JP3723012B2 - 車両用表示装置のフロントカバー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の運転席前方に設備される車両用表示装置に使用されるフロントカバーであって、特に表面に段差面を有する車両用表示装置のフロントカバーにおいて、その段差面による搭乗者方向への光の反射、屈折等を経済的な手段で解消することができるフロントカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車室内に設備される最近の車両用表示装置は、情報表示が多様化されており、例えば図6、図7で示す車載用計器にあっては、運転席の前方位置に配置されて、車両運行情報を表示する第1の表示ユニット1と運転席と助手席との略中間位置に配置されて、ナビゲーション、テレビ等の像を表示する直視表示ユニット2Aを備えた第2の表示ユニット2を一つのハウジング3内に組付けてなる一体構造の車両用表示装置が知られている。
【0003】
さらに上記複数の表示ユニット1と2とを一体化した車両用表示装置の構成を具体的に述べると、上記第1の表示ユニット1は、例えば車速度表示4Aとエンジンの回転数表示4Bを蛍光表示管等により自発光表示を行なうことができる反射表示ユニット4と、例えば燃料の残量表示5A、エンジンの冷却水温度表示5B、ウォーニング等のモニター表示5Cを透過表示する透過表示ユニット5とからなっている。
【0004】
上記透過表示ユニット5と直視表示ユニット2Aは、横長に形成された1個の横長ハウジング3内に設備固定され、また反射表示ユニット4は、その表示面が下向きとなるようにして、透過表示ユニット5との対応位置でハウジング3の上縁で固定維持されている。
【0005】
また上記透過表示ユニット5及び直視表示ユニット2Aを設備固定している横長ハウジング3の前面開口部には、上記透過表示ユニット5及び直視表示ユニット2Aの前面(表示面)に被せられる一枚のフロントカバー6が被着されており、上記透過表示ユニット5による表示5A,5B,5C及び直視表示ユニット2Aによる表示はフロントカバー6を透して目視することができ、また上記反射表示ユニット4による表示4A,4Bは、フロントカバー6の表面で反射され、反射虚像として反射表示される構造となっている。尚、反射表示ユニット4の表示4A,4Bが投射される領域のフロントカバー6の裏面側には、前記表示4A,4Bの二重像が発生しないように、黒色処理がなされている。
【0006】
また、上記横長ハウジング3の開口部に取付られるフロントカバー6の反射表示ユニット4による反射表示領域部分6Aのフロントカバー6の傾斜面(第1の傾斜面)は、車両のサイドガラス等から外景がフロントカバー6に映り込み、運転者に視認されることを防止するため、フロントカバー6を上下方向に湾曲させ、運転者のアイレンジ方向へ反射させないようになっている。また図8で示すようにフロントカバー6の反射表示領域部分6Aは反射表示ユニット4による表示を、運転者のアイレンジ方向へ反射させるために、傾斜面の概略傾斜角度をθ1としている。またフロントカバー6の正面の透過表示領域部分6Bの平均的な傾斜面(第2の傾斜面)は、フロントカバー6の裏側に直視表示ユニット2Aを収納するためのスペースを確保すると共にフロントカバー6の表面による外光反射等による映り込みを防止するために、反射表示領域部分6Aの傾斜面の傾斜角度θ1よりも大きい傾斜角度θ2に設定されている。従ってフロントカバー6における反射表示ユニット4による反射表示領域部分6Aと、直視表示ユニット2Aによる透過表示領域部分6Bとの間には三次元曲面からなる略三角形状の段差面6Cが形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような形状のフロントカバー6を備えた従来の車両用表示装置にあっては、そのフロントカバー6の左右方向略中間部に、反射表示ユニット4による反射表示領域部分に向って傾斜する段差面6Cが形成されているために、反射表示ユニット4による自発光表示時において、その表示の一部が段差面6Cの曲面による光学的作用で特に助手席に着座する者の方向へ反射され、助手席者にあっては、その反射光による視的違和感が生じるという不具合があった。
