JP3722198B2 - ノード - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ノードに関するもので、より具体的には、スイッチベース方式やアービトレーション方式等のネットワークにおいて、サイクリック(CYCLIC)データ伝送を実現するためのノードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、FAネットワーク等のメディア共有型のネットワークにおいて良く用いられるサイクリック(CYCLIC)データ通信は、ネットワーク内の各ノードが、自ノードについての情報を記憶保持するとともに、それを他の全ノードに通知することによって、全ノードは自ノードの情報と他ノードの情報を保有することができるようにするものである。
【0003】
一例を示すと、図1に示すように、伝送路1に複数のノード2が接続され、ネットワークを構築している。ある1つのノード(図示の例ではノード▲1▼)は、サイクリック(CYCLIC)マスターとなり、サイクリック通信の開始,停止等の管理を行っている。
【0004】
各ノード2は、ネットワークに接続された全ノードについての情報を記憶する記憶エリアを有し、その記憶エリアは、自ノードに関する情報を記憶する自ノードエリア3aと他ノードに関する情報を記憶する他ノードエリア3bを備えている。そして、サイクリックデータ通信を行うためには、トークンのような送信権をノードで巡回させトークンを持ったノードがサイクリックデータ(自ノード記憶エリアに格納されたデータ)を送信するようにしている。
【0005】
トークンなどの送信権をネットワーク内の各ノードに巡回させる場合、一定間隔で順次渡すことになるので、図2(a)に示すように、各ノード▲1▼,▲2▼,▲3▼…は、ほぼ等間隔でデータを送信し、よって、全ノード▲1▼〜Nが1回ずつ送信するサイクリック通信サイクルも、ほぼ同一周期で繰り返し行われることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようにサイクリック通信サイクルは、ほぼ一定であり、トークンが一定の順で回ってくることから各ノード2の送信タイミングも均等に出現する。一方、各ノード2は、PLCその他の各制御機器であり、同図(b)〜(d)に示すように、各ノード2の制御サイクルは、均一ではない。図示の例では、ノード▲1▼の制御サイクルは、サイクリック通信サイクルよりも短く、ノード▲2▼の制御サイクルは、サイクリック通信サイクルとほぼ等しく、ノード▲3▼の制御サイクルは、サイクリック通信サイクルよりも長くなっている。
【0007】
このため、サイクリックを送信するタイミングは、ネットワークでのトークン巡回サイクルにしたがって送信する必要があり、各ノード2の制御サイクルとは一致していない。その結果、各ノード2が送信すべきサイクリックデータは、各制御サイクルの終わりに、自ノードデータが更新(図中逆三角形で示すタイミングで更新)されるので、制御サイクルとサイクリック通信サイクルがほぼ一致するノード▲2▼の場合、最適なタイミングでネットワーク上に新しいデータが送信される。しかし、ノード▲1▼の場合、制御サイクルが通信サイクルより短いので、制御で更新されたデータがすべて送信されるわけではない。逆にノード▲3▼の場合、制御サイクルが通信サイクルより長いので、同じデータが何度もネットワーク上に送信され、通信並びにそれに伴なう各ノードでの更新処理の無駄となる。
【0008】
一方、本発明の対象とするスイッチベースのネットワークの場合、スイッチングハブ内にバッファを持たせることにより、各ノードは自己の制御サイクルにしたがって順次データを送信し、スイッチングハブ内の送信バッファに一次記憶させる。そして、その一次記憶されたデータは、送信先のノードが接続されたスイッチングハブ内の受信バッファに転送し、その送信先のノードが受信可能になったときに順次受信バッファからノードに転送するようにしている。
【0009】
この方式にすれば、各ノードはスイッチに向けて順次任意のタイミングで送信できるので、例えば制御サイクルごとに送るようにすると、最新のサイクリックデータを漏れなく他のノードに伝達できる。また、制御サイクルの長いノードの場合には、同一内容のデータを複数回送ることが無くなり、効率の良いトラフィックの利用が図れる。
【0010】
しかし、係る方式をとっても、バッファに容量いっぱいのデータが格納されると、オーバーフローし、送受信が不能となるので、例えば802.3Xパケットフォーマットを送り、全ノードに向けて送信を一次停止する命令を発する。そして、バッファ内に蓄積したデータの送信が完了或いはそれに近くなり、トラフィックに余裕が出ると、上記一次停止命令を解除し、再度各ノードからのデータ送信を許可するようになっている。
【0011】
しかしながら、この一次停止命令の解除にしたがって、各ノードは一斉に送信を開始するので、やはり再びオーバーフローを生じ、通信不能となるおそれが高い。
【0012】
この発明は、送信権の制御を行うことなく、CYCLICデータ伝送を実現することにより、Ethernetなどのスイッチベースやアービトレーション本式等におけるネットワーク上に簡易にサイクリックデータ伝送を実現するためのノードを提供することを目的としている。また、ノードのプログラムサイクル等に合わせたCYCLICデータの送信を行うことを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明によるノードでは、ネットワークに取り外し可能に接続され、データ通信機能を持ったノードにおいて、任意のタイミングでサイクリックデータを送信する送信機能と、ネットワーク上の他ノードからのサイクリックデータを受信した受信回数情報と、自己が送信したサイクリックデータの送信回数情報を記憶する手段と、前記ネットワーク上の混雑状況に関する混雑データを受信する手段とを備え、前記受信回数情報,前記送信回数情報並びに前記混雑データに基づいて自ノードのサイクリックデータの送信タイミングを制御する制御手段を備えるものである。なお、受信回数情報並びに送信回数情報は、具体的なそれぞれの回数でも良いし、回数に対応する情報(例えば、大・中・小のようにある程度レベル化する等)でも良い。また、混雑データは、実施の形態では、輻輳制御パケットや衝突通知に対応する。
【0014】
