JP3721613B2 - 粉体によるライニング方法 - Google Patents

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    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D1/00Processes for applying liquids or other fluent materials
    • B05D1/30Processes for applying liquids or other fluent materials performed by gravity only, i.e. flow coating

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、粉体を基体の特定部位に所定の形状でライニングする方法に関するもので、より詳細には、安息角の大きい粉体を利用して、基体の特定部位に所定形状のライニングを施すための方法に関する。本発明は、特に諸特性に優れたライニング蓋を環境汚染等の問題を生じることなしに高生産性を以て製造するライニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エアゾール缶のノズルは、マウンテイングカップと呼ばれるライニング蓋に取り付けて使用されている。このマウンテイングカップは金属製蓋体の周囲に巻締乃至締結用フランジが形成され、このフランジ部の溝にライナー材がライニングされたものである。
【0003】
ライナー材としては従来ゴムが使用されており、ゴムを芳香族系溶剤に溶解し、この溶液をスピンコートしてライナー層を形成させる。しかしながら、この方法では、塗布時に溶媒が作業環境に揮散し、環境衛生の点で好ましくない。また、所定形状のライナー層を形成させるのにも熟練と人手が必要であり、更にライナー層の乾燥等にも長時間を必要とし、生産性の点でも未だ不満足のものである。
【0004】
従来、樹脂粉末を用いるライニング方法も既に知られており、溶射法、流動浸漬法、パウダースプレイ法等が一般的である。これらの内、溶射法では、プラスチックの粉末を高温火焔の中に高速で通過させて半溶融状態にし、これを圧縮空気で被ライニング面に吹き付ける方法であるが、素地との接着性を高めるために被着体の予熱が必要である。また、流動浸漬法は、比較的シャープに流動するプラスチック粉末を使用する方法で、空気或いは窒素ガスの気流でプラスチック粉末の流動層をつくり、この中に予熱した被着体を浸漬して、ライニングする方法である。更に、パウダースプレイ法は、予め加熱炉で予熱した被着体にスプレイや静電塗装機でプラスチック粉末を吹き付けし、粉末を溶融させてライニングする方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の粉末ライニング方法は、溶剤を使用せずにライナー材を基体(被着体)に施すことができるので、作業環境を汚染しないという点では優れているものの、基体全面にライニングを施すことはできても、基体の特定部位にのみライニングを施すという目的には未だ不満足なものである。即ち、基体の特定部位に粉末を施すには、どうしても飛散の問題を避けられず、しかも従来のライニング法では、基体を予熱しておくことが必須であるため、飛散した樹脂粉末がライニング部分以外の部分に融着して不都合を生じるのを避け得ない。
【0006】
更に、従来の粉末ライニング法で形成されるライニング層は、フラットな形状のものであり、ライニング層に密封等の目的で特定の形状や厚みの分布が要求されるものをライニングで形成することは不可能に近い。また、形成されるライニング層の厚みも概して薄く、厚みの大きいものを形成させることも可能であるが、この場合には、形成されるライニング層にピンホール等が形成されやすいという傾向が認められる。
【0007】
かくして、従来の粉末ライニング法では、エアゾール缶のマウンテイングカップのように、蓋の巻締乃至締結用フランジのみに、所定形状及び厚みの分布をもったライニング層を形成させることは困難である。
【0008】
従って、本発明の目的は、基体、例えば蓋等に対して、特定の部位のみに粉体を施し、所定の形状及び厚みの分布を有するライニングを形成できるライニング方法を提供するにある。
【0009】
本発明の他の目的は、容器への巻締乃至締結性や密封性及び耐腐食性に優れたライニング蓋を環境汚染等の問題を生じることなしに高生産性を以て製造できるライニング方法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、粉体を基体の特定部位にライニングする方法であって、粉体として非球形状で安息角40度以上のものを使用し、供給ノズル及び振動機構を備えた供給機構に前記粉体を収容させ、供給機構の振動により前記粉体を流動化させて前記基体の特定部位に粉体層を供給し、粉体層を成形部材で押圧して所定形状のライニング層を形成させることを特徴とするライニング方法が提供される。
【0011】
