JP3723689B2 - 衣類乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類乾燥機に関し、より具体的には除湿形の衣類乾燥機におけるラビリンスシールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の除湿形衣類乾燥機における代表的な構造例を側面断面図の形態で図27に示す。衣類乾燥機は箱型筐体1で覆われており、その前面には被乾燥物である衣類を出し入れするドア2が設けられ、その内部には乾燥室3を形成する回転ドラム4が収められている。一方、箱型筐体1の後面には両面ファン5が設けられている。この両面ファン5は、衣類を乾燥させる温風9を乾燥室3に循環させる温風ファンと、温風9を熱交換により冷却・除湿する冷却空気10を給排気する冷風ファンとが表裏一体に構成されることで熱交換と送風の二つの機能を兼ね備えており、ベルト6を介してモータ7により回転させられる。そのモータ7は、回転ドラム4を回転させる駆動源にもなっている。
【0003】
また両面ファン5の外周部には、温風9と冷却空気10を仕切るケーシング14が設けられ、このケーシング14と両面ファン5との間に、温風9の外部への漏れと冷却空気10の内部への侵入を抑制するためのラビリンスシール8が設けられている。このラビリンスシール8についてはその部分(A部)を拡大して示す図28に基づいて以下に説明する。なお図27中の符号11は加熱手段である電気ヒータ、12は糸屑フィルタ、13は回収した水分(凝縮水)を排出するドレン排出口である。
【0004】
図28に見られるように、両面ファン5にはそれと一体的に回転するようにその外周部にファン側シール用壁部5aが設けられ、一方ケーシング14にはファン側シール用壁部5aに対向するようにしてケーシング側シール用壁部14aが設けられている。そしてこれらの間に、ファン側シール用壁部5aから同心円的な配列で突出するように設けられた複数の環状シール片15と、ケーシング側シール用壁部14aから同じく同心円的な配列で突出するように設けられた複数の環状シール片16とでラビリンスシール8が形成されている。より具体的には、ファン側シール用壁部5aの環状シール片15とケーシング側シール用壁部14aの環状シール片16を交互に配置し、これら両側からの環状シール片15と16を、相手側の環状シール片同士の半径方向(同心円的な配列方向)での間隙に軸方向(前記半径方向と直交する方向)で非接触にして交互に食い込むように組み合わせることで空気流に対する流路抵抗を形成してラビリンスシール8としている。図28にはラビリンスシール8において僅かに漏れる漏れ温風を点線の矢印17で示してある。以下ではこのように両側からの環状シール片を交互に配置するタイプを「交互片形ラビリンスシール」と呼ぶことにする。なおラビリンスシール8のように複数の環状シール片を半径方向に配列するラビリンスシールは、一般に半径流ラビリンスシールと言われる。
【0005】
上記のような半径流ラビリンスシールについて従来では、漏れ量を低減するための流路抵抗を増加させるラビリンス効果の主体抵抗として流体の粘性に起因する摩擦抵抗を利用していた。このため、従来のラビリンスシール8の構造は、図28に見られるように、両面ファン5側の環状シール片15とケーシング14側の環状シール片16とが相互に相手側に対し食い込む深さWeを深くし、このことで空気流が接触する流路表面積を広く取ることにより流体の粘性に起因する摩擦抵抗を大きくするようにしてある。このように食い込み深さWeを深くする場合には、ケーシング側シール用壁部14aと両面ファン5側の環状シール片15の先端との間隙19の幅aやファン側シール用壁部5aとケーシング14側の環状シール片16の先端との間隙20の幅bに対して、a<We及びb<Weの関係となる。つまり食い込み深さWeを深くして軸方向での間隙幅aや間隙幅bが半径方向での環状シール片同士の間隙幅cと同じ程度になるようにし、これにより流路の全長にわたってほぼ均一な幅の間隙を形成するようにして流路表面積をできるだけ広く取れるようにしている。
【0006】
以上のような摩擦抵抗方式によるラビリンスシールを用いた衣類乾燥機については、例えば特開平07−155498号公報や特開平09−108498号公報などにその例が開示されている。
【0007】
特開平07−155498号公報に開示の技術は、両面ファンのファン性能を改善するためにラビリンスシールの形状に工夫を加えたもので、図28でも見られるように、ケーシング側シール用壁部14aを外側に向けて傾斜させることでファン性能への干渉が小さくなるようにしている。そのために環状シール片は両面ファンの回転中心に近い側で短くなるがそこから離れるに従いその突出高さを順次高くしている。ただこの場合にもラビリンス効果を摩擦抵抗によって得ようとしているため、上記した環状シール片の食い込み深さをできるだけ長く取るようにし、全環状シール片についての総計としては従来並みの食い込み深さ量を確保している。
【0008】