この発明のノードを複数用意しネットワークに接続する。このネットワークは、スイッチングハブなどの集線装置を経由してノード間のデータ送信を行うもので、各ノードは、それぞれ設定した任意のタイミングでサイクリックデータを送信する。つまり、トークン等の送信権や同期フレームのようなタイミング発生のためのフレームに基づくことなく、それぞれのタイミングで送信できるので、例えば送信タイミングを制御サイクルに合わせることで、最新のデータを逐次無駄なく送信することができる。
【0015】
通常は、集線装置内でネットワーク上の混雑を吸収するが、送信するデータが多くなると、集線装置は輻輳制御パケットを送信する。この輻輳制御パケットのような混雑状況に関する混雑データを受信すると、送信を停止したり、送信回数を減らすことなどにより、混雑緩和を行いネットワークシステム全体でスムーズなデータの送受を行う必要がある。
【0016】
このとき、本発明では、一律に全てのノードが送信を停止するのではなく、受信回数や送信回数などの情報を加味して各ノードが必要に応じて送信間隔を変更する。この送信間隔の変更制御は、実施の形態では間引き処理(n回に1回送信しない)としており、これは、基本の送信間隔がプログラムサイクル(制御サイクル)に合わせた場合には制御サイクルのn回に1回のデータが更新されないので適する。もちろん、制御はこれに限ることはなく、送信間隔を長くしたり短くするなどの変更を行うようにしてもよい。
【0017】
このとき、単位時間当たりのデータの送信数の多いノードほど送信間隔を制御し、単位時間当たりの送信する回数を減らすと、効率よく混雑を混和することができる。そして、自己の送信回数を、他のノードからの受信回数と比較することにより、データの送信数の多いノードか否かは簡単にわかる。
【0018】
これにより、ノードのプログラムサイクルにあわせたタイミングでサイクリックデータをネットワークに送信することができる。また、イーサネットなどのスイッチベースネットワーク上でオーバヘッドの少ないサイクリックデータ通信を実現することができる。さらに、管理ノードを置くことなくサイクリックデータ通信が可能となる。各ノードで最適な間隔でデータを送信するので、ネットワークの無駄なトラフィックを減らすことができ、ネットワークを効率良く使うことができる。
【0019】
この発明によるノードを構成する各手段を専用のハードウエア回路によって実現することができるし、プログラムされたコンピュータによって実現することもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図3は、この発明に係るノードを用いて構成されるネットワークの全体の構成を示している。図において、スイッチングハブ11を中心に、伝送路12にそれぞれのノード13が接続されることによりネットワークが構成される。係るネットワークの場合、各ノード13はスイッチングハブ11に接続され、端末(ノード)間のフレームの送受信はスイッチングハブ11を介して行われる。
【0021】
すなわち、スイッチングハブ11は、あるポートで受信したフレームを、宛先ノードが接続されているポートにのみ中継する。例えば、図4に示すように、ノード▲1▼がノード▲2▼宛のフレームを送信すると、そのフレームはノード▲2▼が接続されているポートにのみ中継される。従って、例えばノード▲1▼とノード▲2▼が通信中であっても、ポートが使用されていないノード▲3▼,▲4▼間での通信が可能となる。つまり、上記ノード▲1▼,▲2▼間の通信と▲3▼,▲4▼間の通信では衝突が発生しない。このように、複数のノードが同時に送信することができるという利点がある。
【0022】
係る処理を実現するためのスイッチングハブの構成は、一例として図5に示すようになっている。すなわち、各ノードに接続するためのポートを持ち、各ポートは、接続されたノードとの間でフレームの送受信を行うための送信部11aと受信部11bを有している。送信部11aは、送信バッファ11cに蓄積されたフレームを、蓄積された順番に接続された図外のノードへ送信する機能を持っている。また、受信部11bは、接続されたノードから受信したフレームを、受信バッファ11dに蓄積するようになっている。フレームは、受信した順に受信バッファ11dに蓄積される。
【0023】
上記各送信,受信バッファ11c,11dは、制御部11eに接続されており、この制御部11eを介して、目的のノードへフレームを転送・送信するようになっている。すなわち、各ポートの受信バッファ11dに蓄積されたフレームを取り出し、そのフレームの宛先アドレスのノードが接続されているポートをアドレステーブル11g(データ構造は図6参照)で検索し、そのポートの送信バッファ11cにフレームを書き込む。さらに、本発明との関係で言うと、サイクリックのデータ量やパケット数が増加し、スイッチングハブ11で処理しきれず、スイッチングハブ11内のバッファ11a,11bがあふれることがある。すると、係る場合には、各ノードに対して輻輳制御パケットフォーマットを送信する。Ethernetにおける輻輳制御パケットフォーマットは、IEEE802.3XのPAUSEパケットを使用することができる。
【0024】
なお、この制御部11eが実行するプログラムや、一時的なデータを記憶するためのメモリ11fも有している。そして、上記したスイッチングハブ11の構成並びに作用は、従来と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0025】
次に、本発明に係るノードの一実施の形態を説明する。本形態では、サイクリック伝送を、図3に示すようなスイッチベースのネットワークにおいて行い、しかも、トークンあるいは、同期フレームのようなタイミング発生のフレームなしに実現する。
【0026】
従って、まず、各ノード13は、送信すべき自ノードデータ(サイクリックデータ)の送信タイミングを各自設定する。この送信タイミングは、例えば制御サイクルにあわせたタイミング(図2でいえば、図中の逆三角形で示すタイミング)でサイクリックデータを送信するように設定すると、最新のデータを漏れなくしかも無駄な同一データを複数回送信することも無く、効率良く確実に各ノードに対して伝達可能となる。
【0027】
但し、各ノードが設定したタイミングで送信しつづけると、輻輳が生じ、スイッチングハブ11から輻輳制御パケットフォーマットが発せられる。すると、送信ができなくなり、以後仮に送信可能になっても頻繁に輻輳を生じるおそれがある。そこで、係る輻輳の発生を未然に防止するために、本形態のノード13では、図7に示すような構造にした。
【0028】