本発明において、粉体の供給に際して、前記供給機構の振動開始及び停止により、間欠的に定量供給を行うことができる。
【0012】
粉体としては、従来粉体ライニングに使用され、溶融による一体化処理が可能なものであれば任意の粉体が使用されるが、樹脂、特に熱可塑性樹脂の不定形粉末が好適に使用され、特に50乃至300μmの粒径を有するものが有利に使用される。
【0013】
供給ノズルとしては、単一穴のノズルや複数の穴のノズルが何れも使用できる。ノズルの穴は、粉体粒子径の2乃至40倍、特に10乃至30倍の径を有するのがよい。フランジの溝に沿って円周状に配置された複数個のノズルから樹脂粉末の供給を行うのもよい。マウンティングカップのように周状にライニングを行う場合、2個から180個、好ましくは4個から90個のノズルを配置するのがよい。ノズルの断面形状は円形、直線状長穴、円弧状長穴、螺旋状長穴など、任意の形状を用いることができる。蓋体を静止させて樹脂粉末を供給してもよく、回転させて樹脂粉末を供給してもよい。ノズルに接続される粉体溜まりの少なくとも一部は、ロート型の内部形状を有するものが有利に使用され、その傾斜部は30乃至70度、特に40乃至60度の傾斜角度を有するものであるのがよい。
【0014】
また、供給機構に与える振動は振動数1乃至1000Hz、特に1乃至500Hz及び振幅0.01乃至3mm、特に0.05乃至2mmの振動であるのがよい。更に、供給機構に与える振動は、粉体の供給方向(下方向)と一致させるのが効率的である。
【0015】
本発明は、基体に対して密封部形成用のライナーを施すのに有用であり、特に基体が巻締乃至締結用フランジを備えた金属製蓋体であり、粉体が熱可塑性樹脂粉体であり、巻締乃至締結用フランジの溝部に熱可塑性樹脂粉体を施す場合に最も適している。
【0016】
【作用】
本発明では、先ず粉体として非球形状で安息角40度以上のものを使用する。粉体の内でも、非球形状で安息角40度以上のものを使用するのは、粉体の成形性からによる。ここで、粉体の成形性とは、粉体層を成形部材の表面で押圧したとき、この成形形状が成形圧を解除したときにも実質上保たれる状態をいう。粉体としては、球状粒子が最も流動性に優れており、また、安息角の小さいものが流動性に優れており、従来の粉体ライニングでは、流動性の見地から、球状でしかも安息角の小さい粉体粒子が使用されていたが、本発明では、粉体成形性の点から、それ自体流動性に乏しい粉体を使用するのである。
【0017】
流動性の乏しい粉体を使用する場合に問題となるのは、この粉体を基体の特定部位にどう供給するかである。本発明では、この問題を解決するため、供給ノズル及び振動機構を備えた供給機構に前記粉体を収容させ、供給機構の振動により前記粉体を流動化させて前記基体の特定部位に粉体層を供給する。本発明で使用する粉体は非球形状でしかも安息角が大きく、流動性に著しく劣るものであるが、振動を加えることにより初めて、容易に流動化するようになり、この状態で基体の特定の部位に所定量供給することが可能となるものである。従来のライニング法は、何れも粉体を気体を用いて流動化させるものであるが、本発明では、このような気体による流動化を回避し、振動で粉体を流動化することにより、基体の特定部位への粉体の円滑な供給を可能にすると共に、気体による流動化に伴う粉末飛散を防止するものである。
【0018】
次いで、基体上の粉体充填層を成形部材で押圧して所定形状のライニング層を形成させる。本発明で用いる粉体の安息角が40度以上であるということは、この粉体を、自由なゆるみ状態においた場合にも、水平面から40度以上の傾斜角度をなすということであり、小さな角度に崩れにくいということを意味する。しかも、この粉体粒子は非球形状で、粒子同士の絡み合いがよく、この粉体充填層を押圧成形することにより、所定のライニング形状が型くずれなしに容易に得られるものである。得られた所定形状の粉体ライニング層は、これを溶融処理することにより、粒子相互が溶融一体化した最終ライニング層となる。
【0019】
また、本発明によれば、粉体は振動により初めて流動化されるので、振動を停止すると粉体の流動が停止して供給が停止され、振動を開始すると粉体が流動化して供給が開始され、しかも流動状態での単位時間当たりの流量は一定しているので、供給機構の振動開始及び停止により、間欠的に定量供給を行うことができる。
【0020】
また、本発明によれば、用いる粉体の粒径及び供給量を調節することにより、形成されるライニング層の厚みも自由に調節することができ、特に粒径が100乃至500μmと概して大きい粒子をも容易に供給できることから、厚みの大きいライニング層をも容易に形成することができ、粉体充填層の押圧成形と相まって、ピンホール等の被覆欠陥のないライニング層を形成でき、このライニング層は、耐腐食性や密封性等に優れているという利点を与える。
【0021】
