JP3722759B2 - シャッター付きコネクタ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相手側コネクタとの非接続状態で、コンタクトの接触部を覆い保護するシャッターを備えたコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
相手コネクタと電気接続するために、接続部上に複数のコンタクトの接触部が配設されているコネクタでは、非接続状態において、露出するコンタクトの接触部に、異物が接触して変形したり、ショートすることがあり、これを防止するために、非接続状態でコンタクトの接触部を覆うシャッターを組み込んだコネクタが知られている。
【0003】
このシャッターは、非接続状態で、相手コネクタが挿入される挿入孔の開口に臨み、コンタクトの接触部を覆うように設けられるが、相手コネクタが接続される際に、この接触部を露出させるために、相手コネクタに押されて開口から後退させる必要があり、進退移動自在となるようにコネクタに組み込まれる。
【0004】
図6乃至図8は、このようなシャッターを備えた第1の従来のコネクタ100を、図9及び図10は、特開平9−69375号公報に開示された第2の従来のコネクタ200を示す。
【0005】
第1の従来のコネクタ100では、図6及び図7に示すように、シャッター101を絶縁ハウジング102の幅方向の左右両側に設けた一対のコイルバネ(圧縮バネ)103によって、相手コネクタ(図示省略)の方向に移動するように付勢する構造となっている。絶縁ハウジング102には、その両面に複数のコンタクト104が所定間隔で整列して配設されているとともに、相手コネクタ(図示せず)のアースコンタクトが接触するアースシェル105が相手コネクタの挿入側に設けられている。
【0006】
シャッター101は図7に示すように、筒状に成形されており、コンタクト104の接触部104aを覆うとともに、相手コネクタの挿入方向(図中上下方向)に沿って進退移動自在に絶縁ハウジング102に取り付けられている。左右一対のコイルバネ103は、絶縁ハウジング102に形成したボス部102aに位置決めされた状態で、絶縁ハウジング102とシャッター101との間に圧縮して配置され、シャッター101を図中上方へ付勢している。なお、シャッター101は、金属板からなるシールド板106で覆われている。
【0007】
このような構造では、相手コネクタの非接続状態で、シャッター101が抜けでないように、コイルバネ103の付勢力に抗してシャッター101を抜け止めする必要がある。このため、図8に示すように、アースシェル105の左右両端の内側に係止段部105aを形成するとともに、シャッター101と一体のシールド106の係止段部105aに対向する部位をL字に折り曲げてストッパ段部107を形成し、係止段部105aに当接させることによりシャッター101の上方への抜け止めを行っている。
【0008】
このコネクタでは、コイルバネ103を圧縮させた状態で、アースシェル105を覆うようにシャッター101をアースシェル105の先端側(上方)から押し込む。押し込み前は、シャッター101側のシールド板106にストッパ段部107が形成されておらず、シャッター101が係止段部105aを通過した後に、治具を用いてシールド板106をL字に折り曲げてストッパ段部107を形成し、シャッター101の組み込みを行う。
【0009】
第2の従来のコネクタ200では、図9及び図10に示すように、単一のトーションバネ(捻りバネ)201によってシャッター202を、相手コネクタの方向に付勢するものである。
【0010】
絶縁ハウジング203は、後背板203cと一対の側板203dによるコの字状の枠部に囲まれた枡状に形成され、前方(図9において、右方)が、相手コネクタを挿入する挿入孔の開口207となっている。
【0011】
シャッター202は、枡状の絶縁ハウジング203内に遊嵌する外形で、絶縁ハウジング203の底面上に配設されたコンタクトの接触部204を覆うように、断面L字状に成形されている。シャッター202は、直線状のガイド突起205を、底面の中央に有しており、相手コネクタの挿入方向(前後方向)に沿って絶縁ハウジング203の対向面上に形成された一対のガイドリブ206、206間に、ガイド突起205が案内されることにより、前後方向に進退自在となっている。
【0012】
トーションバネ201は、円形に巻回された巻回部201aの両側からアーム部201b、201cが延びており、巻回部201aを絶縁ハウジング203の底面隅に立設したボス部203aに嵌め込み、一方のアーム部201bを絶縁ハウジング203の底面に形成した突起203bと絶縁ハウジング203の後背板203cとの間に挿入する一方、他方のアーム部201cをシャッター202のガイド突起205の後端に当接させることにより、シャッター202を前方へ付勢している。前方に付勢されるシャッター202は、側板203dの前端で開口207側に突出するストッパー部(図示せず)等の抜け止め手段に当接し、開口207を覆う前進位置に位置決めされる。
【0013】
このコネクタでは、絶縁ハウジング203の前方から相手コネクタを挿入することにより、シャッター202が相手コネクタに押されて後方(左方)に移動する。この移動によって、トーションバネ201が破線のように撓むため、シャッター202を元の位置に復帰させるためのトルクが蓄積される。従って、相手コネクタを絶縁ハウジング203から外すと、シャッター202は前進位置に復帰し、コンタクトの接触部204を覆うため、これを保護することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の従来のコネクタ100では、相手コネクタが正規の挿入方向に対して斜めに挿入され、シャッター1の中心から外れた位置が押されても、その姿勢を保ち、相手コネクタが抜き出された後にコイルバネ103で復帰するように、幅方向の左右に一対のコイルバネ103、103が配置されるものであり、一対のコイルバネ103を配置するスペースを設けるために絶縁ハウジング102の幅が大きくなり、コネクタが大型化するとともに、部品点数が増加してコスト高の原因となっていた。
【0015】
また、コイルバネ3を圧縮させた状態を保ちながら、シールド板106をL字に折り曲げてストッパ段部107を形成する必要があるため、組み立ての作業性が極めて悪いものとなっていた。
【0016】
更に、シャッター101の抜け止めを行うストッパ段部107を折り曲げて形成するため、折曲位置によってシャッター101の停止位置が異なることとなるばかりか、係止段部105aとの衝突を繰り返すことにより徐々に変形して停止位置が変化し、更に変形すると係止段部105aに当接することなく、シャッター101が抜け出てしまう問題があった。
【0017】
また、第2の従来のコネクタ200では、一本のトーションバネ201を用い、しかもガイド突起205の後端の一カ所でシャッター202と連結するものであるため、シャッター202が前後方向に対して偏った方向に押し込まれると、シャッター202が正規の進退方向である前後方向に対して傾斜し、押し込みにくくなり、また、その姿勢のまま押し込みを解除して復帰させようとすると、傾斜したシャッター202が開口207近傍に形成されたストッパー部を乗り越え、抜け出てしまう問題があった。
【0018】
このため、シャッター202を姿勢を傾斜させずに、前後方向に案内するため、ガイドリブ206とガイド突起205を形成する必要があり、構造が複雑となっている。
【0019】
更に、一本のトーションバネ201であっても、一方のアーム部201bを絶縁ハウジング203の枠内に嵌め込み、圧縮させた状態で他方のアーム部201cを、抜けでないように絶縁ハウジング203に組み込んだシャッター202へ連結する必要があるため、組み立てが面倒なものとなっている。
【0020】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、シャッターを絶縁ハウジングに進退自在で、かつ抜け出ることなく、簡単に組み込むことができ、組み立て容易なシャッター付きコネクタを提供することを目的とする。