【0008】
そこで上記反射表示ユニット4の表示光が、上記段差面6Cで反射されることがないようにするための反射抑止手段として、図6で示すように上記反射表示ユニット4の表示面に、段差面6C方向への表示光の照射を規制するためのルーバー型フィルタ7を重ね合せて使用することが考えられているが、このルーバー型フィルタ7は高価なものであって、実用性に欠けるものであった。
【0009】
また、助手席側から運転席前方の反射表示ユニット4及び透過表示ユニット5による表示を視認した場合、上記段差面6Cと近接して配置されている透過表示ユニット5の燃料残量表示5A部の一部が段差面6Cを透して視認する事になる。(助手席から燃料残量表示5A部を視認した場合、燃料残量表示5A部の一部が段差面6Cの影となるため)従って段差面6Cを透過して視認する部分については、段差面6Cによるレンズ効果により、表示が変形し、助手席者に対して違和感を与える表示となるという不具合もあった。
【0010】
本発明は、かかる事実に鑑みてなされたもので、上記段差面を有するフロントカバーにおいて、上記段差面における表示光の反射及び表示の変形を未然に防止して表示視認性の向上及び視的違和感の解消を可能とすることができるフロントカバーの提供を第1の目的とする。
【0011】
また本発明では高価なルーバー型フィルター等の使用を省き、経済性と実用性に適したフロントカバーの提供を第2の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的及び第2の目的を達成するため、本発明の請求項1では、第1の表示ユニットによる表示領域部分(26)を形成する第1の傾斜曲面第1の表示ユニットより助手席側に位置する第2の表示ユニットによる表示領域部分(25)を形成する第2の傾斜曲面との間に左右方向に連なる段差面(27)を有するフロントカバー(11)において、上記段差面(27)の表面側又は裏面側の少なくとも一方に拡散処理層を設けたことを特徴とする車両用表示装置のフロントカバーであることを特徴としている。
【0013】
また本発明の請求項2では、第1の表示ユニットによる表示領域部分が第1の傾斜曲面に形成され、また第2の表示ユニットによる表示領域部分が第2の傾斜曲面に形成され、その第1の傾斜曲面と第2の傾斜曲面との間に段差面を有するフロントカバーにおいて、上記段差面の表面側に拡散処理層を設け、その裏面側に遮光層を設けたことを特徴とする車両用表示装置のフロントカバーであることを特徴としている。
【0014】
また本発明の請求項3では、上記請求項1又は2に加えて、拡散処理層がシボ塗装である車両用表示装置のフロントカバーであることを特徴としている。
【0015】
また本発明の請求項4では、上記請求項1又は2に加えて拡散処理層がシボ状凹凸である車両用表示装置のフロントカバーあることを特徴としている。
【0016】
また請求項5では、第1の表示ユニットによる表示領域部分が第1の傾斜曲面に形成され、また第2の表示ユニットによる表示領域部分が第2の傾斜曲面に形成され、その第1の傾斜曲面と第2の傾斜曲面との間に段差面を有するフロントカバーにおいて、上記段差面の表裏双方に、シボ状凹凸を形成してなるフロントカバーの表裏全面にハードコート層を施し、さらに該フロントカバー表面の上記段差面との対応位置にシボ塗装を施し、また該フロントカバー裏面の上記段差面との対応位置に遮光層を設けたことを特徴とする車両用表示装置のフロントカバーであることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図面に示す実施の形態に基いて詳細に説明する。
【0018】