すなわち、同図に示すように、各ノード13は、CPU15のファームウェアにて制御されている。制御プログラムは、ROM16及びRAM19に格納されている。そして、スイッチングハブ11を介して他のノード13との間で行うデータの送受は、通信コントローラ17から物理層IF18を介して行う。 つまり、通信コントローラ17は、主に通信のデータリンク層の処理(送信権の制御、パケットの組み立て等)を行うものである。
【0029】
さらに、本形態のノードが適用されるネットワークでは、サイクリックデータ通信を行うので、その送受信するデータを格納するデータ記憶エリア(サイクリックエリア)として、自ノードエリア19bと他ノードエリア19cを備えている。これら各記憶エリアはRAM19内に確保されている。さらに、図示省略するが、各ノード用の具体的な記憶位置(アドレス)を特定するためのサイクリックエリア割り当てテーブルもRAM19内に確保されている。このサイクリックエリア割り当てテーブルは、ノード番号とそのノード番号に対応する情報(データ)を格納するアドレスを関連付けたテーブルとなっている。
【0030】
従って、各ノードは自己に関連する情報は、その割り当てテーブルをアクセスし、自ノードについてのアドレスを取得することによって自ノードエリア19bにデータを格納することになる。また、他のノード13から送られてきた受信データは、発信元のノードを特定し、サイクリックエリア割り当てテーブルに示された該当するノードのアドレスに格納することにより、他ノードエリア19cの所定位置に格納される。この他ノードエリア19cは、受信するのみのエリアなので、このエリアに書き込みを行っても、他のノードに反映はされない。
【0031】
なお、自己に関する情報とは、ノード13がPLCなどの制御機器の場合には、自ノードのI/O情報,変数情報等がある。そして、所定のタイミング(送信権を確保)で、自ノードエリア19bに格納された情報を通信コントローラ17を介してネットワーク上に一斉同報パケットとして送信する。この一斉同報は、フレームの宛先アドレス(DA)エリアの全てのビットを1とすることで指定することができる。上記した各構成は従来と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0032】
ここで本発明では、RAM19内に、各ノードのサイクリック受信回数をノードアドレスと関連付けて格納する受信回数エリア19aを備えている。なお、自ノードについては送信回数を格納すると良い。そして、受信回数エリア19aに格納された回数が多いもの程、送信タイミング(本例では、制御サイクル)が短いものといえる。
【0033】
そして、各ノードにおける主としてCPU15の内部構造は、図8に示すようになっている。この受信回数エリア19aに格納されたデータに基づいて所定の処理を実行し、輻輳が生じにくくなるように、各ノードが、自立的にサイクリックデータを送信するタイミングを調整するようにしている。
【0034】
すなわち、まず図8に示すように、通信コントローラ11から受信したデータは、データ受信機能部15aに与えられ、そこにおいて受信したデータの種類を判別し、通常の他ノードからのフレーム、つまり、サイクリックデータパケットの場合には、各ノード受信カウント機能部15bを介して、各ノード受信カウント機能部15bを経由して受信CYCLICデータ記憶エリア、つまり他ノードエリア記憶部19cの該当する領域に格納され、図外の制御プログラムから利用可能となる。
【0035】
また、各ノード受信カウント機能部15bは、上記のようにデータの格納とともに、受信したCYCLICデータの発信元アドレスをチェックし、アドレスごとに受信回数をカウントし、そのカウント値を図7に示すサイクリックの受信回数エリア記憶部19aに記憶するようにしている。
【0036】
一方、受信したデータが、衝突発生の検出やスイッチングハブ11から送られてきた輻輳制御パケットの場合には輻輳制御パケット処理機能部15cに渡す。この輻輳制御パケット処理機能部15cは、送信間隔判定機能部15dに、ネットワークの混雑状況を通知するようになっている。
【0037】
この送信間隔判定機能部15dは、前記混雑状況の通知を受けたなら、各ノード受信カウント機能部15bでカウントし、受信回数エリア19aに記憶された各ノードの受信回数をサーチし、受信回数が多いノードはどれかを判断する。そして、回数が多いノードが自ノードなら、自ノードの送信間隔を間引く処理を行う。つまり、例えばこれまでは当初設定された送信間隔(制御サイクル)ごとに1回送信していたものを、n回に1回は送信しないといった送信を間引く処理を行う。これにより、ネットワーク上での混雑を緩和し、システム全体としてサイクリック伝送がスムーズに行えるようにする。特に、受信回数が多いノードは、元々送信間隔が短いので、間引いたとしても、一定時間当たりに送信する回数は他のノードからのものよりも多いか、同程度を維持でき、しかも、全体の回数が多いため間引きに伴なうシステム全体での送信回数の減少効果は大きくなるので、混雑緩和に効果的である。
【0038】
さらに、上記輻輳制御パケット処理機能部15cからの混雑状況の通知は、タイマ処理機能部15fにも与えられる。このタイマ処理機能部15fは、通知を受ける間隔を計測し、一定時間輻輳制御,衝突が発生にともなう通知がなかったら、ネットワークの混雑が緩和されたと判断し、その旨、送信間隔判定機能部15dに伝える。これを受けた送信間隔判定機能部15dは、間引く処理を減少させるように動作する。
【0039】
一方、サイクリックデータの送信は、制御側I/F内の送信CYCLICデータ、つまり、自ノードエリア記憶部19bに格納されているデータを、データ送信機能部15eを介して通信コントローラ17に渡され送信される。そして、その送信する際の送信間隔は、上記したごとく送信間隔判定機能部15dにより決定され、制御される。
【0040】
このように、混雑の状況に応じて送信回数の間引き処理の有無を制御したり、間引き数の調整をすることにより、輻輳等が生じにくく、しかも、トークンなどの制御を受けることなく各ノードが任意のタイミングでサイクリックデータを送信することができるようになる。
【0041】
そして、上記動作原理を実行するための具体的な処理ステップは、図9〜図11に示すようになる。まず、図9は、制御装置(ノード)がサイクリックデータを送信するデータ送信機能部15eの機能を示すフローチャートである。
【0042】
