前記第1の信号の送信タイミングに対応させて、必要なときにだけ電力供給を行う。このように、バッテリの消費を抑えることにより、バッテリ上がりを防止することができる。
【0031】
また本発明に係る盗難通報装置()は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、盗難の発生を検出する盗難発生検出手段と、盗難が発生すると、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第2の信号を前記緊急機関へ送信する第2の送信制御手段とを備え、前記第1の送信制御手段が、第1の所定時間毎に前記第1の信号を前記緊急機関へ送信するものであり、前記第2の送信制御手段が、第2の所定時間毎に前記第2の信号を前記緊急機関へ送信するものであり、前記第2の所定時間が前記第1の所定時間よりも短いことを特徴としている。
【0032】
上記した盗難通報装置(3)によれば、盗難が発生すると、前記通信手段を用いて、前記第2の信号を前記緊急機関へ送信し、前記第1の信号の次の送信予定時刻を待たずに、
前記第2の信号を前記緊急機関へ送信するため、該緊急機関での車両盗難発生の把握の遅れを防止することができる。
また、上記した盗難通報装置()によれば、車両盗難発生前に送信する前記第1の信号よりも、車両盗難発生後に送信する前記第2の信号を頻繁に前記緊急機関へ送信するようになっているので、盗難車両の追跡をより確実なものとすることができる。
【0034】
また上記した盗難通報装置(3)において、前記第2の送信制御手段による制御開始の起点、盗難発生の検出時とすれば、車両盗難の発生を直ちに、前記緊急機関へ伝えることができる。
【0035】
また本発明に係る盗難通報装置()は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、盗難の発生を検出する盗難発生検出手段と、盗難が発生すると、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第2の信号を前記緊急機関へ送信する第2の送信制御手段と、前記通信手段による、前記緊急機関への信号の伝達が可能であるか否かを判断する伝達可能性判断手段を備え、前記緊急機関への信号の伝達が不可能である場合には、前記第2の送信制御手段が、前記第2の信号の送信を行わないようになっていることを特徴としている。
【0036】
例えば、無線電話回線を通じて前記第2の信号を前記緊急機関へ送信する場合に、盗難車両が通話可能エリアから外れていると前記第2の信号を前記緊急機関へ伝えることができない。すなわち、通話可能エリア外から前記第2の信号を送信しても意味がなく、バッテリを無駄に消費してしまうだけである。
【0037】
上記した盗難通報装置(4)によれば、盗難が発生すると、前記通信手段を用いて、前記第2の信号を前記緊急機関へ送信し、前記第1の信号の次の送信予定時刻を待たずに、
前記第2の信号を前記緊急機関へ送信するため、該緊急機関での車両盗難発生の把握の遅れを防止することができる。
また、上記した盗難通報装置()によれば、前記通信手段による、前記緊急機関への信号の伝達が不可能である場合(例えば、通話可能エリア外からの送信である場合)には、前記第2の信号の送信を行わないようになっている。
このように、前記第2の信号を意味もなく送信するのを禁止し、バッテリの無駄な消費を無くすことにより、バッテリ上がりを防止することができる。
【0038】
また本発明に係る盗難通報装置()は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、盗難の発生を検出する盗難発生検出手段と、盗難が発生すると、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第2の信号を前記緊急機関へ送信する第2の送信制御手段と、エンジンが作動しているか否かを判断するエンジン作動判断手段と、エンジンが作動していない場合には、前記通信手段、及び前記自車位置検出手段のうち少なくとも一方の手段を、前記第2の送信制御手段の制御による信号の送信タイミングに対応させて、間欠的に作動させる第2の作動制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0039】
また本発明に係る盗難通報装置()は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、盗難の発生を検出する盗難発生検出手段と、盗難が発生すると、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第2の信号を前記緊急機関へ送信する第2の送信制御手段と、エンジンが作動しているか否かを判断するエンジン作動判断手段と、エンジンが作動していない場合には、エンジンが作動している場合よりも、前記第2の信号の送信間隔が長くなるように、送信タイミングを設定するタイミング設定手段とを備えていることを特徴としている。
【0040】
例えば、レッカー車を使った車両盗難の場合には、エンジンが作動しておらずバッテリ充電が行われない。すなわち、このような状態で頻繁に前記第2の信号を送信することはバッテリ上がりを速める要因となる。
【0041】
バッテリ上がりになると、必要なとき(例えば通話可能エリア内にいるとき)に前記第2の信号を送信することができなかったり、また盗難車両を取り戻したとしても、直には運転を開始することができないといった問題を生じる。
【0042】
上記した盗難通報装置(5)又は(6)によれば、盗難が発生すると、前記通信手段を用いて、前記第2の信号を前記緊急機関へ送信し、前記第1の信号の次の送信予定時刻を待たずに、前記第2の信号を前記緊急機関へ送信するため、該緊急機関での車両盗難発生の把握の遅れを防止することができる。
また、上記した盗難通報装置()によれば、エンジンが作動していない場合には、前記通信手段(例えば、自動車電話装置)、及び前記自車位置検出手段(例えばナビゲーション装置)のうち少なくとも一方の手段を、前記第2の信号の送信タイミングに対応させて、間欠的に作動させるようになっている。
例えば、自動車電話装置やナビゲーション装置への電力供給を絶えず行うのではなく、前記第2の信号の送信タイミングに対応させて、必要なときにだけ電力供給を行う。
【0043】
また上記した盗難通報装置()によれば、エンジンが作動していない場合には、エンジンが作動している場合よりも、前記第2の信号の送信間隔を長くするようになっている。
【0044】
このように上記した盗難通報装置()又は()によれば、エンジンが作動していない場合には、バッテリの消費を抑えることにより、バッテリ上がりを防止することができる。
【0050】
また本発明に係る盗難通報装置()は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、車両のアーミングモードを解除するアーミングモード解除手段と、該アーミングモード解除手段によりアーミングモードが解除されると、前記通信手段を用いて、その旨を示す第3の信号を前記緊急機関へ送信する第3の送信制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0051】
例えば、前記緊急機関において、アーミングモード中の車両から送信される前記第1の信号の受信が途絶えた場合、盗難者の手によって通信機能が破壊され、通信不能になったためであるのか、あるいはアーミングモードが解除されたのかを判断することができないことが考えられる。
【0052】
そこで上記した盗難通報装置()によれば、アーミングモードが解除されたことを示す前記第3の信号を前記緊急機関へ送信するようになっている。従って、前記緊急機関において、アーミングモード中の車両から送信される前記第1の信号の受信が途絶えた場合、盗難者の手によって通信機能が破壊され、通信不能になったためであるのか、あるいはアーミングモードが解除されたのかの判断を誤ることを防ぐことができる。
【0053】
また本発明に係る盗難通報装置()は、上記盗難通報装置()において、前記第3の送信制御手段が、アーミングモードの解除後、直に前記第3の信号を送信するようになっていることを特徴としている。
【0054】
アーミングモードの解除後、しばらく経過してから前記第3の信号を送信するようになっていると、送信すべきときに前記緊急機関への信号の伝達が不可能になる(例えば、通話可能エリアから外れてしまう)虞れがある。そうなると、アーミングモードが解除されたことを示す前記第3の信号を前記緊急機関へ伝えることができなくなってしまう。
【0055】
従って、前記緊急機関において、アーミングモード中の車両から送信される前記第1の信号の受信が途絶えたと判断し、盗難者の手によって通信機能が破壊され、通信不能になったと誤って判断してしまうことが考えられる。