図1乃至図4において、11は本実施の形態によるフロントカバーであるが、このフロントカバー11の外形は、従来例で述べたと同様に、第1の表示ユニット1と第2の表示ユニット2を一体となした車両用表示装置のハウジング3の前面開口部に被着される形態であって、従来例で説明したフロントカバー6と同形のものとして説明する。上記車両用表示装置と従来例で示した車両用表示装置とは同一構造であるので、同一符号を付してその詳細構造についての説明を省略する。なお、このフロントカバー11は、透明又は半透明で光透過性を有する樹脂(PMMA又はPC)により横長略長方形に形成されており、その周縁各所にはハウジングへの取付ねじを挿通するための取付孔12を穿設してなる取付片13が一体に形成されており、またフロントカバー11の下縁には、該フロントカバー11の下縁とハウジング開口部下縁との隙間から、そのハウジング内への塵埃の侵入を防ぐためのフランジ24が一体に形成されている。
【0019】
またフロントカバー11の横幅方向略中央より右側部分は第1の表示ユニットにより表示される表示領域部分26が形成される第1の傾斜曲面であり、またその左側部分は、第2の表示ユニットにより表示される表示領域部分25が形成される第2の傾斜曲面であり、その表示領域部分25の背後には従来例で述べたと同様の直視表示ユニット2Aが配置される。上記第1の表示ユニットによる表示領域部分26の背後には従来例で述べたと同様の透過表示ユニット5が、また表示領域部分26の上部には従来例で述べたと同様の反射表示ユニット4が配置されるものである。また図5で示すように、反射表示ユニット4の表示面に着色フィルター33を重ね合せ、反射表示ユニット4により発光表示される表示像を上記着色フィルター33を透して着色または発光表示輝度の調整を行っている。
【0020】
そして上記第1の表示ユニットによる表示領域部分26が形成される第1の傾斜曲面及び第2の表示ユニットによる表示領域部分25が形成される第2の傾斜曲面については、従来と同様に、第2の傾斜曲面の概略傾斜角度が、第1の傾斜曲面の概略傾斜角度θ1よりも大きい概略傾斜角度θ2に設定されていることから、そのフロントカバー11における第1の傾斜曲面と第2の傾斜曲面との間には、前後方向へ三次元形状に湾曲した段差面27が自ずと形成される。
【0021】
フロントカバー11には、上記段差面27を有することで、その段差面27により、例えば反射表示ユニット4による自発光表示の一部が助手席に着座する者の方向へ反射し、視的違和感を与えると共に、助手席側から段差面27をはさんで、段差面27に近接して配置される透過表示ユニット5の燃料残量表示部を視認した場合、燃料残量表示部の一部を段差面27を透して視認することになり、該表示部の表示が変形視認され、違和感を与えるという不具合を生じるので、本発明では、この不具合を解消するための手段として、上記段差面27に拡散処理手段を設けたものである。
【0022】
次に上記段差面27のみに施す拡散処理手段の具体的な各実施の形態を図4に基いて説明する。図4の(イ)で示す第1の実施の形態では、フロントカバー11を形成している透明又は半透明である樹脂製基板28の表裏全面に、その樹脂製基板の損傷を防止させるためのハードコート層29を施し、そのハードコート層29を施した樹脂製基板28の表側及び裏側双方でかつ上記段差面27の部分にシボ塗装30による光拡散処理層を施こしてフロントカバー11を完成したものである。シボ塗装とは、表面が微細な凹凸を有している例えばシリカ等の微粒子が混入された塗料を塗布するものであり、その表面をミクロ的に見ると、前記シリカ等の微粒子の一部が表面に露出しており、その露出されたシリカ微粒子の表面で光が乱反射し光拡散効果を得ているものである。また、フロントカバー裏面側に形成される光拡散処理層はシボ塗装に限定されるものではなく、黒色処理層(遮光層)でもよい。
【0023】
これによれば、反射表示ユニット4から照射される表示光の一部が段差面27の表面へ照射されても、シボ塗装処理された段差面27の表面はシリカ等の微粒子が露出しているため、反射表示ユニット4からの表示光はシボ塗装面で乱反射拡散される。また、段差面27表面のシボ塗装面で乱反射されず、フロントカバー11の基板内部へ入光する一部の表示光は、段差面27の裏面で表面側へ向け反射されるが、段差面27の表面側シボ塗装面にて再度乱反射拡散されるため、反射表示ユニット4により照射された表示光が段差面27の表面により助手席側へ反射されることはなく視的違和感を解消することができる。
【0024】