【0021】
また、シャッターを付勢するトーションバネを簡単に組み付けることができるシャッター付きコネクタを提供することを目的とする。
【0022】
また、1本のトーションバネを用いるだけで、シャッターを傾斜させることなく進退自在に案内するシャッター付きコネクタを提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明のシャッター付きコネクタは、複数のコンタクトの接触部を、接続部上に配設する絶縁ハウジングと、相手コネクタが挿入される挿入孔が形成され、絶縁ハウジングに取り付けられるアースシェルと、挿入孔の開口に臨む前進位置と、複数のコンタクトの接触部を露出させる後退位置の間で、前後方向に進退自在となるように、接続部とアースシェルの間に配設されたシャッターと、シャッターを、前方へ付勢するトーションバネとを備え、挿入孔に挿入される相手コネクタにより、シャッターを後退位置へスライドさせ、複数のコンタクトの接触部を相手コネクタのコンタクトへ接触させるシャッター付きコネクタであって、
アースシェルは、前後方向と直交する幅方向のほぼ中央に、外方に向けて突設された係合部と、係合部の幅方向の両側に、前後方向を長手方向として穿設された一対のガイド溝とを有し、シャッターは、一対のガイド溝にそれぞれ挿通し、ガイド溝により進退方向に案内される一対のガイド耳片を有し、
中間部をアースシェルの係合部へ係合させたトーションバネの両端を、ガイド溝から外方に突出する一対のガイド耳片の連結孔に挿通して、シャッターを前方へ付勢するトーションバネをアースシェルの外方から取り付けるとともに、ガイド溝により前後方向に進退自在に案内されるシャッターを抜け止めすることを特徴とする。
【0024】
請求項1の発明では、トーションバネの中間部をアースシェルの外側に突設された係合部に係合し、両端をガイド溝から突出するガイド耳片の連結孔へ挿通するだけで、シャッターを前方に付勢するトーションバネを、アースシェルの外側から簡単に組み付けることができる。
【0025】
トーションバネの一端を連結孔に挿通させたガイド耳片は、ガイド溝の前端から抜け出ることがないので、シャッターの抜け止め手段を特に設けることなく、抜け止めされる。
【0026】
1本のトーションバネの両端でシャッターを前方に付勢するので、幅方向の左右に一対のバネを配設したのと同様に、中心から偏った位置が押し込まれても、押し込み方向のトーションバネの一端が働き、確実にシャッターを前進位置まで、復帰させることができる。
【0027】
また、ガイド耳片を挿通するトーションバネの一端がガイド溝の周囲に当接することによって、シャッターは、大きく傾斜することなく、円滑に進退移動する。
【0028】
請求項2のシャッター付きコネクタは、ガイド溝の前端にガイド耳片が当接する位置で、シャッターが前進位置に位置決めされることを特徴とする。
【0029】
ガイド溝の前端を、シャッターの前進位置の位置決めに用いるので、量産する際に、精度よくシャッターの前進位置を設定できる。
【0030】
相手コネクタを挿抜させる都度、繰り返しシャッターがガイド溝の前端に衝突しても、金属疲労などでその位置が変化することがないので、シャッターの前進位置は変化せず、また、シャッターが抜け出ることもない。
【0031】
請求項3のシャッター付きコネクタは、一対のガイド溝が、幅方向で対向するアースシェルの両側面上で、それぞれ後方が開放する形状に穿設され、ガイド溝の後方からガイド耳片を挿入させて、アースシェルにシャッターを組み込み自在であり、絶縁ハウジングは、アースシェルに組み込まれたシャッターの後方を覆い、アースシェルに後方から係止する係止部を有することを特徴とする。
【0032】
アースシェルに組み込まれたシャッターの後方を覆った状態で、絶縁ハウジングを、アースシェルの後方から係止して一体化できるので、進退自在に案内されるシャッターを組み込んだ状態で、アースシェルと、シャッターと、絶縁ハウジングの三者は、組み立てられる。
【0033】
請求項4のシャッター付きコネクタは、トーションバネが、中間部を中心として幅方向で対称形状となるように屈曲された線材であり、中間部から一対のガイド耳片の連結孔までの距離がほぼ等しい距離であることを特徴とする。
【0034】
トーションバネは、中間部から幅方向で対称形状に形成され、また、トーションバネが作用するガイド耳片の連結孔までの距離も左右で等しいので、シャッターの一対のガイド耳片には、ほぼ等しいトーションバネによる弾力が作用する。従って、中心から偏った位置が押し込まれても、2カ所のガイド耳片の位置でトーションバネからの弾力を受け、確実にシャッターを前進位置まで、復帰させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係るシャッター付きコネクタ1を、図1乃至図5を用いて説明する。図1は、コネクタ1全体の分解斜視図、図2は、コネクタ1の平面図、図3は、同正面図、図4は、同側面図、図5は、非接続状態におけるコネクタ1とコネクタ1に接続する相手コネタク50を示す縦断面図である。尚、コネクタ1は、相手コネクタ50が挿入される正面側を前方、背面側を後方、図2の平面図において、左側を左方、右側を右方、平面側を上方、底面側を下方として説明する。
【0036】
この実施の形態のシャッター付きコネタク1は、雄コネクタである相手コネクタ50と接続する雌コネクタであり、図1に示すように、絶縁ハウジング2、アースシェル3、シャッター4及びトーションバネ5を備えている。
【0037】
絶縁ハウジング2は、相手コネクタ50との接続部となる偏平板状のコンタクト配設部21とコンタクト配設部21を前方に向けて水平に支持する直方体状の支持部22とを一体に有し、絶縁性樹脂により、側面が略T字形に形成されている。
【0038】
コンタクト配設部21の上下両面には、前後方向に凹溝状のコンタクト収容溝23が、幅方向に所定のピッチで整列して複数形成されており、図5に示すように、この各コンタクト収容溝23にコンタクト27の接触部27aを収容させて、複数のコンタクト27が支持部22を貫通して取り付けられる。
【0039】
本実施の形態に係るコネクタ1は、支持部22の背面を、プリント配線基板(図示省略)に載置して実装されるものであり、支持部22を貫通して後方に突出するコンタクト27の脚部27bは、支持部22の背面に沿って折り曲げられ、対応部位に配設されるプリント配線基板のパターンに半田付けされるようになっている。
【0040】
各コンタクト27の脚部27bが、対応部位のパターン上に位置決めされるように、プリント配線基板に形成された取付孔に嵌合するボス24、24が、支持部22の背面の左右両側に突設されている。
【0041】
アースシェル3は、相手コネクタ50の筒状のアースコンタクト52の外側から嵌合し電気接続するものであり、銅合金等の導電性金属板を打ち抜き、横長の角筒状に折り曲げ形成したものである。図1に示すように、アースコンタクト52との接触をより確実にするため、アースシェル3の上下面から、4片の接触片30が内方に向かって後方に傾斜するように、切り起こされている。
【0042】
アースシェル3の上下の面には、更に、4片の係止片37が、前方に向かって内方に傾斜するように切り起こされている。この係止片37は、絶縁ハウジング2の支持部22に形成された係止凹部25に係止し、アースシェル3と絶縁ハウジング2の両者を固定するものであり、後述するように、シャッター4を収容したアースシェル3の後方から絶縁ハウジング2を組み付けることにより、係止片37を係止凹部25へ係止し、アースシェル3と、シャッター4と、絶縁ハウジング2とを組み立てるものである。
【0043】
係止片37と係止凹部25との左右方向の位置決めは、絶縁ハウジング2をアースシェル3の後方から挿入する際に、アースシェル3の後端の両側に切り欠かれた位置決め凹部34に、絶縁ハウジング2の支持部22の両端からに突設した位置決め突起26を嵌合させて行う。
【0044】
アースシェル3の前端は、相手コネクタ50が挿入される挿入孔31の開口を形成し、開口の周囲が外側に折り曲げられることによって、相手コネクタ50を円滑に挿入孔31に挿入できるように案内している。
