JP3721491B2 - 石油系化合物による汚染土砂の洗浄処理方法 - Google Patents
石油系化合物による汚染土砂の洗浄処理方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、重油等の石油系化合物により汚染された土砂を洗浄するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、タンカー事故等により海上に流出した原油や重油が海岸に漂着して環境汚染を引き起こす事態がしばしば生じ、そのような場合には油汚染された土砂を処理して清浄化する必要が生じている。従来、重油等の石油系化合物により汚染された土砂を清浄化する方法としては、水による洗浄処理か、カセイソーダ(NaOH)や過酸化水素水、灯油、界面活性剤等の化学洗浄剤を用いた洗浄処理が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の洗浄処理方法では十分な洗浄効果が得られず、前処理としてのpH調整が必要となる等の手間も要し、また処理コストも嵩むものであり、より有効な処理方法の開発が急務であるとされていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記事情に鑑み、本発明は、石油系化合物により汚染された土砂を洗浄処理するに当たり、水ガラスの水溶液を洗浄剤として用い、該洗浄剤と処理対象の汚染土砂とを混合撹拌することで汚染土砂の洗浄を行うことを基本とするものである。
【0006】
特に、本発明は、処理対象の汚染土砂を回転フルイ装置により撹拌しつつ移送しながら該汚染土砂に前記洗浄剤を散布することにより該洗浄剤と汚染土砂との混合撹拌を行って汚染土砂を洗浄した後、汚染土砂から分離された油分と洗浄に使用した洗浄剤とを前記回転フルイ装置を通して回収して洗浄土砂と分離するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。本実施形態の洗浄処理方法は、重油等の石油系化合物により汚染された土砂を清浄化するために、水ガラスの水溶液を洗浄剤として用いて汚染土砂を洗浄するものである。
【0009】
周知のように、水ガラスは珪酸ナトリウムに代表されるアルカリ珪酸塩(またはアルカリ珪酸塩と珪酸との混合物)を主成分とする溶融ガラス状の物質であり、一般にはその水溶液がコンクリートの急結剤や防水剤として多用されているものである。
【0010】
本実施形態では、最も一般的な水ガラスである珪酸ナトリウムの水溶液を洗浄剤として用い、これを汚染土砂に混合撹拌することで洗浄を行うものである。そのような洗浄を行うことにより、汚染土砂中の油分が土砂から剥離、分離して微細な粒子状となるので、その油分を除去することで汚染土砂を容易に清浄化することができる。すなわち珪酸ナトリウム等の水ガラスによる油汚染土砂に対する優れた洗浄効果が得られる。
【0011】
なお、珪酸ナトリウムはその組成により1号〜3号に分類される。珪酸ナトリウム1号は二酸化珪素の割合が35〜38%、酸化ナトリウムの割合が17〜19%であり、珪酸ナトリウム3号は二酸化珪素の割合が28〜30%、酸化ナトリウムの割合が9〜10%である。そして、二酸化珪素および酸化ナトリウムの割合が高い方が洗浄効果に優れるので、本発明における洗浄剤としては珪酸ナトリウム1号が好適である。また、洗浄剤の濃度は汚染成分や汚染度にもよるが、0.5〜50%程度、好ましくは5〜30%程度とすることが良く、一般的には5%程度で十分である。
【0012】
図1は本実施形態の洗浄方法の効果を実証するために行った実験結果を示すものである。本実験では、豊浦標準砂にA重油を5%の濃度となるように添加放置したものを模擬汚染土砂とした。洗浄剤としての水ガラス水溶液としては濃度を1%、5%、10%、20%に調製した珪酸ナトリウム1号水溶液を用いた。そして、模擬汚染土砂の試料50gと各濃度の珪酸ナトリウム水溶液75gをスクリュー管瓶に入れ、チューブローテーター(TR−350)により35rpmで2分間回転させた後、固液分離を行い、試料中に残留している油分濃度を測定した。油分濃度の測定には油分濃度計(堀場製作所製、OCMA−300)を用い、溶剤としてはポリクロロトリフロエチレンを用いた。また、カセイソーダ(NaOH)を洗浄剤として用いた場合と洗浄効果を比較するために、珪酸ナトリウムの濃度1%、5%、10%に対応するpHとなるカセイソーダを用いて同様の実験を行った。
【0013】
図1(a)、(b)に示される実験結果から明らかなように、水ガラス(珪酸ナトリウム)1号の水溶液を洗浄剤として用いた場合には、いずれの濃度においてもカセイソーダを用いる場合に勝る優れた洗浄効果が得られることが実証された。
【0014】
本発明の洗浄処理方法の具体的な実施形態を図3に示す。なお、図2および図4に参考例としての洗浄処理方法を示す。
【0015】
