JP3723008B2 - Eepromを備えた制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス給湯装置等の機器の制御を行う制御装置であって、RAMに展開するデータを記憶するEEPROMを備えた制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
EEPROMは電圧を印加することにより内部に記憶されているデータを簡単に書き換えることができ、且つ停電等により電力が全く供給されない状態になっても内部に記憶されたデータが失われない。そこで、ガス給湯装置では湯温の設定値等の頻繁に変更されるデータはRAMに格納しておき、通常はRAMからデータを読み出して制御を行うが、RAMのデータが書き換えられてから所定時間後や停電後バックアップ電源によりバックアップされている間に、RAMの中のデータをEEPROMに格納している。データがEEPROMにバックアップされるとRAM内のデータを保持する必要がないので停電復帰までRAM内のデータは消去されている。そして停電復帰するとEEPROM内のデータが新たにRAMに展開される。
【0003】
一方、例えばガス給湯装置であればバーナに供給するガス量を調節する比例制御弁が取り付けられている。ガス給湯装置を工場から出荷する際には比例制御弁に供給する電流値をガス給湯装置毎に調節する必要がある。該電流値は調整値としてEEPROMに格納されるデータの1つであり、ガス給湯装置が作動している状態ではRAMに展開されている。そこで、EEPROMに格納されているデータとRAMに展開されているデータとの双方を書き換え、調整値が設定値になっているかを確認する。即ち、停電復帰するとEEPROMのデータがRAMに展開されるプログラムを利用して、電源供給を停止し停電状態を人為的に作り、再度電源を投入して停電復帰させEEPROMのデータがRAMに展開された後、再度調整値が設定値通りになっているかを確認して調節作業を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の調節方法では、調節工程の最後に電源供給の停止及び電源の再供給を行ない、EEPROM内のデータをRAMに展開させて、EEPROMに格納されているデータが調整値通りであることを確認しなければならないが、具体的にはガス給湯装置の電源プラグを製造ラインの途中に設けたコンセントから引き抜き、再度差し込む作業を行うことになり、調節作業が繁雑になるばかりか所要時間が長くなるという不具合がある。
【0005】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、簡単な工程で、且つ短時間にEEPROMのデータを確認して調節することのできる制御装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、機器を制御するために用いるデータが展開されるRAMと、該RAMに展開するデータを記憶するEEPROMとを備えた制御装置において、EEPROM内のデータを書き換えるデータ書換手段と、EEPROM内のデータが書き換えられたことを検知する検知手段と、該データの書換の完了により書き換え後のEEPROM内のデータを自動的にRAMに展開させるデータ展開手段とを備え、EEPROMのデータを書き換えた際に、書き換え後のEEPROMからRAMに展開されたデータに基づいて前記機器を動作させて、該機器の動作を確認することにより、書き換え後のEEPROM内に前記書き換えたデータが正しく格納されていると確認することを特徴とする。
【0007】
データ展開手段を設けることにより、EEPROM内のデータを書き換えると停電復帰を待つことなく直ちにEEPROM内のデータがRAMに展開され、その状態で設定通りの作動をしていればEEPROM内のデータが確認され調節作業を終了することができる。そのためその後に停電復帰状態を作ってEEPROM内のデータをRAMに展開させるという従来行っていた工程が不要になる。
【0008】