【0045】
また、アースシェル3の上面3aで、幅方向の略中心には、上方に切り起こした後、前方に折り曲げた係合フック32と、係合フック32の後方寄りで、後端の直方片を上面3aの上方で水平になるように折り返した幅広の押え片33とが、それぞれ形成されている。係合フック32は、トーションバネ5の中間部5aと係合し、中間部5aの後方と上方への移動を規制する係合部として作用し、また、抑え片33は、中間部5aの後方で、蛇行するように折り曲げられたU字屈曲部5bが上方に移動しないように作用するものである。
【0046】
アースシェル3の左右の側面3b、3bには、シャッター4を前後方向に進退自在に案内するガイド溝35、35が形成されている。ガイド溝35は、相手コネクタ50の挿入方向、すなわちシャッター4の進退方向を長手方向とする切り欠きで、後方からシャッター4のガイド耳片41が挿入できるように、側面3b、3bに沿った後方が開放するように形成されている。
【0047】
ガイド溝35の形成は、アースシェル3の左右の両側面3bを形成する打ち抜き片を、金属板からプレス成形で打ち抜く際に、同時にその打ち抜き片の内方に長孔36を穿設することによって行われる。すなわち、打抜きの際には、長孔36は周囲が、側面3bを形成する打ち抜き片に囲まれた非開放状態となっている。その後、長孔36が形成された打ち抜き片の後端部を、長孔36とともに長手方向に沿ってコの字状に外側に折り返す。この折り返し加工によって、側面3bに沿った長孔36の後方が開放状態となり、シャッター4のガイド耳片41をガイド溝35に挿入することが可能となる。
【0048】
コの字状に折り返されることにより、後方に面する打ち抜き片の背面は、絶縁ハウジング2とアースシェル3を一体に組み立てた際に、支持部22の背面と同一平面となるようにすれば、コンタクト27の脚部27bとともに、コネクタ1を実装するプリント配線基板のパターンに対向させ、そのパターンへ半田付けすることもできる。
【0049】
これに対し、各側面3b、3bの前方に形成された長孔36は、折り返し加工が行われることがなく、そのままガイド溝35となる。ガイド溝35の前端35aは、前方に付勢されるシャッター4のガイド耳片41が当接するストッパとなっており、これによりシャッター4の前方への抜け止めを行う。また、ガイド耳片41がストッパ35aに当接したときに、シャッター4の全体は、最も前方寄りにスライドした前進位置にあり、前進位置で、シャッター4が挿入孔31の開口の臨むように、ガイド溝35の前端35aの位置が調整される。
【0050】
シャッター4は、相手コネクタ50の非接続時に、挿入孔31の開口に臨む前進位置に待機し、コンタクト配設部21上に配設したコンタクト27の接触部27aを外方から遮断して保護するものであり、相手コネクタ50の接続時には、後方の後退位置までスライドして、コンタクト27の接触部27aを相手コネクタ50へ臨ませるものである。この前進位置から後退位置へ後退する際に、コンタクト配設部21を相対的に挿通させるように、シャッター4は、横長の筒状となるように絶縁性樹脂によって成形されている。
【0051】
既述したガイド耳片41は、シャッター4の左右方向の両側面4aに一体に形成されている。シャッター4の両側面4a、4a間の幅は、アースシェル3の両側面3b、3b間の幅より僅かに狭く、アースシェル3内に遊嵌する大きさに形成され、ガイド耳片41は、両側面4a、4aから、アースシェル3のガイド溝35を挿通する長さで側方に突設される。ガイド耳片41の上下方向の厚さは、ガイド溝35の幅より僅かに短い長さに形成され、これにより、シャッター4は、両側のガイド耳片41、41が、ガイド溝35、35に沿って摺動し、ガイド溝35の長手方向、すなわち前後方向に進退自在に案内される。
【0052】
ガイド耳片41には、トーションバネ5の両端フック部5cを上方から挿通させて連結する連結孔42が上下方向に穿設されている。ガイド耳片41の上下にフック部5cが貫通することによって、ガイド耳片41は、ガイド溝35から内側に脱落することがなく、常にガイド溝35を挿通する状態が保たれるので、中心から外れた位置が押し込まれても、シャッター4全体が左右方向に対して傾斜することがなく、摩擦力が増加しないので軽挿入力で進退移動を行うことができる。また、ストッパを構成するガイド溝35の前端35aからガイド耳片41が内側に脱落し、シャッター4が前方に抜け出るということもない。
【0053】
トーションバネ5は、金属製線材で形成され、図1に示すように、左右に直線状に延びる中間部5aのそれぞれ両側が後方に蛇行するように折り曲げられて中間部5a後方に一対のU字屈曲部5b、5bが形成され、U字屈曲部5bの他側が左右方向の斜め前方に延びて、その延長部の先端が下方に折り曲げられたフック部5cとなっている。その結果、トーションバネ5の全体は、中間部5cの中心を通る前後方向の直線について、左右線対称形状となり、外力を加えない初期状態で、中間部5aより両端のフック部5c、5cが前方に位置するように形成されている。
【0054】
これらの部品で構成されるシャッター付きコネタク1の組み立ては、始めに、ガイド耳片41をガイド溝35の後方から挿入することによって、シャッター4をアースシェル3内に組み込み、組み込んだ状態で、コンタクト配設部21を筒状のシャッター4に挿入しながら、アースシェル3の後端の位置決め凹部34に、絶縁ハウジング2の位置決め突起26を嵌合させて、アースシェル3の後方から絶縁ハウジング2を挿入する。その結果、アースシェル3の係止片37が、絶縁ハウジング2の係止凹部25に係止し、シャッター4を前後方向に進退自在に収容した状態で、アースシェル3に絶縁ハウジング2が一体に取り付けられる。
【0055】
その後、トーションバネ5を、図2に示すように、アースシェル3の外側から取り付ける。すなわち、中間部5aの略中央部分を、アースシェル3の上面3aに形成した係合フック32に係合するとともに、U字屈曲部5b、5bを押え片33と上面3aの間に配置し、両端のフック部5c、5cを、ガイド耳片41の連結孔42に上方から挿通させて取り付ける。
【0056】
中間部5aを係合フック32に係合して後方への移動が規制されたトーションバネ5は、両端のフック部5c、5cをガイド耳片41の連結孔42へ挿通させることにより、プレストレスが加えられ、ガイド耳片41を前方へ付勢するように作用する。また、押え片33は、トーションバネ5の中間部5aを中心とする上方への回転を規制し、フック部5c、5cが連結孔42から抜け出るのを防いでいる。
【0057】
ここでは、図に示すように、更に確実にフック部5cが抜けでないように、連結孔42を挿通したフック部5cの先端を前方へ折り曲げている。
【0058】
上述の組み立て工程では、トーションバネ5の取り付けをアースシェル3や絶縁ハウジング2の内方で行ったり、トーションバネ5を圧縮した状態でシャッター4を取り付けたり、抜け止めの加工等を行うことがないので、極めて容易に組み立てることができる。
【0059】
相手コネクタ50との接続を待機しているシャッター付きコネクタ1の非接続状態では、トーションバネ5により前方に付勢されるガイド耳片41がストッパ35aに当接し、シャッター4は、挿入孔31の開口に臨む前進位置にあるので、コンタクト配設部21上に配設されたコンタクト27の接触部27aは、シャッター4により外部と遮断され、異物の接触などから保護される。
【0060】
また、相手コネクタ50を、アースシェル3の挿入孔31に挿入すると、シャッター4は、相手コネクタ50により押圧されて後退位置まで後退し、これにより露出するコンタクト27の接触部27aが相手コネクタ50の信号コンタクト53と接触し、コネタク1と相手コネクタ50間が相互に電気接続する。
【0061】
シャッター4が後退位置にあるときに、トーションバネ5は、図2の破線で示すように撓み、相手コネクタ50を挿入孔31から前方に引き抜くと、トーションバネ5の両端で、左右のガイド耳片41をほぼ等しい復帰力で前方へ付勢し、シャッター4は、ガイド耳片41がストッパ35aに当接する前進位置まで復帰する。
【0062】