【0056】
上記した盗難通報装置()によれば、アーミングモードの解除後、直に前記第3の信号を前記緊急機関へ送信するようになっているため、前記緊急機関において、上記のような誤った判断を下すのを防ぐことができる。
【0057】
また本発明に係る盗難通報システム(1)は、車両に、自車位置を検出する自車位置検出手段と、信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、前記車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、該アーミングモード設定手段により車両がアーミングモードに設定されると、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、前記車両のアーミングモードを解除するアーミングモード解除手段と、該アーミングモード解除手段によりアーミングモードが解除されると、前記通信手段を用いて、その旨を示す第3の信号を前記緊急機関へ送信する第3の送信制御手段とを備え、前記緊急機関に、前記車両からの信号を受信するための受信手段と、該受信手段より受信した内容に基づいて、前記車両の状況を監視する監視手段と、前記第1の信号を予定通り受信しているか否かを判断する受信状況判断手段と、前記第3の信号を受信したか否かを判断する受信有無判断手段と、該受信有無判断手段が前記第3の信号を受信していないと判断し、なおかつ前記受信状況判断手段が前記第1の信号の受信が途絶えたと判断した場合には、前記車両に緊急事態が生じていると判断する緊急事態発生判断手段とを備えていることを特徴としている。
【0058】
上記した盗難通報システム(1)によれば、アーミングモード中の車両の自車位置情報を前記緊急機関へ送信するようになっている。また、前記緊急機関においては、アーミングモード中の車両から送信された内容に基づいて、前記車両の状況を監視するようになっている。
従って、前記緊急機関において、車両盗難の発生を検出したり、盗難車両の追跡を行うことができる。
【0059】
また、アーミングモードが設定されるのは、通常、車両の持ち主がその車両から離れるときであるため、アーミングモード中に移動する車両については盗難車両と判断することができる。また、前記第1の信号の受信が途絶えた車両についても、盗難者の手によって通信機能が破壊され、通信不能になった車両と判断することができる。
【0061】
さらに、上記した盗難通報システム()によれば、アーミングモードが解除となった車両から、その旨を示す前記第3の信号を前記緊急機関へ送信するようになっているため、前記緊急機関において、前記第3の信号を受信していないと判断し、なおかつアーミングモード中の車両から送信されるべき前記第1の信号の受信が途絶えたと判断した場合には、前記車両に緊急事態が生じていると判断することができる。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る盗難通報装置、及び盗難通報システムの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0063】
図1は実施の形態(1)に係る盗難通報装置の要部を概略的に示したブロック図である。但し、ここでは図18に示した盗難通報装置と同様の構成部分については、同符号を付してその説明を省略する。
【0064】
図中51はメインマイコンを示しており、メインマイコン51は、アンテナ23、受信回路22を介して受信された信号(IDコード+ドアロック指令コード)に含まれるIDコードがIDコード記憶部24に記憶されたIDコードと一致するか否かを判断し、一致する場合には前記信号に含まれる前記ドアロック指令コードと、ドアの開閉状態を検出するドアカーテシスイッチ25からの信号とに応じた処理を施すようになっている。
【0065】
メインマイコン51には、NAVI用マイコン42、及び電話用マイコン32が接続されており、メインマイコン51は、車両をアーミングモードに設定すると、NAVI用マイコン42から取り込んだ自車位置情報を含む信号aを所定時間毎(例えば30分毎)に自動車電話装置31を用い、無線電話回線を通じて監視センターへ送信するようになっている。
【0066】
実施の形態(1)に係る緊急通報装置におけるメインマイコン51の行う動作を図2に示したフローチャートに基づいて説明する。まず、RAM等(図示せず)の初期化を行うと共に、アーミングモードであることを示すフラグf1 、信号aの送信が1回終了していることを示すフラグf2 を0にする(S1)。
【0067】
次に、IDコード記憶部24に登録されているIDコードの受信があり、さらにそのIDコードにロック指令コードが含まれているか否かを判断する(S2)。ロック指令コードが含まれていると判断すれば、ドアカーテシスイッチ25からの出力信号に基づいて、ドアが閉状態であるか否かを判断する(S3)。
【0068】
ドアが閉状態であると判断すれば、ドアをロックさせるようにドアロックアクチュエータ27を制御し(S4)、次にフラグf1 が1であるか否か、すなわちアーミングモードであるか否かを判断する(S5)。
【0069】
アーミングモードである(フラグf1 =1)と判断すれば、S6、S7を飛ばしてS2へ戻る。一方、アーミングモードでない(フラグf1 =0)と判断すれば、アーミングモードに設定し(S6)、フラグf1 を1にし(S7)、ナビゲーション装置41の電源をオンにし(S8)、その後S2へ戻る。但し、ナビゲーション装置41の表示装置49については、電源をオンしない。
【0070】
S2における判断で、ロック指令コードを含むIDコードの受信がないと判断すれば、IDコード記憶部24に登録されているIDコードの受信があり、さらにそのIDコードにアンロック指令コードが含まれているか否かを判断する(S9)。アンロック指令コードが含まれていると判断すれば、ドアをアンロックさせるようにドアロックアクチュエータ27を制御し(S10)、次にフラグf1 が1であるか否か、すなわちアーミングモードであるか否かを判断する(S11)。アーミングモードである(フラグf1 =1)と判断すれば、アーミングモードを解除し(S12)、フラグf1 を0にして(S13)、その後S2へ戻る。一方、アーミングモードでないと判断すれば、S12、S13を飛ばして、そのままS2へ戻る。
【0071】
またS3における判断で、ドアが開状態であると判断した場合や、S9における判断で、アンロック指令コードを含むIDコードを受信していないと判断した場合にも、そのままS2へ戻る。
【0072】
次に、実施の形態(1)に係る緊急通報装置におけるメインマイコン51の行う別の動作を図3に示したフローチャートに基づいて説明する。まずフラグf1 が1であるか否か、すなわち車両がアーミングモードに設定されているか否かを判断する(S21:図2のS7に関連)。
【0073】
アーミングモードである(フラグf1 =1)と判断すれば、信号aの送信が1回終了していることを示すフラグf2 が1であるか否かを判断する(S22:S31に関連)。なお、ここでの信号aは車両がアーミングモードに設定されているときに、監視センターへ送信すべき信号を示しており、自車位置情報や、車両情報(車両番号、車種、ボディの色)等を含んでいる。
【0074】
S22における判断で、信号aの送信が1回終了している(フラグf2 =1)と判断すれば、次に信号aを送信する時刻であるか否かを判断し(S23)、信号aを送信する時刻であると判断すれば、自動車電話装置31の電源をオンにする(S24)。一方、信号aの送信が1回も行われていない(フラグf2 =0)と判断すれば、S23を飛ばして、自動車電話装置31の電源をオンにする(S24)。
【0075】
次に、自動車電話における通話可能エリア内であるか否かを判断する(S25)。なお、通話可能エリア内であるか否かについては、電話用マイコン32で判定することができるため、メインマイコン51は電話用マイコン32からその旨を示す信号を取り込めば良い。
【0076】
S25における判断で、通話可能エリア内であると判断すれば、NAVI用マイコン42から自車位置情報を取り込んで(S26)、電話用マイコン32へ、緊急通報用ダイヤル信号(監視センターの電話番号を示す)を出力すると共に、自車位置情報、車両情報、及び現在時刻を含む信号aを出力し、自動車電話を用いて、監視センターへ信号aを送信するように制御する(S27)。
【0077】
信号aの送信が完了すると、送信時刻を30分後となるようにセットし(S28)、自動車電話装置31の電源をオフにする(S29)。次にフラグf2 が1であるか否かを判断し(S30)、フラグf2 が1でないと判断すれば、フラグf2 を1にする(S31)。