粉体の供給に使用する供給ノズルは単一穴のノズルや複数穴のノズルの何れであってもよい。ノズルの穴の径は、振動印加時における流動の一様性と、振動停止時における流動停止性との両方に関係し、粉体の粒子径の2乃至40倍、特に10乃至30倍の径を有するのがよい。また、ノズルに連なる樹脂溜まりのロート形状部の傾斜角度は、粉体の安息角によっても異なるが、やはり振動開始及び停止により間欠的に安定な定量供給を行うために、30乃至70度、特に40乃至60度の範囲内にあるのがよい。ノズルの穴の径が上記範囲よりも小さい場合やロート形状部の傾斜角度が上記範囲より小さい場合には、安定で一様な供給が困難となり、一方ノズルの穴の径が上記範囲よりも大きい場合やロート形状部の傾斜角度が使用する粉末の安息角よりも大きい場合には、振動停止にもかかわらず粒子の落下を生じ、粉体の飛散の問題を生じる。
【0022】
一方、供給機構に与える振動は、粉体粒子の流動化に密接に関係しており、振動数が1乃至1000Hz、特に1乃至500Hz及び振幅が0.01乃至3mm、特に0.05乃至2mmの範囲にあるのがよい。振動数や振幅が上記範囲よりも小さい場合には、安定な供給が困難となり、上記範囲よりも大きいとエネルギー効率の点で望ましくない。粉体の供給方向を下方向とし、この方向に振動方向をとるのが効率がよい。
【0023】
本発明は、種々の基体に対する粉体ライニングに有用であるが、ライニング層の形状が特異であり、しかも厳密な密封性と耐腐食性とが要求される包装用容器蓋、特に巻締乃至締結用フランジを備えた金属製蓋体のフランジ溝部に熱可塑性樹脂粉体を施す場合に特に有用である。
【0024】
【発明の好適態様】
本発明を、以下、巻締乃至締結用フランジを備えた金属製蓋体のフランジ溝部に熱可塑性樹脂粉体を施す場合について説明するが、本発明はこの例に限定されない。
【0025】
本発明によるライニング方法の一例を示す図1において、この例はライニング蓋の製造に応用したものであり、基体1は巻締用フランジ2を備えた金属製蓋体であり、この蓋体1は倒立状態、即ちフランジ2の溝が上向きの状態で搬送機構3に載せられ、粉体の供給工程に送られる。粉体の供給工程Aには、回転チャック4、樹脂粉体を収容するホッパー5、振動フィダー6及び供給ノズル7が配置されている。金属製蓋体1は回転チャック4に保持されて回転し、金属製蓋体の溝内にノズル7を経て粉体8が振動下に定量供給される。
【0026】
粉体8が供給された金属製蓋体1は、搬送機構9により、成形加熱工程Bに送られる。成形加熱工程Bには、非磁性非導電性材料から成る支持台10と、粉体充填層8を成形するための成形部材11と、成形部材11を加圧するための加圧機構12とが設けられている。この具体例では、粉体を仮固着させるために、支持台上の金属製蓋体1を加熱するための高周波誘導加熱コイル13と、コイル13に高周波電流を供給するための高周波電源14とが設けられている。先ず、金属製蓋体内の粉体を成形部材11で所定の形状に押圧成形し、次いでこの状態で、高周波誘導加熱コイル13に高周波電流を供給し、金属製蓋体1を加熱し、その中の粉体を所定形状に仮固着させる。勿論、この仮固着操作は、特に厳密なライニング形状が要求されない場合や粉体が十分な成形性を有する場合には、省略しても何等差し支えない。
【0027】
成形された粉体層15を備えた金属製蓋体を、溶融工程Cに供給する。溶融工程Cには、粉体層を加熱するためのオーブン16とオーブン16内を通る搬送機構17とから成っており、仮固着された粉体層を溶融一体化して、所定の形状のライニング層18を形成させ、溶融処理が終了した蓋体は冷却され、ライナー層の固化が行われる。
【0028】
粉体の供給に使用するノズルの形状を説明するための図2において、このノズル7は、ロート状の内部形状を有しており、円筒部19と、これに接続された倒立円錐体部分20と、これに接続された筒状のオリフィス部分21とから成っている。熱可塑性樹脂の粉体、特に不定形樹脂の粒子はその供給が困難なものであるが、上記ロート形状のノズルと、振動とを組み合わせることにより円滑な供給が可能となる。
【0029】
ノズルのオリフィス部分21の径d及び円錐体部分20の傾斜角度αには、用いる熱可塑性樹脂粉体の粒径及び安息角に対応して、一定の好適範囲があり、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)の粒径50乃至200μm及び安息角50乃至60度の粒子に対しては、径dは2乃至3mm及びテーパ角度αは40乃至60度が適当である。
【0030】
上記ノズルは、振動機構(振動フィーダー)6と組み合わせることにより、粉体の定量供給を行う。粉体に加える振動数及び振幅に関しても最適範囲があり、上記例についていえば、1乃至500Hzの振動数及び0.05乃至2mm程度の振幅が適当である。図3は振動機構6により印加された振動波形の一例を示したものである。
【0031】