シャッター4が復帰する際には、1本のトーションバネ5の両端から、シャッター4両端のガイド耳片41にほぼ等しい復帰力が加わり、ガイド耳片41がガイド溝35に沿って摺動し後退するので、シャッター4が傾斜することによる余分な摩擦が発生せず、確実にシャッター4を復帰させることができる。すなわち、その左右にほぼ等しい弾力を有するスプリングを配置しなくても、1本のトーションバネ5で、シャッター4に偏った位置と方向に復帰力が働かないようにすることができ、コネタク1の幅方向を小型化することができるとともに、部品点数が減少し、コネクタ1全体の軽量化も可能となる。
【0063】
シャッター4の前進位置は、打ち抜いたガイド溝35の前端のストッパ35aにガイド耳片41が当接する位置を前進位置として位置決めしているので、折り曲げ加工などで形成したストッパに比べて、精度よくその位置を設定でき、また、ガイド耳片41が繰り返し当接してもその位置が変化することがない。
【0064】
さらに、この実施の形態では、アースシェル3の両側面3b、3bを形成する平坦状の打ち抜き片の段階で、非開放状の長孔36を穿設しガイド溝35を形成しているため、ガイド溝35の後方を開放しつつ、立体的には、ガイド溝35の周囲が完全に囲まれ、側面3b全体を所定の強度に保つことができる。この為、ガイド溝35の幅が変化して、ガイド耳片41が摺動しなくなったり、側面3bの後方がめくれ上がるなど変形することがない。
【0065】
更に、コネクタ1を、プリント配線基板へ実装する際には、両側面3b、3bの後端で、外側にコの字状に折り返した部位を、プリント配線基板のグランドパターンなどに半田付けすることができ、アースシェル3に半田付けのための脚部を別に形成する必要がない。
【0066】
半田付けする折り返し部位は、コの字状となっているので、プリント配線基板から起立する折り返し部位にも半田がもられ、部分的に半田付け強度が増すばかりか、コネクタ1の幅方向両側の位置で半田付けするので、プリント配線基板への実装強度も向上する。
【0067】
しかしながら、本発明は以上の実施の形態に限定されることなく、ガイド溝35を非開放状の長孔36に基づいて形成することなく、後方を開放する切り欠きに打ち抜いて形成してもよい。
【0068】
また、ガイド溝35前端のストッパ35aに当接する位置を、シャッター4の前進位置としているが、前進位置とする位置決めは、前縁ハウジングに位置決め突起などを設け、他の方法で行ってもよい。
【0069】
また、トーションバネ5は、その両端でガイド耳片41を前方へ付勢するものであれば、種々の形状とすることができ、アースシェル3への取り付け方法も上述の実施の形態の限りではない。例えば、トーションバネ5の中間部5aをアースシェル3側から突出させた係合突起に巻き付け、両端を左右へ延ばし、ガイド耳片41へ連結させてもよい。
【0070】
更に、一対のガイド溝35は、必ずしもアースシェル3の両側面3bに穿設する必要はなく、係合部32の幅方向の両側であれば、上面3aに穿設するものであってもよい。
【0071】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、トーションバネを、アースシェルの外側から取り付けるだけで、簡単に組み付けることができる。アースシェル内にシャッターの復帰手段を設けないので、全体が小型化でき、また、コイルスプリングなど大きなスペースを占有しないトーションバネを用いるので、アースシェルの外側に配置しても、シャッター付きコネクタ1のプリント配線基板への実装、機器への取り付けなどの障害とならない。
【0072】
更に、ガイド耳片をガイド溝に挿入してシャッターをアースシェルに組み入れ、トーションバネの両端をガイド耳片の連結孔に挿通させるだけで、進退自在のシャッターを組み込むことができるため、組み立て工程が簡単化される。
【0073】
更に、ガイド溝から突出するガイド耳片の連結孔に、トーションバネの一端を挿通させるので、ガイド耳片は、ガイド溝から抜け出ることなく案内され、シャッターの抜け止め手段を別に設けることなく、抜け止めを行うことができる。このため、爪等を切り起こしたストッパを、シャッターを組み込んだ後に折り曲げ加工などで形成する必要がなく、加工工程がなくなるとともに、組み立て工程も簡略化される。
【0074】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果を有するのに加えて、ガイド溝の前端を、シャッターの前進位置の位置決めに用いるので、金属板を折り曲げて形成するストッパ段部と異なり、相手コネクタの挿抜を繰り返しても、ストッパの位置が変化することがない。
【0075】
請求項3の発明によれば、これらの発明に加えて、ガイド耳片をガイド溝に挿入させて、アースシェルの後方からシャッターを組み込み、その後に、アースシェルの後方から絶縁ハウジングを係止させるだけで、アースシェルと、ガイド溝により進退方向に案内されるシャッターと、絶縁ハウジングの三者を簡単に組み立てることができる。
【0076】
また、シャッターと絶縁ハウジングは、アースシェルに対して同方向の後方から取り付けることができるので、組み立ての自動化が容易となる。
【0077】
請求項4の発明によれば、これらの発明の効果に加えて、トーションバネがシャッターの左右両側を均等に付勢するため、シャッターが円滑に移動するとともに、均等に付勢する手段として1本のトーションバネを用いるだけであり、トーションバネの配置スペースが小さくなり、コネクタを小型化することができる。
【0078】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るシャッター付きコネクタ1の分解斜視図である。
【図2】シャッター付きコネクタ1の平面図である。
【図3】同正面図である。
【図4】同側面図である。
【図5】非接続状態におけるシャッター付きコネクタ1と、このコネクタ1に接続する相手コネタク50を示す縦断面図である。
【図6】第1の従来のコネクタ100の平面図である。
【図7】第1の従来のコネクタ100の縦断面図である。
【図8】図6の要部拡大断面図である。
【図9】第2の従来のコネクタ200の平面図である。
【図10】第2の従来のコネクタ200の部分斜視図である。
【符号の説明】
1 シャッター付きコネクタ
2 絶縁ハウジング
21 コンタクト配設部(接続部)
25 係止凹部(係止部)
27 コンタクト
27a 接触部
3 アースシェル
3b 側面
31 挿入孔
32 係合フック(係合部)
35 ガイド溝
35a ストッパ
4 シャッター
41 ガイド耳片
42 連通孔
5 トーションバネ
5a 中間部
5c フック部(両端)
50 相手コネクタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、相手側コネクタとの非接続状態で、コンタクトの接触部を覆い保護するシャッターを備えたコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
相手コネクタと電気接続するために、接続部上に複数のコンタクトの接触部が配設されているコネクタでは、非接続状態において、露出するコンタクトの接触部に、異物が接触して変形したり、ショートすることがあり、これを防止するために、非接続状態でコンタクトの接触部を覆うシャッターを組み込んだコネクタが知られている。
【0003】
このシャッターは、非接続状態で、相手コネクタが挿入される挿入孔の開口に臨み、コンタクトの接触部を覆うように設けられるが、相手コネクタが接続される際に、この接触部を露出させるために、相手コネクタに押されて開口から後退させる必要があり、進退移動自在となるようにコネクタに組み込まれる。
【0004】
図6乃至図8は、このようなシャッターを備えた第1の従来のコネクタ100を、図9及び図10は、特開平9−69375号公報に開示された第2の従来のコネクタ200を示す。
【0005】