【0078】
一方、S21における判断で、アーミングモードでない、すなわちディスアーミングモードである(フラグf1 =0)と判断すれば、処理A(図4参照)の動作を行う。なお、上記割り込みルーチンについては、数ミリ秒に1回のペースで繰り返されるものとする。
【0079】
次に、メインマイコン51の行う処理Aの動作、すなわち車両がディスアーミングモードである場合の動作を図4に示したフローチャートに基づいて説明する。まずフラグf2 が1であるか否か、すなわち車両がアーミングモードに設定されていたことを監視センターへ伝えていたか否かを判断する(S41)。アーミングモードに設定されていたことを伝えていたと判断すれば、監視センターへアーミングモードが解除されたことを伝える必要があるため、自動車電話装置31の電源をオンにする(S42)。
【0080】
次に電話用マイコン32へ、緊急通報用ダイヤル信号を出力すると共に、アーミングモードが解除されたことを示す解除コード、車両情報、及び現在時刻を含む信号bを出力し、自動車電話を用いて、監視センターへ信号bを送信するように制御する(S43)。
【0081】
信号bの送信が完了すると、自動車電話装置31の電源をオフにし(S44)、ナビゲーション装置41の電源をオフにし(S45)、その後、全てのフラグfを0にする(S46)。
【0082】
上記実施の形態(1)に係る盗難通報装置によれば、送信機11のロックスイッチ13が操作されると、ドアのロック制御を行うと共にアーミングモードを設定し、逆に送信機11のアンロックスイッチ14が操作されると、ドアのアンロック制御を行うと共にアーミングモードを解除するようになっている。
【0083】
また、アーミングモード中の車両の自車位置情報を監視センターへ送信するため、該監視センターにおいて、アーミングモード中の車両の位置を把握することができるようになっている。
【0084】
アーミングモードが設定されるのは、通常、車両の持ち主がその車両から離れるときであるため、アーミングモード中の車両が移動することは普通考えられない。よって、アーミングモード中に移動する車両については、盗難車両と判断することができる。
【0085】
また図5(a)に示したように、時刻T0 、T1 、T2 に送信された位置情報と、時刻T3 に送信された位置情報とが異なる場合には、時刻T2 〜T3 の間(例えば、時刻TX )に車両の盗難が発生したと判断することができる。
【0086】
従って、前記監視センターにおいては、車両盗難の発生を検出することができる。また、車両盗難の発生の検出だけでなく、時刻T3 以降に送信されてくる位置情報等に基づいて、盗難車両の追跡を行うこともできる。
【0087】
また図5(b)に示したように、時刻T4 に車両から送信されてくるはずの信号aが送信されてこない場合には、時刻T3 〜T4 の間(例えば、時刻TY )に外部との通信を不能にされる事態が生じたと判断することができる。このようなケースとしては、例えば、盗難者の手による自動車電話装置31の破壊や、車両をトレーラーに入れて盗んでいく場合等が挙げられる。
【0088】
また自動車電話における、通話可能エリアから外れている場合には、信号aの送信を行わないようになっているため、バッテリの無駄な消費を無くすことができる。
【0089】
図6は実施の形態(2)に係る盗難通報装置の要部を概略的に示したブロック図である。但し、ここでは図18に示した盗難通報装置と同様の構成部分については、同符号を付してその説明を省略する。
【0090】
図中61はメインマイコンを示しており、メインマイコン61は、アンテナ23、受信回路22を介して受信された信号(IDコード+ドアロック指令コード)に含まれるIDコードがIDコード記憶部24に記憶されたIDコードと一致するか否かを判断し、一致する場合には前記信号に含まれる前記ドアロック指令コードと、ドアの開閉状態を検出するドアカーテシスイッチ25からの信号とに応じた処理を施すようになっている。
【0091】
メインマイコン61には、NAVI用マイコン42、及び電話用マイコン32が接続されており、メインマイコン61は、車両をアーミングモードに設定すると、NAVI用マイコン42から取り込んだ自車位置情報を含む信号aを所定時間毎(例えば30分毎)に自動車電話装置31を用い、無線電話回線を通じて監視センターへ送信するようになっている。
【0092】
またメインマイコン61は、盗難検出手段26により車両盗難が検出された場合には、盗難の発生を示す盗難コードと自車位置情報とを含む信号cを自動車電話装置31を用い、無線電話回線を通じて監視センターへ送信するようになっている。
【0093】
実施の形態(2)に係る緊急通報装置におけるメインマイコン61の行う動作を図7に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0094】
まず、RAM等(図示せず)の初期化を行うと共に、アーミングモードであることを示すフラグf1 、信号aの送信が1回終了していることを示すフラグf2 、盗難が発生していることを示すフラグf3 、信号cの送信が1回終了していることを示すフラグf4 を0にする(S51)。
【0095】
次に、IDコード記憶部24に登録されているIDコードの受信があり、さらにそのIDコードにロック指令コードが含まれているか否かを判断する(S52)。ロック指令コードが含まれていると判断すれば、ドアカーテシスイッチ25からの出力信号に基づいて、ドアが閉状態であるか否かを判断する(S53)。
【0096】
ドアが閉状態であると判断すれば、ドアをロックさせるようにドアロックアクチュエータ27を制御し(S54)、次にフラグf1 が1であるか否か、すなわちアーミングモードであるか否かを判断する(S55)。
【0097】
アーミングモードである(フラグf1 =1)と判断すれば、S56、S57を飛ばしてS58へ進む。一方、アーミングモードでない(フラグf1 =0)と判断すれば、アーミングモードに設定し(S56)、フラグf1 を1にし(S57)、その後S58へ進む。
【0098】
S58では、盗難検出手段26からの出力信号に基づいて、盗難が発生したか否かを判断する(S58)。盗難が発生したと判断すれば、ナビゲーション装置41の電源をオンにし(S59)、次に警報ホーンを60秒鳴らすように警報ホーン装置62を制御し(S60)、盗難が発生していることを示すフラグf3 を1にし(S61)、その後S52へ戻る。一方、盗難が発生していないと判断すれば、S59〜S61を飛ばして、そのままS52へ戻る。但し、ナビゲーション装置41の表示装置49については、電源をオンにしない。
【0099】
なお盗難検出手段26における盗難検出方法としては、例えば、ガラスが割られたことを振動センサで検出したり、車室内に不法侵入した人の動きを超音波で検出する方法等が挙げられる。
【0100】
S52における判断で、ロック指令コードを含むIDコードの受信がないと判断すれば、IDコード記憶部24に登録されているIDコードの受信があり、さらにそのIDコードにアンロック指令コードが含まれているか否かを判断する(S62)。アンロック指令コードが含まれていると判断すれば、ドアをアンロックさせるようにドアロックアクチュエータ27を制御し(S63)、次にフラグf1 が1であるか否か、すなわちアーミングモードであるか否かを判断する(S64)。
【0101】
アーミングモードである(フラグf1 =1)と判断すれば、アーミングモードを解除し(S65)、フラグf1 を0にして(S66)、その後S52へ戻る。一方、アーミングモードでない(フラグf1 =0)と判断すれば、S65、S66を飛ばして、そのままS52へ戻る。
【0102】
またS53における判断で、ドアが開状態であると判断した場合や、S62における判断で、アンロック指令コードを含むIDコードを受信していないと判断した場合には、フラグf1 が1であるか否か、すなわちアーミングモードであるか否かを判断する(S67)。ここで、アーミングモードであると判断すればS58へ進み、アーミングモードでないと判断すればS52へ戻る。
【0103】
次に、実施の形態(2)に係る緊急通報装置におけるメインマイコン61の行う別の動作を図8に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0104】
まず、フラグf3 が1であるか否か、すなわち車両盗難が発生しているか否かを判断する(S71:図7のS61に関連)。盗難が発生している(フラグf3 =1)と判断すれば、処理B(図9参照)の動作を行う。一方、盗難が発生していない(フラグf3 =0)と判断すれば、フラグf1 が1であるか否か、すなわち車両がアーミングモードに設定されているか否かを判断する(S72:図7のS57に関連)。
【0105】