また、第1の傾斜曲面の裏面側で段差面27と近接配置されている透過表示ユニット5の燃料残量表示部の表示光の一部が段差面27の裏面側へ照射されても、段差面27の裏面側に形成されているシボ塗装面により乱反射拡散される。また該裏面側シボ塗装面で乱反射されず、フロントカバー11の基板内部へ入光する表示光も有するが、該表示光は段差面27の表面側に形成されたシボ塗装面により乱反射拡散される。すなわち段差面27を屈折透過してくる表示光はシボ塗装により大きく減衰されるため、助手席の視認者は段差面27を屈折透過してくる表示光により違和感を覚えることはない。
【0025】
また、段差面27の裏面側のシボ塗装を黒色処理層(遮光層)とすることにより、前記燃料残量表示部から照射された表示光の一部が段差面27の裏面側へ照射されても、段差面27の裏面が黒色処理層により表示光が吸収遮光され、段差面27を透過することができないため、助手席の視認者は段差面27を屈折透過してくる表示光を視認することはなく、違和感を覚えることはない。
【0026】
また図4の(ロ)で示す第2の実施の形態では、上記樹脂製基板28を樹脂成形するときに使用する金型(図示せず)の上記段差面27に対応する位置のみにシボ型面を形成しておき、この金型シボを用いて段差面27の表面側にシボ状微細凹凸31を転写してなる樹脂製基板28を成形する。次にこの樹脂製基板28の表裏全面に、樹脂製基板28の損傷を防止せしめるためのハードコート層29を施し、そのハードコート層29を施した樹脂製基板28の裏面で、かつ上記段差面27の部分にシボ塗装30による光拡散処理層を施してフロントカバー11を完成したものである。尚、フロントカバー裏面側に形成される光拡散処理層はシボ塗装に限定されるものではなく、黒色処理層(遮光層)でもよい。
【0027】
この実施の形態では、反射表示ユニット4から照射される表示光の一部が段差面27の表面へ照射されると、段差面27の表面に形成されたシボ状微細凹凸31により表示光が乱反射拡散される。また、段差面27表面のシボ状微細凹凸で乱反射されず、フロントカバー11の基板内部へ入光する一部の表示光は、段差面27の裏面で表面側へ向け反射されるが、段差面27の表面側のシボ状凹凸にて再度乱反射拡散されるため、反射表示ユニット4により照射された表示光の反射を弱めることができる。
【0028】
また、第1の傾斜曲面の裏面側で段差面27と近接配置されている透過表示ユニット5の燃料残量表示部の表示光の一部が段差面27の裏面側へ照射されても、段差面27の裏面側に形成されているシボ塗装面及び段差面27の表面側のシボ状微細凹凸面にて乱反射拡散され減衰されるため、助手席の視認者は段差面27を屈折透過してくる表示光により違和感を覚えることはない。
【0029】
また、本実施の形態は、段差面27の表面側光拡散処理層を樹脂成形時に形成したことにより、第1の実施の形態に対し段差部27の表面側シボ塗装を削除できるため、安価に作成することができる。
【0030】
図4の(ハ)で示す第3の実施の形態では、上記第2の実施の形態であるフロントカバー11表面の上記段差面27対応部分にもシボ塗装30による光拡散処理層を施してフロントカバー11を完成したものである。
【0031】
これによれば、反射表示ユニット4から照射される表示光の一部が段差面27の表面へ照射されても、まず、第1の光拡散処理層であるシボ塗装面で乱反射拡散され、また、このシボ塗装面で乱反射拡散されず、さらに段差面27の裏面側へ進む表示光は、樹脂成形時に形成された表面側シボ状微細凹凸31により表示光が乱反射拡散される。また、さらに段差面27表面のシボ状微細凹凸31で乱反射されず、フロントカバー11の基板内部へ入光する一部の表示光は、段差面27の裏面で表面側へ向け反射されるが、段差面27の表面側のシボ状微細凹凸31及びシボ塗装面で乱反射拡散されるため、反射表示ユニット4により照射された表示光が段差面27の表面により助手席側へ反射されることはなく視的違和感をほぼ完全に解消することができる。
【0032】
また、第1の傾斜曲面の裏面側で段差面27と近接配置されている透過表示ユニット5の燃料残量表示部の表示光の一部が段差面27の裏面側へ照射されても、段差面27の裏面側に形成されているシボ塗装面、段差面27の表面側のシボ状微細凹凸面及び段差面27の表面側シボ塗装面にて、トータル3回、乱反射拡散され減衰されるため、助手席の視認者は段差面27を屈折透過してくる表示光により違和感を覚えることはない。