第1の従来のコネクタ100では、図6及び図7に示すように、シャッター101を絶縁ハウジング102の幅方向の左右両側に設けた一対のコイルバネ(圧縮バネ)103によって、相手コネクタ(図示省略)の方向に移動するように付勢する構造となっている。絶縁ハウジング102には、その両面に複数のコンタクト104が所定間隔で整列して配設されているとともに、相手コネクタ(図示せず)のアースコンタクトが接触するアースシェル105が相手コネクタの挿入側に設けられている。
【0006】
シャッター101は図7に示すように、筒状に成形されており、コンタクト104の接触部104aを覆うとともに、相手コネクタの挿入方向(図中上下方向)に沿って進退移動自在に絶縁ハウジング102に取り付けられている。左右一対のコイルバネ103は、絶縁ハウジング102に形成したボス部102aに位置決めされた状態で、絶縁ハウジング102とシャッター101との間に圧縮して配置され、シャッター101を図中上方へ付勢している。なお、シャッター101は、金属板からなるシールド板106で覆われている。
【0007】
このような構造では、相手コネクタの非接続状態で、シャッター101が抜けでないように、コイルバネ103の付勢力に抗してシャッター101を抜け止めする必要がある。このため、図8に示すように、アースシェル105の左右両端の内側に係止段部105aを形成するとともに、シャッター101と一体のシールド106の係止段部105aに対向する部位をL字に折り曲げてストッパ段部107を形成し、係止段部105aに当接させることによりシャッター101の上方への抜け止めを行っている。
【0008】
このコネクタでは、コイルバネ103を圧縮させた状態で、アースシェル105を覆うようにシャッター101をアースシェル105の先端側(上方)から押し込む。押し込み前は、シャッター101側のシールド板106にストッパ段部107が形成されておらず、シャッター101が係止段部105aを通過した後に、治具を用いてシールド板106をL字に折り曲げてストッパ段部107を形成し、シャッター101の組み込みを行う。
【0009】
第2の従来のコネクタ200では、図9及び図10に示すように、単一のトーションバネ(捻りバネ)201によってシャッター202を、相手コネクタの方向に付勢するものである。
【0010】
絶縁ハウジング203は、後背板203cと一対の側板203dによるコの字状の枠部に囲まれた枡状に形成され、前方(図9において、右方)が、相手コネクタを挿入する挿入孔の開口207となっている。
【0011】
シャッター202は、枡状の絶縁ハウジング203内に遊嵌する外形で、絶縁ハウジング203の底面上に配設されたコンタクトの接触部204を覆うように、断面L字状に成形されている。シャッター202は、直線状のガイド突起205を、底面の中央に有しており、相手コネクタの挿入方向(前後方向)に沿って絶縁ハウジング203の対向面上に形成された一対のガイドリブ206、206間に、ガイド突起205が案内されることにより、前後方向に進退自在となっている。
【0012】
トーションバネ201は、円形に巻回された巻回部201aの両側からアーム部201b、201cが延びており、巻回部201aを絶縁ハウジング203の底面隅に立設したボス部203aに嵌め込み、一方のアーム部201bを絶縁ハウジング203の底面に形成した突起203bと絶縁ハウジング203の後背板203cとの間に挿入する一方、他方のアーム部201cをシャッター202のガイド突起205の後端に当接させることにより、シャッター202を前方へ付勢している。前方に付勢されるシャッター202は、側板203dの前端で開口207側に突出するストッパー部(図示せず)等の抜け止め手段に当接し、開口207を覆う前進位置に位置決めされる。
【0013】
このコネクタでは、絶縁ハウジング203の前方から相手コネクタを挿入することにより、シャッター202が相手コネクタに押されて後方(左方)に移動する。この移動によって、トーションバネ201が破線のように撓むため、シャッター202を元の位置に復帰させるためのトルクが蓄積される。従って、相手コネクタを絶縁ハウジング203から外すと、シャッター202は前進位置に復帰し、コンタクトの接触部204を覆うため、これを保護することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の従来のコネクタ100では、相手コネクタが正規の挿入方向に対して斜めに挿入され、シャッター1の中心から外れた位置が押されても、その姿勢を保ち、相手コネクタが抜き出された後にコイルバネ103で復帰するように、幅方向の左右に一対のコイルバネ103、103が配置されるものであり、一対のコイルバネ103を配置するスペースを設けるために絶縁ハウジング102の幅が大きくなり、コネクタが大型化するとともに、部品点数が増加してコスト高の原因となっていた。
【0015】
また、コイルバネ3を圧縮させた状態を保ちながら、シールド板106をL字に折り曲げてストッパ段部107を形成する必要があるため、組み立ての作業性が極めて悪いものとなっていた。
【0016】
更に、シャッター101の抜け止めを行うストッパ段部107を折り曲げて形成するため、折曲位置によってシャッター101の停止位置が異なることとなるばかりか、係止段部105aとの衝突を繰り返すことにより徐々に変形して停止位置が変化し、更に変形すると係止段部105aに当接することなく、シャッター101が抜け出てしまう問題があった。
【0017】
また、第2の従来のコネクタ200では、一本のトーションバネ201を用い、しかもガイド突起205の後端の一カ所でシャッター202と連結するものであるため、シャッター202が前後方向に対して偏った方向に押し込まれると、シャッター202が正規の進退方向である前後方向に対して傾斜し、押し込みにくくなり、また、その姿勢のまま押し込みを解除して復帰させようとすると、傾斜したシャッター202が開口207近傍に形成されたストッパー部を乗り越え、抜け出てしまう問題があった。
【0018】
このため、シャッター202を姿勢を傾斜させずに、前後方向に案内するため、ガイドリブ206とガイド突起205を形成する必要があり、構造が複雑となっている。
【0019】
更に、一本のトーションバネ201であっても、一方のアーム部201bを絶縁ハウジング203の枠内に嵌め込み、圧縮させた状態で他方のアーム部201cを、抜けでないように絶縁ハウジング203に組み込んだシャッター202へ連結する必要があるため、組み立てが面倒なものとなっている。
【0020】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、シャッターを絶縁ハウジングに進退自在で、かつ抜け出ることなく、簡単に組み込むことができ、組み立て容易なシャッター付きコネクタを提供することを目的とする。
【0021】
また、シャッターを付勢するトーションバネを簡単に組み付けることができるシャッター付きコネクタを提供することを目的とする。
【0022】
また、1本のトーションバネを用いるだけで、シャッターを傾斜させることなく進退自在に案内するシャッター付きコネクタを提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明のシャッター付きコネクタは、複数のコンタクトの接触部を、接続部上に配設する絶縁ハウジングと、相手コネクタが挿入される挿入孔が形成され、絶縁ハウジングに取り付けられるアースシェルと、挿入孔の開口に臨む前進位置と、複数のコンタクトの接触部を露出させる後退位置の間で、前後方向に進退自在となるように、接続部とアースシェルの間に配設されたシャッターと、シャッターを、前方へ付勢するトーションバネとを備え、挿入孔に挿入される相手コネクタにより、シャッターを後退位置へスライドさせ、複数のコンタクトの接触部を相手コネクタのコンタクトへ接触させるシャッター付きコネクタであって、
アースシェルは、前後方向と直交する幅方向のほぼ中央に、外方に向けて突設された係合部と、係合部の幅方向の両側に、前後方向を長手方向として穿設された一対のガイド溝とを有し、シャッターは、一対のガイド溝にそれぞれ挿通し、ガイド溝により進退方向に案内される一対のガイド耳片を有し、