ディスアーミングモードである(フラグf1 =0)と判断すれば、処理A(図4参照)の動作を行う。一方、アーミングモードである(フラグf1 =1)と判断すれば、信号aの送信が1回終了していることを示すフラグf2 が1であるか否かを判断する(S73)。なお、ここでの信号aは車両がアーミングモードに設定されているときに、監視センターへ送信すべき信号を示しており、自車位置情報や、車両情報(車両番号、車種、ボディの色)等を含んでいる。
【0106】
S73における判断で、信号aの送信が1回終了している(フラグf2 =1)と判断すれば、次に信号aを送信する時刻であるか否かを判断し(S74)、信号aを送信する時刻であると判断すれば、自動車電話装置31の電源をオンにする(S75)。一方、信号aの送信が1回も行われていない(フラグf2 =0)と判断すれば、S74を飛ばして、自動車電話装置31の電源をオンにする(S75)。
【0107】
次に、自動車電話における通話可能エリア内であるか否かを判断する(S76)。なお、通話可能エリア内であるか否かについては、電話用マイコン32で判定することができるため、メインマイコン61は電話用マイコン32からその旨を示す信号を取り込めば良い。
【0108】
S76における判断で、通話可能エリア内であると判断すれば、NAVI用マイコン42から自車位置情報を取り込んで(S77)、電話用マイコン32へ、緊急通報用ダイヤル信号(監視センターの電話番号を示す)を出力すると共に、自車位置情報、車両情報、及び現在時刻を含む信号aを出力し、自動車電話を用いて、監視センターへ信号aを送信するように制御する(S78)。
【0109】
信号aの送信が完了すると、送信時刻を30分後となるようにセットし(S79)、自動車電話装置31の電源をオフにする(S80)。次にフラグf2 が1であるか否かを判断し(S81)、フラグf2 が1でないと判断すれば、フラグf2 を1にする(S82)。なお、上記割り込みルーチンについては、数ミリ秒に1回のペースで繰り返されるものとする。
【0110】
次に、メインマイコン61の行う処理Bの動作、すなわち車両盗難が発生した場合の動作を図9に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0111】
まず、信号cの送信が1回終了していることを示すフラグf4 が1であるか否かを判断する(S91)。なお、ここでの信号cは車両盗難が発生すると、監視センターへ送信すべき信号を示しており、盗難の発生を示す盗難コードや、自車位置情報や、車両情報等を含む。
【0112】
S91における判断で、信号cの送信が1回終了している(フラグf4 =1)と判断すれば、次に信号cを送信する時刻であるか否かを判断し(S92)、信号cを送信する時刻であると判断すれば、自動車電話装置31の電源をオンにする(S93)。一方、信号cの送信が1回も行われていない(フラグf4 =0)と判断すれば、S92を飛ばして、自動車電話装置31の電源をオンにする(S93)。
【0113】
次に、イグニッションスイッチ63がオンであるか否か、すなわちエンジンが作動しているか否かを判断する(S94)。なお、この判断はエンジン回転数が所定回転数(例えば、500rpm)以上であるか否か等、エンジンの作動パラメータにより判断しても良い。
【0114】
エンジンが作動していると判断すれば、NAVI用マイコン42から自車位置情報を取り込んで(S95)、電話用マイコン32へ、緊急通報用ダイヤル信号(監視センターの電話番号を示す)を出力すると共に、盗難が発生したことを示す盗難コード、自車位置情報、車両情報、及び現在時刻を含む信号cを出力し、自動車電話を用いて、監視センターへ信号cを送信するように制御する(S96)。
【0115】
信号cの送信が完了すると、送信時刻を1分後となるようにセットし(S97)、次にフラグf4 が1であるか否かを判断し(S98)、フラグf4 が1でないと判断すれば、フラグf4 を1にする(S99)。
【0116】
一方、S94における判断で、エンジンが作動していないと判断すれば、自動車電話における通話可能エリア内であるか否かを判断する(S100)。通話可能エリア内であると判断すれば、NAVI用マイコン42から自車位置情報を取り込んで(S101)、電話用マイコン32へ、緊急通報用ダイヤル信号を出力すると共に、盗難が発生したことを示す盗難コード、自車位置情報、車両情報、及び現在時刻を含む信号cを出力し、自動車電話を用いて、監視センターへ信号cを送信するように制御する(S102)。
【0117】
信号cの送信が完了すると、送信時刻を10分後となるようにセットし(S103)、自動車電話装置31の電源をオフにする(S104)。次にフラグf4 が1であるか否かを判断し(S98)、フラグf4 が1でないと判断すれば、フラグf4 を1にする(S99)。
【0118】
上記実施の形態(2)に係る盗難通報装置によれば、送信機11のロックスイッチ13が操作されると、ドアのロック制御を行うと共にアーミングモードを設定し、逆に送信機11のアンロックスイッチ14が操作されると、ドアのアンロック制御を行うと共にアーミングモードを解除するようになっている。
【0119】
また、アーミングモード中の車両の自車位置情報を監視センターへ送信するため、該監視センターにおいて、アーミングモード中の車両の位置を把握することができるようになっている。従って、前記監視センターにおいては、車両盗難の発生を検出や、盗難車両の追跡を行うことができる。
【0120】
ところが、前記監視センターにおいては所定時間ΔT毎にしか前記位置情報を取得することができないため、例えば、図5(a)に示したように、時刻T2 から時刻T3 までの間の時刻Tx に車両盗難が発生したとしても、時刻T3 となるまでは前記監視センターにおいて車両盗難の発生を把握することができない。
【0121】
そのため、盗難検出手段26により盗難が検出されると、時刻T3 を待たずに直ちに盗難コードと自車位置情報とを含む信号cを監視センターへ送信するようになっている。また同時に警報ホーンを鳴らすようになっている。
これにより、車両盗難を前記監視センターへ遅れなく伝えることができる。
【0122】
また、車両盗難発生前に送信する信号a(送信間隔:30分)よりも、車両盗難発生後に送信する信号c(送信間隔:1分、10分)を頻繁に前記監視センターへ送信するようになっているので、盗難車両の追跡をより確実なものとすることができる。
【0123】
またエンジンが作動していない場合(送信間隔:10分)には、エンジンが作動している場合(送信間隔:1分)よりも、信号cの送信間隔を長くするようになっている。従って、エンジンが作動していない場合には、バッテリの消費を抑えることができる。
【0124】
次に、実施の形態(3)に係る盗難通報装置について説明する。但し、実施の形態(3)に係る盗難通報装置の構成図は図6に示した盗難通報装置と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0125】
実施の形態(3)に係る緊急通報装置におけるメインマイコン61Aの行う動作を図10に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0126】
まず、RAM等(図示せず)の初期化を行うと共に、アーミングモードであることを示すフラグf1 、信号aの送信が1回終了していることを示すフラグf2 、盗難が発生していることを示すフラグf3 、信号cの送信が1回終了していることを示すフラグf4 、ナビゲーション装置41の電源がオン状態であることを示すフラグf5 、信号a、b、cの送信が完了したことを示すフラグf6 を0にする(S111)。但し、フラグf6 については後述するメインマイコン71、電話用マイコン82に使用する。
【0127】
次に、IDコード記憶部24に登録されているIDコードの受信があり、さらにそのIDコードにロック指令コードが含まれているか否かを判断する(S112)。ロック指令コードが含まれていると判断すれば、ドアカーテシスイッチ25からの出力信号に基づいて、ドアが閉状態であるか否かを判断する(S113)。
【0128】
ドアが閉状態であると判断すれば、ドアをロックさせるようにドアロックアクチュエータ27を制御し(S114)、次にフラグf1 が1であるか否か、すなわちアーミングモードであるか否かを判断する(S115)。
【0129】
アーミングモードである(フラグf1 =1)と判断すれば、S116、S117を飛ばしてS118へ進む。一方、アーミングモードでない(フラグf1 =0)と判断すれば、アーミングモードに設定し(S116)、フラグf1 を1にし(S117)、その後S118へ進む。
【0130】