制御サイクルが終了などして送信タイミングになると、ノード(制御装置)の制御プログラム側から送信の要求がある(送信発生)ので、それを受けて、まず、WAITフラグ(間引きをするモードになっているかどうかを示すフラグ)をチェックする(ST1)。WAITフラグがOFF、つまり間引き処理をしないモードの場合には、ステップ4に飛び、サイクリック(CYCLIC)データを送信し、CYCLIC受信カウントエリア19aの自ノードのエリアをインクリメントする(ST5)。
【0043】
その後、衝突があったか否かを判断する(ST6)。そして、衝突があった場合には、データ受信機能部15aに対して衝突検出を通知した後(ST8)、処理を終了する。衝突が検出されない場合にはそのまま処理を終了する。
【0044】
一方、WAITフラグがONの時、送信するかしないかの判定を行う(ST2)。すなわち、送信カウンタが0なら、送信せず送信カウンタをカウント初期値、すなわち間引き受信処理で設定する間引きカウント値にセットし(ST7)、処理を終了する。なお、間引きカウント値は、送信間隔判定機能部15dにより設定される。また、送信カウンタが0より大きければカウンタ値をデクリメントした後(ST3)、今回のサイクリックデータを送信し(ST4)、上記したステップ5以降の処理を実行し処理を終了する。
【0045】
一方、図10は、制御装置(ノード)が受信する際の手順を示すフローチャートである。同図に示すように、通信コントローラ17からの受信、または、送信機能部から衝突検出(ST8の実行に伴う通知)があると、このフローチャートに入る。
【0046】
すなわち、まずデータ受信機能部15aが、パケット種別を判別する(ST11)。サイクリックパケットならそのサイクリックパケットの発信元アドレスをチェックして対応するCYCLIC受信カウントエリア19aをインクリメントし、データをデータエリアにセットする(ST19,ST20)。
【0047】
また、パケット種別が、輻輳制御または衝突検出ならば、その通知が輻輳制御パケット処理機能部15cに与えられ、そこからタイマ処理機能部15f並びに送信間隔判定機能部15dに通知されるので、タイマをリスタートし(ST12)、その後、自ノードが間引くべきかどうかの判断処理に移る。
【0048】
すなわち、まず、CYCLIC受信カウントエリア19aをカウント値(受信回数)が多い順にソーティングを行い(ST13)、自ノードの順位を求め、それが上位か否かを判断する(ST14)。そして、上位X番目(Xは初期パラメータとして設定)以内なら自ノードは、間引く処理が必要と判断し、WAITフラグをONする(ST15)。そして、何回に1回間引くかの間引き数を設定するための「間引きカウント値」をデクリメントする(ST16)。なお、間引きカウント値が0になったら最小値としての1をセットする(ST17,ST18)。そして、ステップ13〜18までの処理は、送信間隔判定機能部15dで実行される。
【0049】
図11は、タイムアウト発生時制御装置(ノード)が受信する部分のフローチャートである。すなわち、ステップ12でリスタートしたタイマがタイムアウトした場合には、その旨の通知が、タイマ処理機能部15fから送信間隔判定機能部15dに与えられ、その送信間隔判定機能部15dにて図11の処理が起動され、実行される。
【0050】
すなわち、タイムアウトが発生したということは、一定時間輻輳制御並びに衝突検出がなかったということであるから、ネットワークの混雑が緩和されたと判断し、間引いている処理を戻すことを行う。間引きカウント値をインクリメントし(ST21)、得られた間引きカウント値がある値(MAX)を超えたか否かを判断する(ST22)。
【0051】
そして、超えた場合には、間引きカウント値はMAX値にセット後、WAITフラグをOFFにする(ST23,ST24)。これにより、以後は間引き処理をすることなく、初期設定された送信間隔でサイクリックデータを送信することになる。なお、ステップ22の分岐判断で、間引きカウント値がMAX値以下の場合にはそのまま処理を終了する。
【0052】
上記した構成により、スイッチベースのネットワーク(スイッチングハブで構成されたイーサネットなど)において、サイクリック伝送をサイクリックを管理するマスターノードなしに、しかも、ネットワーク側でサイクルを設けることなく、所定のタイミングでサイクリックデータを送信することができ、しかも、間引き処理を適宜実行することにより、ネットワークの混雑を自立的に緩和することができるといった、優れたサイクリック伝送を実現することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、この発明では、ノードが自発的に送信間隔を設定し、所定タイミングで送信し、ネットワークが混雑した場合には、必要なノードが送信間隔を制御し、混雑解消を図ることができる。よって、送信権の制御を行うことなく、サイクリックデータ伝送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のサイクリックデータ通信を実行するためのネットワークの一例を示す図である。
【図2】サイクリック通信サイクルと各ノードの制御タイミングの関係を示す図である。
【図3】本発明が適用されるネットワークの一例を示す図である。
【図4】スイッチングハブを用いたデータ伝送の一例を示す図である。
【図5】スイッチングハブの内部構造を示す図である。
【図6】アドレステーブルのデータ構造を示す図である。
【図7】本発明に係るノードの好適な一実施の形態を示す図である。
【図8】本発明に係るノードの主としてCPUの内部構造を示す図である。
【図9】送信の作業を示すフローチャートである。
【図10】受信の作業を示すフローチャートである。
【図11】送信の作業を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 スイッチングハブ
12 伝送路
13 ノード
15 CPU
19 RAM
19a 受信回数エリア記憶部
19b 自ノードエリア記憶部
19c 他ノードエリア記憶部
15a データ受信機能
15b 各ノード受信カウント機能部
15c 輻輳制御パケット処理機能部
15d 送信間隔判定機能部
15e データ送信機能部
15f タイマ処理機能部
【発明の属する技術分野】