中間部をアースシェルの係合部へ係合させたトーションバネの両端を、ガイド溝から外方に突出する一対のガイド耳片の連結孔に挿通して、シャッターを前方へ付勢するトーションバネをアースシェルの外方から取り付けるとともに、ガイド溝により前後方向に進退自在に案内されるシャッターを抜け止めすることを特徴とする。
【0024】
請求項1の発明では、トーションバネの中間部をアースシェルの外側に突設された係合部に係合し、両端をガイド溝から突出するガイド耳片の連結孔へ挿通するだけで、シャッターを前方に付勢するトーションバネを、アースシェルの外側から簡単に組み付けることができる。
【0025】
トーションバネの一端を連結孔に挿通させたガイド耳片は、ガイド溝の前端から抜け出ることがないので、シャッターの抜け止め手段を特に設けることなく、抜け止めされる。
【0026】
1本のトーションバネの両端でシャッターを前方に付勢するので、幅方向の左右に一対のバネを配設したのと同様に、中心から偏った位置が押し込まれても、押し込み方向のトーションバネの一端が働き、確実にシャッターを前進位置まで、復帰させることができる。
【0027】
また、ガイド耳片を挿通するトーションバネの一端がガイド溝の周囲に当接することによって、シャッターは、大きく傾斜することなく、円滑に進退移動する。
【0028】
請求項2のシャッター付きコネクタは、ガイド溝の前端にガイド耳片が当接する位置で、シャッターが前進位置に位置決めされることを特徴とする。
【0029】
ガイド溝の前端を、シャッターの前進位置の位置決めに用いるので、量産する際に、精度よくシャッターの前進位置を設定できる。
【0030】
相手コネクタを挿抜させる都度、繰り返しシャッターがガイド溝の前端に衝突しても、金属疲労などでその位置が変化することがないので、シャッターの前進位置は変化せず、また、シャッターが抜け出ることもない。
【0031】
請求項3のシャッター付きコネクタは、一対のガイド溝が、幅方向で対向するアースシェルの両側面上で、それぞれ後方が開放する形状に穿設され、ガイド溝の後方からガイド耳片を挿入させて、アースシェルにシャッターを組み込み自在であり、絶縁ハウジングは、アースシェルに組み込まれたシャッターの後方を覆い、アースシェルに後方から係止する係止部を有することを特徴とする。
【0032】
アースシェルに組み込まれたシャッターの後方を覆った状態で、絶縁ハウジングを、アースシェルの後方から係止して一体化できるので、進退自在に案内されるシャッターを組み込んだ状態で、アースシェルと、シャッターと、絶縁ハウジングの三者は、組み立てられる。
【0033】
請求項4のシャッター付きコネクタは、トーションバネが、中間部を中心として幅方向で対称形状となるように屈曲された線材であり、中間部から一対のガイド耳片の連結孔までの距離がほぼ等しい距離であることを特徴とする。
【0034】
トーションバネは、中間部から幅方向で対称形状に形成され、また、トーションバネが作用するガイド耳片の連結孔までの距離も左右で等しいので、シャッターの一対のガイド耳片には、ほぼ等しいトーションバネによる弾力が作用する。従って、中心から偏った位置が押し込まれても、2カ所のガイド耳片の位置でトーションバネからの弾力を受け、確実にシャッターを前進位置まで、復帰させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係るシャッター付きコネクタ1を、図1乃至図5を用いて説明する。図1は、コネクタ1全体の分解斜視図、図2は、コネクタ1の平面図、図3は、同正面図、図4は、同側面図、図5は、非接続状態におけるコネクタ1とコネクタ1に接続する相手コネタク50を示す縦断面図である。尚、コネクタ1は、相手コネクタ50が挿入される正面側を前方、背面側を後方、図2の平面図において、左側を左方、右側を右方、平面側を上方、底面側を下方として説明する。
【0036】
この実施の形態のシャッター付きコネタク1は、雄コネクタである相手コネクタ50と接続する雌コネクタであり、図1に示すように、絶縁ハウジング2、アースシェル3、シャッター4及びトーションバネ5を備えている。
【0037】
絶縁ハウジング2は、相手コネクタ50との接続部となる偏平板状のコンタクト配設部21とコンタクト配設部21を前方に向けて水平に支持する直方体状の支持部22とを一体に有し、絶縁性樹脂により、側面が略T字形に形成されている。
【0038】
コンタクト配設部21の上下両面には、前後方向に凹溝状のコンタクト収容溝23が、幅方向に所定のピッチで整列して複数形成されており、図5に示すように、この各コンタクト収容溝23にコンタクト27の接触部27aを収容させて、複数のコンタクト27が支持部22を貫通して取り付けられる。
【0039】
本実施の形態に係るコネクタ1は、支持部22の背面を、プリント配線基板(図示省略)に載置して実装されるものであり、支持部22を貫通して後方に突出するコンタクト27の脚部27bは、支持部22の背面に沿って折り曲げられ、対応部位に配設されるプリント配線基板のパターンに半田付けされるようになっている。
【0040】
各コンタクト27の脚部27bが、対応部位のパターン上に位置決めされるように、プリント配線基板に形成された取付孔に嵌合するボス24、24が、支持部22の背面の左右両側に突設されている。
【0041】
アースシェル3は、相手コネクタ50の筒状のアースコンタクト52の外側から嵌合し電気接続するものであり、銅合金等の導電性金属板を打ち抜き、横長の角筒状に折り曲げ形成したものである。図1に示すように、アースコンタクト52との接触をより確実にするため、アースシェル3の上下面から、4片の接触片30が内方に向かって後方に傾斜するように、切り起こされている。
【0042】
アースシェル3の上下の面には、更に、4片の係止片37が、前方に向かって内方に傾斜するように切り起こされている。この係止片37は、絶縁ハウジング2の支持部22に形成された係止凹部25に係止し、アースシェル3と絶縁ハウジング2の両者を固定するものであり、後述するように、シャッター4を収容したアースシェル3の後方から絶縁ハウジング2を組み付けることにより、係止片37を係止凹部25へ係止し、アースシェル3と、シャッター4と、絶縁ハウジング2とを組み立てるものである。
【0043】
係止片37と係止凹部25との左右方向の位置決めは、絶縁ハウジング2をアースシェル3の後方から挿入する際に、アースシェル3の後端の両側に切り欠かれた位置決め凹部34に、絶縁ハウジング2の支持部22の両端からに突設した位置決め突起26を嵌合させて行う。
【0044】
アースシェル3の前端は、相手コネクタ50が挿入される挿入孔31の開口を形成し、開口の周囲が外側に折り曲げられることによって、相手コネクタ50を円滑に挿入孔31に挿入できるように案内している。
【0045】
また、アースシェル3の上面3aで、幅方向の略中心には、上方に切り起こした後、前方に折り曲げた係合フック32と、係合フック32の後方寄りで、後端の直方片を上面3aの上方で水平になるように折り返した幅広の押え片33とが、それぞれ形成されている。係合フック32は、トーションバネ5の中間部5aと係合し、中間部5aの後方と上方への移動を規制する係合部として作用し、また、抑え片33は、中間部5aの後方で、蛇行するように折り曲げられたU字屈曲部5bが上方に移動しないように作用するものである。
【0046】
アースシェル3の左右の側面3b、3bには、シャッター4を前後方向に進退自在に案内するガイド溝35、35が形成されている。ガイド溝35は、相手コネクタ50の挿入方向、すなわちシャッター4の進退方向を長手方向とする切り欠きで、後方からシャッター4のガイド耳片41が挿入できるように、側面3b、3bに沿った後方が開放するように形成されている。
【0047】
ガイド溝35の形成は、アースシェル3の左右の両側面3bを形成する打ち抜き片を、金属板からプレス成形で打ち抜く際に、同時にその打ち抜き片の内方に長孔36を穿設することによって行われる。すなわち、打抜きの際には、長孔36は周囲が、側面3bを形成する打ち抜き片に囲まれた非開放状態となっている。その後、長孔36が形成された打ち抜き片の後端部を、長孔36とともに長手方向に沿ってコの字状に外側に折り返す。この折り返し加工によって、側面3bに沿った長孔36の後方が開放状態となり、シャッター4のガイド耳片41をガイド溝35に挿入することが可能となる。