熱可塑性樹脂粉体の供給量は、ライニング部分の大きさ等によっても変化するが、一例として、径24mmのマウンテイングカップの場合、0.2乃至0.35g/1個、特に0.25乃至0.3g/1個程度の量が適当である。本発明の粉体ライニング法によれば、蓋当たりの樹脂の供給量を多くすることができるという特徴があり、また蓋当たりの樹脂の供給量を調節することも容易であるという利点がある。粉体の供給量の調節は、前記ノズルと振動フィーダーとの組み合わせでは、一定振動条件下での樹脂の流量が一定になるという特徴を利用して、振動のON−OFF制御により、供給量を一定にすることができる。勿論、樹脂供給量の制御は、この方法に限定されず、供給前或いは供給後の粉体の重量或いは容量を計量して行うことも可能である。
【0032】
基体のライニング部分、例えば金属製蓋体の巻締乃至締結用フランジの溝への樹脂の供給を一様に行うために、基体を回転させながら樹脂粉体の供給を行うのがよく、前記マウンテイングカップの場合、40乃至80rpm、特に50乃至70rpm程度の回転が適当である。即ち、回転数があまり少ないと周方向に一様に樹脂粉体を供給することが困難となり、一方回転数があまり多いと樹脂粉体の周囲への飛散が大きくなるが、上記範囲では、円滑な一様供給が可能となる。
【0033】
加圧工程に使用する成形部材の一例の詳細な構造を示す図4(断面図)及び図5(先端部拡大図)において、この成形部材11は、図6に示すマウンテイングカップへのライニング成形に使用されるものである。成形部材11は、円盤状の基部22と、基部22の下方面に設けられたリング部23とから成っている。リング部23の先端(下端)には、内周側の辺24が外周側の辺25に比して長い非対称V字型となった作用部先端26が形成されている。
【0034】
ライニング蓋(マウンテイングカップ)の一例を示す図6において、このライニング蓋27は、金属製蓋体1とライナー材層18とから成っている。この具体例(マウンテイングカップ)の金属製蓋体1は、リング状外周凹部28及びリング状内周凸部29を備え、両者の間には内周側壁30が、リング状外周凹部28の外周には外周側壁31が形成されている。外周側壁31の上端は巻締乃至締結用フランジ32に接続されている。リング状内周凸部29及び内周側壁30で規定される部分がバルブ収容部33であり、リング状内周凸部29の中央には内容物取り出しパイプ用の貫通孔34となっている。
【0035】
巻締乃至締結用フランジ35は全体として半長円状の径方向断面形状をしており、下向きに開口した溝36の形となっている。この溝36の中に熱可塑性樹脂のライナー材層18が形成されている。この具体例において、ライナー材層18は、フランジの外周側端縁37において最も薄く、溝中央38に向けて厚くなるように形成されており、フランジ部外周側端縁37に対向するフランジ部内周面の部分を越えて溝36の反対側に外周側壁31に沿って延びている延長長辺を有する。即ち、ライナー材18の表面の径方向断面が、内周側の辺、即ち延長された長辺39が外周側の辺40に比して長い非対称V字型或いはU字型形状となっているライナー層を形成させることがこの具体例での目的である。
【0036】
再び、図4及び5に戻って、リング部23の内径Diは金属製蓋体1の外周側壁31(図6)の外径よりも若干大きい径を有するものであり、一方リング部23の外径Doは金属製蓋体1のフランジ部外周側端縁37(図6)の内径よりも若干小さい径を有するものである。かくして、成形部材11のリング部23は金属製蓋体1の巻締乃至締結用フランジの溝36(図6)内に挿入しうることが了解されよう。図示する成形部材の具体例では、非対称V字型先端26は、金属製蓋体1の溝中央部38よりもやや外周側に位置するように形成されており、内周側長辺24と外周側短辺25との傾斜角度が極端に異なることのないようにされている。勿論、内周側長辺24とV字型先端26を通る垂線とのなす角度(β)は外周側短辺25と前記先端垂線とのなす角度(γ)よりも大きい。これらの傾斜角度は、粉体充填層への賦形性とライニング層の厚みとに密接に関係する。即ち、傾斜角度があまり大きいと成形部材を樹脂充填層に十分に食い込ませることが困難となり、成形性が低下する。一方上記角度が小さくなると、樹脂充填層への食い込みが大きくなりすぎるために溝中央部での厚みが減少する傾向が認められる。このため、傾斜角度(β、γ)は、一般に20乃至40゜、特に25乃至35の範囲にあることが望ましい。
【0037】
一例として、径24mmのマウンテイングカップに好適に使用される成形部材の諸寸法は次のとおりである。
リング部内径Di 24.5mm
リング部外径Do 31.6mm
作用部先端径Dc 28.4mm
内周側長辺の角度(β) 27.8゜
外周側短辺の角度(γ) 38.4゜
【0038】
上記形状の成形部材を使用することにより、粉体充填層に成形部材を十分に食い込ませ、所定のライニング形状を形成させることができる。成形部材に印加する荷重は、樹脂充填層の面積によっても相違するが、一般に5乃至70kgfの範囲がよく、上記具体例のマウンテイングカップの場合、40乃至50kgfの荷重が適当である。
【0039】