この発明は、ノードに関するもので、より具体的には、スイッチベース方式やアービトレーション方式等のネットワークにおいて、サイクリック(CYCLIC)データ伝送を実現するためのノードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、FAネットワーク等のメディア共有型のネットワークにおいて良く用いられるサイクリック(CYCLIC)データ通信は、ネットワーク内の各ノードが、自ノードについての情報を記憶保持するとともに、それを他の全ノードに通知することによって、全ノードは自ノードの情報と他ノードの情報を保有することができるようにするものである。
【0003】
一例を示すと、図1に示すように、伝送路1に複数のノード2が接続され、ネットワークを構築している。ある1つのノード(図示の例ではノード▲1▼)は、サイクリック(CYCLIC)マスターとなり、サイクリック通信の開始,停止等の管理を行っている。
【0004】
各ノード2は、ネットワークに接続された全ノードについての情報を記憶する記憶エリアを有し、その記憶エリアは、自ノードに関する情報を記憶する自ノードエリア3aと他ノードに関する情報を記憶する他ノードエリア3bを備えている。そして、サイクリックデータ通信を行うためには、トークンのような送信権をノードで巡回させトークンを持ったノードがサイクリックデータ(自ノード記憶エリアに格納されたデータ)を送信するようにしている。
【0005】
トークンなどの送信権をネットワーク内の各ノードに巡回させる場合、一定間隔で順次渡すことになるので、図2(a)に示すように、各ノード▲1▼,▲2▼,▲3▼…は、ほぼ等間隔でデータを送信し、よって、全ノード▲1▼〜Nが1回ずつ送信するサイクリック通信サイクルも、ほぼ同一周期で繰り返し行われることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようにサイクリック通信サイクルは、ほぼ一定であり、トークンが一定の順で回ってくることから各ノード2の送信タイミングも均等に出現する。一方、各ノード2は、PLCその他の各制御機器であり、同図(b)〜(d)に示すように、各ノード2の制御サイクルは、均一ではない。図示の例では、ノード▲1▼の制御サイクルは、サイクリック通信サイクルよりも短く、ノード▲2▼の制御サイクルは、サイクリック通信サイクルとほぼ等しく、ノード▲3▼の制御サイクルは、サイクリック通信サイクルよりも長くなっている。
【0007】
このため、サイクリックを送信するタイミングは、ネットワークでのトークン巡回サイクルにしたがって送信する必要があり、各ノード2の制御サイクルとは一致していない。その結果、各ノード2が送信すべきサイクリックデータは、各制御サイクルの終わりに、自ノードデータが更新(図中逆三角形で示すタイミングで更新)されるので、制御サイクルとサイクリック通信サイクルがほぼ一致するノード▲2▼の場合、最適なタイミングでネットワーク上に新しいデータが送信される。しかし、ノード▲1▼の場合、制御サイクルが通信サイクルより短いので、制御で更新されたデータがすべて送信されるわけではない。逆にノード▲3▼の場合、制御サイクルが通信サイクルより長いので、同じデータが何度もネットワーク上に送信され、通信並びにそれに伴なう各ノードでの更新処理の無駄となる。
【0008】
一方、本発明の対象とするスイッチベースのネットワークの場合、スイッチングハブ内にバッファを持たせることにより、各ノードは自己の制御サイクルにしたがって順次データを送信し、スイッチングハブ内の送信バッファに一次記憶させる。そして、その一次記憶されたデータは、送信先のノードが接続されたスイッチングハブ内の受信バッファに転送し、その送信先のノードが受信可能になったときに順次受信バッファからノードに転送するようにしている。
【0009】
この方式にすれば、各ノードはスイッチに向けて順次任意のタイミングで送信できるので、例えば制御サイクルごとに送るようにすると、最新のサイクリックデータを漏れなく他のノードに伝達できる。また、制御サイクルの長いノードの場合には、同一内容のデータを複数回送ることが無くなり、効率の良いトラフィックの利用が図れる。
【0010】
しかし、係る方式をとっても、バッファに容量いっぱいのデータが格納されると、オーバーフローし、送受信が不能となるので、例えば802.3Xパケットフォーマットを送り、全ノードに向けて送信を一次停止する命令を発する。そして、バッファ内に蓄積したデータの送信が完了或いはそれに近くなり、トラフィックに余裕が出ると、上記一次停止命令を解除し、再度各ノードからのデータ送信を許可するようになっている。
【0011】
しかしながら、この一次停止命令の解除にしたがって、各ノードは一斉に送信を開始するので、やはり再びオーバーフローを生じ、通信不能となるおそれが高い。
【0012】
この発明は、送信権の制御を行うことなく、CYCLICデータ伝送を実現することにより、Ethernetなどのスイッチベースやアービトレーション本式等におけるネットワーク上に簡易にサイクリックデータ伝送を実現するためのノードを提供することを目的としている。また、ノードのプログラムサイクル等に合わせたCYCLICデータの送信を行うことを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明によるノードでは、ネットワークに取り外し可能に接続され、データ通信機能を持ったノードにおいて、任意のタイミングでサイクリックデータを送信する送信機能と、ネットワーク上の他ノードからのサイクリックデータを受信した受信回数情報と、自己が送信したサイクリックデータの送信回数情報を記憶する手段と、前記ネットワーク上の混雑状況に関する混雑データを受信する手段とを備え、前記受信回数情報,前記送信回数情報並びに前記混雑データに基づいて自ノードのサイクリックデータの送信タイミングを制御する制御手段を備えるものである。なお、受信回数情報並びに送信回数情報は、具体的なそれぞれの回数でも良いし、回数に対応する情報(例えば、大・中・小のようにある程度レベル化する等)でも良い。また、混雑データは、実施の形態では、輻輳制御パケットや衝突通知に対応する。
【0014】
この発明のノードを複数用意しネットワークに接続する。このネットワークは、スイッチングハブなどの集線装置を経由してノード間のデータ送信を行うもので、各ノードは、それぞれ設定した任意のタイミングでサイクリックデータを送信する。つまり、トークン等の送信権や同期フレームのようなタイミング発生のためのフレームに基づくことなく、それぞれのタイミングで送信できるので、例えば送信タイミングを制御サイクルに合わせることで、最新のデータを逐次無駄なく送信することができる。
【0015】