また特開平09−108498号公報に開示の技術は、凝縮水が冷却空気側へ漏れ出さないようにすることを目的としており、ケーシング側から突出する環状シール片に環状リブや水抜き孔等を設けているが、ラビリンスシールの構成は基本的に上記従来例と同じであり、環状シール片の食い込み深さをできるだけ大きくとるようにしてある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来では何れも漏れ量を低減するラビリンス効果を支配する主体抵抗として流体の粘性に起因する摩擦抵抗を利用している。つまり環状シール片の食い込み深さをできるだけ深くすることを基本的な前提としている。このために以下のような問題を抱えている。
【0010】
一般に図27に示すような従来の衣類乾燥機では、両面ファン5、ケーシング14及びラビリンスシール8は何れもポリプロピレン等の合成樹脂材で成形・製作されている。そのため、衣類乾燥機の運転中に温風9が例えば60〜70℃となり、冷却空気10が30〜40℃前後となる条件下で、図29に一例を示すように、両面ファン5がその表裏の温度差による熱変形等によって図中の矢印のように冷却空気10の側に反ることがある。これに伴って両面ファン5の外周部にあるファン側シール用壁部5aの環状シール片15が傾斜し、このため流路断面積が変化することから流路抵抗が変わってしまうし、さらに悪い場合には環状シール片15がケーシング14や環状シール片16に接触することにもなる。図では50で示す黒丸部が接触部の一例である。状況によってはこれ以外の部分でも接触することがある。
【0011】
また一般的な衣類乾燥機の場合であれば、交互に食い込み合う環状シール片同士の半径方向での間隙(図28中の間隙c)は例えば2〜3mm程度と狭く、その一方で環状シール片の食い込み深さをできるだけ深くしようとすると、その食い込み深さは例えば10mm程度又はそれ以上にまでなる。そしてこのことが衣類乾燥機の製作・組立時における生産性に影響を与える。すなわち上記のような寸法条件の下で製作・組立時に環状シール片がその周囲に接触してしまうようなトラブルを避けるには、環状シール片の寸法精度を高くし、しかも製作・組立時の環境温度等をきめ細かくコントロールする必要があり、これらのことが生産性を損なう要因となる。
【0012】
このような事情に鑑みてなされたのが本発明で、ラビリンスシールを備えた衣類乾燥機について、運転中に両面ファン等に熱変形等が生じてもラビリンスシールにおける環状シール片が周囲と接触する可能性が少なく、また環状シール片の寸法精度や製作・組立時の環境温度等について条件を緩くすることを可能として生産性を向上させることができ、しかも従来並みかそれ以上のラビリンスシール性を確保することができるようにすることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ケーシングと、熱交換と送風との機能を持つ両面ファンと、ケーシングと両面ファンとの間に設けられて温風の外部への漏れと冷却空気の内部への侵入を抑制するラビリンスシールとを備えると共に、前記ラビリンスシールにおける流路抵抗を増加させるラビリンス効果のための主体的な抵抗が流路断面積の急激な交互的変化に起因する形状抵抗であることを特徴とする衣類乾燥機を開示する。
【0014】
上記目的を達成するために本発明では、衣類を乾燥させる温風をドラム形の乾燥室内に循環させる温風ファンと、前記温風を熱交換により冷却・除湿する冷却空気を給排気する冷風ファンとが表裏一体に構成されることで熱交換と送風の二つの機能を兼ね備えた両面ファンと、前記温風と冷却空気を仕切るケーシングと、前記両面ファンと一体的に回転するように当該両面ファンの外周部に設けられているファン側シール用壁部と、該ファン側シール用壁部に対向するにして前記ケーシングに設けられている静止のケーシング側シール用壁部との間に設けたラビリンスシールと、を備えると共に、該ラビリンスシールは、前記ファン側シール用壁部から同心円的な配列で突出するように設けられた複数の環状シール片と、前記ケーシング側シール用壁部から同じく同心円的な配列で突出するように設けられた複数の環状シール片とを非接触で組み合わせることで空気流に対する流路抵抗を形成して、前記温風の流出や前記冷却空気の流入を抑制するようにした衣類乾燥機であって、ファン側シール用壁部の各環状シール片とケーシング側シール用壁部の各環状シール片とを、それぞれが互いに相手側の環状シール片同士でそれぞれの先端面を間隙を存して対向させるように配置すると共に、互いに対向する環状シール片の一方を高く、また他方を低くし、且つこれを同心円の中心側から外周側へ交互に繰り返すことにより、対向する環状シール片同士の先端間の間隙の位置を冷風ファンの回転中心軸と平行する方向へ交互にずらすことで、流路断面積の急激な交互的変化を生じさせるようにしたことを特徴としている。
【0015】
このような本発明における構成は、ラビリンスシールにおけるラビリンス効果のコンセプトを従来のそれとは全く別なものとしている。すなわち従来の衣類乾燥機のラビリンスシールにおける流路抵抗の主な支配要因が流体の粘性に起因した摩擦抵抗であったのに対し、本発明では流路断面積の急激な交互的変化により空気の流れに急拡大流と急縮小流を交互的に生じることに起因した形状抵抗を利用している。すなわち本発明では、流路断面積を流体の流れ方向に沿って交互的に何回か大きく急変させることにより空気の流れに大きく変化する減速流と加速流を交互的に生じさせ、さらにそれによって不安定な小さな渦を多数発生させて流路抵抗を増加させることで、ラビリンス効果のための主体抵抗を得ている。