S118では、盗難検出手段26からの出力信号に基づいて、盗難が発生したか否かを判断する(S118)。盗難が発生したと判断すれば、ナビゲーション装置41の電源をオンにし(S119)、フラグf5 を1にする(S120)。但し、ナビゲーション装置41の表示装置49については、電源をオンにしない。
【0131】
次に、警報ホーンを60秒鳴らすように警報ホーン装置62を制御し(S121)、盗難が発生していることを示すフラグf3 を1にし(S122)、その後S112へ戻る。一方、盗難が発生していないと判断すれば、S119〜S122を飛ばして、そのままS112へ戻る。
【0132】
S112における判断で、ロック指令コードを含むIDコードの受信がないと判断すれば、IDコード記憶部24に登録されているIDコードの受信があり、さらにそのIDコードにアンロック指令コードが含まれているか否かを判断する(S123)。アンロック指令コードが含まれていると判断すれば、ドアをアンロックさせるようにドアロックアクチュエータ27を制御し(S124)、次にフラグf1 が1であるか否か、すなわちアーミングモードであるか否かを判断する(S125)。
【0133】
アーミングモードである(フラグf1 =1)と判断すれば、アーミングモードを解除し(S126)、フラグf1 を0にして(S127)、その後S112へ戻る。一方、アーミングモードでない(フラグf1 =0)と判断すれば、S126、S127を飛ばして、そのままS112へ戻る。
【0134】
またS113における判断で、ドアが開状態であると判断した場合や、S123における判断で、アンロック指令コードを含むIDコードを受信していないと判断した場合には、フラグf1 が1であるか否か、すなわちアーミングモードであるか否かを判断する(S128)。ここで、アーミングモードであると判断すればS118へ進み、アーミングモードでないと判断すればS112へ戻る。
【0135】
次に、実施の形態(3)に係る緊急通報装置におけるメインマイコン61Aの行う別の動作を図11に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0136】
まず、フラグf3 が1であるか否か、すなわち車両盗難が発生しているか否かを判断する(S131:図10のS122に関連)。盗難が発生している(フラグf3 =1)と判断すれば、処理C(図12参照)の動作を行う。一方、盗難が発生していない(フラグf3 =0)と判断すれば、フラグf1 が1であるか否か、すなわち車両がアーミングモードに設定されているか否かを判断する(S132:図10のS117に関連)。
【0137】
ディスアーミングモードである(フラグf1 =0)と判断すれば、処理A(図4参照)の動作を行う。一方、アーミングモードである(フラグf1 =1)と判断すれば、信号aの送信が1回終了していることを示すフラグf2 が1であるか否かを判断する(S133)。なお、ここでの信号aは車両がアーミングモードに設定されているときに、監視センターへ送信すべき信号を示しており、自車位置情報や、車両情報(車両番号、車種、ボディの色)等を含んでいる。
【0138】
S133における判断で、信号aの送信が1回終了している(フラグf2 =1)と判断すれば、ナビゲーション装置41の電源がオンであることを示すフラグf5 が1であるか否かを判断する(S134)。
【0139】
ナビゲーション装置41の電源がオンである(フラグf5 =1)と判断すれば、次に信号aを送信する時刻であるか否かを判断し(S135)、信号aを送信する時刻であると判断すれば、自動車電話装置31の電源をオンにする(S136)。
【0140】
一方、S133における判断で、信号aの送信が1回も行われていない(フラグf2 =0)と判断すれば、S134、S135を飛ばして、自動車電話装置31の電源をオンにする(S136)。
【0141】
次に、自動車電話における通話可能エリア内であるか否かを判断する(S137)。なお、通話可能エリア内であるか否かについては、電話用マイコン32で判定することができるため、メインマイコン61Aは電話用マイコン32からその旨を示す信号を取り込めば良い。
【0142】
S137における判断で、通話可能エリア内であると判断すれば、NAVI用マイコン42から自車位置情報を取り込んで(S138)、電話用マイコン32へ、緊急通報用ダイヤル信号(監視センターの電話番号を示す)を出力すると共に、自車位置情報、車両情報、及び現在時刻を含む信号aを出力し、自動車電話を用いて、監視センターへ信号aを送信するように制御する(S139)。
【0143】
信号aの送信が完了すると、送信時刻を30分後となるようにセットし(S140)、自動車電話装置31の電源をオフにし(S141)、さらにナビゲーション装置41の電源41の電源をオフにし(S142)、フラグf5 を1にする(S143)。
次に、フラグf2 が1であるか否かを判断し(S144)、フラグf2 が1でないと判断すれば、フラグf2 を1にする(S145)。
【0144】
一方、S134における判断で、ナビゲーション装置41の電源がオンでない(フラグf5 =0)と判断すれば、信号aの送信時刻の1分前以内であるか否かを判断する(S146)。送信時刻の1分前以内であると判断すれば、ナビゲーション装置41の電源をオンにし(S147)、フラグf5 を1にする(S148)。但し、ナビゲーション装置41の表示装置49については、電源をオンにしない。なお、上記割り込みルーチンについては、数ミリ秒に1回のペースで繰り返されるものとする。
【0145】
次に、メインマイコン61Aの行う処理Cの動作、すなわち車両盗難が発生した場合の動作を図12に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0146】
まず、信号cの送信が1回終了していることを示すフラグf4 が1であるか否かを判断する(S151)。なお、ここでの信号cは車両盗難が発生すると、監視センターへ送信すべき信号を示しており、盗難の発生を示す盗難コードや、自車位置情報や、車両情報等を含む。
【0147】
S151における判断で、信号cの送信が1回終了している(フラグf4 =1)と判断すれば、ナビゲーション装置41の電源がオンであることを示すフラグf5 が1であるか否かを判断する(S152)。
【0148】
ナビゲーション装置41の電源がオンである(フラグf5 =1)と判断すれば、次に信号cを送信する時刻であるか否かを判断し(S153)、信号cを送信する時刻であると判断すれば、自動車電話装置31の電源をオンにする(S156)。
【0149】
一方、S151における判断で、信号cの送信が1回も行われていない(フラグf4 =0)と判断すれば、ナビゲーション装置41の電源をオンにし(S154)、フラグf5 を1にし(S155)、自動車電話装置31の電源をオンにする(S156)。但し、ナビゲーション装置41の表示装置49については、電源をオンにしない。
【0150】
次に、イグニッションスイッチ63がオンであるか否か、すなわちエンジンが作動しているか否かを判断する(S157)。エンジンが作動していると判断すれば、NAVI用マイコン42から自車位置情報を取り込んで(S158)、電話用マイコン32へ、緊急通報用ダイヤル信号(監視センターの電話番号を示す)を出力すると共に、盗難が発生したことを示す盗難コード、自車位置情報、車両情報、及び現在時刻を含む信号cを出力し、自動車電話を用いて、監視センターへ信号cを送信するように制御する(S159)。
【0151】
信号cの送信が完了すると、送信時刻を1分後となるようにセットし(S160)、次にフラグf4 が1であるか否かを判断し(S161)、フラグf4 が1でないと判断すれば、フラグf4 を1にする(S162)。
【0152】
一方、S157における判断で、エンジンが作動していないと判断すれば、自動車電話における通話可能エリア内であるか否かを判断する(S163)。通話可能エリア内であると判断すれば、NAVI用マイコン42から自車位置情報を取り込んで(S164)、電話用マイコン32へ、緊急通報用ダイヤル信号を出力すると共に、盗難が発生したことを示す盗難コード、自車位置情報、車両情報、及び現在時刻を含む信号cを出力し、自動車電話を用いて、監視センターへ信号cを送信するように制御する(S165)。
【0153】
信号cの送信が完了すると、送信時刻を10分後となるようにセットし(S166)、自動車電話装置31の電源をオフにする(S167)。さらにナビゲーション装置41の電源もオフにし(S168)、フラグf5 を0にする(S169)。
次に、フラグf4 が1であるか否かを判断し(S161)、フラグf4 が1でないと判断すれば、フラグf4 を1にする(S162)。
【0154】