通常は、集線装置内でネットワーク上の混雑を吸収するが、送信するデータが多くなると、集線装置は輻輳制御パケットを送信する。この輻輳制御パケットのような混雑状況に関する混雑データを受信すると、送信を停止したり、送信回数を減らすことなどにより、混雑緩和を行いネットワークシステム全体でスムーズなデータの送受を行う必要がある。
【0016】
このとき、本発明では、一律に全てのノードが送信を停止するのではなく、受信回数や送信回数などの情報を加味して各ノードが必要に応じて送信間隔を変更する。この送信間隔の変更制御は、実施の形態では間引き処理(n回に1回送信しない)としており、これは、基本の送信間隔がプログラムサイクル(制御サイクル)に合わせた場合には制御サイクルのn回に1回のデータが更新されないので適する。もちろん、制御はこれに限ることはなく、送信間隔を長くしたり短くするなどの変更を行うようにしてもよい。
【0017】
このとき、単位時間当たりのデータの送信数の多いノードほど送信間隔を制御し、単位時間当たりの送信する回数を減らすと、効率よく混雑を混和することができる。そして、自己の送信回数を、他のノードからの受信回数と比較することにより、データの送信数の多いノードか否かは簡単にわかる。
【0018】
これにより、ノードのプログラムサイクルにあわせたタイミングでサイクリックデータをネットワークに送信することができる。また、イーサネットなどのスイッチベースネットワーク上でオーバヘッドの少ないサイクリックデータ通信を実現することができる。さらに、管理ノードを置くことなくサイクリックデータ通信が可能となる。各ノードで最適な間隔でデータを送信するので、ネットワークの無駄なトラフィックを減らすことができ、ネットワークを効率良く使うことができる。
【0019】
この発明によるノードを構成する各手段を専用のハードウエア回路によって実現することができるし、プログラムされたコンピュータによって実現することもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図3は、この発明に係るノードを用いて構成されるネットワークの全体の構成を示している。図において、スイッチングハブ11を中心に、伝送路12にそれぞれのノード13が接続されることによりネットワークが構成される。係るネットワークの場合、各ノード13はスイッチングハブ11に接続され、端末(ノード)間のフレームの送受信はスイッチングハブ11を介して行われる。
【0021】
すなわち、スイッチングハブ11は、あるポートで受信したフレームを、宛先ノードが接続されているポートにのみ中継する。例えば、図4に示すように、ノード▲1▼がノード▲2▼宛のフレームを送信すると、そのフレームはノード▲2▼が接続されているポートにのみ中継される。従って、例えばノード▲1▼とノード▲2▼が通信中であっても、ポートが使用されていないノード▲3▼,▲4▼間での通信が可能となる。つまり、上記ノード▲1▼,▲2▼間の通信と▲3▼,▲4▼間の通信では衝突が発生しない。このように、複数のノードが同時に送信することができるという利点がある。
【0022】
係る処理を実現するためのスイッチングハブの構成は、一例として図5に示すようになっている。すなわち、各ノードに接続するためのポートを持ち、各ポートは、接続されたノードとの間でフレームの送受信を行うための送信部11aと受信部11bを有している。送信部11aは、送信バッファ11cに蓄積されたフレームを、蓄積された順番に接続された図外のノードへ送信する機能を持っている。また、受信部11bは、接続されたノードから受信したフレームを、受信バッファ11dに蓄積するようになっている。フレームは、受信した順に受信バッファ11dに蓄積される。
【0023】
上記各送信,受信バッファ11c,11dは、制御部11eに接続されており、この制御部11eを介して、目的のノードへフレームを転送・送信するようになっている。すなわち、各ポートの受信バッファ11dに蓄積されたフレームを取り出し、そのフレームの宛先アドレスのノードが接続されているポートをアドレステーブル11g(データ構造は図6参照)で検索し、そのポートの送信バッファ11cにフレームを書き込む。さらに、本発明との関係で言うと、サイクリックのデータ量やパケット数が増加し、スイッチングハブ11で処理しきれず、スイッチングハブ11内のバッファ11a,11bがあふれることがある。すると、係る場合には、各ノードに対して輻輳制御パケットフォーマットを送信する。Ethernetにおける輻輳制御パケットフォーマットは、IEEE802.3XのPAUSEパケットを使用することができる。
【0024】
なお、この制御部11eが実行するプログラムや、一時的なデータを記憶するためのメモリ11fも有している。そして、上記したスイッチングハブ11の構成並びに作用は、従来と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0025】
次に、本発明に係るノードの一実施の形態を説明する。本形態では、サイクリック伝送を、図3に示すようなスイッチベースのネットワークにおいて行い、しかも、トークンあるいは、同期フレームのようなタイミング発生のフレームなしに実現する。
【0026】
従って、まず、各ノード13は、送信すべき自ノードデータ(サイクリックデータ)の送信タイミングを各自設定する。この送信タイミングは、例えば制御サイクルにあわせたタイミング(図2でいえば、図中の逆三角形で示すタイミング)でサイクリックデータを送信するように設定すると、最新のデータを漏れなくしかも無駄な同一データを複数回送信することも無く、効率良く確実に各ノードに対して伝達可能となる。
【0027】
但し、各ノードが設定したタイミングで送信しつづけると、輻輳が生じ、スイッチングハブ11から輻輳制御パケットフォーマットが発せられる。すると、送信ができなくなり、以後仮に送信可能になっても頻繁に輻輳を生じるおそれがある。そこで、係る輻輳の発生を未然に防止するために、本形態のノード13では、図7に示すような構造にした。
【0028】
すなわち、同図に示すように、各ノード13は、CPU15のファームウェアにて制御されている。制御プログラムは、ROM16及びRAM19に格納されている。そして、スイッチングハブ11を介して他のノード13との間で行うデータの送受は、通信コントローラ17から物理層IF18を介して行う。 つまり、通信コントローラ17は、主に通信のデータリンク層の処理(送信権の制御、パケットの組み立て等)を行うものである。
【0029】