【0016】
このようにラビリンス効果のための主体抵抗として形状抵抗を利用するについては、上記した従来の「交互片形ラビリンスシール」にはない「対向片形ラビリンスシール」としたことを特徴としている。
【0020】
一方、「対向片形ラビリンスシール」とするに当っては、ファン側シール用壁部の各環状シール片とケーシング側シール用壁部の各環状シール片とを、それぞれが互いに相手側の環状シール片同士でそれぞれの先端面を間隙を存して対向させるように配置する。そして互いに対向する環状シール片の一方を高く、また他方を低くし、且つこれを同心円の中心側から外周側へ交互に繰り返すことにより、対向する環状シール片同士の先端間の間隙の位置を冷風ファンの回転中心軸と平行する方向へ交互にずらすことで、流路断面積の急激な交互的変化を生じさせるようにする。
【0021】
このような「対向片形ラビリンスシール」の場合には、対向する環状シール片同士の先端間の間隙の位置が環状シール片の同心円的な配列にしたがってずらされることでファン側シール用壁部の環状シール片とケーシング側シール用壁部の環状シール片と間に生じる重なりの深さを、両面ファンやケーシングなどに通常の使用状態で予測される変形が生じた際に当該重なり深さが、環状シール片の配列方向で隣接する重なり相手の環状シール片同士において、マイナスにならない範囲で、できるだけ小さくすることで、より大きくラビリンス効果を生じさせることができる。
【0022】
また上記のような「対向片形ラビリンスシール」の場合には、対向する環状シール片同士の先端間の間隙の幅Aと環状シール片同士の同心円的な配列方向での間隙の幅Bに関して、A≦Bとなるようにすることで、より大きくラビリンス効果を生じさせることができる。
【0023】
これら形状抵抗を主体とする「対向片形ラビリンスシール」については、流出しようとする温風流が最初に通過する間隙をそれ以後の流路における間隙の何れよりも狭くすることが有効である。したがって温風の流出方向に関して最初に位置する環状シール片で形成される、環状シール片同士の先端間の間隙を、他の環状シール片で形成される、環状シール片同士の先端間の間隙に対し最も狭くなるようにするのがさらに好ましい。
【0024】
以上のように、ラビリンス効果のための主体抵抗を流路断面積の急激な交互的変化、つまり空気流の交互的な急縮小と急拡大に起因する形状抵抗から得るようにすることで、環状シール片の重なりがなくても、従来と同等かそれ以上のラビリンスシール性能を発揮させることができる。この結果、従来と同等かそれ以上のラビリンスシール性能を発揮しつつ、上記した従来のラビリンスシールにおける種々の問題を解消することができる。すなわち環状シール片を互いに食い込ませることによりラビリンス効果を得る交互片形ラビリンスシールとの組み合わせを必要としないため、温風と冷却空気との温度差による熱変形等で両面ファン等に反りが生じても流路抵抗が大きく変わるようなことがなく、より安定したラビリンスシール性能を得ることができる。また環状シール片が周囲に接触する可能性を格段に小さくすることができる。さらに環状シール片の寸法精度や製作・組立時の環境温度のコントロール条件等を緩めることができ、生産性の向上を図ることもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1に第1の実施形態による衣類乾燥機におけるラビリンスシール部を拡大断面にして示してある。本実施形態におけるラビリンスシール8は、「交互片形ラビリンスシール」であり、図に見られるように、ファン側シール用壁部5aから同心円的な配列で突出する3個の環状シール片15(15a、15b、15c)とケーシング側シール用壁部14aから同じく同心円的な配列で突出する3個の環状シール片16(16a、16b、16c)を交互に配置し、これら両側からの環状シール片15と16を、相手側の環状シール片同士の半径方向(同心円的な配列方向)での間隙に軸方向(前記半径方向と直交する方向)で非接触にして交互に食い込むように組み合わせて形成してある。その環状シール片同士の食い込み深さWe(図中では環状シール片15bと環状シール片15cとの間隙に食い込んだ環状シール片16cの食い込み深さについてのみ示してある)は、ケーシング側シール用壁部14aとファン側の環状シール片15の先端との間隙19の幅aとの関係で、「We≦a」となるようにしてある。このように食い込み深さWeを浅くすることで、両面ファン5などに変形が生じた際に環状シール片同士が接触したりする可能性を小さくすることができ、また製作・組立時の生産性を向上させることができる。なお図の例では食い込み深さWeに対して間隙幅aのみを大きくし、ファン側シール用壁部5aとケーシング側の環状シール片16との間隙20の幅bは食い込み深さWeよりも小さくしてあるが、必要に応じてこの間隙幅bも食い込み深さWeより大きくなるようにする。