一方、S152における判断で、ナビゲーション装置41の電源がオンでない(フラグf5 =0)と判断すれば、信号cの送信時刻の1分前以内であるか否かを判断する(S170)。送信時刻の1分前以内であると判断すれば、ナビゲーション装置41の電源をオンにし(S171)、フラグf5 を1にする(S172)。但し、ナビゲーション装置41の表示装置49については、電源をオンにしない。
【0155】
上記実施の形態(3)に係る盗難通報装置によれば、実施の形態(2)に係る盗難通報装置と同様に、アーミングモード中の車両の自車位置情報を監視センターへ送信するため、該監視センターにおいて、アーミングモード中の車両の位置を把握することができるようになっている。従って、前記監視センターにおいては、車両盗難の発生を検出や、盗難車両の追跡を行うことができる。
【0156】
また、盗難検出手段26により盗難が検出されると、直ちに盗難コードと自車位置情報とを含む信号cを監視センターへ送信するようになっているため、車両盗難を前記監視センターへ遅れなく伝えることができる。
【0157】
また、エンジンが作動していない場合には、自動車電話装置31やナビゲーション装置41への電力供給に制限を加えるようになっているため、バッテリの無駄な消費を無くすことができる。
【0158】
図13は実施の形態(4)に係る盗難通報装置の要部を概略的に示したブロック図である。但し、ここでは図6に示した盗難通報装置と同様の構成部分については、同符号を付してその説明を省略する。
【0159】
図中71はメインマイコンを示しており、メインマイコン71は、アンテナ23、受信回路22を介して受信された信号(IDコード+ドアロック指令コード)に含まれるIDコードがIDコード記憶部24に記憶されたIDコードと一致するか否かを判断し、一致する場合には前記信号に含まれる前記ドアロック指令コードと、ドアの開閉状態を検出するドアカーテシスイッチ25からの信号とに応じた処理を施すようになっている。
【0160】
自動車電話装置81は、電話用マイコン82、無線機33、アンテナ34、及び電話機35を含んで構成され、電話用マイコン82内のROM(図示せず)には緊急通報用ダイヤル情報(監視センターの電話番号を示す)が記憶されている。
【0161】
メインマイコン71には、NAVI用マイコン42、及び電話用マイコン82が接続されており、メインマイコン71は、車両をアーミングモードに設定すると、NAVI用マイコン42から取り込んだ自車位置情報を含む信号aを所定時間毎(例えば30分毎)に自動車電話装置81を用い、無線電話回線を通じて監視センターへ送信するようになっている。
【0162】
またメインマイコン71は、盗難検出手段26により車両盗難が検出された場合には、盗難の発生を示す盗難コードと自車位置情報とを含む信号cを自動車電話装置81を用い、無線電話回線を通じて監視センターへ送信するようになっている。
【0163】
またメインマイコン71には、イグニッションスイッチ63が接続され、イグニッションスイッチ63からの出力信号に基づいて、エンジンが作動しているか否かを判断することができるようになっている。
【0164】
次に実施の形態(4)に係る盗難通報装置におけるメインマイコン71の行う動作について説明する。但し、実施の形態(4)に係る盗難通報装置におけるメインマイコン71の行う動作と、実施の形態(3)に係る盗難通報装置におけるメインマイコン61Aの行う動作との違いは、割り込みの処理動作だけであるので、ここではその動作についてのみ図14に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0165】
まず、フラグf3 が1であるか否か、すなわち車両盗難が発生しているか否かを判断する(S181:図10のS122に関連)。盗難が発生している(フラグf3 =1)と判断すれば、処理D(図15参照)の動作を行う。一方、盗難が発生していない(フラグf3 =0)と判断すれば、フラグf1 が1であるか否か、すなわち車両がアーミングモードに設定されているか否かを判断する(S182:図10のS117に関連)。
【0166】
ディスアーミングモードである(フラグf1 =0)と判断すれば、処理E(図16参照)の動作を行う。一方、アーミングモードである(フラグf1 =1)と判断すれば、信号aの送信が1回終了していることを示すフラグf2 が1であるか否かを判断する(S183)。なお、ここでの信号aは車両がアーミングモードに設定されているときに、監視センターへ送信すべき信号を示しており、自車位置情報や、車両情報(車両番号、車種、ボディの色)等を含んでいる。
【0167】
S183における判断で、信号aの送信が1回終了している(フラグf2 =1)と判断すれば、ナビゲーション装置41の電源がオンであることを示すフラグf5 が1であるか否かを判断する(S184)。
【0168】
ナビゲーション装置41の電源がオンである(フラグf5 =1)と判断すれば、次に信号aを送信する時刻であるか否かを判断し(S185)、信号aを送信する時刻であると判断すれば、自動車電話装置81の電源をオンにする(S186)。
【0169】
一方、S183における判断で、信号aの送信が1回も行われていない(フラグf2 =0)と判断すれば、S184、S185を飛ばして、自動車電話装置81の電源をオンにする(S186)。
【0170】
次に、NAVI用マイコン42から自車位置情報を取り込んで(S187)、電話用マイコン82へ、監視センターとの通話回線を繋ぐことを指令する指令信号を出力し(S188:図17のS241に関連)、次に自車位置情報、車両情報、及び現在時刻を含む信号aを出力する(S189)。その後、送信時刻を30分後となるようにセットし(S190)、ナビゲーション装置41の電源をオフにし(S191)、フラグf5 を0にする(S192)。
【0171】
次に、フラグf6 が1であるか否か、すなわちS188、S189で指令した信号aの送信が完了したか否かを判断する(S193:図17のS246に関連)。信号aの送信が完了した(フラグf6 =1)と判断すれば、自動車電話装置81の電源をオフにし(S194)、フラグf6 を0にする(S195)。
次に、フラグf2 が1であるか否かを判断し(S196)、フラグf2 が1でないと判断すれば、フラグf2 を1にする(S197)。
【0172】
一方、S184における判断で、ナビゲーション装置41の電源がオンでない(フラグf5 =0)と判断すれば、信号aの送信時刻の1分前以内であるか否かを判断する(S198)。送信時刻の1分前以内であると判断すれば、ナビゲーション装置41の電源をオンにし(S199)、フラグf5 を1にする(S200)。但し、ナビゲーション装置41の表示装置49については、電源をオンにしない。なお、上記割り込みルーチンについては、数ミリ秒に1回のペースで繰り返されるものとする。
【0173】
次に、メインマイコン71の行う処理Dの動作、すなわち車両盗難が発生した場合の動作を図15に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0174】
まず、信号cの送信が1回終了していることを示すフラグf4 が1であるか否かを判断する(S201)。なお、ここでの信号cは車両盗難が発生すると、監視センターへ送信すべき信号を示しており、盗難の発生を示す盗難コードや、自車位置情報や、車両情報等を含む。
【0175】
S201における判断で、信号cの送信が1回終了している(フラグf4 =1)と判断すれば、ナビゲーション装置41の電源がオンであることを示すフラグf5 が1であるか否かを判断する(S202)。
【0176】
ナビゲーション装置41の電源がオンである(フラグf5 =1)と判断すれば、次に信号cを送信する時刻であるか否かを判断し(S203)、信号cを送信する時刻であると判断すれば、自動車電話装置81の電源をオンにする(S206)。
【0177】
一方、S201における判断で、信号cの送信が1回も行われていない(フラグf4 =0)と判断すれば、ナビゲーション装置41の電源をオンにし(S204)、フラグf5 を1にし(S205)、自動車電話装置81の電源をオンにする(S206)。但し、ナビゲーション装置41の表示装置49については、電源をオンにしない。
【0178】
次に、NAVI用マイコン42から自車位置情報を取り込んで(S207)、電話用マイコン82へ、監視センターとの通話回線を繋ぐことを指令する指令信号を出力し(S208:図17のS241に関連)、次に盗難が発生したことを示す盗難コード、自車位置情報、車両情報、及び現在時刻を含む信号cを出力する(S209)。
【0179】
次に、イグニッションスイッチ63がオンであるか否か、すなわちエンジンが作動しているか否かを判断する(S210)。エンジンが作動していると判断すれば、送信時刻を1分後となるようにセットし(S211)、次にフラグf4 が1であるか否かを判断し(S212)、フラグf4 が1でないと判断すれば、フラグf4 を1にする(S213)。