必ずしも必要でないが、成形された粉体ライニング層の溶融工程への移動時の型くずれを完全に防止するために、粉体層を成形部材で加圧した状態で、金属製蓋体を加熱することができる。この蓋体の加熱を高周波誘導加熱コイルを使用して行うと、極めて短時間の内に所定のライニングすべき部分を選択的に加熱できるので有利である。勿論加熱の程度は、粉体の金属製蓋体への仮固着が行われ、粉体層の崩壊乃至型くずれが防止き、粉体と成形部材との融着が防止される程度のものであればよい。一般に、0.1乃至5秒、特に0.1乃至2秒程度の短時間の加熱で十分であり、高周波としては、10k乃至200kHZ の高周波が使用され、コイルへの入力は、蓋1個当たり、1.0乃至10kw程度が適当である。
【0040】
樹脂粉体層の成形及び必要に応じ仮固着を行った蓋体を、加熱し、樹脂粒子相互を溶融一体化させる。この溶融処理は、樹脂の融点乃至軟化点以上の温度で行う。樹脂の融点乃至軟化点とは、樹脂の融点が明確であるときには一義的に融点を意味し、樹脂の融点が明確でない場合には樹脂の軟化点を意味する。樹脂の融点乃至軟化点(T)を基準として、T+5℃乃至T+100℃の温度で加熱処理を行うのが好ましい。加熱には、熱風循環炉、赤外線加熱炉、高周波誘導加熱、誘電加熱等の任意の手段を使用することができる。最後に、加熱後の蓋を冷却乃至放冷して、本発明のライニング蓋が得られる。
【0041】
図7に、かくして製造される本発明のライニング蓋の巻締乃至締結用フランジ部の断面構造の拡大図を示す。図7には、24mm径のマウンテイングカップに、密度0.925g/cm3 、メルトフローレート22g/10min及び平均粒径150μmの不定形粒子状の低密度ポリエチレン(LDPE)を、供給量を変化させて、0.25g(A)、0.3g(B)及び0.35g(C)とし、図4及び5の成形治具で押圧して仮個着を行い、その後溶融して得られるライニングの断面形状を示している。
【0042】
この図7から、ライナー材表面の径方向断面形状は、樹脂の若干の溶融流動により、V字型からややU字型に移行した形状となっており、また前記V字型或いはU字型の底は溝中央部に近づいているが、何れも、フランジ部の外周側端縁37(図6)で最も薄く、溝中央部38に向けて厚くなり、しかもフランジ部外周側端縁37に対向するフランジ部内周面の基準部分41を越えて溝の反対側に延びている形状を有する。樹脂の充填量が増大するほど、溝中央部分38のライナー層の厚みが大きくなっており、フランジ部内周面基準部分41でのライナー層の厚みも大きくなり、しかもフランジ部内周面基準部分41からの延長部分の長さも長くなっている。
【0043】
この具体例において、ライナー材のV字型或いはU字型形状の底がフランジ部のほぼ溝中央部の上方に100乃至1500μm、特に300乃至1000μmの厚みで設けられているのがよく、またフランジ部内周面基準部分41でのライナー層の厚みは10乃至500μm、特に100乃至200μmの範囲、更にフランジ部内周面基準部分41からの延長部分の長さは、0.1乃至4mm,特に0.5乃至4mmの範囲にあることが、巻締乃至締結部の密封性及び耐腐食性の点で好適である。
【0044】
マルチノズルを用いる粉体供給成形装置の一例を示す図8において、この装置は、大まかにいって、加振機50、蓋体支持体51、粉体供給機構52及び加圧成形機構53からなっている。即ち、加振機50には機枠54が設けられ、この機枠54に、昇降板55を介して、マウンティングカップ27を保持する蓋体支持体51が支持されている。蓋体支持体51はその上部に、高周波電源56に接続された高周波誘導加熱コイル57を備えており、昇降駆動機構58により昇降可能に設けられている。
【0045】
粉体供給機構52及び加圧成形機構53は、同軸上に且つ粉体供給機構52が外周側及び加圧成形機構53が中心側となるように機枠54の上部に設けられている。加圧成形機構53は成形部材11と、成形部材を加圧するための加圧機構12とを備えている。また、成形部材11の内方には、押しスプリング59により下向きに賦勢された蓋体押さえ60が設けられている。粉体供給機構52は、粉体8を収納するホッパー5及び供給ノズル(マルチノズル)7を備えている。また、供給ノズル7は、蓋体の外周部と係合する係合用下端部63を有しており、この係合用下端部63と蓋体外周部とが、粉体供給時に密接に係合して、粉末飛散の発生を有効に防止している。図8においては、供給ノズル7の出口は成形部材11により閉ざされていることが理解されよう。
【0046】
マルチノズルの一例を示す図9において、このマルチノズル7は、周状に均等に分配された円形の穴を60個備えている。この具体例では、孔の径は2.5mmである。穴の数を多くすることにより、蓋体への樹脂粉体の供給は均一に行うことができる。
【0047】
マルチノズルの他の例を示す図10において、このマルチノズル7は、円弧状長穴62を12個備えている。この具体例では、円弧状長穴は指数螺旋を形成しており、この長穴では、ノズル中心を通るどの線で切った場合にも断面積が等しく、粉体の供給が均一に行えるという利点を与えるものである。この例での上記長穴の幅は2.5mmである。
【0048】