尚、本実施の形態は第1の実施の形態よりも良好な結果を得ることができる。
【0033】
図4の(ニ)で示す第4の実施の形態では、樹脂製基板28を樹脂成形するときに使用するキャビティ型及びコア型の双方に上記段差面27に対応する位置にシボ型面を形成しておき、この金型シボを用いて段差面27の表裏両面にシボ状微細凹凸31による光拡散処理層を転写してなる樹脂製基板28を成形する。次にこの樹脂製基板28の表裏全面に樹脂製基板28の損傷を防止せしめるためのハードコート層29を施してフロントカバー11を完成させたものである。
【0034】
この実施の形態では、反射表示ユニット4から照射される表示光の一部が段差面27の表面へ照射されると、段差面27の表面に形成されたシボ状微細凹凸31により表示光が乱反射拡散される。また、段差面27表面のシボ状微細凹凸で乱反射されず、フロントカバー11の基板内部へ入光する一部の表示光は、段差面27の裏面に形成されているシボ状微細凹凸31により乱反射拡散されるため、反射表示ユニット4により照射された表示光の反射を弱めることができる。
【0035】
また、第1の傾斜曲面の裏面側で段差面27と近接配置されている透過表示ユニット5の燃料残量表示部の表示光の一部が段差面27の裏面側へ照射されても、段差面27の裏面側に形成されているシボ状微細凹凸及び段差面27の表面側のシボ状微細凹凸面にて乱反射拡散され減衰されるため、段差面27を屈折透過してくる表示光が弱められる。
【0036】
尚、本実施の形態は、段差面27の表裏面の光拡散処理層を樹脂成形時に形成したことにより、第2の実施の形態に対し段差部27の裏面側シボ塗装を削除できるため、さらに安価に作成することができる。
【0037】
図4の(ホ)で示す第5の実施の形態では、第4の実施の形態と同様にフロントカバー11の上記段差面27部分との対応位置表裏に、シボ状微細凹凸31による光拡散処理層を転写してなる樹脂製基板28を形成し、この樹脂製基板28の表裏全面にハードコート層29を施しフロントカバー11を予備形成する。次いでこのフロントカバー11の表面の上記段差面27部分のみにシボ塗装30による光拡散処理層を施し、また該フロントカバー11裏面の上記段差面27部分のみに黒色処理層(遮光層)32を形成したフロントカバーである。この第5の実施の形態では、樹脂製基板28の成形時に、その段差面27の表裏面にシボ状微細凹凸31を形成するが、このシボ状微細凹凸31は、その樹脂製基板28の表裏面全面にハードコート層29を施すことにより、上記シボ状微細凹凸31による光拡散効果が若干損なわれることになる。このために上記シボ状微細凹凸31を形成した後にハードコート層29を施してなるフロントカバーの表面側は、上記段差面27に対応してシボ塗装30を施し、またそのフロントカバーの裏面では上記段差面27に対応して黒色処理層(遮光層)32を施している。
【0038】
これにより、反射表示ユニット4から照射される表示光の一部が段差面27の表面へ照射されても、まず、第1の光拡散処理層であるシボ塗装30で乱反射拡散され、また、このシボ塗装30で乱反射拡散されず、さらに段差面27の裏面側へ進む表示光は、樹脂成形時に形成された表面側シボ状微細凹凸31により表示光が乱反射拡散される。また、さらに段差面27表面のシボ状微細凹凸31で乱反射されず、フロントカバー11の基板内部へ入光する一部の表示光は、段差面27の裏面に形成されているシボ状微細凹凸31により乱反射拡散され、反射表示ユニット4により照射された表示光が段差面27の表面により助手席側へ反射されることはなく視的違和感を完全に解消することができる。
【0039】
また、第1の傾斜曲面の裏面側で段差面27と近接配置されている透過表示ユニット5の燃料残量表示部の表示光の一部が段差面27の裏面側へ照射されても、段差面27の裏面側が黒色処理層(遮光層)されていることにより、表示光は段差面27を透過することができないため、助手席の視認者は段差面27を屈折透過してくる表示光を視認することはなく、違和感を覚えることはない。