【0026】
このようなラビリンスシール8には、温風9と冷却空気10との圧力差により例えば温風9からの漏れ空気が矢印17aで示すように流入する。このように流入した漏れ空気は、まず環状シール片15aと16aで形成される半径方向の間隙による流路断面積の急縮小部21aに流入し、そこで加速流を生じて大きな流路抵抗を受け、次いで環状シール片15aとケーシング側シール用壁部14aで形成される軸方向の間隙による流路断面積の急拡大部22aに流入し、今度は減速流を生じることで大きな流路抵抗を受ける。この以降も同様にして流路断面積の急縮小部(21b等)と急拡大部(22b等)を交互に通過することでその都度大きな流路抵抗を受ける。このような流路断面積の急激な交互的な変化、つまり急縮小流と急拡大流が交互に生じることによる圧力損失は大きい。本実施形態ではこの交互的な変化が3回繰り返されることになるが、この繰り返し程度でも十分に大きな流路抵抗が生じる。このため温風9が漏れ温風となって外部へ流出したり冷却空気10が内部に流入するのを効果的に抑制することができる。
【0027】
図2に示す第2の実施形態におけるラビリンスシールは、第1の実施形態の変形例で、第1の実施形態ではケーシング側シール用壁部14aを半径方向(図では上下方向)に傾斜させていたのに対し、本実施形態ではケーシング側シール用壁部14aを直立にしてある。
【0028】
ここで、食い込み深さWeの最適化を図るためにそれを変化させて急縮小流と急拡大流による流路抵抗を調べた実験について説明する。図3に示すのはシール部モデル装置による実験結果で、横軸はダクトDの内部を流れるの空気の平均流速(漏れ量に相当)、縦軸はラビリンスシール部前後で計った圧力損失(流路抵抗に相当)であり、ラビリンス効果が大きいシール構造、つまり流路抵抗の大きいシール構造程、図の上部にデータが位置することになる。モデル装置の諸数値は図中の左上に示す。食い込み深さが最も深いWe=10mm(環状シール片の突出長さX=15mm)の状態から食い込み深さを徐々に浅くしていくと、圧力損失も徐々に増加し、ラビリンス効果が良くなって行く。そして、食い込み深さWe=0mm(X=5mm)、つまりお互いに向き合う環状シール片の先端位置が一致する所で圧力損失が最大となる。さらに環状シール片の長さXを短くすると(たとえばX=2.5 mm)、食い込み深さWeがマイナスとなり(We=-2.5mm)、お互いに向き合う環状シール片の先端間に流れ方向で邪魔物がない間隙ができてしまう。この場合、空気の吹き抜け現象が生じ、圧力損失は激減してしまう。
【0029】
この実験結果より、本発明の「交互片形ラビリンスシール」に適用する食い込み深さは、We=0mmから10mmの範囲がほぼ適していると考えることができるが、より好ましい範囲としてはWe=0mmから2.5 mmの範囲であると言える。すなわち実験結果からはWe=0mmで圧力損失が最大となり、理論的にはWe=0mmとするのが最適であるが、製作・組立時の組立誤差や運転中における両面ファン5などの変形を考慮すると、その分の余裕を与える必要がある。つまり両面ファン5などの変形の要因としては例えば温風と冷却空気との温度差による熱変形や乾燥対象の衣類に付着している油成分などによる両面ファン5の膨潤変形があるが、これらの要因に対して安定性が高く実質的に変形を無視できるように両面ファン5などを構成した場合であれば、組立誤差は別として、実質的に食い込み深さWe=0mmとするのが最適である。一方、ある程度の変形や組立誤差を見込む場合であれば、それらが生じた際に食い込み深さが0以下のマイナスになって上記した吹き抜け現象を招くことのないように、その分を見込んで食い込み深さに余裕を持たせる。その程度は、従来の一般的な衣類乾燥機の場合であれば、最大で2.5 mm程度、最悪でも5mm程度と見積もることができる。
【0030】
以上のような食い込み深さの大きさは別な観点から捉えることもできる。すなわち食い込み深さは結果的に環状シール片15や16がケーシング側シール用壁部14aやファン側シール用壁部5aとの間で形成する間隙19の幅aや間隙20の幅bの大きさにむすびつき、食い込み深さを0mmから2.5 mmのように浅くすることは間隙幅aやbを広くすることと同じである。一方、互いに食い込み合った各環状シール片同士の半径方向での間隙の幅cは、これらに直接には関係のない条件により自ずと定まる。そして上記流路断面積の急縮小部や急拡大部は、間隙幅aやbと間隙幅cの大きさ関係により与えられるものであり、したがって流路断面積の急縮小や急拡大は間隙幅aやbと間隙幅cの関係として規定することができる。その具体的な数値は、一般的な衣類乾燥機における間隙幅cが通常は2〜3mm程度であることを前提にして、上記の実験結果から導くと、a≧ 1.5c又はb≧ 1.5c、又はa≧ 1.5c及びb≧ 1.5cの何れかを満足させることであると言える。ただこれは最低限の条件であり、実際上でのより好ましい条件としてはa≧2c又はb≧2c、又はa≧2c及びb≧2cの何れかを満足させることであると言える。
【0031】