【0048】
コの字状に折り返されることにより、後方に面する打ち抜き片の背面は、絶縁ハウジング2とアースシェル3を一体に組み立てた際に、支持部22の背面と同一平面となるようにすれば、コンタクト27の脚部27bとともに、コネクタ1を実装するプリント配線基板のパターンに対向させ、そのパターンへ半田付けすることもできる。
【0049】
これに対し、各側面3b、3bの前方に形成された長孔36は、折り返し加工が行われることがなく、そのままガイド溝35となる。ガイド溝35の前端35aは、前方に付勢されるシャッター4のガイド耳片41が当接するストッパとなっており、これによりシャッター4の前方への抜け止めを行う。また、ガイド耳片41がストッパ35aに当接したときに、シャッター4の全体は、最も前方寄りにスライドした前進位置にあり、前進位置で、シャッター4が挿入孔31の開口の臨むように、ガイド溝35の前端35aの位置が調整される。
【0050】
シャッター4は、相手コネクタ50の非接続時に、挿入孔31の開口に臨む前進位置に待機し、コンタクト配設部21上に配設したコンタクト27の接触部27aを外方から遮断して保護するものであり、相手コネクタ50の接続時には、後方の後退位置までスライドして、コンタクト27の接触部27aを相手コネクタ50へ臨ませるものである。この前進位置から後退位置へ後退する際に、コンタクト配設部21を相対的に挿通させるように、シャッター4は、横長の筒状となるように絶縁性樹脂によって成形されている。
【0051】
既述したガイド耳片41は、シャッター4の左右方向の両側面4aに一体に形成されている。シャッター4の両側面4a、4a間の幅は、アースシェル3の両側面3b、3b間の幅より僅かに狭く、アースシェル3内に遊嵌する大きさに形成され、ガイド耳片41は、両側面4a、4aから、アースシェル3のガイド溝35を挿通する長さで側方に突設される。ガイド耳片41の上下方向の厚さは、ガイド溝35の幅より僅かに短い長さに形成され、これにより、シャッター4は、両側のガイド耳片41、41が、ガイド溝35、35に沿って摺動し、ガイド溝35の長手方向、すなわち前後方向に進退自在に案内される。
【0052】
ガイド耳片41には、トーションバネ5の両端フック部5cを上方から挿通させて連結する連結孔42が上下方向に穿設されている。ガイド耳片41の上下にフック部5cが貫通することによって、ガイド耳片41は、ガイド溝35から内側に脱落することがなく、常にガイド溝35を挿通する状態が保たれるので、中心から外れた位置が押し込まれても、シャッター4全体が左右方向に対して傾斜することがなく、摩擦力が増加しないので軽挿入力で進退移動を行うことができる。また、ストッパを構成するガイド溝35の前端35aからガイド耳片41が内側に脱落し、シャッター4が前方に抜け出るということもない。
【0053】
トーションバネ5は、金属製線材で形成され、図1に示すように、左右に直線状に延びる中間部5aのそれぞれ両側が後方に蛇行するように折り曲げられて中間部5a後方に一対のU字屈曲部5b、5bが形成され、U字屈曲部5bの他側が左右方向の斜め前方に延びて、その延長部の先端が下方に折り曲げられたフック部5cとなっている。その結果、トーションバネ5の全体は、中間部5cの中心を通る前後方向の直線について、左右線対称形状となり、外力を加えない初期状態で、中間部5aより両端のフック部5c、5cが前方に位置するように形成されている。
【0054】
これらの部品で構成されるシャッター付きコネタク1の組み立ては、始めに、ガイド耳片41をガイド溝35の後方から挿入することによって、シャッター4をアースシェル3内に組み込み、組み込んだ状態で、コンタクト配設部21を筒状のシャッター4に挿入しながら、アースシェル3の後端の位置決め凹部34に、絶縁ハウジング2の位置決め突起26を嵌合させて、アースシェル3の後方から絶縁ハウジング2を挿入する。その結果、アースシェル3の係止片37が、絶縁ハウジング2の係止凹部25に係止し、シャッター4を前後方向に進退自在に収容した状態で、アースシェル3に絶縁ハウジング2が一体に取り付けられる。
【0055】
その後、トーションバネ5を、図2に示すように、アースシェル3の外側から取り付ける。すなわち、中間部5aの略中央部分を、アースシェル3の上面3aに形成した係合フック32に係合するとともに、U字屈曲部5b、5bを押え片33と上面3aの間に配置し、両端のフック部5c、5cを、ガイド耳片41の連結孔42に上方から挿通させて取り付ける。
【0056】
中間部5aを係合フック32に係合して後方への移動が規制されたトーションバネ5は、両端のフック部5c、5cをガイド耳片41の連結孔42へ挿通させることにより、プレストレスが加えられ、ガイド耳片41を前方へ付勢するように作用する。また、押え片33は、トーションバネ5の中間部5aを中心とする上方への回転を規制し、フック部5c、5cが連結孔42から抜け出るのを防いでいる。
【0057】
ここでは、図に示すように、更に確実にフック部5cが抜けでないように、連結孔42を挿通したフック部5cの先端を前方へ折り曲げている。
【0058】
上述の組み立て工程では、トーションバネ5の取り付けをアースシェル3や絶縁ハウジング2の内方で行ったり、トーションバネ5を圧縮した状態でシャッター4を取り付けたり、抜け止めの加工等を行うことがないので、極めて容易に組み立てることができる。
【0059】
相手コネクタ50との接続を待機しているシャッター付きコネクタ1の非接続状態では、トーションバネ5により前方に付勢されるガイド耳片41がストッパ35aに当接し、シャッター4は、挿入孔31の開口に臨む前進位置にあるので、コンタクト配設部21上に配設されたコンタクト27の接触部27aは、シャッター4により外部と遮断され、異物の接触などから保護される。
【0060】
また、相手コネクタ50を、アースシェル3の挿入孔31に挿入すると、シャッター4は、相手コネクタ50により押圧されて後退位置まで後退し、これにより露出するコンタクト27の接触部27aが相手コネクタ50の信号コンタクト53と接触し、コネタク1と相手コネクタ50間が相互に電気接続する。
【0061】
シャッター4が後退位置にあるときに、トーションバネ5は、図2の破線で示すように撓み、相手コネクタ50を挿入孔31から前方に引き抜くと、トーションバネ5の両端で、左右のガイド耳片41をほぼ等しい復帰力で前方へ付勢し、シャッター4は、ガイド耳片41がストッパ35aに当接する前進位置まで復帰する。
【0062】
シャッター4が復帰する際には、1本のトーションバネ5の両端から、シャッター4両端のガイド耳片41にほぼ等しい復帰力が加わり、ガイド耳片41がガイド溝35に沿って摺動し後退するので、シャッター4が傾斜することによる余分な摩擦が発生せず、確実にシャッター4を復帰させることができる。すなわち、その左右にほぼ等しい弾力を有するスプリングを配置しなくても、1本のトーションバネ5で、シャッター4に偏った位置と方向に復帰力が働かないようにすることができ、コネタク1の幅方向を小型化することができるとともに、部品点数が減少し、コネクタ1全体の軽量化も可能となる。
【0063】
シャッター4の前進位置は、打ち抜いたガイド溝35の前端のストッパ35aにガイド耳片41が当接する位置を前進位置として位置決めしているので、折り曲げ加工などで形成したストッパに比べて、精度よくその位置を設定でき、また、ガイド耳片41が繰り返し当接してもその位置が変化することがない。
【0064】
さらに、この実施の形態では、アースシェル3の両側面3b、3bを形成する平坦状の打ち抜き片の段階で、非開放状の長孔36を穿設しガイド溝35を形成しているため、ガイド溝35の後方を開放しつつ、立体的には、ガイド溝35の周囲が完全に囲まれ、側面3b全体を所定の強度に保つことができる。この為、ガイド溝35の幅が変化して、ガイド耳片41が摺動しなくなったり、側面3bの後方がめくれ上がるなど変形することがない。
【0065】