図8の粉体供給成形装置の動作を説明するための図11において、蓋体供給工程を示すAにおいて、蓋体支持体51は下降位置にあり、これに蓋体(マウンティングカップ)27が供給される。蓋体供給後、蓋体支持体51は上昇し、粉体供給位置で停止する。この状態で、成形部材11が上昇し、マルチノズル7の出口が開き、Bの粉体振動供給工程にはいる。
【0049】
加振機50により粉体供給機構52が振動を開始し、ホッパー5内の粉体8は、マルチノズル7を経て、マウンティングカップ27内に定量供給される。
【0050】
粉体供給後、加圧機構12により成形部材11が押し下げられ、マウンティングカップ内の粉体を所定の形状に成形する。この成形は、蓋体押さえ56で蓋体を押さえた状態で行われる。Cの高周波押圧加熱工程で、蓋体支持体52の高周波誘導加熱コイル57に高周波電力が供給され、押圧成形された粉体を蓋体を通して加熱し、粉体成形体の蓋体への仮固着を行う。
【0051】
この態様によれば、蓋体への粉体供給を著しく短時間に行うことが可能であると共に、蓋体内での粉体分布も均一且つ一様であるという利点がある。また、粉末飛散を防止しながら、粉体の供給と成形並びに仮固着をワンステージで行いうるという利点も達成される。
【0052】
本発明に用いる基体は、前述したマウンテイングカップの他に、各種ライニング蓋、機械部品、電子部品、構造材、家具部品、建材等であってよく、これらは一般に金属素材のプレス成形、絞り成形、押し出し加工、その他の機械加工で形成されている。適当な金属素材は、表面処理鋼及びアルミ等の軽金属である。強度や耐腐食性の点で、表面処理鋼板が有利であり、中でも錫メッキ鋼板が加工性の点で有利に使用されるが、他に電解クロム酸処理鋼板、クロメート処理ニッケルメッキ鋼板、クロメート処理鉄・錫合金メッキ鋼板、クロメート処理錫・ニッケル合金メッキ鋼板、クロメート処理鉄・錫・ニッケル合金メッキ鋼板、クロメート処理アルミニウムメッキ鋼板等を用いることもできる。
【0053】
ブリキ素材として、電気スズメッキ鋼板のうち、リフローブリキ板もノーリフロー(マット)ブリキ板の何れも使用できる。スズメッキ量は、特に制限されないが、加工性や耐食性の点で、1.12乃至11.2 g/m2 のものがよい。錫メッキ層の上には、クロメート層等の表面処理層が設けられていることが望ましい。また、錫メッキ層と鋼基体との間には、錫−鉄合金層が形成されていることが耐腐食性の点で望ましい。
【0054】
表面処理鋼板の厚みは、エアゾール缶としての用途から、一般に0.15乃至0.50mm、特に0.18乃至0.40mmの範囲にあるべきであり、上記範囲よりも小さいと耐圧性が不十分であり、上記範囲よりも厚いと、容器が重くなり、加工も困難となるので好ましくない。
【0055】
一方、軽金属板としては、所謂純アルミニウム板の他にアルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn:0.2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Zn:0.25乃至0.3重量%、及びCu:0.15乃至0.25重量%、残部がAlの組成を有するものである。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量が20乃至300mg/m2 となるようなクロム酸処理或はクロム酸/リン酸処理が行われていることが望ましい。軽金属板の場合には0.15乃至0.40mmの厚みを有するのがよい。
【0056】
上記金属基体の表面には、金属の腐食を防止するための樹脂被覆を設けるのが望ましい。この目的のための保護塗膜としては、従来金属の保護に用いられている公知の熱硬化性樹脂塗料、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂、或いは熱可塑性樹脂塗料、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂塗料は単独でも2種以上の組合せでも使用される。
【0057】
また、樹脂被覆としては、熱可塑性樹脂フィルムを使用することもでき、これを金属板上にラミネートしたものを基体の製造に用いることができる。フィルムとしては、例えば、二軸延伸PETフィルムを使用することができ、エチレンテレフタレート単位のみから成るホモポリエステルの他に、改質エステル反復単位の少量を含む改質PETフィルムが使用される。用いるPETの分子量は、フィルム形成能を有するような範囲であり、固有粘度[η]が0.7 以上であるのがよい。
【0058】
ライナー材を施す部分の塗膜は、用いるライナー材に密着性、特に熱接着性を示す塗膜であるのがよい。この目的のために、金属製基体の少なくともライナー形成部には、無水マレイン酸変性オレフィン樹脂のような酸変性オレフィン樹脂や酸化ポリエチレン等の極性基を有する変性オレフィン樹脂を塗料中に含有させておくことが有効である。変性オレフィン樹脂を塗料固形分当たり0.1乃至10重量%程度含有させることが望ましい。
【0059】