【0040】
また上記段差面対応位置のみにシボ塗装30を施すとき、マスキングが必要となるが、このマスクの位置合せは、樹脂製基板28に既に形成されているシボ状微細凹凸の形成位置(シボ境界位置)を基準に位置させることができるために、樹脂製基板28にマスク位置決用のけがき作業を省くことができる。(第3の実施の形態でも適用可能)
【0041】
上記の各実施の形態で示すように、フロントカバー11における段差面27の表面又は裏面の少なくとも一方に、シボ塗装30又はシボ状微細凹凸31による光拡散処理層を形成したことにより、反射表示ユニット4から照射される表示光の一部が段差面27の表面へ照射されても、光拡散処理層であるシボ塗装30又はシボ状微細凹凸31で乱反射拡散され、ルーバ型フィルタを用いることなく、その段差面27での特に助手席者方向への光の反射が解消される。従って反射表示ユニットによる自発光表示時において、その表示の一部が助手席者方向へ反射されることがなく、助手席者に対する視的違和感が解消できる。
【0042】
さらに第1の傾斜曲面の裏面側で段差面27と近接配置されている透過表示ユニット5の表示光の一部が段差面27の裏面側へ照射されても、段差面27に形成されているシボ塗装30またはシボ状微細凹凸31により乱反射拡散され減衰されるため、段差面27を屈折透過してくる表示光による違和感を解消することができる。
【0043】
また上記フロントカバー11における段差面27の裏面には黒色処理層による遮光層32を設けることにより、例えば透過表示ユニット5による表示光の一部がフロントカバー11の段差面27裏面側へ照射されても、黒色処理層(遮光層)により遮光され、表示光は段差面27を透過することができないため、助手席の視認者は段差面27を屈折透過してくる表示光を視認することはなく、視的違和感を生じることがない。
よって視認性に優れた車両用表示装置の提供が可能となる。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1によれば、運転席側に位置する第1の表示ユニットによる表示領域部分(26)を形成する第1の傾斜曲面と、第1の表示ユニットより助手席側に位置する第2の表示ユニットによる表示領域部分(25)を形成する第2の傾斜曲面との間に左右方向に連なる段差面(27)を有するフロントカバー(11)において、上記段差面(27)の表面側又は裏面側の少なくとも一方に拡散処理層を設けたことを特徴とする車両用表示装置のフロントカバーであるから、上記段差面における反射表示ユニット(4)から照射される表示光の反射が防止でき、また、透過表示ユニットから表示される一部の表示像がフロントカバーの段差面を透して助手席方向に屈折透過される表示光を抑制でき、これにより助手席乗員が視的違和感を感じることのない視認性に優れた表示が可能となる。
【0045】
また本発明の請求項2によれば、第1の表示ユニットによる表示領域部分が第1の傾斜曲面に形成され、また第2の表示ユニットによる表示領域部分が第2の傾斜曲面に形成され、その第1の傾斜曲面と第2の傾斜曲面との間に段差面を有するフロントカバーにおいて、上記段差面の表面側に拡散処理層を設け、その裏面側に遮光層を設けたことにより、請求項1の効果に対し、確実に段差面を屈折透過してくる表示光を遮光でき、助手席の視認者に対し、視的違和感を与えることがない。
【0046】
また本発明の請求項3によれば、請求項1又は2のフロントカバーにおいて、拡散処理層をシボ塗装としたことにより、シボ塗装面表面に形成される微細な凹凸により段差面に照射される表示光を確実に乱反射拡散させることができ、助手席の視認者に対し、視的違和感を与えることがない。
【0047】
また本発明の請求項4によれば、請求項1又は2のフロントカバーにおいて、拡散処理層をシボ状凹凸としたことにより、フロントカバー成形時に容易に作成することができ、製作コストを低く押さえながらも、段差面に照射される表示光を乱反射拡散させることができ、助手席の視認者に対し、視的違和感を与えることがない。
【0048】