【0180】
一方、S210における判断で、エンジンが作動していないと判断すれば、送信時刻を10分後となるようにセットし(S214)、ナビゲーション装置41の電源をオフにし(S215)、フラグf5 を0にする(S216)。
【0181】
次に、フラグf6 が1であるか否か、すなわちS208、S209で指令した信号cの送信が完了したか否かを判断する(S217:図17のS246に関連)。信号cの送信が完了した(フラグf6 =1)と判断すれば、自動車電話装置81の電源をオフにし(S218)、フラグf6 を0にする(S219)。
次に、フラグf4 が1であるか否かを判断し(S212)、フラグf4 が1でないと判断すれば、フラグf4 を1にする(S213)。
【0182】
一方、S202における判断で、ナビゲーション装置41の電源がオンでない(フラグf5 =0)と判断すれば、信号cの送信時刻の1分前以内であるか否かを判断する(S220)。送信時刻の1分前以内であると判断すれば、ナビゲーション装置41の電源をオンにし(S221)、フラグf5 を1にする(S222)。但し、ナビゲーション装置41の表示装置49については、電源をオンにしない。
【0183】
次に、メインマイコン71の行う処理Eの動作、すなわち車両がディスアーミングモードである場合の動作を図16に示したフローチャートに基づいて説明する。まず、フラグf2 が1であるか否か、すなわち車両がアーミングモードに設定されていたことを監視センターへ伝えていたか否かを判断する(S231)。アーミングモードに設定されていたことを伝えていたと判断すれば、監視センターへアーミングモードが解除されたことを伝える必要があるため、自動車電話装置81の電源をオンにする(S232)。
【0184】
次に、電話用マイコン82へ、監視センターとの通話回線を繋ぐことを指令する指令信号を出力し(S233:図17のS241に関連)、アーミングモードが解除されたことを示す解除コード、車両情報、及び現在時刻を含む信号bを出力し(S234)、その後、ナビゲーション装置41の電源をオフにし(S235)、フラグf5 を0にする(S236)。
【0185】
次に、フラグf6 が1であるか否か、すなわちS233、S234で指令した信号bの送信が完了したか否かを判断する(S217:図17のS246に関連)。信号bの送信が完了した(フラグf6 =1)と判断すれば、自動車電話装置81の電源をオフにし(S238)、全てのフラグを0にする(S239)。
【0186】
次に、実施の形態(4)に係る盗難通報装置における電話用マイコン82の行う動作について説明する。まず、メインマイコン71から盗難信号を送信する指令があったか否かを判断する(S241)。送信指令がないと判断すれば、通常の処理を行う(S247)。
【0187】
送信指令があったと判断すれば、イグニッションスイッチ63がオンであるか否か、すなわちエンジンが作動しているか否かを判断する(S242)。エンジンが作動していると判断すれば、緊急通報用ダイヤル信号を送出し、監視センターとの通話回線を繋いで、盗難信号を送信するように制御し、さらに通話回線を繋いだままにする(S243)。
【0188】
一方、エンジンが作動していないと判断すれば、自動車電話における通話可能エリア内であるか否かを判断する(S244)。通話可能エリア外であると判断すれば、そのまま動作を終了する。一方、通話可能エリア内であると判断すれば、緊急通報用ダイヤル信号を送出し、監視センターとの通話回線を繋いで、盗難信号を送信するように制御し(S245)、その後、フラグf6 を1にする(S246)。
【0189】
上記実施の形態(4)に係る盗難通報装置によれば、実施の形態(3)に係る盗難通報装置と同様に、アーミングモード中の車両の自車位置情報を監視センターへ送信するため、該監視センターにおいて、アーミングモード中の車両の位置を把握することができるようになっている。従って、前記監視センターにおいては、車両盗難の発生を検出や、盗難車両の追跡を行うことができる。
【0190】
また、盗難検出手段26により盗難が検出されると、直ちに盗難コードと自車位置情報とを含む信号cを監視センターへ送信するようになっているため、車両盗難を前記監視センターへ遅れなく伝えることができる。
【0191】
また、エンジンが作動していない場合には、自動車電話装置31やナビゲーション装置41への電力供給に制限を加えるようになっているため、バッテリの無駄な消費を無くすことができる。
【0192】
また、上記実施の形態(3)又は(4)に係る盗難通報装置では、自動車電話装置31、81の電源投入に先立ち、ナビゲーション装置41の電源をオンにしているが、ナビゲーション装置41の電源投入後直ちに正確な自車位置を検出することができれば、自動車電話装置31、81とナビゲーション装置41との電源を同期して制御しても良い。
【0193】
次に、実施の形態に係る盗難通報システム(1)について説明する。
車両に、上記実施の形態(1)〜(4)のいずれかに係る盗難通報装置を装備し、監視センターに、電話回線を通じて取得した情報に基づいて前記車両の状況を監視する監視手段を装備することによって、上記盗難通報システムを実現することができる。
【0194】
上記実施の形態に係る盗難通報システム(1)によれば、アーミングモード中の車両の自車位置情報を前記監視センターへ送信するようになっている。また、前記監視センターにおいては、アーミングモード中の車両から送信された内容に基づいて、前記車両の状況を監視するようになっている。
従って、前記監視センターにおいて、車両盗難の発生を検出したり、盗難車両の追跡を行うことができる。
【0195】
また、アーミングモードが設定されるのは、通常、車両の持ち主がその車両から離れるときであるため、アーミングモード中に移動する車両については盗難車両と判断することができる。また、信号aの受信が途絶えた車両についても、盗難者の手によって通信機能が破壊され、通信不能になった車両と判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態(1)に係る盗難通報装置の要部を概略的に示したブロック図である。
【図2】実施の形態(1)に係る盗難通報装置におけるメインマイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図3】実施の形態(1)に係る盗難通報装置におけるメインマイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図4】実施の形態(1)に係る盗難通報装置におけるメインマイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図5】アーミングモード中の車両から送信される信号の送信タイミングについて説明する説明図である。
【図6】実施の形態(2)に係る盗難通報装置の要部を概略的に示したブロック図である。
【図7】実施の形態(2)に係る盗難通報装置におけるメインマイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図8】実施の形態(2)に係る盗難通報装置におけるメインマイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図9】実施の形態(2)に係る盗難通報装置におけるメインマイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図10】実施の形態(3)に係る盗難通報装置におけるメインマイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図11】実施の形態(3)に係る盗難通報装置におけるメインマイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図12】実施の形態(3)に係る盗難通報装置におけるメインマイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図13】実施の形態(4)に係る盗難通報装置の要部を概略的に示したブロック図である。
【図14】実施の形態(4)に係る盗難通報装置におけるメインマイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図15】実施の形態(4)に係る盗難通報装置におけるメインマイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図16】実施の形態(4)に係る盗難通報装置におけるメインマイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図17】実施の形態(4)に係る盗難通報装置における電話用マイコンの行う動作を示したフローチャートである。