本発明では、密封部形成用ライナー材として、一般に熱可塑性樹脂の粉体を使用する。ライナー用熱可塑性樹脂としては、蓋体に粉体として施すことができ、蓋体上で密封に必要な形状に成形され、必要なクッション性と柔軟性を有するものが使用され、柔軟性のある比較的低融点或いは低軟化点の熱可塑性樹脂が適当である。これらのライナー形成用樹脂としては、オレフィン樹脂、例えば低−、中−、高−密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、アイソタクティックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)或いはこれらのブレンド物等のオレフィン系樹脂が適当である。
【0060】
上記オレフィン樹脂は、他のエラストマー、例えば、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、SBR,NBR、熱可塑性エラストマーとのブレンド物で使用することもできる。
【0061】
特に好適なライナー材樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE)であり、密度が0.9乃至1.0g/cm3 、メルトフローレートが10乃至30g/10minのLDPEが適当である。
【0062】
上記LDPEは、柔軟性とクッション性とに優れているばかりではなく、融点が低く、比較的低温での仮固着処理及び溶融処理が可能であり、ライナーへの成形処理が容易で、しかも塗膜等を熱で損傷しないという点及び密封部を形成したとき、室温でのクリープが小さく耐漏洩性の点でも優れている。
【0063】
粉体は、勿論上述した熱可塑性樹脂に限定されず、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−テトラフルオロプロピレン共重合体、ポリフッツ化ビニル、ポリフッツ化ビニリデンが代表例であるフッ素樹脂等の他の熱可塑性樹脂を用いることができ、上記樹脂は、基体上に低摩擦係数で耐磨耗性の固体潤滑層を形成させたり、強誘電体層を形成させるのに有用である。また、固体潤滑層の形成は、上記の樹脂に限定されず、溶融乃至燒結可能な固体潤滑剤粉末やこの粉末と樹脂バインダーとの組成物を用いることもできる。また機械的性質や耐熱性に優れた熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のライニングにも使用することができる。
【0064】
粉体としては、一般に粒径の任意のものを使用できるが、前述した範囲の厚いライニング層を形成させるという見地からは、顕微鏡による平均粒径が50乃至300μm、特に100乃至200μmの比較的粒度の大きいものを使用するのがよい。粉体の粒子形状は、不定形でも、球状或いはダイス状等の定形粒子であってもよいが、粉体成形性の点では、不定形の粒子が好ましい。
【0065】
上記樹脂の粉体には、所望により公知の配合剤を配合することができる。例えば、充填剤、補強剤、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤等をそれ自体公知の処方に従って配合することができる。
【0066】
【実施例】
本発明を次の実施例で説明する。
【0067】
[実施例1]
機械的粉砕法により作製された非球形状ポリエチレン粉末(LDPE、平均粒径150μm、安息角60度)を用いて、エアゾール缶用マウンテイングカップのフランジ部に本発明の方法によりライニングを施した。
アルミニウム製の供給ノズル(オリフィス径2.5mm、テーパ角度50度、円筒部長さ10mm)にモーターで回転するカムを介して振動(6Hz、振幅2mm)を供給ノズル上部に振動方向が下方向になるように4秒間与えた。供給ノズルはマウンテイングカップのフランジ部上方に位置し、マウンテイングカップは60rpmで回転させた。この時、供給量は0.3gであった。次に図5のような押圧治具により押圧(48kgf)しながら、高周波誘導加熱装置(出力1.2kw、2秒間)によりフランジ部を加熱して粉末を仮固着させ、その後、オーブン(160℃、5分)により溶融固着させてライニングを行った。このマウンテイングカップをエポキシ樹脂に埋め込み、断面を観察したところ、好適形状のライニング層が得られた。さらに、ジメチルエーテルをプロペラントとしたヘアスプレー原液を常法により充填して、該マウンテイングカップを目金とクリンチしてエアゾール缶を100缶製作したところ、すべての缶で所定の性能が得られ漏洩はみられなかった。
【0068】
[実施例2]
実施例1と同様に、非球形状のポリエチレン粉末(LDPE、平均粒径150μm、安息角60度)を使用して、振動時間4秒間の間欠供給をマウンテイングカップ100個に行ったところ、0.3±0.002gの供給量分布で定量供給ができた。
【0069】
[実施例3]
実施例1と同様に、非球形状のポリエチレン粉末(LDPE、平均粒径150μm、安息角60度)を使用して、該供給ノズルにモーターで回転するカムを介して振動(6Hz、振幅1mm)を供給ノズルの側面に振動方向が横方向になるように与えて供給を100個マウンテイングカップに行ったところ、4秒間の供給量分布は0.25±0.01gであった。