次に、図3に示した結果の裏付けと考察を行うため、流れの可視化実験を行った結果を図4に示す。モデル装置は図3と同じで、空気は左側から右側に向かって流れ、トレーサは線香の煙である。図4の上段は食い込み深さが最も深いWe=10mm(X=15mm;図3の左上参照)の場合、下段は食い込み深さが比較的浅いWe=2.5 mm(X=7.5 mm)の場合であり、可視化写真に基づいて描いた流れの模式図を示す。図の上段における食い込み深さWeが深くて間隙が狭い場合、空気の流れはスムーズで渦等はほとんど観察されず、摩擦抵抗に起因した流路抵抗が主体であると考えられる。これに対し、図の下段における食い込み深さWeが浅くて間隙が広い場合、空気の流れは急拡大流と急縮小流を繰り返えし、その度に不安定な多数の小さな渦の発生が観察され、急拡大流と急縮小流、渦等の形状抵抗に起因した流路抵抗が主体であることがよくわかる。この結果は、本発明のラビリンスシール構造が本発明における流路抵抗に関するコンセプトに合致していることを示している。図4の実験による可視化結果より、図1に示した本発明のラビリンスシール8における漏れ温風の流れを推定すると図5のようになっていると予想される。そして、急拡大流と急縮小流による多くの大きい渦23aや小さい渦23b等による形状抵抗に起因した大きな流路抵抗、つまり良好なラビリンス効果により、温風の漏れや冷却空気の侵入は従来並みか、又はそれ以上に抑制される。
【0032】
以下、本発明における「交互片形ラビリンスシール」に関する他の実施形態を説明する。図6に示す第3の実施形態は、図3の実験結果から得た最もラビリンス効果の良かった食い込み深さWe≒0mmの場合で、We≒0mmであるのに応じて軸方向での間隙幅aとbが最も広くなっている。この条件はラビリンス効果としては理想的である。しかし上述したように両面ファン5の変形等が生じるた際に食い込み深さがマイナス値になって吹き抜け現象が起きることも懸念される。したがって両面ファン5等に実質的な変形を生じるおそれのないような場合に本実施形態は適しており、そうでない場合には両面ファン5等に生じる可能性のある変形等を考慮した必要最小限の食い込み深さを与えることになる。
【0033】
図7に示す第4の実施形態は、所定の食い込み深さWeを与えるとして、これが軸方向での間隙幅aとbの何れよりも大きくならないようにした場合の例で、We≦a及びWe≦bの関係となっている。ここで、本実施形態におけるWe≦a及びWe≦bや上記第1の実施形態におけるWe≦aの関係は、ラビリンスシールを形成する複数の環状シール片の全てに適用するのが基本的には望ましいが、環状シール片の一部にだけ適用することもでき、この場合でも本発明の趣旨を逸脱するものではない。
【0034】
図8に示す第5の実施形態は、漏れ温風の流れ方向(矢印17aで示す)において一番最初にある環状シール片16aがその相手方の環状シール片15aと間で形成する半径方向の間隙24aの幅c1を特に狭くしてある。つまり間隙幅c1を他の間隙の幅c2〜c5の何れよりも狭くしある。なおこれらの半径方向の間隙は上記したa≧ 1.5cやb≧ 1.5cという条件から当然に、軸方向の間隙の幅aやbよりも狭い。このように最初の環状シール片による間隙を他の間隙に比べて最も狭くすることは、ラビリンス効果をさらに高める上で有効である。このことは上記の一連の実験結果から導かれたものである。すなわち上記の一連の実験から、複数ある環状シール片の内、空気の流れ方向で一番最初に位置する環状シール片による間隙を狭くすることが流路抵抗の増大に大きく寄与することがわかった。つまりラビリンスシールに含まれる複数個の間隙の中で一番最初にある間隙を最も狭くするのがラビリンス効果にとって有効であり、それはラビリンスシールの中間部にある間隙や一番最後にある間隙を狭くするよりも効果が大きいということである。また一番最初の環状シール片についてそれによる間隙を狭くすることは、両面ファン5の変形による環状シール片同士の接触問題に関しても合理的である。すなわち両面ファン5の変形による影響は一般に図29のようにしてラビリンスシールに生じるが、このことから分かるように、間隙24aの幅c1を狭くしても、変形に起因して環状シール片同士が接触する可能性を高めることはない。
【0035】
図9に示す第6の実施形態では、第5の実施形態と同様な考え方を一番最初にある環状シール片16aによる軸方向の間隙20aの幅b1に適用している。この場合にも第5の実施形態の場合と同様の効果が期待できる。
【0036】
以上は何れも「交互片形ラビリンスシール」に関する実施形態であったが、以下では本発明における「対向片形ラビリンスシール」に関する実施形態を説明する。第7の実施形態におけるラビリンスシール8は、図10に示すように、ファン側シール用壁部5aから同心円的な配列で突出する3個の環状シール片15(15a、15b、15c)とケーシング側シール用壁部14aから同じく同心円的な配列で突出する3個の環状シール片16(16a、16b、16c)を、互いに相手側の環状シール片同士でそれぞれの先端面を対向させるように配置し、且つ対向する環状シール片同士の先端間の間隙40の位置を環状シール片の同心円的な配列にしたがって交互にずらしてある。このため、間隙40による急縮小部41a、41b、41cと環状シール片同士の半径方向での隙間部分による急拡大部42a、42bを交互に形成する。