さらに、本形態のノードが適用されるネットワークでは、サイクリックデータ通信を行うので、その送受信するデータを格納するデータ記憶エリア(サイクリックエリア)として、自ノードエリア19bと他ノードエリア19cを備えている。これら各記憶エリアはRAM19内に確保されている。さらに、図示省略するが、各ノード用の具体的な記憶位置(アドレス)を特定するためのサイクリックエリア割り当てテーブルもRAM19内に確保されている。このサイクリックエリア割り当てテーブルは、ノード番号とそのノード番号に対応する情報(データ)を格納するアドレスを関連付けたテーブルとなっている。
【0030】
従って、各ノードは自己に関連する情報は、その割り当てテーブルをアクセスし、自ノードについてのアドレスを取得することによって自ノードエリア19bにデータを格納することになる。また、他のノード13から送られてきた受信データは、発信元のノードを特定し、サイクリックエリア割り当てテーブルに示された該当するノードのアドレスに格納することにより、他ノードエリア19cの所定位置に格納される。この他ノードエリア19cは、受信するのみのエリアなので、このエリアに書き込みを行っても、他のノードに反映はされない。
【0031】
なお、自己に関する情報とは、ノード13がPLCなどの制御機器の場合には、自ノードのI/O情報,変数情報等がある。そして、所定のタイミング(送信権を確保)で、自ノードエリア19bに格納された情報を通信コントローラ17を介してネットワーク上に一斉同報パケットとして送信する。この一斉同報は、フレームの宛先アドレス(DA)エリアの全てのビットを1とすることで指定することができる。上記した各構成は従来と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0032】
ここで本発明では、RAM19内に、各ノードのサイクリック受信回数をノードアドレスと関連付けて格納する受信回数エリア19aを備えている。なお、自ノードについては送信回数を格納すると良い。そして、受信回数エリア19aに格納された回数が多いもの程、送信タイミング(本例では、制御サイクル)が短いものといえる。
【0033】
そして、各ノードにおける主としてCPU15の内部構造は、図8に示すようになっている。この受信回数エリア19aに格納されたデータに基づいて所定の処理を実行し、輻輳が生じにくくなるように、各ノードが、自立的にサイクリックデータを送信するタイミングを調整するようにしている。
【0034】
すなわち、まず図8に示すように、通信コントローラ11から受信したデータは、データ受信機能部15aに与えられ、そこにおいて受信したデータの種類を判別し、通常の他ノードからのフレーム、つまり、サイクリックデータパケットの場合には、各ノード受信カウント機能部15bを介して、各ノード受信カウント機能部15bを経由して受信CYCLICデータ記憶エリア、つまり他ノードエリア記憶部19cの該当する領域に格納され、図外の制御プログラムから利用可能となる。
【0035】
また、各ノード受信カウント機能部15bは、上記のようにデータの格納とともに、受信したCYCLICデータの発信元アドレスをチェックし、アドレスごとに受信回数をカウントし、そのカウント値を図7に示すサイクリックの受信回数エリア記憶部19aに記憶するようにしている。
【0036】
一方、受信したデータが、衝突発生の検出やスイッチングハブ11から送られてきた輻輳制御パケットの場合には輻輳制御パケット処理機能部15cに渡す。この輻輳制御パケット処理機能部15cは、送信間隔判定機能部15dに、ネットワークの混雑状況を通知するようになっている。
【0037】
この送信間隔判定機能部15dは、前記混雑状況の通知を受けたなら、各ノード受信カウント機能部15bでカウントし、受信回数エリア19aに記憶された各ノードの受信回数をサーチし、受信回数が多いノードはどれかを判断する。そして、回数が多いノードが自ノードなら、自ノードの送信間隔を間引く処理を行う。つまり、例えばこれまでは当初設定された送信間隔(制御サイクル)ごとに1回送信していたものを、n回に1回は送信しないといった送信を間引く処理を行う。これにより、ネットワーク上での混雑を緩和し、システム全体としてサイクリック伝送がスムーズに行えるようにする。特に、受信回数が多いノードは、元々送信間隔が短いので、間引いたとしても、一定時間当たりに送信する回数は他のノードからのものよりも多いか、同程度を維持でき、しかも、全体の回数が多いため間引きに伴なうシステム全体での送信回数の減少効果は大きくなるので、混雑緩和に効果的である。
【0038】
さらに、上記輻輳制御パケット処理機能部15cからの混雑状況の通知は、タイマ処理機能部15fにも与えられる。このタイマ処理機能部15fは、通知を受ける間隔を計測し、一定時間輻輳制御,衝突が発生にともなう通知がなかったら、ネットワークの混雑が緩和されたと判断し、その旨、送信間隔判定機能部15dに伝える。これを受けた送信間隔判定機能部15dは、間引く処理を減少させるように動作する。
【0039】
一方、サイクリックデータの送信は、制御側I/F内の送信CYCLICデータ、つまり、自ノードエリア記憶部19bに格納されているデータを、データ送信機能部15eを介して通信コントローラ17に渡され送信される。そして、その送信する際の送信間隔は、上記したごとく送信間隔判定機能部15dにより決定され、制御される。
【0040】
このように、混雑の状況に応じて送信回数の間引き処理の有無を制御したり、間引き数の調整をすることにより、輻輳等が生じにくく、しかも、トークンなどの制御を受けることなく各ノードが任意のタイミングでサイクリックデータを送信することができるようになる。
【0041】
そして、上記動作原理を実行するための具体的な処理ステップは、図9〜図11に示すようになる。まず、図9は、制御装置(ノード)がサイクリックデータを送信するデータ送信機能部15eの機能を示すフローチャートである。
【0042】
制御サイクルが終了などして送信タイミングになると、ノード(制御装置)の制御プログラム側から送信の要求がある(送信発生)ので、それを受けて、まず、WAITフラグ(間引きをするモードになっているかどうかを示すフラグ)をチェックする(ST1)。WAITフラグがOFF、つまり間引き処理をしないモードの場合には、ステップ4に飛び、サイクリック(CYCLIC)データを送信し、CYCLIC受信カウントエリア19aの自ノードのエリアをインクリメントする(ST5)。