【0070】
[比較例1]
化学的造粒法により作製された球形状ポリエチレン粉末(LDPE、平均粒径180μm、安息角20度)を用いて、実施例1と同様な方法でライニングを試みた。この方法では、該粉末を供給ノズルにいれても該粉末はノズル内にとどまらずに流れ落ちるため、供給量を制御することができず、特定部位にライニングを施すことは不可能であった。
【0071】
[比較例2]
平均粒径1500μmの粉末(ポリエチレンペレット)を用いて、実施例1と同様な方法でライニングを試みた。該粉体では、落下はするものの供給ノズル内でつまり、供給量を制御することができず、特定部位にライニングを施すことは不可能であった。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、粉体として非球形状で安息角40度以上のものを使用すると共に、振動により粉体を流動化させて前記基体の特定部位に粉体層を供給する操作と、粉体層を成形部材で押圧して所定形状のライニング層を形成させる操作とを組み合わせることにより、基体、例えば蓋等に対して、特定の部位のみに粉体を施し、所定の形状及び厚みの分布を有するライニングを形成することができる。また、巻締乃至締結性や密封性及び耐腐食性に優れたライニング層を環境汚染や粉体飛散等の問題を生じることなしに高生産性を以て形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるライニング方法の工程を説明するための工程図である。
【図2】粉体の供給に使用するノズルの形状を示す断面図である。
【図3】ノズルに印加する振動の波形を示すグラフである。
【図4】加圧加熱工程に使用する成形治具の詳細な構造を示す断面図である。
【図5】図4の成形治具の先端部拡大図である。
【図6】マウンテイングカップ及びそのライニング部の形状の一例を示す断面図である。
【図7】本発明によるライニング蓋の実施例の巻締乃至締結用フランジ部の断面構造の拡大図である。
【図8】マルチノズルを用いた粉体供給成形装置の断面図である。
【図9】マルチノズルの一例を示す平面図である。
【図10】マルチノズルの他の例を示す平面図である。
【図11】図8の動作を説明する工程図である。
【符号の説明】
1 基体
2 ライニングすべき部分
3 搬送機構
4 回転チャック
5 ホッパー
6 振動フィダー
7 供給ノズル
8 粉体
9 搬送機構
10 支持台
11 成形部材
12 加圧機構
13 高周波誘導加熱コイル
14 高周波電源
15 成形された粉体層
16 オーブン
17 搬送機構
18 ライニング層
19 ノズルの円筒部
20 ノズルの倒立円錐体部分
21 オリフィス部分
22 成形部材の円盤状の基部
23 リング部
24 作用部の内周側辺
25 作用部の外周側辺
26 作用部先端
27 マウンテイングカップ
28 リング状外周凹部
29 リング状内周凸部、30は内周側壁
31 外周側壁
32 巻締乃至締結用フランジ
33 バルブ収容部
34 パイプ用貫通孔
36 溝
37 フランジ部外周側端縁
38 溝中央部
39 内周側の辺
40 外周側の辺
41 フランジ部内周面の基準部分
50 加振機
51 蓋体支持体
52 粉体供給機構
53 加圧成形機構
54 機枠
55 昇降板
56 高周波電源
57 高周波誘導加熱コイル
58 昇降駆動機構
59 押しスプリング59
60 蓋体押さえ
62 円弧状長穴
63 係合用下端部

Claims (8)

  1. 粉体を基体の特定部位にライニングする方法であって、粉体として非球形状で安息角40度以上のものを使用し、供給ノズル及び振動機構を備えた供給機構に前記粉体を収容させ、供給機構の振動により前記粉体を流動化させて前記基体の特定部位に粉体層を供給し、粉体層を成形部材で押圧して所定形状のライニング層を形成させることを特徴とするライニング方法。
  2. 前記供給機構の振動開始及び停止により、間欠的に定量供給を行う請求項1記載のライニング方法。
  3. 粉体が熱可塑性樹脂の不定形粉末である請求項1記載のライニング方法。
  4. 粉体が50乃至1000μmの粒径を有するものである請求項1乃至3の何れかに記載のライニング方法。
  5. 供給ノズルがロート型の内部形状を有するものであり、筒状先端部が粉体粒子径の2乃至40倍の径を有し、傾斜部が30乃至70度の傾斜角度を有するものである請求項1乃至4の何れかに記載のライニング方法。
  6. 供給機構に与える振動が振動数5乃至1000Hz及び振幅0.01乃至3mmの振動である請求項1乃至5の何れかに記載のライニング方法。
  7. 粉体の供給方向が下方向であり、この方向に振動を加える請求項1乃至6の何れかに記載のライニング方法。
  8. 前記基体が巻締乃至締結用フランジを備えた金属製蓋体であり、粉体が熱可塑性樹脂粉体であり、巻締乃至締結用フランジの溝部に熱可塑性樹脂粉体を施す請求項1記載のライニング方法。
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