【0037】
図11は本実施形態に相当するモデルにおける空気流の可視化実験の結果で、図4に示した「交互片形ラビリンスシール」におけるのと同様な流れの模式図を示す。空気は左側から右側に向かって流れる。空気の流れは急拡大流と急縮小流を繰り返えし、その度に多数の小さな渦の発生が隅部に観察され、急拡大流と急縮小流、渦等の形状抵抗に起因した流路抵抗が効いていることがよくわかる。この結果は、対向片形ラビリンスシール構造も本発明のコンセプトに合致していることを示している。
【0038】
図12に示す第8の実施形態では、ファン側シール用壁部5aとケーシング側シール用壁部14aのそれぞれに4個ずつ環状シール片15(15a、15b、15c、15d)と環状シール片16(16a、16b、16c、16d)を設け、ファン側からの環状シール片15とケーシング側からの環状シール片16との重なり深さWrを図10の実施形態の場合のそれよりも小さくしてある。ここで、重なり深さWrは、図10や図12に見られるように、環状シール片の配列方向で隣接する重なり相手の環状シール片同士における重なりについてのものである。つまり図12では環状シール片15dと環状シール片16c、環状シール片16cと環状シール片15b、それに環状シール片15bと環状シール片16aが互いの重なり相手である。ただ、図12では重なり深さWrを環状シール片15dと環状シール片16cの重なりについてのみ示してある。このように「交互片形ラビリンスシール」における食い込み深さに対応する重なり深さを小さくすることは、図3と同様な実験から、「対向片形ラビリンスシール」においてもラビリンス効果を高める上で有効であることが分かっている。すなわち「対向片形ラビリンスシール」においても、重なり深さを小さくする(Wr=0mmに近づける)ことで、流路抵抗をより大きくすることができる。またこの重なり深さを小さくすることは、「対向片形ラビリンスシール」においても「交互片形ラビリンスシール」と同様に、環状シール片の接触問題等に対して効果がある。
【0039】
図13に示す第9の実施形態におけるラビリンスシールは、第8の実施形態の変形例で、第8の実施形態ではケーシング側シール用壁部14aを半径方向(図では上下方向)に傾斜させていたのに対し、本実施形態ではケーシング側シール用壁部14aを直立にしてある。
【0040】
ここで、対向する環状シール片同士の先端間の間隙40は、ファン側シール用壁部5aやケーシング側シール用壁部14aに設ける環状シール片の数に応じた数だけあることになるが、こられ各間隙の幅Aは、同じであってもよく、また異なるようにしてもよい。一般的には、ラビリンスシール部に関連する部材の成形誤差や組立誤差などに対する安全率を見込んでなお環状シール片同士が接触するおそれのない範囲で、できるだけ間隙の幅を狭くするのが好ましいと言える。また環状シール片の数は、抑制すべき温風の漏れ量(流出量)や冷却空気の流入量に応じて決めることになる。したがってより高いラビリンス効果が要求される場合には、環状シール片の数が3ないし4個であった第7〜第9の各実施形態と異なり、図14に示す第10の実施形態におけるラビリンスシールのように5個、あるいはそれ以上設けることになる。ただ一般的には環状シール片の数をできる限り少なくするのが望ましい。なお抑制すべき漏れ量等は環状シール片の数以外に、各間隙の流路断面積や温風と冷却空気の圧力差等でも制御できることは言うまでもない。
【0041】
図15に示すのは第11の実施形態におけるラビリンスシールである。本実施形態では、環状シール片15及び16の先端を傾斜させてある。このようにすることで流路抵抗が増加することも一連の実験結果でわかっている。傾斜させる方向は漏れ温風が流れる方向に逆らうようするのが、より好ましい。また傾斜は対向し合う環状シール片の両方に設けるのが、より好ましい。
【0042】
図16に示す第12の実施形態では、「交互片形ラビリンスシール」に関する第5の実施形態におけるのと同様な理由から、漏れ温風の流れ方向(矢印17aで示す)において一番最初にある環状シール片16aがこれと重なり合うことになる環状シール片15aとの間で形成する径方向の間隙24aの幅B1を他の環状シール片による径方向の間隙の幅c2〜c4の何れよりも狭くしてある。この場合に両面ファン5の変形による環状シール片同士の接触のおそれに関して問題のないことは第5の実施形態と同様である。
【0043】
図17に示す第13の実施形態は、第12の実施形態の変形例で、一番最初の環状シール片同士の対向間隙40aの幅A1を他の環状シール片同士の対向間隙(40b〜40d)の幅(A2、A3、A4、A5)の何れよりも狭くしてある。
【0044】