【図18】従来の盗難通報装置の要部を概略的に示したブロック図である。
【符号の説明】
31、81 自動車電話装置
32、82 電話用マイコン
51、61、61A、71 メインマイコン
41 ナビゲーション装置
42 NAVI用マイコン
63 イグニッションスイッチ

Claims (9)

  1. 自車位置を検出する自車位置検出手段と、
    信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、
    車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、
    アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、
    前記通信手段による、前記緊急機関への信号の伝達が可能であるか否かを判断する伝達可能性判断手段を備え、
    前記緊急機関への信号の伝達が不可能である場合には、
    前記第1の送信制御手段が、前記第1の信号の送信を行わないようになっていることを特徴とする盗難通報装置。
  2. 自車位置を検出する自車位置検出手段と、
    信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、
    車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、
    アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、
    前記通信手段、及び前記自車位置検出手段のうち少なくとも一方の手段を、前記第1の送信制御手段の制御による信号の送信タイミングに対応させて、間欠的に作動させる第1の作動制御手段を備えていることを特徴とする盗難通報装置。
  3. 自車位置を検出する自車位置検出手段と、
    信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、
    車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、
    アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、
    盗難の発生を検出する盗難発生検出手段と、
    盗難が発生すると、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第2の信号を前記緊急機関へ送信する第2の送信制御手段とを備え、
    前記第1の送信制御手段が、第1の所定時間毎に前記第1の信号を前記緊急機関へ送信するものであり、
    前記第2の送信制御手段が、第2の所定時間毎に前記第2の信号を前記緊急機関へ送信するものであり、
    前記第2の所定時間が前記第1の所定時間よりも短いことを特徴とする盗難通報装置。
  4. 自車位置を検出する自車位置検出手段と、
    信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、
    車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、
    アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、
    盗難の発生を検出する盗難発生検出手段と、
    盗難が発生すると、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第2の信号を前記緊急機関へ送信する第2の送信制御手段と、
    前記通信手段による、前記緊急機関への信号の伝達が可能であるか否かを判断する伝達可能性判断手段を備え、
    前記緊急機関への信号の伝達が不可能である場合には、
    前記第2の送信制御手段が、前記第2の信号の送信を行わないようになっていることを特徴とする盗難通報装置。
  5. 自車位置を検出する自車位置検出手段と、
    信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、
    車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、
    アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、
    盗難の発生を検出する盗難発生検出手段と、
    盗難が発生すると、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第2の信号を前記緊急機関へ送信する第2の送信制御手段と、
    エンジンが作動しているか否かを判断するエンジン作動判断手段と、
    エンジンが作動していない場合には、前記通信手段、及び前記自車位置検出手段のうち少なくとも一方の手段を、前記第2の送信制御手段の制御による信号の送信タイミングに対応させて、間欠的に作動させる第2の作動制御手段とを備えていることを特徴とする盗難通報装置。
  6. 自車位置を検出する自車位置検出手段と、
    信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、
    車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、
    アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、
    盗難の発生を検出する盗難発生検出手段と、
    盗難が発生すると、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第2の信号を前記緊急機関へ送信する第2の送信制御手段と、
    エンジンが作動しているか否かを判断するエンジン作動判断手段と、
    エンジンが作動していない場合には、エンジンが作動している場合よりも、前記第2の信号の送信間隔が長くなるように、送信タイミングを設定するタイミング設定手段とを備えていることを特徴とする盗難通報装置。
  7. 自車位置を検出する自車位置検出手段と、
    信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、
    車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、
    アーミングモード中、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、
    車両のアーミングモードを解除するアーミングモード解除手段と、
    該アーミングモード解除手段によりアーミングモードが解除されると、前記通信手段を用いて、その旨を示す第3の信号を前記緊急機関へ送信する第3の送信制御手段とを備えていることを特徴とする盗難通報装置。
  8. 前記第3の送信制御手段が、アーミングモードの解除後、直に前記第3の信号を送信するようになっていることを特徴とする請求項記載の盗難通報装置。
  9. 車両に、
    自車位置を検出する自車位置検出手段と、
    信号を監視センター等の緊急機関へ送信するための通信手段と、
    前記車両をアーミングモードに設定するアーミングモード設定手段と、
    該アーミングモード設定手段により車両がアーミングモードに設定されると、前記通信手段を用いて、自車位置情報等を含む第1の信号を前記緊急機関へ送信する第1の送信制御手段と、
    前記車両のアーミングモードを解除するアーミングモード解除手段と、
    該アーミングモード解除手段によりアーミングモードが解除されると、前記通信手段を用いて、その旨を示す第3の信号を前記緊急機関へ送信する第3の送信制御手段とを備え、
    前記緊急機関に、
    前記車両からの信号を受信するための受信手段と、
    該受信手段より受信した内容に基づいて、前記車両の状況を監視する監視手段と
    前記第1の信号を予定通り受信しているか否かを判断する受信状況判断手段と、
    前記第3の信号を受信したか否かを判断する受信有無判断手段と、
    該受信有無判断手段が前記第3の信号を受信していないと判断し、なおかつ前記受信状況判断手段が前記第1の信号の受信が途絶えたと判断した場合には、前記車両に緊急事態が生じていると判断する緊急事態発生判断手段とを備えていることを特徴とする盗難通報システム。
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