また本発明の請求項5によれば、第1の表示ユニットによる表示領域部分が第1の傾斜曲面に形成され、また第2の表示ユニットによる表示領域部分が第2の傾斜曲面に形成され、その第1の傾斜曲面と第2の傾斜曲面との間に段差面を有するフロントカバーにおいて、上記段差面の表裏双方に、シボ状凹凸を形成してなるフロントカバーの表裏全面にハードコート層を施し、さらに該フロントカバー表面の上記段差面との対応位置にシボ塗装を施し、また該フロントカバー裏面の上記段差面との対応位置に遮光層を設けたことにより、段差面の表面側から段差面へ向けて照射される表示光は確実に乱反射拡散による減衰により、助手席者方向への光の反射が確実に解消される。また、表示光の一部が段差面裏面側へ照射されても、黒色処理層(遮光層)により遮光され、助手席の視認者は段差面を屈折透過してくる表示光を視認することはなく、視認性に優れた表示を行うことができる。また上記段差面対応位置のみにシボ塗装を施すとき、マスキングが必要となるが、フロントカバー成形時に既に形成されているシボ状凹凸形成位置(シボ境界位置)を基準にマスクを位置させることができるために、マスク位置決用のけがき作業を省くことができるという効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明よりなるフロントカバーの実施の形態を示した平面図。
【図2】本発明よりなるフロントカバーの実施の形態を示した正面図。
【図3】本発明よりなるフロントカバーの実施の形態を示した要部斜視図。
【図4】(イ)〜(ホ)は本発明よりなるフロントカバーのそれぞれの実施の形態を示した断面説明図。
【図5】本発明よりなるフロントカバーを取付けた車両用表示装置の斜視図。
【図6】従来の車両用表示装置の斜視図。
【図7】従来の車両用表示装置の正面図。
【図8】従来の車両用表示装置の側面説明図。
【符号の説明】
11…フロントカバー
12…取付孔
13…取付片
24…フランジ
25…透過表示領域部分
26…反射表示領域部分
27…段差面
28…樹脂製基板
29…ハードコート層
30…シボ塗装(光拡散処理層)
31…シボ状微細凹凸(光拡散処理層)
32…遮光層
33…着色フィルター

Claims (5)

  1. 運転席側に位置する第1の表示ユニットによる表示領域部分(26)を形成する第1の傾斜曲面第1の表示ユニットより助手席側に位置する第2の表示ユニットによる表示領域部分(25)を形成する第2の傾斜曲面との間に左右方向に連なる段差面(27)を有するフロントカバー(11)において、上記段差面(27)の表面側又は裏面側の少なくとも一方に拡散処理層を設けたことを特徴とする車両用表示装置のフロントカバー。
  2. 第1の表示ユニットによる表示領域部分(26)が第1の傾斜曲面に形成され、また第2の表示ユニットによる表示領域部分(25)が第2の傾斜曲面に形成され、その第1の傾斜曲面と第2の傾斜曲面との間に段差面(27)を有するフロントカバー(11)において、上記段差面(27)の表面側に拡散処理層(30),(31)を設け、その裏面側に遮光層を設けたことを特徴とする車両用表示装置のフロントカバー。
  3. 上記拡散処理層がシボ塗装であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用表示装置のフロントカバー。
  4. 上記拡散処理層がシボ状凹凸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用表示装置のフロントカバー。
  5. 第1の表示ユニットによる表示領域部分(26)が第1の傾斜曲面に形成され、また第2の表示ユニットによる表示領域部分(25)が第2の傾斜曲面に形成され、その第1の傾斜曲面と第2の傾斜曲面との間に段差面(27)を有するフロントカバー(11)において、上記段差面(27)の表裏双方に、シボ状凹凸を形成してなるフロントカバー(11)の表裏全面にハードコート層を施し、さらに該フロントカバー(11)表面の上記段差面(27)との対応位置にシボ塗装を施し、また該フロントカバー(11)裏面の上記段差面(27)との対応位置に遮光層を設けたことを特徴とする車両用表示装置のフロントカバー。
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