図18に示す第14の実施形態は、環状シール片同士の対向間隙を比較的狭くした例である。すなわち対向間隙40の幅Aを環状シール片同士の径方向での間隙の幅Bよりも小さくしてある。本実施形態のように対向間隙40の幅Aを狭くすることは「対向片形ラビリンスシール」におけるラビリンス効果を高める上で有効である。ただ上述したように、ラビリンスシール部に関連する部材の成形誤差や組立誤差などの問題があるので、これらに対する安全率を見込んでなお環状シール片同士が接触するおそれのない程度でできるだけ間隙の幅を狭くするのが好ましいと言える。このようにすることは一般的に、対向間隙40の幅Aが各環状シール片同士の径方向での間隙の幅Bとの比較でA≦Bの関係を満たすことであると言える。なお本実施形態ではたまたま重なり深さを深くしているが、上述のように重なり深さをできるだけ小さくすることがラビリンス効果に有効であることは本実施形態の場合にも同様である。
【0045】
一般に、衣類乾燥機のラビリンスシールに関係する両面ファンやケーシング等の各部材は例えばポリプロピレン等の合成樹脂材で成形・製作されることが多い。そのため衣類乾燥機が油成分を含んだ衣類の乾燥に頻繁に使われると、その油成分が合成樹脂材に含浸してこれを膨潤させ、両面ファンやケーシングに変形を起こし、このためにラビリンスシールにおける環状シール片同士の接触等を招くことがある。このような問題に対処するには幾つかの方法が可能である。一つは、両面ファンやケーシングの空気に触れる露出表面、特に乾燥対象の衣類からの油成分に接触する可能性のある露出表面を油成分の含浸がない材質の材料で薄く被覆する方法である。この方法によるラビリンスシールの例を第15の実施形態として図19に示す。この例では例えば油成分の含浸の原因となるゴム成分を含まない合成樹脂等などにより薄い被覆層25を両面ファン5とケーシング14、及びこれらに付随する環状シール片15と16の露出表面に形成してある。この被覆層25は、油成分を含浸しない材質であるのに加えて、その表面が親水性であるとさらに好ましい。そのためには油成分を含浸しない性質と共に親水性も併せ持つ材料で被覆層25を形成するのが好ましい。
【0046】
他の一つは、油成分の含浸がない材質かまたは油成分により膨潤などを生じることのない材質の材料で両面ファン5やケーシング14を形成することである。この場合には合成樹脂材の他に、例えばアルミニウムやマグネシウム等の金属材を用いることも考えられる。この場合にも油成分を含浸しない材質であるのに加えて、その表面が親水性であるとさらに好ましいことは上記と同様である。
【0047】
つぎに、本発明を実施する上で好ましい環状シール片の形状の幾つかの例を説明する。図20にその断面を示す環状シール片15、16は両側面26がテーパ状になっており、図21にその断面を示す環状シール片15、16は先端27が一方向にカットされた傾斜状となっており、図22にその断面を示す環状シール片15、16は先端27の中央部が鋭角で突出するように二方向にカットされており、図23にその断面を示す環状シール片15、16は図22とは逆に先端27の両端部が鋭角で突出するようにカットされて中央部にくぼみが設けられており、図24にその断面を示す環状シール片15、16はその突出方向に配列して複数の凹凸28が施されており、さらに図25にその正面から見た状態で示す環状シール片15、16はその円周方向に配列して複数の凹凸28が施されている。これらの形状は、何れもそれぞれの特性に応じて流路抵抗を増加させたりすることができるので、適宜使い分けるようにするとよい。またこれらの形状は適宜組み合わせて用いることもできる。
【0048】
以上のような本発明によるラビリンスシールは、ラビリンス効果のための主体抵抗を空気流の交互的な急拡大と急縮小に起因する形状抵抗から得るようになっているので、環状シール片の食い込み深さや重なり深さを浅くすることができ、このために熱変形等で両面ファンの反り等が生じてもその影響が少なくて済む。しかし、両面ファンの反り等はそれを生じなければそれに越したことはない。したがって、両面ファンに熱変形等で生じる可能性のある反りに対する対策を施すことは、さらに好ましいことである。その一例に関する実施形態を図26に示す。図26に見られるように、両面ファン5は、熱交換のフィンも兼ねる多数の翼29からなり、その外周部にラビリンスシール8を有している。本実施形態ではこの両面ファン5に4本の細長い補強部材30を取り付けている。各補強部材30は、一般に剛性の高い金属で形成されているプーリ31にその一端を固定し、他端をラビリンスシール8のためのファン側シール用壁部5aに固定することで取り付けてある。補強部材30は、その剛性が高いことが望ましく、そのために剛性が高い材料で形成したり、あるいは適宜な断面形状を与えることで高い剛性を得られるようにする。このように補強部材を付加することの他に、両面ファン5の翼29の形状を熱変形し難い剛性の高い形状にすることや両面ファン5を熱膨張率(線膨張率)の小さい材料で形成するも両面ファンの反り対策として有効であり、これらの対策を組み合わせて実施するとさらに好ましい。
【0049】
【発明の効果】
本発明の対向片形ラビリンスシールを採用した衣類乾燥機によれば、環状シール片を互いに食い込ませることによりラビリンス効果を得る交互片形ラビリンスシールとの組み合わせを必要としないため、温風と冷却空気との温度差による熱変形等で両面ファン等に反りが生じても流路抵抗が大きく変わるようなことがなく、より安定したラビリンスシール性能を得ることができる。また環状シール片が周囲に接触する可能性を格段に小さくすることができる。さらに環状シール片の寸法精度や製作・組立時の環境温度のコントロール条件等を緩めることができ、生産性の向上を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図2】第2の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図3】食い込み深さと圧力損失の関係図である。