図2に示す参考例は、混合槽1において汚染土砂と洗浄剤とを予備混合し、それを分離槽2に移送してその底部から洗浄剤を上向き流として流し込むようにしたものである。この場合、分離槽2内の汚染土砂は底部から流し込まれる上向き流の洗浄剤により見かけ上の体積が膨張するとともに流動状態となって洗浄剤と激しく混合撹拌され、それによって汚染土砂から剥離、分離した微細粒子状の油分が水面上に浮上するので、その油分を洗浄剤とともに回収槽3に回収して固液分離を行い、洗浄剤は貯留槽4に導いて循環使用する。上記の処理を所定時間行った後、洗浄剤の供給を停止して静置すれば洗浄土砂の表面に粒状の油分が堆積するので、それも回収槽3に回収する。その後、分離槽2の底部から水道水等の清水を供給して仕上洗浄を行った後、分離槽2から洗浄土砂を排出する。仕上洗浄に用いた清水は吸着槽5に導いてそれに混入している微量の油分を吸着除去した後、貯留槽6に導いて再使用する。なお、混合槽1における予備混合は省略することも可能である。
【0016】
図3に示す本実施形態の洗浄処理方法は、先上がりに傾斜した円筒形の回転フルイ装置11(いわゆるトロンメル)を用い、その回転フルイ装置11を回転させて汚染土砂を撹拌しながら前方に移送しつつその上部から洗浄剤を散布することで洗浄剤との混合撹拌を行うようにしたものである。回転フルイ装置11内における混合撹拌により汚染土砂から分離された油分は洗浄剤とともに回転フルイ装置11から流下するので、それを回収槽12に回収して固液分離を行い、洗浄剤は貯留槽13に回収して循環使用する。前段の回転フルイ装置11を通過した汚染土砂は後段の回転フルイ装置14に送り、そこで同様にして清水による仕上洗浄を行い、仕上洗浄に使用した清水は吸着槽15により油分を吸着除去した後、貯留槽16に回収して循環使用する。
【0017】
図4に示す参考例は、混合槽21において汚染土砂と洗浄剤とを混合撹拌した後、連続式の遠心分離装置22により油分と洗浄剤とを遠心分離するようにしたものである。遠心分離した油分は回収槽23に回収して廃棄処分し、洗浄剤は貯留槽24に回収して循環使用する。汚染土砂は後段の遠心分離装置25に送り、そこで清水による仕上洗浄と遠心分離をさらに行い、仕上洗浄に使用した清水は吸着槽26で油分を吸着除去した後、貯留槽27に回収して循環使用する。
【0018】
上記いずれの方法によっても、洗浄剤として珪酸ナトリウム等の水ガラス水溶液を用いることで従来の単なる水洗浄やカセイソーダ等の化学洗浄剤を用いる場合に比較して優れた洗浄効果が得られ、処理コストも削減することが可能である。しかも、珪酸ナトリウム自体は土壌の成分でもあるので、仮に洗浄土砂中に洗浄剤が微量に残留したとしても特に支障はなく、他の洗浄剤を用いる場合のような洗浄剤残留による二次汚染の懸念はない。したがって上記各実施形態においては清水による仕上洗浄は省略ないし軽減することも可能である。
【0019】
なお、上記実施形態では代表的な水ガラスである珪酸ナトリウムを用いたが、他の水ガラスも同様に使用可能であり、その濃度も適宜設定すれば良い。
【0020】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明は、石油系化合物により汚染された土砂を水ガラスの水溶液を洗浄剤として用いて洗浄するので、単なる水洗浄やカセイソーダ等の化学洗浄剤を用いる従来の洗浄方法に比較して優れた洗浄効果が得られるとともに、処理コストを削減することが可能であり、しかも洗浄剤残留による二次汚染の懸念もなく、極めて有効である。
【0021】
特に、本発明は汚染土砂を回転フルイ装置により撹拌しつつ移送しながら洗浄剤を散布するので、優れた洗浄効果を得ることができるとともに効率的な洗浄作業を行い得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の洗浄処理方法の有効性を実証する実験結果を示す図である。
【図2】 参考例である洗浄処理方法を示す系統図である。
【図3】 本発明の実施形態である洗浄処理方法を示す系統図である。
【図4】 参考例である洗浄処理方法を示す系統図である。
【符号の説明】
11,14 回転フルイ装置
12 回収槽
13,16 貯留槽
15 吸着槽
Claims (1)
- 石油系化合物により汚染された土砂を洗浄処理するに当たり、水ガラスの水溶液を洗浄剤として用い、該洗浄剤と処理対象の汚染土砂とを混合撹拌することで汚染土砂の洗浄を行う汚染土砂の洗浄処理方法において、
処理対象の汚染土砂を回転フルイ装置により撹拌しつつ移送しながら該汚染土砂に前記洗浄剤を散布することにより該洗浄剤と汚染土砂との混合撹拌を行って汚染土砂を洗浄した後、汚染土砂から分離された油分と洗浄に使用した洗浄剤とを前記回転フルイ装置を通して回収して洗浄土砂と分離することを特徴とする石油系化合物による汚染土砂の洗浄処理方法。
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