尚、データ展開手段は別途回路を付加してハードとして実現してもよいが、データ展開手段として、制御プログラムの一部に、EEPROM内のデータの書換完了によりEEPROM内のデータをRAMに展開させるプログラムを付加し、ソフトとしてデータ展開手段を実現すれば、ハードで実現するよりコストを低く抑えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、1は例えばガス給湯装置等の機器内に組み込まれた制御装置であり、中央演算部11を備えている。該中央演算部11には所定の制御を行うための制御プログラムが格納されたROM12が接続されており、ROM12内の制御プログラムに従って機器の制御を行う。ガス給湯装置には比例制御弁2が内蔵されており、バーナへ供給するガス量を比例制御弁2の開度を調節することにより制御している。該比例制御弁2にはインターフェイス14を介して電流が供給され、該供給電流を増減することにより比例制御弁2の開度を変化させる。ガス給湯装置を工場から出荷する前に比例制御弁2の下流のガス圧である2次圧をチェックしながら供給電流値に対応する該開度を調整する必要がある。該開度はデータである調整値としてEEPROM5に格納されており、電源が投入されるとEEPROM5からRAM4に展開される。中央演算部11はROM12の制御プログラムに従ってRAM4内の調整値に基づく開度になるように比例制御弁2への供給電流を制御する。従って、RAM4内の調整値を変更することによって比例制御弁2への供給電流を変更することができる。ところで、RAM4にはリモコン16を介して設定される出湯温度についてのデータも記憶されているが、RAM4は停電になり電力が供給されなくなると記憶しているデータが消滅する。従って、制御装置1にバックアップ電源となるコンデンサを取り付け、停電になるとコンデンサに充電された電力により所定時間(例えば1秒間)バックアップされている間にRAM4のデータをEEPROM5に格納するようにプログラムされている。そして、停電復帰するとEEPROM5に格納されているデータを再びRAM4内に展開するようにプログラムされている。EEPROM5は内部に記憶されているデータを自由に書き換えることができ、且つ停電等により電力が供給されない状態になっても内部のデータが消滅しないメモリである。尚、EEPROM5のデータをRAM4に展開する前に一旦データチェック用RAM13に展開し、EEPROM5に格納されているデータにエラーがないことが確認されてからRAM4にデータを展開するように構成されている。
【0010】
該制御装置1には調整用の通信ポート15が設けられており、上記の調整値を変更する場合には該通信ポート15に外部装置である調整装置として例えばパソコン3を接続し、該パソコン3により調整値を変更する。従来であればパソコン3によってRAM4の調整値とEEPROM5に格納されている調整値との双方を書き換えるようにプログラムされていたが、本実施の形態ではEEPROM5に格納されている調整値のみを書き換えることとした。そして更に、書換が完了すると直ちにEEPROM5内の書換後の調整値をRAM4に展開するようにプログラムした。
【0011】
上述のプログラムを内蔵しているので、図2に示すように、パソコン3から調整値を変更する指示がされると、中央演算部11はパソコン3に対して許可信号を出力し、パソコン3から出力されてくる新たな調整値である指示調整値をEEPROMに書き込む(S1・S2)。書き込みが完了した旨の信号を中央演算部11が受け取ると、中央演算部11はEEPROM5から書き換えられたばかりの調整値を読み出し、データチェック用RAM13で調整値をチェックする(S4)。調整値に異常がなければその調整値をRAM4に展開し展開された調整値に基づいて比例制御弁2の開度制御を行い供給電流値が設定値通りになっているかを確認する(S6)。
【0012】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、データを変更する際、EEPROM内に格納されているデータを変更し、変更完了後直ちにEEPROM内のデータをRAMに展開するので、従来のように人為的に停電状態を作り更に停電復帰させる必要がなくEEPROM内のデータを変更し、更に確認する工程が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示すブロック図
【図2】調整値を変更する手順を示すフロー図
【符号の説明】
1 制御装置
2 比例制御弁
3 パソコン

Claims (1)

  1. 機器を制御するために用いるデータが展開されるRAMと、該RAMに展開するデータを記憶するEEPROMとを備えた制御装置において、EEPROM内のデータを書き換えるデータ書換手段と、EEPROM内のデータが書き換えられたことを検知する検知手段と、該データの書換の完了により書き換え後のEEPROM内のデータを自動的にRAMに展開させるデータ展開手段とを備え、EEPROMのデータを書き換えた際に、書き換え後のEEPROMからRAMに展開されたデータに基づいて前記機器を動作させて、該機器の動作を確認することにより、書き換え後のEEPROM内に前記書き換えたデータが正しく格納されていると確認することを特徴とするEEPROMを備えた制御装置。
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