【図4】モデル装置内での流れの可視化図である。
【図5】図1のラビリンスシールについての流れの推定図である。
【図6】第3の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図7】第4の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図8】第5の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図9】第6の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図10】第7の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図11】モデル装置内での流れの可視化図である。
【図12】第8の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図13】第9の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図14】第10の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図15】第11の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図16】第12の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図17】第13の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図18】第14の実施形態におけるラビリンスシールの側面断面図である。
【図19】露出表面を被覆した実施形態によるラビリンスシールの側面断面図である。
【図20】環状シール片の側面断面図である。
【図21】環状シール片の側面断面図である。
【図22】環状シール片の側面断面図である。
【図23】環状シール片の側面断面図である。
【図24】環状シール片の側面断面図である。
【図25】環状シール片の正面図である。
【図26】補強部材を持つ両面ファンの斜視図である。
【図27】従来衣類乾燥機の側面断面図である。
【図28】従来のラビリンスシールの側面断面図である。
【図29】従来のラビリンスシールにおける環状シール片の接触状況図である。
【符号の説明】
3 乾燥室
4 回転ドラム
5 両面ファン
8 ラビリンスシール
9 温風
10 冷却空気
14 ケーシング
15 ファン側の環状シール片
16 ケーシング側の環状シール片
19 軸方向の間隙
20 軸方向の間隙
21a 急縮小部
22a 急拡大部
24 半径方向の間隙
40 軸方向の間隙
Claims (1)
- 衣類を乾燥させる温風をドラム形の乾燥室内に循環させる温風ファンと、前記温風を熱交換により冷却・除湿する冷却空気を給排気する冷風ファンとが表裏一体に構成されることで熱交換と送風の二つの機能を兼ね備えた両面ファンと、前記温風と冷却空気を仕切るケーシングと、前記両面ファンと一体的に回転するように当該両面ファンの外周部に設けられているファン側シール用壁部と、該ファン側シール用壁部に対向するにして前記ケーシングに設けられている静止のケーシング側シール用壁部との間に設けたラビリンスシールと、を備えると共に、該ラビリンスシールは、前記ファン側シール用壁部から同心円的な配列で突出するように設けられた複数の環状シール片と、前記ケーシング側シール用壁部から同じく同心円的な配列で突出するように設けられた複数の環状シール片とを非接触で組み合わせることで空気流に対する流路抵抗を形成して、前記温風の流出や前記冷却空気の流入を抑制するようにした衣類乾燥機であって、ファン側シール用壁部の各環状シール片とケーシング側シール用壁部の各環状シール片とを、それぞれが互いに相手側の環状シール片同士でそれぞれの先端面を間隙を存して対向させるように配置すると共に、互いに対向する環状シール片の一方を高く、また他方を低くし、且つこれを同心円の中心側から外周側へ交互に繰り返すことにより、対向する環状シール片同士の先端間の間隙の位置を冷風ファンの回転中心軸と平行する方向へ交互にずらすことで、流路断面積の急激な交互的変化を生じさせるようにしたことを特徴とする衣類乾燥機。
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- 1998-09-02 JP JP24810598A patent/JP3723689B2/ja not_active Expired - Lifetime
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