【0043】
その後、衝突があったか否かを判断する(ST6)。そして、衝突があった場合には、データ受信機能部15aに対して衝突検出を通知した後(ST8)、処理を終了する。衝突が検出されない場合にはそのまま処理を終了する。
【0044】
一方、WAITフラグがONの時、送信するかしないかの判定を行う(ST2)。すなわち、送信カウンタが0なら、送信せず送信カウンタをカウント初期値、すなわち間引き受信処理で設定する間引きカウント値にセットし(ST7)、処理を終了する。なお、間引きカウント値は、送信間隔判定機能部15dにより設定される。また、送信カウンタが0より大きければカウンタ値をデクリメントした後(ST3)、今回のサイクリックデータを送信し(ST4)、上記したステップ5以降の処理を実行し処理を終了する。
【0045】
一方、図10は、制御装置(ノード)が受信する際の手順を示すフローチャートである。同図に示すように、通信コントローラ17からの受信、または、送信機能部から衝突検出(ST8の実行に伴う通知)があると、このフローチャートに入る。
【0046】
すなわち、まずデータ受信機能部15aが、パケット種別を判別する(ST11)。サイクリックパケットならそのサイクリックパケットの発信元アドレスをチェックして対応するCYCLIC受信カウントエリア19aをインクリメントし、データをデータエリアにセットする(ST19,ST20)。
【0047】
また、パケット種別が、輻輳制御または衝突検出ならば、その通知が輻輳制御パケット処理機能部15cに与えられ、そこからタイマ処理機能部15f並びに送信間隔判定機能部15dに通知されるので、タイマをリスタートし(ST12)、その後、自ノードが間引くべきかどうかの判断処理に移る。
【0048】
すなわち、まず、CYCLIC受信カウントエリア19aをカウント値(受信回数)が多い順にソーティングを行い(ST13)、自ノードの順位を求め、それが上位か否かを判断する(ST14)。そして、上位X番目(Xは初期パラメータとして設定)以内なら自ノードは、間引く処理が必要と判断し、WAITフラグをONする(ST15)。そして、何回に1回間引くかの間引き数を設定するための「間引きカウント値」をデクリメントする(ST16)。なお、間引きカウント値が0になったら最小値としての1をセットする(ST17,ST18)。そして、ステップ13〜18までの処理は、送信間隔判定機能部15dで実行される。
【0049】
図11は、タイムアウト発生時制御装置(ノード)が受信する部分のフローチャートである。すなわち、ステップ12でリスタートしたタイマがタイムアウトした場合には、その旨の通知が、タイマ処理機能部15fから送信間隔判定機能部15dに与えられ、その送信間隔判定機能部15dにて図11の処理が起動され、実行される。
【0050】
すなわち、タイムアウトが発生したということは、一定時間輻輳制御並びに衝突検出がなかったということであるから、ネットワークの混雑が緩和されたと判断し、間引いている処理を戻すことを行う。間引きカウント値をインクリメントし(ST21)、得られた間引きカウント値がある値(MAX)を超えたか否かを判断する(ST22)。
【0051】
そして、超えた場合には、間引きカウント値はMAX値にセット後、WAITフラグをOFFにする(ST23,ST24)。これにより、以後は間引き処理をすることなく、初期設定された送信間隔でサイクリックデータを送信することになる。なお、ステップ22の分岐判断で、間引きカウント値がMAX値以下の場合にはそのまま処理を終了する。
【0052】
上記した構成により、スイッチベースのネットワーク(スイッチングハブで構成されたイーサネットなど)において、サイクリック伝送をサイクリックを管理するマスターノードなしに、しかも、ネットワーク側でサイクルを設けることなく、所定のタイミングでサイクリックデータを送信することができ、しかも、間引き処理を適宜実行することにより、ネットワークの混雑を自立的に緩和することができるといった、優れたサイクリック伝送を実現することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、この発明では、ノードが自発的に送信間隔を設定し、所定タイミングで送信し、ネットワークが混雑した場合には、必要なノードが送信間隔を制御し、混雑解消を図ることができる。よって、送信権の制御を行うことなく、サイクリックデータ伝送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のサイクリックデータ通信を実行するためのネットワークの一例を示す図である。
【図2】サイクリック通信サイクルと各ノードの制御タイミングの関係を示す図である。
【図3】本発明が適用されるネットワークの一例を示す図である。
【図4】スイッチングハブを用いたデータ伝送の一例を示す図である。
【図5】スイッチングハブの内部構造を示す図である。
【図6】アドレステーブルのデータ構造を示す図である。
【図7】本発明に係るノードの好適な一実施の形態を示す図である。
【図8】本発明に係るノードの主としてCPUの内部構造を示す図である。
【図9】送信の作業を示すフローチャートである。
【図10】受信の作業を示すフローチャートである。
【図11】送信の作業を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 スイッチングハブ
12 伝送路
13 ノード
15 CPU
19 RAM
19a 受信回数エリア記憶部
19b 自ノードエリア記憶部
19c 他ノードエリア記憶部
15a データ受信機能
15b 各ノード受信カウント機能部
15c 輻輳制御パケット処理機能部
15d 送信間隔判定機能部
15e データ送信機能部
15f タイマ処理機能部
Claims (1)
- ネットワークに取り外し可能に接続され、データ通信機能を持ったノードにおいて、
任意のタイミングでサイクリックデータを送信する送信機能と、
ネットワーク上の他ノードからのサイクリックデータを受信した受信回数情報と、自己が送信したサイクリックデータの送信回数情報を記憶する手段と、
前記ネットワーク上の混雑状況に関する混雑データを受信する手段とを備え、
前記受信回数情報,前記送信回数情報並びに前記混雑データに基づいて自ノードのサイクリックデータの送信タイミングを制御する制御手段を備えたことを特徴とするノード。
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