更に、コネクタ1を、プリント配線基板へ実装する際には、両側面3b、3bの後端で、外側にコの字状に折り返した部位を、プリント配線基板のグランドパターンなどに半田付けすることができ、アースシェル3に半田付けのための脚部を別に形成する必要がない。
【0066】
半田付けする折り返し部位は、コの字状となっているので、プリント配線基板から起立する折り返し部位にも半田がもられ、部分的に半田付け強度が増すばかりか、コネクタ1の幅方向両側の位置で半田付けするので、プリント配線基板への実装強度も向上する。
【0067】
しかしながら、本発明は以上の実施の形態に限定されることなく、ガイド溝35を非開放状の長孔36に基づいて形成することなく、後方を開放する切り欠きに打ち抜いて形成してもよい。
【0068】
また、ガイド溝35前端のストッパ35aに当接する位置を、シャッター4の前進位置としているが、前進位置とする位置決めは、前縁ハウジングに位置決め突起などを設け、他の方法で行ってもよい。
【0069】
また、トーションバネ5は、その両端でガイド耳片41を前方へ付勢するものであれば、種々の形状とすることができ、アースシェル3への取り付け方法も上述の実施の形態の限りではない。例えば、トーションバネ5の中間部5aをアースシェル3側から突出させた係合突起に巻き付け、両端を左右へ延ばし、ガイド耳片41へ連結させてもよい。
【0070】
更に、一対のガイド溝35は、必ずしもアースシェル3の両側面3bに穿設する必要はなく、係合部32の幅方向の両側であれば、上面3aに穿設するものであってもよい。
【0071】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、トーションバネを、アースシェルの外側から取り付けるだけで、簡単に組み付けることができる。アースシェル内にシャッターの復帰手段を設けないので、全体が小型化でき、また、コイルスプリングなど大きなスペースを占有しないトーションバネを用いるので、アースシェルの外側に配置しても、シャッター付きコネクタ1のプリント配線基板への実装、機器への取り付けなどの障害とならない。
【0072】
更に、ガイド耳片をガイド溝に挿入してシャッターをアースシェルに組み入れ、トーションバネの両端をガイド耳片の連結孔に挿通させるだけで、進退自在のシャッターを組み込むことができるため、組み立て工程が簡単化される。
【0073】
更に、ガイド溝から突出するガイド耳片の連結孔に、トーションバネの一端を挿通させるので、ガイド耳片は、ガイド溝から抜け出ることなく案内され、シャッターの抜け止め手段を別に設けることなく、抜け止めを行うことができる。このため、爪等を切り起こしたストッパを、シャッターを組み込んだ後に折り曲げ加工などで形成する必要がなく、加工工程がなくなるとともに、組み立て工程も簡略化される。
【0074】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果を有するのに加えて、ガイド溝の前端を、シャッターの前進位置の位置決めに用いるので、金属板を折り曲げて形成するストッパ段部と異なり、相手コネクタの挿抜を繰り返しても、ストッパの位置が変化することがない。
【0075】
請求項3の発明によれば、これらの発明に加えて、ガイド耳片をガイド溝に挿入させて、アースシェルの後方からシャッターを組み込み、その後に、アースシェルの後方から絶縁ハウジングを係止させるだけで、アースシェルと、ガイド溝により進退方向に案内されるシャッターと、絶縁ハウジングの三者を簡単に組み立てることができる。
【0076】
また、シャッターと絶縁ハウジングは、アースシェルに対して同方向の後方から取り付けることができるので、組み立ての自動化が容易となる。
【0077】
請求項4の発明によれば、これらの発明の効果に加えて、トーションバネがシャッターの左右両側を均等に付勢するため、シャッターが円滑に移動するとともに、均等に付勢する手段として1本のトーションバネを用いるだけであり、トーションバネの配置スペースが小さくなり、コネクタを小型化することができる。
【0078】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るシャッター付きコネクタ1の分解斜視図である。
【図2】シャッター付きコネクタ1の平面図である。
【図3】同正面図である。
【図4】同側面図である。
【図5】非接続状態におけるシャッター付きコネクタ1と、このコネクタ1に接続する相手コネタク50を示す縦断面図である。
【図6】第1の従来のコネクタ100の平面図である。
【図7】第1の従来のコネクタ100の縦断面図である。
【図8】図6の要部拡大断面図である。
【図9】第2の従来のコネクタ200の平面図である。
【図10】第2の従来のコネクタ200の部分斜視図である。
【符号の説明】
1 シャッター付きコネクタ
2 絶縁ハウジング
21 コンタクト配設部(接続部)
25 係止凹部(係止部)
27 コンタクト
27a 接触部
3 アースシェル
3b 側面
31 挿入孔
32 係合フック(係合部)
35 ガイド溝
35a ストッパ
4 シャッター
41 ガイド耳片
42 連通孔
5 トーションバネ
5a 中間部
5c フック部(両端)
50 相手コネクタ
Claims (4)
- 複数のコンタクト(27)の接触部(27a)を、接続部(21)上に配設する絶縁ハウジング(2)と、
相手コネクタ(50)が挿入される挿入孔(31)が形成され、絶縁ハウジング(2)に取り付けられるアースシェル(3)と、
挿入孔(31)の開口に臨む前進位置と、複数のコンタクト(27)の接触部(27a)を露出させる後退位置の間で、前後方向に進退自在となるように、接続部(21)とアースシェル(3)の間に配設されたシャッター(4)と、
シャッター(4)を、前方へ付勢するトーションバネ(5)とを備え、
挿入孔(31)に挿入される相手コネクタ(50)により、シャッター(4)を後退位置へスライドさせ、複数のコンタクト(27)の接触部(27a)を相手コネクタ(50)のコンタクト(53)へ接触させるシャッター付きコネクタであって、
アースシェル(3)は、前後方向と直交する幅方向のほぼ中央に、外方に向けて突設された係合部(32)と、係合部(32)の幅方向の両側に、前後方向を長手方向として穿設された一対のガイド溝(35)とを有し、
シャッター(4)は、一対のガイド溝(35)にそれぞれ挿通し、ガイド溝(35)により進退方向に案内される一対のガイド耳片(41)を有し、
中間部(5a)をアースシェル(3)の係合部(32)へ係合させたトーションバネ(5)の両端(5c)を、ガイド溝(35)から外方に突出する一対のガイド耳片(41)の連結孔(42)に挿通して、
シャッター(4)を前方へ付勢するトーションバネ(5)をアースシェル(3)の外方から取り付けるとともに、ガイド溝(35)により前後方向に進退自在に案内されるシャッター(4)を抜け止めすることを特徴とするシャッター付きコネクタ。 - ガイド溝(35)の前端(35a)にガイド耳片(41)が当接する位置で、シャッター(4)が前進位置に位置決めされることを特徴とする請求項1記載のシャッター付きコネクタ。
- 一対のガイド溝(35)は、幅方向で対向するアースシェル(3)の両側面(3b)上で、それぞれ後方が開放する形状に穿設され、ガイド溝(35)の後方からガイド耳片(41)を挿入させて、アースシェル(3)にシャッター(4)を組み込み自在であり、
絶縁ハウジング(2)は、アースシェル(3)に組み込まれたシャッター(4)の後方を覆い、アースシェル(3)に後方から係止する係止部(25)を有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のシャッター付きコネクタ。 - トーションバネ(5)は、中間部(5a)を中心として幅方向で対称形状となるように屈曲された線材であり、中間部(5a)から一対のガイド耳片(41)の連結孔(42)までの距離がほぼ等しい距離であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシャッター付きコネクタ。
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